JP2003168813A - 光充電式二次電池 - Google Patents

光充電式二次電池

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JP2003168813A JP2001368212A JP2001368212A JP2003168813A JP 2003168813 A JP2003168813 A JP 2003168813A JP 2001368212 A JP2001368212 A JP 2001368212A JP 2001368212 A JP2001368212 A JP 2001368212A JP 2003168813 A JP2003168813 A JP 2003168813A
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Haruo Watanabe
春夫 渡辺
Shinichiro Yamada
心一郎 山田
Hiroshi Miyazawa
弘 宮沢
Tomiichi Watanabe
富一 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 充電効率を高め、劣化の少ない充電性能を備
えた光充電式二次電池を提供する。 【解決手段】 円筒形状の巻き芯部2と、前記巻き芯部
に対して捲回されて引き出し自在に配設された可とう性
を有する光電変換素子を有するシート状体3と、充放電
可能な蓄電池4と、この蓄電池の充放電を制御する制御
回路部5とを備え、前記巻き芯部に前記光電変換素子を
有するシート状体を捲回した状態で全体円筒略形状を呈
し、前記巻き芯部には、その両端部に位置してそれぞれ
略円形平板状に形成された上部フランジ6と下部フラン
ジ7とが一体に設けられ、前記巻き芯部に前記シート状
体を巻き取るように構成されている光充電式二次電池に
おいて、前記光電変換素子の受光面を内面側に巻き込む
とともに、前記シート状体の外方端に重量片が接続され
ていることを特徴とする光充電式二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電変換素子によ
って蓄電池を充電する構成とされた光充電式二次電池に
関する。
【0002】
【従来の技術】光電変換素子は太陽電池とも言われてお
り、太陽光等の光エネルギーを電気エネルギーに変換す
る素子である。この光電変換素子は、光エネルギーから
電気エネルギーを取り出す際に、従来から利用されてき
た化石燃料等と異なり、二酸化炭素等の排出物を出さな
い。さらに該光電変換素子は、ほぼ無尽蔵といわれてい
る太陽光等の光エネルギーから電気エネルギーを取り出
すことができるために、半永久的に発電を行うことがで
きる。そのため、光電変換素子は、地球環境問題に鑑み
て、その利用用途や利用規模が今後も益々拡大してゆく
ものと考えられている。
【0003】しかしながら、光電変換素子は、太陽光等
の光エネルギーに時間的な変動が大きい場合が多く、そ
の結果、光エネルギーを変換して発電した電気エネルギ
ーにも時間的な変動が大きくなってしまうために、電気
機器の直接の電源とすることには適さない場合が多い。
また、光電変換素子は、太陽光等の光エネルギーが空間
的に希薄な状態で存在していることから、利用に適した
所定量の電力を得るためには大きな受光面積を必要とす
る。従って、光電変換素子は、電気または電子機器の補
助的な電流として、または変換した電気エネルギーを一
度蓄電池に充電し、この蓄電池から放電させて利用する
といった用途で用いられている。
【0004】一方、近年の各種加工技術の進展により、
電気または電子機器の小型化が進んでおり、その結果、
各種電気または電子機器は携帯型の機器とされることが
多くなっている。そのため、電気または電子機器は、そ
の電源として、通常、携帯に便利で手軽に利用すること
ができる乾電池が用いられている。
【0005】そこで、上述したような光電変換素子の利
点と、乾電池の利便性とをくみあわせた光充電式二次電
池が、例えば特開昭63−314780号公報(電池)
や特開平2−73675号公報(円筒形充電式太陽電
池)等に記載されているように提案されている。このよ
うな従来の光充電式二次電池は、発電部としての光電変
換素子と、充放電部としての蓄電池とを円筒形規格電池
型に組み合わせて使用することによって、通常用いられ
ている電気機器を光エネルギーによって生産した電力に
より駆動させることを実現している。
【0006】しかしながら、上述したような従来の光充
電式二次電池は、一方向から照射される太陽光等の光エ
ネルギーを蓄電池の外表面積のすべてを有効に活用して
光電変換素子に受光させることが困難なばかりか、その
構造上、蓄電池の外表面積を超えて光電変換素子の受光
面積を備えることができない。そのため、従来の光充電
式二次電池は、蓄電池を充電する際の充電時間が実用に
耐えないほど長く、さらには光電変換素子が蓄電池を充
電するために必要な電力すら発電できないことがあると
いった問題があった。
【0007】そこで、本発明の発明者らは鋭意検討を行
った結果、可とう性を有する光電変換素子と蓄電池とを
組み合わせた構成にすることによって、太陽光等の光エ
ネルギーを通常用いられている電気機器の電源として利
用することを可能とした光充電式二次電池を発明した
(特願平10−351505号)。この発明により、本
発明者らは、実用的な充電性能を備えるとともに、通常
用いられている電気機器の電源としての利用が容易であ
る光充電式二次電池を実現している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような光充電式二次電池は、蓄電池を充電する際に、
捲回されている可とう性を有する光電変換素子を繰り返
し引き延ばし、受光面積を大きくして使用する。このと
き、光電変換素子が特定の方向に固定できない場合、安
定に充電ができなかった。また、光電変換素子が固定で
きない場合、充電時の光電変換素子が風などの外力によ
り損傷あるいは劣化するおそれがあり、素子全体として
の発電効率が低下、ひいては充電性能が低下することが
課題であった。そこで、本発明は、上記課題を解決する
ことにより、光電変換素子が形成された可とう性を有す
る光電変換シートと、蓄電池とを組み合わせ、充電効率
を高め、劣化の少ない充電性能を備えた光充電式二次電
池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、以下に説明する光充電
式二次電池を作製することに成功した。より詳細に説明
すると、本発明に係る光充電式二次電池は、円筒形状の
巻き芯部と、前記巻き芯部に対して捲回されて引き出し
自在に配設された可とう性を有する光電変換素子を有す
るシート状体と、充放電可能な蓄電池と、この蓄電池の
充放電を制御する制御回路部とを備え、前記巻き芯部に
前記光電変換素子を有するシート状体を捲回した状態で
全体円筒略形状を呈し、前記巻き芯部には、その両端部
に位置してそれぞれ略円形平板状に形成された上部フラ
ンジと下部フランジとが一体に設けられ、前記巻き芯部
に前記シート状体を巻き取るように構成されている光充
電式二次電池において、前記光電変換素子の受光面を内
面側に巻き込むとともに、前記シート状体の外方端に重
量片が接続されている。さらに、本発明にかかる光充電
式二次電池は、上記重量片が比重2.5以上の材質で形
成されている光充電式二次電池であり、上記重量片が金
属で形成されている光充電式二次電池であり、また金属
が、ニッケルメッキされていてもよい銅である光充電式
二次電池であり、またさらに上記巻き芯部から上記シー
ト状体を引き出し上記光充電式二次電池を水平面に設置
した場合に、上記重量片が該水平面に接する光充電式二
次電池である。さらには、上記蓄電池の放電電圧が、
0.6〜1.9Vである光充電式二次電池であり、上記
蓄電池が、上記巻き芯部に対して着脱自在である光充電
式二次電池であり、上記蓄電池が、所定の円筒電池規格
の形状を有する光充電式二次電池である。
【0010】さらに、本発明にかかる電気または電子機
器は、円筒形状の巻き芯部と、前記巻き芯部に対して捲
回されて引き出し自在に配設された可とう性を有する光
電変換素子を有するシート状体と、充放電可能な蓄電池
と、この蓄電池の充放電を制御する制御回路部とを備
え、前記巻き芯部に前記光電変換素子を有するシート状
体を捲回した状態で全体円筒略形状を呈し、前記巻き芯
部には、その両端部に位置してそれぞれ略円形平板状に
形成された上部フランジと下部フランジとが一体に設け
られ、前記巻き芯部に前記シート状体を巻き取るように
構成されていて、前記光電変換素子の受光面を内面側に
巻き込むとともに、前記シート状体の外方端に重量片が
接続されている光充電式二次電池を搭載している。
【0011】以上のように構成された光充電式二次電池
は、蓄電池を充電する際に、捲回されている可とう性を
有する光電変換素子を繰り返し引き延ばし、受光面積を
大きくして使用する。このとき、光電変換素子を、特定
の方向に固定することができ、安定に充電ができ、また
充電時の光電変換素子が外力により損傷あるいは劣化す
ることを防止でき、素子全体としての発電効率が低下、
ひいては、充電性能の低下を防止することができる。要
するに本発明はユーザーへの利便性が高度に高められた
光充電式二次電池を提供する。
【0012】すなわち、本発明は、(1)円筒形状の巻
き芯部と、前記巻き芯部に対して捲回されて引き出し自
在に配設された可とう性を有する光電変換素子を有する
シート状体と、充放電可能な蓄電池と、この蓄電池の充
放電を制御する制御回路部とを備え、前記巻き芯部に前
記光電変換素子を有するシート状体を捲回した状態で全
体円筒略形状を呈し、前記巻き芯部には、その両端部に
位置してそれぞれ略円形平板状に形成された上部フラン
ジと下部フランジとが一体に設けられ、前記巻き芯部に
前記シート状体を巻き取るように構成されている光充電
式二次電池において、前記光電変換素子の受光面を内面
側に巻き込むとともに、前記シート状体の外方端に重量
片が接続されていることを特徴とする光充電式二次電
池、(2)上記重量片が、比重2.5以上の材質で形成
されていることを特徴とする前記(1)記載の光充電式
二次電池、(3)上記重量片が、金属で形成されている
ことを特徴とする前記(2)記載の光充電式二次電池、
(4)金属が、ニッケルメッキされていてもよい銅であ
ることを特徴とする前記(3)記載の光充電式二次電
池、(5)上記巻き芯部から上記シート状体を引き出
し、上記光充電式二次電池を水平面に設置した場合に、
上記重量片が該水平面に接することを特徴とする前記
(1)記載の光充電式二次電池、(6)上記蓄電池の放
電電圧が、0.6〜1.9Vであることを特徴とする前
記(1)記載の光充電式二次電池、(7)上記蓄電池
が、上記巻き芯部に対して着脱自在であることを特徴と
する前記(1)記載の光充電式二次電池、(8)上記蓄
電池が、所定の円筒電池規格の形状を有することを特徴
とする前記(7)記載の光充電式二次電池、(9)円筒
形状の巻き芯部と、前記巻き芯部に対して捲回されて引
き出し自在に配設された可とう性を有する光電変換素子
を有するシート状体と、充放電可能な蓄電池と、この蓄
電池の充放電を制御する制御回路部とを備え、前記巻き
芯部に前記光電変換素子を有するシート状体を捲回した
状態で全体円筒略形状を呈し、前記巻き芯部には、その
両端部に位置してそれぞれ略円形平板状に形成された上
部フランジと下部フランジとが一体に設けられ、前記巻
き芯部に前記シート状体を巻き取るように構成されてい
て、前記光電変換素子の受光面を内面側に巻き込むとと
もに、前記シート状体の外方端に重量片が接続されてい
る光充電式二次電池を搭載していることを特徴とする電
気または電子機器、(10)円筒形状の巻き芯部と、前
記巻き芯部に対して捲回されて引き出し自在に配設され
た可とう性を有する光電変換素子を有するシート状体
と、充放電可能な蓄電池と、この蓄電池の充放電を制御
する制御回路部とを備え、前記巻き芯部に前記光電変換
素子を有するシート状体を捲回した状態で全体円筒略形
状を呈し、前記巻き芯部には、その両端部に位置してそ
れぞれ略円形平板状に形成された上部フランジと下部フ
ランジとが一体に設けられ、前記巻き芯部に前記シート
状体を巻き取るように構成されていて、前記光電変換素
子の受光面を内面側に巻き込むとともに、前記シート状
体の外方端に重量片が接続されている光充電式二次電池
を電気または電子機器に装着していることを特徴とする
光充電式二次電池を搭載している電気または電子機器の
製造方法、に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、図
1、図7および図11では、光電変換シート3の光電変
換素子11は、光電変換素子11の始点と終点部分を図
示し、その中間部分の図示は省略している。また、図5
についても、外周壁51の始点と終点部分を図示し、そ
の中間部分の図示は省略している。さらに図9および図
10では、光電変換素子11を有する光電変換シート3
の外端部の図示を省略している。以下では、本発明を適
用した光充電式二次電池として、図1および図2に示す
ような光充電式二次電池1について説明することとす
る。しかしながら、本発明がこれに限定されないことは
いうまでもない。
【0014】本発明に係る光充電式二次電池1は、円筒
状の巻き芯部2と、この巻き芯部2に対して捲回された
引き延ばし自在に配設された可とう性を有する光電変換
シート3と、巻き芯部2の内部に設けられた蓄電池4
と、制御回路部5とを備える。光充電式二次電池1は、
図1および図2に示すように、光電変換シート3を巻き
芯部2に捲回した状態で、全体円筒形状を呈する。ま
た、光充電式二次電池1は、図1に示すように、光電変
換シート3を巻き芯部2から引き延ばした状態で、光電
変換シート3に受光させて蓄電池4を充電する。
【0015】巻き芯部2は、樹脂材料によって円筒形状
に形成されている。該樹脂材料としては、例えばABS
(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、S
AN(スチレン−アクリルアミド)樹脂、ASA(アク
リロニトリル−スチレン−アクリルアミド)樹脂、AC
S(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレ
ン)樹脂またはAAS(アクリロニトリル−アクリレー
ト−スチレン)樹脂等を用いることが好適である。巻き
芯部2は、光電変換シート3が捲回される幅よりも僅か
に長く形成されている。従って、光充電式二次電池1
は、巻き芯部2が光電変換シート3の全幅に亘って巻き
取ることができる。
【0016】また、巻き芯部2には、その両端部にそれ
ぞれ上部フランジ6と下部フランジ7とが設けられてい
る。上部フランジ6および下部フランジ7は、巻き芯部
2と同様な材料によって略円形平板状に形成されてお
り、接着剤等の固定手段により、巻き芯部2の両端部に
それぞれ固定されている。なお、上部フランジ6および
下部フランジ7は、巻き芯部2と一体に形成されていて
もよい。上部フランジ6および下部フランジ7は、その
径が、巻き芯部2に捲回された状態での光電変換シート
3の径と略同一、もしくはやや大となるように形成され
ている。これにより、上部フランジ6および下部フラン
ジ7は、光電変換シート3の側縁部を保護することがで
きるとともに、引き延ばされた光電変換シート3を巻き
芯部2に巻き取る際のガイドとなり、位置ずれせずに光
電変換シート3を巻き芯部2に捲回させることができ
る。
【0017】巻き芯部2、上部フランジ6および下部フ
ランジ7は、電気絶縁性を示す材料によって形成される
ことが望ましい。電気絶縁性を示す材料としては、例え
ば液晶ポリマーの他、耐薬品性、耐熱性および耐クリー
プ性のあるエンジニアプラスチック類である変性ポリフ
ェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルエーテルケ
トン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)、ポリエーテルサルフォン(PES)またはポリサ
ルフォン(PSF)等が挙げられる。これにより、光充
電式二次電池1は、内部の配線等がこれら各部を介して
短絡したり、これら各部が例えば電気機器の電池収納部
の端子等に接触することによって電気的に短絡したりと
いったことを防止することができる。
【0018】また、巻き芯部2、上部フランジ6および
下部フランジ7は、断熱特性の優れた材料によって形成
されることが望ましい。断熱特性の優れた材料として
は、例えばパラ系アラミド樹脂、メタ系アラミド樹脂等
のポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂また
はポリウレタン系樹脂等が挙げられる。これにより、光
充電式二次電池1は、例えば自動車のダッシュボードに
放置される等して高温に晒された場合に、内部に収納し
た蓄電池4の温度が上昇して破損してしまうことを防止
することができる。巻き芯部2、上部フランジ6および
下部フランジ7は、同様の理由から、例えば白色等のよ
うに光や熱を吸収しにくい色に着色されていることが望
ましい。
【0019】さらに、本発明に係る光充電式二次電池1
は、図3および図4に示すように、外周壁51を備えて
構成される。また光充電式二次電池1は、図3および図
4に示すように、上部フランジ6および下部フランジ7
と略同径の略円筒形状を呈する外周壁51を備えて構成
される。光充電式二次電池1は、図5に示すように、上
部フランジ6および下部フランジ7にそれぞれ外周壁5
1の側縁部が回動自在に嵌合する支持部6aおよび支持
部7aが設けられている。従って、光充電式二次電池1
においては、外周壁51が巻き芯部2、上部フランジ6
および下部フランジ7に対して自在に回動する。支持部
は、例えば溝またはスラントの形状であってよい。
【0020】また、図6に示すように、外周壁51に
は、スリット51aが穿孔されている。スリット51a
は、光電変換シート3を引き出すのに十分な幅と厚みと
を有して外周壁51に穿孔されている。さらに、光充電
式二次電池1においては、図6に示すように、光電変換
シート3の最外周部に係止部の機能を有する重量片32
が形成されている。この係止部の機能を有する重量片3
2は、光電変換シート3が巻き芯部2に捲回された際
に、スリット51aに接合するのに十分な厚みを有して
形成されている。係止部の機能を有する重量片32は、
光電変換シート3が外周壁51の内部に完全に巻き込ま
れてしまうことを防止する機能を有するとともに、光電
変換シート3を引き出す際の取っ手としての機能を有し
ている。
【0021】図4に示すように、光充電式二次電池1
は、蓄電池4を充電する際に係止部の機能を有する重量
片32が引き出されることにより、光電変換シート3が
巻き芯部2から引き出される。また、光充電式二次電池
1は、外周壁51を巻き芯部2に対して回転させること
により、光電変換シート3を巻き芯部2に巻き取ること
ができる。従って、光充電式二次電池1は、スリット5
1aを有する外周壁51が回動自在に備えられているこ
とによって、光電変換シート3の引き出しおよび巻き取
りが容易となる。また、光充電式二次電池1は外周壁5
1を備えることによって、電気または電子機器に収納さ
れた際に、光電変換シート3が巻きほぐれてしまうとい
ったことがない。さらに、光充電式二次電池1は、外周
壁51を備えることによって、光電変換シート3を保護
し、光電変換シート3が外環境の塵埃や衝撃等によって
損傷してしまうことを防止するとともに、蓄電池4が直
射日光等によって加熱してしまうことをも防止すること
ができる。また、外周壁51は蓄電池4の加熱防止効果
をさらに向上するためには、例えば白色等のように光や
熱を吸収しにくい色に着色されていることが望ましい。
【0022】上部フランジ6と下部フランジ7とには、
それぞれ正極端子8と負極端子9とが設けられている。
正極端子8と負極端子9とは、誘電性材料によって形成
されており、それぞれ図示しない結線手段により、制御
回路部5の所定の端子と電気的に接続されている。かか
る誘電性を有する材料としては、例えば銅、鉄またはニ
ッケル等の金属、ガラス、石英、セラミックス、酸化マ
グネシウムまたは酸化アルミニウム等の金属酸化物、液
晶ポリマー等の誘電性ポリマー等が挙げられる。
【0023】光電変換シート3は、図7および図8に示
すように、可とう性を有して略矩形シート状に形成され
たシート状基板10と、このシート状基板10上に配置
された複数の光電変換素子11とによって構成されてい
る。シート状基板10は、例えばポリエステル等の電気
絶縁性を有する材料によって形成され、可とう性を有す
るようにシート状に形成されている。かかる電気絶縁性
を有する材料としては、ポリエステルの他、例えばポリ
アミドまたはポリエチレン等の合成樹脂等が挙げられ
る。
【0024】各光電変換素子11は、シート状基板10
上に、第1の電極層12と、光電変換層13と、第2の
電極層14とがそれぞれ薄膜状に順次積層して形成され
てなる。光電変換素子11を構成する各層は、例えばス
パッタ法や蒸着法に代表される各種PVD法、またはプ
ラズマCVD法やMOCVD法に代表される各種CVD
法によってシート状基板10上に薄膜状に形成されてい
る。光電変換素子11は、各層が薄膜状に形成されてい
ることによって、シート状基板10と同様に十分な可と
う性を有している。
【0025】さらに、上記光電変換シート3は可とう性
を有する高分子積層シートを有することができる。この
高分子積層シートは、上記光電変換素子の受光部上を覆
うもので、この部分は少なくとも光透過性を有すること
が好ましい。この高分子積層シートは、上記光電変換シ
ート3の全面を覆うことが好ましく、さらには上記光電
変換シート3の端部より張り出し、上記光電変換シート
3の端部を保護するように形成することが好ましい。ま
た、上記高分子積層シートは、上記光電変換シート3の
受光面側に設けることが好ましいが、上記光電変換シー
ト3の受光面の裏側に設けることもさらに好ましい。こ
れにより、可とう性を有する光電変換素子11を繰り返
し引き延ばして、受光面積を大きくして使用するとき、
光電変換素子11の屈曲の繰り返しによる、上記光電変
換素子11の損傷あるいは劣化を低減できる。さらに、
上記光電変換素子11の引き延ばしの繰り返しに伴う表
面での摺動の繰り返しに対し、上記光電変換素子11
が、損傷あるいは劣化することを防止でき、素子全体と
しての発電効率が低下、ひいては充電性能が低下するこ
とを防止することができる。また、上記光電変換素子1
1が長期間捲回状態にあると、上記光電変換シート3は
塑性変形(いわゆる、巻き癖が付く状態)し、上記光電
変換素子11の有効な受光を妨げることになるが、上記
高分子積層シートの存在により、上記塑性変形を低減で
き、有効な受光を得ることができる。上記高分子積層シ
ートを、前記のように光電変換シート3の表裏に用いる
場合は、表裏同一のシート材料で構成することもできる
し、適宜異種のシート材料で構成することもできる。材
質としては、少なくとも光電変換素子11の受光部上を
覆うものは、光透過性の材料であることが好ましい。ま
た、摩擦による耐磨耗性や光に対する耐候性を有するこ
とが望ましい。このような材料としては、例えばハロゲ
ン化オレフィン、特にフッ素化オレフィンの重合体、あ
るいは、これとオレフィンの共重合体が例示される。さ
らに、これらシートを光電変換シート3に固着させるた
めに、接着層を設けることができる。この接着層の材料
としては、例えばエチレンと酢酸ビニルの共重合体(E
VA)等が例示される。
【0026】上記光電変換シート3においては、各光電
変換素子11が互いに電気的に直列に接続されており、
短手方向の両端部に位置する光電変換素子11の電極層
にそれぞれ正極端子12aと負極端子14aとが形成さ
れている。正極端子12aと負極端子14aとは、それ
ぞれ制御回路部5の所定の端子と電気的に接続されてい
る。また、光電変換素子11は、シート状基板10とは
反対側、すなわち外方に臨む側の主面11aから太陽光
等の光が入射される構成とされている。第1の電極層1
2および第2の電極層14は誘電性材料によって形成さ
れており、光電変換層13に対して一対の電極としての
機能を果たしている。光電変換層13は、例えば、a−
Siのpin接合構造に代表される非結晶半導体薄膜を
備えて形成されて、太陽光等の光が入射されることによ
って起電力が生ずる構成とされ、いわゆる光電変換効果
を有する膜構成で形成されている。光電変換層13は、
例えばペリレン等のp型有機半導体と、例えば銅フタロ
シアニン等のn型有機半導体とにより形成されるpn接
合構造であってもよい。なお、光電変換層13は、上述
した薄膜構造に限定されるものではなく、十分な可とう
性を有して光電変換効果を有する膜構成で形成されてい
ればよい。
【0027】なお、第1の電極層12は、例えば、A
g、Al、Cr、Ni、Cu等の金属材料によって形成
されて、光電変換層13に受光させる光に対する反射率
が高くなるように形成されていることが望ましい。これ
により、光電変換層13を透過した光を反射して再び光
電変換層13に入射させ、光電変換層13の光電変換効
率を向上させることができる。また、第2の電極層14
は、例えば、SnOまたはIn等の金属酸化物
を主成分とする材料によって形成された、いわゆる透明
電極として形成されていることが望ましい。これによ
り、光電変換層13に受光させる光を効率よく透過し
て、光電変換層13の光電変換効率を向上させることが
できる。
【0028】なお、図7および図8においては、特定の
光電変換素子11の第1の電極層12および第2の電極
層14が、それぞれ、この光電変換素子11と隣接する
別の光電変換素子11の第2の電極層14および第1の
電極層12とされて、複数の光電変換素子11が各々の
電極層を共有する構成とされた例を示す。これにより、
光電変換シート3においては、隣接する光電変換素子1
1同士が電気的に直列接続された構成とされている。こ
の場合には、例えば、第1の電極層12および第2の電
極層14を、上述したようにSnOあるいはIn
等の金属酸化物を主成分とする材料によって形成し、
第1の電極層12とシート状基板10との間に、例えば
金属材料等によって形成された光反射層(図示せず)を
備えて形成してもよい。これにより、各光電変換素子1
1は、第2の電極層14を介して十分な量の光を受光す
ることができるとともに、光反射層によって光電変換効
率を向上させることができる。また、この場合には、各
光電変換素子11同士が、その長手方向の長さと略同等
の長さの電極によって線で接続されていることとなる。
従って、例えば、各光電変換素子11同士が、例えばリ
ード線等によって点で接続された場合と比較して、断線
等の結線不良が生じてしまうおそれを低減することがで
きる。
【0029】また、光電変換シート3においては、その
長手方向に対して平行に各光電変換素子11が配置され
ている。すなわち、各光電変換素子11の一対の電極層
は、光電変換シート3の長手方向と平行になるように配
設されている。これにより、光充電式二次電池は、蓄電
池を充電するために光電変換シート3を引き延ばした際
に、この光電変換素子11の一部に光が十分に照射され
ない場合であっても、光電変換シート全体での発電効率
が低下してしまうことを防止することができる。
【0030】さらに、光電変換シート3は、巻き芯部2
に対して捲回されて引き延ばし自在に配設されており、
最内周側となる一側が巻き芯部2に接続固定されてい
る。光電変換シート3は、上述した正極端子12aおよ
び負極端子14aが、この最内周側の一側に設けられて
いる。図9および図10で示すように、光電変換シート
3の光電変換素子11の端部が、引き延ばし状態で、外
周壁51のスリット51aより十分に外部に存在できる
ように、巻き芯部2に接続固定されている上記光電変換
シート3の最内周側となる一側から、上記光電変換シー
ト3の光電変換素子11の内周側の端部までの上記光電
変換シート3に光電変換素子11を有さず、正極端子1
2aと負極端子14aを有するシート部31を介在させ
る。これにより、充電操作において、引き出し不十分に
よる光電変換素子11の上記外周壁51の光の遮蔽を防
止できる。さらに、曲率の高い内周から光電変換素子1
1を、より曲率の低い外周側へ移動させることができ、
光電変換素子11の屈曲による疲労劣化を低減できる。
また、上記光電変換素子11を有さないシート部31
は、可とう性において、光電変換素子を有するものに対
し高くでき、上記光電変換シート3の巻き芯部2への接
続固定の耐久性を向上することができる。この場合、上
記光電変換素子11を有さないシート部31は、上記光
電変換シート3と一体で形成させることもできるが、必
要に応じて、同一あるいは別の素材のシートをつなげて
形成することができる。
【0031】また、光電変換シート3は、巻き芯部2に
対して捲回した状態で、その受光面が内側となるように
配設されることができる。これにより、光充電式二次電
池1は、光電変換シート3が巻き芯部2に捲回されて放
電使用される際に、光電変換シート3の受光面が外方に
露出する事がなく、受光面が傷つく等して破損してしま
うことを防止することができる。
【0032】本発明の上記光電変換シートに接続して用
いる係止部として機能する重量片32の機作を、図11
を用いて説明する。上記重量片32は、上記光電変換シ
ート3の巻き出し部に設ける。光電変換シート3は、光
充電式二次電池内に長期間捲回されておかれる場合があ
る。この場合、上記光電変換シート3を捲出した時に、
図11(a)に示すように、捲回された方向にカールし
てしまう。このため、水平面上に展開した場合、上記光
電変換シート3は、特定方向の光を十分に捉えることが
できない。一方本発明では、図11(b)に示すよう
に、水平面上に展開した場合、上記光電変換シート3
は、重量片32により、上記カールが戻され、上記光電
変換シート3は、ほぼ全面に亘って、水平面に沿った形
になり、垂直方向の光を十分に捉えることができる。こ
の場合、重量片32は、小片であっても、ある程度の質
量を有することが好ましく、また、使用上、他の物体と
衝突しても、容易に破損しない材料で形成されることが
好ましい。さらに、比重の大きいものがよく、比重とし
て、少なくとも約2.5以上、好ましくは約5以上、さ
らに好ましくは約7以上の材料を用いることが好まし
い。これらの用件を満たすものとして、金属を用いるこ
とが好ましい。該金属としては、例えば、銀(10.4
9)、アルミニウム(2.7)、金(19.32)、ビ
スマス(9.8)、クロム(7.19)、銅(8.9
3)、鉄(7.87)、モリブデン(10.22)、ニ
ッケル(8.90)、鉛(11.36)、白金(21.
45)、スズ(7.30)、チタン(4.51)、タン
グステン(19.3)、亜鉛(7.13)、ステンレス
(7.70)等が挙げられる。ただし、カッコ内の数値
は、約25℃程度における比重(単位;g/cm)で
ある。またこれらの金属の表面は、例えば他の金属、例
えばニッケルやクロム等でメッキされていてもよい。さ
らに、形状は、どのような形状をとっていてもよく、例
えば図面に図示されている特別な形状に限定されない。
【0033】蓄電池4は、巻き芯部2の内部空間に収納
されており、充放電が可能な二次電池である。蓄電池4
は具体的には例えば、ニッケル−水素二次電池、ニッケ
ル−カドミウム二次電池、ニッケル−亜鉛二次電池、亜
鉛−酸化銀二次電池、鉄−ニッケル二次電池等である。
蓄電池4は、ニッケル−水素二次電池であることが望ま
しい。これにより、蓄電池4は、体積当たりのエネルギ
ー密度を向上させることができるとともに、鉛やカドミ
ウムといった重金属を使用せず、環境適合性に優れたも
のとなる。
【0034】蓄電池4は、所定の電池規格形状を有する
規格乾電池であってもよい。蓄電池4は、具体的には、
IECやJIS等により定められた、いわゆる単3型と
呼ばれるR6型電池、単4型と呼ばれるR03型電池、
単5型と呼ばれるR1型電池、あるいはボタン型と呼ば
れるR44型電池、R1220型電池等であってもよ
い。これにより、光充電式二次電池1においては、開発
および製造コストを抑えることができる。ただし、蓄電
池4は、蓄電容量の観点からみた場合には、規格蓄電池
を使用せずに、巻き芯部2の内部空間に直接電解液等の
蓄電池構成物を封入することも望ましい。これにより、
蓄電池4は、規格蓄電池の外装部に相当する空間にまで
蓄電池構成物を封入することができ、蓄電容量を増大さ
せることができる。
【0035】また、蓄電池4は、巻き芯部2に対して着
脱自在であるように構成してもよい。具体的には、例え
ば下部フランジ7の一部を開閉自在として、この開閉部
から巻き芯部2に対して蓄電池4を挿脱するように構成
してもよい。あるいは、例えば光電変換シート3を引き
延ばした状態で外方へと露出する巻き芯部2の一部を開
閉自在として、この開閉部から巻き芯部2に対して蓄電
池4を着脱するように構成してもよい。これにより、光
充電式二次電池1においては、蓄電池4が充放電を繰り
返して寿命が尽きた場合でも、この蓄電池4のみを交換
することができる。従って、光充電式二次電池1は、蓄
電池4に比べて長い寿命を有する他の各部を寿命が尽き
た蓄電池4とともに廃棄する必要がなくなり、資源の有
効活用の観点から望ましいものとなる。また、これによ
り、光充電式二次電池1は、蓄電池4を充電するための
充電器として利用することができる。すなわち、光充電
式二次電池1によって蓄電池4を充電し、充電が完了し
た蓄電池4を光充電式二次電池1から取り出して、この
蓄電池4を他の電気または電子機器の電源として利用す
ることもできる。
【0036】さらに、蓄電池4は、上述したように規格
蓄電池を利用すると共に、巻き芯部2に対して着脱自在
としてもよい。このように、蓄電池4として規格蓄電池
を着脱自在に使用することで、光充電式二次電池1は、
蓄電池4を交換する際に、この交換作業を簡便かつ容易
に行えるようになる。また、この場合にも、上述したよ
うに、蓄電池4を充電するための充電器として光充電式
二次電池1を使用してもよい。これにより、規格蓄電池
形状を有する蓄電池4は、光充電式二次電池1から着脱
自在とされて、通常の規格電池を電源とする電気または
電子機器に対して用いることが容易となる。
【0037】また、蓄電池4の放電電圧が、約0.6〜
1.9V程度であることが望ましい。これにより、光充
電式二次電池1は、通常の筒型規格電池を電源として用
いる電気機器に対して用いられた場合に、それら電気機
器の動作電圧に満たずに動作させることができなかった
り、許容電圧を超えてしまって電気または電子機器を破
損してしまうおそれを防止することができる。
【0038】制御回路部5は、図1または図2に示すよ
うに、上部フランジ6に、図3に示すように、巻き芯部
2の内部空間に配設されている。制御回路部5は、例え
ば光電変換シート3と蓄電池4との整流機能、光電変換
シート3による蓄電池4の過充電防止機能、蓄電池4の
過放電防止機能等から選ばれる機能を適宜備える。制御
回路部5は、具体的にはダイオードやオペアンプ等を用
いた電気的な回路によって構成することができるが、電
気または電子分野で通常用いられているような整流回
路、過充電防止回路または過放電防止回路によって構成
することができるため、その回路構成についての詳細な
説明を省略する。また、制御回路部5は、少なくとも4
つの端子を備えており、これら端子にそれぞれ光電変換
シート3の正極端子12aおよび負極端子14aと、蓄
電池4の正極端子および負極端子とが電気的に接続され
る。そして、制御回路部5は、蓄電池4の光電変換シー
ト3による充電と、蓄電池4からの放電とを効率よく行
うことができるように機能する。
【0039】光充電式二次電池1は、以上で説明したよ
うに構成され、光電変換シート3を巻き芯部2に捲回し
た状態で、図2に示すように、全体略円筒形状を呈す
る。この状態で、光充電式二次電池1は、電気または電
子機器の電源として、これら電気または電子機器に対し
て着脱して用いることが容易となる。
【0040】また、光充電式二次電池1は、光電変換シ
ート3を巻き芯部2に捲回した状態で、所定の筒型電池
規格形状を有するように各部の寸法等を定められること
が望ましい。光充電式二次電池1は、具体的には例え
ば、IECやJIS等により定められた、いわゆる単1
型と呼ばれるR20型電池、単2型と呼ばれるR14型
電池、あるいは単3型と呼ばれるR6型電池等であって
もよい。これにより、光充電式二次電池1は、通常の筒
型規格電池を収納して使用するように設計された電気ま
たは電子機器に対して用いることを容易とすることがで
きる。従って、この場合に、光充電式二次電池1は、太
陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄え、
通常用いられているような筒型規格電池を使用する電気
または電子機器の電源とすることができる。
【0041】また、光充電式二次電池1は、図4に示す
ように、光電変換シート3を巻き芯部2から引き延ばし
た状態で、蓄電池4を充電する。このとき、光充電式二
次電池1は、光電変換シート3の受光面積全てを光の照
射方向に向けることができるために、この光電変換シー
ト3の発電力を向上させることができる。従って、光充
電式二次電池1は、蓄電池4を充電する際の充電時間を
実用上十分に短くすることができる。
【0042】なお、本発明に係る光充電式二次電池は、
蓄電池4の形状、個数または収納位置等に限定されるも
のではない。蓄電池4は、例えば、光充電式二次電池1
の内部に複数設けられて、コイルスプリングや板バネ等
の弾性体によって位置ずれしないように支持固定されて
もよい。
【0043】また、本発明に係る光充電式二次電池は、
上述したように、光電変換シート3の最内周側となる一
側が巻き芯部2に対して接続固定された構成に限定され
るものではなく、例えば、光電変換シート3を光充電式
二次電池1に対して着脱自在としてもよい。これによ
り、光充電式二次電池1は、光電変換シート3に物理的
あるいは電気的な破損が生じた場合等に、これを正常な
光電変換シート3に交換して使用することができる。す
なわち、本発明に係る光充電式二次電池は、光電変換シ
ート3が少なくとも充電時には蓄電池4と電気的に接続
される構成であればよい。
【0044】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る光
充電式二次電池は、光電変換素子を特定の方向に固定で
き、安定に充電ができ、充電時の光電変換素子の外力に
より損傷あるいは劣化を防止することができ、素子全体
としての発電効率が低下、ひいては充電性能が低下する
ことを防止することができる。したがって、本発明に係
る光充電式二次電池によれば、太陽光等の光エネルギー
を電気または電子機器の電源として利用することが実用
的となり、有害な排出物の発生による環境汚染を防止す
ることができるとともに、地球資源を有効に活用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光電変換素子を担持している光電変換シートが
引き出された状態を示す光充電式二次電池の概略図であ
る。
【図2】本発明の光充電式二次電池の縦断面図である。
【図3】本発明の光充電式二次電池の縦断面図である。
【図4】光電変換素子を担持している光電変換シートが
一部引き出された状態の光充電式二次電池の概略図であ
る。
【図5】外周壁の側縁部が回動自在に嵌合するように支
持部が設けられている上部および下部フランジを有する
光充電式二次電池の縦断面図である。
【図6】図4の横断面図である。
【図7】巻き芯部から引き延ばされた状態の光電変換シ
ートの概略図である。
【図8】図7のA−A’断面図である。
【図9】光電変換素子を担持している光電変換シートを
引き出された状態の光充電式二次電池の斜視概略図であ
る。
【図10】図9の縦断面図である。
【図11】(a)光電変換シートが水平面に引き出され
た状態を示す従来の光充電式二次電池の横断面概略図で
ある。 (b)光電変換シートが水平面に引き出された状態を示
す本発明にかかる光充電式二次電池の横断面概略図であ
る。
【符号の説明】
1 光充電式二次電池 2 巻き芯部 3 光電変換シート 4 蓄電池 5 制御回路部 6 上部フランジ 6a 支持部 7 下部フランジ 7a 支持部 8 正極端子 9 負極端子 10 シート状基板 11 光電変換素子 11a 主面 12 電極層 12a 正極端子 13 光電変換層 14 電極層 14a 負極端子 31 シート部 32 重量片 51 外周壁 51a スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮沢 弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 渡辺 富一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA05 AA11 BA15 BA18 CA12 CA13 CA15 DA03 DA04 FA03 FA04 GA05 JA17 KA03 KA08 5H030 AS11 BB07 DD01 DD05 DD07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形状の巻き芯部と、前記巻き芯部に
    対して捲回されて引き出し自在に配設された可とう性を
    有する光電変換素子を有するシート状体と、充放電可能
    な蓄電池と、この蓄電池の充放電を制御する制御回路部
    とを備え、前記巻き芯部に前記光電変換素子を有するシ
    ート状体を捲回した状態で全体円筒略形状を呈し、前記
    巻き芯部には、その両端部に位置してそれぞれ略円形平
    板状に形成された上部フランジと下部フランジとが一体
    に設けられ、前記巻き芯部に前記シート状体を巻き取る
    ように構成されている光充電式二次電池において、前記
    光電変換素子の受光面を内面側に巻き込むとともに、前
    記シート状体の外方端に重量片が接続されていることを
    特徴とする光充電式二次電池。
  2. 【請求項2】 上記重量片が、比重2.5以上の材質で
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の光充電
    式二次電池。
  3. 【請求項3】 上記重量片が、金属で形成されているこ
    とを特徴とする請求項2記載の光充電式二次電池。
  4. 【請求項4】 金属が、ニッケルメッキされていてもよ
    い銅であることを特徴とする請求項3記載の光充電式二
    次電池。
  5. 【請求項5】 上記巻き芯部から上記シート状体を引き
    出し、上記光充電式二次電池を水平面に設置した場合
    に、上記重量片が該水平面に接することを特徴とする請
    求項1記載の光充電式二次電池。
  6. 【請求項6】 上記蓄電池の放電電圧が、0.6〜1.
    9Vであることを特徴とする請求項1記載の光充電式二
    次電池。
  7. 【請求項7】 上記蓄電池が、上記巻き芯部に対して着
    脱自在であることを特徴とする請求項1記載の光充電式
    二次電池。
  8. 【請求項8】 上記蓄電池が、所定の円筒電池規格の形
    状を有することを特徴とする請求項7記載の光充電式二
    次電池。
  9. 【請求項9】 円筒形状の巻き芯部と、前記巻き芯部に
    対して捲回されて引き出し自在に配設された可とう性を
    有する光電変換素子を有するシート状体と、充放電可能
    な蓄電池と、この蓄電池の充放電を制御する制御回路部
    とを備え、前記巻き芯部に前記光電変換素子を有するシ
    ート状体を捲回した状態で全体円筒略形状を呈し、前記
    巻き芯部には、その両端部に位置してそれぞれ略円形平
    板状に形成された上部フランジと下部フランジとが一体
    に設けられ、前記巻き芯部に前記シート状体を巻き取る
    ように構成されていて、前記光電変換素子の受光面を内
    面側に巻き込むとともに、前記シート状体の外方端に重
    量片が接続されている光充電式二次電池を搭載している
    ことを特徴とする電気または電子機器。
  10. 【請求項10】 円筒形状の巻き芯部と、前記巻き芯部
    に対して捲回されて引き出し自在に配設された可とう性
    を有する光電変換素子を有するシート状体と、充放電可
    能な蓄電池と、この蓄電池の充放電を制御する制御回路
    部とを備え、前記巻き芯部に前記光電変換素子を有する
    シート状体を捲回した状態で全体円筒略形状を呈し、前
    記巻き芯部には、その両端部に位置してそれぞれ略円形
    平板状に形成された上部フランジと下部フランジとが一
    体に設けられ、前記巻き芯部に前記シート状体を巻き取
    るように構成されていて、前記光電変換素子の受光面を
    内面側に巻き込むとともに、前記シート状体の外方端に
    重量片が接続されている光充電式二次電池を電気または
    電子機器に装着することを特徴とする光充電式二次電池
    を搭載している電気または電子機器の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009302457A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Toppan Forms Co Ltd 太陽電池装置
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KR101016954B1 (ko) * 2010-10-26 2011-02-25 주식회사 광명전기 태양전지를 이용한 휴대용 충전장치
JP2012164836A (ja) * 2011-02-08 2012-08-30 Mitsubishi Chemicals Corp 太陽電池モジュールおよび取付方法

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