JP2002248336A - 環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理方法、減圧加熱処理装置および減圧加熱処理設備 - Google Patents

環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理方法、減圧加熱処理装置および減圧加熱処理設備

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JP2002248336A
JP2002248336A JP2001048453A JP2001048453A JP2002248336A JP 2002248336 A JP2002248336 A JP 2002248336A JP 2001048453 A JP2001048453 A JP 2001048453A JP 2001048453 A JP2001048453 A JP 2001048453A JP 2002248336 A JP2002248336 A JP 2002248336A
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heating
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environmentally harmful
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JP2001048453A
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Mamoru Nakamura
守 中村
Makoto Nakamura
誠 中村
Toshio Kakegawa
寿夫 掛川
Yoshihiro Suenaga
慶寛 末永
Wataru Shiraki
渡 白木
Mitsuhiro Ohira
光洋 大平
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NAKA ENGINEERING KK
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NAKA ENGINEERING KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境有害残留性有機化学物質を含む液体や固形
物に含浸した環境有害残留性有機化学物質を分解処理す
ることができ、有機化学物質が収容されていた容器を浄
化することができ、処理過程でダイオキシンの発生を抑
制することができ、排ガスの処理が容易である環境有害
残留性有機化学物質の減圧加熱処理方法、減圧加熱処理
装置および減圧加熱処理設備を提供する。 【解決手段】環境有害残留性有機化学物質を含む被処理
物を気密な加熱容器10内に収容し、加熱容器10内を
真空引き手段30によって真空引きし、加熱容器10内
の温度を650 ℃以上に上昇させ、環境有害残留性有機化
学物質の全てが分解されるまで加熱容器10内を650 ℃
以上に保つ。有機化学物質が塩素を含むものであって
も、ダイオキシンの発生を抑制でき、二酸化炭素が発生
せず、被処理物を収容した容器ごと加熱容器内に入れて
処理でき、作業が簡単になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境有害残留性有
機化学物質の減圧加熱処理方法、減圧加熱処理装置およ
び減圧加熱処理設備に関する。さらに詳しくは、環境や
人体に有害な環境有害残留性有機化学物質、特にPCB や
ダイオキシン、廃医薬品、廃農薬等を分解処理するため
の環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理方法、減
圧加熱処理装置および減圧加熱処理設備に関する。な
お、環境有害残留性有機化学物質を含む被処理物とは、
環境有害残留性有機化学物質を成分として含む液体や材
料だけでなく、環境有害残留性有機化学物質を吸収した
土壌、環境有害残留性有機化学物質が含浸した木や紙等
も含む概念である。
【0002】
【従来の技術】PCB やダイオキシン等の有害な環境有害
残留性有機化学物質は、自然環境では容易に分解されな
い。このため、有害な環境有害残留性有機化学物質は、
1000℃以上の高温で焼却することによって分解処理した
り、有機金属化合物等の脱塩素剤を加えた状態で加熱
し、脱塩素反応させることによって無害な物質に変換さ
せることによって処理されている。
【0003】しかるに、焼却処理では、処理温度が低下
すると、ダイオキシンが発生してしまうし、焼却処理に
よって発生した焼却灰や排ガスには、未処理の有害な環
境有害残留性有機化学物質が残存する可能性があるとい
う問題がある。また、脱塩素反応による処理では、ダイ
オキシンの発生を防ぐことができるが、容器に付着した
環境有害残留性有機化学物質や、木や紙等の固形物に含
浸した有害化学物質は、そのままでは脱塩素剤と十分に
反応させることができないので、分解処理することがで
きない。
【0004】上記の問題を解決するために、特開平8-26
1437号記載の技術(従来例1)、特開平10-279948 号記
載の技術(従来例2)がある。従来例1および従来例2
は、ポリ塩化ビニルなどの固形物や、廃油等の有機化学
物質を、真空にした容器内に収容し、300〜400℃まで加
熱することによって、有機化学物質を分解処理するもの
である。この従来例1および従来例2では、低酸素濃度
の状態において、ダイオキシンが最も生成されやすい30
0〜500℃よりも低い温度で有機化学物質を加熱分解する
ので、加熱分解過程でダイオキシンが発生することを防
ぐことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来例1で
は、300〜400℃までしか容器内を加熱しないので、ポリ
塩化ビニル等の比較的低温で分解される物質は処理でき
るが、PCB やダイオキシン、廃医薬品、廃農薬等、650
℃以上の高温でなければ分解できない物質は、加熱分解
処理することができないという問題がある。また、従来
例2では、廃油等の処理物質を、これらが収容されてい
た容器から加熱分解室内に移し替えて処理されており、
廃油等が収容されていたドラム缶等の容器が汚染されて
いても、これらの容器は浄化することができなかった。
【0006】本発明はかかる事情に鑑み、環境有害残留
性有機化学物質を含む液体や固形物に含浸した環境有害
残留性有機化学物質を分解処理することができ、有機化
学物質が収容されていた容器を浄化することができ、処
理過程でダイオキシンの発生を抑制することができ、排
ガスの処理が容易である環境有害残留性有機化学物質の
減圧加熱処理方法、減圧加熱処理装置および減圧加熱処
理設備を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の環境有害残留
性有機化学物質の減圧加熱処理方法は、環境有害残留性
有機化学物質を含む被処理物を気密な加熱容器内に収容
し、該加熱容器内を真空引き手段によって真空引きし、
前記加熱容器内の温度を、650 ℃以上に上昇させ、前記
環境有害残留性有機化学物質の全てが分解されるまで前
記加熱容器内を650 ℃以上に保つことを特徴とする。請
求項2の環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理方
法は、請求項1記載の発明において、前記被処理物とと
もに、脱塩素剤を前記加熱容器内に収容させることを特
徴とする。請求項3の環境有害残留性有機化学物質の減
圧加熱処理方法は、請求項1または2記載の発明におい
て、前記被処理物が液体であって、該被処理物が、貫通
孔が形成された滴下面を有する収容器に収容されてお
り、該収容器を、その滴下面と前記加熱容器の内面との
間に間隔を空けた状態で前記加熱容器内に取り付け、前
記収容器の滴下面を下向きにさせて、前記貫通孔から前
記被処理物を滴下させることを特徴とする。請求項4の
環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理方法は、請
求項3記載の発明において、前記収容器を揺動させなが
ら加熱することを特徴とする。請求項5の環境有害残留
性有機化学物質の減圧加熱処理装置は、環境有害残留性
有機化学物質を含む被処理物を加熱分解処理するための
処理装置であって、該処理装置が、前記被処理物を収容
するための気密な加熱室を備えた加熱容器と、該加熱室
内を真空引きするための真空引き手段と、前記加熱室内
の温度を、650℃以上になるまで、上昇させ、前記加熱
室内を650 ℃以上に保つための加熱手段とからなること
を特徴とする。請求項6の有機化学物質の減圧過熱処理
装置は、請求項5記載の発明において、前記加熱手段
が、ヒータであり、前記加熱容器が、前記加熱室を形成
する内筒と、該内筒の外面を包囲するように設けられた
外筒とを備えており、前記内筒の素材が、高耐熱性材料
であり、前記内筒と外筒の間において、前記内筒の外面
に複数本の前記ヒータが配設されており、前記内筒の外
面に、耐火材が取り付けられており、該耐火材と前記外
筒の内面との間に断熱材が取り付けられていることを特
徴とする。請求項7の環境有害残留性有機化学物質の減
圧加熱処理装置は、請求項5または6記載の発明におい
て、前記被処理物が液体であって、該被処理物が、貫通
孔が形成された滴下面を有する収容器に収容されてお
り、前記加熱容器が円筒状であり、該加熱容器の加熱室
に、前記収容器を、その滴下面と前記加熱室の内面との
間に間隔を空けた状態で取り付けるための固定部が設け
られており、前記加熱容器を、その中心軸を水平にした
状態で載せるための受架台が設けられており、該受架台
が前記加熱容器を、該加熱容器の中心軸回りに回転させ
る回転装置を備えており、前記回転装置によって前記加
熱容器を回転させると、前記収容器の滴下面が、前記加
熱容器の中心軸回りに回転されることを特徴とする。請
求項8の環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理設
備は、請求項5、6または7記載の減圧加熱処理装置を
備えた処理設備であって、前記加熱容器が、環境有害残
留性有機化学物質を含む被処理物を収容するための加熱
室を有する本体と、該本体の前面に着脱自在に取り付け
られ、前記加熱室を気密に密閉する蓋とからなり、前記
処理設備が、前記加熱容器の本体前面に対して接近離間
自在に設けられた移動架台を備えており、該移動架台
が、前記加熱容器の蓋を取り付けるための保持アーム
と、前記保持アームに対して前記加熱容器の本体側に設
けられ、前記被処理物を載せて昇降するリフトを有する
リフト装置とを備えており、前記加熱容器の蓋を前記保
持アームに取り付けた状態で、前記移動架台を前記加熱
容器の本体から離間させると、前記加熱容器の蓋が前記
本体から取り外され、前記移動架台を前記加熱容器の本
体に接近させると、前記加熱容器の蓋が前記本体に取り
付けられることを特徴とする。
【0008】請求項1の発明によれば、加熱容器内を、
650 ℃以上に保って被処理物を加熱するので、土壌や紙
等のような固形物に含浸した環境有害残留性有機化学物
質であっても、分解処理することができる。また、被処
理物を収容した容器ごと加熱容器内に入れて処理できる
ので、容器に付着した環境有害残留性有機化学物質であ
っても分解処理することができ、容器を浄化することが
でき、作業も簡単になる。さらに、酸素が少ない雰囲気
中で、被処理物を650 ℃以上に加熱することができるの
で、環境有害残留性有機化学物質が塩素を含むものであ
っても、ダイオキシンの発生を抑制することができる。
しかも、酸素が少ないので、被処理物は燃焼せず、二酸
化炭素が発生しない。さらに、環境有害残留性有機化学
物質が分解して排ガスが発生しても、その排ガスは加熱
容器内に保持されるので、排ガスの処理が容易である。
請求項2の発明によれば、脱塩素剤によって、PCB やダ
イオキシン等の加熱分解処理とともに、脱塩素処理も行
うことができるので、環境有害残留性有機化学物質の加
熱分解過程においてダイオキシンの発生を確実に防ぐこ
とができ、しかも、処理時間を短縮することができる。
請求項3の発明によれば、加熱容器の内面と収容器の滴
下面との間に間隔があるので、収容器の滴下面を下に向
ければ、貫通孔から収容器内の被処理物が加熱容器内面
に滴下される。すると、滴下された被処理物は少量であ
るので、急速に加熱され分解される。したがって、被処
理物を収容器内に収容したままで加熱分解処理を行うよ
りも、処理時間を短縮することができる。請求項4の発
明によれば、加熱容器を揺動させれば、短い時間で貫通
孔から多量の被処理物を滴下させることができ、しか
も、加熱室内に飛散させることができるので、さらに処
理時間を短くすることができる。請求項5の発明によれ
ば、加熱室内を、650 ℃以上に保って被処理物を加熱す
るので、土壌や紙等のような固形物に含浸した環境有害
残留性有機化学物質であっても、分解処理することがで
きる。また、被処理物を収容した容器ごと加熱容器内に
入れて処理できるので、容器に付着した環境有害残留性
有機化学物質であっても分解処理することができ、容器
を浄化することができ、作業も簡単になる。さらに、酸
素が少ない雰囲気中で、被処理物を650 ℃以上にまで加
熱することができるので、環境有害残留性有機化学物質
が塩素を含むものであっても、ダイオキシンの発生を抑
制することができる。しかも、酸素が少ないので、被処
理物は燃焼せず、二酸化炭素が発生しない。さらに、環
境有害残留性有機化学物質が分解して排ガスが発生して
も、その排ガスは加熱室内に保持され、大気中に放出さ
れないので、排ガスの処理が容易である。請求項6の発
明によれば、ヒータによって、内筒を加熱すれば、加熱
室内を加熱することができる。しかも、内筒の素材が高
耐熱性材料であるので、加熱室内が650 ℃以上になって
も、内筒が変形したり溶融したりしない。したがって、
加熱室内を650 ℃以上に保つことができる。また、内筒
と外筒の間に、耐火材と断熱材が設けられているので、
ヒータによって加熱室を加熱したときに、熱が外部に逃
げることを防ぐことができるので、加熱室を効果的に加
熱・保温することができる。請求項7の発明によれば、
回転装置によって、収容器の貫通孔が、鉛直下方に向く
ように加熱容器を回転させれば、加熱容器の内面と収容
器の滴下面の間に間隔があるので、貫通孔から収容器内
の被処理物を加熱容器内面に滴下させることができる。
すると、滴下された被処理物は少量であるので、急速に
加熱され分解される。したがって、被処理物を収容器内
に収容したままで加熱分解処理を行うよりも、処理時間
を短縮することができる。また、加熱容器を揺動させれ
ば、短い時間で貫通孔から多量の被処理物を滴下させる
ことができ、しかも、加熱室内に飛散させることができ
るので、さらに処理時間を短くすることができる。請求
項8の発明によれば、加熱容器の蓋を移動架台の保持ア
ームに取り付けた状態で、移動架台を加熱容器の本体に
対して接近離間させれば、加熱容器の蓋を本体から着脱
することができるので、加熱容器内に被処理物を出し入
れするときに、蓋の開閉が容易になる。また、リフト装
置のリフトに被処理物を載せて移動架台を加熱容器の本
体に接近離間させれば、被処理物を加熱容器内に出入れ
することができるので、被処理物の搬入搬出作業が楽に
なる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。まず、本実施形態の減圧加熱処理装
置5を説明する。図1は加熱容器10の概略説明図であ
る。図2は液体の被処理物を滴下させながら処理すると
きの説明図である。図3は本実施形態の減圧加熱処理設
備1の概略説明図である。図1および図2において、符
号60は、PCB やダイオキシン、廃医薬品、廃農薬等の
有害な環境有害残留性有機化学物質を含む被処理物が収
容された収容器を示している。この収容器60は、例え
ばPCB 等の環境有害残留性有機化学物質を入れて保管す
るためのドラム缶やPCB 等を内部に収容したコンデンサ
やトランス等である。
【0010】図1〜図3に示すように、減圧加熱処理装
置5は、加熱容器10、ヒータ15、受架台20および
真空引き手段30から基本構成されている。
【0011】まず、加熱容器10を説明する。図3に示
すように、加熱容器10は円筒状の部材であり、蓋10a
と本体10b とから構成されている。
【0012】まず、本体10b を説明する。図1および図
2に示すように、本体10b は、一端が閉じた円筒状の部
材である。この本体10b は高耐熱性材料の内筒12と鋼
鉄製の外筒13とによって、2重管構造に形成されてい
る。この内筒12の内部の空間が被処理物を収容するた
めの加熱室11となっている。この内筒12の素材であ
る高耐熱性材料は、例えばSUS310S である。このSUS310
S は、溶融点が1398〜1454℃であり、1035℃において繰
り返し加熱を行っても、その強度を保つことができるの
で、たとえ加熱室11内が650 ℃以上になっても、内筒
12は変形したり溶融したりしない。したがって、加熱
室11内を650℃以上の温度に保つことができる。
【0013】なお、内筒12の素材である高耐熱性材料
は、SUH310やSS400 、耐熱合金等でもよい。SUH310は、
溶融点が1398〜1454℃であり、1035℃において繰り返し
加熱を行っても、その強度を保つことができるので、内
筒12の素材としてSUH310を用いれば、たとえ加熱室1
1内が650 ℃以上になっても、内筒12は変形したり溶
融したりしない。SS400 は、溶融点が1536℃であり、88
0 〜930 ℃において繰り返し加熱を行っても、その強度
を保つことができるので、内筒12の素材としてSS400
を用いれば、たとえ加熱室11内が650 ℃以上になって
も、内筒12は変形したり溶融したりしない。耐熱合金
は、例えば溶融点が1305℃であり、1100℃において繰り
返し加熱を行っても、その強度を保つことができるもの
である。このため、内筒12の素材として耐熱合金を用
いれば、たとえ加熱室11内が650 ℃以上になっても、
内筒12は変形したり溶融したりしない。
【0014】さらになお、純チタンは、溶融点は1668℃
と高いが、繰り返し加熱を行うことができる温度が、50
0〜600℃であるため、現状では本発明の加熱室11の内
筒12に使用することはできない。しかし、繰り返し加
熱をすることができる温度が、650 ℃以上となるものが
開発されれば、本発明の加熱容器10の内筒12の素材
として使用可能である。
【0015】さらになお、セラミックスは、1400℃まで
繰り返し加熱を行うことができるが、衝撃に弱いので破
損しやすく、気密性を保つ構造に形成することが困難で
ある。よって、現状では、本発明の加熱室11の内筒1
2に使用することはできない。しかし、上記の問題を解
決するようなセラミックスが開発されれば、本発明の加
熱容器10の内筒12の素材として使用可能である。
【0016】さらになお、外筒13の素材に、内筒12
と同様の高耐熱性材料を用いれば、加熱容器10の耐熱
強度をさらに高くすることができ、装置の安全性が高く
なる。
【0017】また、加熱容器10の加熱室11の内部に
おいて、内筒12の内面には、加熱容器10の軸方向に
沿って、左右一対のレール18b が設けられている。この
各レール18b には、加熱容器10の軸方向に沿って溝が
形成されている。各レール18b の溝には、収容器60の
上端部に取付けられた取付け部材18a の左右両端が、摺
動自在かつ着脱自在にそれぞれ取付けられている。この
取付け部材18a と左右一対のレール18b とが、固定部1
8を構成している。この固定部18は、被処理物を収容
した収容器60を、内筒12の内面との間に間隔を空け
た状態で取り付けるためのものであるが、その理由は後
述する。
【0018】なお、取付け部材18a および左右一対のレ
ール18b の素材は、加熱容器10の内筒12と同様の高
耐熱性材料を用いており、加熱室11内が650 ℃以上に
加熱されても、変形したり溶融したりしない。
【0019】内筒12の外筒13の間において、前記内
筒12の外周面には、図示しない複数の円管が取り付け
られており、その円管内に複数本のヒータ15がそれぞ
れ取付けられている。このヒータ15は、例えば炭化ケ
イ素発熱体(エレマ発熱体:東海高熱工業株式会社製)
を備えた電気ヒータであり、その表面温度を最大1600℃
に保つことができるものである。
【0020】このため、ヒータ15によって加熱室11
内を加熱すれば、加熱室11内を650 ℃以上に上昇させ
ることができ、しかも環境有害残留性有機化学物質の全
てが分解されるまで加熱室11内を650 ℃以上に保つこ
とができる。このヒータ15が、特許請求の範囲にいう
加熱手段である。
【0021】なお、加熱手段は上記のような電気ヒータ
に限定されず、加熱室11内を650℃以上に上昇させる
ことができるものであればよく、セラミックヒータやガ
スバーナ等でもよい。
【0022】前記本体10b の内筒12と外筒13の間に
おいて、内筒12の外面には、グラスファイバーの層と
キャスタブルの層の二層からなる耐火材14a が設けられ
ており、この耐火材14a と外筒13の内面との間には、
素材がキャスタブルである断熱材14b が設けられてい
る。このため、ヒータ15によって加熱室11内を加熱
したときに、外部に熱が逃げることを防ぐことができ
る。したがって、加熱室11内を効果的に加熱・保温す
ることができる。なお、耐火材および断熱材の素材は、
上記の素材に限定されない。
【0023】つぎに、蓋10a を説明する。図3に示すよ
うに、前記本体10b の他端、つまり、加熱容器10の中
心軸を水平にした状態における本体10b の前面には、ボ
ルト等によって蓋10a が着脱自在に取り付けられてい
る。この蓋10a は、本体10b の加熱室11を外部から気
密に密閉することができるものである。
【0024】よって、加熱容器10によれば、加熱容器
10の本体10b の加熱室11内に被処理物を収容し、本
体10b に蓋10a を取り付ければ、被処理物を加熱容器1
0の加熱室11内に気密に収容することができる。
【0025】また、蓋10a の素材は、加熱容器10の内
筒12と同様の高耐熱性材料を用いており、加熱室11
内が650 ℃以上に加熱されて、変形したり溶融したりし
ない。したがって、たとえ加熱室11内が650 ℃以上に
なっても、加熱室11内を確実に密閉し続けることがで
きる。
【0026】つぎに受架台20を説明する。図1および
図2に示すように、減圧加熱処理設備1の床面には、前
後一対の受架台20,20が設けられている。この受架
台20は、前記加熱容器10を、その中心軸を水平にし
た状態で載せるためのものである。この受架台20は、
正面視U字状をしたベース21と、そのベース21の上
面に設けられた複数のローラ22とから構成されてい
る。各ローラ22は、ベース21に対してそれぞれ回転
自在に取り付けられており、複数のローラ22のうち、
一のローラ22は、図示しないモータ等の駆動源によっ
て回転される。
【0027】このため、加熱容器10を受架台20の複
数のローラ22上に載せて、駆動源によって一のローラ
22を回転させると、加熱容器10を、その中心軸周り
に回転させることができる。この複数のローラ22が特
許請求の範囲にいう回転装置である。
【0028】つぎに、真空引き手段30を説明する。前
記加熱容器10の加熱室11には、配管によって真空引
き手段30が接続されている。この真空引き手段30
は、例えば真空ポンプである。この真空引き手段30と
加熱容器10との間の配管には、冷却器32およびフィ
ルタ31がその順で介装されており、フィルタ31と真
空引き手段30との間の配管には、フィルタ33が配管
によって接続されている。
【0029】このフィルタ31およびフィルタ33の素
材は、例えば活性炭や脱塩素剤、シリカゲル、イオン交
換樹脂、高分子吸着体等である。このため、加熱容器1
0の加熱室11内の被処理物が分解されたときに発生す
る水素ガスや塩素ガス、塩化水素ガス等の排ガスをフィ
ルタ31およびフィルタ33によって吸着して処理する
ことができる。また、たとえ分解できなかった環境有害
残留性有機化学物質が排ガス中に含まれていても、フィ
ルタ31およびフィルタ33によって吸着することがで
きる。
【0030】このため、真空引き手段30によって加熱
容器10の加熱室11内に真空引きすれば、加熱室11
内を減圧して、加熱室11内の酸素の量を少なくするこ
とができる。
【0031】また、被処理物が分解されたときに発生す
る排ガスによって、加熱室11内の気圧が高くなったと
きに、真空引き手段30によって加熱室11内を真空引
きすれば、加熱室11内の排ガスの圧力によって加熱容
器10が破損することを防ぐことができ、しかも、加熱
室11内の排ガスを、大気に放出することなくフィルタ
31またはフィルタ33によって処理することができ
る。このとき、高温の排ガスは冷却器32によって冷却
されてからフィルタ31およびフィルタ33に供給され
るので、排ガスの熱によって、フィルタ31およびフィ
ルタ33が損傷することもない。
【0032】なお、配管やフィルタ31, 33を収容す
るケース等の素材に、加熱容器10の内筒12と同様の
高耐熱性材料を使用すれば、たとえ排ガスの温度が650
℃以上であっても、配管等が変形したり溶融したりし
て、配管と加熱容器10との接続部分や配管とフィルタ
31, 33を収容するケースとの接続部分等に隙間がで
きることを防ぐことができる。よって、加熱容器10か
らフィルタ31, 33に排ガスを送る途中で、排ガスが
外部に漏れることを防ぐことができる。
【0033】つぎに、減圧加熱処理装置5の作用と効果
を説明する。まず、加熱容器10の蓋10a を本体10b か
ら外し、加熱室11b の加熱室11内に被処理物を収容し
た収容器60を収容する。このとき、収容器60には、
被処理物とともにナトリウムや水酸化ナトリウム、水酸
化カルシウム等の脱塩素剤を入れておく。そして、蓋10
a を本体10b に取り付ければ、加熱室11内を気密に密
閉することができる。
【0034】つぎに、真空引き手段30によって加熱容
器10の加熱室11内を真空引きすれば、加熱室11内
を減圧し、加熱室11内の酸素の量を少なくすることが
できる。
【0035】ついで、ヒータ15によって加熱室11内
を加熱し、加熱室11内を650 ℃以上にする。そして、
全ての環境有害残留性有機化学物質が分解されるまで、
ヒータ15によって加熱室11内を650 ℃以上に保つ。
すると、被処理物に含まれる全ての環境有害残留性有機
化学物質を加熱分解処理することができる。
【0036】上記のごとく、減圧加熱処理装置5によれ
ば、加熱容器10の加熱室11内を、650 ℃以上に保っ
て、収容器60ごと被処理物を加熱するので、収容器6
0に付着した環境有害残留性有機化学物質や、土壌や紙
等のような固形物に含浸した環境有害残留性有機化学物
質を確実に分解処理することができる。しかも、環境有
害残留性有機化学物質が、PCB やダイオキシンであれ
ば、加熱室11内を850 ℃〜1000℃に保てば、PCB やダ
イオキシンを確実に分解処理することができる。特に、
加熱室11内を900 ℃以上に加熱すれば、PCB やダイオ
キシンの分解処理がさらに確実になる。
【0037】なお、加熱処理を行う場合の加熱室11内
の温度は、加熱容器10に収容された被処理物に含まれ
る環境有害残留性有機化学物質の分解温度より高ければ
よい。つまり、環境有害残留性有機化学物質の分解温度
が650 ℃程度であれば、加熱室11内を700 ℃以上に加
熱すればよいし、分解温度が750 ℃程度であれば、加熱
室11内を800 ℃以上に加熱すればよい。
【0038】また、被処理物を収容した収容器60ごと
加熱室11内に入れて処理できるので、収容器60に付
着した環境有害残留性有機化学物質であっても分解処理
することができ、収容器60を浄化することができ、作
業も簡単になる。しかも、環境有害残留性有機化学物質
が加熱分解された炭化物は、固形燃料や石炭灰を利用し
た多孔質水質浄化餌料培養基質等として利用可能であ
る。
【0039】また、酸素が少ない雰囲気中で加熱するの
で、環境有害残留性有機化学物質が塩素を含むものであ
っても、分解過程でダイオキシンが発生することを抑制
することができるし、被処理物が高温になっても加熱容
器10の加熱室11内には酸素が少ないので、被処理物
は燃焼せず、二酸化炭素が発生しない。
【0040】さらに、被処理物とともに収容器60に入
れられた脱塩素剤によって、被処理物は、加熱分解処理
とともに、脱塩素処理もされるので、加熱分解過程にお
いてダイオキシンの発生を確実に防ぐことができ、しか
も、処理時間を短縮することができる。
【0041】さらに、環境有害残留性有機化学物質が分
解して排ガスが発生しても、その排ガスは加熱容器10
の加熱室11内に保持され、大気中に放出されない。こ
のため、加熱分解処理が終了した後で、真空引き手段3
0によって再び真空引きを行えば、排ガスをフィルタ3
1やフィルタ33によって処理することができるので、
排ガスの処理が容易である。しかも、排ガスを吸着した
フィルタ31やフィルタ33は、本実施形態の減圧加熱
処理装置5によって処理できるので、フィルタ31やフ
ィルタ33に処理が問題とならない。
【0042】また、図1に示すように、収容器60が、
その内部に液体の被処理物が封入されたドラム缶やトラ
ンス、コンデンサ等の場合、この収容器60に被処理物
を滴下させる貫通孔のみを形成する。そして、取付け部
材18a を収容器60の上端部に取付けて、その取付け部
材18a の両端を、左右一対のレール18b に掛合させる。
すると、貫通孔が形成された滴下面62を内筒12の内
面との間に間隔をあけた状態で、収容器60が固定部1
8によって加熱室11内に取り付けられる。そして、図
2に示すように、真空引き手段30によって加熱室11
内を真空引きした後、受架台20のローラ22によっ
て、加熱容器10を180°回転させる。すると、収容器
60の滴下面62が、加熱容器10の中心軸回りに回転
されて、滴下面62が鉛直下方に向く。収容器60の滴
下面62は、加熱容器10の加熱室11の内面との間に
間隔をあけた状態で取り付けられているので、滴下面6
2の貫通孔から、収容器60内の被処理物を加熱容器1
0の加熱室11の内面に滴下させることができる。この
状態で加熱室11内を加熱すれば、滴下された被処理物
は少量であるので、急速に加熱され分解される。したが
って、被処理物を収容器60内に収容したままで加熱分
解処理を行うよりも、処理時間を短縮することができ
る。
【0043】さらに、受架台20のローラ22によって
加熱容器10を、その中心軸回りに揺動させれば、被処
理物を貫通孔から自由落下によって滴下させた場合に比
べて、短い時間で多量の被処理物を滴下させることがで
き、しかも、加熱室11内に飛散させることができるの
で、さらに処理時間を短くすることができる。
【0044】なお、収容器60の滴下面62に形成され
た貫通孔を紙等によって封をしておけば、収容器60を
回転させたときに、収容器60の滴下面62が鉛直下方
に向くまで被処理物がこぼれる心配がない。しかも、加
熱室11内の温度が高くなれば、紙等は加熱されて炭化
するので、貫通孔から被処理物を滴下させることができ
る。
【0045】さらになお、被処理物が土壌や紙等のよう
な環境有害残留性有機化学物質を含浸した固形物の場
合、被処理物を収容器60に入れないで、そのまま加熱
容器10の加熱室11内に搬入し、加熱処理してもよ
い。この場合、固定部18を加熱容器10の加熱室11
内に設けなくてもよいので、加熱容器10の構造を簡単
にできる。
【0046】つぎに、本実施形態の減圧加熱処理設備3
を説明する。図3に示すように、本実施形態の減圧加熱
処理設備1は、環境有害残留性有機化学物質を含む被処
理物を加熱分解処理するための設備であり、前記減圧加
熱処理装置5および移動架台40から基本構成されてい
る。図3において、符号2および符号3は、処理棟およ
び処理棟内を外部から遮閉するためのシャッタを示して
おり、この処理棟2内に、本実施形態の減圧加熱処理設
備1が設置されている。
【0047】つぎに、移動架台40を説明する。図3に
おいて、符号Rは、地面に敷設されたレールを示してい
る。このレールRは、前記受架台20に載せられた状態
における加熱容器10の中心軸と平行に配設されてお
り、処理棟2内から外に向かって延設されている。ま
た、符号41は、移動架台40のフレームを示してお
り、このフレーム41の下端には、回転自在に車輪42
が取り付けられている。この車輪42は、レールRに転
動自在に載せられている。このため、車輪42にレール
R上を転動させれば移動架台40をレールRに沿って移
動させることができ、移動架台40を加熱容器10の本
体10b に接近離間させることができる。。この移動架台
40のフレーム41の適所には、前記加熱容器10の蓋
10a を取り付けるための保持アーム43が設けられてい
る。
【0048】よって、加熱容器10の蓋10a を移動架台
40の保持アーム43に取り付けた状態で、移動架台4
0を加熱容器10の本体10b に対して接近離間させれ
ば、加熱容器10の蓋10a を本体10b から着脱すること
ができるので、加熱容器10内に被処理物を出し入れす
るときに、蓋10a の開閉が容易になる。
【0049】また、移動架台40のフレーム41におい
て、フレーム41の右側、つまり前記保持アーム43に
対して加熱容器10の本体10b 側には、リフト装置45
が設けられている。このリフト装置45は、水平に保っ
たまま上下に昇降するリフト46を有している。
【0050】このため、リフト装置45のリフト46に
収容器60を載せて、移動架台40を加熱容器10の本
体10b に接近離間させれば、収容器60を加熱容器10
の加熱室11内に出入れすることができるので、収容器
60の搬入搬出作業が楽になる。
【0051】つぎに、移動架台40によって加熱容器1
0の加熱室11内に収容器60を搬入搬出する作業を説
明する。図4は、加熱容器10の本体10b に収容器60
を搬入する作業の説明図である。図5は、本体10b 内に
収容器60を搬入した状態の説明図である。図4および
図5に示すように、まず、移動架台40を加熱容器10
の本体10b に接触させた状態で、移動架台40の保持ア
ーム43に加熱容器10の蓋10a を取り付ける。そし
て、蓋10a と本体10b の固定を解放して、移動架台40
を左に向けて移動させれば、蓋10a を本体10b から離す
ことができる。
【0052】ついで、リフト装置45のリフト46を最
下端まで下降させ、そのリフト46に被処理物を収容し
た収容器60を載せる。そして、リフト46を加熱容器
10の加熱室11の高さまで上昇させて、移動架台40
を右に移動させれば、収容器60を加熱室11内に搬入
することができる。
【0053】ついで、収容器60の上端部に取付けられ
た取付け部材18a が、加熱室11内に設けられたレール
18b と同じ高さになるまでリフト46を上昇させる。そ
して、移動架台40をさらに右に移動させれば、取付け
部材18a がレール18b に掛合し、固定部18によって収
容器60を固定することができる。そして、リフト46
を降下させて収容器60から離し、移動架台40を左に
移動させ、リフト46を加熱容器10より上方の位置ま
で上昇させてから、再び移動架台40を右に移動させ
る。すると、蓋10a を本体10b に接触させることができ
る。そして、蓋10a をボルト等によって本体10b に固定
すれば、収容器60の搬入作業が終了する。
【0054】加熱室11内の被処理物を搬出する場合
は、保持アーム43に加熱容器10の本体10b を取り付
けたままで、蓋10a と本体10b との固定を解放し、移動
架台40を左に移動させて、蓋10a を本体10b から離間
させる。そして、リフト装置45のリフト46を下降さ
せてから、移動架台40を右に移動し、リフト46を加
熱容器10の加熱室11内に入れて、リフト46の上面
を収容器60の下面に当てる。そして、移動架台40を
左に移動させれば、取付け部材18b がレール18a から外
れる。さらに、移動架台40を左に移動させれば、収容
器60を加熱室11から搬出することができる。
【0055】上記のごとく、本実施形態の減圧加熱処理
設備1によれば、加熱容器10の蓋10a を移動架台40
の保持アーム43に取り付けた状態で、移動架台40を
加熱容器10の本体10b に対して接近離間させれば、加
熱容器10の蓋10a を本体10b から着脱することができ
るので、加熱容器10内に被処理物を出し入れするとき
に、加熱容器10の蓋10a を保持アーム43が支持して
いるので、蓋10a の開閉が容易になる。また、リフト装
置45のリフト46に被処理物を載せて移動架台40を
加熱容器10の本体10b に接近離間させれば、加熱容器
10内に被処理物を容易に出入れすることができる。よ
って、作業者が一人であっても、被処理物の搬入搬出作
業を容易に行うことができ、被処理物の分解処理作業が
楽になる。
【0056】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、容器に付着し
た環境有害残留性有機化学物質や、土壌や紙等のような
固形物に含浸した環境有害残留性有機化学物質であって
も、分解処理することができる。また、環境有害残留性
有機化学物質が塩素を含むものであっても、ダイオキシ
ンの発生を抑制することができ、二酸化炭素が発生せ
ず、排ガスの処理が容易であり、被処理物を収容した容
器ごと、加熱容器内に入れて処理できるので、作業が簡
単になる。請求項2の発明によれば、脱塩素処理も行う
ことができるので、ダイオキシンの発生を確実に防ぐこ
とができ、しかも、処理時間を短縮することができる。
請求項3の発明によれば、被処理物を加熱分解処理する
時間を短縮することができる。請求項4の発明によれ
ば、被処理物を加熱分解処理する時間を短くすることが
できる。請求項5の発明によれば、環境有害残留性有機
化学物質が塩素を含むものであっても、ダイオキシンの
発生を抑制することができ、二酸化炭素が発生せず、排
ガスの処理が容易であり、被処理物を収容した容器ご
と、加熱容器内に入れて処理できるので、作業が簡単に
なる。請求項6の発明によれば、内筒の素材が高耐熱性
材料であるので、加熱室内が650 ℃以上になっても、内
筒が変形したり溶融したりせず、加熱室内を650 ℃以上
に保つことができる。また、内筒と外筒の間に、耐火材
と断熱材が設けられているので、加熱室を効果的に加熱
・保温することができる。請求項7の発明によれば、被
処理物を加熱分解処理する時間を短縮することができ
る。請求項8の発明によれば、加熱容器内に被処理物を
出し入れするときに、蓋の開閉が容易になる。また、リ
フト装置を開いて被処理物を加熱容器内に出入れするこ
とができるので、被処理物の搬入搬出作業が楽になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱容器10の概略説明図である。
【図2】液体の被処理物を滴下させながら処理するとき
の説明図である。
【図3】本実施形態の減圧加熱処理設備の概略説明図で
ある。
【図4】加熱容器10の本体10b に収容器60を搬入す
る作業の説明図である。
【図5】本体10b 内に収容器60を搬入した状態の説明
図である。
【符号の説明】 1 減圧加熱処理設備 5 減圧加熱処理装置 10 加熱容器 10a 蓋 10b 本体 11 加熱室 15 加熱手段 18 固定部 20 受架台 30 真空引き手段 40 移動架台 43 保持アーム 45 リフト装置 46 リフト 60 収容器 62 滴下面 62h 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 掛川 寿夫 香川県高松市林町2217番地20 香川大学工 学部内 (72)発明者 末永 慶寛 香川県高松市林町2217番地20 香川大学工 学部内 (72)発明者 白木 渡 香川県高松市林町2217番地20 香川大学工 学部内 (72)発明者 大平 光洋 東京都港区北青山1丁目3番1号 鹿島ビ ル2階 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA13 BC00 BD11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環境有害残留性有機化学物質を含む被処理
    物を気密な加熱容器内に収容し、該加熱容器内を真空引
    き手段によって真空引きし、前記加熱容器内の温度を、
    650 ℃以上に上昇させ、前記環境有害残留性有機化学物
    質の全てが分解されるまで前記加熱容器内を650 ℃以上
    に保つことを特徴とする環境有害残留性有機化学物質の
    減圧加熱処理方法。
  2. 【請求項2】前記被処理物とともに、脱塩素剤を前記加
    熱容器内に収容させることを特徴とする請求項1記載の
    環境有害残留性有機化学物質の減圧加熱処理方法。
  3. 【請求項3】前記被処理物が液体であって、該被処理物
    が、貫通孔が形成された滴下面を有する収容器に収容さ
    れており、該収容器を、その滴下面と前記加熱容器の内
    面との間に間隔を空けた状態で前記加熱容器内に取り付
    け、前記収容器の滴下面を下向きにさせて、前記貫通孔
    から前記被処理物を滴下させることを特徴とする請求項
    1または2記載の環境有害残留性有機化学物質の減圧加
    熱処理方法。
  4. 【請求項4】前記収容器を揺動させながら加熱すること
    を特徴とする請求項3記載の環境有害残留性有機化学物
    質の減圧加熱処理方法。
  5. 【請求項5】環境有害残留性有機化学物質を含む被処理
    物を加熱分解処理するための処理装置であって、該処理
    装置が、前記被処理物を収容するための気密な加熱室を
    備えた加熱容器と、該加熱室内を真空引きするための真
    空引き手段と、前記加熱室内の温度を、650 ℃以上に上
    昇させ、前記加熱室内を650 ℃以上に保つための加熱手
    段とからなることを特徴とする環境有害残留性有機化学
    物質の減圧加熱処理装置。
  6. 【請求項6】前記加熱手段が、ヒータであり、前記加熱
    容器が、前記加熱室を形成する内筒と、該内筒の外面を
    包囲するように設けられた外筒とを備えており、前記内
    筒の素材が、高耐熱性材料であり、前記内筒と外筒の間
    において、前記内筒の外面に複数本の前記ヒータが配設
    されており、前記内筒の外面に、耐火材が取り付けられ
    ており、該耐火材と前記外筒の内面との間に断熱材が取
    り付けられていることを特徴とする請求項5記載の環境
    有害残留性有機化学物質の減圧過熱処理装置。
  7. 【請求項7】前記被処理物が液体であって、該被処理物
    が、貫通孔が形成された滴下面を有する収容器に収容さ
    れており、前記加熱容器が円筒状であり、該加熱容器の
    加熱室に、前記収容器を、その滴下面と前記加熱室の内
    面との間に間隔を空けた状態で取り付けるための固定部
    が設けられており、前記加熱容器を、その中心軸を水平
    にした状態で載せるための受架台が設けられており、該
    受架台が前記加熱容器を、該加熱容器の中心軸回りに回
    転させる回転装置を備えており、前記回転装置によって
    前記加熱容器を回転させると、前記収容器の滴下面が、
    前記加熱容器の中心軸回りに回転されることを特徴とす
    る請求項5または6記載の環境有害残留性有機化学物質
    の減圧加熱処理装置。
  8. 【請求項8】請求項5、6または7記載の減圧加熱処理
    装置を備えた処理設備であって、前記加熱容器が、環境
    有害残留性有機化学物質を含む被処理物を収容するため
    の加熱室を有する本体と、該本体の前面に着脱自在に取
    り付けられ、前記加熱室を気密に密閉する蓋とからな
    り、前記処理設備が、前記加熱容器の本体前面に対して
    接近離間自在に設けられた移動架台を備えており、該移
    動架台が、前記加熱容器の蓋を取り付けるための保持ア
    ームと、前記保持アームに対して前記加熱容器の本体側
    に設けられ、前記被処理物を載せて昇降するリフトを有
    するリフト装置とを備えており、前記加熱容器の蓋を前
    記保持アームに取り付けた状態で、前記移動架台を前記
    加熱容器の本体から離間させると、前記加熱容器の蓋が
    前記本体から取り外され、前記移動架台を前記加熱容器
    の本体に接近させると、前記加熱容器の蓋が前記本体に
    取り付けられることを特徴とする環境有害残留性有機化
    学物質の減圧加熱処理設備。
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PCT/JP2002/000574 WO2002068108A1 (fr) 2001-02-23 2002-01-25 Appareil de traitement de chauffage sous vide de residus pesticides non toxiques pour l'environnement, equipement de traitement de chauffage sous vide, procede de traitement de chauffage sous vide et procede permettant de produire du charbon actif

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023037151A1 (en) * 2021-09-13 2023-03-16 Alexander Edward Joseph Barsky Vacuum oven with two sided door system

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