JP2003160789A - 燃料ガス製造方法及び燃料ガス製造装置 - Google Patents

燃料ガス製造方法及び燃料ガス製造装置

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JP2003160789A
JP2003160789A JP2001360277A JP2001360277A JP2003160789A JP 2003160789 A JP2003160789 A JP 2003160789A JP 2001360277 A JP2001360277 A JP 2001360277A JP 2001360277 A JP2001360277 A JP 2001360277A JP 2003160789 A JP2003160789 A JP 2003160789A
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JP
Japan
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fuel gas
silica
alumina
organic waste
heat medium
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Application number
JP2001360277A
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English (en)
Inventor
Toshinori Inoue
聡則 井上
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストかつ簡便な操作によって、高いガス
化効率で有機廃棄物から燃料ガスを得ることができ、残
渣廃棄の問題を軽減しうる。 【解決手段】 燃料ガス製造装置1に供給された有機廃
棄物2を粉体状熱媒体3の存在下で加熱して燃料ガスを
得る。粉体状熱媒体3の少なくとも一部はシリカアルミ
ナ4である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砂等の粉体状熱媒
体を用いた移動層又は流動層の反応器内で、部分燃焼に
よる熱分解が生じる酸素不足条件下において有機廃棄物
を加熱し、H2,CO,CH4等の可燃性成分に富む燃料
ガスを得る方法及び装置に関する。なお本発明において
有機廃棄物とは、家屋解体に伴う廃木材、剪定枝、森林
間伐材、倒木、藁等の草木類、紙、厨芥等の廃棄物を含
み、廃棄された固体の有機物を意味する。また本発明の
燃料ガス製造法及び装置によって得られる燃料ガスは、
ガスエンジン、ガスタービン、蒸気ボイラ等の燃料とし
て利用可能である。
【0002】
【従来の技術】近年国内外で物質及びエネルギーのリサ
イクル、低環境負荷等に向けての動きが活発化するに伴
い、有機廃棄物から燃料ガスを収集するための廃棄物ガ
ス化技術が注目を浴び、開発されてきている。この技術
は固体の有機廃棄物を酸素不足条件下において加熱し、
熱分解反応によって燃料ガスを得るというものである。
この技術については従来から以下のような方法が提案さ
れている。
【0003】例えば日本エネルギー学会誌第80巻第2
号(2001)P.106−108には、部分燃焼方式
を用いた多種燃料対応ガス化炉について報告されてい
る。このガス化炉はガス化室、チャー燃焼室、及び熱回
収室の3室で構成され、流動床を用いて各室間に珪砂を
主体とする流動媒体を制御可能に循環させるものであ
る。ガス化室では供給された廃棄物を熱分解させ、チャ
ー燃焼室ではガス化室で発生し、流動媒体に付着したタ
ールやチャーを燃焼させ、更に熱回収室でガス化に必要
な熱を得るシステムとなっている。
【0004】また特開2000−290659号公報及
び特開2000−290670号公報には、チタニア、
ジルコニア、チタニア−ジルコニア、アルミナ、シリカ
及びアルミナ−シリカからなる群から選ばれた担体に、
Ru,Pd,Rh,Pt,Ir,Ni,Co,Mn,及
びCe並びにその水不溶性乃至水難溶性化合物からなる
群から選ばれた触媒活性成分が担持する触媒の存在下
で、液状有機物を接触分解させてガスを生成させる方法
が開示されている。
【0005】また燃料協会誌第62巻第674号(19
83)P.414−419においては、石炭等の炭素物
質のガス化する場合にK等のアルカリ金属、Ba,Ca
等のアルカリ土類金属、Fe,Ni等の遷移金属を触媒
として用いることで、ガス化効率が向上することが報告
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来提案されてきた燃料ガス製造方法及び装置には、夫
々以下に示す問題点がある。
【0007】前述の日本エネルギー学会誌第80巻第2
号(2001)P.106−108に報告されているガ
ス化炉によると、そのガス化工程においてタールが発生
し、該タールは媒体砂上でチャーへと変化する為、低い
ガス化効率に留まらざるをえない。またタールの発生に
よって、煙道の閉塞、流動床における流動不良等の運転
操作上の問題が生じる可能性がある。
【0008】また、前述の特開2000−290659
号公報及び特開2000−290670号公報による
と、固体の廃棄物を可溶化する工程がある為、複雑な装
置構成及び運転操作技術が必要となり、運転簡便性に問
題がある。更に、用いられる触媒が高価な貴金属である
のでコスト面でも優れているとは言えない。そして触媒
が金属類であるため、廃棄の際に回収、再利用、処分等
の作業が必須であり、残渣廃棄において問題がある。
【0009】また、前述の燃料協会誌第62巻第674
号(1983)P.414−419の方法では、石炭等
炭素物質のガス化に適したガス化促進触媒としてアルカ
リ金属及びアルカリ土類金属が用いられるが、これらは
酸化力の強い触媒である。このような触媒を適用した場
合、H2OやCO2の発生量が増加し、高い発熱量のガス
が得られないという問題が、本発明者等の研究によって
明らかとなった。これは、生成した有用なCOやH2
該触媒の高い酸化力によって酸化されてCO2やH2Oの
生成量が増加するためである推定される。また遷移金属
であるFe,Ni等を触媒として用いる場合には、特開
2000−290659号公報及び特開2000−29
0670号公報の場合と同様に、再利用、処分等が必須
であり、残渣廃棄において問題がある。
【0010】本発明は以上の問題を鑑みてなされたもの
であり、低コストかつ簡便な操作によって、高いガス化
効率で有機廃棄物から燃料ガスを得ることができ、残渣
廃棄の問題を軽減しうる方法及び装置を提供することを
目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】前記課題を解決するための本発明の請求項
1に記載の燃料ガス製造方法は、粉体状熱媒体の存在下
で有機廃棄物を加熱して燃料ガスを得る方法であって、
前記粉体状熱媒体の少なくとも一部はシリカアルミナで
あることを特徴とする。
【0012】上記構成によると、有機廃棄物を熱分解す
る際に用いる粉体状熱媒体の一部又は全部としてシリカ
アルミナを使用することで、ガス化温度低減及び投入エ
ネルギーの抑制と共に、ガス化の促進が期待される。そ
の結果、配管閉塞等の問題が軽減され、運転操作が容易
になる。また、シリカアルミナは酸化力の乏しい化合物
であるため、有用なH2,CO,CH4を高収率で得るこ
とができる。
【0013】本発明の請求項2に記載の燃料ガス製造方
法は、請求項1において、前記有機廃棄物は主として草
木類であることを特徴とする。
【0014】草木類は有機廃棄物の中でも酸素含有率が
比較的に高く、それ自身が含有する酸素によって有用な
2,CO,CH4が酸化され、得られるガスの熱量が低
下する傾向にある。このような酸素含有率が高い有機廃
棄物に対しても、比較的に高い熱量のガスを得ることが
できる。
【0015】本発明の請求項3に記載の燃料ガス製造方
法は、請求項1又は2において、前記シリカアルミナは
活性白土又は酸性白土であることを特徴とする。
【0016】活性白土、酸性白土等の白土は従来提案さ
れてきた遷移金属、貴金属等の触媒に比べて安価である
ため、コスト面での改善が期待できる。更に活性白土、
酸性白土等の白土の主成分は土や砂と同様にSi及びA
lの酸化物であるため、残渣廃棄の問題が軽減される。
また、活性白土はシリカアルミナの中でも特に脂肪族炭
化水素のC−C結合の開裂能力に優れているため、ター
ルに含有される安定な該結合を接触分解することで対象
有機廃棄物のガス化が促進される。
【0017】本発明の請求項4に記載の燃料ガス製造方
法は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記有機
廃棄物は500℃〜900℃で加熱されることを特徴と
する。
【0018】500℃以下の場合ではシリカアルミナに
よるタールの低分子化が十分に行われず、多量のタール
生成を招いてしまう。一方900℃以上の場合はタール
の低分子化の効果が得られないだけでなく高温によるシ
リカアルミナの劣化を招いてしまう。そこで上記構成の
ように加熱温度を制限することで、これらの問題を回避
できる。
【0019】また、本発明の請求項5〜8に記載の燃料
ガス製造装置は、請求項1〜4に記載の燃料ガス製造方
法を実行することが可能な装置であり、請求項1〜4と
夫々同様の作用効果を奏する。
【0020】
【発明の実施形態】先ず、本発明において対象とする有
機廃棄物2とは、特に限定されるものではなく、家屋解
体に伴う廃木材、剪定枝、森林間伐材、倒木、藁等の草
木類、紙、厨芥等の廃棄物を含み、廃棄された固体の有
機物が例示される。また、収集処理の都合上、上記多種
の有機廃棄物2を混合処理する場合であっても、本発明
に係る燃料ガス製造方法及び燃料ガス製造装置を適用で
きるものとする。
【0021】石炭等の炭素物質は、石炭化度の低いもの
であっても炭素含有率60%以上、酸素含有率30%以
下である。一方、本発明において対象とする有機廃棄物
2は、例えば木材の場合、炭素含有率50%以下、酸素
含有率40%以上である。また、所謂バイオマス等木材
以外の有機廃棄物の場合でも、石炭等の炭素物質より炭
素含有率が低く酸素含有率が高いことが知られている。
【0022】本発明の実施形態について、図1を参照し
つつ説明する。図1には、本発明に係る燃料ガス製造装
置の一実施形態が示されている。本実施形態の燃料ガス
製造装置1は流動層式である。燃料ガス製造装置1には
給塵機10が併設されており、その給塵機10の上部に
は有機廃棄物2を投入するための開口があり、燃料ガス
製造装置1とも連通可能に接続されている。また、燃料
ガス製造装置1内には砂とシリカアルミナ4とからなる
粉体状熱媒体3が装入されている。燃料ガス製造装置1
の下部には、燃料ガス製造装置1内に空気などを吹込ん
で粉体状熱媒体3を流動させるための空気吹込部9が備
えられている。そして燃料ガス製造装置1の上部には、
発生する燃料ガス6を通過させるダクト8が接続されて
いる。
【0023】次いで、本実施形態に係る燃料ガス製造装
置1の作用について説明する。先ず、有機廃棄物2が給
塵機10の上部から投入され、さらに給塵機10内を通
って燃料ガス製造装置1へと供給される。そして燃料ガ
ス製造装置1へと供給された有機廃棄物2は、燃料ガス
製造装置1内の砂とシリカアルミナ4とからなる粉体状
熱媒体3によって熱分解され、低酸素濃度雰囲気下で部
分的に酸化される。このとき粉体状熱媒体3は、空気吹
込部9からの供給ガスによって装置1内で循環してい
る。ガス化剤の役割を担う供給ガスとしてはH2O,空
気等を用いることができる。
【0024】なお、ガス化反応の際に導入する圧力は特
に制限されないが、圧力が高くなるとチャーの生成量が
増加する場合があるため、加圧条件下におけるガス化は
シリカアルミナ4の有無に関わらず好ましくない。ま
た、シリカアルミナ4によるタールの接触分解反応は極
めて短時間に行われ、一般に有機廃棄物2の該装置1内
の滞留時間はタールの分解に要する時間よりも遥かに長
くなるため、滞留時間に対して特に制約を設けるもので
はない。
【0025】また、燃料ガス製造装置1による有機廃棄
物2のガス化が行われた後は、シリカアルミナ4等の粉
体状熱媒体3表面にカーボンが蓄積する。シリカアルミ
ナ4の場合、カーボンの蓄積量は砂と比べて少量である
が、表面にカーボンが覆われた状態ではシリカアルミナ
4の活性が得られず、タールの接触分解反応が低下する
要因となる。そこで、シリカアルミナ4を再度活性化さ
せるために蓄積カーボンを除去する必要がある。
【0026】粉体状熱媒体3表面に蓄積されたカーボン
はスチーム又は加熱空気によって除去可能であるので、
これらの方法によってカーボンを除去した後、再度シリ
カアルミナ4を粉体状熱媒体3として用いてよい。但
し、シリカアルミナ4はスチーム存在下で加熱処理され
ることによってシンタリングによる表面積低下が生じる
ため、再利用時には未使用時と比べて活性が低下する。
従って、このシリカアルミナ4の活性低下を考慮した上
で、シリカアルミナ4の再利用回数、排出頻度、未使用
品投入量を決定する必要がある。なお、砂等のシリカア
ルミナ4以外の粉体状熱媒体3についても同様に再利用
可能である。
【0027】このようにして燃料ガス製造装置1によっ
て有機廃棄物2から得られた燃料ガス6は、ガスエンジ
ン、ガスタービン、蒸気ボイラ等の燃料として利用可能
となる。
【0028】本実施形態の燃料製造装置1は以上のよう
に構成され、燃料製造装置1内で粉体状熱媒体3を用い
ることによって、公知のようにガス化温度を下げて投入
エネルギーを抑制できる。そしてシリカアルミナ4を粉
体状熱媒体3の一部又は全部に用いることで、ガス化の
促進も期待される。ガス化が促進される理由として、シ
リカアルミナ4がシリカ(SiO2)とアルミナ(Al2
3)との単なる機械的混合物ではなく、両者の複合酸
化物化によるブレンステッド酸を持ち、脂肪族炭化水素
のC−C結合の開裂能力に優れていることが挙げられ
る。燃料ガス製造に伴って生成されるタールのC−C結
合はシリカアルミナ4によって接触分解され、タールが
低分子化されて、ガス化が促進される。その結果、配管
閉塞等の問題が軽減され、運転操作が容易になる。ま
た、シリカアルミナ4は酸化力の乏しい化合物であるた
め、有用な生成COやH2が酸化されてCO2やH2Oが
著しく増加するということがない。つまり、CO2やH2
Oの著しい増加によって得られるガスの熱量が低下する
という問題が軽減され、有用なH2,CO,CH4を高収
率で得ることができる。
【0029】草木類は、有機廃棄物の中でも酸素含有率
が比較的に高い。従って、燃料製造装置1に投入する有
機廃棄物として草木類を用いる場合、草木類自身が含有
する酸素によって有用なH2,CO,CH4が酸化され、
得られるガスの熱量が低下する傾向にある。しかしなが
ら本実施形態の燃料製造装置1によると、粉体状熱媒体
3の一部又は全部にシリカアルミナ4を用いるため、C
2やH2Oの著しい増加によって得られるガスの熱量が
低下するという問題が軽減され、酸素含有率の高い草木
類等の有機廃棄物2からでも比較的に高い発熱量のガス
を得ることができる。
【0030】ここでシリカアルミナ4としては、原油の
接触分解に用いられる合成MS触媒、酸性白土、活性白
土等を用いてよい。活性白土、酸性白土等の白土は従来
提案されてきた遷移金属、貴金属等の触媒に比べて安価
であるため、コスト面での改善が期待できる。更に活性
白土、酸性白土等の白土の主成分は土や砂と同様にSi
及びAlの酸化物であるため、残渣廃棄の問題が軽減さ
れる。また、活性白土はシリカアルミナ4の中でも特に
脂肪族炭化水素のC−C結合の開裂能力に優れているた
め、タールに含有される安定な該結合を接触分解するこ
とで対象有機廃棄物のガス化が促進され、タールのチャ
ー化も抑制できる。
【0031】シリカアルミナ4として酸性白土を用いる
場合は、不純物として含有される酸化鉄、酸化カルシウ
ム等が不要なCO2の生成を促進するため、これら不純
物の含有量が低いものを選択することが好ましい。ま
た、これら不純物を酸洗除去した活性白土を用いること
がより好ましい。なお、合成ゼオライトもシリカアルミ
ナ4の一種ではあるが、細孔径が一定であるため多様な
成分を含むタールのC−C結合を接触分解するのには高
い効果が得られない。
【0032】また、燃料ガス製造装置1にて有機廃棄物
2のガス化を行う際の温度は500℃〜900℃が好ま
しい。500℃以下の場合にはシリカアルミナ4による
タールの低分子化が十分に行われず、多量のタール生成
を招いてしまう。一方900℃以上の場合には、タール
の生成が殆ど認められなくなるため、シリカアルミナに
よるタールの低分子化の効果が得られないだけでなく、
高温によるシリカアルミナ4の劣化を招いてしまう。そ
こで上記のように加熱温度を制限することで、これらの
問題を回避できる。
【0033】なお、本発明に係る燃料ガス製造装置は上
記のような形態に限定されない。例えば以下のように、
本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な形態をとること
ができる。 (1)本実施形態の燃料ガス製造装置1は流動層式であ
るが、移動層式でもよい。また、通常砂を熱媒体として
用いる形式の炉であれば、様々な形態が考えられる。 (2)空気吹込部9から燃料ガス製造装置1内へ空気な
どを吹込んでシリカアルミナ4等の粉体状熱媒体3を流
動化させると共に、部分燃焼の反応熱を得るようにして
もよい。また、燃料ガス製造装置1内にスチームを吹き
込んで水性ガス化反応を促進してもよい。 (3)粉体状熱媒体3として、砂等のシリカアルミナ4
以外の熱媒体とシリカアルミナ4とを混合使用してもよ
いし、シリカアルミナ4のみを使用してもよい。
【0034】
【実施例】以下に、本発明に係る燃料ガス製造方法を検
証するために行った実験について述べる。本実験では、
内径22mmの円筒状の固定層型反応器を用いて外径5
mm以下に破砕した木材チップのガス化を行い、粉体状
熱媒体3として用いたシリカアルミナ4等の影響を調べ
た。
【0035】先ず、反応器内に、破砕した木材チップを
高さ4cm相当分充填し、さらに粉体サイズが約1mm
に揃えられた粉体状熱媒体3を高さ4cm相当分充填
し、両者を混合した。次に、木材チップと粉体状熱媒体
3とが装入された反応器内に、200℃に加熱したガス
を供給して加熱した。供給ガスはH2O,O2,N2を所
定濃度に調節し、常温での空塔速度が10cm/秒とな
るようにガス量を制御した。こうして反応器内の充填層
が加温された後、所定温度に制御された炉に該反応器全
体を入れ、更に上記供給ガスを加えつつ10分間保持し
た。そして、この間生成したガスを全量捕集し、H2
CO,CO2,CH4夫々の生成ガス量及び冷ガス効率を
調べた。冷ガス効率とは、生成したH2,CO,CH4
合計熱量の試料保有熱量に対する百分率(%)である。
なお、本実験で使用した木材チップの場合、試料保有熱
量は3700kcal/kgであった。
【0036】表1には、反応器内への供給ガスとして2
0vol%の水分を含むN2を用い、加熱温度を750
℃として木材チップをガス化させた結果が示されてい
る。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示すように、粉体状熱媒体3として
砂のみを用いた比較例(a)は、実施例(a)〜(d)
や比較例(b),(d)と比較して、有用なガス
(H2,CO,CH4)の生成量・冷ガス効率共に全般的
に低い。なお、Fe23を共存させた比較例(c)の場
合はCO2の生成量が極めて大きく、有用なガス(H2
CO,CH4)の生成量・冷ガス効率は比較例(a)よ
りも低い。Niを用いた比較例(b)は砂のみを用いた
比較例(a)と比べて有用なガス(H2,CO,CH4
の生成量・冷ガス効率共に上昇するが、NiやFeは遷
移金属であるために再利用、処分等が必須であり、残渣
廃棄において問題がある。そこで残渣廃棄の問題を軽減
させるため、主成分が土や砂と同様にSi及びAlの酸
化物である活性白土を用い、実施例(b)のように活性
白土と砂とを混合させたものを粉体状熱媒体3として用
いることで、有用なガス(H2,CO,CH4)の生成量
・冷ガス効率共に上昇することが判った。
【0039】また、活性白土のみを粉体状熱媒体3とし
て用いた実施例(a)は、砂のみ用いた比較例(a)
や、活性白土と砂とを混合して用いた実施例(b)と比
べて、有用なガス(H2,CO,CH4)の生成量・冷ガ
ス効率共に著しい上昇が見られる。これは、全粉体状熱
媒体中の活性白土の重量比が大きいほど、ガス化が促進
されることを示している。また、酸性白土のみを粉体状
熱媒体3として用いた実施例(c)も、活性白土のみを
粉体状熱媒体3として用いた実施例(a)と同様に、比
較例(a)や実施例(b)に比べて有用なガス(H2
CO,CH4)の生成量・冷ガス効率共に著しく向上す
るという結果が得られた。
【0040】一方、実施例(d)及び比較例(d)にお
いては、粉体状熱媒体3に含有されるSi,Alの量を
等しくしたが、シリカ(SiO2)とアルミナ(Al2
3)との単なる機械的混合物である比較例(d)の場合
は、砂のみを用いた比較例(a)の場合との結果の差が
見られない。しかしながら、シリカ(SiO2)とアル
ミナ(Al23)との複合酸化物を用いた実施例(d)
では、上述した実施例(a),(c)とほぼ同様の結果
が得られた。これは、シリカ(SiO2)とアルミナ
(Al23)との複合酸化物化によるブレンステッド酸
によりガス化が促進されるためと推定される。より詳し
くは、燃料ガス製造に伴って生成されるタールの脂肪族
炭化水素のC−C結合は、シリカアルミナによって接触
分解され、タールが低分子化されて、ガス化が促進され
るものと考えられる。
【0041】次いで表2には、反応器内への供給ガスと
して水分20vol%,O25vol%,N275vol
%を用い、加熱温度を750℃として木材チップをガス
化させた結果が示されている。
【0042】
【表2】
【0043】表2に示すように、活性白土を粉体状熱媒
体3として用いた実施例(e)や酸性白土を粉体状熱媒
体3として用いた実施例(f)は、砂のみを用いた比較
例(e)に比べて有用なガス(H2,CO,CH4)の生
成量・冷ガス効率共に上昇している。このことから、O
2が共存する部分燃焼条件下でも、活性白土や酸性白土
を粉体状熱媒体3として用いることによってガス化が促
進されることが判った。例えば酸素含有率が比較的に高
い草木類等を有機廃棄物としてガス化を行う場合でも、
比較的高い熱量のガスを得ることができると考えられ
る。
【0044】さらに表3には、供給ガスとして表1の場
合と同様に20vol%の水分を含むN2を用い、加熱
温度を変化させながら木材チップをガス化させた結果が
示されている。実施例(g)〜(l)では粉体状熱媒体
3として活性白土を用い、比較例(f)〜(h)では砂
を用いた。
【0045】
【表3】
【0046】表3に示すように、ガス化温度が500℃
以下の範囲である実施例(g)と比較例(f)とは、H
2,CO,CO2,CH4夫々の生成量や冷ガス効率にお
いて、顕著な差が見られない。また、ガス化温度が90
0℃以上の範囲である実施例(l)と比較例(j)とに
ついても同様に、顕著な差が見られない。即ち、ガス化
温度が500℃以下又は900℃以上の場合、粉体状熱
媒体3として活性白土を用いても、砂を用いる場合と比
較してほぼ変化がなかった。一方、実施例(h)〜
(k)と比較例(g)〜(i)とを、ガス化温度を同じ
くするもの同士を夫々比較すると、有用なガス(H2
CO,CH4)の生成量・冷ガス効率共に、実施例
(h)〜(k)の方が比較例(g)〜(i)よりも上昇
している。つまり、粉体状熱媒体3として活性白土を用
いて有機廃棄物2を500℃〜900℃で加熱すると、
有用なH2,CO,CH4を高収率で得ることができる。
これは、ガス化温度が500℃以下の場合シリカアルミ
ナによるタールの低分子化が十分に行われずに多量のタ
ール生成を招いてしまい、一方900℃以上の場合はタ
ールの低分子化の効果が得られないだけでなく高温によ
るシリカアルミナの劣化を招いてしまうことが原因であ
ると推定される。
【0047】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成される
ので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0048】有機廃棄物を熱分解する際に用いる砂等の
粉体状熱媒体の一部又は全部として、シリカアルミナを
使用することで、公知のように触媒を用いることでガス
化温度を下げて投入エネルギーを抑制できると共に、有
機廃棄物を熱分解する際に生成されるタールのC−C結
合を接触分解し、タールを低分子化することでガス化の
促進が期待される。その結果、配管閉塞等の問題が軽減
される。
【0049】また、シリカアルミナは酸化力の乏しい化
合物であるため、有用な生成COやH2が酸化されてC
2やH2Oの著しい増加を招くことなく、有用なH2
CO,CH4を高収率で得ることができる。即ち酸素含
有率の高い有機廃棄物からでも比較的に高い発熱量のガ
スを得ることが可能である。
【0050】また、活性白土又は酸性白土は、従来提案
されてきたアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金
属、貴金属等の触媒に比べて安価であるため、これらを
シリカアルミナとして熱媒体に用いることでコスト面の
改善が期待できる。更に活性白土、酸性白土等の白土の
主成分は土や砂と同様にSi及びAlの酸化物であるた
め、残渣廃棄の問題も軽減される。ここで、活性白土は
シリカアルミナの中でも特に脂肪族炭化水素のC−C結
合の開裂能力に優れているため、上述のようにタールに
含有される安定な該結合を接触分解することで対象有機
廃棄物のガス化が促進され、タールのチャー化をも抑制
できる。
【0051】また更に、有機廃棄物を500℃〜900
℃で加熱することで、500℃以下の場合にシリカアル
ミナによるタールの低分子化が十分に行われずに多量の
タール生成を招いてしまったり、900℃以上の場合に
高温によるシリカアルミナの劣化を招いてしまったり、
といった不都合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料ガス製造装置の一実施形態を
示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 燃料ガス製造装置 2 有機廃棄物 3 粉体状熱媒体 4 シリカアルミナ 5 残渣 6 燃料ガス 8 ダクト 9 空気吹込部 10 給塵機

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体状熱媒体の存在下で有機廃棄物を加
    熱して燃料ガスを得る方法であって、 前記粉体状熱媒体の少なくとも一部はシリカアルミナで
    ある燃料ガス製造方法。
  2. 【請求項2】 前記有機廃棄物は主として草木類である
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料ガス製造方法。
  3. 【請求項3】 前記シリカアルミナは活性白土又は酸性
    白土であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃
    料ガス製造方法。
  4. 【請求項4】 前記有機廃棄物は500℃〜900℃で
    加熱されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の燃料ガス製造方法。
  5. 【請求項5】 有機廃棄物を投入し、供給ガスによって
    粉体状熱媒体を循環させながら前記有機廃棄物を加熱
    し、熱分解させて燃料ガスを得る移動層又は流動層式の
    燃料ガス製造装置であって、 前記粉体状熱媒体の少なくとも一部はシリカアルミナで
    ある燃料ガス製造装置。
  6. 【請求項6】 前記有機廃棄物は主として草木類である
    ことを特徴とする請求項5に記載の燃料ガス製造装置。
  7. 【請求項7】 前記シリカアルミナは活性白土又は酸性
    白土であることを特徴とする請求項5又は6に記載の燃
    料ガス製造装置。
  8. 【請求項8】 前記有機廃棄物は500℃〜900℃で
    加熱されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一
    項に記載の燃料ガス製造装置。
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