JP2003160883A - 微粒子配列方法と微粒子配列装置 - Google Patents

微粒子配列方法と微粒子配列装置

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JP2003160883A
JP2003160883A JP2001361306A JP2001361306A JP2003160883A JP 2003160883 A JP2003160883 A JP 2003160883A JP 2001361306 A JP2001361306 A JP 2001361306A JP 2001361306 A JP2001361306 A JP 2001361306A JP 2003160883 A JP2003160883 A JP 2003160883A
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fine particles
dielectric constant
constant region
arranging
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JP2001361306A
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Isao Matsui
功 松井
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に微粒子を高い生産性で配列させる。 【解決手段】基板上に薄膜パターニングを用いて高誘電
率領域と低誘電率領域とを形成した後、基板表面に荷電
粒子を照射し、高誘電率領域上に選択的に電荷を蓄積す
る。さらに、基板表面に帯電させた微粒子を供給し、電
荷が蓄積された高誘電率領域上に選択的に付着、定着さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子の配列に関
し、基板上の所定領域に微粒子を配列させる微粒子配列
方法とその方法を実施するための微粒子配列装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ナノメートルサイズの微粒子は、量子サ
イズ効果など従来にない機能を有し、新しい形態の物質
として近年注目されつつある。種々の材料を微粒子化し
て、使用することで、磁性媒体、超稠密電池電極、ディ
スプレイ素子等の特性を大幅に改善できることが知られ
ている。
【0003】ナノメートルサイズの微粒子を上述する媒
体や素子に利用する際には、微粒子を薄膜化することが
必要になる。即ち、基板上の所定領域に微粒子を配列さ
せ、薄膜パターンを形成しなければならない。
【0004】従来、基板上の所定位置に微粒子を配列す
る方法としては、図4(a)〜図4(d)に示すプロー
ブ法が主に用いられてきた。この方法では、まず、図4
(a)に示すように、熱酸化膜(SiO2)等を表面に
形成した基板510上に微小な針先を持つプローブ52
0を近づけ、針先から基板表面に電荷を注入させなが
ら、プローブを移動し、SiO2膜上に電荷蓄積パター
ン530を描画する。
【0005】次に、図4(b)に示すように、正(プラ
ス)に帯電された微粒子540を基板510上に供給す
る。正に帯電された微粒子540は、クーロン力(静電
気力)により基板510上の電荷蓄積パターン530上
に選択的に付着し、基板510上には図4(c)に示す
ような微粒子付着パターン535ができる。
【0006】さらに、図4(d)に示すように基板を加
熱し、付着した微粒子を定着させれば、微粒子の薄膜パ
ターン535aを得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来使
用されているプローブ法は、描画に時間がかかるため、
生産効率が悪く、製造コストが割高であり量産に不向き
である。また、プローブ法を用いる場合は、パターンサ
イズが、プローブのサイズに限定されてしまい、プロー
ブ先端の寸法より微細なパターンの形成が困難になる。
【0008】従って、ナノメートルサイズの微粒子を用
いた素子を本格的に実用化していくためには、より低コ
ストで量産に適した新たな微粒子配列の方法及び装置が
求められている。また、微粒子配列パターンのさらなる
微細化にも対応可能な微粒子配列方法も求められてい
る。
【0009】本発明の目的は、上述する従来の課題に鑑
み、より生産性の高い微粒子の配列方法とその方法を実
施するための微粒子配列装置を提供することである。
【0010】さらに本発明の別の目的は、さらに微細な
パターンを形成可能な微粒子の配列方法を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の微粒子配列方法
の特徴は、基板表面に高誘電率領域と低誘電率領域とを
形成する工程と、基板表面に荷電粒子を照射し、上記高
誘電率領域上に選択的に電荷を蓄積する工程と、基板表
面に帯電させた微粒子を供給し、電荷が蓄積された上記
高誘電率領域上に選択的に上記微粒子を付着させる工程
と、付着した上記微粒子を定着させる工程とを有するこ
とである。
【0012】なおここで、高誘電率領域と低誘電率領域
とは、二つの領域の誘電率を比較した場合の相対的な誘
電率の値が高い領域と低い領域をいうものとする。
【0013】上記本発明の微粒子配列方法の特徴によれ
ば、基板表面に形成した高誘電率領域上に微粒子を配列
することができる。また、基板表面の高誘電率領域と低
誘電率領域の形成、基板表面への電荷の供給、基板表面
への微粒子の供給、および微粒子の定着工程の各工程
は、基板面単位で一括処理することができるので、従来
のプローブ法に較べ大幅に生産性を上げることができ
る。
【0014】なお、上記微粒子配列方法の特徴におい
て、上記高誘電率領域と低誘電率領域とを形成する工程
は、基板上に、その基板と異なる誘電率を有する薄膜を
形成する工程と、上記薄膜をパターニングする工程とを
有していてもよい。
【0015】この場合は、基板上に形成した薄膜をパタ
ーニングすることで、基板層が露出する領域と薄膜で表
面が被覆された領域とが形成され、いずれか一方の領域
を高誘電率領域、他方の領域を低誘電率領域とすること
ができる。薄膜のパターニングは、従来のフォトリソグ
ラフィ法等を用いて容易にしかも基板表面全体に一括し
て形成できるので、従来の描画によるパターニング法に
比較し、基板上への微粒子の配列を生産性良く行うこと
ができる。
【0016】また、上記微粒子配列方法において、高誘
電率領域と低誘電率領域とを形成する工程は、基板層上
に、液剤を塗布し、該液剤の自己組織化現象により島状
組織を相分離させて島状パターンを形成する工程と、上
記島状組織の領域もしくはその周囲の領域のいずれかを
選択的に除去する工程とを有してもよい。ここで、液剤
の自己組織化現象とは、人為的な処理によらず、液剤自
身の性質により特定の構造が形成される現象をいう。
【0017】この場合は、基板上に液剤をコーティング
するだけで、液剤の自己組織化現象によりほぼ規則的な
微細パターンを基板上に容易に形成できる。なお、こう
して得られた微細パターン自体を上記薄膜パターンとし
て扱ってもよいが、予め基板上に形成した薄膜上に自己
組織化による微細パターンを形成し、これをレジストと
して用いて該薄膜をエッチングすることで薄膜パターン
を得ても良い。
【0018】この方法によれば、従来のフォトリソグラ
フィ工程が不要になるため、さらにプロセスを簡略化で
きるとともに、フォトリソグラフィで得られないより微
細なパターンを得ることも可能になる。
【0019】さらに、高誘電率領域と低誘電率領域とを
形成する工程は、高誘電率領域もしくは低誘電率領域の
いずれかの領域を網目状、ハニカム状あるいはこれらの
組み合わせ形状に加工するものであってもよい。
【0020】これらのパターンを形成することにより、
磁気記録媒体であるパターンメディアや、湿式太陽電池
の電極等への応用が可能になる。
【0021】本発明の微粒子配列装置の特徴は、第1の
基板収納容器と、上記第1の基板収納容器内に収納され
る基板の表面に荷電粒子を照射する手段と、該荷電粒子
を照射された後の上記基板を収納する第2の基板収納容
器と、上記第1の基板収納容器と上記第2の基板収納容
器との間で上記基板を搬送する手段と、上記第2の基板
収納容器内に微粒子を導入する手段と、上記微粒子を帯
電させる手段と、該帯電させた微粒子を、上記第2の基
板収納容器内に収納された該基板の表面に輸送する手段
とを有することである。
【0022】この微粒子配列装置によれば,上記本発明
の微粒子配列方法における基板表面への電子の照射工程
から基板表面に微粒子を付着させる工程までを行うこと
ができる。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1(a)
〜図1(d)は、本発明の第1の実施の形態に係る微粒
子の配列方法の手順を示す工程図である。
【0024】第1の実施の形態に示す微粒子の配列方法
は、基板表面層上に基板と異なる誘電率を持つ薄膜パタ
ーンを形成することで、基板層上に誘電率の高い領域と
低い領域を形成し、各領域の誘電率の違いを利用して微
粒子を一括して配列させる方法である。以下、図面を参
照しながらより詳細に説明する。
【0025】まず、図1(a)に示すように、基板とし
て例えば誘電率が11.9のSi基板10を用意し、こ
の上に例えば誘電率が4.2のSiO2膜20を熱酸化
法等を利用して形成する。SiO2膜20の膜厚は特に
限定されない。例えば数百nm程度であればよい。続け
て、SiO2膜20を例えば、同図に示すような網目状
のパターンに加工する。このSiO2膜のパターニング
には、通常のフォトリソグラフィ工程を用いて行うこと
ができる。こうして、SiO2のパターニングが終了し
た基板表面には、網目部分にはSiO2からなる低誘電
率領域が残り、網目部分以外の領域にはSi基板10が
露出する高誘電率領域が形成される。
【0026】なお、SiO2膜パターンを、上述したパ
ターンと逆に、網目部分のSiO2が除去されたパター
ンとしてもよい。また、網目形状以外にも、種々の形状
にすることが可能である。さらに、基板全面にパターン
形成する必要はなく、基板上の必要な部分のみに形成し
てもよい。微粒子配列を用いた最終的に得ようとする素
子の形態にあわせて、形状およびサイズを決めればよ
い。網目形状、ハニカム形状等は、パターンドメディア
や湿式太陽電池の超稠密電極などへの応用に適する。
【0027】次に、基板全面に荷電粒子を照射する。荷
電粒子としては、電子やプラスイオン、マイナスイオン
等が挙げられるが、ここでは、電子を例にとって説明す
る。電荷の供給方法としては、例えば図1(b)に示す
ように、基板に平行に平板型の電極を配置し、電極に高
圧電源を接続し、高圧プラズマを発生させ、電子
(e )を基板表面に照射する。なお、プラズマ中には
電子とともにイオン等も発生するため、選択的に電子を
基板表面に照射するために、基板上に例えばマイナス電
位のメッシュ電極を介在させ、プラスイオンについては
メッシュ電極でトラップさせてもよい。あるいは、基板
側がプラズマ電位より相対的にプラス電位になるように
基板を所定電位にしてもよい。
【0028】基板表面に供給された電子は、高誘電率領
域、即ちSi基板10が露出する領域に選択的に電荷と
して蓄積される。
【0029】続いて、図1(c)に示すように、基板上
に蓄積された電荷と逆電位である正(プラス)電位に帯
電した微粒子40を供給する。正に帯電した微粒子40
は、クーロン力により、基板表面の電荷が蓄積された高
誘電率領域に選択的に付着(堆積)する。即ち、Si基
板10が露出する領域上に微粒子40は選択的に付着す
る。
【0030】最後に、図1(d)に示すように、Si基
板10を加熱し、付着した微粒子を定着させる。この加
熱温度は微粒子によって異なるが、微粒子同士の接触面
が固着しうる温度とする。例えば微粒子としてCoやF
eの強磁性紛を使用する場合は、500℃〜600℃程
度に加熱する。こうして、SiO2からなる各網目以外
の領域に、微粒子が積層された微粒子積層パターン50
が形成される。
【0031】ここで、微粒子としては、数nm〜100
nm、好ましくは、量子効果を発揮しうる10nm以下
の径の粒子をいうものとする。微粒子の種類は特に限定
されず、例えば磁気記録媒体であるパターンドメディア
に使用する場合には、Co、FeあるいはNi等の強磁
性体微粒子を用いる。また、いわゆる湿式太陽電池の電
極として使用する場合にはTiO2紛を用いる。また、
これらの材料以外にも種々の微粒子を使用することがで
きる。
【0032】以上に説明した第1の実施の形態による微
粒子配列方法によれば、Si基板上にSiO2膜のパタ
ーニングを行うことで、微粒子の配列領域を画定するこ
とができる。また、薄膜パターンの形成はフォトリソグ
ラフィ工程を用いれば、基板全面に一括して形成でき、
しかも同じマスクパターンを用いれば、繰り返し同じパ
ターンを作製できる。さらに、このSiO2膜のパター
ニングを含め、その他の工程も、それぞれ基板面単位で
一括に処理することができる工程である。従来のプロー
ブ法を用いた場合に較べ、高い生産性で基板上への微粒
子の配列を形成することができる。従って、時間あたり
の処理量をプローブ法を用いた場合の10倍以上に上
げ、生産コストを10分の1以下に抑えることが可能に
なる。
【0033】なお、上述の例では、Si基板10にSi
O2膜20のパターンを形成する例について説明した
が、基板上に誘電率の異なる領域を形成できればよく、
基板表面層とその上に形成する薄膜の種類はこれらの組
み合わせに限られない。高誘電率領域と低誘電率領域の
誘電率比をより高くできるように各材料を選択すれば、
微粒子形成領域の選択性をさらに上げることができるの
で、より好ましい。
【0034】従って、例えば、誘電率が11.9のSi
基板上に形成する薄膜として誘電率がSiO2膜より低
い有機ポリマー系の薄膜をコーティングで形成してもよ
い。このような有機ポリマーの例としては、誘電率が
3.5のポリイミド膜や誘電率が2.8のポリアリール
エーテル、誘電率が2.5の水素化アルキルシルセスキ
オサンポリマー、および誘電率が3.8のアルキルシロ
キサンポリマー等が挙げられる。
【0035】また、基板としては、Si基板以外にも、
ガラスやセラミックス等種々の基板を用いることが可能
であり、基板そのものを基板表面に露出させたもののほ
か、基板上に誘電率が高い層を予め形成し、その上に誘
電率の低い薄膜パターンを形成することもできる。ま
た、誘電率の低い基板上に誘電率の高い薄膜パターンを
形成してもよい。あるいは、基板上に誘電率が低い層を
予め形成し、その上に誘電率の高い薄膜パターンを形成
してもよい。
【0036】誘電率の高い材料としては、SiNx膜や
強誘電材料として使用されるPZT(Pb(ZrxTi1
-xO0<x<1)、BST((BaSr1−x
TiO0<x<1)等種々のセラミックス等を使用
することができる。
【0037】なお、上述するように高誘電率領域と低誘
電率領域の誘電率の比は、高いほど望ましいが、十分な
誘電率比をとることができず、低誘電率領域にも多少の
微粒子の付着が生じる場合は、最終工程で微粒子層の表
面を軽くエッチング除去を行うか、もしくは低誘電率領
域の薄膜パターンごとエッチング除去することで、高誘
電率領域パターンに相当する微粒子積層パターンを形成
することができる。
【0038】なお、微粒子の付着堆積量は、高誘電率領
域への電荷の蓄積量と微粒子の供給量とで調整すること
ができる。電荷の蓄積量が少なければ、帯電した微粒子
の供給量を増やしても付着する量には限界がある。また
その一方で、帯電した微粒子の供給量が少なければ電荷
の蓄積量が多くても堆積量は当然に少ない。帯電させた
微粒子の正の電荷量とSi基板上への電荷蓄積量が等し
くなるようプラズマ放電時間と帯電した微粒子の供給量
を調整し、上述する工程を繰り返せば、その繰り返し回
数により微粒子堆積付着量を精度よく制御することがで
きる。
【0039】(第2の実施の形態)図2(a)〜図2
(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る微粒子の配
列方法の手順を示す工程図である。
【0040】第2の実施の形態に示す微粒子の配列方法
は、ブロックコポリマーの自己組織化現象(相分離現
象)を利用して基板上に微細なパターンを作製し、この
微細パターンを用いて基板上に誘電率の高い領域と低い
領域を形成し、各領域の誘電率の違いを利用して、基板
上に微粒子を配列させる方法である。以下、図面を参照
しながらより詳細に説明する。
【0041】ブロックコポリマーとは、複数のホモポリ
マーを構成成分とする直鎖ポリマーからなるコポリマー
のことである。ブロックコポリマーは組成比、分子量を
制御することで、様々な構造を容易に形成することが可
能であるが、例えば、図2(a)に示すように、 ポリ
スチレン(PS)とポリメチルメタクリレート(PMM
A)を加熱混合したブロックコポリマーである液剤をS
i基板12上に、コーティングし、冷却すると、自己組
織化現象により、PS21からなる島状組織とその周囲
のPMMA22とに相分離した海島構造の薄膜を得るこ
とができる。これをオゾン中に暴露し、PS21を選択
的に気化させれば、図2(b)に示すような例えば深さ
20nm、直径80nm未満のサイズの揃ったホール2
4が規則的に形成されたパターンを得ることができる。
【0042】ホール24パターンの底面にはSi基板1
2が露出するため、基板表面にはSi基板が露出する高
誘電率領域とPMMAが露出する低誘電率領域とが形成
されることになる。この方法を用いれば、通常のフォト
リソグラフィ工程で得ることのできないより微細なパタ
ーンを容易に得ることができる。
【0043】この後に続く工程は、第1の実施の形態に
係る微粒子配列方法と同様な方法を使用することができ
る。即ち、基板全面に電子を照射し、高誘電率領域、即
ちSi基板が露出するホール24内に選択的に電荷を蓄
積する。続いて、基板全面に正(プラス)電位に帯電さ
せた微粒子を供給する。正に帯電された微粒子は、クー
ロン力により基板表面の電荷が蓄積された領域、即ち、
Siが露出するホール24内に選択的に付着堆積する。
最後に、基板を加熱し、付着した微粒子を定着させ、P
MMAをエッチング除去すれば、図2(c)に示すよう
なドット状の微粒子パターン52を形成することができ
る。微粒子として、Co、Fe、Ni等の強磁性体微粒
子を使用した場合は、パターンドメディアを形成するこ
とが可能である。
【0044】また、上述するように図2(b)に示すP
MMAによるホールパターンを直接使用して高誘電率領
域と低誘電率領域を形成する以外に、このホールパター
ンをレジストとして用いてもよい。例えば第1の実施の
形態の微粒子配列方法のように、Si基板上に低誘電率
のSiO2膜を形成した後、その上に自己組織化現象を
利用した図2(b)に示すようなホールパターンを形成
し、このホールパターンをレジスト(エッチングマス
ク)として用いることで、通常のフォトリソグラフィで
得ることが困難な微細なSiO2膜パターンを形成する
こともできる。
【0045】(第3の実施の形態)第3の実施の形態で
は、第1、第2の実施の形態に係る微粒子配列方法に適
した装置について説明する。
【0046】上述する第1、第2の実施の形態では、基
板上に高誘電率領域と低誘電率領域を形成する工程につ
いては具体的な方法は異なるが、基板表面への荷電粒子
の照射工程から微粒子定着工程までは共通する工程を用
いている。
【0047】図3は、この荷電粒子の照射工程から微粒
子付着工程もしくは微粒子定着工程までを連続に行うこ
とのできる微粒子配列装置を例示している。この微粒子
配列装置は、同図に示すように、荷電粒子照射手段であ
る電荷発生装置200と、微粒子帯電手段であるグロー
放電部400と、帯電した微粒子輸送手段である微粒子
とキャリヤガスの導入部300と、基板保持手段であり
基板搬送手段でもある回転テーブル100とを有する。
また、共通する収納容器500の中には、密閉可能な第
1の基板収納容器250と第2の基板収納容器350と
があり、それぞれの容器内で、基板への荷電粒子の堆積
と、基板への帯電微粒子の堆積が行われる。
【0048】まず、表面に高誘電率領域と低誘電率領域
とが形成された基板15aは、回転テーブル100上に
セッティングされ、第1の基板収納容器250内の所定
位置に設置される。電荷発生装置200は、例えばここ
に示すような平行平板型プラズマ放電装置であり、第1
の基板収納容器250内に一対の対向電極200A、2
00Bを擁している。一方の電極200Aは、例えば高
圧電源に接続されており、他方の電極200Bは、メッ
シュ状の電極であり、所定の電位VLに接続されてい
る。両電極間への電圧の印加により直流グロー放電が生
じ、電極間にプラズマが発生する。基板15aは、一対
の対向電極200A、200Bの下部に配置される。な
お、プラズマの発生を行う際は、基板収納容器250内
をAr等の不活性ガス雰囲気で1torr程度の圧力に
調整した上で行う。
【0049】一対の対向電極200A、200B間に
は、導入するガス種により各種のイオンやラジカルとと
もに電子が発生する。例えば、基板表面に電子照射を行
う場合は、下方の電極200Bに接続される電位VLを
上方の電極200Aに対しマイナスの電位にしておく。
こうすれば、プラズマ中のプラスイオンは電極200B
でトラップされるが、電子はそのまま電極200Bのメ
ッシュを通過し、基板15aの表面上に照射される。な
お、電子とともにマイナスイオンも照射されるがともに
電荷がマイナスであるので問題ない。
【0050】なお、基板表面にプラスイオンを照射する
場合は、下方の電極200Bに接続された電位VLをプ
ラス電位とし、ここでプラズマ中の電子およびマイナス
イオンをトラップすればよい。
【0051】照射された電子は、基板15a上の高誘電
率領域に選択的に電荷として蓄積される。基板に蓄積さ
れる電荷量は、クーロン計102で測定され、この値は
モータ104の制御装置に伝達され、所定の電荷量を超
えると、回転テーブル100のモータ104が作動し、
基板15aは第2の基板収納容器350内の所定位置に
搬送される。
【0052】なお、基板を搬送する際は、第1の基板収
納容器250と、第2の基板収納容器350と、共通す
る収納容器500内の雰囲気圧を同じにすれば、回転テ
ーブル100等の動作による基板の搬送をよりスムーズ
に行うことができ、各工程を繰り返すことも容易にな
る。なお、第1の基板収納容器250から第2の基板収
納容器350への基板の搬送は、搬送アームなどを用い
ることもできるが、回転テーブル100を使用すれば搬
送機構をより簡易にできる。
【0053】微粒子40aは、グロー放電部400の上
方に設置された微粒子とキャリヤガスの導入部300
で、キャリヤガスと混合され、キャリヤガスのガス流に
乗って、グロー放電部400を通過し、電荷が蓄積され
た基板15aの表面に供給される。なお、微粒子40a
は、グロー放電部400を通過する過程で基板15A上
に蓄積された電荷と逆の電荷である正(プラス)に帯電
される。帯電した微粒子40Aは、基板上の電荷とクー
ロン力で引き合い、電荷が蓄積された領域に選択的に付
着(堆積)する。なお、グロー放電部400を第2の基
板収納容器350の外部に設け、帯電させた微粒子を第
2の基板収納容器350の内部に導入してもよい。
【0054】電位計106は、基板15Aの表面に接す
るように設けられるプローブに接続されており、基板上
に堆積された微粒子の量はこの電位計106の値で検知
する。所定の電位差になったところで、回転テーブルの
モータ104が作動し、基板15Aを移動する。なお、
必要に応じ、基板上の必要でない領域に堆積された微粒
子を除去するため、ガスブロー等を行ってもよい。
【0055】上記微粒子配列装置から搬出された後、基
板は加熱され、基板上に付着した微粒子を基板上に定着
させる。なお、微粒子配列装置中に加熱手段を設け、連
続する工程の中で微粒子の定着処理まで行ってもよい。
【0056】上述する第3の実施の形態に係る微粒子配
列装置によれば、種々の微粒子配列を行う場合に、共通
する工程である基板表面への荷電粒子の照射工程から微
粒子付着工程あるいは定着工程までの連続する工程を一
つの装置で行うことができる。従って、基板上への微粒
子の配列をより高い生産効率で形成することができる。
【0057】以上、第1〜第3の実施の形態に沿って本
発明について説明したが、本発明はこれらの実施の形態
の記載に限定されるものではない。種々の変更や材料等
の置換が可能であることは当業者には明らかである。
【0058】上述する実施の形態の説明では、主に荷電
粒子として電子を使用する例を説明したが、荷電粒子と
してプラスイオンを使用することも可能である。この場
合は、基板上の高誘電率領域上に選択的にプラスイオン
が蓄積され、そこにマイナスに帯電した微粒子を供給
し、クーロン力により、基板表面に微粒子を付着させる
とよい。
【0059】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の微粒子
配列方法によれば、大面積に一括工程で、微粒子の配列
を行うので、生産性を大幅に上げることができる。ま
た、プローブを用いた描画工程を使用しないので、微細
パターンの精度がプローブサイズに限定されることがな
い。
【0060】さらに、本発明の微粒子配列装置によれ
ば、上記本発明の微粒子配列方法を実施するために適し
た装置を提供できるとともに、基板面への電子の照射か
ら帯電した微粒子を基板上の所定位置に付着させるまで
の工程を連続して行うことができ、基板上への微粒子の
配列を高い生産性で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る微粒子配列方
法による微粒子配列の形成工程を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る微粒子配列方
法による微粒子配列の形成工程を示す図である。
【図3】本発明の第1及び第2の実施の形態に係る微粒
子配列方法に使用する装置を示す概略構成図である。
【図4】従来の微粒子配列方法による微粒子配列形成工
程を示す図である。
【符号の説明】
10、12 Si基板 20 SiO2膜 21 PS 22 PMMA 24 ホール 30 電極 40 帯電された微粒子 50 付着微粒子 52 微粒子パターン 100 回転テーブル 200 電荷発生装置 300 微粒子とキャリヤガスの導入部 400 グロー放電部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K044 AA06 AA12 AA13 AB02 BA06 BA12 BA18 BA19 BA21 BB10 BB11 BC14 CA07 CA34 CA62 CA71 5D112 AA02 AA18 BA09 FA06 GA02 GA17 GA26 5F051 AA14 5H032 AA06 AS06 AS16 BB05 BB10 CC11 EE01 EE02 EE07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面に高誘電率領域と低誘電率領域
    とを形成する工程と、 基板表面に、荷電粒子を照射し、前記高誘電率領域上に
    選択的に電荷を蓄積する工程と、 基板表面に、帯電させた微粒子を供給し、電荷が蓄積さ
    れた前記高誘電率領域上に選択的に前記微粒子を付着さ
    せる工程と、 付着した前記微粒子を定着させる工程とを有することを
    特徴とする微粒子配列方法。
  2. 【請求項2】 前記高誘電率領域と低誘電率領域とを形
    成する工程は、 基板層上に、前記基板層と異なる誘電率を有する薄膜を
    形成する工程と、前記薄膜をパターニングする工程と を有することを特徴とする請求項1に記載の微粒子配列
    方法。
  3. 【請求項3】 前記高誘電率領域と低誘電率領域とを形
    成する工程は、 基板層上に、液剤を塗布し、該液剤の自己組織化現象に
    より島状組織を相分離させて島状パターンを形成する工
    程と、 前記島状組織の領域もしくはその周囲の領域のいずれか
    を選択的に除去する工程とを有することを特徴とする請
    求項1に記載の微粒子配列方法。
  4. 【請求項4】 前記高誘電率領域と低誘電率領域とを形
    成する工程は、前記高誘電率領域もしくは低誘電率領域
    のいずれかの領域を網目状、ハニカム状あるいはこれら
    の組み合わせ形状に加工することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の微粒子配列方法。
  5. 【請求項5】 基板上に微粒子を配列する微粒子配列装
    置であって、 第1の基板収納容器と前記第1の基板収納容器内に収納
    される基板の表面に荷電粒子を照射する手段と、 該荷電粒子を照射された後の前記基板を収納する第2の
    基板収納容器と、 前記第1の基板収納容器と前記第2の基板収納容器との
    間で前記基板を搬送する手段と、 前記第2の基板収納容器に微粒子を導入する手段と、 前記微粒子を帯電させる手段と、 該帯電させた微粒子を、前記第2の基板収納容器内に収
    納された前記基板の表面に輸送する手段とを有すること
    を特徴とする微粒子配列装置。
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