JP2003160406A - 表示機能を備えた防虫材 - Google Patents

表示機能を備えた防虫材

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JP2003160406A
JP2003160406A JP2001360408A JP2001360408A JP2003160406A JP 2003160406 A JP2003160406 A JP 2003160406A JP 2001360408 A JP2001360408 A JP 2001360408A JP 2001360408 A JP2001360408 A JP 2001360408A JP 2003160406 A JP2003160406 A JP 2003160406A
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JP2001360408A
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Tatsuya Fujita
達也 藤田
Takayoshi Okano
隆良 岡野
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Osaka Pharmaceutical Co Ltd
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Osaka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要量よりも多くの油液性防虫薬剤を含有さ
せておく必要がなく、かつ油液性防虫薬剤が存在してい
る間は防虫効果の消滅が表示されないような、防虫材を
提供する。 【解決手段】 本発明は、油液不透過性の基材1と、当
該基材面上に積層された、油液透過性でかつ油液が存在
した状態で光に対し低屈折率である表示層2と、当該表
示層に含有された常温揮散性の油液性防虫薬剤Xとを含
んで構成されてなる、表示機能を備えた防虫材Aであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本来の防虫機能と
共に、防虫効果の有無を表示する機能も備えた防虫材に
関する。
【0002】
【従来の技術】旧来のナフタレン、樟脳等の昇華性の固
形防虫薬剤自体がそのまま成形されてなる防虫材に代わ
って、現在では、合成樹脂基材中に常温揮散性の防虫薬
剤を含有させてなる防虫材が主流となっている。
【0003】このような防虫材は、その加工性や利用性
の点で優れているが、使用時には、その外観に経時的な
変化が殆ど生じないため、その防虫効果の有無を視認す
ることが困難であった。また、防虫薬剤の揮散速度は温
度等の条件により大きく左右されるので、予め表示され
ている有効期間は単なる目安に過ぎなかった。
【0004】このような問題を解決するものとして、特
公昭63−24961号公報に、防虫効果の有無を表示
する機能を備えた防虫材が提案されている。この防虫材
は、図16に示すような、油液透過性の基材11の面上
に、油液透過性でかつ光に対し低屈折率の地色層12が
積層され、そして基材11の地色層形成面と反対面上
に、粘着剤層13を介して油液不透過性のカバー材14
が積層された構成の紙状体Bであり、この紙状体Bに常
温揮散性の油液性防虫薬剤Yが含有されている。
【0005】この紙状体Bにおいては、油液性防虫薬剤
Yは、油液透過性である基材11と地色層12で保持さ
れ、そして常温で地色層12側から揮散する。油液性防
虫薬剤Yが地色層12に存在している時は、その光に対
する低屈折率性により地色層12は透明状態となるの
で、地色層12側から見た紙状体Bは、基材11自体の
色を呈して、防虫効果を有することを表示する。一方、
油液性防虫薬剤Yが揮散して地色層12に存在しなくな
った時は、地色層12は当初の不透明状態に戻るので、
地色層12側から見た紙状体Bは、地色層12自体の色
を呈して、防虫効果の消滅を表示する。このように、地
色層12側から見た紙状体Bの呈色の変化により、防虫
効果の有無を視認できる。
【0006】しかし、上記の防虫材においては、地色層
12からの油液性防虫薬剤Yの揮散は、基材11中の油
液性防虫薬剤の量に影響され、実際には、基材11中に
ある程度の量の油液性防虫薬剤が残存していないと、油
液性防虫薬剤Yの地色層12への移行および地色層12
からの揮散が行われない。従って、その分量を考慮し
て、当初から、必要量よりも多く含有させておかなけれ
ばならず、コスト高の要因となる。また、基材11中
に油液性防虫薬剤Yがある程度残存しているにもかかわ
らず、地色層12が当初の不透明状態に戻って、防虫効
果の消滅を表示してしまうので、使用者はその表示に基
づいて廃棄処分してしまい、油液性防虫薬剤が最後まで
使用されず無駄が生じている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決しようとするものであり、その目的は、必要量
よりも多くの油液性防虫薬剤を含有させておく必要がな
く、かつ油液性防虫薬剤が存在している間は防虫効果の
消滅が表示されないような、防虫材を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に対し鋭意検討した結果、基材を油液不透過性、基材
上に積層される表示層を、油液透過性でかつ油液が存在
した状態で光に対し低屈折率である層とし、表示層のみ
に常温揮散性の油液性防虫薬剤を含有させることによ
り、必要量よりも多くの油液性防虫薬剤を含有させる必
要がなく、かつ油液性防虫薬剤が殆ど揮散して存在して
いない状態となった時点で初めて、防虫効果の消滅が表
示されることを見出し、発明を完成するに到った。
【0009】即ち、本発明は、油液不透過性の基材と、
当該基材面上に積層された、油液透過性でかつ油液が存
在した状態で光に対し低屈折率である表示層と、当該表
示層に含有された常温揮散性の油液性防虫薬剤とを含ん
で構成されてなることを特徴とする、表示機能を備えた
防虫材である。
【0010】本発明のある態様としては、基材と表示層
の間に油液不透過性の着色層が形成されていてもよい。
【0011】本発明の別の態様としては、表示層は基材
面上の一部に積層されており、基材の表示層積層面上の
表示層非積層部分に、油液不透過性の模様層が積層され
ていてもよい。
【0012】本発明のさらに別の態様としては、表示層
内に油液不透過性の模様層が埋設されていてもよい。
【0013】本発明のさらに別の態様としては、基材の
表示層積層面と反対面上に粘着剤層が積層されていても
よい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の防虫材は、防虫機能と共に、防虫効果の有無を
表示する機能も備えたものであり、基材と、この基材面
上に積層され、常温揮散性の油液性防虫薬剤を含有する
表示層とを含んで構成される。
【0015】図1に、本発明の防虫材の一構成例を示
す。図1の防虫材Aは、油液不透過性の基材1の片面全
面に、油液透過性でかつ油液が存在した状態で光に対し
低屈折率である表示層2が積層されている。そして、常
温揮散性の油液性防虫薬剤Xは、表示層2のみに含有さ
れており、油液不透過性の基材1には移行しない。この
常温揮散性の油液性防虫薬剤Xは、常温で表示層2表面
から徐放すると共に表示層2内部から表示層2表面に移
動する。表示層2は、基材1の両面に形成されていても
よい。
【0016】油液性防虫薬剤Xが油液透過性の表示層2
に存在している時は、表示層2自身が光に対し低屈折率
の層となるので、入射光は表示層2を透過して表示層2
が透明状態となり、基材1の表面が透視される。即ち、
表示層2側から見た防虫材Aは、基材1自体の色を呈し
て、防虫効果を有することを表示する。表示層2中の油
液性防虫薬剤Xは、その常温揮散性により徐放して減少
し、それに従って入射光の透過状態が変化していく。そ
して、油液性防虫薬剤Xが殆ど揮散して存在しなくなっ
た時は、入射光は表示層2表面で乱反射して表示層2が
不透明状態となり、基材1の表面が透視されない。即
ち、表示層2側から見た防虫材Aは、表示層2自体の色
を呈して、防虫効果の消滅を表示する。このように、表
示層2側から見た防虫材Aの呈色の変化により、防虫効
果の有無を視認できる。
【0017】本発明の防虫材では、表示機能は、表示層
2中の油液性防虫薬剤Xの存在量に応じたもの、即ち、
表示層2は、油液性防虫薬剤Xが殆ど揮散して存在しな
くなった時点で初めて不透明状態となるので、防虫効果
の消滅の表示時点は、実際の防虫効果の消滅時点とほぼ
一致する。また、防虫効果の消滅の表示時点における油
液性防虫薬剤Xの残量が極めて少ないので、油液性防虫
薬剤Xを無駄なくほぼ全量を有効に使用できる。
【0018】本発明の防虫材では、油液性防虫薬剤Xは
表示層2のみに含有され、基材1には存在し得ないの
で、上記したような、基材と表示層(地色層)の両方に
油液性薬剤を含有させる従来の防虫材における問題点が
解消される。即ち、表示層2側からの油液性防虫薬剤X
の揮散が、基材1中の量に影響されることはなく、よっ
て、当初から、油液性防虫薬剤Xを必要量よりも多く含
有させておく必要がない。また、ある程度の油液性防虫
薬剤Xが基材に残存している状態で表示層2が不透明状
態となる、即ち、防虫効果の消滅を表示する、というこ
ともない。
【0019】また、本発明の防虫材では、油液性防虫薬
剤Xを表示層2のみに含有させて、基材1には含有させ
ないことから、従来の防虫材と比較して、油液性防虫薬
剤の使用量が少なくてすむ。従って、本発明の防虫材
は、防虫効力が高い、常温での揮散速度が遅い、想定す
る使用期間が短い等の理由で、油液性防虫薬剤の使用量
を少なく設定する場合には、特に有用な防虫材となる。
【0020】上記の構成において、表示層2に含有され
た油液性防虫薬剤Xが基材1に移行しないように、基材
1は油液不透過性であることが必要である。基材1を構
成する材料としては、アルミ、銅、鉄、亜鉛、マグネシ
ウム、鉛、クロム、マンガン、モリブデン、チタン、ニ
ッケル、ステンレス、クロムモリブデン等の金属;AB
S樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン、
ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ
ウレタン、ポリカABS、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン等のプラスチック;ガラス;耐油加工により繊
維中に油液が浸透しないように処理された不織布や板
紙;カーバイド;セラミック等が挙げられ、使用する油
液性防虫薬剤に対し不活性のものが選択される。なお、
基材1の厚みは、防虫材の使用形態にもよるが、0.0
01mm〜30mm程度が好ましい。
【0021】表示層2は、油液性防虫薬剤Xの含浸およ
び表面への移行が可能となるように、油液透過性である
ことが必要である。また、表示層2は、油液性防虫薬剤
Xが存在している時には、入射光が透過して透明状態と
なるように光に対し低屈折率であることが必要である。
このような表示層2の構成材料としては、例えば、顔料
を適当な結合剤に配合したものが挙げられる。顔料は、
一般的に隠蔽性を付与するものであるので、その使用
は、油液性防虫薬剤Xが存在しない時には入射光の乱反
射がより多くなる点で好適である。
【0022】本発明で使用される顔料としては、無機顔
料および/または有機顔料があり、無機顔料としては、
カオリン、炭酸カルシウム、ソーダ石灰ガラス、ケイ
素、一酸化ケイ素、通俗的にシリカと総称されている二
酸化ケイ素の多形(具体的には、石英、水晶、トリディ
マイト、クリストバル石、コーサイト、スティショフ
石、石英ガラス、シリカゲル、キタイト等)等の粒子、
有機顔料としては、パルプ粉末や、セルロース、レーヨ
ン、ABS樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ス
チレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリウレタン、ポリカABS、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン等の粒子等が挙げられるが、より高い
隠蔽性を付与できる点から、無機顔料の使用が好まし
い。これらの顔料の粒径は、目開き1μm〜1000μ
mの篩に通したものが好ましく、目開き20μm〜15
0μmの篩に通したものがより好ましい。
【0023】これらの顔料は、適当な結合剤に配合して
使用され、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリル
系等のラテックス等が挙げられる。
【0024】上記の構成材料からなる表示層2では、油
液性防虫薬剤Xは主に顔料の間隙を通して油液透過可能
となると推察される。
【0025】表示層2の油液透過性や油液が存在した時
の光に対する低屈折率の度合いは、顔料、結合剤の種類
や配合量により適宜調整される。顔料と結合剤の混合割
合は、使用する顔料や結合剤の種類にもよるが、顔料に
100重量部に対し、結合剤は10〜300重量部が好
ましい。
【0026】表示層2は、顔料と結合剤を混合して調製
した液を、一般的な塗布法にて塗布し、乾燥することに
より形成される。乾燥後の表示層の厚さは、使用する薬
剤の防虫効力や揮散速度および想定する使用期間により
適宜設定されるが、乾燥後、4〜150g/m2となる
ように塗布するのが適当である。
【0027】表示層形成後、表示層2のみに常温揮発性
の油液性防虫薬剤Xを含有させる。本発明で使用される
油液性防虫薬剤としては、油液性であって常温で揮散し
得るもので、表示層2に存在している時に表示層2が光
に対して低屈折率(即ち、透明状態である)となり得る
防虫薬剤であれば、特に限定されず、例えば、以下の化
合物を有効成分として含有する透明な防虫薬剤が挙げら
れる。
【0028】0−(2,2−ジクロロビニル)−0,0
−ジメチルホスフェート(一般名ジクロロボス);4−
メチル−4−ヘプテン−1−イン−3−イル d−シ
ス,トランス−クリサンテメート(一般名エムペントリ
ン);2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル
2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロエテニル)
−シクロプロパン−1−カルボキシレート;アレスロニ
ル d−シス,トランス−クリサンテメート(一般名d
−アレスリン);(S)−2−メチル−4−オキソ−3
−プロパルギルシクロペント−2−エニル (1R)−
シス,トランス−クリサンテメート(一般名プラレトリ
ン);5−ベンジル−3−フリルメチル (1R)−シ
ス,トランス−クリサンテメート(一般名クロスリンフ
ォルテ);4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオ
ロベンジル (1R)−トランス−3−(2−メチル−
1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカ
ルボキシレート;4−メチル−2,3,5,6−テトラ
フルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2,2
−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン
カルボキシレート;4−メトキシメチル−2,3,5,
6−テトラフルオロベンジル 3−(2−メチル−1−
プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
キシレート;
【0029】
【化1】
【0030】(式中、R1、R2は、同一または相異な
り、ハロゲン原子で置換されてもよいC 1−C6アルキル
基、ハロゲン原子で置換されてもよいC2−C6アルケニ
ル基、ハロゲン原子で置換されてもよいC2−C6アルキ
ニル基、ハロゲン原子で置換されてもよいC3−C7シク
ロアルキル基、ハロゲン原子で置換されてもよいC3
7シクロアルケニル基、ハロゲン原子で置換されても
よい(C3−C6シクロアルキル)メチル基、ハロゲン原
子で置換されてもよいベンジル基、ハロゲン原子で置換
されてもよいフェニル基、ハロゲン原子で置換されても
よい(C1−C6アルコキシ)メチル基、水素原子または
ハロゲン原子を表し、R3はピレスロイド酸の残基(カ
ルボキシル基を除いた部分)を表す)で示されるエステ
ル化合物;
【0031】
【化2】
【0032】(式中、R1はメチル基または水素原子を
表し、R2はC1−C6ハロアルキル基を表し、R3はピレ
スロイド酸の残基(カルボキシル基を除いた部分)を表
す)で示されるエステル化合物;
【0033】
【化3】
【0034】(式中、R1はメチル基または水素原子を
表し、R2は1−メチル−2−プロペニル基、1−メチ
ル−2−プロピニル基、3,3−ジハロゲノ−1−メチ
ル−2−プロペニル基またはハロゲンで置換されてもよ
いC1−C6アルキル基を表し、R 3はピレスロイド酸の
残基(カルボキシル基を除いた部分)を表す)で示され
るエステル化合物;等。
【0035】表示層2中の油液性防虫薬剤Xの量は、使
用する薬剤の防虫効力や揮散速度および想定する使用期
間により適宜設定されるが、表示層2の面積1cm2
たり0.05〜30mg程度である。例えば、使用する
薬剤がエムペントリンであり、図1のように、表示層2
が基材1の全面に形成されてその面積が11cm2であ
る場合、含有させる薬剤量は0.15〜200mg程度
である。
【0036】表示層2中に油液性防虫薬剤Xを含有させ
る方法としては、例えば、基材1上に表示層2を形成し
た後、これを油液性防虫薬剤に浸漬する、あるいは油液
性防虫薬剤を滴下する方法等が挙げられ、必要に応じ
て、脱油ロール間に通過させて表面に付着する余分な薬
剤を除去してもよい。
【0037】本発明の防虫材では、防虫効果の有無の表
示は、表示層2側から見た防虫材Aの呈色の変化、即
ち、表示層2が透明状態となって基材1自体の色を呈す
るか、あるいは表示層2が不透明状態となって表示層2
自体の色を呈するか、により行われるので、この表示を
より明確にするため、表示層2(油液性防虫薬剤Xが存
在していない不透明状態)と基材1の色相差が大きいこ
とが好ましい。例えば、表示層2が白色である場合に
は、基材は青、赤、黒、緑、紫、オレンジ、黄等に着色
されているのが好ましい。またはその逆でもよい。ある
いは、図2に示すように、基材1と表示層2との間に、
油液不透過性の青、赤、黒、緑、紫、オレンジ、黄等の
着色層3が形成されていてもよい。この場合、基材1の
色は特に限定されない。その他の色相差が大きい組み合
わせとしては、黒と黄、赤と青、水色と黄色、黄緑と紫
等が例示される。
【0038】上記の場合、基材1や着色層3の着色に
は、意図する色の着色剤が使用される。着色層3では、
着色剤を結合剤と混合して使用される。ここで結合剤と
しては、基材1の構成材料と同様の材料が挙げられる
が、基材1と同一の材料であっても異なる材料であって
もよい。着色剤と結合剤の混合割合は、使用する着色剤
や結合剤の種類にもよるが、着色剤に100重量部に対
し、結合剤は0.1〜1000重量部、特に10〜30
0重量部が好ましい。あるいは、基材1に着色剤を配合
せずに、地色(即ち、構成材料自体の色)を利用しても
よい。これらの場合、上記の着色剤や構成材料(結合
剤)は、基材1や着色層3が油液不透過性となるように
適宜選択される。
【0039】表示層2は、基材1の片面全面に積層され
ても、図3および図4に示すように、基材1の片面上の
一部に積層して、文字や絵等の模様形状を描いてもよい
し、逆に、その模様を抜いた形状に描いてもよい。ある
いは、図5および図6に示すように、基材1面上の表示
層非積層部分に、油液不透過性の模様層4を積層しても
よい。これらの構成とすることにより、表示層2による
防虫効果の有無の表示を、模様形状の状態からより容易
に視認することができる。また、積層された表示層2の
面積により、油液性防虫薬剤の含有量や揮散面積を調整
することもできる。さらに、意匠的機能を付与すること
もできる。
【0040】当該模様層4の構成材料としては、基材1
の構成材料と同様の材料が挙げられるが、基材1と同一
の材料であっても異なる材料であってもよい。この場
合、表示層2が不透明状態(油液性防虫薬剤Xが存在し
ていない)の時に、模様形状を明確にしたい場合には、
模様層4と不透明状態の表示層2との色相差を大きくす
ればよい。逆に、表示層2が透明状態(油液性防虫薬剤
Xが存在している)の時に、模様形状を明確にしたい場
合には、模様層4と基材1(または着色層3)との色相
差を大きくすればよい。これらの場合も、使用する着色
剤や構成材料(結合剤)は、模様層4が油液不透過性と
なるように適宜選択される。
【0041】あるいは、図7および図8に示すように、
模様層4を表示層2中に埋設させる形態で基材1上に部
分的に積層してもよい。この場合、模様層4による模様
形状は、表示層2が透明状態(油液性防虫薬剤Xが存在
している)では表示されるが、不透明状態(油液性防虫
薬剤Xが存在していない)では消失するので、表示層2
が透明状態の時に模様形状がより明確となるように、模
様層4は、基材1(または着色層3)との色相差が大き
いことが好ましい。
【0042】本発明の防虫材は、所望の位置に、固定す
ることなくそのまま載置しても、あるいは、図9のよう
に、基材1の表示層2積層面と反対面上に、粘着剤層5
を積層して、貼着固定してもよい。
【0043】また、本発明の防虫材は、そのままの状態
で使用しても、容器に収容した状態で使用してもよい。
そのままの状態で使用する場合には、表示層2を支持す
る基材1がある程度の厚みを有することが好ましく、
0.01〜30mm程度が好適である。
【0044】容器に収容した状態で使用する場合には、
例えば、図10に示すように、凹部7を有する容器6
に、基材1が凹部7の底に位置するように載置して収容
する。この時、必要に応じて、防虫材Aは、粘着剤層を
介して基材1側で貼付固定してもよい。あるいは、図1
1に示すように、基材1自体が容器を兼ねる構成でもよ
い。
【0045】
【実施例】以下に、本発明を実施例を挙げてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0046】実施例1 着色層組成 主剤:シアニンブルー7重量部とエポキシ樹脂ワニス
(商品名エピクロン1050−70X)40重量部を含
有するキシレン/エチルセロソルブ混合溶液 硬化剤:ポリアミド樹脂(商品名ラッカーマイドTD9
55)12重量部を含有するキシレン/エチルセロソル
ブ混合溶液 上記組成の主剤と硬化剤を混合した後、2×5.5cm
の厚さ0.5mmアルミ板の片面全面に速やかに塗布し
て油液不透過性の着色層を形成した。次いで、白色顔料
としての石英ガラス粉末(目開き50μmの篩に通した
もの)および結合剤としてのアクリルラテックスを重量
比で1:1で混合して調製したインクを、上記の着色層
上に、「おしまい」の文字を抜いた形状でほぼ全面に、
乾燥後30g/m2となるように印刷して、油液透過性
の表示層を形成した。次いで、この表示層に、滴下含浸
によりエムペントリンを40mg含有させて防虫材を作
成し(図12(a))、凹部を有する容器に収容して引
出し型のタンスに収めた。約4ヶ月後、表示層が不透明
状態となり、図12(b)に示すように、青字の「おし
まい」の文字が発現し、薬剤の消失を表示した。その時
のエムペントリンの残量をガスクロマトグラフィーによ
り定量したところ、0.1mgであった。
【0047】比較例1 2×5.5cm、70g/m2の青色紙上に、実施例1
と同様のインクを用いて、乾燥後5g/m2となるよう
に、「おしまい」の文字に印刷して、油液透過性の表示
層を形成した。次いで、この表示層に、滴下含浸により
エムペントリンを40mgを含有させて防虫材を作成し
(図13(a))、凹部を有する容器に収容して引出し
型のタンスに収めた。約3ヶ月後、表示層が不透明状態
となり、図13(b)に示すように、白字の「おしま
い」の文字が発現し、薬剤の消失を表示した。その時の
エムペントリンの残量をガスクロマトグラフィーにより
定量したところ、10mgであった。
【0048】実施例1および比較例1の防虫材における
エムペントリンの経時残量のグラフを図14に示す。
【0049】実施例2 実施例1と同様にして、アルミ板上に油液不透過性の着
色層、次いで油液透過性の表示層を形成して積層体を作
成した。この積層体の表示層に、滴下含浸によりピレス
ロイド系薬剤(防虫効力はエムペントリンの5倍程度、
揮散速度はエムペントリンの1/5倍程度)を24mg
含有させて、防虫材を作成した。この防虫材における薬
剤残存量の経時変化を図15に示す。約11ヶ月半後、
表示層が不透明状態となり、青字の「おしまい」の文字
が発現し、薬剤の消失を表示した。その時のピレスロイ
ド系薬剤の残量をガスクロマトグラフィーにより定量し
たところ、0.1mgであった。
【0050】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
防虫材は、防虫効果の有無を表示する機能を有するもの
で、油液不透過性の基材上に、油液透過性でかつ油液が
存在する状態で光に対して低屈折率である表示層を積層
し、常温揮散性の油液性防虫薬剤を表示層のみに含有さ
せた構成としており、表示層中に油液性防虫薬剤が殆ど
揮散して存在しなくなった時点で初めて防虫効果の消滅
を表示するものである。
【0051】本発明の防虫材は、油液性防虫薬剤を表示
層のみに含有させているので、従来のような、基材およ
び表示層の両方に油液性防虫薬剤を含有させた防虫材に
おける問題点が解消される。即ち、表示層側からの油液
性防虫薬剤を揮散が、基材中の量に影響されることはな
く、よって、当初から、油液性防虫薬剤を必要量よりも
多く含有させておく必要がない。また、ある程度の油液
性防虫薬剤が基材に残存している状態で、表示層が防虫
効果の消滅を表示するということもない。
【0052】また、本発明の防虫材では、表示層のみに
含有させることから、油液性防虫薬剤の使用量が少なく
てすむので、防虫効力が高い、常温での揮散速度が遅
い、想定する使用期間が短い等の理由で、油液性防虫薬
剤の使用量を少なく設定する場合には、特に有用な防虫
材となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防虫材における第1の構成例の縦断面
図である。
【図2】本発明の防虫材における第2の構成例の縦断面
図である。
【図3】本発明の防虫材における第3の構成例の上面図
である。
【図4】図3の防虫材をx−x’で切断した時の縦断面
図である。
【図5】本発明の防虫材における第4の構成例の上面図
である。
【図6】図5の防虫材をy−y’で切断した時の縦断面
図である。
【図7】本発明の防虫材における第5の構成例の上面図
である。
【図8】図7の防虫材をz−z’で切断した時の縦断面
図である
【図9】本発明の防虫材における第6の構成例の縦断面
図である。
【図10】本発明の防虫材が容器に収容されている例を
示す縦断面図である。
【図11】本発明の防虫材における第7の構成例を示す
縦断面図である。
【図12】実施例1で作成した防虫材の上面図であり、
(a)は有効期間内(油液性防虫薬剤が存在している)
の状態を示し、(b)は有効期間経過後(油液性防虫薬
剤が存在していない)の状態を示す。
【図13】比較例1で作成した防虫材の上面図であり、
(a)は有効期間内(油液性防虫薬剤が存在している)
の状態を示し、(b)は有効期間経過後(油液性防虫薬
剤が存在していない)の状態を示す。
【図14】実施例1および比較例1の防虫材におけるエ
ムペントリンの経時残量を示すグラフである。
【図15】実施例2の防虫材におけるピレスロイド系薬
剤の経時残量を示すグラフである。
【図16】従来の防虫材における構成例の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
A 本発明の防虫材 X 油液性防虫薬剤 1 基材 2 表示層 3 着色層 4 模様層 5 粘着剤層 6 容器 7 凹部 B 従来の防虫材(紙状体) Y 油液性防虫薬剤 11 基材 12 地色層 13 粘着剤層 14 カバー材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H011 AC05 BA01 BB15 BC18 BC19 BC23 DA01 DB04 DD06 DF06 DG02 DH06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油液不透過性の基材と、当該基材面上に
    積層された、油液透過性でかつ油液が存在した状態で光
    に対し低屈折率である表示層と、当該表示層に含有され
    た常温揮散性の油液性防虫薬剤とを含んで構成されてな
    ることを特徴とする、表示機能を備えた防虫材。
  2. 【請求項2】 基材と表示層の間に油液不透過性の着色
    層が形成されてなる、請求項1記載の防虫材。
  3. 【請求項3】 表示層が基材面上の一部に積層されてな
    る、請求項1または2記載の防虫材。
  4. 【請求項4】 基材の表示層積層面上の表示層非積層部
    分に、油液不透過性の模様層が積層されてなる、請求項
    3記載の防虫材。
  5. 【請求項5】 表示層内に油液不透過性の模様層が埋設
    されてなる、請求項1または2記載の防虫材。
  6. 【請求項6】 基材の表示層積層面と反対面上に、粘着
    剤層が積層されてなる、請求項1〜5のいずれかに記載
    の防虫材。
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