JP2003163709A - シンボルタイミング検出回路及び多値位相変調信号の受信装置 - Google Patents

シンボルタイミング検出回路及び多値位相変調信号の受信装置

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JP2003163709A
JP2003163709A JP2001361221A JP2001361221A JP2003163709A JP 2003163709 A JP2003163709 A JP 2003163709A JP 2001361221 A JP2001361221 A JP 2001361221A JP 2001361221 A JP2001361221 A JP 2001361221A JP 2003163709 A JP2003163709 A JP 2003163709A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多値位相変調方式を用いた復調回路におい
て、短時間でシンボルタイミングを検出でき、かつ、復
調シンボルのパターン偏りに依存しないシンボルタイミ
ング検出回路及び多値位相変調信号の受信装置を提供す
る。 【解決手段】 シンボルタイミング検出部1bが、位相
変調信号のシンボルクロックと同一速度のクロックを複
数タイミングで出力する複数タイミングクロック出力部
11と、複数タイミングで出力されたクロックのそれぞ
れと位相変調信号のシンボルクロックとの差分量を表す
尤度データを複数出力する尤度データ出力部15と、複
数の尤度データを比較し尤度の優れた最良尤度データを
表す比較結果信号を出力する比較部13と、複数の尤度
データのうちの基準位相データに一致する尤度データを
シンボルクロックと同一速度及び同一位相を有するシン
ボルタイミングとして選択する選択部14とをそなえて
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、復調回路に関し、
特に位相量2πを量子化するQPSK(Quadrature Pha
se Shift Keying)復調回路に用いて好適な、シンボル
タイミング検出回路及び多値位相変調信号の受信装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】QPSK変調方式/QPSK復調方式を
用いたディジタル無線通信においては、受信機の復調回
路は、送信機にてQPSK変調された無線信号を、予め
準備した位相の異なる、例えば4種類の複数のシンボル
クロックを用いて復調する。この復調回路は、4種類の
シンボルクロックを用いて復調した4種類の再生データ
の尤度(ゆうど)に基づいて、各シンボルクロックのシ
ンボル精度を判断し、最良のタイミングを選択すること
によりシンボル同期を確定させるものである。この尤度
は、おおよそ、確からしさを意味し、尤度データ(尤度
情報)等によっても表されることが多い。
【0003】QPSK復調回路(QPSK復調器)を有
する無線装置は、低消費電力化のため、受信時以外のと
きは、受信動作を停止させることが望まれている。この
半面、受信動作の回路を停止させると、受信機における
受信シンボル同期が失われるため、受信機は再度シンボ
ル同期を確立させる必要がある。従って、短時間で精度
のよいシンボルタイミングを検出する方法が望まれてい
る。
【0004】QPSK変調方式を用いたPDC(Person
al Digital Cellular)システムにおいて、送信機は、
情報データを差動符号化し、21kHz(キロヘルツ)
の伝送速度を有するシンボルに変換して送信している。
このため、受信機は、シンボルの位置を正確に知る必要
があり、精度の高いクロック再生回路を設けなければな
らない。
【0005】図28(a)〜図28(d)はそれぞれシ
ンボルタイミングの検出方法を説明するための図であ
る。この図28(a)に示すように、位相平面におい
て、送信シンボルは、「00」,「01」,「10」,
「11」の4点のうちのいずれか一点にマッピングされ
る。図28(b)は送信されるシンボルの模式図であ
り、シンボルは(1/21kHz)秒ごとに切り替わっ
て送信されるようになっている。図28(c)は受信機
におけるアイパターンを示す図である。受信機は、図2
8(c)に示すアイパターンの開口点P1にてシンボル
を判定する必要があり、判定した結果は、図28(d)
に示す復調シンボルが得られるのである。
【0006】ここで、図28(a)に示す信号点のうち
の例えば「00」から「01」,「11」に移動すると
きと、「00」から「10」に移動するときとでは、信
号点距離の相違があり、この相違に基づいて図28
(c)に示す変化点(クロスポイント)P2の位置は多
少変動する。このため、受信機は、複数の受信シンボル
について変化点P2の位置を平均化するようにし、正確
にシンボルを検出できるようにしている。例えば2ms
(ミリ秒)の間において受信した多数のシンボルについ
て、その変化点P2の位置を保持し、その位置を平均化
する技術が知られている。
【0007】図29(a)〜図29(d)はそれぞれ変
化点の検出方法を説明するための図である。図29
(b)に示すクロックは、図29(a)のアイパターン
の正確な位置を示すものである。すなわち、クロックの
立ち上がりがアイパターンの開口部に一致している状態
である。また、図29(c),図29(d)に示すクロ
ックは、受信機が有する21kHzのクロックであっ
て、それぞれ、クロックが進んでいる場合(立ち上がり
ポイントが正確な位置よりも早く到来する場合),クロ
ックが後れている場合(立ち上がりポイントが正確な位
置よりも遅く到来する場合)とのそれぞれ相当する。受
信機は、この位置決めのために、21kHzよりも高速
なクロック(例えば500kHz)のクロックを予め準
備し、21kHzのクロックの立ち上がり位置のずれを
微調整するのである。
【0008】図30は従来のQPSK復調器のブロック
図である。クロックの位置ずれを調整するために、図3
0に示すシンボルタイミング検出部(検出回路)500
は、ディジタルPLL(Phase Locked Loop)回路(以
下、PLLと称する。)501を用いて、受信した変調
信号(受信変調波)の再生データの変化点(変化点検出
部502参照)に収束するシンボルタイミングを検出し
ていた。
【0009】よく知られているように、PLL回路50
1は、VCO(Voltage ControlledOscillator:電圧制
御発振器;図示省略)と、基準発振器(図示省略)と、
それらの周波数をカウントするカウンタ501cと、位
相比較部501aと、フィルタ501bとからなるルー
プからなる。例えば21kHzの周波数を得るために
は、主制御部がVCOを21個のパルス入力により1個
のパルスが出るように設定し、基準発振器から出力され
る1kHzの周波数と位相とを比較する。ここで、VC
O出力の位相が基準発振器出力の位相より進んで(又は
遅れて)いる場合、主制御部は、VCO出力の周波数を
下げる(又は上げる)ようにVCOを制御する。これに
より、受信機は、受信信号に追従したクロックを生成で
きる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
シンボルタイミング検出回路に用いられるPLLは、受
信した変調信号の再生データの変化点に収束するように
動作するため、このPLLが収束するために要する時間
のずれが生じていた。また、復調シンボルが長く連続
し、例えば「11」のように、そのシンボルパターンに
偏りが存在する場合、収束する位相は、このパターン偏
りの影響を受信すると、これにより、パターン依存によ
る位相ずれを生じるという課題がある。
【0011】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、多値位相変調方式を用いた復調回路におい
て、短時間でシンボルタイミングを検出でき、かつ、復
調シンボルのパターン偏りに依存しないシンボルタイミ
ング検出回路及び多値位相変調信号の受信装置を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のシン
ボルタイミング検出回路は、位相変調された信号のシン
ボルクロックと同一速度のクロックを複数のタイミング
で出力する複数タイミングクロック出力部と、複数のタ
イミングで出力されたクロックのそれぞれと、位相変調
された信号のシンボルクロックとの差分量を表す尤度デ
ータを複数出力する尤度データ出力部と、尤度データ出
力部から出力された複数の尤度データを比較し尤度の優
れた最良尤度データを表す比較結果信号を出力する比較
部と、複数の尤度データのうちの基準位相データに一致
する尤度データをその最良尤度データと判定して選択す
る選択部とをそなえて構成されたことを特徴としている
(請求項1)。
【0013】また、本発明のシンボルタイミング検出回
路は、多値位相変調された受信信号のシンボルクロック
と同一速度のクロックを複数の異なる位相タイミングで
出力する複数タイミングクロック出力部と、異なる位相
タイミングで出力されたクロックのそれぞれと、多値位
相変調された受信信号のシンボルクロックとの位相差分
量を表す尤度データを複数出力する尤度データ出力部
と、尤度データ出力部から出力された複数の尤度データ
を比較し尤度の優れた最良尤度データを表す比較結果信
号を出力する比較部と、複数の尤度データのうちの位相
π/2の整数倍の基準位相データに一致する尤度データ
をその最良尤度データと判定して選択する選択部とをそ
なえて構成されたことを特徴としている(請求項2)。
【0014】さらに、本発明のシンボルタイミング検出
回路は、4相位相変調された受信信号のシンボルクロッ
クと同一速度のクロックを、遅延させて複数の異なる位
相タイミングで出力する複数タイミングクロック出力部
と、遅延により異なる位相タイミングで出力されたクロ
ックのそれぞれと、4相位相変調された受信信号のシン
ボルクロックとの位相差分量を表す尤度データを複数出
力する尤度データ出力部と、尤度データ出力部から出力
された複数の尤度データを比較し尤度の優れた最良尤度
データを表す比較結果信号を出力する比較部と、複数の
尤度データのうちの位相0,π/2,π,3π/2のう
ちの選択された一の位相に一致する尤度データをその最
良尤度データと判定して選択する選択部とをそなえて構
成されたことを特徴としている(請求項3)。
【0015】上記選択部は、シンボルタイミングを、複
数の尤度データについて所定期間積算した積算結果に基
づいて選択するように構成されてもよい(請求項4)。
そして、本発明の多値位相変調信号の受信装置は、位相
変調された信号を受信する受信部と、位相変調された信
号のシンボルクロックと同一速度のクロックを用いて位
相変調された信号に起因する信号が有するシンボルクロ
ックと同一速度及び同一位相を有するシンボルタイミン
グを出力するシンボルタイミング検出回路と、シンボル
タイミング検出回路から出力されるシンボルタイミング
を用いて位相変調された信号を復調する復調回路とをそ
なえ、シンボルタイミング検出回路が、位相変調された
信号のシンボルクロックと同一速度のクロックを複数の
タイミングで出力する複数タイミングクロック出力部
と、複数のタイミングで出力されたクロックのそれぞれ
と、位相変調された信号のシンボルクロックとの差分量
を表す尤度データを複数出力する尤度データ出力部と、
尤度データ出力部から出力された複数の尤度データを比
較し尤度の優れた最良尤度データを表す比較結果信号を
出力する比較部と、複数の尤度データのうちの基準位相
データに一致する尤度データをその最良尤度データと判
定して選択する選択部とをそなえて構成されたことを特
徴としている(請求項5)。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (A)本発明の第1実施形態の説明 図1は本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの
概略的な構成図である。この図1に示す無線通信システ
ム100は、例えば携帯電話等の移動無線通信システム
であって、無線信号を送信し、例えば基地局として機能
する送信機50と、送信機50からの無線信号を受信
し、例えば移動局として機能する受信機10とをそなえ
て構成されている。この送信機50は、情報データをベ
ースバンド処理しベースバンド信号を出力するベースバ
ンド処理部50aと、ベースバンド信号をQPSK変調
して中間周波数信号を出力するQPSK変調部50b
と、QPSK変調された中間周波数信号を2回周波数変
換して無線信号を出力する周波数変換部50cと、無線
信号を高いパワーに増幅して出力する高出力アンプ50
dと、無線信号を送信する送信アンテナ50eとをそな
えて構成されている。
【0017】また、受信機10は、無線信号を受信する
受信アンテナ10aと、受信した無線信号を低ノイズで
増幅する低ノイズアンプ10bと、増幅された無線信号
を2回周波数変換して中間周波数信号を出力する周波数
変換部10cと、その中間周波数信号についてQPSK
復調しベースバンド信号を出力するQPSK復調器(多
値位相変調信号の受信装置)1と、ベースバンド信号を
ベースバンド処理して情報データを出力するベースバン
ド処理部10dとをそなえて構成されている。ここで、
受信アンテナ10a、低ノイズアンプ10b、周波数変
換部10cが協働することにより、位相変調された信号
(例えば多値位相変調された信号)を受信する受信部と
して機能している。
【0018】なお、送信機50、受信機10の送信アン
テナ50e、受信アンテナ10aを送受信で共用可能な
ものを用いるとともに、それぞれ、アンテナ共用器を設
けることにより、送信機50、受信機10はいずれも送
受信の両方の機能を発揮することもできる。これによ
り、情報データ(例えば音声符号化された音声データ)
は、ベースバンド処理され、21kHzの伝送速度の情
報データ信号が、QPSK変調部50bにてマッピング
され、周波数変換部50c、高出力アンプ50d、送信
アンテナ50eをそれぞれ介して送信される。そして、
無線信号は、受信機10において、受信部として機能す
る受信アンテナ10a、低ノイズアンプ10b、周波数
変換部10cのそれぞれを介して前段処理され、QPS
K復調器1にてQPSK復調されてから、ベースバンド
処理部10dにてベースバンド処理され、情報データが
出力される。また、例えば音声データは、音声復号化さ
れた後、スピーカ(図示省略)等から音声が出力される
のである。
【0019】なお、この無線通信システム100は、後
述する第2実施形態,第3実施形態及び各変形例におい
ても、特に断らない限り、同様である。図2は本発明の
第1実施形態に係るQPSK復調器1の概略的なブロッ
ク図である。この図2に示すQPSK復調器1は、復調
部(復調回路)1aと、シンボルタイミング検出部(シ
ンボルタイミング検出回路)1bとをそなえて構成され
ている。
【0020】復調部1aはシンボルタイミング検出部1
bから出力されるシンボルタイミングを用いてQPSK
変調された信号を復調するものであり、シンボルタイミ
ング検出部1bは位相変調された信号のシンボルクロッ
クと同一速度のクロックを用いてQPSK変調された信
号を受信して周波数変換された信号が有するシンボルク
ロックと同一速度及び同一位相を有するシンボルタイミ
ングを出力するものであって、位相変調された信号のシ
ンボルクロックと同一速度のクロックを出力するクロッ
ク生成部1cを有する。
【0021】これにより、受信部を構成する周波数変換
部10cからの中間周波数信号は、復調部1aにてQP
SK復調されるようになっている。ここで、クロック生
成部1cから出力されるクロックの速度(クロック速
度)は受信信号のクロック速度と同一である一方、クロ
ック生成部1cから出力されるクロック位相は受信信号
のクロック位相とずれている。このため、シンボルタイ
ミング検出部1bは、クロック生成部1cからのクロッ
ク位相を受信信号のクロック位相と一致させるのであ
る。そして、受信信号のクロック速度及びクロック位相
と同一のクロック速度及びクロック位相が、いずれも、
復調部1aに入力され、復調部1aにて復調された信号
がベースバンド処理部10dに入力されるのである。
【0022】図3は本発明の第1実施形態に係るシンボ
ルタイミング検出部1bの概略的なブロック図である。
この図3に示すシンボルタイミング検出部1bは、複数
タイミングクロック出力部11と、尤度データ出力部1
5と、比較部13と、選択部14とをそなえて構成され
ている。ここで、複数タイミングクロック出力部11
は、位相変調された信号(例えば多値位相変調された受
信信号のことをいう。具体的にはQPSK変調された受
信信号である。)のシンボルクロックと同一速度のクロ
ックを、例えば4種類のタイミング(4種類の異なる位
相タイミング)で出力するものであって、クロック生成
部1c,1/4遅延部(1/n遅延部:nは整数を表
し、本実施形態においては4である。)11a,2/4
遅延部(2/n遅延部)11b,3/4遅延部(n−1
/n遅延部)11cをそなえて構成されている。
【0023】これらの1/4遅延部11a,2/4遅延
部11b及び3/4遅延部11cは、それぞれ、クロッ
ク生成部1cからの位相変調された信号のシンボルクロ
ックと同一速度のクロックを入力され、そのクロックの
周期の1/4,2/4及び3/4遅延(以下、1/4,
2/4及び3/4遅延を1/4遅延等と称する。)させ
て出力するものである。なお、シンボルクロックの名称
について、以下、クロック生成部1c,1/4遅延部1
1a,2/4遅延部11b及び3/4遅延部11cから
出力されるシンボルクロックを、それぞれ、シンボルク
ロック1,シンボルクロック2,シンボルクロック3及
びシンボルクロック4と称する。
【0024】図4(a)〜図4(d)はそれぞれ本発明
の第1実施形態に係るシンボルタイミング検出部1bを
説明するためのタイムチャートである。この図4(a)
に示すアイパターンの中央部が、シンボルタイミングと
して理想的なポイント(理想ポイント)である。また、
図4(b)に示す「シンボルクロック1」は、クロック
生成部1c(図3参照)から出力されたものであり、
「1/4遅延」等は、シンボルクロック1を1/4周期
だけずらしたものである。さらに、図4(c)に示すタ
イムチャートは、それぞれ、シンボルクロック1及び1
/4遅延等のクロックを用いて復調したときの復調デー
タである。そして、図4(d)に示す尤度データ比較タ
イミングは、各復調データの尤度を比較するためのもの
である。すなわち、複数タイミングクロック出力部11
は、QPSK変調された受信信号のシンボルクロックと
同一速度のクロックを、遅延させて4種類の異なる位相
タイミングで出力するのである。
【0025】図5(a),図5(b)はそれぞれ本発明
の第1実施形態に係る理想ポイントを説明するための図
である。この図5(a)に示す位相平面は、8種類の位
相ポイントを有し、これらの位相ポイントが、図5
(b)に示す尤度データと対応づけられているのであ
る。一例として、位相尤度について、位相量2πを32
分割する量子化カウンタを用いた場合においては、再生
データの差動結果(差分結果)の理想ポイントが、(π
/2)×nなので、位相値は、(π/2)×nポイント
で正規化されるようになっている。具体的には、位相値
0〜7のそれぞれが、尤度データ0〜3に割り当てられ
る。換言すれば、尤度データは、シンボルクロックと理
想ポイントとの間の近さを測る指標なのである。
【0026】従って、シンボルクロックの位相が理想位
相に近ければ、再生データの尤度データ(位相尤度値)
も小さくなる。これにより、尤度データから逆に、シン
ボルクロックのシンボル精度を推測できる。また、尤度
データ出力部15(図3参照)は、4種類のタイミング
(異なる位相タイミング[遅延により異なる位相タイミ
ング])で出力されたクロックのそれぞれと、QPSK
変調された信号(受信信号)のシンボルクロックとの差
分量(位相差分量)を表す尤度データを4種類出力する
ものである。
【0027】この尤度データについて更に詳述する。本
発明に係る尤度データは8種類(3ビット)のデータを
有する(図5(a),図5(b)参照)。ここで、8種
類にされている理由は、尤度データと理想ポイントとの
距離を、位相平面における第1象限だけで得られるよう
にするためである。第1象限だけで得るという意味は、
第2〜第4象限に位置する差分結果を、全て第1象限内
の差分結果に縮退させることを意味する。例えば、位相
差分量は、4種類のタイミングで出力されたクロック
と、QPSK変調された受信信号のシンボルクロックと
の差分演算によって得られ、その結果は−2π〜+2π
の間の値を取りうる。そして、その結果のうちの、第1
象限以外に位置する結果を全て第1象限内にマッピング
して計算するのである。
【0028】このため、尤度データ出力部15は、4種
類の差動演算部12a〜12dを有する。これらの差動
演算部12a〜12dは、それぞれ、受信変調信号と、
クロック生成部1cからのクロック又は1/4遅延等さ
れたクロックとを入力され、それらの差分データを出力
するようになっている。これらの差動演算部12a〜1
2dから出力されるデータは、それぞれ、尤度データ
1,尤度データ2,尤度データ3及び尤度データ4と称
し、以下、特に断らない限り、同様である。
【0029】これらの差動演算部12a〜12dの構成
と、第1象限における尤度データの表現とについて、図
6及び図7(a)〜図7(h)を用いて説明する。図6
は本発明の第1実施形態に係る差動演算部12aのブロ
ック図である。この図6に示す差動演算部12aは、受
信したQPSK変調信号(以下、受信変調信号と称す
る。)の位相を量子化するための位相量子化カウンタ
(5ビットカウンタ)193と、受信変調信号とクロッ
ク同期した信号(受信したQPSK変調信号をリタイミ
ングした信号)を得るためのフリップフロップ(以下、
FF[Flip Flop]と称する。)194と、位相量子化
カウンタ193の値を受信変調信号を用いてサンプリン
グするためのFF195と、サンプリングした位相をシ
ンボルクロックで保持するためのFF196と、差動演
算した結果(差動論理)を得るための1シンボル遅延デ
ータを作るためのFF197と、差動演算するための減
算部198と、差動結果の下位3ビットの値を絶対値に
変換する絶対値生成部(論理回路)199とをそなえて
構成されている。なお、位相量子化カウンタ193,減
算部198,絶対値生成部199の機能は、例えば論理
回路により実現される。
【0030】また、位相量子化カウンタ193等に入出
力されるデータを説明する。200を付したものは位相
量子化カウンタ193の基準クロック(14.484M
Hz[メガヘルツ])であり、201を付したものは受
信変調信号(450kHz)であり、202を付したも
のは21kHzのシンボルクロックであり、203を付
したものは位相量子化カウンタ193の出力である。さ
らに、204を付したものは基準クロックに同期した受
信変調信号であり、205を付したものは受信変調信号
でサンプリングされた量子化位相を表すものであり、2
06を付したものは量子化位相(シンボル位相データ)
であってシンボルクロックに同期したものである。そし
て、207を付したものは減算部198にて差動論理を
得るための1シンボル遅延シンボルデータであり、20
8を付したものは差動演算により得られた再生データの
下位3ビットを表し、209を付したものは再生データ
の下位3ビットの絶対値を表すデータである。210を
付したものは絶対値生成部199にて得られる絶対値生
成論理の真理値表である。
【0031】なお、差動演算部12b,12c及び12
dは、いずれも、差動演算部12aと同様の構成である
ので、重複した説明を省略する。次に、差動演算部12
aの詳細な動作と、第1象限における尤度データの表現
とについて図7(a)〜図7(h)を用いて説明する。
また、差動演算部12b〜12dについても、差動演算
部12aと同様である。
【0032】図7(a)〜図7(h)はそれぞれ本発明
の第1実施形態に係る差動演算部12aを説明するため
のタイムチャートである。図7(a),図7(b)はそ
れぞれ受信変調信号(アイパターン),450kHzの
サンプリングクロックを示し、また、図7(c)はその
サンプリングされた位相値を示すものであって0〜31
の32種類の正規化された値及び0〜31を2進数表現
した値である。さらに、図7(e),図7(f)にそれ
ぞれ示すデータは、シンボルデータ,前シンボルデータ
であって、これらのシンボルデータ,前シンボルデータ
は、いずれも、シンボルクロック(図7(d)参照)の
立ち上がりクロックにおいて更新されるようになってい
る。ここで、前シンボルデータはシンボルデータを1シ
ンボルクロックだけ遅延させたものである。
【0033】そして、シンボルデータと前シンボルデー
タとの差分が計算されて、図7(g)に示すように差動
復調データとして出力され、この差動復調データの下位
3ビットが尤度データとして出力されるのである。例え
ば16[DEC](10000[BIN])から24[DEC]
(11000[BIN])を減算すると(DEC,BINはそれ
ぞれ10進数,2進数を表す。)、キャリーが考慮され
て、(16+32)から24が減算されて24が得られ
る。また、9[DEC](01000[BIN])から16
[DEC](10000[BIN])の減算は、(9+32)
から16を減算することにより、25が得られる。
【0034】次に、第1象限における尤度データの表現
について説明する。図7(g)に示す差分復調データ
は、0〜31[DEC]又は00000〜11111[BI
N]で表される。この2進数のうちの上位2ビットは、
4種類の象限(ビット値00〜11)を表すものであ
り、下位3ビットは、その各象限における位相ポイント
を表す。発明者は、下位3ビットだけを用いて、尤度デ
ータを処理するようにした。
【0035】これにより、第2〜第4象限に属する信号
の演算について、第1象限における信号処理と同様にで
きる。また、例えば、各象限間で重複したデータが不要
となるので、例えばメモリを効率的に使用できる。この
ように、差動演算部12aから尤度データが出力され、
この尤度データに対応づけられたシンボルクロックの位
相が高い精度で得られる。
【0036】なお、差動演算部12b〜12dは、差動
演算部12aと同様なものなので、重複した説明を省略
する。次に、図3に示す比較部13は、尤度データ出力
部15から出力された4種類の尤度データを比較し尤度
の優れた最良尤度データ(最優尤度データ)を表す比較
結果信号を出力するものである。この比較結果信号の一
例は、差動演算部12a〜12dのいずれかを識別する
信号である。
【0037】選択部14は、4種類の尤度データのうち
の基準位相データ(位相π/2の整数倍の基準位相デー
タ)に一致する尤度データを最良尤度データと判定して
選択するものである。具体的には、選択部14は、4種
類の尤度データのうちの位相0,π/2,π,3π/2
のうちの選択された例えばπ/2に一致する尤度データ
を最良尤度データと判定して最良尤度データをシンボル
クロックと同一速度及び同一位相を有するシンボルタイ
ミングとして選択する。なお、以下、特に断らない限
り、この選択部14の出力を選択シンボルクロックと称
する。
【0038】上述のごとく構成された本発明の第1実施
形態におけるシンボルタイミング検出部1bの検出方法
について、図3,図6及び図7(a)〜図7(h)を参
照して詳述する。図3に示すクロック生成部1cからの
シンボルクロック1は、1/4遅延部11a,2/4遅
延部11b,3/4遅延部11cにて、それぞれ、シン
ボル周期の1/4,2/4,3/4だけ遅延させられ、
シンボルクロック2,3,4が生成され、これらのシン
ボルクロック2〜4は、差動演算部12a〜12dに入
力される。
【0039】そして、図6に示す差動演算部12a〜1
2dにおいて、それぞれ、基準クロック(シンボルクロ
ック2〜4)と受信変調信号とが、FF195に入力さ
れ、このFF195にて、受信変調信号は、位相量子化
カウンタ193の値がサンプリングされて位相量子化さ
れたサンプリング位相(サンプリング値)が生成され
る。このサンプリング位相は、このサンプリング位相と
シンボルクロック周期間隔だけ離れたデータとの差動
(差分)を計算されてデータ再生される。
【0040】さらに、減算部198にて差動演算を計算
され、その再生データは、シンボルクロック1〜4の位
相が正しい場合は、(π/2)×4の値を有する差動結
果208として得られる。このときの差動結果208の
下位3ビットは、”000”となる。ここで、シンボル
クロック1〜4の精度が悪化すると、下位3ビットの値
は、ばらつきを生じるので、絶対値生成部199にて絶
対値が計算されて尤度データが生成される。すなわち、
差動結果の絶対値が再生データの尤度データとして扱わ
れるのである。なお、第1実施形態においては、尤度デ
ータは0,1,2,3の4段階で区別されているため、
尤度データは2ビットのデータとなる。
【0041】このように、差動演算部12aは、受信変
調信号をシンボルクロック1を用いて復調し、再生デー
タの位相が、(π/2)の倍数からどの程度離れている
か(偏差)を表す尤度データ1を生成する。同様に、差
動演算部12b,12c,12dは、それぞれ、受信変
調信号をシンボルクロック2,3,4を用いて復調し、
尤度データ2,3,4を生成する。
【0042】また、このように、シンボルクロックの位
相精度が、復調再生データから正しいクロックタイミン
グを判断するための判断部として機能する。続いて、図
3に示す比較部13は、尤度データ1,尤度データ2,
尤度データ3及び尤度データ4の尤度を比較し、最良尤
度データを選択して、差動演算部12a〜12dのうち
の一つを選択するための比較選択信号を出力する。この
例は、差動演算部12a〜12dの数が4種類であるの
で、2ビット値00〜11が出力される。
【0043】選択部14は、この比較選択信号により、
シンボルクロック1〜4のうちの対応するシンボルクロ
ックを選択し、その対応するシンボルクロックを選択シ
ンボルクロックとして出力する。このようにして、差動
演算部12aにおいて、位相尤度が生成されるので、短
時間でシンボルタイミングを検出でき、かつ、復調シン
ボルのパターン偏りに依存しないシンボルタイミングが
得られる。
【0044】また、差動演算回路は、5種類以上設ける
こともでき、さらに、一般化してn種類の差動演算回路
を設けることもできる。これらの構成は、上記の4種類
の場合のものとほぼ同様である。従って、本シンボルタ
イミング検出部1bを用いることにより、位相量2πを
量子化する検波回路を有するQPSK復調器の選択部1
4が、シンボル周期を例えば4等分する4種類のタイミ
ングをもつシンボルクロックを有し、各タイミングで遅
延検波の差動結果を得て一番尤度の高いクロックタイミ
ングを理想のシンボルタイミングと判断して選択でき
る。
【0045】これにより、±1/4の精度を有するシン
ボルクロックを1回の差動論理又は2シンボルの時間内
に得ることができる。ところで、別態様として、尤度の
高いクロックタイミングを得るために、尤度を積算して
得ることも可能である。図8は本発明の第1実施形態の
第1変形例に係るシンボルタイミング検出部20cのブ
ロック図である。この図8に示すシンボルタイミング検
出部20cは、選択部14,尤度比検出部22,遅延量
生成部23,遅延部11eをそなえて構成されている。
【0046】ここで、選択部14は、シンボルタイミン
グを、最良尤度データの前後に位置する前側尤度データ
及び後側尤度データを抽出し、前側尤度データ及び後側
尤度データの差分量を表す尤度比データを計算し、尤度
比データに対応する遅延量を用いて最良尤度データをず
らした偏差尤度データを選択するようになっている。換
言すれば、選択に当たり、差動の結果、尤度が一番優れ
たタイミングの前後する2種類のタイミングが選択さ
れ、それぞれの尤度結果で重み付けした割合に基づい
て、対応する2種類のタイミング間に偏りをもたせたタ
イミングが選択されるのである。
【0047】この選択部14は、さらに、一番尤度の優
れたシンボルクロックに対して時間的に早いタイミング
のものを選択シンボルクロックとして出力するようにも
なっている。これにより、シンボルクロックの数に依存
する量子化誤差が減少し、シンボル位相検出精度が向上
する。なお、選択部14が時間的に早いタイミングのも
のを選択する態様については後述する。
【0048】また、尤度比検出部22は、尤度が一番優
れた最良尤度データに対して時間的に前後する尤度デー
タ間の差分を表す差分結果を計算しこの差分結果に対応
した尤度比データを生成するものである。遅延量生成部
23は、尤度比検出部22にて生成された尤度比データ
に対応する選択遅延量を生成するものであり、そして、
遅延部11eは、選択部14から出力された選択シンボ
ルクロックを、遅延量生成部23にて生成された選択遅
延量に相当する分だけ遅延させ、遅延選択シンボルクロ
ックとして出力するものである。これらの機能は、例え
ば論理回路又はフリップフロップ等により実現される。
【0049】図9は本発明の第1実施形態の第1変形例
に係る比較部13bのブロック図であり、尤度比検出部
として機能している。この図9に示す比較部13bは、
ANDゲート(ANDと付したもの),ORゲート(O
Rと付したもの)及びROM(Read Only Memory)25
6を有する。2種類の比較選択信号と4種類の尤度デー
タ1〜4とが、それぞれ、ROM256に入力され、こ
の入力の組み合わせ論理に基づいて所定のROMデータ
が、比較選択信号として出力されるようになっている。
【0050】一例として、シンボルクロック1を用いて
再生したデータの尤度が一番小さかった場合を説明す
る。比較選択信号は、シンボルクロック1を選択する
と、その値は”00”となるのため、尤度データ2と尤
度データ4とが選択される。ここで、尤度データ2,4
はそれぞれ尤度データ1に対して時間的に前後する尤度
データである。そして、比較選択信号1が”L”である
ため、最良シンボルクロック位相は、尤度データ4及び
尤度データ2間に存在することがわかる。このため、比
較部13bは、シンボルクロック4に対する遅延補正量
を、ROM256から得て、シンボルクロック4につい
て遅延補正し、尤度データ4及び尤度データ2間におけ
る最良位相を生成する。
【0051】このROM256に保持される補正値は、
最良シンボル位相が2点間のどこに存在するかについ
て、尤度データを用いることもできるが、推測値を用い
ることにより、時間的に早い方のシンボルクロックが読
み出される。この読み出しの詳細を図10を用いて説明
する。図10は本発明の第1実施形態の第1変形例に係
る選択部14のシンボルクロックの選択方法例を説明す
るためのフローチャートである。具体的には、選択部1
4は、4種類のシンボルクロックの復調データから得ら
れた尤度データ(加算データ)を用いて、上位2種類の
優れた値を有するシンボルクロックのうちの時間的に早
い方を選択する。ここで、ステップA1〜ステップA1
6は、処理ステップを表し、また、A20〜A35は、
処理を表す。なお、以下に示す処理は、ソフトウェアに
より実行される。
【0052】まず、ステップA1からスタートすると、
選択部14は、データ1がデータ2よりも優れているか
否かを判定し(ステップA2)、データ1がデータ2よ
りも優れていると、「はい」ルートを通り、データ1が
データ3よりも優れているか否かを判定し(ステップA
3)、さらに、そのデータ1がデータ4よりも優れてい
るか否かを判定する(ステップA4)。ここで、優れて
いることを”>”を用いて表示している。
【0053】そして、ステップA4において、選択部1
4は、データ1がデータ2、データ3及びデータ4のい
ずれに対しても優れている場合、データ1が一番優れて
いることを判定する。データ1が一番優れていた場合、
次に優れているのは時間的に前後するデータ2又はデー
タ4のタイミングである。従って、選択部14は、デー
タ2とデータ4とを比較し、値の優れている方をデータ
1の次に優れたデータと判断する。具体的には、選択部
14は、データ2がデータ4よりも優れていた場合、ス
テップA5の「いいえ」ルートを通り、データ1とデー
タ2とを値の優れた2つと選択し、時間的に早いデータ
1のシンボルクロック1を選択すべく選択信号”00”
を出力する(A21)。一方、ステップA5において、
データ4がデータ2よりも優れている場合、「はい」ル
ートを通り、選択部14は、データ4とデータ1とを優
れた2つと選択し、この場合は、データ4のシンボルク
ロックが時間的に早くなるため、シンボルクロック4を
選択すべく、選択信号”11”を出力する(A20)。
【0054】また、選択部14は、ステップA4におい
て、データ1がデータ4よりも優れていないと判断する
と、「いいえ」ルートを通り、ステップA6において、
データ3とデータ1とを比較する。そして、これらの結
果に応じて、それぞれ、A22又はA23に示す信号を
出力する。同様に、選択部14は、ステップA3におい
て、データ1がデータ3よりも優れていないと判断する
と、「いいえ」ルートを通り、ステップA7において、
データ3とデータ4とを比較し、その結果に基づいて、
ステップA8及びA24、A25の処理、又はステップ
A9及びA26、A27の処理のいずれかが実行され
る。
【0055】同様に、選択部14は、ステップA2にお
いて、データ1がデータ2よりも優れていないと判断す
ると、「いいえ」ルートを通り、ステップA10の処理
を行なう。ステップA10において、データ2がデータ
3よりも優れている場合は、「はい」ルートを通り、ス
テップA11、ステップA12及びA28、A29の処
理、又は、ステップA13及びA30、A31の処理の
いずれかが実行される。
【0056】また、選択部14は、ステップA10にお
いて、データ2がデータ3よりも優れていないと判断す
ると、「はい」ルートを通り、ステップA14、ステッ
プA15及びA31、A32の処理、又は、ステップA
14、ステップA16及びA34、A35の処理のいず
れかが実行される。このような構成によって、シンボル
タイミング検出部20において、各シンボルクロックを
用いて再生されたデータの尤度データが積算され、加算
データ1〜4として比較部13bに入力され、この比較
部13bの比較により、加算結果(積算結果)が優れた
連続する2種類のうちの時間的に早いシンボルクロック
を用いて再生されたデータに対応するシンボルクロック
が選択されて比較選択信号が出力される。この比較選択
信号は、選択部14aにて選択され、選択シンボルクロ
ックとして出力され、この選択シンボルクロックは1/
2n遅延部11dにて遅延させられ、復調データの優れ
た2種類のシンボルクロックの中間位相を有する1/2
n遅延選択シンボルクロックが出力されるのである。
【0057】また、シンボルクロックが4種類のときを
例として説明する。シンボルタイミング検出部20の主
制御部(図示省略)は、最良尤度シンボルクロックを尤
度データよりも価値が高いと判断した場合、シンボルク
ロックの分割数以上のシンボル精度を得ることはできな
い。これを防止するため、主制御部は、最良尤度データ
が得られたシンボルクロックに対して時間的に前後する
2種類の尤度データを監視し、2点間の最良尤度となる
位相を尤度比から算出するのである。これにより、シン
ボルクロックの4種類から選択したシンボルクロックの
精度以上のシンボルクロックを生成することができる。
【0058】最良尤度シンボルクロックがシンボルクロ
ック1の場合について説明する、最良尤度のシンボルク
ロックを選択する比較選択信号”00”によって、最良
シンボルクロックに対して時間的に前後するシンボルク
ロックを用いた生成された尤度データ2,4が、図8に
示す論理によって選択される。このとき、尤度データ2
が1で、尤度データ4が3であった場合、最良シンボル
位相は、シンボルクロック4とシンボルクロック2との
間において、シンボルクロック2に近い位相であること
が推測される。
【0059】また、選択する補正遅延量が(π/2)/
4単位で4種類有った場合、尤度データ2と尤度データ
4との値からシンボルクロック2に近い中間位相が予測
されであり、シンボルクロック4の補正を、(π/2)
/4×3だけ補正したシンボルクロック位相が得られ
る。また尤度データ値が等しい場合、両シンボルクロッ
クは理想シンボルクロック位相に対して均等に位相が離
れていると判断できるため、4種類の補正値のうちの中
間の補正値を有する2種類を選択し、時間的に早いシン
ボルクロック4に対して、(π/2)/4×2の補正を
し、シンボルクロック4とシンボルクロック2との間に
おける中間の位相が得られる。
【0060】ここで、選択された尤度データは、比較選
択信号と併せられて、ROM256の入力アドレスとさ
れるようになっている。具体的には、選択された2種類
の尤度データと比較選択信号とに基づいて遅延の方向が
得られ、また、対応する遅延量がROM256より出力
され、選択シンボルクロックの遅延量を選択する選択信
号として出力されるのである。
【0061】なお、尤度を積算して得る方法としては、
図11に示す方法でも可能である。図11は本発明の第
1実施形態の第2変形例に係るシンボルタイミング検出
部のブロック図である。この図11に示すシンボルタイ
ミング検出部20hは、乗算部37a〜37dと、尤度
比検出部22とを有する。乗算部37a〜37dはそれ
ぞれ尤度データ1〜4を入力され、尤度データ1〜4を
自乗した乗算結果1〜4を出力するものである。また、
尤度比検出部22は、乗算結果1〜4を入力され、尤度
比データを出力するものである。これ以外で上記と同一
の信号名を付したものは、上述したものと同様である。
【0062】そして、このような構成によって、尤度デ
ータ1〜4は、乗算部37a〜37dにて自乗され、乗
算結果1〜4が得られる。これらの乗算結果1〜4は、
尤度比検出部22にて、尤度比データとして生成され
る。この尤度比データの表す内容は、最良尤度データに
対して時間的に前後する2種類の乗算結果(例えば、乗
算結果2,3)から推測される最良ポイントまでの遅延
量の比率である。
【0063】このように、予め準備された異なる位相を
有する複数のシンボルクロックを用いて、それぞれ復調
データを再生し、その復調データの正確さの情報を有す
る尤度データを監視できる。また、理想的な位相に近い
シンボルクロックは、この尤度データが他のものに比べ
て優れているため、理想的なシンボルクロックに近いと
判断できる。
【0064】(B)本発明の第2実施形態の説明 第2実施形態においては、クロック選択部を変形した例
を説明する。図12は本発明の第2実施形態に係るシン
ボルタイミング検出部のブロック図である。この図12
に示すシンボルタイミング検出部20は、差動演算部2
2a〜22dと、加算部33a〜33dを含む積算部3
3とが設けられている。
【0065】この差動演算部22a〜22dは、いずれ
も、受信変調信号と、クロック生成部1cからのクロッ
ク又は1/4遅延等されたクロックとを入力され、それ
らの差分データを出力するものである。具体的には、差
動演算部22a〜22dは、いずれも、2ビットの比較
選択信号1,2を入力され、これらの2ビットの論理に
応じて、シンボルタイミング1〜4から1種類のシンボ
ルタイミングを選択出力するようになっている。
【0066】また、積算部33は、加算部33a〜33
dと複数のフリップフロップ(図14を用いて後述す
る)とを有する。加算部33a〜33dは、それぞれ、
差動演算部22a〜22dから出力された尤度データ
と、差動演算部22a〜22dが自ら出力した加算デー
タ(加算結果、積算結果)とを、所望のシンボル分だけ
加算し続けて出力するものである。換言すれば、積算部
33は、例えば7シンボル分だけ加算データを積算(積
分)するのである。そして、選択部14aは、シンボル
タイミングを、例えば4種類の尤度データについて例え
ば7シンボル分だけの期間積算した積算結果に基づいて
選択するものである。選択部14aが尤度データを複数
シンボル加算することにより、シンボルタイミングから
ずれた位相であっても、そのシンボルだけ尤度データが
優れているようにみえたもの誤選択を防止できる。
【0067】なお、図12に示すもので、上述したもの
と同一の符号を有するものは同一のもの又は同様なもの
であるので、更なる説明を省略する。また、第2実施形
態における無線通信システムも、図1に示す無線通信シ
ステム100と同様であって、送信機50及び受信機1
0とを有する。第2実施形態においても、nは4として
説明する。
【0068】これにより、受信変調信号は、差動演算部
22a〜22dにて、シンボルクロック1〜4を用いて
復調され、この復調により得られた尤度データ1〜4
が、加算部33a〜33dにて例えば7シンボル分積算
され、加算結果1〜4が得られる。また、これにより、
選択精度の高いシンボルクロックが得られ、DPLL方
式のシンボルタイミング検出部に対して短時間でシンボ
ルクロックが得られる。
【0069】そして、加算結果1〜4は、比較部13に
て比較され、加算結果1〜4の一番優れたシンボルクロ
ックを選択するための比較選択信号を選択部14に入力
する。選択部14は、この比較選択信号を用いて、対応
するシンボルクロックを、シンボルクロック1〜4のう
ちから選択し、選択シンボルクロックとして出力する。
【0070】図13は本発明の第2実施形態に係る選択
部14aのブロック図であり、選択部14aの入力側
に、尤度比較部21が設けられている。この図13に示
す尤度比較部21は、尤度データ1,2を比較して絶対
値の小さい方を選択しその選択した尤度データ1,2に
関する絶対値をセレクタにより選択するとともに、尤度
データ3、4を比較して絶対値の小さい方を選択しその
選択した尤度データ3、4に関する絶対値をセレクタに
より選択するものである。また、尤度データ1,2に関
する絶対値は、”00”を加算され、2ビットの比較選
択信号として出力され、また、尤度データ3、4に関す
る絶対値も、”10”を加算され、2ビットの比較選択
信号として出力されるようになっている。
【0071】これにより、4種類のデータを選択する信
号は各固有の選択コードを有する。また、選択部14a
は、比較選択信号1,2(符号220,221を付した
もの)とシンボルクロック1〜4とを入力され、積算
し、選択シンボルクロックを出力するようになってお
り、AND(論理積)ゲート211〜218と、4入力
OR(論理和)ゲート219とをそなえて構成されてい
る。
【0072】ここで、予め、比較選択信号”00”,”
01”,”10”,”11”が、それぞれ、シンボルク
ロック1〜4に対応づけられており、例えば選択部14
aに”00”が入力されると、インバータ(黒丸を付し
た端子)にて反転され、ANDゲート212のみが選択
されるようになっている。なお、図13に示す信号名称
については、222〜225はそれぞれシンボルクロッ
ク1〜4であり、226〜229はそれぞれ、シンボル
クロック1〜4のマスク信号であり、230〜233は
それぞれゲーティングシンボルクロック1〜4であり、
234は選択シンボルクロックであり、235は比較選
択信号のクロック選択真理値表である。また、図12に
示す加算部33a〜33dと、図13に示すANDゲー
ト211〜218とORゲート219との機能は、いず
れも、例えば論理回路を用いて実現される。
【0073】このような構成により、図14、図15
(a)〜図15(d)及び図13を用いて尤度データを
積算結果を用いて得る方法について説明する。図14は
本発明の第2実施形態に係る積算方法を説明するための
図であり、積算部33(図12参照)を、より詳細に表
示したものである。この図14に示す積算部33は、加
算部33a〜33dのほかに、フリップフロップ(F
F)34a〜34d,FF34e及びFF35a〜35
dと、エッジ検出部36a,36bと、3ビットカウン
タ36cとをそなえて構成されている。なお、この図1
4に示すもの又は信号名称のうち、上述したものと同一
の符号を有するものは同一のもの又は信号名称を表す。
【0074】加算部33a〜33dは、それぞれ、尤度
データ1〜4と、FF34a〜34dの出力とが入力さ
れ、FF34a〜34dに保持されたデータが入力され
た尤度データ1〜4と足し込まれるようになっている。
また、FF34a〜34dは、シンボルクロック1〜4
で動作する一方、加算部33a〜33dは、シンボルク
ロック1〜4が入力されない。従って、各クロックごと
に、加算部33a〜33dの出力がFF34a〜34d
に足し込まれ、この値が保持されるのである。すなわ
ち、加算部33aとFF34aとがループを形成してお
り、FF34aからの出力が加算部33aにフィードバ
ックされている。
【0075】また、測定開始信号を表すスタート信号の
入力側にFF34eが設けられており、スタート信号が
入力されると、以下に述べるエッジ検出部36aを介し
て、FF34a〜34dの動作を制御するようになって
いる。さらに、FF34a〜34dからの加算結果が、
FF35a〜35dに移動して加算結果1〜4として出
力される。
【0076】一方、3ビットカウンタ36cは、シンボ
ルクロック1〜4のいずれかのクロック(例えばシンボ
ルクロック4)を入力され、そのクロックをカウントす
るものである。また、エッジ検出部36a,36bは、
いずれも、基準高速クロックを入力されて動作するもの
であり、この基準高速クロックよりも遅い速度(伝送速
度)を有する情報データをサンプリングして、情報デー
タの”H(High)”又は”L(Low)”を判断するもの
である。
【0077】エッジ検出部36aは、スタート信号が入
力されたことを検出すると、リセット信号を出力し、こ
れにより、FF34a〜34dの保持データがクリアさ
れる。一方、エッジ検出部36bは、3ビットカウンタ
36cからのカウント終了信号が入力されたことを検出
すると、測定終了信号を出力し、FF35a〜35dの
動作を停止させる。従って、エッジ検出部36a,36
bは、それぞれ、エッジ検出機能、カウント終了機能の
双方を実現する。
【0078】図15(a)〜図15(d)はいずれも本
発明の第2実施形態に係る積算方法を説明するためのフ
ローチャートであり、積算部33において、加算結果1
〜4がどのようにして出力されるかについて説明する。
ここで、積算のために要するシンボル数は7とし、3ビ
ットカウンタの値が0〜7の間において動作してい
る。”a1”,”b1”,”c1”,”d1”等はいず
れも16進数のデータを表す。
【0079】図15(a)に示すクロックは入力される
4種類のシンボルクロックであり、図15(b)は4種
類のシンボルクロックを用いて得られた尤度データを表
している。また、図15(c)は4種類のシンボルクロ
ックのそれぞれについて積算して得られた尤度データを
表し、また、図15(d)は3ビットカウンタ値及び加
算結果1〜4である。
【0080】外部からスタート信号が入力されると、こ
のスタート信号は、シンボルクロック4を用いてリタイ
ミングされ、エッジ検出されたことが、全回路のリセッ
ト信号として通知され、加算結果が全てクリアされる。
その後、シンボルクロック1から尤度データは再度加算
され、シンボルクロック4が7までカウントされたとき
に、3ビットカウンタ36cのキャリーアウトを用い
て、各加算結果がFF35a〜35dに保持される。
【0081】これにより、各尤度データは、例えば7シ
ンボル分のデータを加算した結果をFF35a〜35d
に保持され、7シンボル分の加算結果として出力され
る。また、7シンボル分積算された尤度データは、1シ
ンボル分の尤度データを用いて比較するよりも、シンボ
ル精度による値の優劣の差が大きくなるため、容易にシ
ンボル位相精度の高いクロックを判定できる。
【0082】さらに、このように、7シンボル分の尤度
データが積算され、この加算結果が一番小さい値を得た
シンボルクロックの位相が有利そうなシンボルクロック
に近いと判断し、それ以降の復帰シンボルクロックとし
て選択する。このように、選択部14aにおいて、差動
結果から得られる尤度データが複数シンボルにわたって
積算され、その積算結果が一番優れているタイミングが
理想的なシンボルタイミングと判断されて選択される。
【0083】そして、図13に示す選択部14aにおい
て、尤度比較部21から入力された比較選択信号1,2
の論理に応じて、シンボルタイミング1〜4から1種類
のシンボルタイミングが指定されて出力される。そし
て、遅延シンボルクロック2〜4を用いた復調も、シン
ボルタイミング検出部1b(図3参照)と同様な回路を
用いて実行され、4種類の尤度データが得られ、尤度比
較部21を用いて得られた比較選択信号により、選択部
14aにてシンボルクロックが選択される。
【0084】(B1)第2実施形態の第1変形例の説明 ところで、各シンボルクロックを用いて再生されたデー
タの尤度データを積算して得た加算結果を用いることも
できる。また、本変形例における無線通信システムも、
図1に示す無線通信システム100と同様であって、送
信機50及び受信機10とを有する。
【0085】図16は本発明の第2実施形態の第1変形
例に係るシンボルタイミング検出部20bのブロック図
であり、この図16に示す比較部13bは、各シンボル
クロックを用いて再生されたデータの尤度データを積算
した積算結果を用いて比較するものである。そして、選
択部14aは、4種類の尤度データについて例えば7シ
ンボル期間積算した積算結果に基づいて尤度データを抽
出し、中間尤度データを選択するようになっている。換
言すれば、選択にあたり、遅延検波差動結果の尤度積算
結果が優れた時間的に隣接する2種類のタイミングが選
択され、その中間のタイミングがシンボルタイミングと
して選択されるのである。
【0086】なお、この図16に示すもので、上述した
ものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の
機能を有するものであるので、更なる説明を省略する。
また、nは4を表す。これにより、尤度データの加算結
果が優れた2種類のシンボルクロックを選択することに
より、尤度が一番優れた最良尤度が得られたシンボルク
ロックの理想点からのずれの方向が検出される。また、
それらの2種類の位相の中間位相をシンボルクロックと
することにより、さらに理想的なシンボル位相に近いシ
ンボルクロックが得られる。
【0087】このように、尤度データの自乗が積算され
るので、理想シンボルクロックの位相範囲予測精度が向
上し、シンボルクロック精度が向上する。また、予測に
より、最良尤度データのシンボルタイミングに対して時
間的に早い方のシンボルタイミングに対する遅延量を算
出でき、遅延させられるので、更に理想的なシンボル位
相に近いシンボルクロックが得られる。このシンボルク
ロックの数に依存する量子化誤差が減少し、シンボル位
相検出精度が向上する。
【0088】なお、変形態様として、尤度の積算結果を
尤度の自乗の積算結果を用いることもできる。図17は
本発明の第2実施形態の第1変形例に係るシンボルタイ
ミング検出部20gのブロック図である。この図17に
示すシンボルタイミング検出部20gは、乗算部37a
〜37dと積算部33と比較部13とをそなえて構成さ
れている。ここで、積算部33は、加算部33a〜33
dを有する。この図17に示すもので上述したものと同
一の符号を有するものは同一のものを表し、また、nは
4を表す。
【0089】そして、尤度データ1は、乗算部37aに
て自乗され乗算結果1が得られ、加算部33aにて所望
の例えば7シンボル分積算されて、加算結果1が得られ
る。尤度データ2〜4についても同様である。これによ
り、各加算部33a〜33dにて7シンボル分積算さ
れ、加算結果が得られる。また、比較部13は、4種類
を比較し、積算結果が一番優れたタイミングに対して時
間的に早い隣接するシンボルクロックを選択するための
比較選択信号を出力するのである。
【0090】従って、本発明の選択部14aが、シンボ
ルタイミングを、4種類の尤度データの自乗値について
7シンボル期間積算した積算結果に基づいて前側尤度デ
ータ及び後側尤度データを抽出し、偏差尤度データを選
択するように構成されたことになる。また、このように
すれば、理想シンボル位相範囲予測精度が向上し、シン
ボル位相検出精度が向上する。
【0091】換言すれば、積算するデータを尤度データ
の自乗とすることにより、シンボルタイミングからずれ
たシンボルクロックの尤度積算結果が大きくなり、これ
により、選択された加算結果の優れた2種類のシンボル
クロックから予測される理想的なシンボルタイミングの
範囲の精度が向上する。なお、選択部14は、シンボル
タイミングを、4種類の尤度データの自乗値について例
えば7シンボル期間積算した積算結果に基づいて選択す
るようにもできる。ここで、積算する値は、尤度結果自
体のみならず、尤度結果の例えば自乗を計算したものを
用いることもできる。換言すれば、尤度の自乗積算結果
を用いて重み付けした割合に基づいて、2種類のタイミ
ング間に偏りをもたせたタイミングが選択されるのであ
る。従って、最良加算結果の誤差範囲が小さくなり、シ
ンボル位相検出精度が向上する。また、理想シンボル位
相予測精度が向上し、シンボル位相検出精度が向上す
る。
【0092】図18は本発明の第2実施形態の第1変形
例に係る尤度データの自乗方式を用いたシンボルタイミ
ング検出部のブロック図である。この図18に示すシン
ボルタイミング検出部20eがシンボルタイミング検出
部20(図12参照)と異なる点は、差動演算部22a
〜22dと積算部33との間に、自乗演算部37が設け
られている点である。この自乗演算部37は、自乗回路
等によりその機能が発揮される乗算部37a〜37dを
有する。それ以外のもので、上述したものと同一の符号
を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するもの
なので、更なる説明を省略する。ここで、nは4を表
す。
【0093】これにより、差動演算部22a〜22dか
ら出力された尤度データ1〜4は、それぞれ、自乗演算
部37にて自乗され、自乗結果(乗算結果)1〜4とし
て演算部33に入力される。さらに、加算部33a〜3
3dにて尤度データ1〜4は、所望のmシンボル分だけ
積算され、それぞれ、加算結果1〜4が得られる。これ
らの加算結果1〜4は、それぞれ、比較部13に入力さ
れ、この比較部13にて比較され、積算結果が一番優れ
たタイミングのシンボルクロックを選択するための比較
選択信号が選択部14aに入力されるのである。
【0094】従って、加算データの元になる尤度データ
を自乗したものが積算される。これにより、積算結果の
差が大きくなり、シンボル位相からのずれ量の検出が容
易になり、最良積算結果の誤差範囲が小さくなり、シン
ボル位相検出精度が向上する。このように、加算データ
の元になる尤度データを自乗したものを加算することに
より、加算結果の差が大きくなり、シンボル位相からの
ずれ量の検出が容易になる。
【0095】(B2)第2実施形態の第2変形例の説明 ところで、選択部14aは、この尤度が一番優れた最良
尤度データを得られるシンボルタイミングに対して、時
間的に早い方のシンボルタイミングに対する遅延量を算
出して遅延させることにより、更に理想的なシンボル位
相に近いシンボルクロックを得ることができる。
【0096】換言すれば、選択部14aは、最良尤度が
得られるシンボルクロックと時間的に前後する位置に存
在するシンボルクロックを選択し、各尤度データ比に基
づいて理想的なシンボル位相を予測するようにもでき
る。 (B3)第2実施形態の第3変形例の説明 第3変形例に係るシンボルタイミング検出回路は、第2
実施形態に示す選択部14aが、差動結果尤度の積算結
果が一番優れたタイミングを抽出し、この一番優れたタ
イミングと前後する2種類のタイミングを選択する。そ
して、これらの2種類のタイミングが有する尤度積算結
果の割合に応じて、2種類のタイミングの中間に位置す
るタイミングを選択するようになっている。ここで、尤
度積算結果の割合と2種類の中間に位置するタイミング
の選択とについて図19(a),図19(b)を用いて
説明する。
【0097】なお、本変形例における無線通信システム
も、図1に示す無線通信システム100と同様であっ
て、送信機50及び受信機10とを有する。図19
(a),図19(b)はそれぞれ本発明の第2実施形態
の第3変形例に係るタイミング検出方法を説明するため
の位相平面図である。これらの図19(a),図19
(b)に示すA,Bは、それぞれ、上記2種類のタイミ
ングに相当するものであり、また、理想ポイントは上記
2種類のタイミングの中間に位置するタイミングに相当
する。そして、積算の結果、一番優れたタイミングと前
後する2種類のタイミング値4を選択すると、2種類の
A,Bのいずれとも等距離なので、中央のポイントが得
られる。これに対して、一番優れたタイミングと前後す
る2種類のタイミング値について、Aが3でBが5の場
合は、この割合(3及び5)を考慮して中間に位置する
タイミングを選択するのである。
【0098】図20は本発明の第2実施形態の第3変形
例に係るシンボルタイミング検出部のブロック図であ
る。この図20に示すシンボルタイミング検出部20d
は、積算尤度比検出部22aと、選択部14aと、遅延
量生成部23と、遅延部11fとをそなえて構成されて
いる。これ以外のもので上述したものと同一の符号を有
するものは同一のものを表す。
【0099】ここで、選択部14aは、シンボルクロッ
ク1〜4と比較選択信号とを入力され、シンボルクロッ
ク1〜4のうちの一番尤度の優れたシンボルクロックに
対して時間的に早いタイミングのものを選択するもので
ある。また、積算尤度比検出部22aは、加算データ1
〜4と比較選択信号とを入力され、加算データ1〜4の
うちの一番優れた加算データに対して時間的に前後する
加算データ間の差分を計算し、その差分に対応した積算
尤度比データを生成するものである。
【0100】遅延量生成部23は、積算尤度比検出部2
2aから出力された積算尤度比データに対応する選択遅
延量を生成して出力するものである。遅延部11fは、
選択シンボルクロックと選択遅延量とを入力され、選択
シンボルクロックを、選択遅延量だけ遅延させた遅延選
択シンボルクロックを出力するものである。従って、選
択部14aが、4種類の尤度データについて所定期間積
算した積算結果に基づいて前側尤度データ及び後側尤度
データを抽出し、偏差尤度データを選択するように構成
されたことになる。換言すれば、選択に当たり、差動結
果尤度の積算結果が一番優れたタイミングに前後する2
種類のタイミングが選択され、それぞれの尤度積算結果
を用いて重み付けした割合に基づいて、2種類のタイミ
ングの中間タイミングが選択されるのである。これによ
り、シンボルクロックの数に依存する量子化誤差が減少
し、シンボル位相検出精度が向上する。
【0101】このような構成によって、選択部14aに
て最良シンボルクロックよりも時間的に早いタイミング
のものが選択され、積算尤度比検出部22aにて最良加
算データよりも時間的に前後する加算データ間の差分が
計算され、この差分に対応した積算尤度比データが生成
される。また、遅延量生成部23にて積算尤度比データ
に対応する選択遅延量が生成され、遅延部11fにて選
択シンボルクロックがその選択遅延量分だけ遅延させら
れて、遅延選択シンボルクロックとして出力されるので
ある。
【0102】このように、選択部14aにおいて、一番
優れた尤度加算結果を得るシンボルクロックに対して時
間的に前後する2種類のシンボルクロックが選択され、
それぞれの加算データ比から理想的なシンボル位相が予
測できる。また、一番優れた加算尤度を得たシンボルタ
イミングの時間的に早いシンボルタイミングに対しての
遅延量が算出され、その遅延量だけ遅延させられるの
で、さらに、理想的なシンボル位相に近いシンボルクロ
ックを得ることができる。
【0103】(B4)第2実施形態の第4変形例の説明 第2実施形態において、加算結果が同一結果となる複数
のシンボルクロックが存在した場合でも、正しくシンボ
ルタイミングが選択される必要がある。このため、選択
部14aは、積算結果が例えば7シンボルの期間におい
て同一となった場合、4種類の尤度データのうちの最良
尤度データと判定された回数に基づいてシンボルタイミ
ングを選択するようになっている。換言すれば、尤度積
算結果が複数タイミングで同一になった場合は、最良尤
度結果の回数が多いタイミングが選択されるのである。
【0104】なお、本変形例における無線通信システム
も、図1に示す無線通信システム100と同様であっ
て、送信機50及び受信機10とを有する。図21は本
発明の第2実施形態の第5変形例に係るシンボルタイミ
ング検出部のブロック図である。この図21に示すシン
ボルタイミング検出部20fは、比較部13cと、最良
尤度カウンタ38a〜38dと、選択部14a,14b
と、比較部13aとをそなえて構成されている。これ以
外のもので上述したものと同一の符号を有するものは同
一のものを表す。
【0105】ここで、比較部13cは、加算結果1〜4
を入力され、加算結果1〜4のうちの最良の加算結果が
得られたシンボルクロック1〜4を選択するための最良
結果選択信号と、その最良の加算結果が複数個あったこ
とを検出したことを表す加算尤度同値検出信号と、選択
同値尤度タイミングカウント値を出力するようになって
いる。これにより、加算結果のうちの最良の加算結果を
得られたシンボルクロックが選択されるのである。
【0106】また、最良尤度カウンタ38a〜38d
は、尤度データ1〜4を入力され、それぞれ、最良尤度
カウント値1〜4を出力するとともに、選択同値尤度タ
イミングカウント値1を入力されるようになっている。
この最良尤度カウント値1〜4とは、各シンボルクロッ
クから得られる尤度データが最良の結果となった回数で
あり、予め、保持した値を保持するものである。最良尤
度カウンタ38a〜38dについて、図22及び図23
を用いて更に詳述する。
【0107】図22は本発明の第2実施形態の第5変形
例に係る最良尤度カウンタ38aのブロック図である。
この図22に示す最良尤度カウンタ38aは、ANDゲ
ート298と、FF299と、カウンタ300とをそな
えるほかに、カウント値を保持出力するFF301をそ
なえて構成されている。また、これらのゲートの端子に
付された黒丸はインバータを表す。これ以外のもので上
述したものと同一の符号を有するものは同一のものを表
す。
【0108】図23は本発明の第2実施形態の第5変形
例に係る最良尤度カウンタ38aの動作を説明するため
のタイムチャートである。この図23に示す信号名称
は、図22に示すものと同一である。ここで、尤度デー
タを2ビットで現した場合、最良尤度の値は”00”と
なる。この2ビットデータを反転し、ANDゲート29
8に入力することにより、ANDゲート298の出力
は、尤度データが”00”のときに、”1”を出力す
る。この”1”出力をカウンタ300のイネーブルに入
力し、シンボルクロックをカウンタに与え続けると(カ
ウンタ300を回すと)、カウンタ300は、最良尤
度”00”が発生したシンボル回数をカウントする。
【0109】従って、外部制御のスタート信号及びスト
ップ信号により設定される測定時間間隔中に何回最良尤
度”00”が発生したかのカウント結果が得られる。こ
れにより、選択部14aは、例えば2種類のシンボルク
ロックの中から尤度データの優れたシンボルクロックを
選択できる。なお、この値は、本発明の尤度データ比較
による最良シンボルクロックを選択する場合、尤度デー
タが同値で、シンボルクロックを選択できないときの選
択判断材料となる。
【0110】これにより、図21において、選択部14
bにて最良尤度カウント値1〜4のうちの2種類の選択
同値尤度タイミングカウント値1,2が出力され、比較
部13aにてこれらの2種類のカウント値1,2のうち
の最良尤度カウント比較結果が出力され、選択部14a
にて最良結果選択信号、加算尤度同値検出信号及び最良
尤度カウント比較結果のそれぞれに基づいて、シンボル
クロック選択信号が出力される。
【0111】比較部13cは、加算結果1〜4を入力さ
れ、3本の信号を生成して出力する。すなわち、最良の
加算結果が得られるシンボルクロックを選択するための
最良加算結果選択信号と、最良の結果が複数個あったこ
とを検出する加算尤度同値検出信号とが、ともに、選択
部14aに入力され、また、同値となった加算結果が得
られるシンボルクロックから生成された最良尤度カウン
ト値を選択するための選択同値尤度タイミングカウント
値(選択同値尤度タイミングデータ選択信号)が選択部
14bに入力される。さらに、最良尤度カウンタ38a
〜38dにて、各シンボルクロックにより得られた尤度
データが最良尤度となった回数をカウントして保持す
る。
【0112】そして、選択部14bは、比較部13cか
らの選択同値尤度タイミングカウント値と、最良尤度カ
ウンタ38a〜38dがカウントした最良尤度カウント
結果とを用いて選択し、選択同値尤度タイミングカウン
ト値1と選択同値尤度タイミングカウント値2とを比較
部13aに入力する。比較部13aは、カウント値の大
きい方のシンボルクロックを選択し、最良尤度カウント
比較結果を選択部14aに入力する。
【0113】選択部14aは、加算結果が一番優れたシ
ンボルクロックを選択するための最良加算結果検出信号
と、最良尤度回数が一番多いシンボルクロックを選択す
るための最良尤度カウント比較結果とに基づいて、加算
尤度同値検出信号により加算結果が同一のシンボルクロ
ックが有る場合は、シンボルクロック選択信号として最
良尤度カウント比較結果を出力し、また、1種類の場合
は、シンボルクロック選択信号として加算結果が一番優
れたシンボルクロックを選択する最良加算結果検出信号
を出力する。選択部14aの構成例は例えば図24に示
すようになる。
【0114】図24は本発明の第2実施形態の第5変形
例に係る選択部14aのブロック図である。この図24
に示す選択部14aは、ANDゲート302a、302
bと、OR(論理和)ゲート302cとを有する。この
ANDゲート302aは、最良加算結果検出信号と加算
尤度同値検出信号とを入力され、これらの信号がとも
に”H”の場合に、”H”を出力する。また、ORゲー
ト302cは、最良尤度カウント比較結果が”H”であ
り、かつ、加算尤度同値検出信号が”L”である場合
に、”H”を出力する。なお、黒丸はインバータを表
す。すなわち、加算尤度同値検出信号がANDゲート3
02a、302bの双方に、入力されるので、いずれか
一方のゲートのみが動作するのである。
【0115】また、図25は本発明の第2実施形態の第
5変形例に係る比較・選択を説明するためのフローチャ
ートであり、具体的には、比較部13a及び選択部14
a(以下、比較部13a等と略称する。)のソフトウェ
ア処理である。ステップB1からスタートすると、比較
部13a等は、ステップB2において、選択部14aが
選択した選択信号がシンボルクロック1を選択するため
の選択信号”00”の場合、「はい」ルートを通り、シ
ンボルクロック1で生成された加算データ1と、シンボ
ルクロック2で生成された加算データ2とを比較する
(ステップB3)。ここで、同値の場合は、「はい」ル
ートを通り、比較部13a等は、最良データが2種類有
ると判断し、同値発生信号として”H”を出力する(ス
テップB4)。続いて、ステップB5において、比較部
13a等は、シンボルクロック1による最良尤度カウン
タのカウンタ1値と、同値であることが検出されたシン
ボルクロック2により生成された最良尤度カウンタ2値
とを比較する。ここで、最良尤度カウンタ1値の方がカ
ウンタ2値以上の場合、「はい」ルートを通り、シンボ
ルクロック1を選択することにより、加算データが同値
の場合の二種類のシンボルクロックの優劣を付けること
ができる。また、カウンタ1値がカウンタ2値よりも小
さい場合、「いいえ」ルートを通り、別個の処理を行な
う。
【0116】また、ステップB3において、加算データ
1と加算データ2とを比較し、同値でない場合、「いい
え」ルートを通り、ステップB6において、比較部13
a等は、加算データ1と加算データ4とを比較し、同値
の場合、「はい」ルートを通り、ステップB7におい
て、同値発生信号”H”を出力し、さらに、ステップB
8にてカウンタ1値とカウンタ2値とを比較する。ま
た、ステップB6において、比較部13a等は、比較の
結果、同値でない場合、「いいえ」ルートを通り、ステ
ップB9にて、同値発生信号”L”を出力するのであ
る。
【0117】同様に、シンボルクロック選択信号がそれ
ぞれ”01”、”10”の場合、ステップB10の処理
とステップB11の処理とを実行し、また、シンボルク
ロック選択信号が”11”についても同様な処理を行な
う。従って、比較部13a等は、同値の加算結果の有無
を確認し、同値が発生した場合に最良尤度カウンタ値の
比較により、シンボルクロック選択信号を生成し出力す
る。
【0118】このように、シンボルタイミング検出部2
0は、各シンボルクロックから得られる尤度データが最
良の結果となった回数をカウントし、この回数が多いシ
ンボルクロックを選択するので、更に精度の高いシンボ
ルクロックが得られる。また、このように、尤度加算結
果から最良シンボルクロックが選択できない場合の選択
が可能になり、シンボル位相検出精度が向上する。この
機能により同一尤度データが発生した場合でも、シンボ
ルクロックを選択できる。
【0119】このようにして、尤度加算結果から最良シ
ンボルクロックを選択できない場合の選択が可能にな
り、シンボル位相検出精度が向上する。 (C)本発明の第3実施形態の説明 第3実施形態は、尤度比較部を用いた場合について説明
する。また、本実施形態における無線通信システムも、
図1に示す無線通信システム100と同様であって、送
信機50及び受信機10とを有する。
【0120】図26は本発明の第3実施形態に係るシン
ボルタイミング検出部のブロック図である。この図26
に示すシンボルタイミング検出部20aは、比較部13
aと選択部14aと1/2n遅延部11dとをそなえて
構成されている。これ以外のもので上述したものと同一
の符号を有するものは同一のものを表す。ここで、nは
4である。
【0121】また、49〜52は、それぞれ、尤度デー
タ1〜4を表し、53は比較選択信号、54〜57はそ
れぞれシンボルクロック1〜4であり、58は選択シン
ボルクロック、59は1/2n遅延選択シンボルクロッ
クである。図27は本発明の第3実施形態に係る比較部
13aのブロック図である。この図27に示す比較部1
3aは、コンパレータ236、237、セレクタ23
8、240、243、加算部239、241、コンパレ
ータ242をそなえて構成されている。
【0122】ここで、信号名称については、244〜2
47はそれぞれ、尤度データ1〜4であり、248は尤
度1と尤度2との比較結果(以下、尤度1−尤度2と表
示する。)であり、249は尤度3−尤度4の比較結果
であり、250は尤度1−尤度2比較優良データ(選択
尤度データ)であり、251は尤度3−尤度4比較優良
データ(選択尤度データ)であり、252は尤度1−2
選択信号であり、253は尤度3−4選択信号であり、
また、254は尤度1,2−尤度3,4選択結果であ
り、255はシンボルクロック選択信号である。なお、
これ以外のもので上述したものと同一の符号を有するも
のは同一のものを表す。
【0123】このような構成によって、図26に示す比
較部13aにて、尤度データが優れた連続する2種類の
シンボルクロックのうちの時間的に早い方が比較選択信
号として選択される。比較選択信号は選択部14aにて
選択され、この選択された選択シンボルクロック59
は、1/2n遅延部11dにて遅延させられて、復調デ
ータの優れた2種類のシンボルクロックの中間位相に相
当する位相を有する。
【0124】従って、選択部14aが、シンボルタイミ
ングを、4種類の尤度データの大きさに基づいて隣接す
る2種類の尤度データを抽出し、2種類の尤度データの
中間に位置する中間尤度データを選択するように構成さ
れたことになる。また、尤度が優れた2種類のシンボル
クロックを選択することにより、最良尤度が得られたシ
ンボルクロックの理想点からのずれの方向が検出され
る。従って、尤度データが高い時間的に隣り合う2種類
のタイミングが選択され、その2種類の位相の中間位相
をシンボルクロックとすることにより、さらに理想的な
シンボル位相に近いシンボルクロックが得られる。
【0125】具体的に、図27において、シンボルクロ
ックが4種類の場合を例として説明する。コンパレータ
236にて尤度データ1,2を比較し絶対値の小さい方
を選択して比較結果を出力する。そして、セレクタ23
8にて、尤度データ1,2と比較結果とが入力され、こ
れらのうちの一方を選択して出力する。ここで、セレク
タ238は、選択したセレクタ出力に”00”を加算し
て2ビットの選択信号としている。同様に、セレクタ2
40は、尤度データ3又は尤度データ4から尤度データ
の小さい方を選択して出力し、この選択信号に”10”
を加算して2ビットの選択信号としている。これによ
り、4種類のデータを選択する信号は各固有の選択コー
ドを有するので識別可能である。
【0126】さらに、尤度データ1,2から選択された
尤度データと、尤度データ3,4から選択された尤度デ
ータは、それぞれ、コンパレータ242にて比較され
る。このコンパレータ242は、その比較結果によっ
て、4種類の尤度データのうちの一番優れたシンボルク
ロックを選択しシンボルクロック選択コードとして出力
する。
【0127】さらに、具体例を用いて詳述する。ここ
で、各尤度データの値は、尤度データ1は0、尤度デー
タ2は1、尤度データ3は2,尤度データ4は3とす
る。コンパレータ236は、尤度データ1と尤度データ
2とを比較し、尤度データ1の方が小さいため、”L
(Low)”を出力する。セレクタ238は、この”
L”出力を受信すると尤度データ1を選択しコンパレー
タ242に入力する。
【0128】また、加算部239は、コンパレータ29
6が出力した”L”を受信し、この”L”に”00”を
加算し2ビットで表される尤度データ1選択信号”0
0”を生成して出力する。同様に、コンパレータ237
は尤度データ3と尤度データ4とを比較し、尤度データ
3の方が小さいため、”L”を出力する。セレクタ24
0は、この出力を受信すると、尤度データ3を選択して
出力する。同様に、加算部241はコンパレータ237
出力の”L”を受信し、”10”を加算して2ビットで
表される尤度データ3選択信号”10”を生成して出力
する。
【0129】さらに、コンパレータ242はセレクタ2
38出力の尤度データ1を表す”0”と、セレクタ24
0出力の尤度データ3を表す”2”とを比較し、尤度デ
ータ1の方が小さいため、”L”を出力する。セレクタ
243は、この出力を受信すると、加算部239にて生
成された尤度データ1選択信号”00”と、加算部24
1にて生成された尤度データ3選択信号”10”とに基
づいて、尤度データ1選択信号”00”を選択して比較
選択信号を出力する。
【0130】そして、選択部14a(図26参照)は、
この選択信号を用いて、各位相を有するシンボルクロッ
クから最適なもの(この場合は尤度データ1を生成した
シンボルクロック)を選択する。このように、±1/n
の精度を有するシンボルクロックを1回の差動論理・2
シンボルの時間内に得ることができる。
【0131】また、理想シンボルクロックの位相範囲が
予測でき、その範囲の中心位相をシンボルクロック位相
とすることにより、準備されたシンボルクロックの分解
能以上のシンボルクロック精度が得られることが可能と
なり、シンボル精度が向上する。また、上述のシンボル
クロック精度を得ることが可能となり、シンボル精度が
向上する。
【0132】(D)その他 本発明に係る無線通信システム100は、携帯電話に限
定されずに、衛星通信等にも適用できる。また、送信機
50及び受信機10は、それぞれ、受信機能及び送信機
能を有するように構成することもでき、このようにすれ
ば、送信機50及び受信機10は、いずれも、送受信機
能をそなえて実施できる。
【0133】また、本発明は、QPSKのほかに多値P
SK変調に適用することもでき、例えば8PSK,16
PSK等に適用することができ、このようにすれば、±
1/8(又は±1/16)の精度を有するシンボルクロ
ックを1回の差動論理又は3シンボル又は4シンボルの
時間内に得ることができる。本発明のシンボルタイミン
グ検出回路は、種々変形して実施することができる。例
えば、尤度データを自乗でなく、3乗等を用いて演算す
ることもできる。
【0134】(E)付記 (付記1) 位相変調された信号のシンボルクロックと
同一速度のクロックを複数のタイミングで出力する複数
タイミングクロック出力部と、該複数のタイミングで出
力されたクロックのそれぞれと、該位相変調された信号
のシンボルクロックとの差分量を表す尤度データを複数
出力する尤度データ出力部と、該尤度データ出力部から
出力された複数の尤度データを比較し尤度の優れた最良
尤度データを表す比較結果信号を出力する比較部と、該
複数の尤度データのうちの基準位相データに一致する尤
度データを該最良尤度データと判定して選択する選択部
とをそなえて構成されたことを特徴とする、シンボルタ
イミング検出回路。
【0135】(付記2) 多値位相変調された受信信号
のシンボルクロックと同一速度のクロックを複数の異な
る位相タイミングで出力する複数タイミングクロック出
力部と、該異なる位相タイミングで出力されたクロック
のそれぞれと、該多値位相変調された受信信号のシンボ
ルクロックとの位相差分量を表す尤度データを複数出力
する尤度データ出力部と、該尤度データ出力部から出力
された複数の尤度データを比較し尤度の優れた最良尤度
データを表す比較結果信号を出力する比較部と、該複数
の尤度データのうちの位相π/2(πは円周率[単位は
ラジアン]を表す。)の整数倍の基準位相データに一致
する尤度データを該最良尤度データと判定して選択する
選択部とをそなえて構成されたことを特徴とする、シン
ボルタイミング検出回路。
【0136】(付記3) 4相位相変調された受信信号
のシンボルクロックと同一速度のクロックを、遅延させ
て複数の異なる位相タイミングで出力する複数タイミン
グクロック出力部と、該遅延により異なる位相タイミン
グで出力されたクロックのそれぞれと、該4相位相変調
された受信信号のシンボルクロックとの位相差分量を表
す尤度データを複数出力する尤度データ出力部と、該尤
度データ出力部から出力された複数の尤度データを比較
し尤度の優れた最良尤度データを表す比較結果信号を出
力する比較部と、該複数の尤度データのうちの位相0,
π/2,π,3π/2のうちの選択された一の位相に一
致する尤度データを該最良尤度データと判定して選択す
る選択部とをそなえて構成されたことを特徴とする、シ
ンボルタイミング検出回路。
【0137】(付記4) 該選択部が、該シンボルタイ
ミングを、該複数の尤度データについて所定期間積算し
た積算結果に基づいて選択するように構成されたことを
特徴とする、付記1〜付記3のいずれか一に記載のシン
ボルタイミング検出回路。 (付記5) 該選択部が、該積算結果が該所定期間にお
いて同一となった場合、該複数の尤度データのうちの該
最良尤度データと判定された回数に基づいて該シンボル
タイミングを選択するように構成されたことを特徴とす
る、付記4記載のシンボルタイミング検出回路。
【0138】(付記6) 該選択部が、該シンボルタイ
ミングを、該複数の尤度データの大きさに基づいて隣接
する2種類の尤度データを抽出し、該2種類の尤度デー
タの中間に位置する中間尤度データを選択するように構
成されたことを特徴とする、付記1〜付記5のいずれか
一に記載のシンボルタイミング検出回路。
【0139】(付記7) 該選択部が、該複数の尤度デ
ータについて所定期間積算した積算結果に基づいて該尤
度データを抽出し、該中間尤度データを選択するように
構成されたことを特徴とする、付記6記載のシンボルタ
イミング検出回路。 (付記8) 該選択部が、該シンボルタイミングを、該
最良尤度データの前後に位置する前側尤度データ及び後
側尤度データを抽出し、該前側尤度データ及び該後側尤
度データの差分量を表す尤度比データを計算し、該尤度
比データに対応する遅延量を用いて該最良尤度データを
ずらした偏差尤度データを選択するように構成されたこ
とを特徴とする、付記1〜付記3のいずれか一に記載の
シンボルタイミング検出回路。
【0140】(付記9) 該選択部が、該複数の尤度デ
ータについて所定期間積算した積算結果に基づいて該前
側尤度データ及び該後側尤度データを抽出し、該偏差尤
度データを選択するように構成されたことを特徴とす
る、付記8記載のシンボルタイミング検出回路。 (付記10) 該選択部が、該シンボルタイミングを、
該複数の尤度データのM(Mは整数を表す。)乗値につ
いて所定期間積算した積算結果に基づいて選択するよう
に構成されたことを特徴とする、付記4〜付記9のいず
れか一に記載のシンボルタイミング検出回路。
【0141】(付記11) 該選択部が、該シンボルタ
イミングを、該複数の尤度データのM(Mは整数を表
す。)乗値について所定期間積算した積算結果に基づい
て該前側尤度データ及び該後側尤度データを抽出し、該
偏差尤度データを選択するように構成されたことを特徴
とする、付記7記載のシンボルタイミング検出回路。
【0142】(付記12) 位相変調された信号を受信
する受信部と、該位相変調された信号のシンボルクロッ
クと同一速度のクロックを用いて該位相変調された信号
に起因する信号が有するシンボルクロックと同一速度及
び同一位相を有するシンボルタイミングを出力するシン
ボルタイミング検出回路と、該シンボルタイミング検出
回路から出力されるシンボルタイミングを用いて該位相
変調された信号を復調する復調回路とをそなえ、該シン
ボルタイミング検出回路が、位相変調された信号のシン
ボルクロックと同一速度のクロックを複数のタイミング
で出力する複数タイミングクロック出力部と、該複数の
タイミングで出力されたクロックのそれぞれと、該位相
変調された信号のシンボルクロックとの差分量を表す尤
度データを複数出力する尤度データ出力部と、該尤度デ
ータ出力部から出力された複数の尤度データを比較し尤
度の優れた最良尤度データを表す比較結果信号を出力す
る比較部と、該複数の尤度データのうちの基準位相デー
タに一致する尤度データを該最良尤度データと判定して
選択する選択部とをそなえて構成されたことを特徴とす
る、多値位相変調信号の受信装置。
【0143】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のシンボル
タイミング検出回路(請求項1〜請求項4)及び多値位
相変調信号の受信装置(請求項5)によれば、以下に述
べるような効果ないしは利点がある。 (1)本発明のシンボルタイミング検出回路によれば、
位相変調された信号のシンボルクロックと同一速度のク
ロックを複数のタイミングで出力する複数タイミングク
ロック出力部と、複数のタイミングで出力されたクロッ
クのそれぞれと、位相変調された信号のシンボルクロッ
クとの差分量を表す尤度データを複数出力する尤度デー
タ出力部と、尤度データ出力部から出力された複数の尤
度データを比較し尤度の優れた最良尤度データを表す比
較結果信号を出力する比較部と、複数の尤度データのう
ちの基準位相データに一致する尤度データを最良尤度デ
ータと判定して選択する選択部とをそなえて構成されて
いるので、予め準備された異なる位相を有する複数のシ
ンボルクロックにより、それぞれ復調データを再生し、
その復調データの正確さの情報を有する尤度データが監
視でき、精度が向上する。また、±1/nの精度を有す
るシンボルクロックを1回の差動論理・2シンボルの時
間内に得ることができる(請求項1)。
【0144】(2)本発明のシンボルタイミング検出回
路によれば、多値位相変調された受信信号のシンボルク
ロックと同一速度のクロックを複数の異なる位相タイミ
ングで出力する複数タイミングクロック出力部と、異な
る位相タイミングで出力されたクロックのそれぞれと、
多値位相変調された受信信号のシンボルクロックとの位
相差分量を表す尤度データを複数出力する尤度データ出
力部と、尤度データ出力部から出力された複数の尤度デ
ータを比較し尤度の優れた最良尤度データを表す比較結
果信号を出力する比較部と、複数の尤度データのうちの
位相π/2の整数倍の基準位相データに一致する尤度デ
ータをその最良尤度データと判定して選択する選択部と
をそなえて構成されているので、理想的な位相に近いシ
ンボルクロックではこの尤度データが他のものに比べて
優れているため、理想的なシンボルクロックに近いと判
断できる(請求項2)。
【0145】(3)本発明のシンボルタイミング検出回
路によれば、4相位相変調された受信信号のシンボルク
ロックと同一速度のクロックを、遅延させて複数の異な
る位相タイミングで出力する複数タイミングクロック出
力部と、遅延により異なる位相タイミングで出力された
クロックのそれぞれと、4相位相変調された受信信号の
シンボルクロックとの位相差分量を表す尤度データを複
数出力する尤度データ出力部と、尤度データ出力部から
出力された複数の尤度データを比較し尤度の優れた最良
尤度データを表す比較結果信号を出力する比較部と、複
数の尤度データのうちの位相0,π/2,π,3π/2
のうちの選択された一の位相に一致する尤度データをそ
の最良尤度データと判定して選択する選択部とをそなえ
て構成されているので、一例として、±1/nの精度を
有するシンボルクロックを1回の差動論理で、かつ、2
シンボルの時間内に得られる(請求項3)。
【0146】(4)選択部が、シンボルタイミングを、
複数の尤度データについて所定期間積算した積算結果に
基づいて選択するように構成されてもよく、このように
すれば、上記の利点に加えて、選択精度の高いシンボル
クロックが得られ、例えばDPLL方式のシンボルタイ
ミング検出部に対して短時間でシンボルクロックが得ら
れる。また、尤度データが複数シンボルにわたって積算
されるので、位相がシンボルタイミングからずれても、
そのシンボルだけ尤度データが優れているようにみえた
ものが誤って選択されることを防止できる(請求項
4)。
【0147】(5)本発明の多値位相変調信号の受信装
置によれば、位相変調された信号を受信する受信部と、
位相変調された信号のシンボルクロックと同一速度のク
ロックを用いて位相変調された信号に起因する信号が有
するシンボルクロックと同一速度及び同一位相を有する
シンボルタイミングを出力するシンボルタイミング検出
回路と、シンボルタイミング検出回路から出力されるシ
ンボルタイミングを用いて位相変調された信号を復調す
る復調回路とをそなえ、シンボルタイミング検出回路
が、位相変調された信号のシンボルクロックと同一速度
のクロックを複数のタイミングで出力する複数タイミン
グクロック出力部と、複数のタイミングで出力されたク
ロックのそれぞれと、位相変調された信号のシンボルク
ロックとの差分量を表す尤度データを複数出力する尤度
データ出力部と、尤度データ出力部から出力された複数
の尤度データを比較し尤度の優れた最良尤度データを表
す比較結果信号を出力する比較部と、複数の尤度データ
のうちの基準位相データに一致する尤度データをその最
良尤度データと判定して選択する選択部とをそなえて構
成されたことを特徴としている(請求項5)。
【0148】(6)選択部が、積算結果が所定期間にお
いて同一となった場合、複数の尤度データのうちの最良
尤度データと判定された回数に基づいてシンボルタイミ
ングを選択するようにされてもよく、このようにすれ
ば、選択精度の高いシンボルクロックが得られ、DPL
L方式のシンボルタイミング検出部に対して短時間でシ
ンボルクロックが得られる。
【0149】(7)選択部が、シンボルタイミングを、
複数の尤度データの大きさに基づいて隣接する2種類の
尤度データを抽出し、2種類の尤度データの中間に位置
する中間尤度データを選択するようにされてもよく、こ
のようにすれば、理想シンボルクロックの位相範囲を予
測でき、その範囲の中心に位置する位相をシンボルクロ
ック位相とし準備されたシンボルクロックの分解能以上
のシンボルクロック精度が得られ、シンボル精度が向上
する。また、最良尤度が得られたシンボルクロックの理
想点からのずれの方向が検出され、その2種類の位相の
中間位相をシンボルクロックとすることにより、さら
に、理想的なシンボル位相に近いシンボルクロックが得
られる。
【0150】(8)選択部が、複数の尤度データについ
て所定期間積算した積算結果に基づいて尤度データを抽
出し、中間尤度データを選択するようにされてもよく、
このようにすれば、尤度データの加算結果が優れた2種
類のシンボルクロックを選択することにより、最良尤度
が得られたシンボルクロックの理想点からのずれの方向
が検出され、その2種類の位相の中間位相をシンボルク
ロックとし、さらに理想的なシンボル位相に近いシンボ
ルクロックが得られる。
【0151】(9)選択部が、シンボルタイミングを、
最良尤度データの前後に位置する前側尤度データ及び後
側尤度データを抽出し、前側尤度データ及び後側尤度デ
ータの差分量を表す尤度比データを計算し、尤度比デー
タに対応する遅延量を用いて最良尤度データをずらした
偏差尤度データを選択するようにされてもよく、このよ
うにすれば、選択部は、それぞれの尤度データ比から理
想的なシンボル位相を予測でき、また、最良尤度データ
のシンボルタイミングに対して、時間的に早い方のシン
ボルタイミングに対する遅延量を算出してシンボルタイ
ミングを遅延させられるので、さらに理想的なシンボル
位相に近いシンボルクロックが得られる。
【0152】(10)選択部が、複数の尤度データにつ
いて所定期間積算した積算結果に基づいて前側尤度デー
タ及び後側尤度データを抽出し、偏差尤度データを選択
するようにされてもよく、このようにすれば、選択部
は、最良尤度加算結果が得られるシンボルクロックに対
して時間的に前後する2種類のシンボルクロックを選択
でき、また、それぞれの加算データ比から理想的なシン
ボル位相を予測でき、一番優れた加算尤度が得られたシ
ンボルタイミングの時間的に早いシンボルタイミングに
対する遅延量を算出してシンボルタイミングを遅延させ
られるので、さらに理想的なシンボル位相に近いシンボ
ルクロックが得られる。
【0153】(11)選択部が、シンボルタイミング
を、複数の尤度データの整数乗値について所定期間積算
した積算結果に基づいて選択するようにされてもよく、
このようにすれば、加算結果の差が大きくなり、シンボ
ル位相からずれた位相量の検出が容易になる。 (12)選択部が、シンボルタイミングを、複数の尤度
データの整数乗値について所定期間積算した積算結果に
基づいて前側尤度データ及び後側尤度データを抽出し、
偏差尤度データを選択するようにされてもよく、このよ
うにすれば、シンボルタイミングからずれたシンボルク
ロックの尤度積算結果が大きくなり、選択された加算結
果の優れた2種類のシンボルクロックから予測される理
想的なシンボルタイミングの範囲の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る無線通信システム
の概略的な構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るQPSK復調器の
概略的なブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るシンボルタイミン
グ検出部の概略的なブロック図である。
【図4】(a)〜(d)はそれぞれ本発明の第1実施形
態に係るシンボルタイミング検出部を説明するためのタ
イムチャートである。
【図5】(a),(b)はそれぞれ本発明の第1実施形
態に係る理想ポイントを説明するための図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る差動演算部のブロ
ック図である。
【図7】(a)〜(h)はそれぞれ本発明の第1実施形
態に係る差動演算部を説明するためのタイムチャートで
ある。
【図8】本発明の第1実施形態の第1変形例に係るシン
ボルタイミング検出部のブロック図である。
【図9】本発明の第1実施形態の第1変形例に係る比較
部のブロック図である。
【図10】本発明の第1実施形態の第1変形例に係る選
択部のシンボルクロックの選択方法例を説明するための
フローチャートである。
【図11】本発明の第1実施形態の第2変形例に係るシ
ンボルタイミング検出部のブロック図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係るシンボルタイミ
ング検出部のブロック図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る選択部のブロッ
ク図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る積算方法を説明
するための図である。
【図15】(a)〜(d)はいずれも本発明の第2実施
形態に係る積算方法を説明するためのフローチャートで
ある。
【図16】本発明の第2実施形態の第1変形例に係るシ
ンボルタイミング検出部のブロック図である。
【図17】本発明の第2実施形態の第1変形例に係るシ
ンボルタイミング検出部のブロック図である。
【図18】本発明の第2実施形態の第1変形例に係る尤
度データの自乗方式を用いたシンボルタイミング検出部
のブロック図である。
【図19】(a),(b)はそれぞれ本発明の第2実施
形態の第3変形例に係るタイミング検出方法を説明する
ための位相平面図である。
【図20】本発明の第2実施形態の第3変形例に係るシ
ンボルタイミング検出部のブロック図である。
【図21】本発明の第2実施形態の第5変形例に係るシ
ンボルタイミング検出部のブロック図である。
【図22】本発明の第2実施形態の第5変形例に係る最
良尤度カウンタのブロック図である。
【図23】本発明の第2実施形態の第5変形例に係る最
良尤度カウンタの動作を説明するためのタイムチャート
である。
【図24】本発明の第2実施形態の第5変形例に係る選
択部のブロック図である。
【図25】本発明の第2実施形態の第5変形例に係る比
較・選択を説明するためのフローチャートである。
【図26】本発明の第3実施形態に係るシンボルタイミ
ング検出部のブロック図である。
【図27】本発明の第3実施形態に係る比較部のブロッ
ク図である。
【図28】(a)〜(d)はそれぞれシンボルタイミン
グの検出方法を説明するための図である。
【図29】(a)〜(d)はそれぞれ変化点の検出方法
を説明するための図である。
【図30】従来のQPSK復調器のブロック図である。
【符号の説明】
1 QPSK復調器(多値位相変調信号の受信装置) 1a 復調部(復調回路) 1b,20,20a,20b,20c,20d,20
e,20f,20g シンボルタイミング検出部(シン
ボルタイミング検出回路) 1c クロック生成部 10 受信機 10a 受信アンテナ 10b 低ノイズアンプ 10c 周波数変換部 10d ベースバンド処理部 11 複数タイミングクロック出力部 11a 1/4遅延部(1/n遅延部) 11b 2/4遅延部(2/n遅延部) 11c 3/4遅延部(n−1/n遅延部) 11d 1/2n遅延部 11e,11f 遅延部 12a〜12d,22a〜22d 差動演算部 13,13a,13b,13c 比較部(尤度比検出
部) 14,14a,14b 選択部 15 尤度データ出力部 21 尤度比較部 22 尤度比検出部 22a 積算尤度比検出部 23 遅延量生成部 33 積算部 33a〜33d 加算部 36a,36b エッジ検出部 36c 3ビットカウンタ 37 自乗演算部 37a 乗算部 38 最良尤度カウンタ 50 送信機 50a ベースバンド処理部 50b QPSK変調部 50c 周波数変換部 50d 高出力アンプ 50e 送信アンテナ 100 無線通信システム 193 位相量子化カウンタ 194〜197,FF34a〜34e,FF35a〜3
5d,299,301フリップフロップ(FF) 198 減算部 199 絶対値生成部 211〜218,298,302a,302b AND
(論理積)ゲート 219 4入力OR(論理和)ゲート 256 ROM 300 カウンタ 302c OR(論理和)ゲート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相変調された信号のシンボルクロック
    と同一速度のクロックを複数のタイミングで出力する複
    数タイミングクロック出力部と、 該複数のタイミングで出力されたクロックのそれぞれ
    と、該位相変調された信号のシンボルクロックとの差分
    量を表す尤度データを複数出力する尤度データ出力部
    と、 該尤度データ出力部から出力された複数の尤度データを
    比較し尤度の優れた最良尤度データを表す比較結果信号
    を出力する比較部と、 該複数の尤度データのうちの基準位相データに一致する
    尤度データを該最良尤度データと判定して選択する選択
    部とをそなえて構成されたことを特徴とする、シンボル
    タイミング検出回路。
  2. 【請求項2】 多値位相変調された受信信号のシンボル
    クロックと同一速度のクロックを複数の異なる位相タイ
    ミングで出力する複数タイミングクロック出力部と、 該異なる位相タイミングで出力されたクロックのそれぞ
    れと、該多値位相変調された受信信号のシンボルクロッ
    クとの位相差分量を表す尤度データを複数出力する尤度
    データ出力部と、 該尤度データ出力部から出力された複数の尤度データを
    比較し尤度の優れた最良尤度データを表す比較結果信号
    を出力する比較部と、 該複数の尤度データのうちの位相π/2(πは円周率
    [単位はラジアン]を表す。)の整数倍の基準位相デー
    タに一致する尤度データを該最良尤度データと判定して
    選択する選択部とをそなえて構成されたことを特徴とす
    る、シンボルタイミング検出回路。
  3. 【請求項3】 4相位相変調された受信信号のシンボル
    クロックと同一速度のクロックを、遅延させて複数の異
    なる位相タイミングで出力する複数タイミングクロック
    出力部と、 該遅延により異なる位相タイミングで出力されたクロッ
    クのそれぞれと、該4相位相変調された受信信号のシン
    ボルクロックとの位相差分量を表す尤度データを複数出
    力する尤度データ出力部と、 該尤度データ出力部から出力された複数の尤度データを
    比較し尤度の優れた最良尤度データを表す比較結果信号
    を出力する比較部と、 該複数の尤度データのうちの位相0,π/2,π,3π
    /2のうちの選択された一の位相に一致する尤度データ
    を該最良尤度データと判定して選択する選択部とをそな
    えて構成されたことを特徴とする、シンボルタイミング
    検出回路。
  4. 【請求項4】 該選択部が、 該シンボルタイミングを、該複数の尤度データについて
    所定期間積算した積算結果に基づいて選択するように構
    成されたことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいず
    れか一項記載のシンボルタイミング検出回路。
  5. 【請求項5】 位相変調された信号を受信する受信部
    と、 該位相変調された信号のシンボルクロックと同一速度の
    クロックを用いて該位相変調された信号に起因する信号
    が有するシンボルクロックと同一速度及び同一位相を有
    するシンボルタイミングを出力するシンボルタイミング
    検出回路と、 該シンボルタイミング検出回路から出力されるシンボル
    タイミングを用いて該位相変調された信号を復調する復
    調回路とをそなえ、 該シンボルタイミング検出回路が、 位相変調された信号のシンボルクロックと同一速度のク
    ロックを複数のタイミングで出力する複数タイミングク
    ロック出力部と、 該複数のタイミングで出力されたクロックのそれぞれ
    と、該位相変調された信号のシンボルクロックとの差分
    量を表す尤度データを複数出力する尤度データ出力部
    と、 該尤度データ出力部から出力された複数の尤度データを
    比較し尤度の優れた最良尤度データを表す比較結果信号
    を出力する比較部と、 該複数の尤度データのうちの基準位相データに一致する
    尤度データを該最良尤度データと判定して選択する選択
    部とをそなえて構成されたことを特徴とする、多値位相
    変調信号の受信装置。
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