JP2003161967A - 可逆性画像表示媒体及びその製造方法並びに画像形成方法 - Google Patents

可逆性画像表示媒体及びその製造方法並びに画像形成方法

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JP2003161967A
JP2003161967A JP2001361502A JP2001361502A JP2003161967A JP 2003161967 A JP2003161967 A JP 2003161967A JP 2001361502 A JP2001361502 A JP 2001361502A JP 2001361502 A JP2001361502 A JP 2001361502A JP 2003161967 A JP2003161967 A JP 2003161967A
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Japan
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developer
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developing particles
image
cell
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JP2001361502A
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English (en)
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Akihito Ikegawa
彰仁 池側
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーフィルタを用いずにカラー画像表示を
行うことができる可逆性画像表示媒体及びその製造方法
並びに画像形成方法を提供する。 【解決手段】 赤色現像粒子Rと黒色現像粒子Kを含む
現像剤DVrが収容されたセルCrと、緑色現像粒子G
と黒色現像粒子Kを含む現像剤DVgが収容されたセル
Cgと、赤色現像粒子Bと黒色現像粒子Kを含む現像剤
DVbが収容されたセルCbとが、基板S1とS2間に
ストライプ配列された画像表示媒体MD1。いずれのセ
ルに収容された二種類の現像粒子も、互いに逆極性の帯
電性を有している。表示する画像の各サブ画素にそれぞ
れ対応するセル領域内の現像剤に対して、そのサブ画素
の画像情報に応じた向きの電界Eを印加して画像を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可逆性画像表示媒
体及びその製造方法に関する。また本発明は、可逆性画
像表示媒体への画像形成方法、換言すれば、画像表示媒
体により画像表示を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像表示、画像消去を繰り返し行うこと
ができ、現像剤、インク等を消耗せずに画像表示を行う
ことができる可逆性画像表示媒体が、例えば特開200
1−290179号公報において提案されている。
【0003】この画像表示媒体においては、二つのシー
トの間に1又は2以上のセルが設けられており、各セル
内には次のような二種類の現像粒子を含む乾式現像剤が
収容されている。現像剤を構成する二種類の現像粒子
は、互いに帯電極性が異なり、互いに光学的反射濃度が
異なっている。
【0004】この画像表示媒体においては、表示しよう
とする画像の画素ごとに所定の静電場を形成すること
で、現像粒子をセル内において移動させて表示が行われ
る。現像剤はセル内において移動するだけで、表示を行
っても消耗されない。また、所定の方法により以前の表
示画像も消去することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の可
逆性画像表示媒体ではモノクロ画像表示を行うことはで
きても、カラー画像表示を行うことはできない。モノク
ロ画像表示ができる可逆性画像表示媒体にカラーフィル
タを設けてカラー画像表示を行うことも考えられるが、
その場合にはカラーフィルタにより光の利用効率が低下
し、明るいカラー画像表示を行うことが難しくなる。
【0006】そこで本発明は、カラー画像表示を行うこ
とができる可逆性画像表示媒体及びその製造方法、並び
に、この画像表示媒体への画像形成方法を提供すること
を課題とする。また、本発明はカラーフィルタを用いず
にカラー画像表示を行うことができ、それだけ明るいカ
ラー画像表示を行うことができる可逆性画像表示媒体を
提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】§1.可逆性画像表示媒
体(画像表示素子) 本発明は、所定のギャップをおいて対向する第1及び第
2の基板と、前記第1基板と第2基板の間に形成され、
現像剤を収容するための複数のセルと、前記各セルにそ
れぞれ収容された乾式現像剤とを有しており、いずれの
前記セルに収容された乾式現像剤も、互いに光学的反射
濃度が異なり、互いに帯電極性が異なり、いずれも摩擦
帯電性を有する第1及び第2の二種類の現像粒子を含ん
でおり、前記複数のセルには、前記第1現像粒子とし
て、互いに色の異なるN種類(Nは2以上の整数)の色
の現像粒子のうちのいずれかの色の現像粒子が収容され
たN種類のセルが含まれ、N種類のいずれの色について
も、同じ色の第1現像粒子が収容されたセルは周期的に
配列されていることを特徴とする可逆性画像表示媒体を
提供する。
【0008】換言すれば、本発明の可逆性画像表示媒体
は、所定のギャップをおいて対向する第1及び第2の基
板と、前記第1基板と第2基板の間に形成され、現像剤
を収容するための複数のセルと、前記各セルにそれぞれ
収容された乾式現像剤とを有しており、いずれの前記セ
ルに収容された乾式現像剤も、互いに光学的反射濃度が
異なり、互いに帯電極性が異なり、いずれも摩擦帯電性
を有する第1及び第2の二種類の現像粒子を含んでお
り、いずれの前記セルにも、前記第1現像粒子として、
互いに色の異なるN種類(Nは2以上の整数)の色の現
像粒子のうちのいずれかの色の現像粒子が収容されてお
り、N種類のいずれの色についても、同じ色の第1現像
粒子が収容されたセルは周期的に配列されていることを
特徴とする可逆性画像表示媒体である。
【0009】§1.1.可逆性画像表示媒体(画像表示
素子)は、第1及び第2の二つの基板と、複数のセルを
有している。第1基板と第2基板は、所定のギャップを
あけて配置されている。代表的には、第1及び第2基板
のうちの少なくとも一方の基板は透光性を有している。
代表的には、第1及び第2基板のうちの少なくとも観察
側に配置される基板を透光性とすればよい。観察側と反
対側に配置される基板は、透光性を有していても、いな
くてもよい。
【0010】複数のセルは基板間に配置されている。こ
れらセルはいずれも現像剤を収容するためのものであ
る。これらセルは互いに独立しており、いずれのセルも
現像剤を収容するための閉じた空間(密閉された空間)
を提供している。いずれのセル内にも乾式現像剤が収容
されている。セル内に収容された現像剤(現像粒子)
は、そのセル内においては移動することができるが、隣
のセルへは移動することはできない。
【0011】このような複数のセルを基板間に設けるた
めに、例えば、1又は2以上の壁(仕切り壁等)を基板
間に配置すればよい。この場合、1又は2以上の壁と、
第1及び第2基板により形成される閉じた一つの空間を
一つのセルとして利用すればよい。壁には、基板間のギ
ャップを維持するためのスペーサの機能を持たせてもよ
い。一部又は全部の壁は、第1又は第2基板と一体的に
形成されたものとしてもよい。
【0012】いずれのセルに収容されている乾式現像剤
も二種類の現像粒子を含んでいる。乾式現像剤はこれら
二種類の現像粒子以外にも、他の1又は2以上の種類の
現像粒子又は(及び)添加剤等をさらに含んでいてもよ
い。つまり、乾式現像剤は、少なくとも二種類の現像粒
子を含んでいる。
【0013】以降の説明では、同じセル内に収容され
て、乾式現像剤を構成する二種類の現像粒子のうちの一
方の現像粒子のことを指して第1現像粒子と、他方の現
像粒子のことを指して第2現像粒子ということがある。
以下に述べるように異なるセルに収容されている第1現
像粒子は同じ種類の現像粒子ではないことがあり、例え
ば色が異なっていることがある。第2現像粒子について
は代表的にはいずれのセルに収容されているものも同じ
種類のものとするが、異なるセルに収容されている第2
現像粒子は同じ種類の現像粒子でなくてもよい。
【0014】同じセルに収容されている二種類の現像粒
子(第1現像粒子と第2現像粒子)は、互いに光学的反
射濃度が異なっており、つまり、互いに色が異なってい
る。これら第1及び第2現像粒子は、いずれも摩擦帯電
性を有しており、互いに帯電極性が異なっている。な
お、画像表示を行うときには第1及び第2現像粒子は互
いに逆極性に帯電している必要があるが、これ以外のと
きには第1及び(又は)第2現像粒子は帯電していなく
てもよい。
【0015】複数のセルには、第1現像粒子として、互
いに色の異なる複数色の現像粒子のうちのいずれかの色
の現像粒子が収容された複数種類のセルが含まれてい
る。そして、いずれのセルにも、第1現像粒子として、
互いに色の異なるN種類(Nは2以上の整数)の色の現
像粒子(第1〜第Nの色の現像粒子という)のうちのい
ずれか色の現像粒子が収容されている。つまり、同じセ
ルに収容されている二種類の現像粒子のうちの一方の現
像粒子は、互いに色の異なるN種類の色の現像粒子のう
ちのいずれかの色の現像粒子である。例えば、いずれの
セルにも、第1現像粒子として、赤、緑及び青色の三種
類の現像粒子のうちのいずれかの色の現像粒子を収容す
ればよい。
【0016】N種類のいずれの色についても、同じ色の
第1現像粒子が収容されたセルは周期的に繰り返し配列
されている。例えば、互いに隣合う二つのセルに第1現
像粒子として収容された現像粒子の色が互いに異なる色
となるように、同じ色の第1現像粒子を周期的に配列す
ればよい。同じ色の第1現像粒子が収容されたセルは、
少なくとも一次元的に周期的に繰り返し配列されてお
り、二次元的に周期的に繰り返し配列してもよい。
【0017】例えば、N個の隣合うセルを一つのグルー
プとしたセルグループを周期的に配列して、いずれのセ
ルにも第1現像粒子として、N種類の色のいずれかの色
の現像粒子であって、同じセルグループの他のセルに収
容されている現像粒子とは異なる色の現像粒子を収容す
ればよい。
【0018】N種類(例えば三種類)のいずれかの色の
第1現像粒子がそれぞれ収容されたセルは、例えば、ス
トライプ配列、モザイク配列又はデルタ配列すればよ
い。ストライプ配列、モザイク配列及びデルタ配列はい
ずれも、カラー液晶表示素子に用いられているカラーフ
ィルタの赤色フィルタ部分、緑色フィルタ部分及び青色
フィルタ部分の配列として知られているものである。後
述する図面にも示すが、これら配列は例えば次のような
ものである。なお、説明の都合上、第kの色(1≦k≦
N)の第1現像粒子を含む現像剤が収容されているセル
を第kセルという。ストライプ配列においては、第1セ
ル、第2セル、・・・、第Nセルがこの順に所定ピッチ
Pで所定X方向に直線的に一列に並んでおり、通常は、
このような第1〜第Nセルからなるセルグループが複数
X方向に一列に並んでいる。ストライプ配列では、X方
向に並ぶ1又は2以上の上記セルグループをY方向(X
方向に直交する方向)に複数列設けてもよい。この場
合、Y方向において隣合う二つのセルグループでは、X
方向における位置はずらさない。つまり、Y方向に隣合
うセルは同じ色の第1現像粒子を含むものとする。モザ
イク配列においては、第1セル、第2セル、・・・、第
Nセルがこの順に所定ピッチPで所定X方向に直線的に
一列に並んでおり、通常は、このような第1〜第Nセル
からなるセルグループが複数X方向に一列に並んでい
る。モザイク配列においてはさらに、X方向に並ぶ1又
は2以上の上記セルグループがY方向(X方向に直交す
る方向)に複数列設けられている。そして、Y方向にお
いて隣合う二つのセルグループでは、X方向における位
置がm・Pピッチ(mは整数であり、Nの倍数(Nも含
む)は除く)ずれている。つまり、Y方向において隣合
う二つのセルの第1現像粒子の色は異なっている。デル
タ配列は、次に述べることを除きモザイク配列と同様で
ある。デルタ配列においては、Y方向において隣合う二
つのセルグループでは、X方向における位置がn・P/
2ピッチ(nは整数)ずれている。
【0019】前述のようにいずれのセルにも現像剤を構
成する現像粒子として、第1現像粒子の他に、第2現像
粒子が収容されている。代表的には、第2現像粒子の色
は第1現像剤の前記N種類のいずれの色とも異なるもの
とし、いずれのセルに収容された第2現像粒子も全て同
じ色とすればよい。このようにすれば、第2現像粒子の
色は例えば画像表示を行うときのベースの色、背景色な
どとして利用することができる。第2現像粒子の色は、
例えば、白(W)又は黒(K)色とすればよい。
【0020】§1.2. 各セルに収容する第1現像粒子と第2現像粒子の色の組
み合わせの代表例として、次の(a)又は(b)に示す
ものを挙げることができる。
【0021】(a) 第1現像粒子として、いずれのセ
ルにも、赤(R)、緑(G)及び青(B)色の現像粒子
のうちのいずれかの現像粒子を収容する。また、第2現
像粒子として、いずれのセルにも、赤、緑及び青色のい
ずれの色とも異なる所定のベース色の現像粒子を収容す
る。ベース色は、例えば、黒色とすればよい。つまり、
いずれのセルにも、赤色現像粒子とベース色現像粒子を
含む現像剤、緑色現像粒子とベース色現像粒子を含む現
像剤、又は、青色現像粒子とベース色現像粒子を含む現
像剤を収容する。
【0022】ここで、赤色現像粒子を含む現像剤、緑色
現像粒子を含む現像剤、青色現像粒子を含む現像剤が収
容されたセルをそれぞれRセル、Bセル、Gセルとす
る。
【0023】一つのRセルは、赤又はベース色(例えば
黒色)の表示を行うための1又は2以上のサブ画素(R
サブ画素という)として利用することができる。同様
に、一つのGセルは、緑又はベース色の表示を行うため
の1又は2以上のサブ画素(Gサブ画素という)として
利用することができる。一つのBセルは、青又はベース
色の表示を行うための1又は2以上のサブ画素(Bサブ
画素)として利用することができる。
【0024】したがって、隣合うRサブ画素、Gサブ画
素及びBサブ画素により一つの画素を構成すれば、その
画素においては加法混色によりカラー表示を行うことが
できる。これにより、隣合うRサブ画素、Gサブ画素及
びBサブ画素により構成される画素を複数マトリクス状
に配置すれば、画像表示媒体によりカラーマトリクス表
示を行うことができる。
【0025】カラーマトリクス表示を行うなどのため、
Rセル、Gセル、Bセルは、例えば、所定の順序でスト
ライプ配列すればよい。或いは、Rセル、Gセル、Bセ
ルは、モザイク配列又はデルタ配列してもよい。Rセ
ル、Gセル及びBセルがストライプ配列、モザイク配列
又はデルタ配列された画像表示媒体をRGB型画像表示
媒体という。
【0026】(b) 第1現像粒子として、いずれのセ
ルにも、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー
(Y)の現像粒子のうちのいずれかの色の現像粒子を収
容する。また、第2現像粒子として、いずれのセルに
も、シアン、マゼンタ及びイエローのいずれの色とも異
なる所定のベース色の現像粒子を収容する。ベース色
は、例えば、白色とすればよい。つまり、いずれのセル
にも、シアン現像粒子とベース色現像粒子を含む現像
剤、マゼンタ現像粒子とベース色現像粒子を含む現像
剤、又は、イエロー現像粒子とベース色現像粒子を含む
現像剤を収容する。
【0027】ここで、シアン現像粒子を含む現像剤、マ
ゼンタ現像粒子を含む現像剤、イエロー現像粒子を含む
現像剤が収容されたセルをそれぞれCセル、Mセル、Y
セルとする。
【0028】一つのCセルは、シアン又はベース色(例
えば白色)の表示を行うための1又は2以上のサブ画素
(Cサブ画素という)として利用することができる。同
様に、一つのMセルは、マゼンタ又はベース色の表示を
行うための1又は2以上のサブ画素(Mサブ画素とい
う)として利用することができる。一つのYセルは、イ
エロー又はベース色の表示を行うための1又は2以上の
サブ画素(Yサブ画素)として利用することができる。
【0029】したがって、隣合うCサブ画素、Mサブ画
素及びYサブ画素により一つの画素を構成すれば、その
画素においては減法混色によりカラー表示を行うことが
できる。これにより、隣合うCサブ画素、Mサブ画素及
びYサブ画素により構成される画素を複数マトリクス状
に配置すれば、画像表示媒体によりカラーマトリクス表
示を行うことができる。
【0030】カラーマトリクス表示を行うなどのため、
Cセル、Mセル、Yセルは、例えば、所定の順序でスト
ライプ配列すればよい。或いは、Cセル、Mセル、Yセ
ルは、モザイク配列又はデルタ配列してもよい。
【0031】以上述べたように本発明の可逆性画像表示
媒体によると、カラーフィルタを用いずにカラー画像表
示を行うことができ、それだけ明るいカラー画像を表示
することができる。
【0032】§1.3. 可逆性画像表示媒体についてさらに説明する。 (a)乾式現像剤 セル内に収容する乾式現像剤は、前述のように互いに色
等の異なる第1現像粒子と第2現像粒子を含んでいる。
現像剤は、第1及び第2現像粒子の他に、流動性向上剤
等の外添剤を含んでいてもよい。流動性向上剤として
は、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸
バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウ
ム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレ
ー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セ
リウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、
炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げる
ことができる。これらは単独で流動性向上剤として用い
てもよく、組み合わせて用いてもよい。この中でも流動
性向上剤としては、特にシリカ、酸化アルミニウム、二
酸化チタン、フッ化マグネシウム等の微粉末が好まし
い。
【0033】乾式現像剤は例えば次のようにして作製す
ればよい。まず、互いに異なる光学的反射濃度で、摩擦
帯電性を有する第1現像粒子と第2現像粒子をそれぞれ
作製する。現像粒子の作製手法については後述する。次
いで、これら第1現像粒子と第2現像粒子を所定の割合
で混合し、攪拌する。これにより、互いに逆極性に帯電
した第1現像粒子と第2現像粒子を含む現像剤を得るこ
とができる。必要に応じて、第1現像粒子と第2現像粒
子を攪拌する前或いは途中に、流動性向上剤等の外添剤
を添加してもよい。なお、第1及び第2の現像粒子をセ
ルに収容した後、セルを振動させる等してこれら第1及
び第2現像粒子を摩擦帯電させてもよい。いずれにして
も画像形成前(画像表示前)に予め第1及び第2現像粒
子を互いに逆極性に帯電させておく。
【0034】(b)現像粒子 乾式現像剤を構成する現像粒子は、例えば、バインダ樹
脂と着色剤等を含む材料からなる粒子とし、着色剤がバ
インダ樹脂中に分散しているものとすればよい。この場
合、バインダ樹脂には、着色剤以外にも、例えば、荷電
制御剤、磁性体、抵抗調整剤等の内添剤を分散させても
よい。現像粒子は着色剤単独の粒子としてもよい。現像
粒子の作製に用いることができる材料の具体例を以下に
示す。
【0035】(b1)着色剤 着色剤としては、以下に示すような、有機又は無機の各
種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色顔料とし
ては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、ア
ニリンブラック、活性炭などがある。黄色顔料として
は、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、
ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンエロー、ネ
ーブルスエロー、ナフトールエローS、バンザーイエロ
ーG、バンザーイエロー10G、ベンジジンエローG、
ベンジジンエローGR、キノリンエローレーキ、パーマ
ネントエローNCG、タートラジンレーキなどがある。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パ
ーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バル
カンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジR
K、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアント
オレンジGKなどがある。赤色顔料としては、ベンガ
ラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、
パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロン
レッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレ
ッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、
ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアント
カーミン3Bなどがある。紫色顔料としては、マンガン
紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレー
キなどがある。青色顔料としては、紺青、コバルトブル
ー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、
フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、
フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイ
ブルー、インダスレンブルーBCなどがある。緑色顔科
としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグ
リーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエ
ローグリーンGなどがある。白色顔料としては、亜鉛
華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などがある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレ
ー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワ
イトなどがある。また塩基性、酸性、分散、直接染料な
どの各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ロ
ーズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブル
ーなどがある。黒色着色剤としてはカーボンブラックが
好ましいが、現像粒子に磁性を持たせるような場合には
例えばマグネタイト、フェライト等の磁性体を黒色着色
剤として用いてもよい。白色着色剤としては二酸化チタ
ンが好ましい。これらの着色剤は、単独で用いてもよ
く、複数組合せて用いてもよい。
【0036】(b2)バインダ樹脂 バインダ樹脂としては、着色剤、磁性体等を分散させる
ことができ、通常結着剤として使用されるものであれば
特に限定されない。バインダ樹脂としては、電子写真用
トナーに用いられている結着樹脂をその代表例として挙
げることができる。具体的に言うと、バインダ樹脂とし
ては、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルフォ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹
脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、フッ素系樹脂、シリコ
ン系樹脂、並びに、これらの共重合体、ブロック重合
体、グラフト重合体及びポリマーブレンドなどを例示で
きる。定着性能を要求されないので、バインダ樹脂のガ
ラス転移点Tgはかなり高くてもよく、バインダ樹脂は
熱可塑性樹脂でなくてもよい。
【0037】(b3)荷電制御剤 荷電制御剤は、現像粒子に摩擦帯電にて電荷を与えるこ
とができるものであれば特に制限はない。正荷電制御剤
としては、例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタ
ン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン
樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。負荷電制御
剤としては、例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ
染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性
染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン
化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニ
トロイミダゾール誘導体等が挙げられる。この他、超微
粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等
の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその
誘導体や塩、各種有機顔料、弗素、塩素、窒素等を含ん
だ樹脂等も荷電制御剤として用いることができる。
【0038】(b4)磁性体 磁性体材料としては、強磁性の元素及びこれらを含む合
金、化合物などの従来より知られている磁性材料を含む
材料を挙げることができる。具体的には、磁性体材料
は、例えば、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等
の鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の合金や化合
物、その他の強磁性合金等とすればよい。これら磁性体
の形状は、例えば、粒状、針状、薄片状等とすればよ
い。
【0039】(b5)抵抗調整剤 抵抗調整剤としては、前述した磁性紛、着色剤と同等な
ものもあり、薄片状、繊維状、粉末状等の各種形状の金
属酸化物、グラファイト、カーボンブラック等を好まし
く用いることができる。
【0040】現像粒子の製造方法としては、電子写真方
式の画像形成装置で用いられる乾式トナーの製造方法と
して知られている機械的粉砕法、スプレードライ法、マ
イクロカプセル化法、重合法等を採用することができ
る。機械的粉砕法によると例えば次のようにして現像粒
子を作製することができる。例えば、まず、バインダ樹
脂と、着色剤、磁性粉、荷電制御剤、抵抗調整剤等の内
添剤を所定量ずつ十分混合し、これを加圧ニーダや2軸
混練装置等により加熱混練する。これを冷却した後、ハ
ンマーミル、カッターミル等により粗粉砕する。次い
で、ジェットミル、オングミル等によりさらに微粉砕し
た後、風力分級機等を用いて所定の平均粒径になるまで
分級し、現像粒子を得る。
【0041】(c) 第1及び第2現像粒子のうちの少
なくとも一方の現像粒子は磁性を有するものとしてもよ
い。例えば第2現像粒子を磁性を有するものとすればよ
い。磁性を有する現像粒子を採用すれば、磁力によって
セル内において現像粒子を攪拌、振動等させることがで
きる。現像粒子をセル内で振動、攪拌させることの利点
については、後述する画像形成方法の説明で述べる。
【0042】(d) セルの内部での基板面と平行な方
向における現像剤(現像粒子)の偏りを抑制するため
に、セル内部には1又は2以上の現像剤移動抑制部材を
配置してもよい。現像剤抑制部材をセル内部に設けるこ
とで、セル内での現像粒子の基板面に平行な方向におけ
る偏りが抑制され、画像ムラ少なく画像表示を行うこと
ができる。現像剤移動抑制部材に基板間ギャップを維持
するためのスペーサの機能を持たせてもよい。現像剤移
動抑制部材は例えば柱状、壁状とすればよい。現像剤移
動抑制部材は、第1基板及び(又は)第2基板と固着し
ていてもよく、第1又は第2基板と一体的に形成された
ものであってもよい。
【0043】(e) 第1及び第2基板のうちの少なく
とも一方の基板には、少なくとも一つの電極(例えばフ
ロート電極)を形成してもよい。電極は基板の内面に形
成しても、外面に形成してもよい。後述するように電極
に電荷注入する場合等においては、電極は基板の外面に
形成しておけばよい。例えば、第1及び第2基板のうち
の一方の基板に各サブ画素にそれぞれ対応する電極(例
えばフロート電極)を設けておけばよい。他方の基板に
は、必要に応じて、サブ画素に対応する電極の全てに対
向する共通電極を一つ設けておけばよい。画像観察側に
配置される基板上の電極は代表的には透明電極とすれば
よい。画像観察側と反対側に配置される基板上の電極は
透明であっても、透明でなくてもよい。なお、画像表示
媒体の第1及び第2基板のいずれにも電極が形成されて
いなくてもよい。後述するように画像表示媒体に電極が
なくても画像表示を行うことができる。 (f) 上記述べたことは2以上を組み合わせてもよ
い。上記述べた可逆性画像表示媒体は、画像表示装置の
画像表示素子として利用することもできる。
【0044】§2.画像形成方法(画像表示方法) 本発明は、上記述べた可逆性画像表示媒体に画像形成す
る方法(可逆性画像表示媒体に画像表示を行わせる方
法、画像表示媒体(画像表示素子)を駆動する方法)と
して、前記セル内に収容された現像剤に対して電界を印
加する電界印加工程を含んでおり、前記電界印加工程に
おいては、前記基板面に垂直又はほぼ垂直な向きの電界
を現像剤に対して印加して、該現像剤の第1及び第2現
像粒子のうちの一方の現像粒子を第1基板の方へ相対的
に移動させるとともに、他方の現像粒子を第2基板の方
へ相対的に移動させ、該セル内において第1現像粒子と
第2現像粒子を偏在させることを特徴とする画像形成方
法を提供する。
【0045】§2.1. 本発明の画像形成方法(画像表示方法)においては、次
の電界印加工程を少なくとも行う。電界印加工程におい
ては、画像表示媒体のセル内に収容された現像剤に対し
て電界を印加する。基板面に垂直又はほぼ垂直な方向の
電界を現像剤に対して印加する。
【0046】前述のようにセル内には現像剤として、互
いに帯電極性の異なる第1現像粒子と、第2現像粒子が
収容されている。画像形成を行うときには、第1及び第
2現像粒子のうちの一方の現像粒子は正極性に帯電して
おり、他方の現像粒子は負極性に帯電している。つま
り、可逆性画像表示媒体としては、いずれのセル内の第
1及び第2現像粒子も、互いに逆極性に帯電しているも
のを準備する。なお、電界印加工程の前又は(及び)電
界印加工程と同時に、例えば現像剤の攪拌を行うことで
第1及び第2現像粒子を互いに逆極性に摩擦帯電させて
もよい。
【0047】このように互いに逆極性に帯電している第
1及び第2現像粒子を含む現像剤に対して電界を印加す
ると、電界の向きに応じて第1現像粒子と第2現像粒子
を逆方向に相対的に移動させることができる。電界の向
きが基板面に垂直又はほぼ垂直であるため、第1及び第
2現像粒子のうちの一方の現像粒子を第1基板の方へ移
動させ、他方の現像粒子を第2基板の方へ移動させるこ
とができる。つまり、第1現像粒子を第2現像粒子に対
して相対的に第1及び第2基板のうちの一方の基板の方
へ移動させ、第2現像粒子を第1現像粒子に対して相対
的に他方の基板の方へ移動させることができる。これに
より、第1及び第2現像粒子のうちの一方の現像粒子は
第1基板側に集まり、他方の現像粒子は第2基板側に集
まる。したがって、現像剤に対して電界を印加すること
で、第1及び第2現像粒子をセル内において偏在させる
ことができる。これにより、電界が印加されたセル領域
においては、表示観察側の基板の方へ集まった現像粒子
の色の表示を行うことができる。
【0048】したがって、形成しようとする画像の各画
素(又は各サブ画素)にそれぞれ対応するセル領域内の
現像剤に対して、それぞれその画素(又はそのサブ画
素)の画像情報(画像データ)に応じて、所定の向きの
電界を印加することで、所望の画像を表示することがで
きる。
【0049】§2.2. 画像表示方法についてさらに説明する。 (a) セル内に収容された現像剤への電界印加は例え
ば次の(a1)〜(a3)で述べるようにして行えばよ
い。
【0050】(a1) 画像表示媒体の第1及び第2基
板のうちの一方の基板に少なくとも一つのフロート電極
が設けられている場合には、そのフロート電極に所定極
性の電荷を注入することで、その注入電荷を利用して現
像剤に電界を印加することができる。
【0051】例えば、フロート電極が形成されている基
板と反対側の基板に、フロート電極に臨む対向電極を設
けておき、その対向電極を所定電位(例えば接地電位)
に設定することで、電荷注入されたフロート電極と対向
電極の間の現像剤に対して電界を印加することができ
る。この場合、フロート電極に注入する電荷の極性等に
応じた向きの電界を現像剤に対して印加することができ
る。
【0052】また、フロート電極が形成されている基板
と反対側の基板に臨む位置に対向部材を配置し、その対
向部材を所定電位(例えば接地電位)に設定しても、電
荷注入されたフロート電極と対向部材の間の現像剤に対
して電界を印加することができる。この場合、フロート
電極に注入する電荷の極性等に応じた向きの電界を現像
剤に対して印加することができる。
【0053】したがって、各サブ画素にそれぞれ対応す
る複数のフロート電極が基板上に形成されている場合に
は、各フロート電極にそれぞれそのサブ画素の画像情報
(画像データ)に応じた所定極性の電荷を注入すること
で、基板上に形成したい画像に応じた静電潜像を形成
し、各サブ画素の現像剤に対してそのサブ画素の画像情
報に応じた向きの電界を印加することができる。これに
より、所望の画像を形成することができる。
【0054】現像剤に対する電界印加は、フロート電極
への電荷注入と同時的に行ってもよく、フロート電極へ
の電荷注入の後に行ってもよい。
【0055】フロート電極への電荷注入は、例えば、フ
ロート電極に注入電極(記録電極)を接触させて、その
注入電極に所定極性の電圧を印加することで行えばよ
い。このようにすれば、注入電極に印加する電圧の極性
と同じ極性の電荷をフロート電極に注入することができ
る。複数の注入電極により一度に複数のフロート電極に
電荷注入を行ってもよい。
【0056】(a2) 画像表示媒体の第1基板上に電
極(第1電極という)が形成されているとともに、第2
基板上に第1電極に臨む電極(第2電極という)が形成
されている場合には、第1電極と第2電極の間に電圧を
印加することで、これら電極の間のセル領域内の現像剤
に対して電界を印加することができる。
【0057】第1及び第2基板のうちの一方の基板に各
サブ画素にそれぞれ対応する複数の電極(個別電極とい
う)が形成されており、他方の基板にこれら個別電極の
全てに臨む共通電極が形成されている場合には、各個別
電極に対応するサブ画素の画像情報に応じて所定極性の
電圧を印加することで、各サブ画素の現像剤に対してそ
のサブ画素の画像情報に応じた向きの電界を印加するこ
とができる。これにより、所望の画像を形成することが
できる。
【0058】(a3) 画像表示媒体の第1及び第2基
板のうちの一方の基板(電極が形成されていない基板)
に電荷をのせることで、つまり、その基板の所定領域を
所定電位に帯電させることで、その電荷がのった領域の
現像剤に対してその電荷を利用して電界を印加すること
ができる。
【0059】例えば、電荷をのせる基板の反対側の基板
に臨む位置に対向部材を配置し、その対向部材を所定電
位(例えば接地電位)に設定することで、電荷がのった
基板領域と対向部材の間の現像剤に対して電界を印加す
ることができる。この場合、電荷がのった基板領域の電
位と対向部材の電位の大小関係に応じた向きの電界(対
向部材が接地されている場合には、電荷の極性に応じた
向きの電界)を現像剤に対して印加することができる。
【0060】また、電荷をのせる基板の反対側の基板に
対向電極を設けておき、その対向電極を所定電位(例え
ば接地電位)に設定することで、電荷がのった基板領域
と対向電極の間の現像剤に対して電界を印加することが
できる。この場合、電荷がのった基板領域の電位と対向
電極の電位の大小関係に応じた向きの電界(対向電極が
接地されている場合には、電荷の極性に応じた向きの電
界)を現像剤に対して印加することができる。
【0061】したがって、第1及び第2基板のうちの一
方の基板上に形成したい画像に応じた静電潜像を形成す
ることで(基板上に静電潜像電荷をのせることで)、各
サブ画素に対応するセル領域内の現像剤に対してそれぞ
れそのサブ画素の画像情報に応じた向きの電界を印加す
ることができる。これにより、所望の画像を表示するこ
とができる。現像剤に対する電界印加は、静電潜像の形
成と同時的に行ってもよく、静電潜像の形成の後に行っ
てもよい。
【0062】静電潜像は例えば次のようにして画像表示
媒体の基板上に形成すればよい。例えば、感光体等の静
電潜像担持体上に一旦静電潜像を形成した後、その担持
体を画像表示媒体の基板に近接又は接触させることで、
媒体基板上に静電潜像を転写して、媒体基板上に静電潜
像を形成すればよい。
【0063】静電潜像は、画像表示媒体の基板上に直接
形成してもよい。画像表示媒体の基板上に静電潜像を直
接形成する方法及び装置としては、既に知られている各
種手法及び装置を採用することができる。媒体基板上に
直接静電潜像を形成することができる静電潜像形成装置
としては、例えば、形成しようとする画像に応じて媒体
基板に向けて放電して静電潜像電荷をのせる放電型静電
潜像形成装置、形成しようとする画像に応じて媒体基板
表面に電荷注入して静電潜像電荷をのせる電荷注入型静
電潜像形成装置を例示できる。前者の例としてイオンフ
ロー型の装置や、所定方向に記録電極を配列した静電記
録ヘッドを有するマルチスタイラス型の装置を挙げるこ
とができ、後者の例として所定方向に記録電極を配列す
るとともに該記録電極に隣り合わせて隣接制御電極を配
列した静電記録ヘッドを有するマルチスタイラス型装置
を挙げることができる。
【0064】(b) 上記の画像表示のための電界印加
工程前に、前回表示の画像を消去するための画像消去工
程を行ってもよい。
【0065】画像消去は、例えば、各セル内の現像剤に
対して電界を印加すること、又は(及び)、各セル内の
現像剤に攪拌力を作用させることで行えばよい。
【0066】さらに詳しく言うと、例えば、各セル内の
現像剤に対して全て同じ向きの電界を印加することで、
画像消去を行えばよい。このようにすると、いずれのセ
ルに収容された第1現像粒子も負極性(又は正極性)に
帯電しているとともに、いずれのセルに収容された第2
現像粒子も正極性(又は負極性)に帯電している場合に
は、いずれのセルにおいても画像観察側の基板の方へ第
1又は第2現像粒子を集めることができる。そして、画
像観察側の基板の方へ第2現像粒子が集まったときに
は、いずれのセル内の第2現像粒子も同じ色(例えば黒
又は白色)であれば、第2現像粒子の色の表示が全ての
セルにおいても行われ、前回画像が消去される。また、
画像観察側の基板の方へ第1現像粒子が集まったときに
は、第1現像粒子の前記N種類の色の混色表示(前記R
GB型画像表示媒体では白色表示)が行われ、前回画像
が消去される。このような電界印加は、例えば、一対の
画像消去部材の間に画像表示媒体を配置し、これら消去
部材の間に電圧を印加することで行えばよい。
【0067】現像剤に対する攪拌力の印加は、例えば、
現像剤に対する交番電界(振動電界)の印加、現像剤に
対する交番磁界(振動磁界)の印加、現像剤に対する超
音波の照射、現像剤に対する機械的振動の印加、或い
は、これらの組み合わせにより行えばよい。
【0068】(c) 現像剤の第1及び(又は)第2現
像粒子をセル内において振動(攪拌)させる振動工程
(攪拌工程)を行ってもよい。この振動工程は、例え
ば、上記画像表示のための電界印加工程の前又は(及
び)画像表示のための電界印加工程と同時に行えばよ
い。
【0069】現像剤を振動させることで、現像剤の第1
及び第2現像粒子がそれぞれ摩擦帯電し、これら現像粒
子の摩擦帯電量を高めることができる。これにより、画
像表示や画像消去などのために、現像剤に対して電界が
印加されたときに、現像粒子にかかる静電力が高まり、
現像粒子の所定方向への移動力が高まる。
【0070】第1及び(又は)第2現像粒子のうちの少
なくとも一方の現像粒子が磁性を有するものであるとき
には、少なくとも一つの磁極を有するマグネット部材を
用いて現像剤を振動(攪拌)させてもよい。マグネット
部材は例えばシート形状のもの又はローラ形状のものと
すればよい。シート状のマグネット部材を例えば基板面
と平行に振動させることで、このマグネット部材に臨む
磁性現像粒子を含む現像剤を攪拌することができる。ロ
ーラ形状のマグネット部材を例えば所定の一方向に回転
させるか、又は、往復回転させることで、このマグネッ
ト部材に臨む磁性現像粒子を含む現像剤を攪拌すること
ができる。
【0071】§3.可逆性画像表示媒体の製造方法 本発明は上記述べた可逆性画像表示媒体の製造方法とし
て次の第1及び第2の二つのタイプの製造方法を提供す
る。第2タイプの製造方法は、各セルが媒体の一方の端
部から他方の端部まで直線状に延びている画像表示媒体
を作製するのに特に適している。
【0072】§3.1. 第1タイプの可逆性画像表示
媒体の製造方法 第1タイプの製造方法は、前記セルとなる凹部を複数含
む凹凸面を有する第1の基板を準備する第1基板準備工
程と、該第1基板の各凹部内に乾式現像剤を充填する現
像剤充填工程と、各凹部内に乾式現像剤が充填された第
1基板に第2基板を固定して、各凹部の開放部を第2基
板により閉じる基板固定工程とを含んでおり、前記現像
剤充填工程においては、現像剤を凹部内に供給するため
のノズルを該凹部に臨ませ、該ノズルに振動を与えるこ
とで、該ノズルから現像剤を凹部内に落下させて、該凹
部内に現像剤を充填することを特徴とする可逆性画像表
示媒体の製造方法である。
【0073】第1タイプの製造方法においては、第1基
板準備工程と、現像剤充填工程と、基板固定工程とが少
なくとも行われる。
【0074】第1基板準備工程においては、次のような
凹凸面を有する第1基板を準備する。凹凸面は、最終的
には現像剤を収容するためのセルとなる凹部を複数含む
ものである。ここで準備する第1基板は、画像観察側に
配置される基板であっても、観察側と反対側に配置され
る基板であってもよい。
【0075】このような凹凸面は例えば次のようにして
第1基板表面に形成することができる。例えば第1基板
の平坦な表面上に所定厚みのレジスト膜を一様に形成
し、そのレジスト膜の所定部分をフォトリソグラフィー
法を利用してエッチングすることで、第1基板表面に凹
凸面を形成することができる。所望の凹凸面に対応する
凹凸面を有する成形型を用いて第1基板を成形すること
で、第1基板表面に凹凸面を形成してもよい。成形によ
り凹凸面を形成する場合等においては、第1基板を二層
以上の多層構造としてもよい。
【0076】現像剤充填工程においては、第1基板の凹
凸面の各凹部に乾式現像剤を充填する。各凹部の開放部
(開口部)から現像剤を充填する。各凹部には、その凹
部(後にセルとなる凹部)に収容すべき所定の種類の現
像剤(所定の色の第1現像粒子と所定の色の第2現像粒
子を含む現像剤)を充填する。
【0077】現像剤充填工程においては、現像剤を凹部
内に供給するためのノズルを用いて次のように凹部に現
像剤が充填される。ノズルを凹部に臨ませ、ノズルに振
動を与えることで、ノズルから現像剤を凹部内に落下さ
せて、凹部内に現像剤を充填する。ノズルには、例えば
ノズルに直接的又は間接的に取り付けられる振動子(例
えば超音波振動子)によって振動を与えればよい。ノズ
ルには例えばホッパから、必要に応じてチューブを介し
て、現像剤を供給すればよい。
【0078】現像剤充填工程においては、一度に一つの
凹部だけに現像剤を充填してもよく、一度に複数の凹部
に現像剤を充填してもよい。一度に複数の凹部に現像剤
を充填する場合には、同じ種類の現像剤を複数の凹部に
充填してもよく、異なる種類の現像剤を複数の凹部に充
填してもよい。一度に複数の凹部に現像剤を充填すれ
ば、それだけ効率よく各凹部への現像剤の充填を行うこ
とができる。一度に複数の凹部に現像剤を充填する場
合、複数のノズルを用いて充填を行ってよく、一つのベ
ース部材に複数のノズル孔が形成されたノズルモジュー
ルを用いて充填を行ってもよい。
【0079】基板固定工程においては、各凹部に現像剤
が収容された第1基板に第2基板を固定する。例えば、
接着剤を凹凸面の凸部の頂面に塗布し、その接着剤を介
して第1基板と第2基板を貼り合わせることで、第1基
板に第2基板を固定すればよい。第1基板に第2基板を
固定することで、現像剤が充填されている各凹部の開放
部を第2基板によって閉じ、各凹部をそれぞれ密閉され
たセルとする。
【0080】これらにより、第1基板と第2基板の間に
所定の現像剤が収容された複数のセルを有する画像表示
媒体を得る。以上説明した第1タイプの製造方法による
と、第1基板上の凹凸が微細であっても、現像剤を容易
に充填することができる。
【0081】§3.2. 第2タイプの可逆性画像表示
媒体の製造方法第2タイプの製造方法は、前記セルとな
る凹部を複数含む凹凸面を有する第1の基板を準備する
第1基板準備工程と、該凹凸面を間にして該第1基板に
第2基板を固定し、該凹凸面の複数の凹部を利用して、
それぞれが第1及び第2の二つの開放部を有する複数の
セルを第1基板と第2基板の間に形成する基板固定工程
と、該各セル内にそれぞれ現像剤を充填する現像剤充填
工程と、現像剤が充填された各セルの第1及び第2開放
部を閉じるセル密閉工程とを含んでおり、前記現像剤充
填工程においては、現像剤をセル内に供給するためのノ
ズルを該セルの第1開放部に取り付けるとともに、該セ
ルの第2開放部から真空吸引することで、該ノズルから
該セル内に現像剤を導き、該セル内に現像剤を充填する
ことを特徴とする可逆性画像表示媒体の製造方法であ
る。
【0082】第2タイプの製造方法においては、第1基
板準備工程と、基板固定工程と、現像剤充填工程と、セ
ル密閉工程とが少なくとも行われる。
【0083】第1基板準備工程においては、次のような
凹凸面を有する第1基板を準備する。凹凸面は、最終的
には現像剤を収容するためのセルとなる凹部を複数含む
ものである。凹凸面は、例えば、いずれの凹部も基板の
一方の端部から他方の端部まで直線状に延びているもの
とすればよい。このような凹凸面は、例えば第1タイプ
の製造方法の説明の中で述べたのと同様の手法で第1基
板表面に形成することができる。ここで準備する第1基
板は、画像観察側に配置される基板であっても、観察側
と反対側に配置される基板であってもよい。
【0084】基板固定工程においては、凹凸面を間にし
て第1基板に第2基板を固定する。現像剤を凹部(セ
ル)に充填する前に第1基板に第2基板を固定する。例
えば、凹凸面の凸部の頂面に接着剤を塗布し、その接着
剤を介して第1基板と第2基板を貼り合わせることで、
第1基板に第2基板を固定すればよい。
【0085】このように第1基板に第2基板を固定する
ことで、凹凸面の複数の凹部を利用して、それぞれが第
1及び第2の二つの開放部(開口部、入口部)を有する
複数のセルを第1基板と第2基板の間に形成する。第1
及び第2開放部はいずれもセルの外部から内部に通じる
孔等である。第1及び第2開放部はセル内に現像剤を充
填するときに利用する。第1及び第2開放部は代表的に
はそれぞれセルの両端部に設ければよい。各セルが所定
方向に直線状に延びている場合(各凹部が所定方向に直
線状に延びている場合)等においては、例えばセルの一
方の端部に第1開放部を、他方の端部に第2開放部を設
ければよい。
【0086】したがって、前記第1基板準備工程におい
ては、第1基板に第2基板を固定した後に、第1及び第
2開放部をそれぞれ有する複数のセルができるような凹
凸面を有する第1基板を準備しておけばよい。
【0087】現像剤充填工程においては、各セル内にそ
れぞれ乾式現像剤を充填する。各セルには、そのセルに
収容すべき所定の種類の現像剤を充填する。
【0088】現像剤充填工程においては、現像剤を凹部
内に供給するためのノズルを用いて次のようにセル内に
現像剤が充填される。ノズルをセルの第1開放部に取り
付けるとともに、そのセルの第2開放部から真空吸引す
ることで、ノズルから該セル内に現像剤を導き、そのセ
ル内に現像剤は充填される。セルの両端部にそれぞれ第
1開放部と第2開放部が設けられていれば、セルの全体
にわたって現像剤を充填することができる。
【0089】ノズルから効率よくセル内に現像剤を導入
するなどのために、現像剤を充填するときにノズルに振
動を与えてもよい。例えばノズルに直接的又は間接的に
取り付けられる振動子(例えば超音波振動子)によっ
て、ノズルに振動を与えればよい。ノズルには例えばホ
ッパから、必要に応じてチューブを介して、現像剤を供
給すればよい。
【0090】第1開放部からセル内に導入した現像剤が
第2開放部からでていかないように、例えばフィルタを
介して第2開放部から真空吸引すればよい。フィルタ
は、例えば、現像剤の現像粒子のサイズよりも小さい孔
を1又は2以上有するものとすればよい。真空吸引は例
えば真空ポンプにより行えばよい。
【0091】現像剤充填工程においては、一度に一つの
セルだけに現像剤を充填してもよく、一度に複数のセル
に現像剤を充填してもよい。一度に複数のセルに現像剤
を充填する場合には、同じ種類の現像剤を複数のセルに
充填してもよく、異なる種類の現像剤を複数のセルに充
填してもよい。一度に複数のセルに現像剤を充填すれ
ば、それだけ効率よく各セルへの現像剤の充填を行うこ
とができる。一度に複数のセルに現像剤を充填する場
合、複数のノズルを用いて充填を行ってよく、一つのベ
ース部材に複数のノズル孔が形成されたノズルモジュー
ルを用いて充填を行ってもよい。
【0092】セル密閉工程においては、現像剤が充填さ
れた各セルの第1及び第2開放部を閉じ、各セルを密閉
する。例えば、シール樹脂等によって第1及び第2開放
部を閉じればよい。セルの密閉は、全てのセルへの現像
剤の充填が終了した後に行ってもよく、複数回現像剤の
充填作業が行われる場合にはセルへの現像剤の充填が終
了するたびに行ってもよい。
【0093】これらにより、第1基板と第2基板の間に
所定の現像剤が収容された複数のセルを有する画像表示
媒体を得る。
【0094】以上説明した第2タイプの製造方法による
と、セル内に現像剤を充填する前に第1基板に第2基板
が接着剤等により固定されるため、現像剤の現像粒子が
接着剤にくっついてしまうことを抑制できる。また、現
像剤を充填する際に第1基板の凸部上に現像剤が付着す
ることがないので、第2基板と凸部との接着強度を高く
保つことができる。
【0095】
【発明の実施の形態】§4. 以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る可逆性画像表示媒体の一例の概略平面図及
び概略断面図をそれぞれ図1及び図2に示す。
【0096】図1及び図2の可逆性画像表示媒体MD1
は、二つの基板S1とS2を有している。媒体MD1に
より表示する画像は、本例では、基板S1側から観察す
る。観察側に配置された基板S1は透明である。基板S
1及びS2はいずれもポリエチレンテレフタレート(P
ET)からなり、その厚みは約25μmである。
【0097】これら基板間には、乾式現像剤を収容する
ための複数のセルCr、Cg、Cbが形成されている。
いずれのセルも図中Y方向における媒体の一方の端部か
ら他方の端部まで延びている。セルCr、Cg、Cb内
には、それぞれ乾式現像剤DVr、DVg、DVbが収
容されている。なお、図1においては、セル内部が見え
るように基板S1の一部は取り除いてある。本例におい
ては、各セルの幅は320μmである。
【0098】基板間には、枠状に外壁W1が形成されて
いるとともに、外壁W1の内部に複数の直線状の仕切り
壁W2が形成されている。これら壁や基板によって、セ
ルCr、Cg、Cgが提供されている。また、壁W1、
W2によって、基板間には所定のギャップが設けられて
いる。
【0099】本例においては、壁W1及びW2の高さは
150μmである。また、各仕切り壁W2の幅は30μ
mであり、仕切り壁W2はピッチ350μmで形成され
ている。
【0100】セルCr、Cg、Cbにそれぞれ収容され
ている現像剤DVr、DVg、DVbは、いずれも互い
に光学的反射濃度の異なる、つまり互いに色の異なる二
種類の現像粒子を含んでいる。
【0101】現像剤DVrは、赤色現像粒子Rと、黒色
現像粒子Kを含んでいる。これら現像粒子RとKはいず
れも摩擦帯電性を有しており、互いに逆極性に帯電して
いる。本例では、赤色現像粒子Rが負極性に、黒色現像
粒子Kが正極性に帯電している。
【0102】現像剤DVgは、緑色現像粒子Gと、黒色
現像粒子Kを含んでいる。これら現像粒子GとKはいず
れも摩擦帯電性を有しており、互いに逆極性に帯電して
いる。本例では、緑色現像粒子Gが負極性に、黒色現像
粒子Kが正極性に帯電している。
【0103】現像剤DVbは、青色現像粒子Bと、黒色
現像粒子Kを含んでいる。これら現像粒子BとKはいず
れも摩擦帯電性を有しており、互いに逆極性に帯電して
いる。本例では、青色現像粒子Bが負極性に、黒色現像
粒子Kが正極性に帯電している。
【0104】本例では、いずれの色の現像粒子も、バイ
ンダ樹脂、所定の色の顔料及び荷電制御剤を含む材料か
らなる粒子であり、バインダ樹脂中に顔料、荷電制御剤
が分散している。黒色現像粒子Kにおいては磁性体がさ
らにバインダ樹脂中に分散されており、これにより黒色
現像粒子Kは摩擦帯電性だけでなく磁性も有している。
【0105】赤色現像粒子Rを含む現像剤DVrが収容
されたセルCr、緑色現像粒子Gを含む現像剤DVgが
収容されたセルCg、青色現像粒子Bを含む現像剤DV
bが収容されたセルCbは、この順に周期的に配列され
ている。本例では、これらセルCr、Cg、Cbはスト
ライプ配列されている。
【0106】以上説明した画像表示媒体MD1を用いる
と、カラーマトリクス表示を行うことができる。
【0107】§5. 画像表示媒体MD1による画像表示方法(画像表示媒体
MDに画像を形成する方法)について説明する。本例で
は、図3に示すように、表示画像の各画素Pはいずれも
隣合う三つのサブ画素、つまり、赤色成分表示のための
サブ画素Prと、緑色成分表示のためのサブ画素Pg
と、青色成分表示のためのサブ画素Pbとにより構成さ
れる。
【0108】赤色成分表示(赤又は黒色表示)のための
サブ画素Prは、赤色現像粒子Rと黒色現像粒子Kを含
む現像剤DVrを収容するセルCrの一部の領域により
提供されている。一つのセルCrは複数のサブ画素Pr
を提供している。
【0109】同様に、緑色成分表示(緑又は黒色表示)
のためのサブ画素Pgは、緑色現像粒子Gと黒色現像粒
子Kを含む現像剤DVgを収容するセルCgの一部の領
域により提供されている。一つのセルCgは複数のサブ
画素Pgを提供している。
【0110】また、青色成分表示(青又は黒色表示)の
ためのサブ画素Pbは、青色現像粒子Bと黒色現像粒子
Kを含む現像剤DVbを収容するセルCbの一部の領域
により提供されている。一つのセルCbは複数のサブ画
素Pbを提供している。
【0111】本例では、画素Pの形状がほぼ正方形とな
るように、各サブ画素の形状は長方形状に設定されてい
る。
【0112】画像表示を行うときには、サブ画素に対応
するセル領域内の現像剤に対して、図4(A)及び
(B)に示すように、基板面に垂直又はほぼ垂直な向き
の電界Eを印加する。
【0113】このような電界をセル内の現像剤に対して
印加することで、現像剤を構成する互いに逆極性に帯電
した二種類の現像粒子のうちの一方の現像粒子を基板S
1の方へ移動させ、他方の現像粒子を基板S2の方へ移
動させることができる。
【0114】例えば、図4(A)のサブ画素Prに対応
するセルCr領域内の現像剤DVrに対しては図中下向
きの電界Eが印加されており、この電界Eによって負極
性に帯電している赤色現像粒子Rは基板S1の方へ移動
し、正極性に帯電している黒色現像粒子Kは基板S2の
方へ移動する。これにより、基板S1の近くに赤色現像
粒子Rが集まるとともに、基板S2の近くに黒色現像粒
子Kが集まる。つまり、サブ画素Prに対応するセル領
域内において赤色現像粒子Rと黒色現像粒子Kが偏在す
る。
【0115】本例では基板S1側から画像観察を行うの
で、図4(A)のサブ画素Prにおいては赤色表示(赤
色成分表示)が行われている。同様にして、図4(A)
のサブ画素Pgにおいては黒色表示が、サブ画素Pbに
おいては青色表示(青色成分表示)が行われている。し
たがって、図4(A)の画素Pにおいては加法混色によ
りマゼンタ(赤+青)色表示が行われている。
【0116】表示したい画像(例えば原稿画像)の各画
素の各サブ画素にそれぞれ対応するセル領域内の現像剤
に対して、そのサブ画素の画像情報(画像データ)に応
じて、所定の向きの電界を印加することで、所望のカラ
ー画像を表示することができる。
【0117】このように画像表示媒体MD1によると、
カラーフィルタを用いずにカラー画像を表示することが
できる。カラーフィルターによる光の吸収等がないため
光の利用効率が高い。したがって、画像表示媒体MD1
によると明るいカラー画像を表示することができる。
【0118】また、顔料を含む現像粒子からの反射光に
より表示を行うので、きれいなカラー画像を表示するこ
とができる。
【0119】§6. 図1及び図2の画像表示媒体MD1においては、一つの
セルに複数のサブ画素を対応させたが、図5の画像表示
媒体MD2のように、一つのセルと一つのサブ画素を対
応させてもよい。画像表示媒体MD2の基板間には、壁
W1、W2の他に仕切り壁W3が設けられている。な
お、画像表示媒体MD2においても、媒体MD1と同様
に、セルCr、Cg、Cbは全体としては周期的にスト
ライプ配列されている。
【0120】セルCr、Cg、Cbは、図6の画像表示
媒体MD3のように周期的にモザイク配列してもよい。
この場合、画像表示を行うときには例えば図6に示すよ
うに、一つのセルと一つのサブ画素を対応させて、図中
横方向に順次隣合う三つのサブ画素Pr、Pg、Pbに
より一つの画素Pを構成すればよい。
【0121】また、セルCr、Cg、Cbは、図7の画
像表示媒体MD4のように周期的にデルタ配列してもよ
い。この場合、画像表示を行うときには例えば図7に示
すように、一つのセルと一つのサブ画素を対応させて、
互いに隣合う三つのサブ画素Pr、Pg、Pbにより一
つの画素を構成すればよい。
【0122】画像表示媒体MD2及びMD3のいずれに
よっても、サブ画素に対応するセル内の現像剤に対し
て、そのサブ画素の画像情報に応じた向きの電界を印加
することで、画像表示媒体MD1と同様に、所望のカラ
ー画像を表示することができる。
【0123】§7. 画像表示媒体のセル内の現像剤に対する画像表示(画像
形成)のための電界印加は例えば次のように行えばよ
い。例えば、表示しようとする画像に対応した静電潜像
を図8(A)〜8(C)に示すように画像表示媒体の基
板面上に形成し、その静電潜像電荷に基づき(つまり、
静電潜像電荷を利用して、或いは、静電潜像電荷だけに
よって)、セル内の現像剤に対して電界を印加すればよ
い。セル内の現像剤への電界印加は、静電潜像の形成と
同時的に行ってもよく、静電潜像を形成した後に行って
もよい。
【0124】図8(A)〜8(C)においては、図1の
画像表示媒体MD1の基板S1上に静電潜像が形成され
ている。静電潜像が基板S1上に形成された後、各セル
の現像剤に対して電界は印加される。本例では媒体MD
1を図中右方向に搬送しながら、各セル内の現像剤に対
して順次電界が印加される。なお、静電潜像は画像観察
側の基板S1上に形成してもよく、観察側とは反対側の
基板S2上に形成してもよい。
【0125】図8(A)〜8(C)それぞれの基板S1
上に形成されている静電潜像は互いにタイプが異なって
いる。
【0126】図8(A)の基板S1上の静電潜像は、正
電荷と負電荷により形成されている。つまり、図8
(A)の基板S1上には正極性電位領域と負極性電位領
域とがあり、これにより基板S1上には静電潜像が形成
されている。この場合、静電潜像が形成された基板S1
と反対側の基板S2に臨むように対向部材311を配置
し、その対向部材311を所定電位に設定することで、
セル内の現像剤に対して静電潜像電荷の極性に応じた向
きの電界Eを印加することができる。対向部材311の
電位は、正極性電位領域の電位と負極性電位領域の電位
の間の電位に設定すればよい。例えば、図8(A)に示
すように対向部材311は接地すればよい。これによ
り、正極性の静電潜像電荷と対向部材311の間の現像
剤に対しては図中下向きの電界を印加することができ、
負極性の静電潜像電荷と対向部材311の間の現像剤に
対しては図中上向きの電界を印加することができる。
【0127】逆極性の電荷により静電潜像を形成するこ
とに代えて、図8(B)に示すように、所定極性の電荷
(本例では正電荷)がのった領域と、電荷がのっていな
い領域とを基板S1表面に形成することで、基板S1上
に静電潜像を形成してもよい。つまり、基板S1表面に
所定極性の電位の領域(本例では+500V電位領域)
と、0Vの電位領域とを形成することで、基板S1上に
静電潜像を形成してもよい。この場合、所定極性電位領
域の電位と0Vの間の電位(本例では+250V)に、
静電潜像が形成された基板S1と反対側の基板S2に臨
む対向部材311の電位を設定することで、基板表面電
位に応じた向きの電界をセル内の現像剤に対して印加す
ることができる。つまり、+500V電位領域と対向部
材311の間の現像剤に対しては図中下向きの電界を印
加することができ、0V電位領域と対向部材311の間
の現像剤に対しては図中上向きの電界を印加することが
できる。
【0128】図8(C)に示すように、基板S1表面に
同じ極性であって電位の異なる領域(本例では+500
V電位領域と+50V電位領域)を形成することで、基
板S1上に静電潜像を形成してもよい。この場合、高電
位領域の電位(本例では+500V)と、低電位領域の
電位(本例では+50V)の間の電位(本例では+25
0V)に、静電潜像が形成された基板S1と反対側の基
板S2に臨む対向部材32の電位を設定することで、基
板表面電位に応じた向きの電界をセル内の現像剤に対し
て印加することができる。つまり、+500V電位領域
と対向部材311の間の現像剤に対しては図中下向きの
電界を印加することができ、+50V電位領域と対向部
材311の間の現像剤に対しては図中上向きの電界を印
加することができる。
【0129】静電潜像が形成される基板と反対側の基板
に臨む対向部材は、図8(A)〜8(C)においては板
状のものとしたが、この対向部材は例えばローラ形状の
ものとしてもよい。ローラ形状の対向部材は画像表示媒
体の搬送にも利用することができる。対向部材は静電潜
像が形成される基板と反対側の基板に接触させてもよ
く、近接させてもよい。
【0130】所定電位に設定された対向部材を静電潜像
が形成された基板と反対側の基板に臨ませることで、セ
ル内の現像剤に対して電界を印加することに代えて、図
9(A)〜9(C)の画像表示媒体MD5のように、基
板S2上に電極(導電膜)32を形成しておき、その電
極32を所定電位に設定することで現像剤に対して電界
を印加してもよい。画像表示媒体MD5は、基板S2上
に電極32が形成されていることを除けば、図1及び図
2の画像表示媒体MD1と実質的に同じものである。基
板S2が観察側に配置される基板である場合には、電極
32は透明なものとすればよい。図9(A)〜9(C)
の画像表示媒体MD5の基板S1上には、それぞれ図8
(A)〜8(C)の基板S1上に形成されているのと同
じタイプの静電潜像が形成されている。
【0131】§8. 画像表示媒体の基板上には次のようにして静電潜像を形
成すればよい。例えば、感光体等の像担持体上に静電潜
像を一旦形成した後、その静電潜像を画像表示媒体の基
板上に転写することで、媒体基板上に静電潜像を形成す
ればよい。
【0132】転写により静電潜像を画像表示媒体の基板
上に形成し、その静電潜像を利用してセル内の現像剤に
対して電界を印加し、画像表示媒体に所望の画像を形成
することができる(画像表示媒体に所望の画像を表示さ
せることができる)画像形成装置の一例を図10に示
す。
【0133】図10の画像形成装置AP1は、ドラム状
の感光体411と、その周囲に配置された帯電チャージ
ャー412、レーザー露光装置413及びローラ形状の
対向部材312を備えている。
【0134】画像を形成するときには、図中反時計回り
に回転駆動される感光体411の表面をまず帯電チャー
ジャー412によって一様に所定極性(本例では正極
性)に帯電させる。次いで、形成しようとする画像(媒
体で表示させようとする画像)に応じて、感光体411
の帯電領域を露光装置413によって露光することで、
形成しようとする画像に応じた静電潜像を感光体411
上に形成する。感光体411上に形成される静電潜像
は、本例では、赤色成分の静電潜像と、青色成分の静電
潜像と、緑色成分の静電潜像とを合成したものである。
感光体411上の静電潜像は、感光体411に接触させ
て画像表示媒体MD1を感光体411と対向部材312
の間を通すことで、媒体基板S1上に転写される。この
ようにして静電潜像を形成すると、図8(B)又は8
(C)に示すタイプの静電潜像が基板S1上に形成され
る。
【0135】本例では、静電潜像が基板S1上に転写さ
れる領域において、所定電位の対向部材312が基板S
2に臨んでいるため、基板S1上への静電潜像の形成
(静電潜像の転写)と同時にセル内の現像剤に対して電
界が印加され、静電潜像が現像される。つまり、画像表
示媒体MD1に静電潜像に応じた所望のカラー画像が形
成される。
【0136】§9. 静電潜像は、画像表示媒体の基板上に直接形成してもよ
い。画像表示媒体の基板上に静電潜像を直接形成し、そ
の静電潜像を利用してセル内の現像剤に対して電界を印
加し、画像表示媒体に画像を形成することができる画像
形成装置の一例を図11(A)及び11(B)に示す。
【0137】図11(A)及び11(B)の画像形成装
置AP2は、イオンフローを利用して静電潜像を形成す
るものであり、コロナイオンを発生させるコロナイオン
発生部42を備えている。コロナイオン発生部42は、
シールドケース421と、このケース内部に設けられた
ワイヤ422を有している。ワイヤ422に電源423
から所定極性(本例では正極性)の電圧を印加すること
で、コロナイオン(本例では正コロナイオン)が発生す
る。
【0138】コロナイオン発生部42において発生する
コロナイオンを画像表示媒体MD1の基板の方へ導くか
どうかを制御するために、媒体の搬送路とコロナ発生部
42の間には制御電極対431、432が配置されてい
る。これら電極431、432には、それぞれ中央部に
コロナイオンを通すための孔が形成されている。
【0139】図11(A)に示すように、電極431と
432の間に図中下向きの電界が形成される電圧を、電
圧印加制御部44からこれら電極に印加すると、コロナ
イオン発生部42において発生した正コロナイオンは、
搬送される媒体基板S1の方へ導かれ、基板S1上に正
電荷がのる。図11(B)に示すように、図中上向きの
電界が形成される電圧を電極431と432の間に印加
すると、正コロナイオンは電極の上方に閉じ込められ、
媒体基板S1の方へは導かれない。
【0140】形成しようとする画像の各サブ画素の画像
情報に応じた向きの電圧を制御電極431と432間に
印加することで、形成しようとする画像に応じた静電潜
像を画像表示媒体MD1の基板S1上に直接形成するこ
とができる。
【0141】画像形成装置AP2においては、媒体搬送
方向における静電潜像形成領域の下流側に所定電位の対
向部材312が配置されており、この対向部材312と
基板S1上の静電潜像電荷によって各サブ画素に対応す
るセル内の現像剤に対してそのサブ画素の画像情報に応
じた向きの電界が印加される。これにより、静電潜像に
応じた所望のカラー画像が画像表示媒体MD1に形成さ
れる。
【0142】なお、画像表示媒体の基板上に静電潜像を
直接形成する静電潜像形成装置は、上記のイオンフロー
型のものに限らず、既に知られている例えばマルチスタ
イラス型の静電潜像記録装置等を採用することもでき
る。
【0143】§10. 画像表示媒体の他の例の概略断面図を図12に示す。図
12の画像表示媒体MD6は、次に述べることを除き、
図1及び図2の画像表示媒体MD1と実質的に同じもの
である。
【0144】画像表示媒体MD6においては、基板S1
上に複数のフロート電極Efが形成されているととも
に、基板S2上には共通電極Ecが形成されている。各
フロート電極Efは、それぞれ各サブ画素に対応する基
板領域上に形成されている。画像観察側の基板S1上に
形成された各フロート電極Efはいずれも透明であり、
本例ではITOからなる。基板S2上の共通電極Ef
は、基板S1上の全てのフロート電極Efに臨んでい
る。
【0145】画像表示媒体MD6に画像形成することが
できる画像形成装置の一例を図13に示す。図13の画
像形成装置AP3においては、画像表示媒体MD6を所
定方向に搬送しながら、媒体MD6には画像が形成され
る。
【0146】画像形成装置AP3は、画像表示媒体MD
6のフロート電極Efに電荷注入するための複数の記録
電極(注入電極)45を有している。これら記録電極4
5は、媒体の搬送方向に直交する方向に所定ピッチで配
列されている。記録電極45の配列ピッチは、フロート
電極Efの媒体搬送方向に直交する方向における配列ピ
ッチに応じたピッチである。各記録電極45には、電圧
印加制御部46から正又は負極性の電圧(本例では+2
00V又は−200V)を選択的に印加することができ
る。
【0147】画像形成を行うときには、記録電極45を
フロート電極Efに接触させるとともに、その記録電極
が接触するフロート電極に対応するサブ画素の画像情報
に応じて、正又は負極性の電圧を記録電極45に印加す
る。また、媒体MD6の共通電極Ecは接地しておく。
【0148】これにより、各フロート電極には、そのフ
ロート電極に対応するサブ画素の画像情報に応じて正又
は負極性の電荷が注入される。このように各フロート電
極に電荷を注入することで、基板S1上に形成したい画
像に対応する静電潜像が形成される。
【0149】電荷注入がなされた各フロート電極Efに
は、接地された共通電極Ecが臨んでいるため、フロー
ト電極Efと共通電極Ecの間の現像剤に対してそのフ
ロート電極に注入された電荷の極性に応じた向きの電界
が印加される。正電荷が注入されたフロート電極Efに
対応するセル領域の現像剤に対しては図中下向きの電界
が印加され、負電荷が注入されたフロート電極Efに対
応するセル領域の現像剤に対しては図中上向きの電界が
印加される。
【0150】各サブ画素にそれぞれ対応するフロート電
極Efに、そのサブ画素の画像情報に応じた極性の電荷
が注入されているため、各サブ画素の現像剤に対してそ
のサブ画素の画像情報に応じた向きの電界を印加するこ
とができる。これにより、所望のカラー画像を形成する
ことができる。
【0151】なお、本例ではフロート電極Efに正又は
負極性の電荷を印加することで、図8(A)に示すタイ
プの静電潜像を基板S1上に形成したが、図8(B)又
は8(C)に示すタイプの静電潜像をフロート電極への
電荷注入により基板S1上に形成してもよい。その場合
にも、静電潜像のタイプに応じた電位に共通電極Ecの
電位を設定することで、所望のカラー画像を形成するこ
とができる。また、本例では、画像観察側の基板S1上
にフロート電極を形成したが、観察側と反対側の基板S
2上にフロート電極を形成してもよい。
【0152】§11. 画像表示媒体のさらに他の例の概略断面図を図14に示
す。図14の画像表示媒体MD7は、次に述べることを
除き、図1及び図2の画像表示媒体MD1と実質的に同
じものである。
【0153】画像表示媒体MD7においては、基板S1
の内面に複数の個別電極(サブ画素電極)Eiが形成さ
れているとともに、基板S2の内面に共通電極Ecが形
成されている。各個別電極Eiはそれぞれサブ画素に対
応する基板領域に形成されている。図示していないが、
各個別電極Eiをそれぞれ電源(例えば後述する電圧印
加制御部)に接続するためのリード電極が基板S1上に
は形成されている。基板S2上の共通電極Ecは、基板
S1上の全ての個別電極Eiに臨んでいる。
【0154】画像表示媒体MD6に画像を形成すること
ができる画像形成装置(画像表示媒体を駆動して画像表
示を行うことができる駆動装置)の一例を図15に示
す。図15の画像形成装置AP4により画像形成を行う
ときには、個別電極Eiにその個別電極に対応するサブ
画素の画像情報に応じた正又は負極性(本例では+20
0V又は−200V)の電圧を電圧印加制御部47から
印加する。また、共通電極Ecは接地する。これらによ
り、個別電極Eiに印加する電圧の極性に応じた向きの
電界をその個別電極に対応するセル領域内の現像剤に対
して印加することができる。つまり、正及び負電圧が印
加された個別電極Eiに対応するセル領域内の現像剤に
は、それぞれ図中下向き及び上向きの電界が印加され
る。
【0155】各個別電極Eiにその個別電極に対応する
サブ画素の画像情報に応じた極性の電圧が印加されるた
め、各サブ画素の現像剤に対してそのサブ画素の画像情
報に応じた向きの電界を印加することができる。これに
より、所望のカラー画像を表示することができる。
【0156】なお、画像表示媒体MD7においては、画
像観察側の基板S1上に個別電極を形成したが、観察側
と反対側の基板S2上に個別電極を形成してもよい。ま
た、個別電極と共通電極はいずれも基板内面に形成した
が、個別電極又は(及び)共通電極は基板外面に形成し
てもよい。しかし、個別電極及び共通電極を基板内面に
形成しておくことで、これらを基板外面に形成する場合
に比べて、これら電極間に印加する電圧が同じであれ
ば、セル内の現像剤に印加される電界を大きくすること
ができる。それだけ現像粒子は移動しやすくなる。
【0157】§12. 上記のようにセル内の現像剤に対して電界を印加して画
像を形成するとき(画像を表示するとき)に、現像剤を
攪拌(振動)させてもよい。このようにすると、現像剤
を構成する二種類の現像粒子の帯電電位を高めることが
できる。したがって、現像剤に対して電界が印加された
ときに現像粒子にかかる静電力(クーロン力)が高ま
り、現像粒子は移動しやすくなる。また、振動自身によ
っても現像粒子は移動しやすくなる。これらにより、セ
ル内の現像剤に対して電界が印加されたときに、現像剤
を構成する二種類の現像粒子はセル内において偏在しや
すくなり、それだけ良好な色の表示を行うことができ
る。
【0158】上記説明したいずれの画像表示媒体MD1
〜MD7においても、磁性を有する黒色現像粒子Kが全
てのセルに収容されているので、振動磁界を現像剤に印
加することでセル内の現像剤を攪拌することができる。
例えば磁極を有するマグネット部材をセル内の現像剤に
臨ませ、そのマグネット部材を振動させることで、現像
剤を攪拌することができる。
【0159】既述の図10及び図11の画像形成装置A
P1及びAP2はいずれも、現像剤を攪拌するためのマ
グネットローラ331を有している。マグネットローラ
331は、対向部材312の内部に配置されている。画
像形成装置AP1及びAP2においては、マグネットロ
ーラ331を所定の一方向に回転駆動することで、或い
は、往復回転駆動することで現像剤を攪拌することがで
きる。
【0160】図13及び図15の画像形成装置AP3及
びAP4はいずれも、マグネットシート332が基板S
2に臨む位置に配置されており、このマグネットシート
332を基板面と平行に振動させることで、現像剤を攪
拌することができる。
【0161】なお、現像剤に画像表示のために電界を印
加するのと同時に現像剤を攪拌するのに代えて、或い
は、これとともに画像表示のための電界印加の前に現像
剤を攪拌してもよい。
【0162】§13. 画像表示媒体に画像を形成する前に、前回の画像を消去
してもよい。画像消去装置の一例の概略構成図を図16
に示す。図16の画像消去装置EDは、互いに対向する
二つの画像消去ローラ481、482を有している。画
像消去を行うときには、画像表示媒体MD1をこれらロ
ーラの間を通す。そして、画像観察側の基板S1に臨む
ローラ481には負電圧を印加し、基板S2に臨むロー
ラ482は接地する。これらにより、画像表示媒体MD
1の各セル内の現像剤には図中上向きの電界が順次印加
される。いずれのセル内の黒色現像粒子Kも正極性に帯
電しているため、画像観察側に配置された基板S1側に
黒色現像粒子Kが集まり、画像表示領域の全面にわたっ
て黒色表示がなされ、前回画像が消去される。
【0163】ローラ481に負電圧を印加することに代
えて正電圧を印加すれば、画像観察側の基板S1側には
セルCrにおいては赤色現像粒子Rが、セルCgにおい
ては緑色現像粒子Gが、セルCbにおいては青色現像粒
子Bが集まり、画像表示領域の全面にわたって白色表示
がなされ、これによっても前回画像を消去することがで
きる。
【0164】フロート電極Efを有する画像表示媒体M
D6(図12参照)においても、フロート電極Efへの
電荷注入により、各セル内の現像剤に全て同じ向きの電
界を印加することで、前回画像を消去することができ
る。また、個別電極Eiを有する画像表示媒体MD7
(図14参照)においても、全ての個別電極Eiに同じ
極性の電圧を印加して、各セルの現像剤に対して全て同
じ向きの電界を印加することで、前回画像を消去するこ
とができる。
【0165】§14. 図12の画像表示媒体MD6と同じ構造の媒体を作製し
て、画像表示を行う実験を行ったので、それについて述
べる。作製した画像表示媒体の各部のサイズは次の通り
である。仕切り壁W2の幅は30μm、高さは150μ
mとした。仕切り壁W2の配列ピッチは350μmとし
た。フロート電極Efの厚みは約1000Å、サイズは
320μm×960μmとした。フロート電極EfはI
TOにより形成した。セルCr、Cg、Cbには、それ
ぞれ次のようにして作製した現像剤DVr、DVg、D
Vbを収容した。まず、次のようにして各色の現像粒子
R、G、B、Kを作製した。
【0166】(a)赤色現像粒子R まず、バインダ樹脂として熱可塑性ポリエステル樹脂
(軟化点121°C、ガラス転移温度67°C)を10
0重量部と、赤色顔料としてベンガラを40重量部と、
負荷電制御剤としてサリチル酸亜鉛錯体(オリエント化
学社製ボントロンE−84)を5重量部とをヘンシェル
ミキサーで混合した。次いで、この混合物を2軸押し出
し機で加熱混練した後、冷却した。次いで、この混練物
を粗粉砕し、さらにジェット粉砕機で微粉砕した。次い
で、この粉砕物を風力分級して、平均粒径10.1μm
の赤色微粉末を得た。この後、この赤色微粉末と、流動
性向上剤として疎水性シリカ微粒子(日本アエロジル社
製アエロジルR−972)を0.3重量部とをヘンシェ
ルミキサーにより混合して、赤色現像粒子Rを得た。
【0167】(b)緑色現像粒子G まず、バインダ樹脂として熱可塑性ポリエステル樹脂を
100重量部と、緑色顔料として酸化クロムを40重量
部と、負荷電制御剤としてサリチル酸亜鉛錯体を5重量
部とをヘンシェルミキサーで混合した。この後、赤色現
像粒子を作製するときと同様にして、平均粒径10.3
μmの緑色微粉末を得た。そして、この緑色微粉末と、
流動性向上剤として疎水性シリカ微粒子(日本アエロジ
ル社製アエロジルR−972)を0.3重量部とをヘン
シェルミキサーにより混合して、緑色現像粒子Gを得
た。
【0168】(c)青色現像粒子B まず、バインダ樹脂として熱可塑性ポリエステル樹脂を
100重量部と、青色顔料としてフタロシアニンブルー
を40重量部と、負荷電制御剤としてサリチル酸亜鉛錯
体を5重量部とをヘンシェルミキサーで混合した。この
後、赤色現像粒子を作製するときと同様にして、平均粒
径10.6μmの青色微粉末を得た。そして、この青色
微粉末と、流動性向上剤として疎水性シリカ微粒子(日
本アエロジル社製アエロジルR−972)を0.3重量
部とをヘンシェルミキサーにより混合して、青色現像粒
子Bを得た。
【0169】(d)黒色現像粒子K まず、バインダ樹脂としてスチレン−nブチルメタクリ
レート系樹脂(軟化点132°C、ガラス転移点65°
C)を100重量部と、黒色顔料としてカーボンブラッ
クを2重量部と、正荷電制御剤としてシリカ(日本アエ
ロジル社製#200)を1.5重量部と、磁性体として
マグネタイト系磁性粉(チタン工業社製RB−BL)を
500重量部とをヘンシェルミキサーで混合した。な
お、マグネタイト系磁性粉は、磁性体の機能だけでな
く、黒色着色剤の機能も兼ねている。次いで、この混合
物をベント2軸混練装置で加熱混練した後、冷却した。
次いで、この混練物をフェザーミルで粗粉砕し、さらに
ジェットミルで微粉砕した。この後、この粉砕物を風力
分級して、体積平均粒径25μmの黒色現像粒子Kを得
た。
【0170】このようにして作製した現像粒子を次のよ
うに混合して、現像剤を得た。赤色現像粒子Rを30重
量部と、黒色現像粒子Kを70重量部をポリエチレン製
のボトルに入れ、ボールミル架台にてそのボトルを30
分間回転させることで、赤色現像粒子と黒色現像粒子の
混合及び攪拌を行い、現像剤DVrを得た。
【0171】緑色現像粒子Gを30重量部と、黒色現像
粒子Kを70重量部を、現像剤DVrを作製するときと
同様にして混合及び攪拌して、現像剤DVgを得た。
【0172】青色現像粒子Bを30重量部と、黒色現像
粒子Kを70重量部を、現像剤DVrを作製するときと
同様にして混合及び攪拌して、現像剤DVbを得た。
【0173】このようにして作製された現像剤が各セル
内に収容された画像表示媒体の各フロート電極に+20
0V又は−200Vの電圧が印加された記録電極を接触
させて、各フロート電極に正又は負極性の電荷を注入し
た。この後、表面磁力500Gのマグネットシートでセ
ル内の現像剤(現像粒子)を攪拌したところ、良好なカ
ラー画像を形成することができた。
【0174】§15. 図1及び図2の画像表示媒体MD1の製造方法の一例に
ついて図17を参照して説明する。まず、次のような凹
凸面IRを有する基板S1を準備する(図17のステッ
プ#101)。このときの基板S1の平面図を図18に
示す。凹凸面IRは、後に現像剤を収容するためのセル
Cr、Cg又はCbとなる凹部IRaを複数含むもので
ある。なお、本例では画像観察側に配置される基板S1
に凹凸面が形成されているが、凹凸面は観察側と反対側
に配置される基板S2に形成してもよい。
【0175】本例では、基板S1上に外壁W1及び仕切
り壁W2を形成することで、凹凸面IRは形成されてい
る。外壁W1及び仕切り壁W2は、基板S1の全面にわ
たって所定厚み(所定高さ)のレジスト膜を形成した
後、そのレジスト膜をフォトリソグラフィー法を利用し
て所定形状にエッチングすることで形成されている。こ
れに代えて、例えば、基板S1を押出成形等により変形
することにより凹凸面を形成してもよい。
【0176】次いで、基板S1の各凹部IRaにそれぞ
れ所定の現像剤を充填する(#102)。つまり、セル
Crとなる凹部IRaには現像剤DVrを、セルCgと
なる凹部IRaには現像剤DVgを、セルCbとなる凹
部IRaには現像剤DVbを充填する。
【0177】凹部IRaに現像剤を充填するための充填
装置の一例を図19に示す。図19の充填装置FD1
は、三つのホッパHr、Hg、Hbを備えている。これ
らホッパHr、Hg、Hb内にはそれぞれ現像剤DV
r、DVg、DVbが収容されている。ホッパHr、H
g、Hbの下端部からはそれぞれチューブTr、Tg、
Tbが延びており、各チューブTr、Tg、Tbの先端
部にはそれぞれノズルNr、Ng、Nbが設けられてい
る。ホッパHr、Hg、Hb内の現像剤はそれぞれ対応
するチューブによって対応するノズルまで導かれる。各
ノズルは、現像粒子の平均粒径よりも大きい先端径(本
例では200μm)の孔を有している。ノズルNr、N
g、Nbにはそれぞれ超音波振動子Vr、Vg、Vbが
取り付けられている。
【0178】現像剤の充填を行うときには、ノズルN
r、Ng、Nbに対して基板S1を凹部IRaが延びる
方向に相対的に移動させる。本例では、ノズルを定位置
に配置し、基板S1を図示を省略した搬送装置によって
所定方向に搬送する。このとき、ノズルNr、Ng、N
bをそれぞれセルCr、Cg、Cbとする凹部IRaに
臨ませる。また、ノズルNr、Ng、Nbにそれぞれ振
動子Vr、Vg、Vbによって振動を与える。これらに
より、ノズルNr、Ng、Nbからそれぞれ現像剤DV
r、DVg、DVbを凹部内に向けて落下させ、セルC
r、Cg、Cbとなる凹部IRaにそれぞれ現像剤DV
r、DVg、DVbを充填する。このような充填作業を
繰り返し行うことで、いずれの凹部IRaにも所定の現
像剤が充填される。
【0179】本例では、一度に三つの凹部IRaにそれ
ぞれ現像剤を充填するが、一度に三つより多くの凹部I
Raに現像剤を充填するようにしてもよい。また、本例
では異なる種類の現像剤DVr、DVg、DVbを一度
に充填するが、同じ種類の現像剤を一度に複数の凹部I
Raに充填するようにしてもよい。現像剤を充填すると
きに、必要に応じて、現像剤を充填しない凹部IRaを
マスク部材等により覆ってもよい。
【0180】このようにして各凹部IRaにそれぞれ現
像剤を充填した後、凹凸面の凸部の頂面(外壁W1及び
仕切り壁W2の頂面)に接着剤ADを塗布する(図17
のステップ#103)。
【0181】次いで、接着剤により基板S2を基板S1
に貼り付ける(#104)。これにより、現像剤が充填
された各凹部IRaの開放部を閉じ、密閉されたセルC
r、Cg、Cbを得る。
【0182】これらにより、それぞれに所定の現像剤が
収容されたセルを複数有する画像表示媒体MD1を得
る。
【0183】以上述べた製造方法は、画像表示媒体MD
1以外の媒体の製造にも適用することができる。電極を
有する画像表示媒体を作製する場合には、所定のタイミ
ングで基板上に電極を形成すればよい。例えば基板S1
とS2を貼り合わせる前に基板上に電極を形成すればよ
い。
【0184】§16. 図1及び図2の画像表示媒体MD1の作製方法の他の例
を図20を参照して説明する。以下に述べる方法は、画
像表示媒体MD1のように、各セルが媒体の一方の端部
から他方の端部まで延びている媒体を作製するのに特に
適している。
【0185】まず、次のような凹凸面IR′を有する基
板S1を準備する(図20のステップ#201)。この
ときの基板S1の平面図を図21に示す。凹凸面IR′
は、後に現像剤を収容するためのセルCr、Cg又はC
bとなる凹部IRa′を複数含むものである。なお、本
例では画像観察側に配置される基板S1に凹凸面が形成
されているが、凹凸面は観察側と反対側に配置される基
板S2に形成してもよい。
【0186】本例では、基板S1上に仕切り壁W2と、
壁W2に平行な外壁部分W1′を形成することで、上記
凹凸面IR′は形成されている。つまり、この段階では
外壁の一部は形成されていない。これにより、いずれの
凹部IRa′の両端部も開放している。
【0187】次いで、凹凸面IR′の凸部の頂面に接着
剤ADを塗布し、この接着剤を介して基板S1とS2を
貼り合わせる(#202、#203)。これにより基板
間には、凹凸面IR′の複数の凹部IRa′から、後に
セルCr、Cg、CbとなるセルCr′、Cg′、C
b′がそれぞれ形成される。この段階での基板の平面図
を図22に示す。凹部IRa′の両端部がいずれも開放
されていたため、セルCr′、Cg′、Cb′はいずれ
も二つの開放部(入口部、開口部)O1、O2を有して
いる。これら開放部O1、O2は、直線状に延びるセル
の両端部に位置している。
【0188】次いで、セルCr′、Cg′、Cb′内
に、セルの二つの開放部を利用して現像剤DVr、DV
g、DVbをそれぞれ充填する(図20のステップ#2
04)。
【0189】セルCr′、Cg′、Cb′内に現像剤を
充填するための充填装置の一例を図23に示す。図23
の充填装置FD2は、セル内に現像剤を導入するための
ノズルNと、真空吸引を行うための真空ポンプVPを備
えている。
【0190】ノズルNは、セルCr′、Cg′又はC
b′の一方の開放部O1に取り付けられる。ノズルNに
は、ホッパHから現像剤DVr、DVg又はDVbがチ
ューブT1を介して供給される。ノズルNには超音波振
動子Vが取り付けられている。
【0191】真空ポンプVPからはチューブT2が延び
ており、このチューブT2はセルの他方の開放部O2に
フィルタFを介して接続される。フィルタFは、充填す
る現像粒子のサイズよりも小さい複数の孔を有してい
る。
【0192】セルCr′内に現像剤を充填するときに
は、真空ポンプVPを運転して真空吸引を行う。また、
振動子VによりノズルNに振動を与える。これらによ
り、開放部O1から現像剤DVrがセルCr′内に導入
され、セル内に現像剤が充填される。セルの一方の端部
にある開放部O1からセル内に現像剤を導入し、セルの
他方の端部にある開放部O2から真空吸引するため、セ
ルの全体にわたって現像剤を充填することができる。こ
のような充填作業を繰り返し行うことで、いずれのセル
内にも所定の現像剤を充填することができる。
【0193】なお、本例では、一度に一つのセルだけに
現像剤を充填するが、一度に複数のセルに現像剤を充填
してもよい。現像剤を充填するときに、必要に応じて、
現像剤を充填しないセルの開放部をマスク部材等により
覆ってもよい。
【0194】このようにして各セルCr′、Cg′、C
b′にそれぞれ所定の現像剤を充填した後、各セルの開
放部O1、O2をシール剤SLによって閉じる(図20
のステップ#205)。これにより、密閉されたセルC
r、Cg、Cbが基板S1とS2の間に複数できる。本
例では、全てのセルに現像剤を充填した後、各セルの開
放部を閉じるが、現像剤を充填するたびに開放部を閉じ
てもよい。これらにより、画像表示媒体MD1を得る。
【0195】このようにして画像表示媒体MD1を作製
すると、各セル内に現像剤を収容する前に、基板S1と
S2を接着剤を介して貼り合わせるため、接着剤に現像
剤がくっついてしまうことを抑制できる。また、接着剤
を塗布する壁と基板の間に現像剤が入りこんでしまうこ
とを抑制できる。
【0196】
【発明の効果】以上説明したように本発明の可逆性画像
表示媒体によると、カラー画像表示を行うことができ
る。本発明の可逆性画像表示媒体はカラーフィルタを用
いずにカラー画像表示を行うことができ、それだけ明る
いカラー画像表示を行うことができる。また、本発明の
画像形成方法によると、本発明の画像表示媒体にカラー
画像を形成すること、つまり、画像表示媒体にカラー画
像を表示させることができる。また、本発明の製造方法
によると、本発明の画像表示媒体を作製することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可逆性画像表示媒体の一例の概略
平面図である。
【図2】図1の画像表示媒体の概略断面図である。
【図3】図1の画像表示媒体におけるセルとサブ画素の
対応関係を示す図であり、赤色現像粒子を含む現像剤が
収容されたセル、緑色現像粒子を含む現像剤が収容され
たセル、青色現像粒子を含む現像剤が収容されたセルが
ストライプ配列されている様子を示している。
【図4】図4(A)及び4(B)のいずれも、画像表示
媒体のセル内に収容された現像剤に対して電界を印加し
て、画像を表示している様子を示している。
【図5】画像表示媒体の他の例の概略平面図であり、赤
色現像粒子を含む現像剤が収容されたセル、緑色現像粒
子を含む現像剤が収容されたセル、青色現像粒子を含む
現像剤が収容されたセルがストライプ配列されている様
子を示している。
【図6】画像表示媒体のさらに他の例の概略平面図であ
り、赤色現像粒子を含む現像剤が収容されたセル、緑色
現像粒子を含む現像剤が収容されたセル、青色現像粒子
を含む現像剤が収容されたセルがマトリクス配列されて
いる様子を示している。
【図7】画像表示媒体のさらに他の例の概略平面図であ
り、赤色現像粒子を含む現像剤が収容されたセル、緑色
現像粒子を含む現像剤が収容されたセル、青色現像粒子
を含む現像剤が収容されたセルがデルタ配列されている
様子を示している。
【図8】図8(A)〜8(C)のいずれも、画像表示媒
体の基板上に形成された静電潜像を構成する電荷を利用
して、セル内の現像剤に対して電界を印加する手法の一
例を示している。
【図9】図9(A)〜9(C)のいずれも、画像表示媒
体の基板上に形成された静電潜像を構成する電荷を利用
して、セル内の現像剤に対して電界を印加する手法の他
の例を示している。
【図10】画像表示媒体の基板上に静電潜像を転写する
ことで、媒体基板上に静電潜像を形成し、画像表示媒体
に画像を形成する画像形成装置の一例の概略構成図であ
る。
【図11】図11(A)及び(B)のいずれも、画像表
示媒体の基板上に静電潜像を直接形成して、画像表示媒
体に画像を形成する画像形成装置の一例の概略構成図で
ある。
【図12】本発明に係る可逆性画像表示媒体のさらに他
の例の概略断面図である。
【図13】図12の画像表示媒体に画像を形成する画像
形成装置の一例の概略構成図である。
【図14】本発明に係る可逆性画像表示媒体のさらに他
の例の概略断面図である。
【図15】図14の画像表示媒体に画像を形成する画像
形成装置の一例の概略構成図である。
【図16】画像消去装置の一例の概略構成図である。
【図17】図1の画像表示媒体を作製する方法の一例を
示す工程図である。
【図18】図17の示す方法により画像表示媒体を作製
する場合に準備する基板の平面図である。
【図19】基板の凹部内に現像剤を充填するための充填
装置の一例の概略構成図である。
【図20】図1の画像表示媒体を作製する方法の他の例
を示す工程図である。
【図21】図20の示す方法により画像表示媒体を作製
する場合に準備する基板の平面図である。
【図22】図20の示す方法により画像表示媒体を作製
する場合における二つの基板を貼り合わせた後の基板の
平面図である。
【図23】セル内に現像剤を充填するための充填装置の
一例の概略構成図である。
【符号の説明】
MD1〜MD7 可逆性画像表示媒体 S1、S2 基板 Cr、Cg、Cb セル DVr、DVg、DVb 乾式現像剤 R、G、B、K 現像粒子 W1、W2 壁 Ef フロート電極 Ei 個別電極 Ec 共通電極 32 電極(対向電極) IR、IR′ 凹凸面 IRa、IRa′ 凹凸面の凹部 Cr′、Cg′、Cb′ 開放部を有するセル O1、O2 開放部(入口部、開口部) AP1〜AP4 画像形成装置 311、312 対向部材 331 マグネットローラ 332 マグネットシート 411 感光体 412 帯電チャージャ 413 露光装置 42 コロナイオン発生部 421 シールドケース 422 ワイヤ 423 電源 431、432 制御電極 44、46、47 電圧印加制御部 45 記録電極(注入電極) 481、482 消去ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/34 G03G 9/08 361

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定のギャップをおいて対向する第1及び
    第2の基板と、 前記第1基板と第2基板の間に形成され、現像剤を収容
    するための複数のセルと、 前記各セルにそれぞれ収容された乾式現像剤とを有して
    おり、 いずれの前記セルに収容された乾式現像剤も、互いに光
    学的反射濃度が異なり、互いに帯電極性が異なり、いず
    れも摩擦帯電性を有する第1及び第2の二種類の現像粒
    子を含んでおり、 前記複数のセルには、前記第1現像粒子として、互いに
    色の異なるN種類(Nは2以上の整数)の色の現像粒子
    のうちのいずれかの色の現像粒子が収容されたN種類の
    セルが含まれ、 N種類のいずれの色についても、同じ色の第1現像粒子
    が収容されたセルは周期的に配列されていることを特徴
    とする可逆性画像表示媒体。
  2. 【請求項2】いずれの前記セルに収容された前記第2現
    像粒子も全て同じ色であり、 該第2現像粒子の色は、前記N種類のいずれの色とも異
    なる請求項1記載の可逆性画像表示媒体。
  3. 【請求項3】前記N種類の色の現像粒子は赤、緑及び青
    色の三色の現像粒子であり、 赤色現像粒子を含む現像剤が収容されたセルと、緑色現
    像粒子を含む現像剤が収容されたセルと、青色現像粒子
    を含む現像剤が収容されたセルとがストライプ配列、モ
    ザイク配列又はデルタ配列されている請求項1又は2記
    載の可逆性画像表示媒体。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載の可逆性
    画像表示媒体の製造方法であって、 前記セルとなる凹部を複数含む凹凸面を有する第1の基
    板を準備する第1基板準備工程と、 該第1基板の各凹部内に乾式現像剤を充填する現像剤充
    填工程と、 各凹部内に乾式現像剤が充填された第1基板に第2基板
    を固定して、各凹部の開放部を第2基板により閉じる基
    板固定工程とを含んでおり、 前記現像剤充填工程においては、現像剤を凹部内に供給
    するためのノズルを該凹部に臨ませ、該ノズルに振動を
    与えることで、該ノズルから現像剤を凹部内に落下させ
    て、該凹部内に現像剤を充填することを特徴とする可逆
    性画像表示媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1から3のいずれかに記載の可逆性
    画像表示媒体への画像形成方法であって、 前記セル内に収容された現像剤に対して電界を印加する
    電界印加工程を含んでおり、 前記電界印加工程においては、前記基板面に垂直又はほ
    ぼ垂直な向きの電界を現像剤に対して印加して、該現像
    剤の第1及び第2現像粒子のうちの一方の現像粒子を第
    1基板の方へ相対的に移動させるとともに、他方の現像
    粒子を第2基板の方へ相対的に移動させ、該セル内にお
    いて第1現像粒子と第2現像粒子を偏在させることを特
    徴とする画像形成方法。
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