JP2003170128A - 環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置、減圧加熱処理設備および減圧加熱処理方法 - Google Patents

環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置、減圧加熱処理設備および減圧加熱処理方法

Info

Publication number
JP2003170128A
JP2003170128A JP2001373949A JP2001373949A JP2003170128A JP 2003170128 A JP2003170128 A JP 2003170128A JP 2001373949 A JP2001373949 A JP 2001373949A JP 2001373949 A JP2001373949 A JP 2001373949A JP 2003170128 A JP2003170128 A JP 2003170128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
residual organic
wall surface
environmentally harmful
heat treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001373949A
Other languages
English (en)
Inventor
Mamoru Nakamura
守 中村
Makoto Nakamura
誠 中村
Toshio Kakegawa
寿夫 掛川
Yoshihiro Suenaga
慶寛 末永
Wataru Shiraki
渡 白木
Mitsuhiro Ohira
光洋 大平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NAKA ENGINEERING KK
Original Assignee
NAKA ENGINEERING KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NAKA ENGINEERING KK filed Critical NAKA ENGINEERING KK
Priority to JP2001373949A priority Critical patent/JP2003170128A/ja
Publication of JP2003170128A publication Critical patent/JP2003170128A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
  • Cleaning In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】焼却炉等を解体処理する前にその壁面等に含浸
した環境有害残留性有機化学物質を処理することができ
る環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置、減
圧加熱処理設備および減圧加熱処理方法を提供する。 【解決手段】壁面Wに存在する環境有害残留性有機化学
物質を加熱分解処理するための処理装置であって、処理
装置が、一端が壁面Wと対向するように設けられた加熱
容器10と、その一端と壁面Wとの間に設けられた加熱
手段15と、加熱容器10の一端と壁面Wとの間におい
て、加熱容器10の一端と壁面Wとの間を気密に密閉す
るための耐熱シール手段16と、加熱容器10の一端、
壁面Wおよび耐熱シール手段16によって形成された加
熱室を、真空引きするための真空引き手段30とからな
り、加熱手段15が、壁面Wおよび加熱室内の温度を、
650℃以上に上昇させ、壁面Wおよび加熱室内を650 ℃
以上に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境有害残留性有
機化学物質の減圧加熱処理装置、減圧加熱処理設備およ
び減圧加熱処理方法に関する。さらに詳しくは、環境や
人体に有害な環境有害残留性有機化学物質、特にダイオ
キシン類等を分解処理するための環境有害残留性有機化
学物質の減圧加熱処理装置、減圧加熱処理設備および減
圧加熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴミ等を焼却処理するための処理施設で
は、その煙突や焼却室の内壁にゴミ等の焼却過程で発生
したすすが付着している。このすすには、ダイオキシン
類が含まれているので、煙突等は、その内部を水洗いし
て、その内壁に付着しているすすを取り除いてから解体
されている。このため、煙突等を解体したときにすすが
周囲に飛散することを防ぎ、このすすに含まれる環境有
害残留性有機化学物質によって環境が汚染されることを
防いでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、ダイオキシ
ン類等の環境有害残留性有機化学物質が煙突等の内壁に
含浸している場合、内壁に含浸している環境有害残留性
有機化学物質は水洗いしただけでは除去することができ
ない。このため、煙突を解体したときに発生する埃や粉
塵等には、環境有害残留性有機化学物質が含まれてお
り、この埃や粉塵が周囲に飛散すれば、環境を汚染する
し、作業者がその埃等を吸い込めば健康を害してしまう
という問題がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑み、焼却炉等を解
体処理する前にその壁面等に含浸した環境有害残留性有
機化学物質を処理することができる環境有害残留性有機
化学物質の減圧加熱処理装置、減圧加熱処理設備および
減圧加熱処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の環境有害残留
性有機化学物質の減圧加熱処理装置は、壁面に存在する
環境有害残留性有機化学物質を加熱分解処理するための
処理装置であって、該処理装置が、一端が、前記壁面と
対向するように設けられた加熱容器と、該加熱容器の一
端と前記壁面との間に設けられた加熱手段と、前記加熱
容器の一端と前記壁面との間において、前記加熱手段を
囲むように設けられた、前記加熱容器の一端と前記壁面
との間を気密に密閉するための耐熱シール手段と前記加
熱容器の一端、前記壁面および前記耐熱シール手段によ
って形成された加熱室を、真空引きするための真空引き
手段とからなり、前記加熱手段が、前記壁面および前記
加熱室内の温度を、650 ℃以上に上昇させ、前記壁面お
よび前記加熱室内を650 ℃以上に保つことを特徴とす
る。請求項2の環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱
処理装置は、請求項1記載の発明において、前記加熱容
器を、前記壁面に固定するための固定手段を備えたこと
を特徴とする。請求項3の環境有害残留性有機化学物質
の減圧加熱処理装置は、請求項1記載の発明において、
前記加熱容器が、前記加熱手段が取り付けられた内側部
材と、前記内側部材を覆うように設けられた外側部材と
からなり、該外側部材の一端と前記壁面との間に、前記
耐熱シール手段が設けられたことを特徴とする。請求項
4の環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置
は、環境有害残留性有機化学物質を含む被処理物を加熱
分解処理するための処理装置であって、該処理装置が、
前記被処理物を収容するための気密な加熱室を備えた加
熱容器と、該加熱室内を真空引きするための真空引き手
段と、前記加熱室内の温度を、650℃以上に上昇させ、
前記加熱室内を650 ℃以上に保つための加熱手段とから
なることを特徴とする。請求項5の環境有害残留性有機
化学物質の減圧加熱処理装置は、請求項4記載の発明に
おいて、前記加熱容器が、環境有害残留性有機化学物質
を含む被処理物を収容するための加熱室を有する本体
と、該本体の上面に開閉自在に設けられ、前記加熱室を
気密に密閉する蓋とからなることを特徴とする。請求項
6の環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置
は、請求項1または4記載の発明において、前記加熱容
器と前記真空引き手段との間において、前記加熱容器の
加熱室よりも容積が小さい副加熱室を有する副加熱器が
介装されており、該副加熱器において、前記環境有害残
留性有機化学物質の加熱分解時に発生する排ガス中の有
機化学物質を加熱分解処理することを特徴とする。請求
項7の環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置
は、請求項6記載の発明において、前記副加熱器が、複
数の加熱室を備えており、該複数の加熱室が、直列に並
んで配設されたことを特徴とする。請求項8の環境有害
残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置は、請求項6記
載の発明において、前記副加熱器と真空引き手段とを連
通させる配管に、伸縮自在な伸縮管が介装されたことを
特徴とする。請求項9の環境有害残留性有機化学物質の
減圧加熱処理装置は、請求項1記載の発明において、前
記加熱容器を前記壁面に沿って移動させる駆動部と、該
駆動部の動きを遠隔操作する制御部とからなる移動手段
を備えたことを特徴とする。請求項10の環境有害残留
性有機化学物質の減圧加熱処理設備は、請求項1記載の
減圧加熱処理装置を備えた、円筒状の内壁に存在する環
境有害残留性有機化学物質を加熱分解処理するための処
理設備であって、前記処理設備が、前記円筒状の内壁の
中心軸と同軸に設けられた支持軸と、該支持軸を中心と
して、互いに回転対称な位置に配設された、複数の加熱
容器と、該複数の加熱容器を、前記支持軸の半径方向に
移動させる移動手段とからなることを特徴とする。請求
項11の環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理方
法は、一端に加熱手段が設けられた加熱容器を、その一
端が環境有害残留性有機化学物質が存在する壁面と対向
するように設け、前記加熱容器の一端と、前記壁面と、
前記加熱容器の一端と前記壁面との間において前記加熱
手段を囲むように配設された耐熱シール手段によって、
気密に密閉された加熱室を形成し、該加熱室内を真空引
き手段によって真空引きし、前記加熱手段によって、前
記壁面および前記加熱室内の温度を、650 ℃以上に上昇
させ、前記環境有害残留性有機化学物質の全てが分解さ
れるまで前記壁面および前記加熱室内の温度を650 ℃以
上に保つことを特徴とする。
【0006】請求項1の発明によれば、壁面および加熱
室内を650 ℃以上まで加熱するので、壁面に含浸したり
付着したりしている環境有害残留性有機化学物質を、壁
面を構成する壁材等を解体することなく、そのままの状
態で分解処理することができる。このため、環境有害残
留性有機化学物質を分解処理した後で壁材等を解体すれ
ば、そのときに発生する埃や粉塵には環境有害残留性有
機化学物質が含まれていない。したがって、焼却炉や煙
突等を解体しても、環境有害残留性有機化学物質によっ
て周囲の環境を汚染したり、作業者の健康を害したりす
ることを防ぐことができる。また、酸素が少ない雰囲気
中で、壁面を650 ℃以上に加熱することができるので、
環境有害残留性有機化学物質が塩素を含むものであって
も、ダイオキシン類の発生を抑制することができ、加熱
分解処理を行う時間を短くすることができる。さらに、
環境有害残留性有機化学物質が分解して排ガスが発生し
ても、その排ガスを加熱室内に保持して、加熱室内にお
いて排ガス中に含まれる環境有害残留性有機化学物質を
加熱分解処理できるので、排ガスの処理が容易である。
請求項2の発明によれば、加熱容器が壁面に固定される
ので、作業中に加熱容器が壁面から離れるように移動す
ることを防ぐことができる。したがって、耐熱シール手
段によって加熱室内と外部との間を確実に密閉すること
ができる。請求項3の発明によれば、外側部材の一端の
形状を、壁面の形状に合わせれば、平坦な壁面だけでな
く、曲がった壁面や壁面と壁面とが交わるコーナ部であ
っても、壁面と外側部材とシール材との間に外部と隔離
された加熱室を形成することができる。しかも外側部材
を交換するだけで、加熱容器を種々の壁面に対応させる
ことができる。請求項4の発明によれば、加熱室内を、
650 ℃以上に保って被処理物を加熱するので、固形物に
含浸した環境有害残留性有機化学物質であっても、分解
処理することができる。また、酸素が少ない雰囲気中
で、被処理物を650 ℃以上にまで加熱することができる
ので、環境有害残留性有機化学物質が塩素を含むもので
あっても、ダイオキシン類の発生を抑制することができ
る。しかも、酸素が少ないので、被処理物は燃焼せず、
二酸化炭素が発生しない。さらに、環境有害残留性有機
化学物質が分解して排ガスが発生しても、その排ガスは
加熱室内に保持され、大気中に放出されないので、排ガ
スの処理が容易である。請求項5の発明によれば、加熱
容器の蓋を開いておけば、その上方から被処理物を加熱
容器内に入れることができる。このため、解体された煙
突等が被処理物である場合、被処理物をクレーン等に吊
り下げた状態で加熱容器内に搬入することができる。よ
って、非常に重量が大きい被処理物であっても、クレー
ン等の重機を用いて加熱容器内に被処理物を出し入れす
ることができるので、非常に重量が大きい被処理物を加
熱容器内に容易に出入れすることができ、被処理物の搬
入搬出作業が楽になる。請求項6の発明によれば、環境
有害残留性有機化学物質の加熱分解時に発生する排ガス
中の有機化学物質、特に揮発性を有する有機化学物質
を、加熱室内だけでなく副加熱器内でも800 ℃以上の高
温で加熱分解することができる。しかも、副加熱器の副
加熱室は、加熱室に比べてその容積が小さく、温度の立
ち上がりが速い。このため、装置の起動初期において、
加熱容器の加熱室内の温度が十分に上昇していないとき
でも、加熱容器の加熱室内に発生した排ガス中の有機化
学物質を副加熱器の副加熱室内で確実に加熱分解処理す
ることができる。請求項7の発明によれば、複数の加熱
室が直列に並んで配設されているので、排ガス中の有機
化学物質を、一の加熱室で処理しきれなくても、次の加
熱室で処理することができる。よって、排ガス中に含ま
れる有機化学物質を完全に分解処理することができる。
請求項8の発明によれば、副加熱器や加熱容器が、熱に
よって収縮したり膨張したりして、副加熱器と真空引き
手段との間の距離が変化しても、その変化量を伸縮管が
伸縮して吸収するので、副加熱器と真空引き手段とを連
通させる配管に余分な力が加わって破損したり、伸縮管
と副加熱器および真空引き手段との接続がはずれること
を防ぐことができる。請求項9の発明によれば、駆動部
によって加熱容器を壁面に沿って移動させれば、壁面を
順次加熱処理することができる。しかも、駆動部の動き
は制御部によって遠隔操作できるので、作業者が壁面等
に近づく回数を少なくでき、環境有害残留性有機化学物
質によって作業中の作業者が侵されることを防ぐことが
できる。請求項10の発明によれば、処理設備を、例え
ば煙突等の円筒状の内壁を有する建物の内部内に入れ
て、移動手段によって複数の加熱容器を壁面に押し付け
れば、前記複数の加熱容器によって円筒状の内壁に含浸
した環境有害残留性有機化学物質をそのままの状態で分
解処理することができる。しかも、複数の加熱容器によ
って、多点で同時に加熱分解処理を行うので、作業時間
を短縮することができる。請求項11の発明によれば、
壁面および加熱室内を650 ℃以上まで加熱するので、壁
面に含浸したり付着したりしている環境有害残留性有機
化学物質を、壁面を構成する壁材等を解体することな
く、そのままの状態で分解処理することができる。この
ため、環境有害残留性有機化学物質を分解処理した後で
壁材等を解体すれば、そのときに発生する埃や粉塵には
環境有害残留性有機化学物質が含まれていない。したが
って、焼却炉や煙突等を解体しても、環境有害残留性有
機化学物質によって周囲の環境を汚染したり、作業者の
健康を害したりすることを防ぐことができる。また、酸
素が少ない雰囲気中で、壁面を650 ℃以上に加熱するこ
とができるので、環境有害残留性有機化学物質が塩素を
含むものであっても、ダイオキシン類の発生を抑制する
ことができ、加熱分解処理を行う時間を短くすることが
できる。さらに、環境有害残留性有機化学物質が分解し
て排ガスが発生しても、その排ガスを加熱室内に保持し
て、加熱室内において排ガス中に含まれる環境有害残留
性有機化学物質を加熱分解処理できるので、排ガスの処
理が容易である。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。まず、第一実施形態の減圧加熱処理
装置5を説明する。図1は減圧加熱処理装置5の要部拡
大説明図である。図2は加熱容器10の概略説明図であ
る。図3は第一実施形態の減圧加熱処理装置5の概略説
明図である。図1〜図3において、符号Wは、焼却炉や
灰ピット、灰積み出し場等の燃焼室等の内壁を示してい
る。この内壁Wには、ゴミ等を焼却処理したときに発生
したダイオキシン類等の環境有害残留性有機化学物質を
含むすすが付着しており、また、環境有害残留性有機化
学物質が内壁W自体にも含浸している。
【0008】第一実施形態の減圧加熱処理装置5は、前
記内壁Wに付着したすすや、内壁Wを、そのままの状態
で減圧加熱し、すすや内壁Wに含まれる環境有害残留性
有機化学物質を分解処理するためのものである。まず、
第一実施形態の減圧加熱処理装置5の構造を詳細に説明
する前に、第一実施形態の減圧加熱処理装置5の概略を
説明する。
【0009】図3において、符号10は加熱容器を示し
ている。この加熱容器10は、その一端を内壁Wに向け
て配設されており、その一端と内壁Wとの間に加熱手段
15が設けられている。また、この加熱容器10の一端
には、加熱手段15を囲むように、耐熱シール手段16
が設けられている。この耐熱シール手段16は、加熱容
器10の一端と内壁Wとの間を気密に密閉するためのも
のである。この耐熱シール手段16と加熱容器10およ
び内壁Wによって囲まれた空間が加熱室となっている。
【0010】前記加熱容器10の後端(図1〜図3では
右端)には、ブラケットが設けられており、このブラケ
ットに水冷冷却装置付油圧シリンダ20のロッド21の
先端が軸着されている。この水冷冷却装置付油圧シリン
ダ20のシリンダ22は、その軸が内壁Wに対して垂直
に配設されており、その後端が後述する移動手段80の
駆動部82の昇降台82f に取り付けられている。このた
め、水冷冷却装置付油圧シリンダ20を伸長させれば、
水冷冷却装置付油圧シリンダ20によって加熱容器10
を内壁Wに押し付けて、容器10が内壁Wから離れない
ように保持することができる。
【0011】したがって、水冷冷却装置付油圧シリンダ
20によって、加熱容器10を内壁Wに押し付ければ、
耐熱シール手段16によって加熱容器10の一端と内壁
Wの間を確実に密閉できるので、加熱容器10と内壁W
と耐熱シール手段16によって囲まれた空間を外部から
気密に隔離できる。このとき、加熱容器10と内壁Wと
耐熱シール手段16によって囲まれた空間が加熱室であ
る。そして、加熱手段15によって内壁Wおよび加熱室
を加熱すれば、すすや内壁Wに含まれる環境有害残留性
有機化学物質を加熱分解処理することができる。
【0012】なお、水冷冷却装置付油圧シリンダ20だ
けでなく、加熱容器10を内壁Wに押しつけるため固定
手段を別途設けてもよい。例えば、油圧シリンダを、そ
のシリンダボディを加熱容器10が押し付けられた内壁
Wと対向する内壁Wに取り付け、そのロッドの先端によ
って加熱容器10の後端を押すように配置すれば、加熱
容器10が内壁Wから離れないようにより確実に保持す
ることができる。
【0013】また、焼却炉等内には、移動手段80の駆
動部82の台車82b が設置されている。この台車82b
は、その下端に設けられたローラ82r によって、焼却炉
等の床面に前記内壁Wと平行に配設されたレール81上
を、レール81に沿って移動可能に設けられている。こ
の台車82b には、前記内壁Wと平行に垂直フレーム82p
が立設されており、この垂直フレーム82p には、垂直フ
レーム82p の軸方向に沿って上下に昇降可能な昇降台82
f が取り付けられている。前述したように、この昇降台
82f には、前記水冷冷却装置付油圧シリンダ20のシリ
ンダ22が取り付けられている。そして、この台車82b
には、そのレール81上の移動および昇降台82f の昇降
を制御する制御部83が接続されており、この制御部8
3は焼却炉等の外部に設置されている。
【0014】このため、台車82b をレール81に沿って
移動させ、昇降台82f を昇降させれば、加熱容器10を
内壁Wに沿って移動させることができるので、加熱容器
10によって内壁Wを順次加熱処理することができる。
しかも、台車82b および昇降台82f の動きは、焼却炉等
の外部に設置された制御部83によって遠隔操作できる
ので、作業者が内壁W等に近づく回数を少なくでき、環
境有害残留性有機化学物質によって作業中の作業者が侵
されることを防ぐことができる。
【0015】図3に示すように、焼却室等の外部には外
部装置Aが設置されており、この外部装置Aには、例え
ば真空ポンプ等の真空引き手段30が取り付けられてい
る。この真空引き手段30は、配管を介して前記加熱容
器10の加熱室と連通されている。このため、真空引き
手段30によって前記加熱容器10の外側部材12の内
部に真空引きすれば、加熱室内を減圧して、加熱室内の
酸素の量を少なくすることができる。これにより、加熱
処理時のダイオキシン類の発生を完全に抑制することが
できる。
【0016】図3に示すように、前記真空引き手段30
と前記加熱容器10との間の配管には、加熱容器10に
固定された副加熱器50が介装されており、加熱容器1
0と副加熱器50の間には伸縮管60が設けられてい
る。この副加熱器50は、前記加熱手段15によって内
壁Wおよび加熱室を加熱したときに発生する排ガス中に
含まれる環境有害残留性有機化学物質を加熱処理するた
めのものである。
【0017】この副加熱器50と真空引き手段30の間
の配管には、冷却器32が介装されている。図5(B) に
示すように、この冷却部32には、本体32b と、排ガス
を通すための排ガス通路32p が設けられている。この排
ガス通路32p と本体32b との間には冷却水が供給されて
いる。このため、排ガス通路32p を通過する排ガスを冷
却することができる。
【0018】なお、図3に示すように、副加熱器50と
冷却部32との間に煤回収器70を介装すれば、副加熱
器50において環境有害残留性有機化学物質が加熱処理
されて発生した煤を、煤回収器70によって回収するこ
とができる。このため、副加熱器50と冷却部32との
間の配管に煤が詰まって、配管内のガスの流れが悪くな
ることを防ぐことができる。また、煤回収器70に振動
器を設け、さらに煤回収器70の下端に煤取出し口を設
けておけば、振動器によって煤回収器70の内壁に付着
した煤を落とすことができ、その煤を煤取出し口から取
り出すことができるので、煤回収器70内が煤によって
詰まることを確実に防ぐことができる。
【0019】図3に示すように、前記外部装置Aには、
フィルタ33が設けられている。このフィルタ33は、
前記副加熱器50と真空引き手段30との間の配管に介
装されている。このフィルタ33は、複数のカートリッ
ジ状のフィルタユニット33aを備えたものであり、一の
フィルタユニット33a が前記真空引き手段30と接続さ
れている。
【0020】このフィルタ33の素材は、例えば活性炭
や脱塩素剤、シリカゲル、イオン交換樹脂、高分子吸着
体等である。このため、加熱容器10の加熱室内の被処
理物が分解されたときに発生する水素ガスや塩素ガス、
塩化水素ガス等の排ガスをフィルタ33によって吸着し
て処理することができる。また、加熱容器10や副加熱
器50で、分解できなかった環境有害残留性有機化学物
質が排ガス中に含まれていても、フィルタ33によって
吸着することができる。しかも、高温の排ガスは冷却器
32によって冷却されてから、冷却器32に供給される
ので、排ガスの熱によって、フィルタ33が損傷するこ
ともない。
【0021】さらに、冷却器32とフィルタ33の間に
は、水酸化ナトリウム水溶液などの強アルカリ水溶液を
有する中和装置36を設けている。このため、排ガス中
に塩素ガス、塩化水素ガス等の強酸性の気体が含まれて
いても、強酸性の気体を中和装置36によって中和して
からフィルタ33に供給することができる。したがっ
て、排ガス中に塩素ガス等の強酸性の気体が含まれてい
ても、これらの気体を確実に処理することができ、しか
も、これらの気体によってフィルタ33が損傷すること
を防ぐことができる。
【0022】つぎに、減圧加熱処理装置5の作用と効果
を説明する。まず、移動機構80の駆動部82の台車82
b および昇降台82f を作動し、加熱容器10を処理する
位置まで移動させる。ついで、水冷冷却装置付油圧シリ
ンダ20を伸長させれば、加熱容器10の一端を内壁W
に押し付けることができる。すると、加熱容器10の一
端に設けられた耐熱シール手段16によって、内壁Wと
加熱容器10の間の空間、つまり加熱室内を気密に密閉
することができる。
【0023】つぎに、真空引き手段30によって加熱容
器10の加熱室内を真空引きすれば、加熱室内を減圧
し、加熱室内の酸素の量を少なくすることができる。
【0024】ついで、加熱手段15によって加熱室内を
加熱し、加熱室内を650 ℃以上にする。そして、すすや
内壁Wに含まれる全ての環境有害残留性有機化学物質が
分解されるまで、加熱手段15によって加熱室内を650
℃以上に保つ。すると、すすや内壁Wに含まれる全ての
環境有害残留性有機化学物質を加熱分解処理することが
できる。
【0025】上記のごとく、減圧加熱処理装置5によれ
ば、内壁Wおよび加熱室内を650 ℃以上まで加熱するの
で、環境有害残留性有機化学物質が内壁Wに含浸してい
ても、環境有害残留性有機化学物質をそのままの状態で
分解処理することができる。しかも、真空引き手段30
により加熱室を真空にしており、酸素が少ない雰囲気中
で、内壁W等を650 ℃以上に加熱することができるの
で、環境有害残留性有機化学物質が塩素を含むものであ
っても、ダイオキシン類の発生を抑制することができ、
加熱分解処理を行う時間を短くすることができる。ま
た、環境有害残留性有機化学物質が分解して排ガスが発
生しても、その排ガスを加熱室内に保持して、加熱室内
において排ガス中に含まれる環境有害残留性有機化学物
質を加熱分解処理できるので、排ガスの処理が容易であ
る。
【0026】そして、内壁Wを構成する壁材等を解体す
る前に環境有害残留性有機化学物質を加熱分解処理する
ことができるので、廃焼却炉や廃煙突等を内壁Wを解体
する前に減圧加熱処理装置5によって内壁W等を加熱処
理しておけば、煙突等を解体した時に埃や粉塵が発生し
ても、その埃や粉塵には環境有害残留性有機化学物質が
含まれていない。よって、環境有害残留性有機化学物質
によって周囲の環境を汚染したり、作業者の健康を害し
たりすることを防ぐことができる。
【0027】なお、環境有害残留性有機化学物質が、PC
B やダイオキシン類であれば、加熱室11内を850 ℃〜
1200℃に保てば、PCB やダイオキシン類を確実に分解処
理することができる。特に、加熱室11内を900 ℃以上
に加熱すれば、PCB やダイオキシン類の分解処理がさら
に確実になる。
【0028】さらになお、加熱処理を行う場合の加熱室
内の温度は、すすや内壁Wに含まれる環境有害残留性有
機化学物質の分解温度より高ければよい。つまり、環境
有害残留性有機化学物質の分解温度が650 ℃程度であれ
ば、加熱室11内を700 ℃以上に加熱すればよいし、分
解温度が750 ℃程度であれば、加熱室11内を800 ℃以
上に加熱すればよい。
【0029】さて、加熱容器10、加熱手段15、耐熱
シール手段16、副加熱器50および伸縮管60につい
て詳細に説明する。
【0030】まず、加熱容器10を詳細に説明する。図
2に示すように、加熱容器10は、その一端が前記内壁
Wと対向するように設けられており、内側部材11、外
側部材12および内側部材押付部13から構成されてい
る。内側部材11は、一端に開口部を有する中空な部材
であり、その一端を内壁W側に向けて配設されている。
この内側部材11の一端には、加熱手段15が設けられ
ている。外側部材12は、その一端に開口部12h が形成
された中空な部材である。この外側部材12は、前記内
側部材11をその内部に収容しており、その一端を内壁
Wに向けた状態で配設されている。この外側部材12の
開口部12h の周囲において、外側部材12と内壁Wとの
間には耐熱シール手段16が設けられており、内壁Wと
外側部材12と耐熱シール手段16とによって囲まれた
空間が加熱室となっている。また、この外側部材12と
内側部材11の間には、内側部材11を内壁Wに向けて
移動させるための内側部材押付部13が設けられてい
る。
【0031】前記内側部材11および外側部材12の素
材は、高耐熱性材料である。この高耐熱性材料は、例え
ばSUS310S である。このSUS310S は、溶融点が1398〜14
54℃であり、1035℃において繰り返し加熱を行っても、
その強度を保つことができるので、たとえ加熱室内が65
0 ℃以上になっても、内側部材11および外側部材12
は変形したり溶融したりしない。したがって、加熱室1
1内を650℃以上の温度に保つことができる。
【0032】なお、内側部材11および外側部材12の
素材である高耐熱性材料は、SUH310やSS400 、耐熱合金
等でもよい。SUH310は、溶融点が1398〜1454℃であり、
1035℃において繰り返し加熱を行っても、その強度を保
つことができるので、内側部材11および外側部材12
の素材としてSUH310を用いれば、たとえ加熱室11内が
650 ℃以上になっても、内側部材11および外側部材1
2は変形したり溶融したりしない。SS400 は、溶融点が
1536℃であり、880 〜930 ℃において繰り返し加熱を行
っても、その強度を保つことができるので、内側部材1
1および外側部材12の素材としてSS400 を用いれば、
たとえ加熱室11内が650 ℃以上になっても、内側部材
11および外側部材12は変形したり溶融したりしな
い。耐熱合金(例えば三菱マテリアル製商品名HA23
0やJIS G4901:ASME CodeCase 1500:ASTM B168)等
は、例えば溶融点が1305℃であり、1100℃において繰り
返し加熱を行っても、その強度を保つことができるもの
である。このため、内側部材11および外側部材12の
素材として耐熱合金を用いれば、たとえ加熱室内が650
℃以上になっても、内側部材11および外側部材12は
変形したり溶融したりしない。
【0033】さらになお、純チタンは、溶融点は1668℃
と高いが、繰り返し加熱を行うことができる温度が、50
0〜600℃であるため、現状では本発明の内側部材11お
よび外側部材12に使用することはできない。しかし、
繰り返し加熱をすることができる温度が、650 ℃以上と
なるものが開発されれば、本発明の加熱容器10の内側
部材11および外側部材12の素材として使用可能であ
る。
【0034】さらになお、セラミックスは、1400℃まで
繰り返し加熱を行うことができるが、衝撃に弱いので破
損しやすく、気密性を保つ構造に形成することが困難で
ある。よって、現状では、本発明の加熱容器10の内側
部材11および外側部材12に使用することはできな
い。しかし、上記の問題を解決するようなセラミックス
が開発されれば、本発明の加熱容器10の内側部材11
および外側部材12の素材として使用可能である。
【0035】また、図4に示すように、外側部材12と
して、その側面の一端の形状が、内壁Wの形状とほぼ同
形状に形成されたものを使用すれば、曲がった内壁Wや
内壁Wと壁面とが交わるコーナ部であっても、内壁Wと
外側部材12とシール材16とによって囲まれた、外部
と隔離された加熱室を形成することができる。しかも、
外側部材12の側面を着脱自在としておけば、外側部材
12の側面のみを交換するだけで、加熱容器10を種々
の形状の内壁Wに対応させることができる。
【0036】つぎに、加熱手段15を詳細に説明する。
図1に示すように、前記加熱容器10の内側部材11の
内部、つまり内側部材11の内壁W側の一端と内壁Wと
の間には加熱手段15が設けられている。この加熱手段
15は、図示しないが、耐火材の表面に複数のヒータが
取り付けられており、このヒータが内壁Wと対向するよ
うに内側部材11に取り付けられている。この加熱手段
15のヒータは、例えば炭化ケイ素発熱体(エレマ発熱
体:東海高熱工業株式会社製)を備えた電気ヒータであ
り、その表面温度を最大1600℃に保つことができるもの
である。
【0037】このため、加熱手段15のヒータによっ
て、内壁W、外側部材12および耐熱シール手段16に
よって囲まれた空間、つまり加熱室を加熱することがで
きる。しかも、加熱手段15のヒータは上記のごときヒ
ータであるから、内壁Wおよび加熱室内を650 ℃以上に
上昇させることができ、しかも環境有害残留性有機化学
物質の全てが分解されるまで加熱室内を650 ℃以上に保
つことができる。
【0038】なお、加熱手段15のヒータは上記のよう
な電気ヒータに限定されず、内壁Wおよび加熱室内を65
0 ℃以上に上昇させることができるものであればセラミ
ックヒータ等でもよく、とくに限定はない。さらにな
お、加熱手段15には耐火材を設けなくてもよく、ヒー
タを内側部材11内に直接取付けてもよい。
【0039】つぎに、耐熱シール手段16を詳細に説明
する。前記外側部材12の一端、つまり外側部材12の
開口部12h の周端縁と内壁Wとの間には耐熱シール手段
16のパッキン16a が設けられている。このパッキン1
6a は、外側部材12の開口部12h と内壁Wとの間を密
閉するためのものであり、例えば耐火表皮付シリコンス
ポンジ等である。このパッキン16a よりも内方におい
て、外側部材12の開口部12h の周端縁と内壁Wとの間
には、例えばグラスフェルトやエースファインウェット
ブラケット等の断熱材16b が設けられている。この断熱
材16b は、外側部材12内部の熱が外部に逃げることを
防ぐためのものである。このため、耐熱シール手段16
によって加熱容器10の外側部材12と内壁Wとの間の
空間を外部から気密に密封することができ、外側部材1
2内部の熱が外部に逃げることを防ぐことができる。
【0040】なお、耐熱シール手段16に冷却部16c
を設けてパッキン16a を冷却してもよい。この場合、
内壁Wや外側部材12の熱がパッキン16a に伝わって
も、パッキン16a が高温になることを防ぐことができ
るので、そのシール性が低下することを防ぐことができ
る。
【0041】つぎに、副加熱器50を詳細に説明する。
図5は、(A) は副加熱器50の概略断面図であり、(B)
は冷却部32の概略説明図である。同図において、符号
51は、副加熱器50の本体を示している。この副加熱
器50の素材は、例えばSUS310S や耐熱合金(例えば三
菱マテリアル製商品名HA230やJIS G4901:ASME Co
de Case 1500:ASTM B168)等であり、1000℃以上の繰り
返し加熱を行ってもその強度を保つことができるもので
あり、とくに耐熱合金を採用すれば1205℃まで加熱が可
能である。この本体51には、2つの副加熱室50a が
直列に並んで設けられている。この副加熱室50a は、
前記加熱容器10の加熱室よりも容積が小さいものであ
る。
【0042】この副加熱室50a の周囲には、ヒータ5
2が取付けられている。このヒータ52は、例えば炭化
ケイ素発熱体(エレマ発熱体:東海高熱工業株式会社
製)を備えたヒータやニクロム発熱体黒鉛ヒータ等の電
気ヒータや、カンタル発熱体を備えた電気ヒータ(フィ
ブロタル・モジュール・ヒータ:カンタル株式会社製)
であり、その表面温度を最大1200〜1600℃に保つことが
できるものである。
【0043】このため、ヒータ52によって副加熱室50
a の内部を加熱すれば、副加熱室50a の内部の温度を
650℃以上、必要な場合には1000℃以上に上昇させる
ことができる。そして、加熱容器10内で発生した排ガ
スを副加熱室50a 内に導入することができるので、環
境有害残留性有機化学物質の加熱分解時に発生する排ガ
ス中の有機化学物質、特に揮発性を有する有機化学物質
を、加熱室内だけでなく副加熱器50内でも800 ℃以上
の高温で加熱分解することができる。また、副加熱器5
0の副加熱室50a は、加熱室に比べてその容積が小さ
く、温度の立ち上がりが速い。このため、装置の起動初
期において、加熱容器10の加熱室内の温度が十分に上
昇していないときでも、加熱容器10の加熱室内に発生
した排ガス中の有機化学物質を副加熱器50の副加熱室
50a 内で確実に加熱分解処理することができる。しか
も、複数の副加熱室50a が直列に並んで配設されてい
るので、排ガス中の有機化学物質を、一の副加熱室50a
で処理しきれなくても、次の副加熱室50a で処理する
ことができる。よって、排ガス中に含まれる有機化学物
質を完全に分解処理することができる。
【0044】なお、副加熱室50a を設ける数は2つに限
られず、1つでもよいし、3つ以上直列に配設してもよ
い。さらになお、副加熱室50a と加熱容器10との間
の配管にヒータ等の補助加熱器を取り付けてもよい。こ
の場合、加熱容器10から流出した排ガスが、副加熱器
50に到達するまでに冷えて、その成分中の塩素等によ
ってダイオキシンが生成したり、排ガス中の成分が凝固
して配管内に付着し、配管が詰まることを防ぐことがで
きる。
【0045】つぎに、伸縮管60を詳細に説明する。図
6に示すように、伸縮管60は、副加熱器50に接続さ
れた上流側配管61と、冷却部32に接続された下流側
配管62と、両者の間に設けられた伸縮自在なベローズ
部65とから構成されている。このベローズ部65は、
蛇腹状に形成された外筒66と、一端が上流側管61に
取り付けられ、他端が下流側管62内に摺動可能に挿入
された内筒67と、外筒66と内筒67の間に排ガスが
進入することを防ぐために設けられたシール材68とか
ら構成されている。このため、副加熱器50や冷却部3
2が、熱によって収縮したり膨張したりして、副加熱器
50と冷却部32との間の距離が変化しても、その変化
量を伸縮管60が伸縮して吸収するので、伸縮管60に
余分な力が加わって破損したり、伸縮管60と副加熱器
50および冷却部32との接続がはずれることを防ぐこ
とができる。しかも、このベロース部65の外筒66の
素材は、SUS310Sや耐熱合金(例えば三菱マテリ
アル製商品名HA230やJIS G4901:ASME Code Case
1500:ASTM B168)であり、外筒66は非常に耐熱性が高
い。したがって、高温の状態で使用してもその強度が低
下しないので、装置の運転停止を繰り返しても、長期
間、伸縮管60が破損することを防ぐことができ、伸縮
管60から排ガスが漏れることを防ぐことができる。
【0046】なお、図7に示すように、伸縮管60の外
筒66を二重円筒状にしてもよい。この場合、内側蛇腹
管66a と外側蛇腹管66b との間に、空間66h が形成され
るので、この空間66h に冷却水を流せば、ベローズ部6
6の耐熱性をさらに高めることができるので、ベローズ
部66の耐久性をさらに高くすることができる。
【0047】つぎに、本実施形態の減圧加熱処理設備10
0 を説明する。図8は本実施形態の減圧加熱処理設備10
0 の概略説明図である。図9は図8のIX−IX線断面
矢視図である。図8および図9に示すように、本実施形
態の減圧加熱処理設備100 は、煙突等、円筒状の内面を
有する構造物において、その内壁Wに付着したすすや内
壁Wを、そのままの状態で減圧加熱し、すすや内壁Wに
含まれる環境有害残留性有機化学物質を分解処理するた
め設備である。
【0048】図8および図9において、符号101 はカバ
ーを示している。このカバー101 は、第一実施形態の減
圧加熱処理設備100 を、煙突等に取り付けたときに、煙
突等を覆うためのものである。このカバー101 の内部に
は、蓋102 が取り付けられている。この蓋102 の中心に
は、蓋102 に対して垂直に支持軸110 が取り付けられて
いる。この支持軸110は、蓋102 によって回転自在かつ
支持軸110 の軸方向へは移動しないように取り付けられ
ている。この支持軸110 の上端は、蓋102 の上方に突出
しており、支持軸110 をその軸回りに回転させるための
回転手段111 に取り付けられている。
【0049】前記蓋102 の下方において、支持軸110 の
周囲には、支持軸110 を中心として回転対称な位置に、
第一実施形態に採用された加熱容器10がその一端を外
方に向けた状態で複数個配設されている。そして、各加
熱容器10は前記支持軸110の上面に取り付けられた、
外部装置Aと接着されている。なお、減圧加熱処理設備
100 の構造を分かりやすくするために図示しないが、各
内壁Wと減圧加熱処理設備100 の間には、それぞれ前述
した副加熱器50や冷却器32、伸縮管60等が取り付
けられている。
【0050】前記支持軸110 は、その外周面に雄ネジが
形成されている。しかも、支持軸110 の軸方向に沿って
上端から下端に向かって、左ネジと右ネジが、その順で
交互に形成されている。この支持軸110 の左ネジが形成
された部分には、螺合部116aが螺号しており、右ネジが
形成された部分には、螺合部117aが螺合している。そし
て、支持軸110 と各支持軸110 の間には、一端が螺合部
116aに軸着され、他端が加熱容器10に軸着された上ア
ーム116 と、一端が螺合部117aに螺着され、他端が加熱
容器10に軸着された下アーム117 が設けられている。
【0051】このため、回転手段111 によって支持軸11
0 を時計回りに回転させれば、螺合部116aと螺合部117a
が接近し、加熱容器10が支持軸110 の半径方向に支持
軸110 から離れるように移動し、支持軸110 を反時計回
りに回転させれば、螺合部116aと螺合部117aが離間し、
加熱容器10が支持軸110 の半径方向に支持軸110 に接
近するように移動する。この上アーム116 、下アーム11
7 、螺合部116aおよび螺合部117aが特許請求の範囲にい
う移動手段を示している。
【0052】つぎに、本実施形態の減圧加熱処理設備10
0 を用いて、煙突の内壁Wに付着したすすや、煙突の内
壁Wに含まれる環境有害残留性有機化学物質を分解処理
する場合について説明する。
【0053】まず、図示しないが、煙突の下端部に、公
知の集塵機を取り付ける。この集塵機は、ダイオキシン
等の環境有害残留性有機化学物質を含んだ塵等を回収す
ることができるフィルタを備えたものである。このた
め、減圧加熱処理設備100 による煙突の内壁Wに含まれ
ている環境有害残留性有機化学物質の加熱分解処理作業
中、集塵機によって煙突内の空気を吸引することができ
るので、この煙突内に発生する塵等を回収することがで
き、この塵等が周囲に飛散し、周囲の環境を汚染するこ
とを防いでいる。なお、集塵機のフィルタは、後述する
第二実施形態の減圧加熱処理装置150 によって加熱分解
処理することができる。
【0054】図9において、符号CRはクレーンを示し
ており、このクレーンCRによって本実施形態の減圧加
熱処理設備100 を吊り上げ、支持軸110 および加熱容器
10を煙突内に挿入して下降させる。そして、蓋102 の
下面が煙突の上端に接触したら、下降を停止する。
【0055】ついで、回転手段111 を時計回りに回転
し、各加熱容器10を支持軸110 から離間させて、加熱
容器10を煙突の内壁Wに押し付ける。そして、加熱容
器10によって内壁W等を加熱すれば、煙突の内壁Wに
付着したすすや、内壁Wに含まれる環境有害残留性有機
化学物質を加熱分解処理することができる。
【0056】加熱分解処理が終了すると、加熱容器10
を内壁Wから離間させ、蓋102 を支持軸110 の軸回りに
回転させて、再び加熱容器10を内壁Wに押し付けれ
ば、他の部分の内壁Wを加熱分解処理することができ
る。上記の作業をくり返せば、煙突の内壁W全周、加熱
分解処理することができる。
【0057】よって、本実施形態の減圧加熱処理設備10
0 によれば、処理設備を、例えば煙突等の円筒状の内壁
Wを有する建物の内部内に入れて、移動手段によって複
数の加熱容器10を内壁Wに押し付ければ、複数の加熱
容器10によって円筒状の内壁に含浸した環境有害残留
性有機化学物質をそのままの状態で分解処理することが
できる。しかも、複数の加熱容器10によって、多点で
同時に加熱分解処理を行うので、作業時間を短縮するこ
とができる。
【0058】なお、加熱処理中は、煙突等の上端が蓋10
2 によって密閉され、しかもその周囲が支持軸110 によ
って覆われているので、煙突内のすすが周囲に飛散する
ことを防ぐことができる。
【0059】さらになお、移動手段は上記の構成に限ら
れず、加熱容器10を支持軸110 の半径方向に移動させ
ることができる構成であれば、特に限定はない。
【0060】つぎに、第二実施形態の減圧加熱処理装置
150 を説明する。図10は第二実施形態の減圧加熱処理
装置150 の概略説明図である。同図に示すように、第二
実施形態の減圧加熱処理装置150 は、加熱容器160 、真
空引き手段30、副燃焼基50、フィルタ33、冷却部
32、煤回収器70等を備えている。第二実施形態の減
圧加熱処理装置150 は、環境有害残留性有機化学物質が
含浸している被処理物を、加熱容器160 内に収容した状
態で減圧加熱処理するためのものであるが、加熱容器16
0 以外の真空引き手段30等の構成は第一実施形態の減
圧加熱処理装置5と実質同等であるから、以下には加熱
容器160 の構成及び効果のみを説明する。
【0061】図10に示すように、加熱容器160 は、蓋
160aと本体160bとから構成されている。まず、本体160b
を説明する。図10に示すように、本体160bは、上端が
開口部となった中空な容器であり、内壁162 と外壁163
とを有する2重構造に形成されている。この内壁162 の
内部の空間が被処理物を収容するための加熱室となって
いる。この内壁162 および外壁163 の素材は、上述した
第一実施形態の減圧加熱処理装置5の加熱容器10の内
側部材11および外側部材12の素材実質同等であるか
ら、ここでは省略する。
【0062】また、本体160bの内部には、加熱手段170
が設けられている。この加熱手段170 は、例えばヒータ
であるが、その構成は第一実施形態の減圧加熱処理装置
5の加熱手段15に用いられるヒータと実質同様である
から、詳細は省略する。
【0063】なお、加熱手段170がヒータである場
合、内壁162 および外壁163 の間に設けてもよい。例え
ば、前記内壁162 の外面に、複数の円管を取り付け、そ
の内部にヒータを取付けてもよい。
【0064】さらになお、加熱手段170 は、加熱容器16
0 内を650 ℃以上に上昇させることができるものであれ
ばよく、ヒータに限定されず、また、その取り付け位置
も特に限定はない。
【0065】また、図示しないが前記本体160bの内壁16
2 と外壁163 の間において、内壁162 の外面に、グラス
ファイバーの層とキャスタブルの層の二層からなる耐火
材が設け、この耐火材と外壁163 の内面との間に、素材
がキャスタブルである断熱材が設けられているので、加
熱室内の熱が外部に逃げることを防ぐことができ、加熱
室内を効果的に加熱・保温することができる。なお、耐
火材および断熱材の素材は、上記の素材に限定されな
い。
【0066】つぎに、蓋10a を説明する。図3に示すよ
うに、前記本体160bの上端には、ボルト等によって蓋16
0aが開閉自在に設けられている。この蓋160aは、本体16
0bの内部、つまり加熱容器160 の内部を外部から気密に
密閉することができるものである。
【0067】よって、加熱容器160 によれば、加熱容器
160 の本体160b内に被処理物を収容し、蓋160aを閉じれ
ば、被処理物を加熱容器160 内に気密に収容することが
できる。また、蓋10a の素材は、加熱容器160 の内壁16
2 等と同様の素材材料を用いているので、加熱容器160
内が650 ℃以上に加熱されても、変形したり溶融したり
しない。したがって、たとえ加熱容器160 内が650 ℃以
上になっても、加熱容器160 内を確実に密閉し続けるこ
とができる。
【0068】つぎに、第二実施形態の減圧加熱処理装置
150 の作用と効果を説明する。まず、解体された煙突等
を、クレーンに吊り下げた状態で加熱容器160 の上方ま
で移動させ、そして、加熱容器160 の蓋160aを開いて、
クレーンによって被処理物を加熱容器160 の本体160b内
に降ろせば、被処理物を加熱容器160 内に入れることが
できる。
【0069】ついで、加熱容器160 の蓋160aを閉じて、
加熱容器160 を密閉したのち、真空引き手段30によっ
て、加熱容器160 内を真空引きしてから加熱手段170 に
よって加熱容器160 内の温度を650 ℃以上まで上昇させ
る。そして、加熱手段170 によって加熱容器160 内の温
度を650 ℃以上に保ってば、被処理物を650 ℃以上に加
熱することができるので、被処理物に含浸した環境有害
残留性有機化学物質であっても加熱分解処理することが
できる。
【0070】しかも、加熱容器160 内は真空引き手段3
0によってを真空引きされており、その内部の酸素が少
なくなっている。つまり、酸素が少ない雰囲気中で、被
処理物を650 ℃以上にまで加熱することができるから、
環境有害残留性有機化学物質が塩素を含むものであって
も、ダイオキシン類の発生を抑制することができる。そ
して、酸素が少ないので、被処理物は燃焼せず、二酸化
炭素が発生しない。さらに、環境有害残留性有機化学物
質が分解して排ガスが発生しても、加熱容器160 は蓋16
0aによって密閉されているから、その排ガスは加熱容器
160 内に保持され、大気中に放出されないので、排ガス
の処理が容易である。
【0071】被処理物の分解処理が終了すると、蓋160a
をあけて、被処理物を被処理物をクレーンに取り付けれ
ば、被処理物をクレーンに吊り下げて持ち上げることが
できるのでれば、被処理物を加熱容器160 から容易に搬
出することができる。
【0072】よって、第二実施形態の減圧加熱処理装置
150 によれば、煙突の内壁等の固形物の被処理物に含浸
した環境有害残留性有機化学物質であっても、加熱分解
処理することができ、環境有害残留性有機化学物質が塩
素を含むものであっても、ダイオキシン類の発生を抑制
することできる。また、加熱容器160 の上方から被処理
物の搬入搬出ができるので、非常に重量が大きい被処理
物であっても、クレーン等の重機を用いて加熱容器160
内に被処理物を出し入れすることができる。よって、非
常に重量が大きい被処理物を加熱容器160 内に容易に出
入れすることができ、被処理物の搬入搬出作業が楽にな
る。
【0073】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、環境有害残留
性有機化学物質が壁面に含浸していても、環境有害残留
性有機化学物質をそのままの状態で分解処理することが
できる。壁面を解体しても環境有害残留性有機化学物質
によって周囲の環境を汚染したり、作業者の健康を害し
たりすることを防ぐことができる。また、ダイオキシン
類の発生を抑制することができ、加熱分解処理を行う時
間を短くすることができ排ガスの処理が容易である。請
求項2の発明によれば、耐熱シール手段によって加熱室
内と外部との間を確実に密閉することができる。請求項
3の発明によれば、曲がった壁面や壁面と壁面とが交わ
るコーナ部であっても、壁面と外側部材とシール材との
間に外部と隔離された加熱室を形成することができる。
しかも外側部材を交換するだけで、加熱容器を種々の壁
面に対応させることができる。請求項4の発明によれ
ば、固形物に含浸した環境有害残留性有機化学物質であ
っても、分解処理することができる。環境有害残留性有
機化学物質が塩素を含むものであっても、ダイオキシン
類の発生を抑制することが、二酸化炭素も発生しない。
さらに、環境有害残留性有機化学物質が分解して排ガス
が発生しても、排ガスの処理が容易である。請求項5の
発明によれば、非常に重量が大きい被処理物を加熱容器
内に容易に出入れすることができ、被処理物の搬入搬出
作業が楽になる。請求項6の発明によれば、装置の起動
初期において、加熱容器の加熱室内の温度が十分に上昇
していないときでも、加熱容器の加熱室内に発生した排
ガス中の有機化学物質を副加熱器の副加熱室内で確実に
加熱分解処理することができる。請求項7の発明によれ
ば、排ガス中に含まれる有機化学物質を完全に分解処理
することができる。請求項8の発明によれば、副加熱器
と真空引き手段とを連通させる配管に余分な力が加わっ
て破損したり、伸縮管と副加熱器および真空引き手段と
の接続がはずれることを防ぐことができる。請求項9の
発明によれば、壁面を順次加熱処理することができる。
作業者が壁面等に近づく回数を少なくでき、環境有害残
留性有機化学物質によって作業中の作業者が侵されるこ
とを防ぐことができる。請求項10の発明によれば、円
筒状の内壁に含浸した環境有害残留性有機化学物質をそ
のままの状態で分解処理することができ、作業時間を短
縮することができる。請求項11の発明によれば、環境
有害残留性有機化学物質が壁面に含浸していても、環境
有害残留性有機化学物質をそのままの状態で分解処理す
ることができる。壁面を解体しても、環境有害残留性有
機化学物質によって周囲の環境を汚染したり、作業者の
健康を害したりすることを防ぐことができる。また、ダ
イオキシン類の発生を抑制することができ、加熱分解処
理を行う時間を短くすることができ、排ガスの処理が容
易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の減圧加熱処理装置5の要部拡大
説明図である。
【図2】加熱容器10の概略説明図である。
【図3】第一実施形態の減圧加熱処理装置5の概略説明
図である。
【図4】加熱容器10の他の形状を示した図である。
【図5】(A) は副加熱器50の概略断面図であり、(B)
は冷却部32の概略説明図である。
【図6】伸縮管60の概略断面図である。
【図7】他の実施形態の伸縮管60の概略断面図であ
る。
【図8】本実施形態の減圧加熱処理設備100 の概略説明
図である。
【図9】図8のIX−IX線断面矢視図である。
【図10】第二実施形態の減圧加熱処理装置150 の概略
説明図である。
【符号の説明】
5 減圧加熱処理装置 10 加熱容器 11 内側部材 12 外側部材 15 加熱手段 16 耐熱シール手段 20 固定手段 30 真空引き手段 50 副加熱器 50a 副加熱室 80 移動手段 82 駆動部 83 制御部 100 減圧加熱処理設備 110 支持軸 116 上アーム 116a 螺合部 116 下アーム 116a 螺合部 150 減圧加熱処理装置 160 加熱容器 160a 蓋 160b 本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 掛川 寿夫 香川県高松市林町2217番地20 香川大学工 学部内 (72)発明者 末永 慶寛 香川県高松市林町2217番地20 香川大学工 学部内 (72)発明者 白木 渡 香川県高松市林町2217番地20 香川大学工 学部内 (72)発明者 大平 光洋 東京都港区北青山1丁目3番1号 鹿島ビ ル2階 Fターム(参考) 2E191 BA12 BD11 3B116 AA13 AA32 BC01 CD11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】壁面に存在する環境有害残留性有機化学物
    質を加熱分解処理するための処理装置であって、該処理
    装置が、一端が、前記壁面と対向するように設けられた
    加熱容器と、該加熱容器の一端と前記壁面との間に設け
    られた加熱手段と、前記加熱容器の一端と前記壁面との
    間において、前記加熱手段を囲むように設けられた、前
    記加熱容器の一端と前記壁面との間を気密に密閉するた
    めの耐熱シール手段と、前記加熱容器の一端、前記壁面
    および前記耐熱シール手段によって形成された加熱室
    を、真空引きするための真空引き手段とからなり、前記
    加熱手段が、前記壁面および前記加熱室内の温度を、65
    0 ℃以上に上昇させ、前記壁面および前記加熱室内を65
    0 ℃以上に保つことを特徴とする環境有害残留性有機化
    学物質の減圧加熱処理装置。
  2. 【請求項2】前記加熱容器を、前記壁面に固定するため
    の固定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の環
    境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置。
  3. 【請求項3】前記加熱容器が、前記加熱手段が取り付け
    られた内側部材と、前記内側部材を覆うように設けられ
    た外側部材とからなり、該外側部材の一端と前記壁面と
    の間に、前記耐熱シール手段が設けられたことを特徴と
    する請求項1記載の環境有害残留性有機化学物質の減圧
    加熱処理装置。
  4. 【請求項4】環境有害残留性有機化学物質を含む被処理
    物を加熱分解処理するための処理装置であって、該処理
    装置が、前記被処理物を収容するための気密な加熱室を
    備えた加熱容器と、該加熱室内を真空引きするための真
    空引き手段と、前記加熱室内の温度を、650 ℃以上に上
    昇させ、前記加熱室内を650 ℃以上に保つための加熱手
    段とからなることを特徴とする環境有害残留性有機化学
    物質の減圧加熱処理装置。
  5. 【請求項5】前記加熱容器が、環境有害残留性有機化学
    物質を含む被処理物を収容するための加熱室を有する本
    体と、該本体の上面に開閉自在に設けられ、前記加熱室
    を気密に密閉する蓋とからなることを特徴とする請求項
    4記載の環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装
    置。
  6. 【請求項6】前記加熱容器と前記真空引き手段との間に
    おいて、前記加熱容器の加熱室よりも容積が小さい副加
    熱室を有する副加熱器が介装されており、該副加熱器に
    おいて、前記環境有害残留性有機化学物質の加熱分解時
    に発生する排ガス中の有機化学物質を加熱分解処理する
    ことを特徴とする請求項1または4記載の環境有害残留
    性有機化学物質の減圧加熱処理装置。
  7. 【請求項7】前記副加熱器が、複数の加熱室を備えてお
    り、該複数の加熱室が、直列に並んで配設されたことを
    特徴とする請求項6記載の環境有害残留性有機化学物質
    の減圧加熱処理装置。
  8. 【請求項8】前記副加熱器と真空引き手段とを連通させ
    る配管に、伸縮自在な伸縮管が介装されたことを特徴と
    する請求項6記載の環境有害残留性有機化学物質の減圧
    加熱処理装置。
  9. 【請求項9】前記加熱容器を前記壁面に沿って移動させ
    る駆動部と、該駆動部の動きを遠隔操作する制御部とか
    らなる移動手段を備えたことを特徴とする請求項1記載
    の環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置。
  10. 【請求項10】請求項1記載の減圧加熱処理装置を備え
    た、円筒状の内壁に存在する環境有害残留性有機化学物
    質を加熱分解処理するための処理設備であって、前記処
    理設備が、前記円筒状の内壁の中心軸と同軸に設けられ
    た支持軸と、該支持軸を中心として、互いに回転対称な
    位置に配設された、複数の加熱容器と、該複数の加熱容
    器を、前記支持軸の半径方向に移動させる移動手段とか
    らなることを特徴とする環境有害残留性有機化学物質の
    減圧加熱処理設備。
  11. 【請求項11】一端に加熱手段が設けられた加熱容器
    を、その一端が環境有害残留性有機化学物質が存在する
    壁面と対向するように設け、前記加熱容器の一端と、前
    記壁面と、前記加熱容器の一端と前記壁面との間におい
    て前記加熱手段を囲むように配設された耐熱シール手段
    によって、気密に密閉された加熱室を形成し、該加熱室
    内を真空引き手段によって真空引きし、前記加熱手段に
    よって、前記壁面および前記加熱室内の温度を、650 ℃
    以上に上昇させ、前記環境有害残留性有機化学物質の全
    てが分解されるまで前記壁面および前記加熱室内の温度
    を650 ℃以上に保つことを特徴とする環境有害残留性有
    機化学物質の減圧加熱処理方法。
JP2001373949A 2001-12-07 2001-12-07 環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置、減圧加熱処理設備および減圧加熱処理方法 Pending JP2003170128A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001373949A JP2003170128A (ja) 2001-12-07 2001-12-07 環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置、減圧加熱処理設備および減圧加熱処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001373949A JP2003170128A (ja) 2001-12-07 2001-12-07 環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置、減圧加熱処理設備および減圧加熱処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003170128A true JP2003170128A (ja) 2003-06-17

Family

ID=19182585

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001373949A Pending JP2003170128A (ja) 2001-12-07 2001-12-07 環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置、減圧加熱処理設備および減圧加熱処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003170128A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010238781A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板処理装置
US8899172B2 (en) 2009-03-30 2014-12-02 SCREEN Holdings Co., Ltd. Substrate treatment apparatus and substrate treatment method

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010238781A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板処理装置
US8899172B2 (en) 2009-03-30 2014-12-02 SCREEN Holdings Co., Ltd. Substrate treatment apparatus and substrate treatment method
US9630200B2 (en) 2009-03-30 2017-04-25 SCREEN Holdings Co., Ltd. Substrate treatment apparatus with elongating treatment liquid supply pipe

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2546924B2 (ja) 有害物質を発生する物品を焼却、除染する装置及び方法
EP1280382A2 (en) High-frequency induction heating device and device and method for pyrolyzing organic compounds using said heating device
US10124445B2 (en) Heat containment apparatus
JP2003170128A (ja) 環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置、減圧加熱処理設備および減圧加熱処理方法
JP2003200148A (ja) 有害有機物収容機器解体装置および同解体方法
KR100672907B1 (ko) 폐기물 처리를 위한 진공 소각로 및 이를 이용한 폐기물 처리방법
JP2006266581A (ja) 回転加熱処理装置
JPWO2005009636A1 (ja) 有害物質処理装置
JP7066090B2 (ja) 廃棄物処理方法
JP2002248336A (ja) 環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理方法、減圧加熱処理装置および減圧加熱処理設備
JP5452987B2 (ja) 熱処理装置
JP5314576B2 (ja) Pcb無害化処理システム及び方法
WO2002068108A1 (fr) Appareil de traitement de chauffage sous vide de residus pesticides non toxiques pour l'environnement, equipement de traitement de chauffage sous vide, procede de traitement de chauffage sous vide et procede permettant de produire du charbon actif
KR20150128311A (ko) 폐열교환기를 구비한 에너지 절감 및 환경 친화형 화장설비
CN212082014U (zh) 一种高温碳管炉
JP2003010826A (ja) 環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理装置、減圧加熱処理設備および減圧加熱処理装置を用いた活性炭製造方法
JP2001096135A (ja) 排ガス処理装置
JP2017131978A (ja) 封じ込めシステム
JP2015108457A (ja) 連続式処理装置
JP3793956B2 (ja) 煙突・煙道内の浄化方法および装置
JP2004322024A (ja) 有害物質熱分解除去装置
JPS5813279Y2 (ja) マイクロ波加熱炉雰囲気ガス逆流防止装置
JP2009136775A (ja) 分解処理装置における固着反応処理剤の除去方法及び分解処理装置の反応管封止装置
CN107620969A (zh) 一种双重净化处理的热洁炉
JP2006046879A (ja) 医療廃棄物処理装置