JP2003160841A - 石油系燃料改質器用オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

石油系燃料改質器用オーステナイト系ステンレス鋼

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過酷な高温水蒸気雰囲気下で稼動され、高温
〜常温の広い温度域にわたって加熱・冷却が繰り返され
る石油系燃料改質器に好適なオーステナイト系ステンレ
ス鋼を提供する。 【構成】 このオーステナイト系ステンレス鋼は、C
r:15〜25質量%,Ni:7〜15質量%,C:
0.02〜0.1質量%,Si:1〜4質量%,Mn:2
質量%以下,S:0.008質量%以下を含み、更に
N:0.05〜0.20質量%,Mo:1.0〜3.0質量
%,Nb:0.05〜0.50質量%の1種又は2種以
上,必要に応じY:0.001〜0.1質量%,REM
(希土類元素):0.001〜0.1質量%,Ca:0.
001〜0.01質量%の1種又は2種以上を含み、、
加熱初期の酸化皮膜にCr23が30質量%以上含まれ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガソリン,ナフサ,灯
油,LPG等の石油系燃料を水素に改質する際に使用さ
れる改質器の要求特性を満足するオーステナイト系ステ
ンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】各種化学工業分野における基礎原料,燃
料電池用燃料,熱処理雰囲気用等、広範な用途に使用さ
れる水素は、石油,アルコール等の燃料を分解すること
により製造している。たとえば、石油精製プラントで
は、大型で連続運転される水素発生装置が使用されてい
る。従来の水素発生装置は、ナフサや天然ガスを原料と
し、水蒸気改質反応によって水素を製造している。最近
では、燃料電池用水素を得るために、各種改質器の開発
が急ピッチで進められている。燃料電池用改質器として
は、複数の反応管を容器に収容した多管式,大径の反応
管をもつ単管式等が知られている。
【0003】たとえば、単管式改質器では、内壁1a,
外壁1bをもつ二重管からなる反応管1に触媒を充填
し、適宜の仕切りによって第1触媒層2a,第2触媒層
2bを形成している(図1)。第1触媒層2aと第2触
媒層2bとの間に内側流路3a,外側流路3bをもつ改
質ガス取出し管3を配置し、第1触媒層2aを内側流路
3aに,第2触媒層2bを外側流路3bに連通させる。
反応管1は全体がハウジング4で取り囲まれ、ハウジン
グ4の一側壁に原料ガス供給管5が設けられ、外側流路
3bに連通する合流管3cが他側壁から系外に延びてい
る。ハウジング4の底部には、バーナ燃料f,燃焼空気
oが供給され、反応管1の内壁1aで区画される内部空
洞にフレームFを送り込むバーナ6が設けられている。
【0004】原料ガスRGは、改質用水蒸気と共に反応管
1内に送り込まれ、第1触媒層2a→内側流路3a→第
2触媒層2b→外側流路3b→合流管3cの経路で流れ
る。フレームFで内側から加熱されている第1触媒層2
a,第2触媒層2bを原料ガスRGが通過する際に、改質
反応(たとえば、C38+3H2O=3CO+7H2),
シフト反応(CO+H2O=CO2+H2)等により水素
が生成する。水素は、改質取出し管から改質ガスとして
直接回収され、或いはPd−Ag,Ta等の水素透過膜
を用いた選択透過法で改質ガスPGから分離回収される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】石油精製プラントの水
素発生装置は、高温で連続運転されることから優れた高
温クリープ強度が要求される。また、CO2,SO2等を
含む水蒸気雰囲気に曝される。そのため、HK40(2
5Cr−20Ni−0.4C)を始めとする耐熱合金製
の遠心鋳造管が水素発生装置の構造材に使用されてい
る。他方、石油系燃料から水素を回収する燃料電池用改
質器では、都市ガス,アルコール系燃料に比較して改質
温度が800℃以上の高温になる。しかも、水蒸気、C
2,SO2等を含む酸化性の雰囲気に曝され、水素の需
要に応じて加熱・冷却も頻繁に繰り返される。このよう
な過酷な環境下で十分な耐久性を呈する実用的な材料
は、これまでのところ報告されていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のオース
テナイト系ステンレス鋼をベースとし、高温水蒸気雰囲
気に曝される石油系燃料改質器の環境を考慮して鋼組成
に種々の検討を加えることにより完成されたものであ
り、加熱初期の酸化皮膜を強化すると共に、N,Mo,
Nb等の添加によって中温〜高温域での高温強度を改善
し、改質器の要求特性を満足する石油系燃料改質器用オ
ーステナイト系ステンレス鋼を提供することを目的とす
る。
【0007】本発明の石油系燃料改質器用オーステナイ
ト系ステンレス鋼は、その目的を達成するため、Cr:
15〜25質量%,Ni:7〜15質量%,C:0.0
2〜0.1質量%,Si:1〜4質量%,Mn:2質量
%以下,S:0.008質量%以下を含み、更にN:0.
05〜0.20質量%,Mo:1.0〜3.0質量%,N
b:0.05〜0.50質量%の1種又は2種以上を含
み、残部が実質的にFeの組成をもち、加熱初期の酸化
皮膜にCr23が30質量%以上含まれていることを特
徴とする。このオーステナイト系ステンレス鋼は、更に
Y:0.001〜0.1質量%,REM(希土類元素):
0.001〜0.1質量%,Ca:0.001〜0.01質
量%の1種又は2種以上を含むことができる。
【0008】
【作用】耐熱・耐食性に優れたステンレス鋼としてSU
S304が代表的な材料であるが、多量の水蒸気を含む
改質器の高温雰囲気に曝されると水蒸気酸化が容易に進
行し、構造材としての機能が損なわれる。SUS304
は、加熱・冷却の繰返しに起因する熱疲労に対しても十
分な耐性を備えていない。そこで、本発明者等は、水蒸
気酸化及び熱疲労の発生メカニズムを材質面から検討
し、SUS304をベースとして種々の合金成分を添加
することによって添加合金成分が水蒸気酸化及び熱疲労
に及ぼす影響を調査した。
【0009】高温雰囲気における水蒸気酸化は大気酸化
よりも損傷が大きい。水蒸気酸化機構は必ずしも明らか
でないが、水蒸気が酸素及び水素に解離して酸化反応を
促進させ、水蒸気が鋼素地に直接到達して酸化を促進さ
せること等によって生じる現象であり、結果としてスケ
ール剥離に由来する配管系統の目詰りや鋼素地の減肉に
起因する変形,穴開き等のトラブルが発生する。
【0010】この水蒸気酸化は、ステンレス鋼表面に生
成するCr系酸化物を主体とする酸化皮膜を安定化する
ことによって抑制できる。加熱によりステンレス鋼表面
に生成する酸化皮膜は、ステンレス鋼に耐酸化性を付与
するものであり、15質量%以上のCr含有量で耐酸化
性の向上が顕著となる。しかし、鋼素地が高温水蒸気雰
囲気に曝されると、酸化皮膜中に生成するCr系酸化物
が少量に留まり、Cr−Mn−Fe系のスピネル構造を
もつ酸化物が多量に生成するため、酸化皮膜がポーラス
になる。その結果、酸化皮膜を透過して下地鋼に到達す
る水蒸気,CO 2,SO2等の腐食性成分が多くなり、下
地鋼の水蒸気酸化や硫化が進行する。
【0011】そこで、Si添加によってCr系酸化物を
安定化させることにより、耐水蒸気酸化性,耐硫化性を
改善する。耐水蒸気酸化性,耐硫化性に及ぼすSiの影
響は、Si添加によって鋼中のCr拡散が促進され、C
r系酸化物が生成しやすくなり、結果としてCr系酸化
物が安定した酸化皮膜によって腐食性成分の透過が抑制
されることに起因するものと推察される。Y,REM,
Caの添加も耐水蒸気酸化性,耐硫化性の改善に有効で
ある。Y,REM,Caは、酸化皮膜のCr系酸化物に
固溶し、酸化皮膜を強化することによって腐食性成分の
透過を抑制するものと推察される。
【0012】石油系燃料改質器は、稼動,非稼動に応じ
て常温から900℃前後の高温に至る温度域で加熱・冷
却される。そのため、加熱・冷却の繰返しによって蓄積
される熱疲労も大きくなる。この点、石油精製プラント
の大型水素発生装置は高温で連続運転されることから、
高温クリープ特性に優れた材料の使用によって問題が解
決されるが、加熱・冷却が繰り返される改質器には同様
な手段を適用できない。
【0013】本発明では、N,Nb,Moの1種又は2
種以上を添加することによって高温強度,ひいては熱疲
労特性を改善している。N,Moは固溶強化、Nbは析
出硬化によって熱疲労特性を改善する。熱疲労特性の改
善には、高温雰囲気に曝されているステンレス鋼の組織
変化を抑制することも有効な手段である。組織変化の抑
制には、炭化物が生成しないようなC量規制,σ相が生
成しないようなCr,Si量の上限規制,結晶成長を阻
止するインヒビターとして機能する析出物の生成等の手
段が採用される。
【0014】以上の観点から、石油系燃料改質器に使用
されるオーステナイト系ステンレス鋼の成分・組成を次
のように定めた。 Cr:15〜25質量% ステンレス鋼に必要な耐食性,耐酸化性を付与する上で
必要な合金成分である。800℃前後における高温耐酸
化性を確保するためには,15質量%以上のCrが必要
である。しかし、25質量%を超える過剰量のCrが含
まれると、高温雰囲気に曝された際に組織変化を助長す
るσ相が生成しやすくなる。過剰量のCr含有は、オー
ステナイト系ステンレス鋼の加工性を低下させることに
もなる。
【0015】Ni:7〜15質量% オーステナイト相を維持するために必要な合金成分であ
り、改質器の高温状態及び降温段階でもオーステナイト
相が安定するように、Ni含有量を7質量%以上に設定
する。しかし、15質量%を超える過剰量のNi含有
は、鋼材の製造コストを上昇させると共に、オーステナ
イト系ステンレス鋼の熱間加工性を低下させ、鋼板の製
造性,歩留にとって不利である。
【0016】C:0.02〜0.1質量% 本発明の成分系では、Cr系炭化物となって耐水蒸気酸
化性,耐硫化性に有効なCr量を消費する。Cr系炭化
物の析出は、高温強度を低下させる組織変化の原因とも
なる。このようなことから、C含有量の上限を0.1質
量%に設定した。しかし、C量の低減に伴ってオーステ
ナイト系ステンレス鋼が軟質化するので、鋼板強度が要
求される場合にはC含有量の下限を0.02質量%に設
定する。C低減に起因する軟質化は、Si,N,Nb,
Mo等の添加によっても抑制できる。なかでも、Nb
は、NbCとして固溶C量を減少させるため、C含有量
の上限に関する制約も緩和する。更に、NbCは、結晶
成長を抑制するインヒビターとしても機能する。
【0017】Si:1〜4質量%以下 Cr系酸化物の安定化に有効な合金成分であり、1質量
%以上の含有量でSiの添加効果が顕著になる。しか
し、4質量%を超える過剰量のSiが含まれると、改質
器を高温雰囲気で稼動する際にσ相が生成し、組織変化
に起因して熱疲労特性が劣化しやすくなる。 Mn:2質量%以下 オーステナイト相を安定化させる元素として、Niの代
替に添加できる。しかし、過剰量のMnを添加すると、
加熱初期の酸化皮膜に含まれるMn量が多量になり、耐
水蒸気酸化性を劣化させるので、Mn含有量の上限を2
質量%に設定した。
【0018】S:0.008質量%以下 鋼の熱間加工性を低下させる元素であり、異常酸化の起
点にもなることから、可能な限りS含有量を低減する必
要がある。そこで、S含有量の上限を0.008質量%
に設定した。 N:0.05〜0.20質量%, Mo:1.0〜3.0質量%, Nb:0.05〜0.50質量% N,Moは固溶強化、Nbは析出硬化によってオーステ
ナイト系ステンレス鋼の高温強度を高め、それぞれN:
0.05質量%以上,Mo:1.0質量%以上,Nb:
0.05質量%以上で添加効果が顕著になる。しかし、
過剰量のNが含まれると鋼材の清浄度が低下しやすく、
過剰量のMo,Nbが含まれると鋼材が過度に硬質化す
るので、それぞれの上限をN:0.20質量%,Mo:
3.0質量%,Nb:0.50質量%に設定した。
【0019】Y:0.001〜0.1質量%, REM:0.001〜0.1質量%, Ca:0.001〜0.01質量% 何れも必要に応じて添加される合金成分であり、酸化皮
膜中のCr系酸化物に固溶し、酸化皮膜を強化する作用
を呈する。このような効果は、Y:0.001質量%以
上,REM:0.001質量%以上,Ca0.001質量
%以上で顕著になる。しかし、0.1質量%を超える過
剰量のY,0.1質量%を超える過剰量のREM,0.0
1質量%を超える過剰量のCaを添加すると、鋼材が過
度に硬質化すると共に、製造時に表面疵が発生しやすく
なり、製造コストの上昇を招く。
【0020】その他の成分について本発明では特に規定
するものではないが、一般的な不純物元素でありP,O
等は可能な限り低減することが好ましい。通常はP:
0.04質量%以下,O:0.02質量%以下に規制さ
れるが、高レベルの加工性や溶接性を確保する場合には
P,Oを更に厳しく規制する。また、耐熱性の改善に有
効なCu,Ti,W,Ta,V,Zrや熱間加工性の改
善に有効なB,Mg,Co等の元素も必要に応じて添加
できる。
【0021】
【実施例】表1の成分・組成をもつ各種オーステナイト
系ステンレス鋼を30kg真空溶解炉で溶製し、インゴ
ットに鋳造した。インゴットを粗圧延した後、熱延,焼
鈍酸洗,冷延,仕上げ焼鈍を経て板厚2.0mmの冷延
焼鈍材を製造した。また、別のインゴットを熱間鍛造,
焼鈍して外径30mmの丸棒を製造した。
【0022】
【0023】各オーステナイト系ステンレス鋼から試験
片を切り出し、冷延焼鈍板を高温水蒸気酸化試験に、焼
鈍丸棒を熱疲労試験に供した。高温水蒸気酸化試験で
は、石油系燃料改質器が曝される雰囲気を想定し、50
体積%H2O+20体積%CO2,50体積%H2O+1
0ppmSO2の2種類の雰囲気を用意した。50体積
%H2O+20体積%CO2の雰囲気中で試験片を900
℃に加熱し、加熱を100時間継続した後で室温まで冷
却した。熱処理されたオーステナイト系ステンレス鋼板
の表面を顕微鏡観察して酸化皮膜の膜厚を測定し、グロ
ー放電質量分析法により酸化皮膜のCr系酸化物濃度を
測定した。
【0024】また、50体積%H2O+20体積%CO2
及び50体積%H2O+10ppmSO2の雰囲気中で9
00℃に25分保持する加熱及び室温まで降温して5分
保持する冷却を1サイクルとする加熱・冷却を500回
繰り返した後、試験片の重量を測定した。測定結果を試
験前の重量と比較し、重量変化が2.0mg/cm2以下
を○,2.0mg/cm2を超える重量増加があったもの
を×として耐水蒸気酸化性を評価した。酸化,硫化が生
じていないものほど、酸化皮膜の環境遮断機能が強く、
耐水蒸気酸化性に優れているといえる。また、加熱・冷
却後の試験片表面を観察し、損傷の有無を調査した。
【0025】熱疲労試験では、自由熱膨張に対し50%
の歪量を付加するように制御して200〜900℃の温
度域で試験片を繰返し加熱・冷却した。初期の最大引張
り応力が3/4まで低下したときの繰返し数を破損繰返
し数と定義し、加熱・冷却を500サイクル以上繰り返
しても破損しなかった試験片を○,500サイクル未満
の加熱・冷却で破損繰返し数に達した試験片を×として
熱疲労特性を評価した。
【0026】表2の試験結果にみられるように、本発明
に従った鋼種番号1〜5のオーステナイト系ステンレス
鋼は、何れも耐水蒸気酸化性,熱疲労特性に優れてお
り、石油系燃料改質器材料としての要求特性を十分に満
足していた。他方、鋼種番号6,7のオーステナイト系
ステンレス鋼は、高温保持した後で試験片表面に酸化ス
ケールの亀裂等、多数の損傷が発生しており、耐水蒸気
酸化性に劣っていた。損傷の発生は、Si含有量が不足
するために酸化皮膜のCr系酸化物が不安定で、高温保
持中に酸化皮膜を透過したH2O,CO2,SO2等が下
地鋼をアタックしたことによるものと推察される。ま
た、19.50質量%と過剰量のNiを含む鋼種番号8
のオーステナイト系ステンレス鋼は、耐水蒸気酸化性は
良好であるものの、高温強化元素であるN,Nb,Mo
の何れも含有していないため、熱疲労特性に劣ってい
た。
【0027】
【0028】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のオース
テナイト系ステンレス鋼は、Cr系酸化物が安定化した
酸化皮膜が表面に形成され、高温雰囲気に長時間曝され
た状態でも組織変化を生じることなく高い高温強度を維
持する。そのため、過酷な高温水蒸気雰囲気下で稼動さ
れ、高温〜常温の広い温度域にわたって加熱・冷却が繰
り返される石油系燃料改質器に好適な材料として使用さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 単管式石油系燃料改質器の内部構造を示す概
略図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川畑 幸寛 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社ステンレス事業本部内 (72)発明者 名越 敏郎 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社ステンレス事業本部内 Fターム(参考) 4G040 EA03 EA06 EB46 5H027 AA02 BA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:15〜25質量%,Ni:7〜1
    5質量%,C:0.02〜0.1質量%,Si:1〜4質
    量%,Mn:2質量%以下,S:0.008質量%以下
    を含み、更にN:0.05〜0.20質量%,Mo:1.
    0〜3.0質量%,Nb:0.05〜0.50質量%の1
    種又は2種以上を含み、残部が実質的にFeの組成をも
    ち、加熱初期の酸化皮膜にCr23が30質量%以上含
    まれていることを特徴とする石油系燃料改質器用オース
    テナイト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 更にY:0.001〜0.1質量%,RE
    M(希土類元素):0.001〜0.1,Ca:0.00
    1〜0.01質量%の1種又は2種以上を含む請求項1
    記載の石油系燃料改質器用オーステナイト系ステンレス
    鋼。
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