JP2003163037A - 色素増感型光電気化学電池用電極およびそれを用いた色素増感型光電気化学電池 - Google Patents

色素増感型光電気化学電池用電極およびそれを用いた色素増感型光電気化学電池

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JP2003163037A
JP2003163037A JP2001360387A JP2001360387A JP2003163037A JP 2003163037 A JP2003163037 A JP 2003163037A JP 2001360387 A JP2001360387 A JP 2001360387A JP 2001360387 A JP2001360387 A JP 2001360387A JP 2003163037 A JP2003163037 A JP 2003163037A
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electrode
photoelectrochemical cell
porous body
conductive
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Juichi Ino
寿一 猪野
Hidetoshi Fukuchi
英俊 福地
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 発電ロスの少ない色素増感型光電気化学電
池、ならびに内部抵抗の低い色素増感型光電気化学電池
用電極を提供する。 【解決手段】 色素増感剤と導電性ウィスカーとを含有
する半導体の多孔質体を備える色素増感型光電気化学電
池用電極。色素増感剤としてはビピリジン−カルボン酸
−ルテニウム(2)錯体水和物、半導体としては酸化チ
タンを主成分とするものがあげられる。導電性ウイスカ
ーは平均径0.4〜0.7μm、平均長さ5〜20μ
m、アスペクト比10〜20、抵抗値0.1〜1Ω/c
mのものが好ましい。色素増感剤及び導電性ウイスカー
は溶液との界面から10μm以内にあることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、湿式太陽電池に
代表される色素増感型光電気化学電池、ならびにそれに
適した電極に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体と溶液を組み合わせて、半導体ま
たは溶液で光を吸収させ光励起を生じさせて、光エネル
ギーを電気エネルギーとして取り出す光電気化学電池が
知られている。半導体は、微粒子状で溶液中に混合さ
れ、その中で浮遊した状態で利用される場合もあれば、
電極に固定して利用される場合もある。半導体が電極に
固定して利用される場合、光励起を促進するため、色素
増感剤が一般に利用される。そのような構成からなる湿
式太陽電池として、たとえば特開2001−76774
公報には、透明導電膜上で酸化チタン粒子を焼結させ多
孔質膜を成形し、その表面に色素増感剤を付着させたも
のが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の湿式
太陽電池では、色素増感剤から酸化チタン粒子への電子
移動が起こり難く、かつ、酸化チタン粒子間の電子伝達
効率が悪いため、電極の内部抵抗が大きく、電池の発電
ロスが大きいという問題があった。この発明は、この問
題点に着目して完成されたものであり、発電ロスの少な
い色素増感型光電気化学電池、ならびに内部抵抗の低い
色素増感型光電気化学電池用電極を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の色素増感型光電気化学電池用電
極は、色素増感剤および導電性ウィスカーを含有する半
導体の多孔質体を備えるものである。
【0005】請求項2に記載の発明の色素増感型光電気
化学電池用電極は、請求項1に記載の発明において、半
導体の多孔質体に関し、色素増感剤および導電性ウィス
カーが溶液との界面から少なくとも10μm以内に存在
するものである。
【0006】請求項3に記載の発明の色素増感型光電気
化学電池用電極は、請求項1または2に記載の発明にお
いて、色素増感剤がビピリジン−カルボン酸−ルテニウ
ム(II)錯体二水和物であるものである。
【0007】請求項4に記載の発明の色素増感型光電気
化学電池用電極は、請求項1〜3のいずれか1項に記載
の発明において、半導体が酸化チタンを主成分とするも
のである。
【0008】請求項5に記載の発明の色素増感型光電気
化学電池用電極は、請求項1〜4のいずれか1項に記載
の発明において、導電性ウィスカーが平均径0.4〜
0.7μm、平均長さ5〜20μm、アスペクト比10
〜20のものである。
【0009】請求項6に記載の発明の色素増感型光電気
化学電池用電極は、請求項1〜5のいずれか1項に記載
の発明において、導電性ウィスカーが抵抗値0.1〜1
Ω/mのものである。
【0010】請求項7に記載の発明の色素増感型光電気
化学電池用電極は、請求項1〜6のいずれか1項に記載
の発明において、半導体の多孔質体に関し、導電性ウィ
スカーの含有率が半導体粒子および導電性ウィスカーの
合計重量に対して3〜30重量%であり、色素増感剤の
含有率が半導体粒子および導電性ウィスカーの合計重量
に対して42〜57重量%のものである。
【0011】請求項8に記載の発明の色素増感型光電気
化学電池用電極は、請求項1〜7のいずれか1項に記載
の発明において、導電性ウィスカーが酸化スズを主成分
とするものである。
【0012】請求項9に記載の発明の色素増感型光電気
化学電池は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の色素
増感型光電気化学電池用電極を用いたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態について、詳細に説明する。
【0014】色素増感型光電気化学電池用電極は、色素
増感剤と導電性ウィスカーとを含有する半導体の多孔質
体を備えるものである。従来の湿式太陽電池において、
電極の内部抵抗が大きかったのは、酸化チタンなどの半
導体そのものの電導率が低いことと、半導体が粒子状で
あるため粒子間の接触面積が小さいこととが主要因であ
ると本発明者らは推断した。そこで、本発明者らは、半
導体の多孔質体中に導電性ウィスカーを存在させること
により、電導率の高い経路を新たに設けて、さらに半導
体粒子と導電性ウィスカーとを多くの点で接触させて、
光電気化学反応に由来する電子が多孔質体内において容
易に移動できるように改良した。
【0015】導電性ウィスカーは、とくに限定されるも
のではないが、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジ
ウムまたは酸化スズなどを主成分とする金属酸化物が好
ましい。中でも酸化スズは、結晶性材料であり、電導率
も高いことから最適である。ここで、「主成分とする」
とは、慣用に従い、その成分含有率が50重量%を超え
る状態をいう。また、ポリアセチレン、ポリチオフェ
ン、ポリピロールまたはポリアニリンを主成分とする導
電性有機物であってもよい。このような有機導電性ウィ
スカーを利用した場合、溶液に対する濡れ性が向上する
などの利点がある。
【0016】導電性ウィスカーは、平均径0.4〜0.
7μm、平均長さ5〜20μm、アスペクト比10〜2
0であることが好適である。この好適範囲は、半導体粒
子の形状またはそれとの混合方法などにより多少変化す
るが、半導体粒子の多孔質体中に均一に存在させるため
には、上記形状であることが好ましい。
【0017】また、導電性ウィスカーの抵抗値は、0.
1〜1Ω/mであることが好ましい。抵抗値が1Ω/m
を越える場合は、酸化チタンなどの電導率と比べて大差
がなく、電子の伝達経路として導電性ウィスカーを使用
する利点が薄れる。一方、0.1Ω/mより小さい場合
は、半導体粒子の多孔質体の電導率を高める点では好ま
しいが、この電池の光電変換効率が低下する。ちなみ
に、特開平6−172099号公報には、酸化スズを主
成分とする導電性ウィスカーの製造方法が記載されてい
る。
【0018】半導体としては、酸化チタン、酸化スズ、
酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ジルコニ
ウム、酸化イットリウム、酸化ランタンまたは酸化タン
タルなどの酸化物、あるいはSrTiO3 やCaTiO3 などのペ
ロブスカイト系酸化物を利用することができる。これら
の中でも、とくに酸化チタンが好ましい。酸化チタン
は、これら酸化物の中で最も大きい短絡電流が得られる
からである。これら酸化物は単独で、または複数種を適
宜組み合わせて使用してもよい。
【0019】半導体は粒子状であって、個々の半導体粒
子が結合することにより、多孔質体が形成される。多孔
質体はその内部に溶液を取り込むことができるので、半
導体と溶液との接触面積が大きくなり、半導体粒子−溶
液間の電子移動が容易になる。その結果、電極の内部抵
抗が低下する。半導体粒子の形状は、従来の略球形でも
よいが、比表面積の大きな鱗片状がとくに好ましい。半
導体粒子が鱗片状であれば、溶液との接触面積だけでな
く、半導体粒子同士の接触面積も大きくなるので、電極
の内部抵抗はさらに低下する。
【0020】半導体粒子が略球形の場合、その平均粒径
は1〜1,000nm、さらには5〜100nmである
ことが好ましい。粒径が大きすぎると、比表面積が小さ
くなりすぎる他、電極から剥離し易くなる。一方、粒径
が小さすぎると、溶液が多孔質体内部にまで浸透し難く
なり、多孔質体−溶液間での電子移動が実質的に多孔質
体の表面すなわち溶液との界面近傍でのみ行われるよう
になる。また、鱗片状である場合は、平均粒径が0.5
〜10μm、平均厚さが0.1〜1μm、アスペクト比
が5以上であることが好ましい。なお、半導体粒子が鱗
片状である場合は、ガラスフレークを基材として、その
表面に上記各種半導体を被覆したものであってもよい。
ガラスフレークの表面に酸化チタンを被覆したものとし
て、日本板硝子社からメタシャイン−チタニアコートシ
リーズが市販されており、これらは安価で入手し易いこ
とから、工業量産用途にとくに適した部材である。
【0021】色素増感剤としては、可視光領域から赤外
線領域でよく反応するものが好ましく、公知の金属錯体
または有機色素を用いることができる。金属錯体として
は、たとえば銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニ
ン、クロロフィルもしくはその誘導体などが挙げられ
る。有機色素としては、メタルフリーフタロシアニン、
シアニン系色素、メタロシアニン系色素、キサンテン系
色素、トリフェニルメタン系色素などを例示することが
できる。その他、ビピリジン−カルボン酸−ルテニウム
(II)錯体二水和物なども使用することができる。これら
の中でも、ビピリジン−カルボン酸−ルテニウム(II)錯
体二水和物は、太陽光の吸収効率が高いことから湿式太
陽電池の電極部材としてとくに好ましい。
【0022】色素増感剤の形状は、とくに限定されるも
のではないが、上記半導体粒子の形状とほぼ同じである
ことが好ましい。半導体粒子および上記導電性ウィスカ
ーと均一に混在させることができるからである。また、
色素増感剤が鱗片状の場合は、受光面積が大きくなるこ
とから、光励起反応がより生じ易くなり、光電変換効率
の向上が期待できる。
【0023】色素増感型光電気化学電池用電極は、その
構造をとくに限定されるものではないが、銀もしくは銅
などの導電性金属板またはITOなどの導電性薄膜を備
えるガラス板を基材として、その表面に半導体粒子、色
素増感剤および導電性ウィスカーを基本構成部材とする
多孔質体を成形した構造が好ましい。基材を使用せず多
孔質体だけ電極を構成した場合、強度が不足するため、
耐久性に劣るからである。
【0024】この多孔質体の内部空隙率は、30〜70
%であることが好ましい。この内部空隙率が小さすぎる
場合は、多孔質体の内部に溶液が浸入し難くなり、多孔
質体−溶液間での電子移動が起き難くなる。一方、空隙
率が大きくなりすぎれば、多孔質体の強度が必然的に低
下する。多孔質体において光励起を起こすのは主に色素
増感剤であるから、色素増感剤−溶液間の電子移動の難
易は、そのまま電池性能に反映される。したがって、内
部空隙率が比較的高く、溶液が多孔質体内部にまで浸透
して循環できる場合は、色素増感剤が多孔質体の内部に
存在しても、その内部の色素増感剤は有効に機能しう
る。しかし、内部空隙率が比較的低い場合、または空隙
の平均径が小さすぎる場合は、溶液が多孔質体内部にま
で浸透し難く、かつ、循環し難いので、多孔質体の内部
に存在する色素増感剤は機能し難くなる。さらに、多孔
質体内部の色素増感剤は、半導体粒子および導電性ウィ
スカーの電子移動を妨げることから、電極の内部抵抗を
高めることにもなる。具体的には、内部空隙率が50%
以下の場合は、色素増感剤を多孔質体の表面近傍に集中
的に配置することが望ましい。とくに、多孔質体と溶液
との界面から10μm、さらには5μm以内に配置する
ことが好ましい。なお、この内部空隙率は、多孔質体の
表面を撮影した電子顕微鏡写真に基づいて算出する。
【0025】この多孔質体は、半導体粒子、色素増感剤
および導電性ウィスカーを基本構成部材とするが、必要
により界面活性剤や蓄光顔料などを加えてもよい。たと
えば、蓄光顔料を加えることにより、光吸収能の増幅な
どの新たな機能を付加できる。
【0026】多孔質体の形状は、とくに限定されるもの
ではなく、導電膜付きガラス板などの基材の表面形状に
倣ったものにすればよい。多孔質体の厚さは、0.1〜
100μm、さらには1〜50μmが好ましい。0.1
μmより薄い場合は、溶液との十分な接触面積を確保す
ることができない。一方、100μmより厚いと、内部
抵抗が高くなりすぎ、発電ロスが却って大きくなる。
【0027】半導体粒子、色素増感剤および導電性ウィ
スカーで多孔質体を構成する場合、導電性ウィスカー
は、半導体粒子および導電性ウィスカーの合計重量に対
して、3〜30重量%の割合で含有されることが好まし
い。さらに、色素増感剤は、半導体粒子および導電性ウ
ィスカーの合計重量に対して、30〜80重量%、とく
に42〜57重量%の割合で含有されることが望まし
い。色素増感剤の含有率が低すぎれば、光励起が十分に
起きないことから、光電変換効率の向上は望めない。一
方で、この含有率が高すぎれば、半導体粒子および導電
性ウィスカーの含有率が相対的に低下して、多孔質体に
おける強度低下や電子移動が困難になるなどの問題が生
じる。また、導電性ウィスカーの含有率が低すぎる場合
は、多孔質体内部の電子移動が困難になり、一方高すぎ
れば、短絡電流の低下などの問題が生じる。
【0028】この電極の製造方法は、とくに限定される
ものではなく、たとえば導電膜付きガラス板上に、半導
体粒子、色素増感剤および導電性ウィスカーを均一撹拌
した溶液を、ディップ法、フローコート法またはバーコ
ーターを用いた塗布法などにより塗布し、その後加熱焼
成する方法が挙げられる。しかし、色素増感剤または導
電性ウィスカーが有機物である場合、高温での加熱焼成
に耐えられないため、半導体粒子を焼成して多孔質体を
構成させた後、多孔質体の表面近傍に色素増感剤および
導電性ウィスカーを還流などにより化学吸着または物理
吸着させてもよい。
【0029】この電極を用いた色素増感型光電気化学電
池の製造方法は、とくに限定されるものではなく、公知
の湿式太陽電池の製造方法をそのまま利用することがで
きる。なお、湿式太陽電池における電極間に封入する溶
液の代わりに、この電池では波長350〜380nmの
紫外線領域での吸収が小さい透明導電性樹脂などの固体
電解質を使用してもよい。
【0030】
【実施例】以下、実施例により、この発明をさらに具体
的に説明する。
【0031】(比較例1)界面活性剤(和光純薬 Trit
on X-100)を0.5重量%含有する水溶液に、酸化チタ
ン粒子(石原産業社製 ST−01 平均粒径7nm)
を投入し、均一に撹拌して分散液を得た。この分散液を
5×5cmのITO膜付きガラス板(日本板硝子社製)
上にバーコーターを用いて均一に塗布し、このガラス板
を100℃で1時間、つづけて450℃で1時間加熱
し、厚さ10μmの酸化チタンからなる多孔質体を成形
した。つぎに、色素増感剤として0.3モルのビピリジ
ン−カルボン酸−ルテニウム(II)二水和物をエタノール
溶液に添加し、ここに上記多孔質体を備えたガラス板を
浸漬した。その後、溶液を沸点近くまで加熱し、2時間
還流条件で多孔質体の表面近傍に色素増感剤を付着さ
せ、色素増感剤を含有した多孔質体を備える電極を製造
した。なお、色素増感剤の含有率は、酸化チタン粒子の
重量に対して50重量%であった。また、多孔質体の表
面を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体の表面から
5μmの深さまで色素増感剤が付着しており、その内部
空隙率は平均で40%であることが判明した。つづい
て、同ITO膜付きガラス板の表面に白金をスパッタリ
ングした対向電極の表面に、電極間のスペーサーとして
の球形シリカ(宇部日東化成社製 ハイプレシリカスペ
ーサー 平均粒径10.3μm)を乾式噴霧して定着さ
せた。これらの電極を重ね合わせ、溶液注入口を残して
周辺をエポキシ系の接着剤でシールした。この注入口か
ら大気圧下で電解液を注入し、空気が残らないように電
極間を電解液で充たした。この電解液は、体積比が1:
4であるメトキシプロピオニトリルとエチレンカーボネ
ートとの混合溶媒中に、ヨウ化テトラプロピルアンモニ
ウムが0.43mol/L、ヨウ素が0.06mol/Lとなるよ
うに溶解させたものである。電解液注入後、注入口もエ
ポキシ系接着剤で封着し、両電極にリード線を取り付け
て、色素増感型光電気化学電池を製造した。この電池の
発電性能を評価するため、キセノンランプを光源とし
て、UVカットフィルターとAM1.5フィルターとを
通した500W/m2強度の疑似太陽光を照射した。そ
の結果、この電池は、開放電圧(Voc)が0.66
V、短絡電流(Isc)が6.9mA/cm2、曲線因子(F
F)が0.63、光電変換効率が5.7%であった。
【0032】(実施例1)上記比較例1において、酸化
チタン粒子を含む分散液中に、酸化スズを主成分とし酸
化アンチモンを含有する導電性ウィスカー(日本板硝子
社製 平均径0.5μm 平均長さ20μm アスペク
ト比40 電導率10S/cm)を、酸化チタン粒子と導電
性ウィスカーとの合計重量に対して5重量%となるよう
に加えた。その他は、比較例1と同様にして、色素増感
型光電気化学電池用電極およびそれを用いた電池を製造
した。この電極の多孔質体において、酸化チタン粒子と
導電性ウィスカーは、全体に渡って均一に混在してい
た。また、色素増感剤の含有率は、酸化チタン粒子およ
び導電性ウィスカーの合計重量に対して50重量%であ
り、色素増感剤は多孔質体の表面から4μmの深さまで
存在していた。多孔質体の表面の電子顕微鏡写真から、
多孔質体の内部空隙率は30%であることが判った。こ
の電池の発電性能は、開放電圧(Voc)が0.66
V、短絡電流(Isc)が7.5mA/cm2、曲線因子(F
F)が0.63、光電変換効率が6.0%であった。し
たがって、実施例1では、導電性ウィスカーを使用する
ことにより、比較例1に比べ光電変換効率がおよそ5%
向上したことになる。
【0033】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
ることから、つぎのような効果を奏する。
【0034】請求項1に記載の発明によれば、色素増感
剤および導電性ウィスカーを含有する半導体の多孔質体
を備えるので、内部抵抗が低い色素増感型光電気化学電
池用電極が得られる。
【0035】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加えて、半導体の多孔質体において、色
素増感剤および導電性ウィスカーが溶液との界面から少
なくとも10μm以内に存在するので、色素増感剤−溶
液間の電子移動が容易になり、内部抵抗の低い色素増感
型光電気化学電池用電極が確実に得られる。
【0036】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
および2の発明の効果に加えて、色素増感剤がビピリジ
ン−カルボン酸−ルテニウム(II)錯体二水和物である
ので、太陽光の吸収効率が高く、色素増感型光電気化学
電池の光電変換効率を高めることができる。
【0037】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
〜3の発明の効果に加えて、半導体が酸化チタンを主成
分とするものであるので、色素増感型光電気化学電池用
電極の短絡電流を大きくすることができる。
【0038】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
〜4の発明の効果に加えて、導電性ウィスカーが平均径
0.4〜0.7μm、平均長さ5〜20μm、アスペク
ト比10〜20であるので、導電性ウィスカーが多孔質
体内で均一に存在することができる。
【0039】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
〜5の発明の効果に加え、導電性ウィスカーが抵抗値
0.1〜1Ω/mであるので、色素増感型光電気化学電
池の光電変換効率を維持しつつ、その電極の内部抵抗を
下げることができる。
【0040】請求項7に記載の発明によれば、請求項1
〜6の発明の効果に加えて、多孔質体において、導電性
ウィスカーの含有率が半導体粒子および導電性ウィスカ
ーの合計重量に対して3〜30重量%であり、色素増感
剤の含有率が半導体粒子および導電性ウィスカーの合計
重量に対して42〜57重量%であるので、色素増感剤
が半導体粒子および導電性ウィスカーの表面に確実に存
在することができ、色素増感型光電気化学電池の光電変
換効率を高めることができる。
【0041】請求項8に記載の発明によれば、請求項1
〜7の発明の効果に加えて、導電性ウィスカーが酸化ス
ズを主成分とするので、色素増感型光電気化学電池用電
極の内部抵抗をさらに下げることができる。
【0042】請求項9に記載の発明によれば、請求項1
〜8の発明に掛かる色素増感型光電気化学電池用電極を
用いるので、発電ロスの少ない色素増感型光電気化学電
池が得られる。
フロントページの続き Fターム(参考) 5F051 AA14 FA04 FA06 5H032 AA06 AS01 AS06 AS16 EE02 EE16 HH01 HH04 HH08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色素増感剤および導電性ウィスカーを含
    有する半導体の多孔質体を備える色素増感型光電気化学
    電池用電極。
  2. 【請求項2】 上記半導体の多孔質体において、色素増
    感剤および導電性ウィスカーが溶液との界面から少なく
    とも10μm以内に存在する請求項1に記載の色素増感
    型光電気化学電池用電極。
  3. 【請求項3】 上記色素増感剤は、ビピリジン−カルボ
    ン酸−ルテニウム(II)錯体二水和物である請求項1ま
    たは2に記載の色素増感型光電気化学電池用電極。
  4. 【請求項4】 上記半導体は、酸化チタンを主成分とす
    るものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素
    増感型光電気化学電池用電極。
  5. 【請求項5】 上記導電性ウィスカーは、平均径0.4
    〜0.7μm、平均長さ5〜20μm、アスペクト比1
    0〜20である請求項1〜4のいずれか1項に記載の色
    素増感型光電気化学電池用電極。
  6. 【請求項6】 上記導電性ウィスカーは、抵抗値0.1
    〜1Ω/mである請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    色素増感型光電気化学電池用電極。
  7. 【請求項7】 上記半導体の多孔質体において、導電性
    ウィスカーの含有率は、半導体粒子および導電性ウィス
    カーの合計重量に対して3〜30重量%であり、色素増
    感剤の含有率は、半導体粒子および導電性ウィスカーの
    合計重量に対して42〜57重量%である請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の色素増感型光電気化学電池用電
    極。
  8. 【請求項8】 上記導電性ウィスカーは、酸化スズを主
    成分とするものである請求項1〜7のいずれか1項に記
    載の色素増感型光電気化学電池用電極。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の色
    素増感型光電気化学電池用電極を用いた色素増感型光電
    気化学電池。
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