JP2003164114A - 平面型整流子、銅製環状体部品、およびその製造方法ならびに溝加工用金型 - Google Patents

平面型整流子、銅製環状体部品、およびその製造方法ならびに溝加工用金型

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JP2003164114A JP2001357974A JP2001357974A JP2003164114A JP 2003164114 A JP2003164114 A JP 2003164114A JP 2001357974 A JP2001357974 A JP 2001357974A JP 2001357974 A JP2001357974 A JP 2001357974A JP 2003164114 A JP2003164114 A JP 2003164114A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主要加工をプレス加工により行い、切削加
工を削減して、銅製部品を効率良く製造し、コスト削減
を実現した平面型整流子、銅製環状体部品、およびその
製造方法ならびに溝加工用金型を提供することを課題と
する。 【解決手段】 多数の整流子片を各整流子片間に均等
に間隙を設けて環状に並べ、各間隙に絶縁用樹脂を充填
して前記各整流子片を電気的に絶縁するとともに前記各
整流子片と前記絶縁用樹脂とからなる環状体を一体に形
成するように平面型整流子およびその製造方法を構成
し、前記各整流子片を一体的に連結して、形成された環
状体の一面側には平面状に成形したブラシ接触面を、他
面側の外周部には外周面に開口し前記ブラシ接触面側に
貫通しない溝型の配線接続部を形成するように銅製環状
体部品およびその製造方法を構成し、外周部には外周面
に開口しブラシ接触面側に貫通しない溝型の配線接続部
を形成するように溝加工用金型を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は端面にブラシを接触
させて整流する平面型整流子およびその製造方法ならび
に溝加工用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、整流子は、その形状が複雑で製
造が難しくなるため、その整流子を設けなければならな
い回転子のコストを低減することは難しく、整流子のコ
スト削減は低価格な回転子を開発するためには必要不可
欠な課題である。近年、パワーステアリングの電動化、
その他各種装置の電動化等に伴い、使用される電動機の
小型化への要望が高まっている。平面型整流子を用いた
回転子は、整流子の接触面が軸と垂直な面に形成され、
軸方向に移動できるように形成されたブラシが接触面に
当接して通電できるようにしている。このため、ブラシ
の支持軸が回転子の軸と平行な向きとなり、ブラシを接
触面側に押圧するためのスプリング等の押圧部材を収容
するために必要なスペースが、軸方向に長くなるが径方
向のスペースを拡大することがなくなり、電動機全体と
しては小型化され、パワーステアリングにおける駆動装
置の小型化に寄与できるようになり、また、装置の小型
化が実現できるため、将来の各種動作機器に適用される
であろう有望な部品の1つとなる。
【0003】このような平面型整流子の例としては、例
えば図15に示すようなロータ1に形成された電機子2
の一端に一体的に取り付けられた整流子3が例示でき
る。また、本発明者等が先に出願した特開平9−163
688号公報の平面型整流子によっても例示できる。こ
れらによって例示されるように、通常、平面型整流子
は、多数個の整流子片(セグメント)を環状体に並べ、
各整流子片の間を絶縁材であるモールド樹脂が介装され
て各整流子片を互いに絶縁すると共に一体的に固着し、
回転軸側に外嵌するための孔が中央部に穿設された円盤
状の部品に形成されている。
【0004】この、回転子に取り付けられる前の平面型
整流子は、(1)あらかじめ回転軸側に外嵌するための孔
が中央部に穿設された円盤状の銅製部品を形成し、その
銅製部品に溝加工を施し、その溝と前記の孔とにモール
ド樹脂を充填して、モールド樹脂により溝を介して対面
する面を有する部分を固着するとともに絶縁し、回転軸
に外嵌した場合の軸側とを絶縁して、放射方向にモール
ド樹脂の絶縁部を介装した環状に一体化された部品とし
て製造し、モールディング前に切り離されていなかった
銅製部品の接続部を切り離し、各整流子片を電気的に絶
縁された状態になるように形成するか、または、(2)銅
製の各整流子片を所望の形状に成形し、成形された各整
流子片を型枠に入れて所望の形状に並べ、モールド樹脂
を注入して各整流子片を互いに固着して、各整流子片が
電気的に絶縁された状態で円盤状の形状になるように成
形することによって製造される。
【0005】前記製造方法(1)では円盤状の銅製部品を
加工することが難しく、前記製造方法(2)では円盤状の
平面型整流子に成形することが難しい。近年では、加工
技術の進歩により、前記製造方法(1)における円盤状の
銅製部品を製造する技術が進歩して、工数の削減および
コストの削減の効果が期待されるため、多くの工数がか
かり高価になる前記製造方法(2)よりも前記製造方法(1)
が適用されるようになりつつある。
【0006】〔問題点〕このような従来の技術における
平面型整流子の製造では、精度良く銅製部品が加工され
るようになってきているが、コスト削減のために溝加工
をプレス加工により行い、プレス加工後に無用な凹凸を
切削加工により除去あるいは整形して目的とする最終形
態に形成するため、加工途中で切削加工により整形しな
ければならない箇所が多くなり、コストが期待ほど削減
できず、整流子の形状の複雑さと製造の難しさにより、
平面型整流子であっても、いま一つ普及に足踏みしてい
るという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における前記問題点に鑑みて成されたものであり、これ
を解決するため具体的に設定した技術的な課題は、主要
加工をプレス加工により行い、極力、切削加工を削減す
ることにより、銅製部品を効率良く製造してコスト削減
を実現した平面型整流子、銅製環状体部品、およびその
製造方法ならびに溝加工用金型を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を効果的に解決
できる具体的に構成された手段として、本発明における
請求項1に係る平面型整流子は、多数の整流子片を各整
流子片間に均等に間隙を設けて環状に並べ、前記各間隙
に絶縁用樹脂を充填して前記各整流子片を電気的に絶縁
するとともに前記各整流子片と前記絶縁用樹脂とからな
る環状体を一体に形成し、この環状体の前記各整流子片
が並べられた一面には平面に成形されたブラシ接触面を
形成し、他面の外周部には前記ブラシ接触面の反対側の
面と外周面とに開口して前記ブラシ接触面側には貫通し
ない配線接続溝を設け、前記各整流子片の前記絶縁用樹
脂が充填された箇所と前記間隙とに前記各整流子片と前
記絶縁用樹脂との係合部を設けたことを特徴とするもの
である。これにより、硬化した絶縁用樹脂が各係合部で
環状に並べられた各整流子片が離脱できないように一体
的に固着するから、その形状が一体成形し易くかつ量産
向きな形状となり、特に導電体としての銅製部品は環状
体の状態で効率良く一体成形できるようになり、効果的
にコストを削減することができる。
【0009】また、請求項2に係る銅製環状体部品は、
一面を平面にしてブラシ接触面を形成し、他面側に配線
接続部と樹脂充填部とを形成した銅製の環状体からなる
平面型整流子製造用中間加工部品であって、前記配線接
続部には周上等間隔に外周面と前記他面側の外周端縁と
に開口した多数個の配線接続溝を刻設し、前記樹脂充填
部には前記各配線接続溝の溝間の各中間位置に内周面か
ら外周面まで放射方向に刻設するとともに前記他面から
前記ブラシ接触面側へ前記ブラシ接触面まで達しない範
囲で深く刻設した樹脂充填溝と、内周面側に突出して樹
脂充填後に充填樹脂に被覆される係合部とを形成したこ
とを特徴とするものである。これにより、整流子用導電
体としての銅製部品を環状体の状態で効率良く一体成形
できるようになり、生産性が向上し、コストを効果的に
削減できるようになる。
【0010】また、請求項3に係る平面型整流子の製造
方法は、中央空間部に中心側へフランジを突出した環状
体に形成されたフランジ据込部品の外周部に、押出加工
圧よりも低めのプレス圧により各加圧箇所の余肉を外周
側に押し出して配線接続溝を刻設した加工中間部品を成
形し、その加工中間部品の各余肉をトリミング加工によ
り一括除去して溝加工部品を成形し、この溝加工部品に
形成されている各配線接続溝の溝間の中間位置に樹脂充
填溝を内周面から外周面まで放射方向に刻設しかつ一面
側からその反対面側へこの反対面に形成されたブラシ接
触面までは貫通しない程度に深く刻設し、この各樹脂充
填溝に溝幅より径の大きい丸穴を穿設し、内径側に係合
突起を突出した銅製環状体部品を成形し、この銅製環状
体部品の絶縁箇所に絶縁用樹脂をモールディングして前
記各樹脂充填溝の間を絶縁して整流子片分離の前段階の
形態に成形し、その後、絶縁用樹脂を充填した各樹脂充
填溝の刻設位置にブラシ接触面側から整流子片分離用の
溝を刻設して各整流子片を互いに分離し絶縁することを
特徴とする。これにより、溝加工部品の一体成形が容易
になり、絶縁用樹脂によって各整流子片を絶縁した平面
型整流子が生産性良く成形されるようになる。
【0011】また、請求項4に係る平面型整流子の製造
方法は、前記加工中間部品の成形には、前記フランジ据
込部品におけるブラシ接触面とは反対側の面の外周端部
に多数の板状部材の端面を押出加工圧よりも低めのプレ
ス圧で押圧することにより、余肉を外周面側に押し出し
て、この外周面に開口しブラシ接触面側に貫通しない配
線接続溝を刻設したことを特徴とする。これにより、加
工中間部品を生産性良く一体成形できるようになり、量
産性が向上して、コストが削減できるようになる。
【0012】また、請求項5に係る銅製環状体部品の製
造方法は、一面を平面にしてブラシ接触面を形成した環
状体の外周端部に押出加工圧よりも低めのプレス圧によ
り押圧して各加圧箇所の余肉を外周側に押し出して配線
接続溝を刻設し、前記各余肉と前記環状体の外周面の表
層とをトリミング加工により一括除去し、前記各配線接
続溝の溝間の中間位置に樹脂充填溝を内周面から外周面
まで放射方向にかつ前記ブラシ接触面とは反対側の面か
ら前記ブラシ接触面側へ前記ブラシ接触面まで達しない
程度に深く切削し、さらに前記各樹脂充填溝に溝幅より
径の大きい丸穴を穿設し、前記環状体の内周面近傍に前
記ブラシ接触面とは反対側の面から押圧して断面がV形
の溝を刻設することにより内径側に充填樹脂との係合突
起を突出させたことを特徴とする。これにより、銅製環
状体部品を生産性良く一体成形できるようになり、量産
性が向上し、コストが効果的に削減できるようになる。
【0013】また、請求項6に係る溝加工用金型は、上
型と下型との間に挟持される工作物を軸方向へ移動可能
に支持する円筒部材とその円筒部材に外嵌する複数の分
割型とを基台とラムとの間に配設し、前記円筒部材の外
周部と前記各分割型の内周部には溝加工用刃部となる板
状部材を軸方向へ相対的に移動可能に内蔵する円筒部材
側の案内溝と分割型側の案内溝とを必要個数につき周上
等ピッチに刻設し、各分割型側の案内溝と板状部材との
間の間隙を精密加工の公差範囲内に設定して、加工時に
は前記円筒部材とともに工作物を前記分割型に対して軸
方向へ相対的に移動可能にしたことを特徴とする。これ
により、工作物の全ての溝加工が一行程で不要な変形を
生じることなく加工できるようになり、溝加工部品の生
産性が向上し、加工コストを効果的に削減する。
【0014】また、請求項7に係る溝加工用金型は、前
記間隙を100分の3mm以内に設定することを特徴とす
る。これにより、分割型の案内溝と板状部材との間隙が
小さいため、溝加工時の余肉が切削されたかのように効
果的に外周側へ排出されるとともに工作物の変形を極小
に抑えることができ、後行程の工数を効果的に削減でき
るようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。ただし、この実施の形態は、発明の趣旨
をより良く理解させるため具体的に説明するものであ
り、特に指定のない限り、発明内容を限定するものでは
ない。
【0016】〔形態〕この実施の形態における平面型整
流子は、図1〜図3に示すように、銅製環状体12と絶
縁用樹脂13とからなり、中央部に軸嵌合用の孔11b
を設けた平面型整流子11に形成し、この平面型整流子
11のブラシ接触側の面11aには放射方向に等間隔で
絶縁用樹脂13の位置まで達する深さの溝11cを刻設
して、環状に配置された各整流子片12a,…,12a
を独立した端子として機能できるように分離する。
【0017】銅製環状体12には、ブラシ接触面と反対
側の面に係合突起形成用の円形状切込み14,15を同
心的に複数本刻設する。この円形状切込み14,15は
絶縁用樹脂13を充填する前に形成して、円形状切込み
14,15を設けることにより形成される係合突起1
6,17が絶縁用樹脂13に食い込むように突出するこ
とによって、充填されて硬化した絶縁用樹脂13が銅製
環状体12から抜けないようにする。
【0018】銅製環状体12の外周面には、各整流子片
12a,…,12aに2本の導線を接続するための溝1
2b,…,12bを、外周面だけでなくブラシ接触面と
反対側の面にも開口するように刻設する。銅製環状体1
2の材質には純銅又は銅合金が使用でき、このうちリン
(脱酸)銅、銀入り銅、無酸素銅が好ましく使用され
る。絶縁用樹脂13の材質には、耐熱用ガラス繊維、鉱
物質粉末等を主基材として結合材にフェノール樹脂等の
熱硬化性樹脂を使用した絶縁材が良く、特にフェノール
樹脂でも耐熱性、耐衝撃性に富む材料を使用することが
好ましい。
【0019】〔製造方法〕このような形態に形成された
平面型整流子の製造方法は、図4乃至図9に示すような
工程により工作物としての銅製環状体12を機械工作に
よる加工を行い、その後に絶縁用樹脂のモールディング
を行う。まず、材料取りとして、図4(イ),(ロ)に
示すように、銅管を輪切りにして所定寸法の矩形断面の
環状体を切り出し、内径側を切削して肉厚を均一な環状
体21に成形する。次に、図5(イ),(ロ)に示すよ
うに、プレス加工により内周部を環状体21の軸方向に
加圧し、内周部の厚み方向の一部を内側に突出させて縮
径することにより、内径側のフランジ22aを据込み、
内径側を段付き形状に成形したフランジ据込部品22に
加工する。
【0020】その次に、図6(イ),(ロ)に示すよう
に、プレス加工によりフランジ据込部品22の外周部に
おける所定箇所の溝加工部を、プレス荷重を通常の横側
に余肉を逃がさない場合における荷重(例えば前方又は
後方押出荷重)の6〜7割程度の荷重(例えば外径67m
mの場合で約50ton)とし、加工速度を約25mm/s
ecとして軸方向に加圧して外周部に溝加工し、所定個
数の溝23a,…,23aを所定形状に刻設して余肉2
3b,…,23bを外周側に突出させた加工中間部品2
3を得る。
【0021】さらに、図7(イ),(ロ)に示すよう
に、軸方向へ移動する切刃(図示せず)を加工中間部品
23の外周面と余肉23b,…,23bの基部との境界
部にセットして、切刃を軸方向へ移動しつつ押圧力を作
用させてトリミング加工することにより、外周部に突出
した全ての余肉23b,…,23bを除去して、外周面
を成形した溝加工部品24を得る。
【0022】さらに、図8(イ),(ロ)に示すよう
に、各溝23a,…,23aの中間位置に、整流子片分
離用の薄い溝幅(例えば幅1mm)を有する深い溝25
a,…,25aを、反対側の面からの残部25bが、銅
製環状体12の形状安定性を維持できる範囲でできる限
り薄い肉厚(例えば上記溝幅よりも50%厚い 1.5mm)
の板状の状態に残るように刻設して絶縁用樹脂充填溝を
形成した部品25を得る。
【0023】さらに、図9(イ),(ロ)に示すよう
に、部品25の各深い溝25a,…,25aの刻設位置
には、溝25aの溝幅よりも大きな径を有し、深い溝2
5aと同じ深さとなる丸穴26aを、放射方向における
段差部の内周面から溝23aの最奥端までの間の中間位
置に軸と平行な方向に穿設し、溝刻設側の面には、段差
部の内周面から所定の幅(例えば1mm)だけ外周側の
位置に断面がV形をした円弧状の溝26bを銅製環状体
12の外周縁又は内周縁と同心円を形成するように刻設
して、溝26bよりも内側の部分を内径側に曲げて係合
突起17を突出させ、さらにフランジ22aの内周面か
ら所定の幅(例えば1mm)だけ外周側の位置に断面が
V形をした円弧状の溝26cを銅製環状体12の外周縁
又は内周縁と同心円を形成するように刻設して、溝26
cよりも内側の部分を内径側に曲げて係合突起16を突
出させて、係合突起16,17がモールディング後に絶
縁用樹脂の抜止めになるように形成する。
【0024】こうして図10に示すような、銅製環状体
12の各整流子片12a,…,12aが分離されていな
い状態の銅製環状体部品26が成形される。その後、銅
製環状体部品26を絶縁用樹脂のモールディング装置に
セットして、使用材料及び大きさ並びに溝幅等を考慮し
て適当な鋳込み圧(例えば 250〜500 kg/cm)に
よりモールディングを行う。
【0025】銅製環状体部品26の内径部側及び深い溝
25a,…,25aに絶縁用樹脂をモールディングした
後、銅製環状体部品26の溝刻設側と反対側の面(すな
わちブラシ接触側の面11a)に、深い溝25aを刻設
した位置と同じ位置で、その裏面(面11a)側から板
状に残された部分よりも僅かに深く切り込み、深い溝2
5aに充填された絶縁用樹脂13まで達する深さの整流
子片分離用の溝11cを刻設して、各整流子片12a,
…,12aが分離された銅製環状体12を成形し、図1
〜3に示すような、各整流子片12a,…,12aが絶
縁用樹脂13によって絶縁された状態で固められた平面
型整流子11を形成する。
【0026】〔金型〕銅製環状体部品26を成形する製
造工程のうち、図5に示すフランジ据込部品22から図
6に示す加工中間部品23に成形するための金型は、図
11、12に示すように、ボルトにより組み合わせる組
立式の金型で、溝加工前のフランジ据込部品22あるい
は溝加工後の加工中間部品23を収容することができる
空間を設け、下型30には溝加工用刃部となる板状部材
31を溝の数と同じ数だけ同じ向きにして収容する。
【0027】下型30は層状に3分割された分割型30
a,30b,30cからなる。その最上層の分割型30
aは、被加工部品であるフランジ据込部品22をセット
して溝加工を施した加工中間部品23を得るための、溝
加工用の板状部材31を内面側に必要数だけ短辺側を放
射方向に向け長辺側を垂直方向に向けて、板状部材31
との間で例えば100分の3mm以下の微小なクリアランス
を設ける空間30となる案内溝30e,…,30eを周
上等間隔に刻設した、平坦な上下面を有する断面が略矩
形の環状体に形成する。
【0028】中間層の分割型30bは、溝加工用の板状
部材31を内面側に必要数だけ短辺側を放射方向に向け
長辺側を垂直方向に向け、板状部材31との間で例えば
100分の3mm以下の微小なクリアランスを設ける空間と
なる案内溝30f,…,30fとともに板状部材31の
下端に設けられた突出部の形状に対応する形状の凹部を
内面側の下端部に設けて係合させることにより板状部材
31を上昇不能にセットできる空間となる案内溝30
f,…,30fを周上等間隔に刻設した、平坦な上下面
を有する断面が略矩形の環状体に形成する。最下層の分
割型30cは、板状部材31の下端を下降不能に支持す
る平坦な上下面を有する断面が略矩形の環状体に形成す
る。
【0029】各分割型30a,30b,30cは、環状
体の中央空間部を、芯出し用の円柱部材32と、この円
柱部材32に外嵌して各板状部材31,…,31を相対
的に軸方向へ移動する案内溝33aを刻設した円筒部材
33と、この円筒部材33の下端に当接して上方に位置
する円筒部材33を下側から支持する矩形断面の環状部
材34とを内嵌して収容することができる空間に形成す
る。
【0030】円筒部材33は、外周面側に各板状部材3
1,…,31を相対的に軸方向へ移動することができる
案内溝33a,…,33aを、板状部材31との間で例
えば10分の1mm以下のクリアランスを設けて周上等間
隔に刻設し、内径側は円柱部材32に外嵌できる大きさ
の径を有する孔となっている厚肉円筒形に形成する。
【0031】円柱部材32の下端部には、軸方向に長い
矩形孔32aを穿設し、矩形孔32aには直方体のエジ
ェクトバー35を移動自在に貫通して、加工後に上型4
0の上昇に伴い、エジェクトバー35に押圧されて環状
部材34と円柱部材32が反対方向へ移動して加工中間
部品23を下型30から押し上げ、成形された加工中間
部品23を金型から取り出すことができるようにする。
【0032】そして、円柱部材32の下端面にはエジェ
クトバー35の下端部に当接して、円柱部材32が下降
した場合における初期位置への復帰用に、また、円柱部
材32によってセットされたフランジ据込部品22を加
工開始から加工中間部品23に成形されるまでの間、円
柱部材32の外周面でフランジ据込部品22の内径を拘
束して変形を防止するとともに内径寸法を維持して隙間
の発生を防止するための、コイルスプリング等からなる
弾性部材36を配設する。
【0033】さらに、円柱部材32の下端部と弾性部材
36とを収容する円筒状の基部支持部材37と、その基
部支持部材37に外嵌して収容するとともに下型30を
支持する基台38と、下型30を基台38に固定する大
径の袋ナット状結合部材39とを具備して、基台38の
上に載置した下型30を固定できるようにする。
【0034】上型40はフランジ据込部品22の非溝加
工面側に当接して押圧する環状の端面を有する厚肉円筒
状の押圧部材41と、この押圧部材41を軸周りに回動
自在に内嵌するとともに下方に抜け落ちることを防止す
る円筒部材42と、この円筒部材42を内嵌して軸周り
に回動することを防止する回止め(図示せず)を取り付
けるとともに下方に抜け落ちることを防止するように支
持する支持フランジ部材43とからなり、押圧部材41
と円筒部材42と支持フランジ部材43とがラム(図示
せず)側で面一に接触して同時に下降して円筒部材42
が下型30の最上段に位置する分割型30aの上面に当
接して停止するまで、押圧部材41がフランジ据込部品
22を押圧して溝加工を行い、溝加工の進行に伴い円筒
部材33、環状部材34、エジェクトバー35等を押し
下げ、溝加工の余肉23b,…,23bを突出させて所
定の溝23a,…,23aを形成する。
【0035】溝加工後のトリミングに用いられる金型
は、図13に示すように、円筒状の外枠部材51の内部
に、工作物(この場合は、加工中間部品23)を載置す
る台座部材52を最下端に設け、この台座部材52の上
方から載置された工作物を押圧固定するため工作物の環
状体部分の外径よりも加工公差範囲程度(例えば100分
の5〜30mm)小さい寸法の外形を有して下端には加工
物の内径部に内嵌する段付き部53aを形成した円柱状
の抑え部材53を設け、工作物の環状体部分の外形より
も公差範囲程度小さい内径を有するとともに抑え部材5
3に外嵌する円筒状に形成され鋭利な刃を備えた切刃部
材54を軸心方向へ移動自在に設け、各部材51,5
2,53,54を同心的に嵌合して配設する。
【0036】台座部材52は上端部に加工中間部品23
を載置するための外形が余肉23b,…,23bを除い
た環状体の外形よりも僅かに小径に形成し、外周端に加
工中間部品23のフランジ22aの厚みと同等の浅い矩
形断面の窪み52aを形成した、外枠部材51よりも径
が小さく、窪み52aを含めた高さが加工中間部品23
の環状体の高さよりも高く形成した座52bを設け、こ
の座52bの下端部に切刃部材54が下方へ落ちすぎな
いようにストッパとして機能するように設けた円形断面
等の必要な断面形状を有する環状体55を外嵌する。
【0037】抑え部材53に外嵌して軸方向へ移動自在
に設ける切刃部材54は、工作物の環状体部分の外径よ
りも加工公差範囲程度(例えば100分の5〜30mm)小さ
い寸法の内径と、刃角(軸線に対して)30〜45度の刃先
とを有し、断面が真円の円筒形状に形成して、工作物の
余肉23b,…,23bと環状体部分の外周面の表層と
を削ぎ落として正確な円筒面を形成することができるよ
うにする。
【0038】モールディング装置の金型は、図14に示
すように、工作物(この場合、銅製環状体部品26)を
セットし、支持する下型として、基台61に載置される
下枠型62の中空部に収容された厚肉円筒状の成形用下
型63と、この成形用下型63の中空部に内嵌した鋳込
み用通路を形成するとともに絶縁用樹脂硬化後に部品を
持ち上げて取り出し易くする移動下型64とからなる。
基台61には下枠型62の鋳込み作業時に金型を閉じる
方向の力が作用するように押圧する押圧ユニット65を
周上等間隔に多数個内蔵して、後述する成形用上型66
との当接面が密着するように形成する。
【0039】下型と組み合わせて鋳込み用通路と成形用
空間とを形成する上型は、下枠型62の上面に当接して
成形用下型63と鋳込み時の移動下型64とに対する相
対的な位置関係を維持するとともに鋳込み用通路66a
と絶縁樹脂成形用空間66bとを形成する成形用上型6
6と、成形用上型66の中心部に軸方向へ移動自在に組
み付けられて成形用上型66に形成された鋳込み用通路
66aに連通する樹脂材料投入空間67aを設けた組合
せ上型67と、成形用上型66と組合せ上型67とを一
体にラム側に取り付けるとともに鋳込み時にはラムから
の押圧力を受けて一様に下型側へ押圧する押圧部材68
とからなる。
【0040】モールディングをするには、まず組合せ上
型67を成形用上型66の上方へ位置させて樹脂材料投
入空間67aを全開にし、樹脂材料投入空間67aに粉
末状の絶縁材料を投入して組合せ上型67を成形用上型
66の所定の位置まで下げ、さらに押圧部材68により
ラムからの押圧力を伝達して樹脂材料を加圧するととも
に加熱して溶解し、鋳込み用通路66aを介して絶縁樹
脂成形用空間66bへ圧入する。この時、押圧ユニット
65により下枠型62と成形用上型66との間を密着
し、成形用下型63に載置された工作物である銅製環状
体部品26のブラシ接触面を成形用上型66との当接面
に密着させて間隙を生じさせないようにして、樹脂充填
時に溶融絶縁樹脂がブラシ接触面側に侵入しないように
する。絶縁樹脂成形用空間66bへ圧入された絶縁樹脂
が冷却された後、押圧部材68を引き上げて成形用上型
66、組合せ上型67を上昇させて金型を開き、さらに
移動下型64を上昇させてモールディング済み工作物を
下枠型62および成形用下型63から外して持ち上げ、
金型から取り出しやすくする。
【0041】〔作用効果〕このような形態に構成して製
造する平面型整流子では、整流子片12a,…,12a
を各整流子片間に丸穴26aを設けた間隙(溝11c,
25c)を均等に設けて環状に並べ、これらの間隙に絶
縁用樹脂を充填することによって各整流子片12a,
…,12aを独立した端子として利用できるように分離
するとともに総体として整流子片12a,…,12aと
絶縁用樹脂とからなる環状体を形成し、この環状体の一
面にはブラシ接触面を形成し、他面には配線接続部と絶
縁用樹脂充填部とを形成し、この絶縁用樹脂充填部には
充填された絶縁用樹脂により覆い隠される部分に係合突
起を突設し、充填されて硬化した絶縁用樹脂と係合突起
が係合して環状に並べられた整流子片12a,…,12
aが離脱できないように形成され、しかも、その形状が
一体成形し易くかつ量産向きな形状となり、特に銅製部
品は環状体の状態で効率良く一体成形できるようにな
り、効果的にコストを削減することができる。
【0042】このような平面型整流子の製造方法では、
銅製部品を環状体21からフランジ据込部品22にプレ
ス成形し、さらに外周部をプレス加工することにより余
肉23b,…,23bを外周側に突出して配線用の溝を
成形した加工中間部品23を形成し、その余肉23b,
…,23bを外周面の表層とともにトリミング加工によ
り一括除去して溝加工部品24を成形し、成形された溝
加工部品24に各溝23a,…,23aの中間位置に整
流子片分離用の溝25a,…,25aを刻設し、溝25
a,…,25aに溝幅より径の大きい丸穴26aを穿設
するとともに溝刻設側の端面とフランジ据込み側の端面
にV溝をプレス加工して各内径側に係合突起16,17
を突出した銅製環状体部品26を成形し、その後、整流
子片分離の前段階の形態に成形する絶縁用樹脂13のモ
ールディングにより、溝25a,…,25aの間を絶縁
し、絶縁用樹脂を所定形状に成形し、整流子片12a,
…,12aと絶縁用樹脂13との離脱を防止して、銅製
部品と絶縁用樹脂との一体化部品を形成し、その後、整
流子片分離用の溝25a,…,25aの刻設位置にブラ
シ接触側から溝11c,…,11cを刻設して各整流子
片12a,…,12aを分離絶縁することにより、絶縁
用樹脂13によって各整流子片12a,…,12aを絶
縁した平面型整流子11が成形される。このため、銅製
環状体12特に銅製環状体部品26の一体成形が容易と
なり、量産性が向上し、コストが安価になって、平面型
整流子11を量産性良く、迅速かつ安価に製造すること
ができる。
【0043】フランジ据込部品22に対する溝加工用の
金型は、上型40と下型30との間に挟持されるフラン
ジ据込部品22のような工作物を軸方向へ移動可能に支
持する円筒部材33とその円筒部材33に外嵌する分割
型30a,30bとを配設し、円筒部材33の外周部と
分割型30a,30bの内周部とには溝加工用刃部とな
る板状部材31を軸方向へ相対的に移動可能に内蔵する
案内溝33aと案内溝30e,30fとを必要個数につ
き周上等ピッチに刻設し、各案内溝30e,30fと板
状部材31との間の間隙を微小公差の範囲内に設定し
て、加工時にはプレス荷重により工作物を支持している
円筒部材33とともに工作物を分割型30a,30bに
対して軸方向へ相対的に移動させる。このため、工作物
の外周端に溝加工するとき、板状部材31により押圧さ
れた工作物の外周端では、余肉23b,…,23bを外
周端の外方の案内溝30e,…,30e内へ切削に等し
い状態で押し出し、溝加工部分の周辺部、特に端面に肉
の盛上りあるいは押潰れを生じさせることなく必要な深
さの溝加工をすることができて、後加工を削減し、生産
性を向上し、加工コストを効果的に削減する。
【0044】溝加工後の余肉を除去するトリミング用の
金型は、加工中間部品23のような工作物を載置する台
座部材52と、工作物の径と略同じ径を有して工作物を
軸方向に挟持する抑え部材53と、抑え部材53に外嵌
して工作物の外形より僅かに小さい内径を有して工作物
の外周面を削ぎ落とす鋭利な刃を備えた切刃部材54を
抑え部材53に外嵌して軸方向へ移動自在に設けてい
る。このため、工作物の全ての余肉23b,…,23b
を外周面の表層とともに一度に切り落とすことができ、
加工時における端面の変形が少なく、板状に残された部
材の周辺の凹みも少なくて済み、後加工を削減するとと
ともに環状体部分の外周面を高精度な円筒度の部品に成
形し、生産性が向上して、加工コストを効果的に削減す
る。
【0045】モールディング装置の金型は、銅製環状体
部品26のような工作物を位置固定する成形用下型63
と、その成形用下型63の中空部に同心的に内嵌して軸
方向に移動可能にした移動下型64と、成形用下型63
に外嵌して鋳込み時に金型を閉じる方向の力を工作物に
作用させる下枠型62と、この下枠型62の上面に当接
してラム側からの荷重を伝達するとともに工作物と成形
用下型63と移動下型64との間で樹脂充填用空間を形
成する成形用上型66とから絶縁用樹脂の成形部として
の空間が形成されて、この形成されている樹脂充填用空
間を介して絶縁樹脂成形用空間66bに粉末樹脂を適当
な圧力を加えながら加熱して充填し、硬化させて、絶縁
用樹脂13によって絶縁樹脂成形用空間66bを埋め固
める。これにより、絶縁用樹脂を一定の圧力で迅速に鋳
込むことができ、ブラシ接触側に絶縁樹脂を侵入させる
ことなく、高品質に絶縁用樹脂を成形でき、量産性を高
め、生産性を向上して、コストを削減することができる
ようになる。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明では、請求項1に係
る平面型整流子では、硬化した絶縁用樹脂が係合部で環
状に並べられた各整流子片が離脱できないように一体的
に固着することができて、その形状が一体成形し易くか
つ量産向きな形状となり、特に導電体としての銅製部品
が環状体の状態で効率良く一体成形でき、効果的にコス
トを削減することができる。
【0047】また、請求項2に係る銅製環状体部品で
は、整流子用導電体としての銅製部品を環状体の状態で
効率良く一体成形できるようになり、生産性を向上して
コストを効果的に削減することができる。
【0048】また、請求項3に係る平面型整流子の製造
方法では、配線用の溝を刻設した溝加工部品を一体的に
成形し、この溝加工部品に形成された各配線用の溝の中
間位置に整流子片分離用の溝を刻設して銅製環状体部品
を成形し、その後に、絶縁用樹脂をモールディングして
前記各溝の間を絶縁して平面型整流子を製造したことに
より、溝加工部品の一体成形が容易にでき、絶縁用樹脂
によって各整流子片を絶縁した平面型整流子が生産性良
く成形することができる。
【0049】また、請求項4に係る平面型整流子の製造
方法では、フランジ据込部品の外周部に多数の板状部材
の端面を押圧することにより、切削するように余肉を外
周側に突出させて、外周面に開口しブラシ接触面側に貫
通しない溝を刻設することにより、精度の良い加工中間
部品を生産性良く一体成形でき、量産性が向上して、コ
ストが削減できる。
【0050】また、請求項5に係る銅製環状体部品の製
造方法では、銅製環状体をプレス加工により配線接続溝
を一体的に成形することにより、銅製環状体部品を生産
性良く一体成形できるようになり、量産性が向上し、コ
ストが効果的に削減できる。
【0051】また、請求項6に係る溝加工用金型では、
加工時にプレス荷重により円筒部材とともに工作物を分
割型に対して軸方向へ相対的に移動させることにより、
工作物の全ての溝加工が一行程で不要な変形を生じるこ
となく加工できるようになり、溝加工部品の生産性が向
上し、加工コストを効果的に削減することができる。
【0052】また、請求項7に係る溝加工用金型では、
分割型の案内溝と板状部材との間隙が小さいため、溝加
工時の余肉が切削されたかのように効果的に外周側へ排
出されるとともに工作物の変形を極小に抑えることがで
き、後行程の工数を効果的に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における平面型整流子を示
す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における平面型整流子を示
す上平面図である。
【図3】本発明の実施の形態における平面型整流子を示
す下平面図である。
【図4】本発明の実施の形態における矩形断面の環状体
を示す加工説明図で、(イ)は平面図、(ロ)は縦断面
図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるフランジ据込部品
を示す加工説明図で、(イ)は平面図、(ロ)は縦断面
図である。
【図6】本発明の実施の形態における加工中間部品を示
す加工説明図で、(イ)は平面図、(ロ)は縦断面図で
ある。
【図7】本発明の実施の形態における溝加工部品を示す
加工説明図で、(イ)は平面図、(ロ)は縦断面図であ
る。
【図8】本発明の実施の形態における整流子分離用の溝
を加工した部品を示す加工説明図で、(イ)は平面図、
(ロ)は縦断面図である。
【図9】本発明の実施の形態における各整流子片と絶縁
用樹脂との係合部を加工した部品を示す加工説明図で、
(イ)は平面図、(ロ)は縦断面図である。
【図10】本発明の実施の形態における各整流子片が連
接した銅製環状体部品を示す加工説明図で、(イ)は配
線側を示す平面図、(ロ)は(イ)のA部拡大図であ
る。
【図11】本発明の実施の形態における加工中間部品成
形用の金型を示す縦断面図である。
【図12】図11のA−A矢視図である。
【図13】本発明の実施の形態におけるトリミング用の
金型を示す縦断面図である。
【図14】本発明の実施の形態におけるモールディング
用の金型を示す縦断面図である。
【図15】従来の平面型整流子の一例を示す斜視説明図
である。
【符号の説明】
11 平面型整流子 11a ブラシ接触側の面 11b 孔 11c 溝 12 銅製環状体 12a 整流子片 12b 溝 13 絶縁用樹脂 14,15 円形状切込み 16,17 係合突起 21 環状体 22 フランジ据込部品 23 加工中間部品 23a 溝 23b 余肉 24 溝加工部品 25 部品 25a 溝 25b 残部 26 銅製環状体部品 26a 丸穴 26b,26c 円弧状の溝 30 下型 30a,30b,30c 分割型 30e,30f 案内溝 31 板状部材 32 円柱部材 32a 矩形孔 33 円筒部材 33a 案内溝 34 環状部材 35 エジェクトバー 36 弾性部材 37 基部支持部材 38 基台 39 袋ナット状結合部材 40 上型 41 押圧部材 42 円筒部材 43 支持フランジ部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 15/02 H02K 15/02 P (72)発明者 佐々木 英樹 茨城県日立市大みか町2丁目2番12号 株 式会社河村製作所内 Fターム(参考) 4E048 AA01 5H613 AA01 BB07 GA08 GB02 GB13 GB17 KK02 KK04 KK14 KK17 KK18 PP08 5H615 AA01 BB01 BB04 BB14 PP26 SS03 SS08 SS10 SS44 TT14 TT31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の整流子片を各整流子片間に均等に間
    隙を設けて環状に並べ、前記各間隙に絶縁用樹脂を充填
    して前記各整流子片を電気的に絶縁するとともに前記各
    整流子片と前記絶縁用樹脂とからなる環状体を一体に形
    成し、この環状体の前記各整流子片が並べられた一面に
    は平面に成形されたブラシ接触面を形成し、他面の外周
    部には前記ブラシ接触面の反対側の面と外周面とに開口
    して前記ブラシ接触面側には貫通しない配線接続溝を設
    け、前記各整流子片の前記絶縁用樹脂が充填された箇所
    と前記間隙とに前記各整流子片と前記絶縁用樹脂との係
    合部を設けたことを特徴とする平面型整流子。
  2. 【請求項2】一面を平面にしてブラシ接触面を形成し、
    他面側に配線接続部と樹脂充填部とを形成した銅製の環
    状体からなる平面型整流子製造用中間加工部品であっ
    て、前記配線接続部には周上等間隔に外周面と前記他面
    側の外周端縁とに開口した多数個の配線接続溝を刻設
    し、前記樹脂充填部には前記各配線接続溝の溝間の各中
    間位置に内周面から外周面まで放射方向に刻設するとと
    もに前記他面から前記ブラシ接触面側へ前記ブラシ接触
    面まで達しない範囲で深く刻設した樹脂充填溝と、内周
    面側に突出して樹脂充填後に充填樹脂に被覆される係合
    部とを形成したことを特徴とする銅製環状体部品。
  3. 【請求項3】中央空間部に中心側へフランジを突出した
    環状体に形成されたフランジ据込部品の外周部に、押出
    加工圧よりも低めのプレス圧により各加圧箇所の余肉を
    外周側に押し出して配線接続溝を刻設した加工中間部品
    を成形し、その加工中間部品の各余肉をトリミング加工
    により一括除去して溝加工部品を成形し、この溝加工部
    品に形成されている各配線接続溝の溝間の中間位置に樹
    脂充填溝を内周面から外周面まで放射方向に刻設しかつ
    一面側からその反対面側へこの反対面に形成されたブラ
    シ接触面までは貫通しない程度に深く刻設し、この各樹
    脂充填溝に溝幅より径の大きい丸穴を穿設し、内径側に
    係合突起を突出した銅製環状体部品を成形し、この銅製
    環状体部品の絶縁箇所に絶縁用樹脂をモールディングし
    て前記各樹脂充填溝の間を絶縁して整流子片分離の前段
    階の形態に成形し、その後、絶縁用樹脂を充填した各樹
    脂充填溝の刻設位置にブラシ接触面側から整流子片分離
    用の溝を刻設して各整流子片を互いに分離し絶縁するこ
    とを特徴とする平面型整流子の製造方法。
  4. 【請求項4】前記加工中間部品の成形には、前記フラン
    ジ据込部品におけるブラシ接触面とは反対側の面の外周
    端部に多数の板状部材の端面を押出加工圧よりも低めの
    プレス圧で押圧することにより、余肉を外周面側に押し
    出して、この外周面に開口しブラシ接触面側に貫通しな
    い配線接続溝を刻設したことを特徴とする請求項2記載
    の平面型整流子の製造方法。
  5. 【請求項5】一面を平面にしてブラシ接触面を形成した
    環状体の外周端部に押出加工圧よりも低めのプレス圧に
    より押圧して各加圧箇所の余肉を外周側に押し出して配
    線接続溝を刻設し、前記各余肉と前記環状体の外周面の
    表層とをトリミング加工により一括除去し、前記各配線
    接続溝の溝間の中間位置に樹脂充填溝を内周面から外周
    面まで放射方向にかつ前記ブラシ接触面とは反対側の面
    から前記ブラシ接触面側へ前記ブラシ接触面まで達しな
    い程度に深く切削し、さらに前記各樹脂充填溝に溝幅よ
    り径の大きい丸穴を穿設し、前記環状体の内周面近傍に
    前記ブラシ接触面とは反対側の面から押圧して断面がV
    形の溝を刻設することにより内径側に充填樹脂との係合
    突起を突出させたことを特徴とする銅製環状体部品の製
    造方法。
  6. 【請求項6】上型と下型との間に挟持される工作物を軸
    方向へ移動可能に支持する円筒部材とその円筒部材に外
    嵌する複数の分割型とを基台とラムとの間に配設し、前
    記円筒部材の外周部と前記各分割型の内周部には溝加工
    用刃部となる板状部材を軸方向へ相対的に移動可能に内
    蔵する円筒部材側の案内溝と分割型側の案内溝とを必要
    個数につき周上等ピッチに刻設し、各分割型側の案内溝
    と板状部材との間の間隙を精密加工の公差範囲内に設定
    して、加工時には前記円筒部材とともに工作物を前記分
    割型に対して軸方向へ相対的に移動可能にしたことを特
    徴とする溝加工用金型。
  7. 【請求項7】前記間隙を100分の3mm以内に設定するこ
    とを特徴とする請求項4記載の溝加工用金型。
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KR101273780B1 (ko) * 2010-12-23 2013-06-12 유장호 직류 전동기
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