JP2003160807A - 溶銑の予備処理方法 - Google Patents
溶銑の予備処理方法Info
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Abstract
去する方法を提案し、高炉操業段階での低Cr溶銑や低Mn
溶銑の出銑規制を和らげ、原料配合の自由度を増すこと
を可能にする。 【解決手段】 Siを0.08%以上含有する溶銑に脱硫処理
を施してトップスラグを形成させ、該トップスラグの塩
基度Bi(CaO/SiO2)を1.8以上に維持しつつ下記式で定
義される吹きこみ塩基度Biを2.5以下として酸化剤及び
フラックスを吹きむ。 Bi=(吹き込みフラックス中のCaO)/(吹き込みフラック
ス中のSiO2+吹き込み時溶銑中Siの酸化によって生じたS
iO2)
Description
法に係り、特に溶銑を予備処理して溶銑中の珪素(S
i)、硫黄(S)、りん(P)、マンガン(Mn)及びクロム(C
r)を効率よく除去する方法に関する。
鋼、高清浄度鋼や電磁鋼板用の素材や高深絞り用鋼のよ
うにSiやS、P、Mn、Crなどのようにわずかな不純物をも
問題にする鋼種も増加している。そのような場合、高炉
原料を精選してこれらの不純物の極めて少ない溶銑を溶
製する出銑規制が行われるが、コストの高騰を招くなど
好ましくない。
た溶鋼に炭酸塩成分を添加しない酸化性の低塩基度フラ
ックスを接触させる脱クロム方法が開示されている。こ
の提案は転炉で脱C精錬を終了した後に、改めて脱Cr工
程を設けるものであって、精錬時間の延長や溶鋼の温度
低下などの問題がある。また、溶鉄からの脱Mnや脱Cr
は、冶金学的には低温で行う方が合理的であるのに、上
記提案では溶鋼での処理であるため1600℃を超える高温
での処理となっており、効率的でない。
おける種々の問題に対処して溶銑段階において脱P、脱S
とともに脱Si、脱Mn及び脱Crを効率的に行う方法を提案
するもので、これにより高級鋼を経済的に製造すること
を可能とするとともに高炉操業段階での低Cr溶銑や低Mn
溶銑の出銑規制を和らげ、原料配合の自由度を増すこと
を可能にするものである。
の脱Mn及び脱Crが低温かつ塩基度の低い領域でのトラン
ジトリー型反応として起こることに着目し、その条件を
究明して本発明を完成した。すなわち、本発明の溶銑予
備処理方法は、常法では、脱りん次いで脱硫処理の手順
を取るに対し、この手順を逆転させた処理を行うことを
特徴とするもので、溶銑に脱硫処理を施してトップスラ
グを形成させ、該トップスラグ塩基度(Bt=CaO/SiO2)
を1.8以上に維持しつつ下記式で定義される吹きこみ塩
基度Biを2.5以下として酸化剤及びフラックスを吹きむ
ことからなる。 記 Bi=(吹き込み時フラックス中のCaO)/(吹き込み時フラ
ックス中のSiO2+吹き込み時溶銑中Siの酸化によって生
じたSiO2)
を1400℃以下とすること、あるいはトップスラグの塩基
度Btを2.5〜4.0に維持すること、吹きこみ塩基度Biを1.
0〜2.0とすること、さらに酸化剤として気体酸素及び/
又は固体酸素源を用いフラックス源として焼結鉱粉及び
/又は粉末生石灰とすることが本発明の目的を達成する
上で好ましい。
的に説明する。本発明の適用される溶銑は、Siを0.08%
以上含有することが望ましい。これは本発明に従う脱M
n、脱Cr反応は主として図1に模式的に示すトランジト
リー反応により進行し、その反応において塩基度Biを2.
5以下に維持するためには溶銑中のSiの酸化によってSiO
2が十分供給されることが望ましいからである。しか
し、溶銑中のSi含有量が低い場合であっても、SiO2源
をフラックスとして供給することにより、塩基度Biを調
整することができる。
mass%程度であるので、そのまま本発明の実施に供する
こともできるが、できれば公知の鋳床脱珪によりSi含有
量を0.08〜0.12mass%に低下させておくのがよい。それ
により過剰Siによる妨害を受けることなく、脱Mn、脱Cr
とともに脱りんを効率的に進行させることができる。
はまず脱硫処理される。すなわち、通常の溶銑処理と異
なり、脱硫処理を先行させるのである。これには二つの
意義がある。一つは脱硫処理により溶銑温度を低下さ
せ、後続の脱Mn、脱Cr反応を行うのに適当な温度とする
ことである。他の一つは、脱硫処理の際、塩基度の高い
スラグを生成させて、後続の脱りん処理を円滑に行わせ
る機能を持たせることである。
℃以下にするのがよい。好ましくは1340℃以下、さらに
好ましくは1300℃以下とするのがよい。これは、図2、
図3に示すように、脱Mn反応速度定数及び脱Cr反応速度
定数が低温になるほど大となるからである。この条件を
達成するのに、本発明では脱硫処理を先行させるのであ
る。
グを形成させ、そのスラグをそのまま後続工程のトップ
スラグに利用する。しかし、脱硫反応は還元性雰囲気で
よく進行する反応であり、これに対し後続の脱りん、脱
Mn及び脱Cr反応は酸化性の雰囲気でよく進行する反応で
ある。しかも、後述するように、脱Mn、脱Cr反応を進行
させるためには塩基度の低いスラグ生成が行われる。そ
のため、トップスラグの塩基度Btが低いときには、後続
工程の際に復硫するおそれがある。したがって、トップ
スラグの塩基度Btを十分に高く、少なくとも1.8以上と
し、好ましくは2.5〜4.0とする。
り20kg以上とするのがよい。このような条件を満たすト
ップスラグを形成するには、たとえばCaO:93mass%、Al
2O3:35mass%、金属Al:2mass%からなる脱硫剤あるい
はCaO:43mass%、CaCO3:35mass%、Al2O3:16 mass%、
金属Al:4mass%、CaF22mass%からなる脱硫剤を窒素な
ど不活性ガスにより溶銑1t当たり20kg程度吹き込めばよ
い。
びフラックスの吹きこみが行われる。この吹きこみに当
たっては下記式で定義される吹きこみ塩基度Biを2.5以
下に維持することが必要である。 Bi=(吹き込み時フラックス中のCaO)/(吹き込み時フラ
ックス中のSiO2+吹き込み時溶銑中Siの酸化によって生
じたSiO2)
ックスの吹きこみによって吹きこみランスの出口近傍に
おいて形成され、浮上する過程にあるスラグの塩基度を
意味し、図1に模式的に示したように、この吹込・浮上
する領域に形成され、あるいはフラックスとして持ち込
まれる物質のうち、CaOとSiO2との比によって決定され
る。また、模式図に併せて示したように、この吹込・浮
上する過程では溶銑中のSiの酸化の他、Mn、Crの酸化が
生じ、脱Si、脱Mnおよび脱Crが進行する。
して計算することができる。 (単位時間に吹き込んだフラックス中のCaO量)/{(単
位時間に生成したSiO2量)+(単位時間に吹き込んだフ
ラックス中のSiO2量)} ここで、単位時間はたとえば溶銑のサンプリングの間隔
として測定でき、その間に投入されるフラックスの量は
与条件であるから、これをもとに単位時間に吹き込んだ
フラックス中のCaO量、SiO2量を計算できる。一方、単
位時間に生成したSiO2量は溶銑中Siの減少量を基に計算
できる。
間に制御して、CaO:6mass%、焼結鉱(その組成はFeO:
84mass%、SiO2:6mass%、CaO:10mass%である):94mas
s%からなるフラックスを空気を用いて酸素ガス送給速度
が標準状態に換算して0.18m3/min/t-溶銑となる条件で
吹き込んだときの脱Mn、脱Crの状態を示すグラフであ
る。この場合、溶銑中のMn、及びCr量は吹込の進行とと
もにこに順調に減少し、処理時間30分ではそれぞれ、0.
06mass%、0.01mass%となり初期の目的を達している。
り、Biが2.5以下の場合に溶銑の脱Siとともに脱Mn、脱C
rが速やかに進行し、かつこれら元素の残留量も充分低
くなることが確認できた。しかしながら、Biがあまりに
小さくなると、同時に進行する脱りんが阻害される。こ
れらの点を考慮して、Biは2.5以下、好ましくは1.0〜
2.0とする。
量)、溶銑温度及びBiを制御するとトランジトリー反応
によって脱Mn、脱Crを効果的に行わせることができる。
さらに、トップスラグを塩基度(Bt=CaO/SiO2)を1.8以
上としておくことにより同時に進行する脱りんを効率的
に進行させることができる。
吹きこみフラックスをCaO及び焼結鉱とした。このフラ
ックスは、適当量のCaO及びSiO2を含有し、しかも固体
酸素源としてFeO含み、さらに焼結によって低融点化さ
れているから、本発明においてフラックスとして利用す
るのに好適である。しかし、フラックスはこれに限るこ
とはない。要するに気体酸素及び/又は固体酸素源の酸
化剤の吹き込みとともにBiを2.5以下、好ましくは1.0〜
2.0にできるものであればよい。
器の限定はない。トピードカーの他、転炉あるいは取鍋
を用いて実施することができる。また、上記本発明の操
業によって生成する得するスラグを、たとえばAl2O3の
添加によって改質し、予備処理炉からの排出を容易にす
ることなど、種々の付加的操業を行うことを妨げない。
%、P:0.120〜0.180mass%、S:0.015〜0.030mass%、C
r:0.05〜0.2mass%、温度:1400〜1500℃の溶銑を容量3
00tのトピードカーに受け入れ、まず窒素ガスをキャリ
アガスとして脱硫剤を投入し、脱硫を行うとともに該脱
硫処理によりトップスラグを形成し、しかる後、酸素含
有ガスをキャリアガスとしてフラックスを吹きこんで脱
P、脱Si、脱Cr及び脱Mn処理を行った。処理条件を表1に
処理結果を表2に示す。
り脱Sに引き続き脱P、脱Siとともに脱Mnと脱Crが行われ
ることが確認できた。なお表1中、脱硫フラックスA
は、CaO:93mass%、Al2O3:5mass%、金属Al:2mass
%、Bは、CaO:43mass%、CaCO3:35mass%、Al2O3:16
mass%、金属Al:4mass%、CaF2:2mass%の組成を有す
る。
とともに脱Si、脱Mn、脱Crを行うことが可能となり、こ
れにより従来高級鋼の溶製のため高炉で行われていた出
銑規制を緩和することができた。
ンジトリー反応の模式説明図である。
変化を示すグラフである。
変化を示すグラフである。
を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 溶銑に脱硫処理を施してトップスラグを
形成させ、該トップスラグの塩基度Bt(CaO/SiO2)を1.
8以上に維持しつつ下記式で定義される吹きこみ塩基度B
iを2.5以下として酸化剤及びフラックスを吹きむことを
特徴とする溶銑の予備処理方法。 記 Bi=(吹き込み時フラックス中のCaO)/(吹き込み時フラ
ックス中のSiO2+吹き込み時溶銑中Siの酸化によって生
じたSiO2) - 【請求項2】 脱硫処理後の溶銑温度は1400℃以下であ
ることを特徴とする請求項1記載の溶銑の予備処理方
法。 - 【請求項3】 トップスラグの塩基度Btを2.5〜4.0に維
持することを特徴とする請求項1又は2記載の溶銑の予
備処理方法。 - 【請求項4】 吹きこみ塩基度Biを1.0〜2.0とすること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶銑予備
処理方法。 - 【請求項5】 酸化剤及びフラックスは気体酸素、固体
酸素源、純酸素ガス、焼結鉱粉及び粉末生石灰であるこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶銑予
備処理方法。
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CN104357616A (zh) * | 2014-11-25 | 2015-02-18 | 北京首钢国际工程技术有限公司 | 一种铁水喷吹预处理生产高纯生铁的冶炼方法 |
WO2016093093A1 (ja) * | 2014-12-12 | 2016-06-16 | 株式会社木下製作所 | 鋳鉄のマンガン除去方法 |
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2001
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