JP2003165748A - 情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置 - Google Patents

情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置

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JP2003165748A
JP2003165748A JP2001362805A JP2001362805A JP2003165748A JP 2003165748 A JP2003165748 A JP 2003165748A JP 2001362805 A JP2001362805 A JP 2001362805A JP 2001362805 A JP2001362805 A JP 2001362805A JP 2003165748 A JP2003165748 A JP 2003165748A
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JP
Japan
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strengthening
glass substrate
base plate
coating layer
nickel
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JP2001362805A
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English (en)
Inventor
Norihiro Fujioka
憲広 藤岡
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性を向上できるとともに、ガラス素板の
表面に対する金属酸化物の微粒子の付着を減少でき、情
報記録媒体用のガラス基板として使用した際の不具合を
低減できる情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装
置を提供する。 【解決手段】 情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処
理装置は、ステンレス鋼から形成され、化学強化塩を加
熱溶融した溶融液14を貯留するための強化炉11と、
ガラス素板を保持するための保持部材とから構成されて
いる。保持部材は、ガラス素板を保持するホルダーとホ
ルダーを収容して強化炉11内の溶融液14に浸漬され
るケージ26とから構成されている。強化炉11及び保
持部材の溶融液14が接触する接液部には、ニッケル−
リン系合金からなる被膜層13が無電解めっきによって
形成されている。そして、化学強化処理装置を形成する
ステンレス鋼は、被膜層13によって溶融液14と接触
しないようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば磁気ディス
ク、光磁気ディスク、光ディスク等の情報記録媒体に用
いられる情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置
に関するものである。より詳しくは、耐食性を向上でき
るとともに、ガラス素板の表面に対する金属酸化物の微
粒子の付着を減少でき、情報記録媒体用のガラス基板と
して使用した際の不具合を低減できる情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、情報記録媒体用ガラス基板
は、シート状のガラス素板を円盤状に切断してその表面
を研磨した後、硝酸カリウム等の化学強化塩が加熱溶融
された溶融液によって化学強化処理が施されて形成され
ている。この化学強化処理は、まず、円盤状のガラス素
板を保持部材としてのホルダーに保持させる。次にガラ
ス素板が保持されたホルダーは、保持部材としてのケー
ジに収容させる。そして、このケージを溶融液が貯留さ
れている強化炉に浸漬することによってガラス素板に化
学強化処理が施される。この化学強化処理によって、ガ
ラス素板中に含まれる一価の金属イオンをこれと比較し
てそのイオン半径が大きな一価の金属イオンに置き換え
られる。そして、ガラス素板を情報記録媒体用のガラス
基板としての使用に耐え得る強度にすることができる。
【0003】この化学強化処理に用いられる強化炉、ホ
ルダー及びケージは鉄、ステンレス鋼等の金属材料から
形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置において
は、化学強化塩の溶融液によって加温されるとともに、
化学強化塩の溶融液との接触によって腐食され、酸化鉄
等の金属酸化物が生成することがあった。そして、金属
酸化物の微粒子が化学強化液中に浮遊し、ガラス基板の
表面に付着するという問題があった。ガラス基板の表面
に付着した金属酸化物の微粒子によって、ガラス素板の
表面に傷が発生し、情報記録媒体用のガラス基板として
使用した際に磁気ヘッドの浮上安定性を阻害したりする
不具合が生ずるという問題があった。
【0005】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものである。その目的とするところ
は、耐食性を向上できるとともに、ガラス素板の表面に
対する金属酸化物の微粒子の付着を減少でき、情報記録
媒体用のガラス基板として使用した際の不具合を低減で
きる情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに請求項1に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基板
の化学強化処理装置は、ガラス素板に含まれる一価の金
属イオンよりイオン半径の大きな一価の金属イオンから
なる化学強化塩を加熱溶融した溶融液を貯留するための
強化炉と、ガラス素板を保持して強化炉内の溶融液に浸
漬される保持部材とから構成される情報記録媒体用ガラ
ス基板の化学強化処理装置であって、前記強化炉又は保
持部材のうち少なくとも溶融液が接触する接液部には、
ニッケル−リン系合金からなる被膜層が設けられている
ものである。
【0007】請求項2に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理装置は、請求項1に記載の発明
において、前記ニッケル−リン系合金のニッケル含有量
が90重量%以上、かつ、リン含有量が1〜10重量%
であるものである。
【0008】請求項3に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理装置は、請求項1又は請求項2
に記載の発明において、前記ニッケル−リン系合金から
なる被膜層はめっきにより形成されているものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態を、図1〜図4に従って詳細に説明する。なお、これ
以降は情報記録媒体用ガラス基板を単にガラス基板と記
載する。
【0010】ガラス基板はガラス素板から円盤加工、端
面・面取加工、研磨処理、化学強化処理、洗浄等の工程
によって作製される。ガラス基板は円盤加工の工程にお
いて、シート状をなすガラス素板を超硬合金又はダイヤ
モンド製のホイールカッターを用いて切断することによ
り、中心に円孔を有する円盤状に形成されている。この
ガラス素板は、例えば外径84mm、内径25mm等の
情報記録媒体に使用される寸法に設定されている。この
ガラス素板の材質としては、フロート法、ダウンドロー
法、リドロー法又はプレス法で製造されたソーダライム
ガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガ
ラス等が挙げられる。
【0011】端面・面取加工は、ガラス素板の端面をダ
イヤモンド砥石によって研削しつつ端面の面取して、ガ
ラス素板の外径及び内径を所定の寸法に調整する工程で
ある。研磨処理は、ガラス素板の端面及び表面を酸化セ
リウム、アルミナ等の研磨材スラリーによって段階的に
研磨する工程である。この研磨処理によってガラス素板
の厚さが揃えられるとともに、ガラス素板の表面を平滑
な状態とすることができる。
【0012】次に、ガラス素板は化学強化処理が施され
る。この化学強化処理は、化学強化塩の加熱溶融液にガ
ラス素板を浸漬することによって施される。化学強化塩
としては、例えば硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸
銀等をそれぞれ単独、あるいは2種以上混合したものが
挙げられる。この化学強化塩を加熱溶融する温度は、好
ましくはガラス基板を形成するガラス材料の歪点よりも
50〜150℃程度低い温度である。また、化学強化塩
を加熱溶融する温度は、より好ましくは、350〜40
0℃程度である。化学強化処理によって、ガラス素板中
のナトリウムイオン(Na+)及びリチウムイオン(L
+)が、これらのイオンよりイオン半径の大きいカリ
ウムイオン(K+)又はナトリウムイオンに置換され
る。これによって、ガラス素板の表面には圧縮応力層が
形成され、ガラス素板の表面を強化することができる。
【0013】この化学強化処理に用いられる化学強化処
理装置は、化学強化塩を貯留するための強化炉、ガラス
素板を保持するためのホルダー、ホルダーを収容するた
めのケージ等から構成されている。
【0014】図1及び図2に示すように強化炉11は、
ステンレス鋼から有底四角箱状に形成され、底面の四隅
には脚体12が設けられている。強化炉11の内面全体
には、ニッケル−リン(Ni−P)系合金の被膜層13
が無電解めっきによって形成されている。そして、ニッ
ケル−リン(Ni−P)系合金の組成は、ニッケルの含
有量が90重量%以上、かつリンの含有量が1〜10重
量%に設定され、組成がこの範囲であることが好まし
い。ニッケルの含有量が90%未満であると、十分な耐
食性が得られないおそれがある。リンの含有量が1%未
満であると、リンの作用が十分に発揮できず、十分な耐
食性が得られないおそれがある。一方、10重量%を超
えてリンを配合しても、これ以上の耐食性の向上は望め
ない。このニッケル−リン系の合金は、ニッケルにリン
を含有させることによって、結晶構造の均一性を高め、
耐食性を向上させた合金である。ニッケル−リン系の合
金の具体例としては、ニッケル−リン(Ni−P)合
金、ニッケル−リン−四フッ化エチレン樹脂(Ni−P
−PTFE)合金、ニッケル−リン−ホウ素(Ni−P
−B)合金、ニッケル−リン−炭化ケイ素(Ni−P−
SiC)等が挙げられる。
【0015】このニッケル−リン系の合金からなる被膜
層13は、めっきで形成されるのが好ましく、無電解め
っきで形成されるのがより好ましい。めっきで形成する
ことによって容易に被膜層13を形成することができ、
無電解めっきで形成することによって、均一に被膜層1
3が形成できる。ニッケル−リン系のめっきの具体例と
しては、カニゼン(R)めっき、カニフロン(R)、カ
ニボロン(R)、セラミックカニゼン(日本カニゼン
(株))等が挙げられる。カニゼン(R)めっきは、ニ
ッケルが90〜92重量%、リンが8〜10重量%含有
されている。カニフロン(R)は、ニッケル及びリンが
含有されるほかに、四フッ化エチレン樹脂が3〜35重
量%含有されている。カニボロン(R)は、ニッケルが
97重量%以上、リンが1〜3重量%、ホウ素が1重量
%以下含有されている。セラミックカニゼンは、ニッケ
ル及びリンが含有されるほかに、炭化ケイ素が10〜2
0重量%含有されている。被膜層13の厚さは、2〜1
00μmが好ましく、2〜50μmがより好ましい。こ
の厚さが2μm未満であると、被膜層13の耐久性が不
足するおそれがある。一方、100μmを超えて形成し
ても耐久性に対してこれ以上の向上が望めないととも
に、不経済である。
【0016】強化炉11内には、化学強化塩の溶融液1
4が強化炉11の容積の略半量貯留されている。つま
り、図2の二点鎖線で示す位置から強化炉11の内底面
に至る部分が、化学強化塩の溶融液14が接する接液部
15となっている。前記被膜層13は、少なくともこの
接液部15に形成されていればよい。
【0017】強化炉11の側部にはヒーター16が埋設
され、強化炉11内の化学強化塩を加熱溶融できるよう
になっている。強化炉11の底面中央には排液管17が
設けられるとともに、この排液管17には図示しない開
閉可能なバルブが取着されている。そして、バルブを操
作することによって、強化炉11内に貯留された化学強
化塩の溶融液14を排出できるようになっている。
【0018】次に、ガラス素板を保持するための保持部
材としてのホルダーについて説明する。図3に示すよう
にホルダー18は左右一対の側板19が複数の連結板2
0で連結され、ステンレス鋼から形成されている。両側
板19にはそれぞれ複数のスリット21が互いに対向す
るように設けられ、それらスリット21には図3に二点
鎖線で示すガラス素板22を支持する板状の支持部材2
3の両端が挿入係止されている。ガラス素板22に化学
強化処理を施す際には、このホルダー18は化学強化塩
の溶融液14に浸漬される。従って、ホルダー18の表
面全体が溶融液14に接する接液部15となっている。
そして、ホルダー18の表面には、被膜層13がニッケ
ル−リン系合金の無電解めっきによって形成されてい
る。被膜層13を形成するニッケル−リン系合金の種
類、組成、被膜層13の厚さ等は前述の強化炉11の場
合と同様である。
【0019】ホルダー18に係止されている前記支持部
材23は、ガラス素板22の中心を通る水平線上の両側
に一対及び底部に1個の合計3箇所に配置され、そのよ
うな構成が前後に2列設けられている。また、支持部材
23は幅方向に湾曲形成され、その膨出側を保持するガ
ラス素板22に向けて配置されている。そして、支持部
材23は長さ方向に波状に形成されるとともに、その膨
出側には短手方向にわたって複数の突部24が形成され
ている。これらの突部24の間には複数の溝部25が形
成され、これらの溝部25にガラス素板22の端部が挿
入されることによってガラス素板22が保持されるよう
になっている。
【0020】続いて、ガラス素板22が保持されたホル
ダー18を収容する保持部材としてのケージについて説
明する。図4に示すように、ケージ26はステンレス鋼
からなり、枠体27によって四角枠状に形成されてい
る。枠体27の内部には水平方向に延びる図示しない支
持枠が上下方向に複数段にわたって支持されている。そ
して、ホルダー18が上下左右に並べて収容されるよう
になっている。
【0021】ガラス素板22に化学強化処理を施す際に
は、このケージ26は化学強化塩の溶融液14に浸漬さ
れる。従って、ケージ26の表面全体が溶融液14に接
する接液部15となっている。そして、ケージ26の表
面には、被膜層13がニッケル−リン系合金の無電解め
っきによって形成されている。被膜層13を形成するが
ニッケル−リン系合金の種類、組成、被膜層13の厚さ
等は前述の強化炉11の場合と同様である。
【0022】化学強化処理が施されたガラス素板22
は、その表面に付着した化学強化塩等を除去するために
洗浄される。この洗浄は、水、界面活性剤、有機溶剤、
酸性水溶液、アルカリ性水溶液等の洗浄液、スウェード
等の材質からなる洗浄パッド等を用いて行われる。洗浄
後のガラス素板22が乾燥されることによって、情報記
録媒体用のガラス基板が製造される。そして、このガラ
ス基板の表面に、例えば磁気特性を付与するための下地
層、磁性層、保護層、潤滑層等を順次設けることによっ
て、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク等の情報記録
媒体が作製される。
【0023】さて、化学強化処理装置に被膜層13を形
成するには、ニッケルイオン、次亜リン酸塩等の還元剤
等を含むめっき液を準備する。このめっき液に強化炉1
1の接液部15、ホルダー18及びケージ26を接触さ
せ、めっき液からニッケルを析出させる。ニッケルの析
出とともにリンが共析することによってニッケル−リン
系合金の被膜層13が形成される。この被膜層13を形
成する条件は、無電解めっきの常法に従って行われる。
【0024】次に、この化学強化処理装置を用いてガラ
ス素板22に化学強化処理するには、まず、排液管17
に設けられた図示しないバルブを閉じた後、強化炉11
内には粉末状の化学強化塩が投入される。次に、強化炉
11に設けられたヒーター16によって強化炉11内の
化学強化塩が加熱溶融されることによって溶融液14が
形成される。この溶融液14はヒーター16によって所
定の温度に維持される。このとき、強化炉11の内面の
溶融液14と接触する接液部15はニッケル−リン系合
金からなる被膜層13が形成されている。従って、強化
炉11を形成するステンレス鋼と溶融液14との接触を
防ぐことができる。さらに、強化炉11の腐食によって
生じる金属酸化物の微粒子が溶融液14中に浮遊するの
を防ぐことができる。また、被膜層13を形成するニッ
ケル−リン系合金は、ニッケルの含有量が90重量%以
上、かつリンの含有量が1〜10重量%となっている。
従って、被膜層13の耐久性を向上することができる。
【0025】一方、ガラス素板22は複数のホルダー1
8に所定の枚数保持される。次に、ガラス素板22が保
持された複数のホルダー18はケージ26に収容され
る。そして、ケージ26は強化炉11内の溶融液14に
浸漬され、その状態で例えば3〜5時間維持される。そ
して、ガラス素板22中のナトリウムイオン及びリチウ
ムイオンがこれらのイオンよりイオン半径の大きいカリ
ウムイオン又はナトリウムイオンに置換される。これに
よって、ガラス素板22の表面に100〜200μm程
度の深さで圧縮応力層が形成され、ガラス素板22の表
面が強化される。このとき、ホルダー18及びケージ2
6の表面にはニッケル−リン系合金からなる被膜層13
が形成されている。よって、ホルダー18及びケージ2
6を形成するステンレス鋼と溶融液14との接触を防ぐ
ことができる。さらに、ホルダー18及びケージ26の
腐食によって生じる金属酸化物の微粒子が溶融液14中
に浮遊するのを防ぐことができる。
【0026】強化炉11、ホルダー18及びケージ26
の被膜層13はめっきによって形成されている。従っ
て、ステンレス鋼製の既存の強化炉11、ホルダー18
及びケージ26を利用することができるとともに、その
接液部15にニッケル−リン系合金からなる被膜層13
を容易に形成することができる。さらに、被膜層13は
めっきのうち、無電解めっきによって形成されているた
め、被膜層13を均一に形成することができる。
【0027】化学強化処理後、強化炉11内の溶融液1
4からケージ26が引き上げられ、ガラス素板22から
強化液を流下させるとともに、ガラス素板22は冷却さ
れる。このとき、強化炉11の内面全体にはニッケル−
リン系合金からなる被膜層13が形成されている。従っ
て、溶融液14の飛散等によって強化炉11の接液部1
5以外の内面に溶融液14が付着しても、強化炉11を
形成するステンレス鋼と溶融液14との接触を防ぐこと
ができる。
【0028】続いて、強化炉11に設けられた排液管1
7に取着されるバルブを開くことによって、強化炉11
内の使用済みの溶融液14が排液管17を介して排出さ
れる。
【0029】本実施形態によって発揮される効果につい
て、以下に記載する。 ・ この実施形態の情報記録媒体用ガラス基板の化学強
化処理装置においては、溶融液14が接触する接液部1
5はニッケル−リン系合金からなる被膜層13から形成
されている。この構成によると、化学強化処理装置を形
成するステンレス鋼と溶融液14との接触を防ぐことが
できる。従って、化学強化処理装置の耐食性を向上する
ことができる。また、化学強化処理装置の腐食によって
生じる金属酸化物の微粒子が溶融液14中に浮遊するこ
とを防ぐことができる。従って、ガラス素板22の表面
に対する金属酸化物の微粒子の付着を減少でき、情報記
録媒体用のガラス基板として使用した際の不具合を低減
できる。
【0030】・ この実施形態の情報記録媒体用ガラス
基板の化学強化処理装置においては、被膜層13を形成
するニッケル−リン系合金は、ニッケルの含有量が90
重量%以上、かつリンの含有量が1〜10重量%となっ
ている。この構成によると、被膜層13の耐久性を向上
することができるため、化学強化処理装置の耐食性をよ
り向上することができる。また、化学強化処理装置の腐
食によって生じる金属酸化物の微粒子が溶融液14中に
浮遊することをより防ぐことができる。従って、ガラス
素板22の表面に対する金属酸化物の微粒子の付着をよ
り減少でき、情報記録媒体用のガラス基板として使用し
た際の不具合をより低減できる。
【0031】・ この実施形態の情報記録媒体用ガラス
基板の化学強化処理装置においては、めっきによって被
膜層13が形成されている。この構成によると、既存の
化学強化処理装置を利用することができるとともに、被
膜層13を容易に形成することができる。
【0032】・ この実施形態の情報記録媒体用ガラス
基板の化学強化処理装置においては、無電解めっきによ
って被膜層13が形成されている。この構成によると、
化学強化処理装置の接液部15に被膜層13を均一に形
成することができるため、化学強化処理装置の耐食性を
一層向上することができる。
【0033】・ この実施形態の情報記録媒体用ガラス
基板の化学強化処理装置においては、強化炉11の内面
全体が被膜層13で形成されている。この構成による
と、強化炉11の耐食性をさらに向上することができ
る。また、強化炉11の腐食によって生じる金属酸化物
の微粒子が溶融液14中に浮遊することをさらに防ぐこ
とができる。従って、ガラス素板22の表面に対する金
属酸化物の微粒子の付着をさらに減少でき、情報記録媒
体用のガラス基板として使用した際の不具合をさらに低
減できる。
【0034】なお、前記実施形態を次のように変更して
具体化することも可能である。 ・ 前記実施形態では、ニッケル−リン系合金からなる
被膜層13を無電解めっきで形成しているが、電気めっ
きで形成してもよい。しかし、形成された被膜層13の
耐食性が優れることから無電解めっきによって形成する
のがより好ましい。
【0035】・ 前記被膜層13を無電解めっきによっ
て形成した後に例えば400度の温度で熱処理を加えて
もよい。これによって、被膜層13の耐磨耗性を向上す
ることができる。
【0036】・ 前記実施形態では、ガラス素板22が
保持されたホルダー18をケージ26に収容して、強化
炉11内の溶融液14に浸漬している。しかし、さらに
多くの枚数のガラス素板22が保持可能なホルダー18
を設け、ガラス素板22が保持されたホルダー18を直
接、強化炉11内の溶融液14に浸漬してもよい。
【0037】・ 前記実施形態では、ホルダー18の側
板19は板状に形成されているが、例えば横E字状に形
成する等、側板19に切り欠き部分を設けてもよい。こ
の構成によれば、ガラス素板22を溶融液14に浸漬し
たとき、溶融液14がホルダー18の側板19方向から
切り欠き部分を通ってホルダー18の内側に流入し易く
なり、化学強化処理の効率を向上させることができる。
【0038】・ 前記化学強化処理後、ガラス素板22
の表面に付着した化学強化塩等を水等の洗浄液で洗浄す
る場合には、ガラス素板22をホルダー18に保持し
て、そのホルダー18をケージ26に収容した状態で行
ってもよい。このとき、ホルダー18及びケージ26の
表面には、ニッケル−リン系合金からなる被膜層13が
形成されている。この構成によると、ホルダー18及び
ケージ26を形成するステンレス鋼と化学強化塩が溶解
した洗浄液との接触を防ぐことができる。従って、ガラ
ス素板22の洗浄時においてもホルダー18及びケージ
26の耐食性を向上することができる。すなわち、ガラ
ス素板22の表面に対する金属酸化物の微粒子の付着を
減少でき、情報記録媒体用のガラス基板として使用した
際の不具合を低減できる。
【0039】次に、上記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 ・ 前記保持部材はガラス素板を保持するためのホルダ
ーと該ホルダーを収容して強化炉内の溶融液に浸漬され
るケージとから構成される請求項1から請求項3のいず
れか一項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化
処理装置。この構成によると、ガラス素板を保持部材に
容易に保持できるとともに、ガラス素板を強化炉内の溶
融液に容易に浸漬することができる。
【0040】・ 前記被膜層が強化炉の内面全体に形成
されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載
の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置。この
構成によると、強化炉の耐食性をさらに向上することが
できる。
【0041】・ 前記被膜層の厚さが2〜100μmで
ある請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報
記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置。この構成に
よると、被膜層に十分な耐久性を付与することができ
る。
【0042】・ 前記被膜層は、無電解めっきで形成さ
れている請求項3に記載の情報記録媒体用ガラス基板の
化学強化処理装置。この構成によると、耐食性を一層向
上することができる。
【0043】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の情
報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置によれば、
耐食性を向上できるとともに、ガラス素板の表面に対す
る金属酸化物の微粒子の付着を減少でき、情報記録媒体
用のガラス基板として使用した際の不具合を低減でき
る。
【0044】請求項2に記載の情報記録媒体用ガラス基
板の化学強化処理装置によれば、請求項1に記載の発明
の効果に加えて、耐食性をより向上できるとともに、ガ
ラス素板の表面に対する金属酸化物の微粒子の付着をよ
り減少でき、情報記録媒体用のガラス基板として使用し
た際の不具合をより低減できる。
【0045】請求項3に記載の情報記録媒体用ガラス基
板の化学強化処理装置によれば、請求項1又は請求項2
に記載の発明の効果に加えて、被膜層を容易に形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態における強化炉を示す側断面図。
【図2】 強化炉を示す要部破断斜視図。
【図3】 保持部材としてのホルダーを示す要部破断斜
視図。
【図4】 保持部材としてのケージを示す要部破断斜視
図。
【符号の説明】
11…強化炉、13…被膜層、14…溶融液、15…接
液部、18…保持部材としてのホルダー、22…ガラス
素板、26…保持部材としてのケージ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス素板に含まれる一価の金属イオン
    よりイオン半径の大きな一価の金属イオンからなる化学
    強化塩を加熱溶融した溶融液を貯留するための強化炉
    と、ガラス素板を保持して強化炉内の溶融液に浸漬され
    る保持部材とから構成される情報記録媒体用ガラス基板
    の化学強化処理装置であって、 前記強化炉又は保持部材のうち少なくとも溶融液が接触
    する接液部には、ニッケル−リン系合金からなる被膜層
    が設けられていることを特徴とする情報記録媒体用ガラ
    ス基板の化学強化処理装置。
  2. 【請求項2】 前記ニッケル−リン系合金のニッケル含
    有量が90重量%以上、かつ、リン含有量が1〜10重
    量%である請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板
    の化学強化処理装置。
  3. 【請求項3】 前記ニッケル−リン系合金からなる被膜
    層はめっきにより形成されている請求項1又は請求項2
    に記載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008127235A (ja) * 2006-11-20 2008-06-05 Konica Minolta Opto Inc 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体用ガラス基板及び情報記録媒体
KR100864956B1 (ko) 2008-07-29 2008-10-22 (주)한소닉에이스 강화유리 제조장치 및 이를 이용한 강화유리 제조방법
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WO2014071825A1 (zh) * 2012-11-09 2014-05-15 威鸿(厦门)光学有限公司 玻璃强化炉、其工作方法及玻璃强化系统的操作方法

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