JP2003151126A - 情報記録媒体用ガラス基板の洗浄方法及びそれに使用する洗浄装置 - Google Patents

情報記録媒体用ガラス基板の洗浄方法及びそれに使用する洗浄装置

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JP2003151126A
JP2003151126A JP2001345180A JP2001345180A JP2003151126A JP 2003151126 A JP2003151126 A JP 2003151126A JP 2001345180 A JP2001345180 A JP 2001345180A JP 2001345180 A JP2001345180 A JP 2001345180A JP 2003151126 A JP2003151126 A JP 2003151126A
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glass substrate
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Tatsuro Umeyama
竜郎 梅山
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄液の洗浄能力を十分に維持しつつ、歩留
まりの向上を図ることができる情報記録媒体用ガラス基
板の洗浄方法及びそれに使用する洗浄装置を提供する。 【解決手段】 ガラス基板は、枠状又は箱状をなすホル
ダー内に複数枚をそれぞれ縦置きの状態で並列に収容
し、同ホルダーとともに洗浄装置の洗浄槽内に貯留され
た洗浄液に浸漬されることにより、その表面に付着した
付着物を洗浄液で除去されるようになっている。洗浄液
に浸漬された状態で対向するガラス基板の間には、ガラ
ス基板の表面積1cm2当たりに洗浄液が0.5〜15
cm3存在するように設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばハードデ
ィスク等のような情報記録装置の磁気記録媒体である磁
気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク等といった情
報記録媒体に用いるための情報記録媒体用ガラス基板の
洗浄方法及びそれに使用する洗浄装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような情報記録媒体用ガラ
ス基板は、シート状のガラス素板を円盤状に切断して研
磨処理を施し、その表面を平滑にした後、化学強化処理
を施すことによって製造されている。この研磨処理後又
は化学強化処理後のガラス基板の表面には研磨材、研磨
粉、鉄粉、塵埃、溶融塩等といった付着物が付着してい
る。この付着物を除去するため、ガラス基板には洗浄工
程で洗浄装置を使用することにより、洗浄処理が施され
るようになっている。
【0003】上記の洗浄装置は、上面が開口された略四
角箱状をなす洗浄槽を備えており、同洗浄槽内には前記
付着物を溶解又は分散させることにより、ガラス基板の
表面から除去するための洗浄液が貯留されている。ま
た、同洗浄装置は枠状をなすホルダーを備えており、ガ
ラス基板は同ホルダー内に複数枚が縦置きの状態で並列
に収容されている。そして、ガラス基板をホルダーとと
もに洗浄槽内に収容し、洗浄液に浸漬させ、一度にまと
めて複数枚のガラス基板に洗浄処理が施されるようにな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
洗浄装置を用いた洗浄方法においては、ガラス基板の処
理枚数の増加を図り、歩留まりを向上させるには、洗浄
槽内により多くのガラス基板を収容することが必要とな
る。しかし、洗浄槽内により多くのガラス基板を収容す
ると、隣接するガラス基板同士の間に存在する洗浄液の
量は必然的に少なくなる。すると、洗浄液量の低減によ
って付着物の溶解量が低下したり、付着物が十分に分散
されずにガラス基板の表面に再付着したり等するという
ようにガラス基板の表面に対する洗浄液の洗浄能力が低
下してしまうという問題があった。
【0005】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、洗浄液の洗浄能力を十分に維持しつつ、歩
留まりの向上を図ることができる情報記録媒体用ガラス
基板の洗浄方法及びそれに使用する洗浄装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板の洗
浄方法の発明は、枠状又は箱状をなすホルダー内にガラ
ス基板を複数枚収容し、洗浄槽内に貯留した洗浄液に該
ガラス基板をホルダーとともに浸漬させることによって
ガラス基板の表面に付着した付着物を洗浄液で除去する
情報記録媒体用ガラス基板の洗浄方法であって、前記ホ
ルダー内には複数枚のガラス基板をそれぞれ縦置きの状
態で並列に収容するとともに、対向するガラス基板の間
でガラス基板の表面積1cm2当たりに存在する洗浄液
の量を0.5〜15cm3としたことを特徴とするもの
である。
【0007】請求項2に記載の情報記録媒体用ガラス基
板の洗浄方法の発明は、請求項1に記載の発明におい
て、前記洗浄装置は洗浄槽内に超音波発生装置を備え、
同超音波発生装置を使用し、洗浄液に浸漬された状態の
ガラス基板に超音波を照射しながら洗浄することを特徴
とするものである。
【0008】請求項3に記載の情報記録媒体用ガラス基
板の洗浄方法の発明は、請求項1又は請求項2に記載の
発明において、前記洗浄装置はホルダーとともにガラス
基板を揺動させるための揺動機構を備え、同揺動機構を
使用し、洗浄液に浸漬された状態のガラス基板を揺動さ
せながら洗浄することを特徴とするものである。
【0009】請求項4に記載の情報記録媒体用ガラス基
板の洗浄装置の発明は、請求項1から請求項3のいずれ
かに記載の情報記録媒体用ガラス基板の洗浄方法で使用
される洗浄装置であって、枠状又は箱状をなし、その内
部に複数枚のガラス基板をそれぞれ縦置きの状態で並列
に収容するためのホルダーと、箱状をなし、その内部に
貯留された洗浄液に当該ガラス基板を前記ホルダーとと
もに浸漬させるための洗浄槽とを備えるとともに、対向
するガラス基板の間でガラス基板の表面積1cm2当た
りに存在する洗浄液の量が0.5〜15cm3となるよ
うに設定したことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。ガラス基板は、シート状
をなすガラス素板を切断することにより、その中心に円
孔を有する円盤状に形成されている。ガラス素板の材料
としては、フロート法、ダウンドロー法、リドロー法又
はプレス法で製造されたソーダライムガラス、アルミノ
シリケートガラス、ボロシリケートガラス、結晶化ガラ
ス等が挙げられる。円盤状に形成されたガラス基板は、
外径寸法及び内径寸法が所定長さとなるようにその端面
が研削されるとともに、その外周縁及び内周縁の角部が
研磨され、面取りされている。このガラス基板の表面
に、例えば磁気特性を向上させるための下地層、磁性
層、保護層及び潤滑層等を設けることにより、例えば磁
気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク等の情報記録
媒体が作製される。
【0011】上記のガラス基板はその表面を平滑なもの
とするため、研磨材を使用して研磨処理が施される。ま
た、ガラス基板は情報記録媒体として要求される耐衝撃
性、耐振動性、耐熱性等を向上させるため、化学強化処
理が施される。この化学強化処理とは、ガラス基板の組
成中に含まれる、例えばリチウム、ナトリウム等の一価
の金属イオンを、これと比較してそのイオン半径が大き
な、例えばカリウム等の一価の金属イオンに置き換え、
ガラス基板の表面に圧縮応力を作用させて強化する方法
である。この化学強化処理は、加熱した化学強化処理液
にガラス基板を所定時間浸漬することによって行われ
る。化学強化処理液としては、例えば硝酸カリウム溶
液、硝酸ナトリウム溶液、硝酸銀等をそれぞれ単独、あ
るいは2種以上を混合したものが挙げられる。また、こ
のときの化学強化処理液の温度は、好ましくはガラス基
板を形成するガラスの歪点よりも50〜150℃程度低
い温度である。化学強化処理液の温度はより好ましくは
350〜400℃程度である。
【0012】上記のような研磨又は研削処理及び化学強
化処理が施された後のガラス基板の表面には、例えば研
磨材、研磨粉、溶融塩、塵埃等の付着物が付着してい
る。このような付着物を除去するため、ガラス基板には
次に示すような洗浄装置を使用して洗浄処理が施される
ようになっている。
【0013】図2は、ガラス基板に洗浄処理を施すため
の洗浄装置の概念図を示している。洗浄装置を構成する
洗浄槽11は、上面に開口部11aを有する略四角箱状
に形成されており、その内部には洗浄液が貯留されてい
る。この洗浄液には、例えばフッ酸、硫酸、スルファミ
ン酸、塩酸、硝酸、リン酸等の酸性溶液、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、アンモニア、テトラメチル水酸
化物等のアルカリ性溶液、水、湯、イソプロピルアルコ
ール(IPA)、メタノール、エタノール、ブタノール
等の有機溶媒、カチオン性、アニオン性又はノニオン性
界面活性剤が使用される。そして、ガラス基板31は、
複数枚が縦置きの状態でホルダー40内に収容され、当
該ホルダー40とともに洗浄槽11内に貯留された洗浄
液に浸漬されている。
【0014】ここで、前記ホルダー40の構成について
説明する。図3に示すように、当該ホルダー40を構成
する金属製のケース41は、対向配置された一対の支持
板42と、各支持板42の両側部間をそれぞれ連結する
一対の連結板43とによって上下両面が開口された四角
枠状に形成されている。前記支持板42にはU字状をな
す5つの係合孔44が上下方向に延び、かつ支持板42
の上端で開口するように切り欠き形成されている。これ
ら係合孔44は支持板42の長手方向で等間隔おきとな
るように配設されている。また、これら係合孔44のう
ち支持板42の長手方向の両側部及び中央部に配設され
た3つはその下端が支持板42の上部に、長手方向の両
側部と中央部との間に配設された2つはその下端が支持
板42の下部に位置するように設けられている。
【0015】両支持板42の各係合孔44には支持部材
45の両端部がそれぞれ係合されることにより、ケース
41の内側には合計で5本の支持部材45が互いに平行
に延び、かつ支持板42側から見てW字状をなすように
架設されている。この支持部材45は、少なくともその
表面部分がフッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン等
の合成樹脂で被覆されることによって軟らかくなってい
る。このため、ガラス基板31の支持部材45への接触
による欠け(チッピング)、ひび(クラック)等の欠陥
の発生が抑制されている。各支持部材45の周面には環
状をなす複数の支持凹部46が等間隔おきに凹設されて
いる。これら支持凹部46にガラス基板31の周縁部が
それぞれ係合されることにより、ガラス基板31は、縦
置きの状態でその下端及び両側端を支持部材45に支持
され、複数枚がケース41内に収容保持されている。
【0016】図2に示すように、洗浄槽11の内部には
皿状をなす支持台12が配設されており、上記ホルダー
40は当該支持台12の上面に載置された状態で洗浄液
に浸漬されている。この支持台12はその下面でL字状
をなす支持アーム13によって支承されている。同支持
アーム13は、その上端部が洗浄槽11内から開口部1
1aを介して洗浄槽11の外部まで延びており、洗浄槽
11の外部で図示しない揺動装置に接続されている。
【0017】これら支持台12、支持アーム13及び揺
動装置によって揺動機構が構成されている。この揺動機
構の揺動装置を作動させることにより、支持アーム13
を介して支持台12を動かし、その上面に載置されたホ
ルダー40及びガラス基板31を上下方向に揺動させる
ことが可能である。そして、上下方向に揺動されたガラ
ス基板31の表面からは付着物が振り落とされ、洗浄液
中に分散及び溶解されるように構成されている。
【0018】また、洗浄槽11の内底面上には超音波発
生装置19が配設されている。この超音波発生装置19
からは洗浄液に浸漬されたガラス基板31に向かって超
音波が照射されるようになっている。そして、超音波が
照射された際、ガラス基板31の表面に付着した付着物
は超音波の振動により、振り落とされ、ガラス基板31
の表面への再付着を抑制されながら洗浄液中に分散及び
溶解されるように構成されている。
【0019】洗浄槽11の一側壁の上端部には横方向か
らその外部に流出管14が接続されている。また、洗浄
槽11の底壁の他側部には下方から流入管15が接続さ
れている。これら流出管14と流入管15との間は循環
配管16によって接続されている。さらに、この循環配
管16にはポンプ17が連結されている。洗浄槽11内
の洗浄液はポンプ17により流出管14から吸い出さ
れ、循環配管16を介して流入管15に至り、この流入
管15から洗浄槽11内に戻されることにより、洗浄槽
11と循環配管16との間で循環されるようになってい
る。そして、洗浄槽11と循環配管16との間で循環さ
れることによって洗浄槽11内の洗浄液が攪拌されるよ
うになっている。
【0020】前記循環配管16の途中にはフィルター1
8が連結されている。このフィルター18は、循環配管
16内を流れる水中に存在する金属の粒子、塵埃、研磨
材、研磨粉等といった水に対して不溶性で一定以上の粒
径の微粒子を除去するようになっている。そして、フィ
ルター18で一定以上の粒径の微粒子を除去することに
より、洗浄槽11に戻される洗浄液の清浄度が良好に維
持されるようになっている。
【0021】このときフィルター18で除去される微粒
子の粒径は0.2μm以上であることが好ましい。0.
2μm未満の微粒子をフィルター18で除去しようとす
る場合、循環配管16中においてフィルター18が目詰
まりして抵抗が大きくなり、水が流れにくくなるおそれ
がある。なお、微粒子の粒径の上限については特に規定
されないが、通常は100μm以下である。100μm
より大きな微粒子はその大半が洗浄液の水面に浮き上が
るため、ガラス基板31を洗浄液に浸漬するのみで取り
除くことができる。
【0022】洗浄槽11内において、対向するガラス基
板31の間でガラス基板31の表面積1cm2当たりに
存在する洗浄液の量は0.5〜15cm3となるように
設定されている。好ましくは、0.5〜10cm3であ
る。ガラス基板31の表面積1cm2当たりに存在する
洗浄液の量が0.5cm3未満の場合、ガラス基板31
同士の間に十分な量の洗浄液が存在せず、洗浄液の洗浄
能力が低下してしまう。また、15cm3より多くして
も洗浄能力は向上せず、却って1回の洗浄処理における
ガラス基板31の処理枚数が少なくなるため、歩留まり
が低下してしまう。
【0023】上記の条件を満たすため、図2中に示す支
持凹部46に支持されたガラス基板31同士の間隔L
は、0.5〜15cmとすることが好ましい。間隔Lを
0.5cm未満とした場合、ガラス基板31同士の間に
十分な量の洗浄液が入り込むことができず、洗浄液の洗
浄能力が低下するおそれがある。また、間隔Lを15c
mより広くすると、1回の洗浄処理におけるガラス基板
31の処理枚数が少なくなり、歩留まりが低下するおそ
れがある。
【0024】洗浄槽11内に貯留される洗浄液の量は上
記の各条件に基づいてガラス基板31の表面積及び処理
枚数に応じて設定されており、具体的には3000〜9
0000cm3が好ましい。また、洗浄槽11の容量は
3000〜90000cm3の洗浄液を貯留可能で、か
つガラス基板31を洗浄液に浸漬可能であれば特に規定
されないが、通常は貯留される洗浄液の量よりも5〜5
0%程度多くなるように設定することが好ましい。洗浄
液の量が3000cm3未満の場合、洗浄槽11内に十
分な量の洗浄液が貯留されず、洗浄液の洗浄能力が低下
してしまう。また、90000cm3より多くしても洗
浄液の洗浄能力は向上せず、却って製造コストが嵩んで
しまう。
【0025】ポンプ17による洗浄液の循環量は洗浄液
の量及び洗浄時間によって調整され、1回の洗浄処理中
に洗浄槽11の全ての洗浄液が1〜5回循環するように
設定することが好ましい。1回の洗浄処理中における洗
浄液の循環回数を1回未満とした場合、洗浄液中の微粒
子をフィルター18で十分に除去することができず、洗
浄液の洗浄能力を十分に維持することができなくなるお
それがある。5回より多くしても、ガラス基板31の清
浄度は高まらず、却って一作業当たりの処理量が減少す
る。
【0026】具体的には1分間当たりの循環量を洗浄液
の量の0.05〜10倍とすることが好ましい。1分間
当たりの循環量を洗浄液の量の0.05倍未満とした場
合、洗浄槽11内の洗浄液が十分に攪拌されず、ガラス
基板31の近傍のみで洗浄液に付着物が分散及び溶解さ
れてしまい、十分な洗浄能力を発揮できなくなるおそれ
がある。また、10倍より多くしてもガラス基板31の
清浄度は高まらず、却って製造コストが嵩んだり、フィ
ルター18が目詰まりしたり等の不具合を生じるおそれ
がある。
【0027】さて、上記の洗浄装置を使用するときに
は、まず図3に示すホルダー40内に研磨処理、化学強
化処理等が施された後の複数枚のガラス基板31を縦置
きの状態で並列に収容する。その後、図2に示す洗浄装
置において、洗浄槽11の開口部11aからその内部に
ホルダー40を投入し、支持台12上に載置してホルダ
ー40とともにガラス基板31を洗浄液に浸漬させる。
【0028】この後、揺動機構の支持アーム13を介し
て支持台12を動かしながら支持台12上のホルダー4
0及びガラス基板31を上下方向に揺動させるととも
に、超音波発生装置19を作動させ、ガラス基板31に
対して下方から超音波を照射する。すると、超音波が各
ガラス基板31の間を抜けるように照射され、そこに存
在する洗浄液を介して各ガラス基板31の表面を振動さ
せることにより、付着物はガラス基板31の表面から振
り落とされる。さらに、ガラス基板31を揺動させるこ
とにより、その表面からより多くの付着物が振り落とさ
れ、ガラス基板31の周囲に存在する洗浄液中に溶解及
び分散される。
【0029】加えて、上記の揺動機構及び超音波発生装
置19を作動させたままの状態でポンプ17が作動し、
洗浄槽11内の洗浄液が循環される。洗浄液が循環され
ると、洗浄槽11内で洗浄液は攪拌され、均一に分散さ
れる。このため、ガラス基板31の近傍と、その他の箇
所とで付着物を溶解及び分散する洗浄液の洗浄能力に大
きな差を生じることがなく、洗浄槽11内の洗浄液全体
でその洗浄能力が十分に維持される。
【0030】前記の実施形態によって発揮される効果に
ついて、以下に記載する。 ・ 実施形態の洗浄方法によれば、洗浄槽11内におい
て、対向するガラス基板31の間でガラス基板31の表
面積1cm2当たりに存在する洗浄液の量は0.5〜1
5cm3となるように設定されている。このため、ガラ
ス基板31の間に必要かつ十分な量の洗浄液を存在させ
ることができる。従って、洗浄液の洗浄能力を十分に維
持しつつ、歩留まりの向上を図ることができる。
【0031】・ また、超音波発生装置19を設けるこ
とにより、超音波の振動でガラス基板31の表面を振動
させ、付着物を振り落とすことができるとともに、ガラ
ス基板31の表面に対する付着物の再付着を抑制するこ
とができ、ガラス基板31の表面の清浄度を向上させる
ことができる。加えて、超音波を各ガラス基板31の下
方から照射することにより、縦置きの状態とされたガラ
ス基板31の間に超音波を通過させることができ、全て
のガラス基板31に均一に超音波を照射することができ
る。
【0032】・ さらにまた、揺動機構により、洗浄液
に浸漬された状態でガラス基板31を揺動させることに
より、超音波の振動による振り落としとの相乗効果でよ
り多くの付着物をガラス基板31の表面から振り落と
し、洗浄液中に分散させることができ、ガラス基板31
の表面の清浄度をさらに向上させることができる。加え
て、ガラス基板31を上下方向に揺動させることによ
り、横方向へ揺動させる場合と比較して、振り落とされ
た付着物がガラス基板31の表面に再付着することを防
止することができる。
【0033】なお、本実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。 ・ 洗浄液としてフッ化水素酸水溶液等の酸性溶液、フ
ッ化アンモニウム水溶液等のアルカリ性溶液を用いる場
合、ガラス基板31の表面にテクスチャーを形成するテ
クスチャー形成処理を洗浄処理と兼用して施してもよ
い。このテクスチャーとはその高さがナノメートルから
マイクロメートル大の微小な凹凸であり、前に挙げた酸
性溶液又はアルカリ性溶液でガラス基板31の表面をエ
ッチングすることによって形成される。このように構成
した場合、後工程でテクスチャー形成処理を施さずと
も、洗浄時にガラス基板の表面にテクスチャーを形成す
ることができる。
【0034】・ 例えば、洗浄槽11の内底面上におい
て、その周面に複数の孔を有するガス供給管を敷設し、
同ガス供給管内にガスを供給し、前記孔から洗浄槽11
内へガスを放出し、洗浄液中に泡を発生させ、同泡をガ
ラス基板31に接触させて、洗浄を行うように構成して
もよい。また、当該ガス供給管と超音波発生装置19と
は少なくとも一方を洗浄槽11の内底面上に配設すれば
よい。このように構成した場合、ガラス基板31の表面
の清浄度を良好なものとすることができるとともに、特
にガス供給管と超音波発生装置19との両方を配設した
場合には、超音波によって付着物を粉砕する効果と、泡
により付着物を包み込みながら洗浄液を攪拌させる効果
との相乗効果を得ることができ、ガラス基板31の表面
の清浄度をさらに良好なものとすることができる。
【0035】・ 例えば、超音波発生装置19を省略
し、揺動機構による揺動のみによってガラス基板31の
表面から付着物を振り落とすように構成してもよい。ま
たは、揺動機構を省略し、超音波発生装置19から照射
された超音波による振動のみによってガラス基板31の
表面から付着物を振り落とすように構成してもよい。
【0036】さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 ・ 前記ホルダーは、箱状又は枠状をなし、その内部に
ガラス基板を収容するためのケースと、該ケースの内側
に架設され、ケース内に収容されたガラス基板を支持す
るための複数の支持部材とを備え、各支持部材の表面に
複数の支持凹部をそれぞれ設け、同支持凹部にガラス基
板の周縁部を係合させることによって各支持部材の間に
ガラス基板を保持するように構成することを特徴とする
請求項4に記載の情報記録媒体用ガラス基板の洗浄装
置。このように構成した場合、洗浄液の洗浄能力を十分
に維持しつつ、歩留まりの向上を図ることができる。
【0037】・ 前記洗浄槽には洗浄液の流入口及び流
出口をそれぞれ設け、これら流入口と流出口との間を循
環配管で接続し、同循環配管にポンプを連結して洗浄槽
内の洗浄液を流出口から吸い込み、循環配管を介して流
入口から洗浄槽内に戻すように構成するとともに、当該
ポンプによる洗浄液の1分間当たりの循環量が洗浄槽の
容量の0.05〜10倍であることを特徴とする請求項
1から請求項3のいずれかに記載の情報記録媒体用ガラ
ス基板の洗浄方法。このように構成した場合、洗浄槽内
の洗浄液を攪拌することができ、洗浄能力を十分に維持
することができる。
【0038】・ 前記ホルダー内に収容された複数枚の
ガラス基板の間隔が0.5〜15cmであることを特徴
とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報記
録媒体用ガラス基板の洗浄方法。このように構成した場
合、洗浄液の洗浄能力を十分に維持しつつ、歩留まりの
向上を図ることができる。
【0039】・ 前記洗浄槽内に貯留される洗浄液の量
が3000〜90000cm3であることを特徴とする
請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報記録媒体
用ガラス基板の洗浄方法。このように構成した場合、洗
浄液の洗浄能力を効果的に維持することができる。
【0040】・ 前記洗浄液に酸性及びアルカリ性の洗
浄液を使用し、同洗浄液にガラス基板を浸漬させること
によって、洗浄処理と、ガラス素板の表面に微小な凹凸
を形成するためのテクスチャー形成処理とを兼用して施
すことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに
記載の情報記録媒体用ガラス基板の洗浄方法。このよう
に構成した場合、作業の簡略化を図ることができる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の
情報記録媒体用ガラス基板の洗浄方法によれば、洗浄液
の洗浄能力を十分に維持しつつ、歩留まりの向上を図る
ことができる。
【0042】請求項2に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の洗浄方法によれば、請求項1に記載の発明の
効果に加えて、超音波の振動で付着物をガラス基板の表
面から振り落とすことができるとともに、付着物がガラ
ス基板の表面に再付着することを抑制することができ
る。
【0043】請求項3に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の洗浄方法によれば、請求項1又は請求項2に
記載の発明の効果に加えて、ガラス基板の表面の付着物
を振り落とし、除去しやすくすることができる。
【0044】請求項4に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の洗浄装置によれば、洗浄液の洗浄能力を十分
に維持しつつ、歩留まりの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 支持部材にガラス基板が支持された状態を示
す正面図。
【図2】 実施形態の洗浄装置を示す概念図。
【図3】 実施形態のホルダーを示す斜視図。
【符号の説明】
11…洗浄槽、19…超音波発生装置、31…ガラス基
板、40…ホルダー。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠状又は箱状をなすホルダー内にガラス
    基板を複数枚収容し、洗浄装置の洗浄槽内に貯留した洗
    浄液に該ガラス基板をホルダーとともに浸漬させること
    によってガラス基板の表面に付着した付着物を洗浄液で
    除去する情報記録媒体用ガラス基板の洗浄方法であっ
    て、前記ホルダー内には複数枚のガラス基板をそれぞれ
    縦置きの状態で並列に収容するとともに、対向するガラ
    ス基板の間でガラス基板の表面積1cm2当たりに存在
    する洗浄液の量を0.5〜15cm3としたことを特徴
    とする情報記録媒体用ガラス基板の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄装置は洗浄槽内に超音波発生装
    置を備え、同超音波発生装置を使用し、洗浄液に浸漬さ
    れた状態のガラス基板に超音波を照射しながら洗浄する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体用ガラ
    ス基板の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄装置はホルダーとともにガラス
    基板を揺動させるための揺動機構を備え、同揺動機構を
    使用し、洗浄液に浸漬された状態のガラス基板を揺動さ
    せながら洗浄することを特徴とする情報記録媒体用ガラ
    ス基板の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の情報記録媒体用ガラス基板の洗浄方法で使用される洗
    浄装置であって、枠状又は箱状をなし、その内部に複数
    枚のガラス基板をそれぞれ縦置きの状態で並列に収容す
    るためのホルダーと、箱状をなし、その内部に貯留され
    た洗浄液に当該ガラス基板を前記ホルダーとともに浸漬
    させるための洗浄槽とを備えるとともに、対向するガラ
    ス基板の間でガラス基板の表面積1cm2当たりに存在
    する洗浄液の量が0.5〜15cm3となるように設定
    したことを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の洗浄
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7691207B2 (en) 2005-07-19 2010-04-06 Asahi Glass Company, Limited Method for cleaning disk-shape glass substrate and magnetic disk
US8324143B2 (en) 2008-12-19 2012-12-04 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Cleaning agent for electronic materials
JP7479198B2 (ja) 2019-05-28 2024-05-08 京セラ株式会社 洗浄装置および洗浄用支持部材

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