JP2003160696A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

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JP2003160696A
JP2003160696A JP2001359582A JP2001359582A JP2003160696A JP 2003160696 A JP2003160696 A JP 2003160696A JP 2001359582 A JP2001359582 A JP 2001359582A JP 2001359582 A JP2001359582 A JP 2001359582A JP 2003160696 A JP2003160696 A JP 2003160696A
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silica
filler
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JP2001359582A
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Naohiro Sasaka
尚博 佐坂
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム製品の加工性、生産性に優れ、氷雪制御
動性能、ウエットスキッド性能、ドライ性能に優れたタ
イヤのトレッド部を形成し得るゴム組成物、及び、それ
を用いた空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(S
BR)を含んでなり、且つ、ゴム成分全体におけるスチ
レン含有量が15重量%から25重量%であるゴム成分
100重量部と、シリカを含み、且つ、充填剤全量に対
する該シリカの配合割合が50重量%以上である充填剤
を70重量部から110重量部と、多価カルボン酸と、
(ポリ)オキシアルキレン誘導体とからなるエステル化
合物、及び、アミン付加塩からなる群より選択される化
合物の少なくとも一種と、を配合してなることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加硫ゴム組成物及
びそれを用いた空気入りタイヤに関し、詳細には、氷雪
制御動性能、ウエットスキッド性能、ドライ性能に優れ
たトレッド部を形成し得る、加工性に優れたゴム組成物
及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般路面を走行するタイヤは湿潤路面に
おける制動性能(ウエットスキッド性能)や操縦性を重
視するために、タイヤトレッド用ゴム組成物として比較
的高いガラス転移温度を示すスチレン−ブタジエン共重
合体を主とするゴム組成物が使用されている。一方、冬
期用タイヤでは、氷上及び雪上における制動性能(アイ
ススキッド性能)を重視するために、主としてガラス転
移温度の低いポリブタジエンゴム(BR)ないし天然ゴ
ム(NR)が使用されている。
【0003】アイススキッド性能については、トレッド
部のゴム組成物の低温下(−20℃付近)における高柔
軟性化を図ることによって、路面との摩擦係数を高める
ことが重要である。低温下ではゴムの弾性率が上昇して
路面の凹凸に追従できなくなり、また、凍結路面では通
常の路面に比べて表面の凹凸が少ないため、トレッド踏
面と路面との間で生じるエネルギー散逸(tanδ)の
アイススキッド性能への寄与は小さくなる。従って、低
温下でトレッド踏面と路面の真実接触面積を増大させる
必要があり、−20℃付近の貯蔵弾性率E´を低下させ
ること(低弾性率化)がより重要となる。ところが、こ
のように低温における弾性率を低下させると、通常のB
Rを用いた場合には、ウェットスキッド性能の低下が著
しくなる。このため、トレッド部のゴム組成物の充填剤
として、シリカ(SiO2)を適用することで、ウエッ
ト性能の低下抑制を図ることが行われている。このよう
に、シリカを充填剤として使用することにより、ウェッ
ト性能は改良されてはいるものの、通常期(冬期以外)
に使用するタイヤに比較すれば未だ充分とはいえない。
【0004】冬用タイヤは、氷雪、路面での接地性に加
え、トレッドブロックエッジ部での路面のひっかきを向
上するトレッドパターンを形成することにより氷雪性能
を向上してきた。しかしながら、パターンによる氷雪性
能向上は、トレッドのブロック剛性が低下するため、ウ
エット時、ドライ時の操縦安定性が低下する問題があ
り、さらに、ブロック剛性が低下するとトレッドゴムの
接地性が損なわれるため、トレッドブロック表面に充分
な変形が加わらなくなるという問題も有していた。
【0005】前記の如くブロック剛性が低下すると、充
填材としてシリカを配合しても、シリカの特性として、
充分な変形が加わった場合にのみ有効な摩擦抵抗を発生
するため、ウエットスキッド性能の改良効果が充分に発
揮されなくなる。また、シリカを多量配合することによ
り、ゴム製品の製造に際して、加工性、生産性が低下す
るという問題も有しており、さらには、シリカの配合量
によっては、トレッドゴムの電気抵抗が高くなるため、
車両中にタイヤ表面に静電気が生じやすく、ラジオノイ
ズの発生などが懸念されている。一般に、タイヤ、ベル
ト、ホースなどのゴム製品の生産において、加工性、生
産性を向上させる、即ち、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴ
ム組成物の物性低下を伴わずに成形作業性を向上させる
種々の試みがなされている。
【0006】例えば、特開平11−209406号公報
には、芳香族ポリカルボン酸誘導体を天然ゴムに添加し
て、天然ゴムのポリマーゲル量を低減させることが記載
されている。しかしながら、この方法では、加硫後にブ
ルームが発生し易いことがわかった。また、特開平6−
57040号公報及び特開平4−20579号公報に
も、特定のエステルを添加して、加工性を向上すること
が記載されているが、これらの方法では、加工中に特有
の臭いが発生し作業環境上の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の課題
を解決するためになされたものであり、本発明の目的
は、ゴム製品の加工性、生産性に優れたゴム組成物を提
供することにある。また、本発明の更なる目的は、氷雪
制御動性能、ウエットスキッド性能、ドライ性能に優れ
たタイヤのトレッド部を形成し得るゴム組成物及びそれ
を用いた,氷雪制御動性能、ウエットスキッド性能、ド
ライ性能に優れた空気入りタイヤを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、特定量のスチレンを含有するゴム成分と、特定
量のシリカを含有する充填剤及び、特定の添加剤を含む
ゴム組成物により上記目的を達成し得ることを見出し、
本発明を完成した。即ち、本発明のゴム組成物は、
(A)スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を
含んでなり、且つ、ゴム成分全体におけるスチレン含有
量が15重量%から25重量%であるゴム成分100重
量部と、(B)シリカを含み、且つ、充填剤全量に対す
る該シリカの配合割合が50重量%以上である充填剤を
70重量部から110重量部と、(C)多価カルボン酸
と(ポリ)オキシアルキレン誘導体とからなるエステル
化合物、及び、アミン付加塩からなる群より選択される
化合物の少なくとも一種と、を配合してなることを特徴
とする。
【0009】このゴム組成物においては、ゴム成分とし
てSBRを50重量%乃至90重量%含むことが好まし
い。また、ここで、SBRは結合スチレン量が15重量
%から45重量%でビニル結合量が7重量%から60重
量%であるものが好ましく、ゴム成分として使用し得る
SBR以外のゴムとしては、例えば、シス結合量が90
モル%以上であるポリブタジエンゴム(BR)や天然ゴム
などが挙げられる。添加剤として含まれる多価カルボン
酸と(ポリ)オキシアルキレン誘導体とからなるエステ
ル化合物としては、芳香族多価カルボン酸と(ポリ)オ
キシアルキレン誘導体とのエステルが、また、アミン付
加塩としては、3級アミン脂肪酸塩が好ましい。
【0010】また、本発明の請求項5に係る空気入りタ
イヤは、少なくともトレッド部を有し、該トレッド部の
少なくとも路面に接する部分に、前記の各ゴム組成物が
用いられることを特徴とする。このような空気入りタイ
ヤは、トレッド部が、キャップ層とベース層の二層構造
からなり、該キャップ層が、前記ゴム組成物により形成
されてなること、該トレッド部が、キャップ層とベース
層の二層構造からなり、キャップ層を貫ぬいてベース層
に到達する少なくとも1本の導電性スリットを有するこ
とが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分と所定量のシリカを配
合した充填剤、さらに、特定のゴム組成物用添加剤を含
有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含
有してなる。
【0012】〔(A)ゴム成分〕本発明に用いられるゴ
ム成分は、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SB
R)、を主成分とし、かつ、ゴム成分全体におけるスチ
レン含有量が15重量%から25重量%であることを特
徴とする。本発明のゴム成分に使用されるSBRは、結
合スチレン量が15重量%から45重量%であることを
要し、この範囲において、良好なウエットスキッド性能
及びアイススキッド性能が得られる。結合スチレン量が
低すぎるとウエットスキッド性能が、また、高すぎると
アイススキッド性能がそれぞれ低下する傾向にあり、好
ましくない。
【0013】また、SBR中のブタジエン部におけるビ
ニル結合量は7重量%から60重量%の範囲であること
が好ましい。ビニル結合量が少なくなると、耐久性、特
に、発熱耐久性が低下する傾向があり、多くなると発熱
性が低下し、転がり摩擦抵抗が低下するため、いずれも
好ましくない。ビニル結合量は、例えば、FTIRを用
いて、モレロ法またはハンプトン法などの方法により測
定することができる。ここで用いられる前記SBRの重
量平均分子量としては、80万〜130万の範囲にある
ものが好ましい。なお、本発明において、この重量平均
分子量(Mw)はゲルバーミエーションクロマトグラフ
(GPC)で測定した価を採用する。
【0014】SBRの前記ゴム成分における含有量とし
ては、50〜90重量%であることが好ましく、この範
囲において、良好なウエットスキッド性能及びアイスス
キッド性能が得られる。含有量は、60〜85重量%の
範囲であることがより好ましい。前記SBRの含有量
が、50重量%未満であると、ウエットスキッド性能が
低下する傾向があり、90重量%を超えて配合するとア
イススキッド性能が低下する傾向がある。
【0015】また、本発明に係るゴム成分としては、さ
らに、シス結合量が90モル%以上であるポリブタジエ
ンゴム(BR)を用いることができる。シス結合量が90
モル%未満のBRを用いると耐磨耗性が低下する傾向に
あり好ましくない。シス結合量の上限には特に制限はな
いが、シス結合量が98モル%を超えるものは合成技術
上、製造が困難である。ここでシス結合量の含有率は、
赤外分光光度計にてMORERO法で計算して求めるこ
とができる。本発明で用いられるBRの重量平均分子量
(Mw)は、50万〜100万程度であることが好まし
い。ゴム成分中のBRの配合量は0〜50重量%の範囲
にあることが好ましい。配合量が50重量%超えるとウ
エットスキッド性能が低下する傾向があり、好ましくな
い。
【0016】また、本発明に係るゴム成分としては、さ
らに、天然ゴム(NR)を用いることができる。NR
は、タイヤなどのゴム組成物に汎用の公知のNRから任
意に選択して使用することができる。ゴム成分中のNR
の配合量は0〜30重量%の範囲にあることが好まし
い。配合量が30重量%超えるとウエットスキッド性能
が低下する傾向があり、好ましくない。本発明のゴム成
分においては、SBRの他、前記したようにBR、NR
からなる群から選ばれる少なくとも1種のゴムを含むこ
とができるが、SBRとBRとのブレンド物が好まし
い。
【0017】また、本発明で用いられるゴム成分全体に
おけるスチレン含有量は15重量%から25重量%であ
ることを要するが、スチレン含有量が、15重量%未満
であると、ウエットスキッド性能が低下する傾向があ
り、25重量%を超すと低温時のゴムの柔軟性が失わ
れ、アイススキッド性能が低下する傾向がある。
【0018】〔(B)充填剤〕本発明のゴム組成物にお
いては、さらに充填剤を配合する必要がある。充填剤
は、シリカを50重量%以上含有することを要し、好ま
しくはシリカの含有量が75重量%であり、実質的に1
00重量%シリカであってもよい。ここで用いられるシ
リカには特に制限はなく、例えば、湿式シリカ(含水ケ
イ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙
げられ、これらの中でも耐破壊特性の改良効果、ウエッ
トグリップ性及び低転がり抵抗性の両立が最も顕著であ
る湿式シリカが好ましい。
【0019】シリカと併用される充填剤としては、一般
的なゴム組成物に用いることができる充填剤であれば、
いずれも用いることができる。具体的には、カーボンブ
ラック、及び、その他の無機充填剤を挙げることがで
き、無機充填剤としては、下記一般式(A)で表される
ものが好ましい。 mM1・xSiOy・zH2O ・・・(A) [式(A)中、M1は、アルミニウム、マグネシウム、
チタン、カルシウムからなる群から選ばれる金属、これ
らの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物か
ら選ばれる少なくとも一種であり、m、x、y及びz
は、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の
整数、及び0〜10の整数である] この無機充填剤は、さらに、カリウム、ナトリウム、
鉄、マグネシウムなどの金属、フッ素などの元素、及
び、NH4−などの基を含有していても良い。
【0020】具体的には、アルミナ一水和物(Al23
・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アル
ミニウム[Al(OH)3]、水酸化マグネシウム[M
g(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、タルク
(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト
(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO
2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(Ca
O)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アル
ミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー
(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2S
iO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4S
iO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2
・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、A
4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム
(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム
(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム
(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシ
ウムカルシウム(CaMgSiO4)、各種ゼオライ
ト、長石、マイカ等が例示でき、Mがアルミニウムであ
ることが好ましい。
【0021】上記、各種充填剤の中で、本願発明でシリ
カと共に用いる充填剤はカーボンブラック、又は、アル
ミナ類であることが好ましい。カーボンブラックとして
は特に制限はなく、例えばSRF、GPF、FEF、H
AF、ISAF、SAF等が用いられ、ヨウ素吸着量
(IA)が60mg/g以上、かつジブチルフタレート
吸油量(DBP)が80ml/100g以上のカーボン
ブラックが好ましい。カーボンブラックを用いることに
より、グリップ性能及び耐破壊特性の改良効果は大きく
なるが、耐磨耗性に優れるHAF、ISAF、SAFが
特に好ましい。アルミナ類としては、上記式(A)で表
される物のうち、下記一般式(B)で表わされるもので
ある。 A123・nH2O ・・・(B) [式(B)中、nは1から3である。] この無機充填剤としては、その粒径が10μm以下が好
ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。該無
機充填材の粒径を10μm以下とすることにより、加硫
ゴム組成物の耐破壊特性、耐磨耗性を良好に維持するこ
とができる。
【0022】充填剤は、前記ゴム成分100重量部に対
して、充填剤を70重量部から110重量部配合する。
充填剤の配合量が70重量部未満では、ドライ性能が低
下し、添加量が110重量部を超えると作業性、加工性
が低下する傾向にある。さらに好ましい配合量は75〜
95重量%の範囲である。
【0023】なお、本発明の如く、シリカを配合した充
填剤を用いる場合には、ゴム組成物にシランカップリン
グ剤を配合することが好ましい。シリカ−ゴム成分間の
物理的結合はカーボンブラック−ゴム成分間の結合に比
べて弱いため、タイヤの耐摩耗性が低下する傾向にあ
り、シランカップリング剤を用いることにより、このシ
リカ−ゴム成分間の結合を強化し、耐摩耗性を確保する
ために使用される。
【0024】シランカップリング剤としては、例えば、
ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフ
ィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラス
ルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テ
トラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチ
ル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−
メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロ
ピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエト
キシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、
3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエ
チルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキ
シシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−
ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリ
エトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバ
モイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチ
ル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィ
ド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾール
テトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベ
ンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシ
リルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリ
メトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド
等が挙げられ、ビス(3−トリエトキシシリルプロピ
ル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピ
ルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどが好ましい。
【0025】また、ビス(3−ジエトキシメチルシリル
プロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピル
ジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキ
シメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチル
シラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジ
メチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチ
ルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等
も挙げることができる。なかでも、(3−トリエトキシ
シリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキシ
シリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなど
が好ましい。シランカップリング剤の配合量は、シリカ
の量に対して5〜20重量%が好ましく、6〜12重量
%がさらに好ましい。
【0026】また、上記シリカ及び任意成分として併用
されるカーボンブラックや他の無機充填剤のほかにも、
本発明の効果を損なわない限りにおいて、他の充填剤、
例えば、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシ
ウム、ハイスチレン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、
変性メラミン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油樹脂
などの補強剤、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、クレー、リサージュ、珪藻土、再生ゴム及び粉末ゴ
ムなどを目的に応じて併用することができる。
【0027】〔ゴム組成物用添加剤〕本発明のゴム組成
物には、前記ゴム成分、充填剤に加えて、目的に応じて
種々の添加剤を配合することができるが、添加剤とし
て、多価カルボン酸と(ポリ)オキシアルキレン誘導体
とからなるエステル化合物、及び、アミン付加塩からな
る群より選択される化合物のうち少なくとも1種の化合
物を配合しなければならない。これらはいずれを配合し
てもよく、双方を配合してもよい。本発明に必須のゴム
用添加剤のうち、多価カルボン酸と(ポリ)オキシアル
キレン誘導体とのエステルとしては、芳香族多価カルボ
ン酸と(ポリ)オキシアルキレン誘導体とのエステルが
好ましく、このようなエステルのなかでも、下記一般式
(I)で表わされるものが好ましい。
【0028】
【化1】
【0029】〔式(I)中、mは平均重合度を表わし1
以上の数であり、n、pは1以上の整数、qは0又は1
以上の整数であり、n+p+qは6〜8である。Aは芳
香環、R1 はアルキレン基、R2 はアルキル基、アルケ
ニル基、アルキルアリール基又はアシル基であり、R3
は水素、アルキル基又はアルケニル基である。〕
【0030】前記一般式(I)において、より好ましく
は、n+pが2又は3、R1 が炭素数2〜4のアルキレ
ン基、R2 が炭素数2〜28のアルキル基又はアルケニ
ル基であり、さらに好ましくはAがベンゼン環、n=
1、p=1、R1 がエチレン基、R2 が炭素数2〜28
のアルキル基又はアルケニル基であり、最も好ましくは
mが1〜10、n=1、p=1、R1 がエチレン基、R
2 が炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基であ
る。
【0031】本発明の前記ゴム組成物用添加剤は、
(i)2価以上の芳香族カルボン酸またはその無水物
と、(ii)(ポリ)オキシアルキレン誘導体とを反応さ
せることで得られる。ここで、(i)2価以上の芳香族
カルボン酸としては、例えばフタル酸、無水フタル酸、
ナフタレンジカルボン酸などの2価の芳香族カルボン酸
及びそれらの無水物、トリメリット酸、無水トリメリッ
ト酸などの3価の芳香族カルボン酸及びそれらの無水
物、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸などの4価の
芳香族カルボン酸及びそれらの無水物が挙げられるが、
コストの面から2価または3価の芳香族カルボン酸又は
その無水物が好ましく、特に無水フタル酸であることが
好ましい。
【0032】また、(ii)(ポリ)オキシアルキレン誘
導体としては、例えば、1個以上の水酸基を持った、平
均重合度1以上の(ポリ)オキシアルキレン基を有する
化合物が挙げられ、好ましくは1〜2個の水酸基を持っ
た(ポリ)オキシアルキレン基を有する化合物であり、
特に好ましくは1個の水酸基を持った(ポリ)オキシア
ルキレン基を有する化合物である。(ポリ)オキシアル
キレン誘導体としては、(ポリ)オキシアルキレンアル
キルエーテルなどのエーテル型;(ポリ)オキシアルキ
レン脂肪酸モノエステルなどのエステル型;(ポリ)オ
キシアルキレングリセリン脂肪酸エステルなどのエーテ
ルエステル型;(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸アミ
ド、(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミンなどの含
窒素型などが挙げられるが、本発明で使用する(ポリ)
オキシアルキレン誘導体としてはエーテル型とエステル
型が好ましく、エーテル型が特に好ましい。
【0033】エーテル型の(ポリ)オキシアルキレン誘
導体としてはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレン
オクチルエーテル、ポリオキシエチレン2−エチルヘキ
シルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリル
エーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの
ポリオキシアルキレン、不飽和を含むポリオキシアルキ
レン脂肪族エーテル、ポリオキシエチレンベンジルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンベンジル化フェニルエーテルなどの
ポリオキシエチレン芳香族エーテルなどが挙げられる
が、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが好ましい。
さらにはポリオキシエチレンアルキルまたはアルケニル
エーテルが好ましく、特にポリオキシエチレンの平均重
合度が1〜10、アルキル基またはアルケニル基の炭素
数が8〜18であることが好ましい。具体的には、ポリ
オキシエチレンをPOE(n)と略し、nを平均重合度
とすれば、POE(3)オクチルエーテル、POE
(4)2−エチルヘキシルエーテル、POE(3)デシ
ルエーテル、POE(5)デシルエーテル、POE
(3)ラウリルエーテル、POE(8)ラウリルエーテ
ル、POE(1)ステアリルエーテルなどが挙げられ
る。
【0034】本発明のゴム組成物におけるこのエステル
化合物である添加剤の配合量は、ゴム成分100重量部
に対し、0.1〜10重量部であることが好ましい。
0. 1重量部以上であれば加工性が向上し、10重量部
以下であればゴム物性は保持され、かつコストの面から
も望ましい。この点から、さらに0. 5〜5重量部であ
ることが好ましい。この添加剤は、例えば混練により配
合すればよい。
【0035】この添加剤を配合することで、本発明のゴ
ム組成物が、ゴム成分として天然ゴムを含む場合には、
天然ゴム分子の分子量を低下させずに天然ゴムのポリマ
ーゲル量を低減することができ、かつゴム分子間でのす
べりを増加させることにより成形作業性を向上させると
共に、未加硫又は加硫ゴム組成物の物性低下が抑制され
る。また、ゴム成分が天然ゴムを含まない場合には、ゴ
ム分子間でのすべりを増加させることで成形作業性を向
上させ、この場合もゴムの分子量の低下は伴わないた
め、未加硫又は加硫ゴム組成物の物性低下が起きない。
いずれにしても、本発明においては、ゴム物性に悪影響
を伴うことなく、優れたゴム加工性を得ることができ
る。
【0036】また、本発明のゴム組成物に用いられる他
の好ましい添加剤であるアミン付加塩としては、3級ア
ミン脂肪酸塩が好ましい。このような添加剤としては、
具体的には、例えば、下記一般式(II)で表されるアミ
ン付加塩化合物が挙げられる。
【0037】
【化2】
【0038】〔式中、R1は炭素数8〜24の飽和若し
くは不飽和のアルキル基,炭素数6〜24のアリール基
又は炭素数7〜24のアラルキル基、R2及びR3は、そ
れぞれ独立に水素原子,炭素数1〜12の飽和若しくは
不飽和のアルキル基,炭素数6〜12のアリール基,炭
素数7〜12のアラルキル基又は式 −(CH2O)pH,−(CH2CH2O)p H、 −(CH(CH3)CH2O)p H,−(CH2CH2
2O)p H (ただし、R2及びR3のpの合計は1〜4の整数であ
る。)で表される基、R4は炭素数6〜24の飽和若し
くは不飽和のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基
又は炭素数7〜24のアラルキル基を示す。〕
【0039】前記一般式(II)で表されるアミン付加塩
を構成するアミン類の好ましい例としては、デシルアミ
ン,ラウリルアミン,ミリスチルアミン,パルミチルア
ミン,ステアリルアミン,ベヘニルアミン,オレイルア
ミン,モノメチルデシルアミン,モノメチルラウリルア
ミン,モノメチルミリスチルアミン,モノメチルパルミ
チルアミン,モノメチルステアリルアミン,モノメチル
オレイルアミン,モノエチルデシルアミン,モノエチル
ラウリルアミン,モノエチルミリスチルアミン,モノエ
チルパルミチルアミン,モノエチルステアリルアミン,
モノエチルオレイルアミン,モノプロピルデシルアミ
ン,モノプロピルラウリルアミン,モノプロピルミリス
チルアミン,モノプロピルパルミチルアミン,モノプロ
ピルステアリルアミン,モノプロピルオレイルアミン,
ジメチルデシルアミン,ジメチルラウリルアミン,ジメ
チルミリスチルアミン,ジメチルパルミチルアミン,ジ
メチルステアリルアミン,ジメチルオレイルアミン,ジ
エチルデシルアミン,ジエチルラウリルアミン,ジエチ
ルミリスチルアミン,ジエチルパルミチルアミン,ジエ
チルステアリルアミン,ジエチルオレイルアミン,メチ
ルエチルデシルアミン,メチルエチルラウリルアミン,
メチルエチルミリスチルアミン,メチエチルパルミチル
アミン,メチルエチルステアリルアミン,メチルエチル
オレイルアミン,ジ(ヒドロキシエチル)デシルアミ
ン,ジ(ヒドロキシエチル)ラウリルアミン,ジ(ヒド
ロキシエチル)ミリスチルアミン,ジ(ヒドロキシエチ
ル)パルミチルアミン,ジ(ヒドロキシエチル)ステア
リルアミン,ジ(ヒドロキシエチル)オレイルアミンな
どが挙げられる。これらの中で、特にR2及びR3がそれ
ぞれ炭素数1〜8の飽和若しくは不飽和のアルキル基で
あって、R1、R2及びR3の合計炭素数が10〜24の
三級アルキルアミンが特に好適である。
【0040】一方、該アミン付加塩を構成するカルボン
酸としては、R4の炭素数が10〜20の飽和又は不飽
和の直鎖脂肪酸が好ましい。このカルボン酸の例として
は、カプリン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチ
ン酸,ステアリン酸,アラキン酸,ベヘン酸,オレイン
酸などが挙げられる。前記一般式(II)で表されるアミ
ン付加塩としては、分子量が400〜800の範囲にあ
るものが好ましい。本発明においては、この添加剤とし
てのアミン付加塩は一種用いてもよく、二種以上を組み
合わせて用いてもよい。また、配合量としては、ゴム成
分100重量%に対して、0.1重量%〜10.0重量
部であることが好ましい。0. 1重量部以上添加すれ
ば、加工性向上効果が得られ、10重量部以下であれば
ゴム物性は保持され、かつコストの面からも望ましい。
この点から、さらに0. 5〜5重量部であることが好ま
しい。なお、前記一般式(II)で表されるアミン付加塩
には、フレークや粒の強度を向上させ、夏場の高温時に
起こりやすい融着を防ぐ目的で、リン酸塩,亜リン酸塩
等の無機塩を0.1〜10%程度含んでいてもよい。
【0041】また、本発明のゴム組成物には、必要に応
じて他のゴム配合剤、例えば硫黄などの加硫剤、加硫促
進剤、プロセスオイル、老化防止剤などを適宜配合でき
る。加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機
過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸
化物などが用いられる。加硫促進剤としては、公知の加
硫促進剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン
類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、スル
フェンアミド類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、
キサンテート類などが用いられる。老化防止剤として
は、アミン−ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フ
ェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。プロセ
スオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィ
ン系のいずれを用いてもよい。
【0042】〔ゴム組成物の製造〕本発明のゴム組成物
は、前記(A)ゴム成分、(B)充填剤と、必要に応じ
て適宜選択した前記その他の成分とを、混練り、熱入
れ、押出、加硫等することにより製造することができ
る。
【0043】前記混練りの条件としては、特に制限はな
く、混練り装置への投入体積、ローターの回転速度、ラ
ム圧等、混練り温度、混練り時間、混練り装置の種類等
の諸条件について目的に応じて適宜選択することができ
る。前記混練り装置としては、例えば、通常ゴム組成物
の混練りに用いるバンバリーミキサー、インターミック
ス、ニーダー等が挙げられる。
【0044】前記熱入れの条件としては、特に制限はな
く、熱入れ温度、熱入れ時間、熱入れ装置等の諸条件に
ついて目的に応じて適宜選択することができる。前記熱
入れ装置としては、例えば、通常ゴム組成物の熱入れに
用いるロール機等が挙げられる。
【0045】前記押出の条件としては、特に制限はな
く、押出時間、押出速度、押出装置、押出温度等の諸条
件について目的に応じて適宜選択することができる。前
記押出装置としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物
の押出に用いる押出機等が挙げられる。前記押出温度
は、適宜決定することができる。
【0046】前記加硫を行う装置、方式、条件等につい
ては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができる。前記加硫を行う装置としては、例えば、通常
タイヤ用ゴム組成物の加硫に用いる金型による成形加硫
機などが挙げられる。前記加硫の条件として、その温度
は、通常100〜190℃程度である。
【0047】本発明のゴム組成物は、タイヤトレッド,
アンダートレッド,カーカス,サイドウォール,ビード
部分等のタイヤ用途を始め、防振ゴム,ベルト,ホース
その他の工業品等の用途にも用いることができるが、特
にタイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。
【0048】〔空気入りタイヤ〕本発明の空気入りタイ
ヤは、前記本発明のゴム組成物をトレッド部に使用する
ことを特徴とする。本発明のタイヤは、前記本発明のゴ
ム組成物を用いること以外は、特に制限はなく、公知の
タイヤの構成をそのまま採用することができる。
【0049】前記タイヤの一例としては、1対のビード
部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、
該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレ
ッドを有してなるタイヤなどが好適に挙げられる。本発
明のタイヤは、ラジアル構造を有していてもよいし、バ
イアス構造を有していてもよい。
【0050】本発明に係る前記ゴム組成物を加硫して得
られる加硫ゴム組成物は、ウエットスキッド性能、アイ
ススキッド性能に優れるため、このゴム組成物をトレッ
ド部に用いた本発明の空気入りタイヤは、スタッドレス
タイヤ、スノータイヤ及びオールシーズンタイヤ等のタ
イヤや大型タイヤ用途にも好適に使用できる。
【0051】また、本発明の空気入りタイヤの態様とし
ては、前記トレッドの構造には特に制限はなく、1層構
造であってもよいし、多層構造であってもよいが、トレ
ッド部が、キャップ層とベース層の二層構造からなるこ
とが好ましい。このような構造をとる場合には、少なく
とも前記キャップ部、即ち、路面と接する部分が本発明
のゴム組成物で形成されているのが好ましい。二層構造
のトレッド部を有する場合、キャップ層を貫ぬいてベー
ス層に到達する少なくとも1本の導電性スリットを有す
る態様が、シリカによる帯電性の影響を低減する観点か
ら好ましく挙げられる。即ち、導電スリットが接地面内
に入っているので、電気を通す道が形成され、タイヤ表
面において充填剤であるシリカの影響で発生した静電気
を速やかに放出させて、静電気による悪影響を低減させ
ることができる。このときの導電性スリットの体積固有
抵抗は109Ωcm以下であることが効果の観点から好
ましい。導電性スリットとは、トレッド部のゴムの一部
に導電性ゴム組成物からなる導電性ゴム部材を配置して
なるものである。導電性ゴム組成物は、固有抵抗率が1
9Ωcm以下ゴム組成物よりなる。固有抵抗率は小さ
い方が好ましく、顕著な帯電防止効果を得るためには、
107Ωcm以下の固有抵抗率がより好ましい。
【0052】このようにして得られた本発明の空気入り
タイヤは、用いられるゴム組成物がその物性に悪影響を
及ぼされることなく、工場での作業性も改良されている
ので、性能だけでなく、生産性にも優れている。なお、
ここでタイヤに充填されるのは、空気だけではなく、窒
素などの不活性ガスを充填することもできる。
【0053】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 (実施例1〜8、比較例1〜8)下記表1及び表2に示
す配合でトレッドゴム用のゴム組成物を配合した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】なお、表1及び表2で使用する各種ゴム組
成物の配合成分の詳細は以下の通りである。 〔ゴム成分〕 ・SBR 1712 (商標:ジェイエスアール(株)製、スチレン−ブタジ
エンゴム:スチレン含有量23.5%、ビニル結合量1
8.9%、37.5重量%油展)・SBR 0120 (商標:ジェイエスアール(株)製、スチレン−ブタジ
エンゴム:スチレン含有量35.0%、ビニル結合量1
8.9%、37.5重量%油展) ・JSR BR 01 (商標:ジェイエスアール(株)製、ハイシスブタジエ
ンゴム) 〔充填剤〕 ・カーボンブラック N220(旭#80:商標、旭カ
ーボン製) ・シリカ(ニプシールAQ:商標、日本シリカ工業
(株)製)
【0057】〔添加剤〕 ・シランカップリング剤(Si 69:商標、Degu
ssa AG製) ・オイル(アロマオイル:日石三菱(株)製) ・添加剤(I)(一般式(I)で表される添加剤) (トリオキシエチレンラウリルアリコール) ・添加剤(II)(一般式(II)で表される添加剤) (ジメチルステアリルアミン ステアリン酸塩) ・老化防止剤6C(大内新興化学工業製 ノクラック6
C) ・加硫促進剤DPG(ジフェニルグアニジン 大内新興
化学工業製 ノクセラーD) ・加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジスルフィド 大
内新興化学工業製 ノクセラーDM) ・加硫剤 Sulfur(粉末硫黄)
【0058】前記表1及び表2に示すゴム組成物を配合
混練りして未加硫ゴム組成物を調製した。また、得られ
た未加硫ゴム組成物を、さらに3回混練りした。得られ
た未加硫ゴム組成物について、加工性〔ムーニー粘度
(ML1+4粘度)〕について、下記方法により評価し
た。結果を表1及び表2に示す。また、ゴム組成物の充
填剤中のシリカの比率、ゴム成分100重量部に対する
充填剤の含有量、ゴム製分中のスチレン含有量も併記す
る。
【0059】<ムーニー粘度(ML1+4)>ゴム組成物
の加工性の評価として、SHIMADZU社製MOON
Y VISCOMETER SMV201を用いて、加
硫系配合剤を添加して混練した未加硫ゴム組成物試料
を、130℃で1分間余熱をした後、ロータの回転をス
タートさせ、4分後の値をML1+4として測定した。こ
の際、比較例1の値を100として指数化した。ムーニ
ー粘度は値が大きい程、加工性がよいことを示す。表1
の結果より、本発明のゴム組成物はいずれも加工性に優
れることがわかった。
【0060】次に、これらのゴム組成物をタイヤトレッ
ドの接地部に使用して空気入りタイヤ(195/65
R15サイズ)を作成し、タイヤ4本を排気量2000
ccの乗用車に装着し、下記の評価を行った。結果を前
記表1に併記する。 <アイススキッド性能>アイススキッド性能は、その指
標として氷上制動性能で表す。前記試験タイヤ4本装着
した乗用車により、氷温−1℃、−8℃の氷上での制動
性能を測定し、次式により指数表示した。 氷上制動性能=〔比較例1のタイヤの制動距離/試験タ
イヤの制動距離〕×100
【0061】<ウエットスキッド性能>ウエットスキッ
ド性能は、その指標としてウエット制動性能で表す。前
記試験タイヤ4本装着した乗用車で、2名乗車相当で8
0km/hからの制動距離を指数化し、比較例1を10
0として指数表示した。ウエットスキッド性能は数値が
高いほど優れていると評価する。
【0062】<ドライ性能>ドライ性能は、その指標と
してドライバーの総合評価で表す。乾燥平坦路面を走行
させ、テストドライバーが、駆動性、制動性、直進安定
性、コントロール性を総合評価し、比較例1のタイヤの
性能を100として指数評価した。指数の値は大きいほ
どドライ操縦性能に優れると評価する。
【0063】表1及び表2の結果より明らかなように、
本発明のゴム組成物をトレッド部に用いた空気入りタイ
ヤは、比較例に比べて、加工性はもちろん、他の物性も
改良されている。一方、充填剤の配合量が少ないもの、
充填剤中のシリカ含有量の少ないものは、加工性には問
題はないが、ウエットスキッド性、ドライ操縦性能に劣
り、スチレン含有量の少なすぎるものは、加工性及び、
ウエットスキッド性能、ドライ操縦性能が、スチレン含
有量の多すぎるものは加工性及びアイススキッド性能が
それぞれ劣ることがわかった。また、実施例8及び比較
例8は、用いたゴムの種類が大きく異なるので、全体と
しての物性の傾向は他の例とは異なるが、両者を比較す
ることにより、ゴム種を変えても同様の効果が得られる
ことがわかる。
【0064】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、ゴム製品の加工
性、生産性に優れ、さらに、氷雪制御動性能、ウエット
スキッド性能、ドライ性能に優れたタイヤのトレッド部
に好適に用いることができる。また、このゴム組成物を
用いた本発明の空気入りタイヤは、氷雪制御動性能、ウ
エットスキッド性能、ドライ性能に優れるという効果を
奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71/02 C08L 71/02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(S
    BR)を含んでなり、且つ、ゴム成分全体におけるスチ
    レン含有量が15重量%から25重量%であるゴム成分
    100重量部と、 シリカを含み、且つ、充填剤全量に対する該シリカの配
    合割合が50重量%以上である充填剤を70重量部から
    110重量部と、 多価カルボン酸と(ポリ)オキシアルキレン誘導体とか
    らなるエステル化合物、及び、アミン付加塩からなる群
    より選択される化合物の少なくとも一種と、 を配合してなることを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記ゴム成分が、前記SBRを50重量
    %乃至90重量%含むことを特徴とする請求項1に記載
    のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記エステル化合物が、芳香族多価カル
    ボン酸と(ポリ)オキシアルキレン誘導体とのエステル
    である請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 前記アミン付加塩が、3級アミン脂肪酸
    塩であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    のゴム組成物。
  5. 【請求項5】 少なくともトレッド部を有し、該トレッ
    ド部の少なくとも路面に接する部分に、請求項1乃至請
    求項4のいずれか1項に記載のゴム組成物が用いられる
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記トレッド部が、キャップ層とベース
    層の二層構造からなり、該キャップ層が、請求項1乃至
    請求項4のいずれか1項に記載のゴム組成物により形成
    されてなることを特徴とする請求項5に記載の空気入り
    タイヤ。
  7. 【請求項7】 前記トレッド部が、キャップ層とベース
    層の二層構造からなり、キャップ層を貫ぬいてベース層
    に到達する少なくとも1本の導電性スリットを有するこ
    とを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007031578A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物
JP2007186644A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2016533300A (ja) * 2013-10-22 2016-10-27 ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー サイプ及び/又は他の負の横断溝形状を備える溝を有するタイヤ

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