JP2003167129A - 光遅延回路およびその製造方法 - Google Patents
光遅延回路およびその製造方法Info
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Abstract
とができ、かつ、精度良く大量量産することが可能な光
遅延回路およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 光導波路を用いた光遅延回路において、
前記光導波路のコア2が一方向に周回している周回部4
と、入力部5aおよび出力部5bを有し、かつ前記コア
2は互いに交差しないように三次元的に深さが変化して
いるものとする。このような光遅延回路を製造するため
には、光導波路基板1の所定の部位にパルス幅が1ps
以下のフェムト秒レーザ光を照射し、該集光点における
屈折率を変化させることにより光導波路を形成する方法
を用いることができる。また、前記フェムト秒レーザ光
の照射を複数回行うことにより、光遅延回路の遅延時間
の精度が一層向上させられる。
Description
ァメモリとして利用されている光遅延回路に関し、特
に、従来に比して小型化が可能であって、遅延時間の精
度が極めて高く、容易に量産できる光遅延回路に関す
る。
交換機などの光通信伝送機器において、複数の光信号を
同時に受け取った場合、光バッファメモリを用いて一方
の光信号の伝送を所定の時間遅延させ、光信号の順序を
整えて送り出すことが一般的に行われている。このよう
な光バッファメモリは、光ファイバや反射鏡などを用い
て該光信号を長距離伝幡させ、所望の遅延時間を得てい
るものである。光バッファメモリには、一般に光ファイ
バが用いられており、これを特に光遅延線という。
424ビットに相当し、伝送速度が156Mbpsの場
合、1セルの光信号を伝送するのに要する時間は2.7
2μsである。従って、光ファイバ中の光速を2.05
×108m/sとすると、光信号を1セル分遅延させる
のに必要な光遅延線の光ファイバ長は558mである。
この場合、例えば1〜4セルに相当する光バッファメモ
リが必要なときは、それぞれ558m、1115m、1
673m、2230mの光遅延線を並列に接続してアレ
イとし、光スイッチを用いて光信号のそれぞれのセルに
対して適切な光遅延線を選択し、所望の遅延時間を得る
ようにすればよい。
合、1セル分の遅延時間は682nsであってこの遅延
時間に相当する光ファイバ長は140mである。伝送速
度が2.5Gbpsの場合、1セル分の遅延時間は17
0ns、これに相当する光ファイバ長は35mであり、
10Gbpsの場合、1セル分の遅延時間は42.4n
s、これに相当する光ファイバ長は8.7mとなる。実
際の光信号の伝送においては、光信号の信頼性を向上す
るため、冗長符号化やガードタイム等を利用し、それに
対応する分、前記遅延時間および光ファイバ長を長くと
ることが多い。
の進展により、光信号の伝送速度が大幅に向上するにつ
れ、光遅延線に必要な光ファイバ長が短くなってきてい
る。例えば、伝送速度が40Gbpsの場合、1セル分
の遅延時間は10.6nsであって、この遅延時間に相
当する光ファイバ長は2.17mである。また、伝送速
度が160Gbpsの場合、1セル分の遅延時間は2.
65ns、これに相当する光ファイバ長は54.3cm
である。
ても、光ファイバの曲げ半径を限度以上に小さくすると
過大な曲げ損失が発生するので、光遅延線の小型化は困
難である。また、融着またはコネクタにて接続するとき
発生する光ファイバ長の誤差が相対的に大きくなるの
で、大量生産時に精度の高い光遅延線を再現性よく製造
することが極めて困難になる。従って、光通信の一層の
高速化のためには、光ファイバを用いた光遅延線は不適
切であると考えられている。
光ファイバを用いた光遅延線に代えて、光導波路を用い
た光遅延回路が提案されている。光導波路を用いること
によって、小型の光遅延回路が容易に製造でき、しか
も、高い精度を再現性よく得られる利点がある。この種
の光遅延回路に使用可能であって、1m以上の導波路長
を有する光導波路の特性に関しては、例えば、Y. Hibin
oらによる報告(Electronics Letters,Vol. 29, No.21,
14th Oct. 1993 "Propagation loss characteristics
of longsilica-based optical waveguides on 5 inch S
i wafers")がある。
り提案されている光導波路を用いた光遅延回路の一例を
示す。図7において、符号101は光導波路基板であ
る。そして光導波路基板101の内部には、コア102
が形成されている。そしてこのコア102は、一端から
一方向に周回している入力側コア102aと、前記入力
側コア102aの逆方向に周回している出力側コア10
2bとからなっている。さらに、前記入力側コア102
aと前記出力側コア102bとは、S字形に結合するこ
とによって、互いに交差しないようになっている。
102bとは、一本のコア102として同一の工程で形
成されるが、説明をわかりやすくするために、名称を変
えるとともに、図7において、入力側コア102aには
実線を用いて、また、出力側コア102bには破線を用
いて、区別して表示している。そして、前記コア102
の両端は入出力用光ファイバ112に接続されており、
この入出力用光ファイバ112は、V溝基板、フェルー
ル、キャピラリ等の固定部材113によって、光導波路
基板101の側面に固定されている。
分構造を示すように、一般に、シリコンウエハまたは石
英ガラスウエハ等のウエハ110の上に形成された下部
クラッド103aと、この下部クラッド103aの上に
形成されたコア102と、このコア102の上に形成さ
れた上部クラッド103bとから構成されている。一般
に、コア102を所定の形状に形成するためには、下部
クラッド103aの上にコア102となる材料を全面堆
積し、次いで、フォトリソグラフィーや反応性イオンエ
ッチングなどの手法を用いてパターニングする方法、ま
たは、下部クラッド103aの材料の組成をイオン交換
法などにより部分的に変化させてコア102とする方法
が用いられている。これらの方法によれば、前記コア1
02は下部クラッド103aの上に平面的に形成される
ことになる。前記コア102が交差を有すると、この交
差において大きな損失が発生するので、図7に示すよう
に、前記コア102の交差が避けられているのである。
は、曲げ半径rが小さいと光がコア102の外部に放射
されて漏洩するため、曲げ損失が発生する。従って、該
周回部の曲げ半径rは、所定の値以上にする必要があ
る。図7に示す光遅延回路においては、その中央部に半
径rの円を2個含む必要があり、光遅延回路の寸法が大
きくなる。図9に示すように、コア102を渦巻き状に
形成して、その中央部は半径rの円を1個のみ含む形状
とすれば、回路寸法を小さくできるが、従来の図8に示
すような平面型光導波路では、コア102が交差するの
で、損失が増大する問題がある。
るためには、コア102とクラッド103との比屈折率
差を高めて、光の閉じ込めを強くし、これによって、前
記曲げ半径rを小さく取れるようにする方法が考えられ
る。しかしながら、コア102とクラッド103との比
屈折率差を高めると、該光導波路のモールドフィールド
径が小さくなり、前記入出力用光ファイバ112との接
続損失が大きくなる問題がある。
型化することができ、かつ、精度良く大量量産すること
が可能な光遅延回路およびその製造方法を提供すること
である。
光導波路のコアが一方向に周回している周回部と、該周
回部の両端に接続されている入力部および出力部とを有
し、かつ前記コアは互いに交差することなく、三次元的
に深さが変化していることを特徴としており、これによ
って、前記課題を解決することができる。このような光
遅延回路は、ガラス材料の所定の部位にフェムト秒レー
ザ光を集光照射して、該照射部位の屈折率を変化させる
ことにより、該ガラス材料の内部に光導波路を形成する
ことにより製造することができる。さらに、このフェム
ト秒レーザ光の集光照射を複数回行うことにより、所定
の光路長を有する光導波路を容易に形成することがで
き、光遅延回路の精度が一層向上させられる。上述の光
遅延回路を用いることにより、小型で高精度の光部品モ
ジュールを製造することができる。
発明を詳しく説明する。図1は、本発明の光遅延回路の
一例を示す平面図および側面図である。図1において、
符号1は光導波路基板である。この光導波路基板1の内
部には、コア2と、該コア2を取り囲むクラッド3とが
形成されている。そして、前記コア2は、一方向に周回
してなる周回部4と、この周回部4の両端に接続されて
いる入力部5aおよび出力部5bとからなる。前記コア
2は、三次元的に深さが変化しており、互いに交差しな
いようになっている。また、前記周回部4においては、
コア2の互いに近接する部分が方向性結合器として作用
し、クロストークが発生することを抑制するため、一周
ごとに所定の間隔にて離隔されている。
て入力用光ファイバ12aに、また、出力端6bにおい
て出力用光ファイバ12bに接続されており、これによ
り、外部の伝送路と連結できるようになっている。入力
用光ファイバ12aは入力用光ファイバ固定部材13a
によって、また、出力用光ファイバ12bは出力用光フ
ァイバ固定部材13bによって、それぞれ、光導波路基
板1の側面に固定されている。前記入力用光ファイバ固
定部材13aおよび出力用光ファイバ固定部材13bと
しては、一般に、V溝基板、フェルール、キャピラリ等
が用いられている。
は、コア2の周回部4が一方向にのみ周回している。従
って、回路の中央部に半径rの円を1個のみ含むので、
従来に比して、光導波路基板1の寸法を小型にすること
ができる。上述のように、コア2に交差があると、損失
が発生する。このため、本実施の形態の光遅延回路は、
コア2の深さを三次元的に変化させ、互いに交差しない
ようにされる。
状としては、多くの種類が可能である。次に、図面を参
照しながら、典型的な形状について説明する。図2
(a)〜図2(d)に示すコア2の形状は、周回部4に
おいてコア2の深さを変化させるものである。図2
(a)に示すコア2の形状は、コア2の深さが深くなる
につれ周回部4の半径を小さくするものである。図2
(b)に示すコア2の形状は、コア2の深さが深くなる
につれ周回部4の半径を大きくするものである。図2
(c)に示すコア2の形状は、コア2の深さによらず周
回部4の半径を一定にするものである。図2(d)に示
すコア2の形状は、出力部5bに接続する直前の最後の
一周だけ、周回部4の深さを変化させるものである。
ら、周回部4の深さを変化させることにより、周回部4
におけるコア2の間隔を大きくすることができる。ある
いは、水平距離を短くして、配置面積を狭くすることが
できる。特に、図2(c)に示すように、曲率半径rを
一定にすれば、周回部4の周回回数を多くしても、配置
面積が大きくならない利点がある。
2の形状は、入力部5aまたは出力部5bにおいてコア
2の深さを変化させるものである。図3(a)に示すコ
ア2の形状は、周回部4と出力部5bとの接続点から、
徐々にコア2の傾きを増加させ、さらに出力部5bの中
間点からコア2の傾きを減少させて、出力端6bまでに
再び水平とするものである。図3(b)に示すコア2の
形状は、入力部5aと出力部5bの両方の深さを変化さ
せることにより、入力端6aと出力端6bの深さを一致
させるものである。
出力部5b、および、入力端6aと出力端6bとは、互
いに立場を入れ替えることができる。例えば、図3
(a)には、出力部5bの深さを変化させたが、出力部
5bの代わりに、入力部5aの深さを変化させてもよ
い。このほか、コア2の形状は、上述の例に限定され
ず、周回部4と入力部5aとにおいてコア2の深さを変
える、周回部4と出力部5bとにおいてコア2の深さを
変える、周回部4と入力部5aと出力部5bとのすべて
においてコア2の深さを変えるなど、光遅延回路の構成
に応じて、種々の改変が可能である。例えば、1枚の光
導波路基板1上に光遅延回路と、光スイッチなどの他の
素子とをモノリシックに集積させる場合、前記他の素子
との位置関係に応じて、適切な光遅延回路の形状を選択
することができる。
光遅延回路を設けてアレイ化したものの一例を示す概略
構成図である。図4(a)は、この光遅延回路アレイの
平面図である。この光遅延回路アレイは、0〜3セル分
の遅延時間をもつ4個の光遅延回路60〜63が形成さ
れた光遅延回路基板50の一方の端面に、入力用1×4
光スイッチ51が形成された入力用回路基板52がプレ
ート間接続されており、また、光遅延回路基板50の他
方の端面には、出力用4×1光カプラ53が形成された
出力用回路基板54がプレート間接続されており、これ
に、入力用光ファイバ12aと、出力用光ファイバ12
bとが接続されてなるものである。
図4(b)に示す模式的斜視図を用いて、さらに詳しく
説明する。前記4個の光遅延回路60〜63は、互いに
交差しないように、深さを変化させて形成されている。
図4(b)においては、光遅延回路60〜63の深さの
違いを強調するため、それぞれの光遅延回路60〜63
の周回部61c〜63cが位置する仮想平面を、それぞ
れ第1層81、第2層82、第3層83として示し、深
さ方向の間隔を大きく拡張して描いている。従って、実
際には、各層の深さ方向の間隔は、図示した間隔に比し
てはるかに狭い。
回路60は、第1層81上に深さを変化させずに形成さ
れている。遅延時間が1セル分である光遅延回路61
は、入力部61aおよび周回部61cの大部分が第1層
81上に形成されており、周回部61cの最終周におい
て、一旦第2層82上に下降したのち、出力部61bで
再び第1層81に上昇する。遅延時間が2セル分である
光遅延回路62は、入力部62aにおいて第2層82に
下降し、第2層82上に周回部62cを形成し、さらに
出力部62bで再び第1層81に上昇する。遅延時間が
3セル分である光遅延回路63は、入力部63aにおい
て第3層83に下降し、第3層83上に周回部63cが
設けられ、さらに出力部63bにおいて再び第1層81
に上昇する。このように、深さを変化させて光遅延回路
を形成することにより、複数の光遅延回路を極めて狭い
面積に配置することが可能になる。
3、入力用1×4光スイッチ51、および出力用4×1
光カプラ53の形状および配置に、種々の改変が可能で
あることはいうまでもない。光遅延回路基板50上に形
成する光遅延回路の個数も2個または3個、または5個
以上とすることもできる。他の実施の形態としては、例
えば、光遅延回路60〜63、入力用1×4光スイッチ
51、出力用4×1光カプラ53を、1枚の基板上にモ
ノリシック集積させることも可能である。このようにす
ることにより、光遅延回路の一層の小型化と高密度な集
積とが可能になる。
しては、例えば、光誘起屈折率変化を利用した方法を用
いることができる。この光誘起屈折率変化とは、ガラス
材料等にフェムト秒レーザ光などを集光照射することに
より、該ガラス材料等の構造や組成に変化が起こり、そ
の屈折率が変化する現象である。光誘起屈折率変化を利
用した光導波路の形成方法としては、例えば、特開平9
−311237号公報などに記載がある。
方法に用いられる製造装置の一例を示す図である。この
製造装置は、少なくとも、フェムト秒レーザ光20を発
振するためのレーザ発振装置21と、該フェムト秒レー
ザ光20を光導波路基板1に集光するための集光レンズ
22と、光導波路基板1を三次元的に精密に移動させる
ための精密ステージ23と、位置合わせのためのCCD
カメラなどの観測装置25を有する。さらに、この製造
装置にはハーフミラー24が設けられており、集光レン
ズ22を、前記観測装置25のための対物レンズとして
も使用することができるようになっている。
5により集光点26の位置をモニタしながら、フェムト
秒レーザ光20を光導波路基板1に集光照射し、集光点
26において光誘起屈折率変化を起こすことができる。
そして、精密ステージ23を用いて光導波路基板1を移
動させ、集光点26の位置を変位させることにより、屈
折率が周囲より高くなった部位を連続的に形成すること
ができる。このように屈折率が周囲より高くなった部位
は、図6に示すように、光導波路のコア2とし、そし
て、その他の部分をクラッド3とすることができるの
で、光導波路を三次元的に形成することができる。
料としては、例えば、石英ガラス(SiO2)を板状に
加工し、光学研磨したものを用いることができる。また
は石英ガラスに代えて、SiO2にホウ素(B)、ゲル
マニウム(Ge)等をドープしたガラスを用いることも
できる。さらに、光誘起屈折率変化を利用できるもので
あれば、SiO2以外の酸化物ガラス、ハロゲン化物ガ
ラス、硫化物ガラス、カルコゲナイドガラスなどを用い
ることもできる。また、前記光導波路基板1として、シ
リコンウエハや石英ガラスウエハ等のウエハ上に上記ガ
ラス材料を成膜したものを用いることもできる。
ルス幅が1ps以下であるレーザ光である。前記ガラス
材料に光誘起屈折率変化を引き起こすためにフェムト秒
レーザ光20を用いる理由は、レーザ光のパルス幅が非
常に狭くなって時間圧縮されることにより、該レーザ光
のピークパワーが増大し、光誘起屈折率変化の作用を大
きくすることができるからである。また、例えば、80
0nmなど、近赤外領域の波長のフェムト秒レーザ光を
用いれば、石英ガラスなどの透明材料にほとんど吸収さ
れないので、集光点26までほとんど減衰することなく
到達することができる。これにより、特開平9−311
237号公報に記載されているように、該ガラス材料に
105W/cm2以上のピークパワー強度を与えて光誘起
屈折率変化を起こすことができる。さらに、フェムト秒
レーザ光20の繰り返し周波数を10kHz以上、さら
に好ましくは、100kHz以上とすることが好まし
い。この場合、繰返し周期が短いことから、所定の経路
を連続的に走査することにより、ガラス材料に連続的に
屈折率変化を付与し、滑らかに連続したコア2を形成す
ることができる。
フェムト秒レーザ光20が、集光点26において該ガラ
ス材料に光誘起屈折率変化をもたらすメカニズムの解明
は現在のところ不十分であり、詳細は不明であるが、原
理としては、多光子吸収による体積収縮や欠陥の生成な
どが寄与しているものと考えられる。
定でもよいが、周回部4の比屈折率差を入力部5aおよ
び出力部5bのそれより大きくするとさらに好ましい。
その理由は次のとおりである。周回部4の比屈折率差を
大きくすることにより、周回部4における光の閉じ込め
が強くなり、曲げ損失が小さくなる。また、入力部5a
および出力部5bの比屈折率差を入力用光ファイバ12
aおよび出力用光ファイバ12bのそれと同程度にする
ことにより、接続部近傍での入力部5aのモードフィー
ルド径と、入力用光ファイバ12aのモードフィールド
径との差、および、出力部5bのモードフィールド径
と、出力用光ファイバ12bのモードフィールド径との
差が小さくなり、接続損失を小さくすることができる。
このようにコア2の比屈折率差を連続的に変化させるた
めには、フェムト秒レーザ光20の強度や集光点26の
移動速度などの照射条件を変化させることによって行う
ことができる。
ザ光20の集光照射を複数回行うこともできる。これに
より、例えば、1回の照射では光遅延回路の遅延時間が
設計より短かった場合でも、再びフェムト秒レーザ光2
0を照射して光導波路の一部区間において実効屈折率を
増加させ光路長(幾何学的な導波路長と屈折率との積)
を長くすることにより、該遅延時間を長くして調整する
ことができる。これにより、光遅延回路の遅延時間の精
度をさらに高め、該製造工程の歩留まりを向上させるこ
とができる。
みに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で種々の改変が可能である。例えば、従来の光遅
延線で行われているように、複数の光遅延回路を並列に
接続して光遅延回路アレイとすることができる。また、
以上説明した光遅延回路は小型であるので、該光遅延回
路を光スイッチ、光カプラ、光スプリッタなどと組み合
わせれば、光ATMスイッチなどの光モジュールを小型
化し、しかも高密度に実装することができる。
よって、さらに具体的に説明する。伝送速度160Gb
psで424ビットの信号を伝達するときに必要な光遅
延回路を石英ガラスの光導波路基板1から製造し、その
寸法について考察した。この光遅延回路では光導波路の
長さを54.3cmとし、また、周回部4におけるコア
2の間隔を85μmとした。また、コア2の曲げ半径r
を8mmとした。コア2を形成するためのフェムト秒レ
ーザ光20としては、波長800nm、パルス幅170
fs、繰り返し周波数200kHz、平均出力780m
Wのものを用いた。
波路のコア2の周回部4を10周分必要とし、光遅延回
路の寸法は、1.8cm×1.8cmとなった。それに
対して、図4に示す比較例の光遅延回路では、入力側コ
ア102aに3周分、出力側コア102bに3周分必要
とし、光遅延回路の寸法は、1.7cm×3.3cmと
なった。この例から明らかなように、本発明の光遅延回
路によれば、比較例のものに比して、寸法をおよそ半分
とすることができ、著しく小型化されたものとなる。
光路長の短い光遅延回路を、従来に比して小型化でき、
かつ、高い精度のものを容易に量産することができる。
小型化された光遅延回路を用いることにより、光モジュ
ールの高密度化が達成される。
び側面図である。
する平面図および側面図である。
する平面図および側面図である。
する(a)平面図、(b)模式的斜視図である。
する斜視図である。
部分構造の一例を示す斜視図である。
ある。
分構造の一例を示す斜視図である。
である。
部、5a…入力部、5b…出力部、20…フェムト秒レ
ーザ光。
Claims (4)
- 【請求項1】 光導波路を用いた光遅延回路であって、
該光導波路のコアは一方向に周回している周回部と、該
周回部の両端に接続されている入力部および出力部とを
有し、かつ前記コアは互いに交差することなく、三次元
的に深さが変化していることを特徴とする光遅延回路。 - 【請求項2】 ガラス材料の所定の部位にフェムト秒レ
ーザ光を集光照射して該照射部位の屈折率を変化させる
ことにより、該ガラス材料の内部に光導波路を形成し、
かつ該光導波路のコアは一方向に周回している周回部
と、該周回部の両端に接続されている入力部および出力
部とを有し、かつ前記コアは互いに交差することなく、
三次元的に深さが変化しているものであることを特徴と
する光遅延回路の製造方法。 - 【請求項3】 フェムト秒レーザ光を複数回集光照射す
ることにより、所定の光路長を有する光導波路を形成す
ることを特徴とする請求項2に記載の光遅延回路の製造
方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載の光遅延回路を備えてい
ることを特徴とする光モジュール。
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