JP2003160362A - 透明導電膜基板及び該基板を有する液晶デバイス - Google Patents

透明導電膜基板及び該基板を有する液晶デバイス

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JP2003160362A
JP2003160362A JP2001357727A JP2001357727A JP2003160362A JP 2003160362 A JP2003160362 A JP 2003160362A JP 2001357727 A JP2001357727 A JP 2001357727A JP 2001357727 A JP2001357727 A JP 2001357727A JP 2003160362 A JP2003160362 A JP 2003160362A
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film
transparent conductive
substrate
liquid crystal
conductive film
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JP2001357727A
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English (en)
Inventor
Shunji Wada
俊司 和田
Etsuo Ogino
悦男 荻野
Masataka Motoyoshi
将隆 本吉
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 膜厚を厚くした低抵抗の透明導電膜(ITO
膜)は光の干渉効果のために、可視光の透過率が不十分
であった。そこで、電気抵抗が低く、かつ、可視光域で
の透過率が高い透明導電膜基板を提供する。 【解決手段】 透明導電膜基板は、透明なガラス基板の
主表面の一方に、三酸化アルミニウムとITO膜がこの
順に積層して成膜された積層膜、或いは第1誘電体膜と
して二酸化チタンか五酸化タンタルか五酸化ニオブの内
の1つから成る1層と第2誘電体膜として二酸化珪素か
フッ化マグネシウムの内の1つから成る2層と第3誘電
体膜として第1誘電体膜材料と同じ材料から成る3層と
ITO膜がこの順に積層して成膜された積層膜を備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明導電膜基板及び
該基板を有する液晶デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から可視透過率の高い透明導電膜は
液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal displa
y)、無機ELD(ELD:electroluminescence displ
ay)、有機ELD、プラズマディスプレイ(PDP:pl
asma display panel)等に使用されている。これらの中
でも特にLCDは従来のブラウン管(CRT:cathode-
ray-tube)ディスプレイに比べて圧倒的に薄く、軽量で
ある上に省電力に優れており、表示性能もCRTディス
プレイに競合できる水準にある等の多くの利点を有する
ので、近年、需要が拡大している。
【0003】LCDは2枚の透明電極(透明導電膜)の
間に液晶を挟んだものであり、この透明電極に印加する
電圧を制御して液晶分子の配置を変化させ、これによっ
て画像液晶を透過して画面に到達し得るバックライトの
光量を調整することによりLCDの画像表示が行われ
る。このため、透明導電膜は、低い電気抵抗と可視光に
対する高い透過率とを有することが要求される。
【0004】透明導電膜としてIn23にSnO2を添
加したITOが用いられている。このITO膜はスパッ
タリング法、イオンプレーティング法等を用いて成膜さ
れる。電気抵抗が低く、可視光に対する透過率が高いと
いう条件を満たすために、一般には、100nm以上の
膜厚を有するITO膜が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ITO
膜は膜厚に起因する可視光域での光の干渉効果のため
に、可視光域全体で高透過率を得ることが困難であると
いう問題がある。
【0006】また、膜厚を薄くすることによって透過率
を高めようとすると、ITO膜の電気抵抗が高くなって
LCDの画質が悪くなるという問題が生じる。
【0007】本発明の目的は、電気抵抗が低く、かつ、
可視光域での透過率が高い透明導電膜基板及び該基板を
用いた液晶デバイスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の透明導電膜基板は、ガラス基板の主
表面上にAl23膜、ITO膜の順に積層して成膜され
た積層膜を備えることを特徴とする。
【0009】請求項2記載の透明導電膜基板は、請求項
1記載の透明導電膜基板において、前記Al23膜の膜
厚が68〜83nmであり、前記ITO膜の膜厚が90
〜110nmであることを特徴とする。
【0010】上記目的を達成するために、請求項3記載
の透明導電膜基板は、ガラス基板の主表面上に第1の誘
電体膜、第2の誘電体膜、第3の誘電体膜、ITO膜の
順に積層して成膜された積層膜を備えることを特徴とす
る。
【0011】請求項4記載の透明導電膜基板は、請求項
3記載の透明導電膜基板において、前記第1の誘電体膜
は、TiO2、Ta25及びNb25の何れか1つによ
り成膜されたものであることを特徴とする。
【0012】請求項5記載の透明導電膜基板は、請求項
3又は4記載の透明導電膜基板において、前記第2の誘
電体膜は、SiO2及びMgF2の何れか1つにより成膜
されたものであることを特徴とする。
【0013】請求項6記載の透明導電膜基板は、請求項
3乃至5の何れか1項に記載の透明導電膜基板におい
て、前記第3の誘電体膜は、TiO2、Ta25及びN
25の何れか1つにより成膜されたものであることを
特徴とする。
【0014】請求項7記載の透明導電膜基板は、請求項
6記載の透明導電膜基板において、前記第1のTiO2
膜の膜厚が8〜10nmであり、前記SiO2膜の膜厚
が34〜42nmであり、前記第2のTiO2膜の膜厚
が6〜8nmであり、前記ITO膜の膜厚が90〜11
0nmであることを特徴とする。
【0015】請求項8記載の透明導電膜基板は、請求項
6記載の透明導電膜基板において、前記第1の誘電体膜
はTa25及びNb25の何れか1つにより成膜され
た、8.5〜11nmの膜厚を有する膜であり、前記第
2の誘電体膜は36〜45nmの膜厚を有するMgF2
膜であり、前記第3の誘電体膜はTa25及びNb25
の何れか1つにより成膜された、8.5〜11nmの膜
厚を有する膜であることを特徴とする。
【0016】上記目的を達成するために請求項9記載の
液晶デバイスは、前記ITO膜の上に配向膜が成膜され
た2枚の請求項1又は2記載の透明導電膜基板の前記配
向膜同士が対向し、該対向する配向膜同士の間に液晶層
を備えることを特徴とする。
【0017】上記目的を達成するために請求項10記載
の液晶デバイスは、前記ITO膜の上に配向膜が成膜さ
れた2枚の請求項3乃至8の何れか1項に記載の透明導
電膜基板の前記配向膜同士が対向し、該対向する配向膜
同士の間に液晶層を備えることを特徴とする。
【0018】請求項11記載の透明導電膜基板は、請求
項1乃至8の何れか1項に記載の透明導電膜基板におい
て、前記ガラス基板の主表面と前記導電膜との間にカラ
ーフィルターを備えることを特徴とする。
【0019】請求項12記載の液晶デバイスは、請求項
9又は10記載の液晶デバイスにおいて、前記2枚の透
明導電膜基板のうち一方の透明導電膜基板の前記ガラス
基板の主表面と前記導電膜との間にカラーフィルターを
備えることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】発明者は、上記目的を達成すべく
鋭意検討を行った結果、透明導電膜基板はガラス基板の
主表面上にAl23膜、ITO膜の順に積層して成膜さ
れた積層膜を備えることにより、電気抵抗が低い上に透
明導電膜基板に入射する可視光の干渉効果に基づいて反
射強度が低減して可視光域での高い透過率が得られるこ
とを見出した。
【0021】以下、本発明の実施の形態に係る透明導電
膜基板及び該基板を有する液晶デバイスを図面を参照し
ながら詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
透明導電膜基板の模式構造を示す断面図である。
【0023】図1において、透明導電膜基板1は、透明
なガラス基板10の主表面の一方にAl23膜11、I
TO膜12がこの順に積層して成膜された積層膜を備え
ている。この積層膜はスパッタリング法、イオンプレー
ティング法、電子線蒸着法等によって形成することがで
きる。
【0024】ここで、Al23膜11及びITO膜12
を成膜するためのスパッタリング装置について説明す
る。
【0025】図7は、スパッタリング装置の構成を概略
的に示す概略構成図である。
【0026】スパッタリング装置100は真空チャンバ
101を備えている。この真空チャンバ101内の略中
央部には、ガラス基板10を保持するため円筒状の基板
ホルダ102が長手方向の中心軸を回転の中心にして回
転可能に立設されている。この基板ホルダ102の外側
面102aにはスパッタリング処理を受ける複数枚のガ
ラス基板10が取り付けられる。
【0027】真空チャンバ101の側壁の下部にはガス
導入口103が形成されており、このガス導入口103
を介して真空チャンバ101は外部のガス導入管103
aに連通している。このガス導入口103から放電ガス
(Ar+02)が真空チャンバ101に導入される。真
空チャンバ101の底部には排気口104が形成されて
おり、この排気口104を介して真空チャンバ101は
外部の排気管104aに連通している。この排気口10
4からガスが真空チャンバ101の外部に排気される。
【0028】真空チャンバ101の内側面101aには
2つのカソード105,106が相対する位置に配設さ
れている。カソード105,106にはスパッタリング
しようとする金属等のターゲット107,108が取り
付けられている。本実施例の場合、ガラス基板10にA
23膜を成膜するので、ターゲット107はITOで
あり,ターゲット108はAl系金属のターゲットであ
る。カソード105,106のうち、一方のカソード1
05には直流電源が接続されており、もう一方のカソー
ド106には交流電源が接続されている。
【0029】上記構成のスパッタリング装置100にお
いて基板ホルダ102にスパッタリング処理を施す場合
は、基板ホルダ102にガラス基板10を取り付け、真
空チャンバ101内にアルゴンガス(放電ガス)を充填
し、カソード106に電力を印加しながら基板ホルダ1
02を回転させる。ガラス基板10がカソード106の
ターゲット108の前方を通過する際にAl23膜11
が成膜される。成膜されるAl23膜11の膜厚は基板
ホルダ102の回転速度を変えることにより、即ち、タ
ーゲット108の前方を通過するガラス基板10の通過
速度を変えることにより調整できる。このようにして成
膜されるAl23膜11の膜厚は68〜83nmが好ま
しい。スパッタリング処理によるAl23成膜条件とし
て、例えば、基板温度は200℃、放電ガスはAr+O
2(O2添加量:60%)、チャンバ内圧力は0.465
5Pa(3.5mTorr)である。このスパッタリン
グは交流電源を用いた高周波スパッタリングである。
【0030】次に、成膜されたAl23膜11の上にI
TO膜12を成膜する。カソード105に電力を印加し
ながら基板ホルダ102を回転させると、ガラス基板1
0がITOのターゲット107の前方を通過する際にI
TO膜12が成膜される。成膜されるITO膜12の膜
厚は基板ホルダ102の回転速度を変えることにより、
即ち、ターゲット107の前方を通過するガラス基板1
0の通過速度を変えることにより調整できる。このよう
にして成膜されるITO膜12の膜厚は90〜110n
mが好ましい。スパッタリング処理によるITO成膜条
件として、例えば、基板温度は200℃、放電ガスはA
r+O2(O2添加量:2%)、チャンバ内圧力は0.5
32Pa(4.0mTorr)である。このスパッタリ
ングは直流電源を用いた直流スパッタリングである。
【0031】上記のようにして製造された透明導電膜基
板は電気抵抗が低い上に入射する可視光の干渉効果に基
づいて反射強度が低減して可視光域での高い透過率が得
られる。
【0032】図2は、本発明の第2の実施の形態に係る
透明導電膜基板の模式構造を示す断面図である。
【0033】図2において、透明導電膜基板2は、ガラ
ス基板10の主表面の一方にTiO 2膜(第1の誘電体
膜)13、SiO2膜(第2の誘電体膜)15、TiO2
膜(第3の誘電体膜)14、ITO膜がこの順に積層し
て成膜された積層膜を備えている。この積層膜はスパッ
タリング法、イオンプレーティング法、電子線蒸着法等
によって形成することができる。スパッタリングによっ
て積層膜を成膜する場合は、本発明の第1の実施の形態
にかかる透明導電膜基板の作製に使用したスパッタリン
グ装置100(図7)を使用できる。
【0034】スパッタリング装置100を使用して成膜
をする場合、カソード105のターゲット107をチタ
ン系金属にし、カソード106のターゲット108を石
英ガラスにする。スパッタリング処理によるTiO2
膜条件として、例えば、基板温度は200℃、放電ガス
はAr+O2(O2添加量:60%)、チャンバ内圧力は
0.399Pa(3.0mTorr)である。また、S
iO2成膜条件として、例えば、基板温度は200℃、
放電ガスはAr、チャンバ内圧力は0.532Pa
(4.0mTorr)である。
【0035】カソード105に電力を印加しながら基板
ホルダ102を回転させると、ガラス基板10がカソー
ド105のターゲット107の前方を通過する際にTi
2膜13が成膜され、カソード106のターゲット1
08の前方を通過する際にSiO2膜15が成膜され
る。TiO2膜14もターゲット107の前方を通過す
る際に成膜される。このようにしてTiO2膜14が成
膜された後に、上述のようにITO膜12を成膜する。
【0036】上記のようにして製造された透明導電膜基
板は本発明の第1の実施の形態にかかる透明導電膜基板
に比してより低い電気抵抗が得られるとともに、可視光
域でのより高い透過率が得られる。TiO2膜13及び
TiO2膜14の屈折率は、波長が550nmの光に対
して2.4である。
【0037】なお、TiO2膜に代えてTa25膜(屈
折率2.2)又はNb25膜(屈折率2.2)を用いて
も良いし、SiO2膜に代えてMgF2膜(屈折率1.3
8)を用いてもよい。この際、TiO2膜、Ta25
及びNb25膜から選択されたものとSiO2膜及びM
gF2膜から選択されたものとの組合せは、全ての組合
せが可能である。
【0038】また、第1の誘電体膜にTa25膜又はN
25膜を用いる場合は、その膜厚が8.5〜11nm
であることが好ましく、第2の誘電体膜にMgF2膜を
用いる場合は、その膜厚が36〜45nmであることが
好ましく、第3の誘電体膜にTa25膜又はNb25
を用いる場合は、その膜厚が6.5〜9nmであること
が好ましい。
【0039】図3は、本発明の第1の実施の形態に係る
液晶デバイスの模式構造を示す断面図である。
【0040】図3に示す液晶デバイス3は、図1の透明
導電膜基板1を使用して製造したものである。
【0041】液晶デバイス3は透明導電膜基板1のIT
O膜12の上に更に配向膜16を成膜したもの2枚を、
配向膜16,16同士を対向させてこの対向する配向膜
16,16の間に液晶層20を設けたものである。配向
膜16の屈折率は、波長が550nmの光に対して1.
5〜1.7である。
【0042】この液晶デバイス3は、液晶層20が透明
導電膜基板1に挟まれているので、透明導電膜基板1の
特性である低い電気抵抗と可視光域での高い透過率とを
備えた液晶デバイスとなる。
【0043】図4は、本発明の第2の実施の形態に係る
液晶デバイスの模式構造を示す断面図である。
【0044】図4に示す液晶デバイス4は、図2の透明
導電膜基板2を使用して製造したものである。
【0045】液晶デバイス4は透明導電膜基板2のIT
O膜12の上に更に配向膜16を成膜したもの2枚を、
配向膜16,16同士を対向させてこの対向する配向膜
16,16の間に液晶層20を設けたものである。
【0046】この液晶デバイス4は、液晶層20が透明
導電膜基板2に挟まれているので、透明導電膜基板2の
特性である確実に低下した電気抵抗と可視光域での確実
に高められた透過率とを備えた液晶デバイスとなる。
【0047】図5は本発明の第3の実施の形態に係る液
晶デバイスの模式構造を示す断面図である。
【0048】図5に示す液晶デバイス5は、図3の液晶
デバイス3を構成する2枚の透明導電膜基板のうち一方
の透明導電膜基板のガラス基板10の主表面とAl23
膜11との間にカラーフィルター30(CF)を設けた
所謂カラー液晶デバイスである。
【0049】このカラー液晶デバイス5の構成はカラー
フィルター30を有する他は図3の液晶デバイス3の構
成と同じである。従って、このカラー液晶デバイス5の
特性は、低い電気抵抗と可視光域での高い透過率とを有
することである。
【0050】図6は本発明の第4の実施の形態に係る液
晶デバイスの模式構造を示す断面図である。
【0051】図6に示す液晶デバイス6は、図4の液晶
デバイス4を構成する2枚の透明導電膜基板のうち一方
の透明導電膜基板のガラス基板10の主表面とTiO2
膜13との間にカラーフィルター30(CF)を設けた
所謂カラー液晶デバイスである。
【0052】このカラー液晶デバイス6の構成はカラー
フィルター30を有する他は図4の液晶デバイス4の構
成と同じである。従って、このカラー液晶デバイス6の
特性は、確実に低下した電気抵抗及び可視光域での確実
に高められた透過率である。
【0053】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0054】まず、ソーダライムガラス材料(主とし
て、SiO271.5質量%、CaO9.0質量%、A
231.5質量%、MgO4.0質量%、R2O1
4.0質量%)を用いて作製されたガラス製の透明基板
10(屈折率1.52)上に上記スパッタリング装置1
00を用いて上記成膜条件の下で各膜の成膜を行った。
【0055】成膜条件は、酸化アルミニウム(Al
23)膜:全圧0.4655Pa(3.5mTor
r)、アルゴン40%、酸素60%とする放電ガス、基
板温度200℃、ターゲットAl、ITO膜:全圧0.
532Pa(4.0mTorr)、アルゴン98%、酸
素2%とする放電ガス、基板温度200℃、ターゲット
ITO、二酸化チタン膜(TiO2):全圧0.399
Pa(3.0mTorr)、アルゴン40%、酸素60
%とする放電ガス、基板温度200℃、ターゲットT
i、二酸化珪素膜(SiO2):全圧0.532Pa
(4.0mTorr)、アルゴンの放電ガス、基板温度
200℃、ターゲットSiO2である。ガラス基板10
上に上記誘電体膜を成膜し、その上に膜厚100nmの
ITO膜を成膜して透明導電膜基板を作製した。この他
に、更にITO膜の上に屈折率(波長が550nmの光
に対して1.5〜1.7)の配向膜を成膜し、一対の透
明導電膜基板の配向膜間に屈折率(波長が550nmの
光に対して1.5)の液晶層を挟みこんで液晶デバイス
を作製した。
【0056】これら透明導電膜基板及び液晶デバイスの
透過率を表1に示す。表中の透過率は、波長が480n
m〜700nmの範囲の光に対して最小の値を示したと
きのものである。
【0057】
【表1】
【0058】表中の構成1は図1に示した構成の透明導
電膜基板であり、構成2は図2に示した構成の透明導電
膜基板であり、構成3は図3に示した構成の液晶デバイ
スであり、構成4は図4に示した構成の液晶デバイスで
ある。
【0059】実施例1に対して比較例1〜6はAl23
膜の膜厚及びITO膜の膜厚が実施例1の膜厚の範囲以
外のものである。実施例1では透明導電膜基板(構成
1)の透過率が82%であり、液晶デバイス(構成3)
の透過率が81%と何れの場合も80%を超えているの
に対して、比較例1〜6では透明導電膜基板(構成1)
及び液晶デバイス(構成3)の何れも全て70%台であ
った。
【0060】また、実施例2に対して比較例7〜10は
ITO膜の膜厚、第1のTiO2膜の膜厚、SiO2膜の
膜厚、及び第2のTiO2膜の膜厚が実施例2の膜厚の
範囲以外のものである。実施例2では透明導電膜基板
(構成2)の透過率が82%であり、液晶デバイス(構
成4)の透過率が82%と何れの場合も80%を超えて
いるのに対して、比較例7〜10では透明導電膜基板
(構成2)及び液晶デバイス(構成4)の何れも全て7
0%台であった。
【0061】以上の結果から、本発明の透明導電膜及び
該基板を有する液晶デバイスは優れ透過率を有すること
が確認できた。
【0062】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1記
載の透明導電膜基板によれば、ガラス基板の主表面上に
Al23膜、ITO膜の順に積層して成膜された積層膜
を備えるので、電気抵抗が低い上に透明導電膜基板に入
射する可視光の干渉効果に基づいて反射強度が低減して
可視光域での高い透過率が得られる。
【0063】請求項2記載の透明導電膜基板によれば、
前記Al23膜の膜厚が68〜83nmであり、前記I
TO膜の膜厚が90〜110nmであるので、電気抵抗
を確実に低くできるとともに、可視光域での高い透過率
を確実に得られる。
【0064】請求項3記載の透明導電膜基板によれば、
ガラス基板の主表面上に第1の誘電体膜、第2の誘電体
膜、第3の誘電体膜、ITO膜の順に積層して成膜され
た積層膜を備えるので、より低い電気抵抗が得られると
ともに、可視光域でのより高い透過率が得られる。
【0065】請求項7記載の透明導電膜基板によれば、
第1のTiO2膜の膜厚が8〜10nmであり、SiO2
膜の膜厚が34〜42nmであり、第2のTiO2膜の
膜厚が6〜8nmであり、ITO膜の膜厚が90〜11
0nmであるので、電気抵抗をなお一層に低くできると
ともに、可視光域でのなお一層に高い透過率を得られ
る。
【0066】請求項8記載の透明導電膜基板によれば、
第1の誘電体膜はTa25及びNb 25の何れか1つに
より成膜された、8.5〜11nmの膜厚を有する膜で
あり、第2の誘電体膜は36〜45nmの膜厚を有する
MgF2膜であり、第3の誘電体膜はTa25及びNb2
5の何れか1つにより成膜された、8.5〜11nm
の膜厚を有する膜であるので、電気抵抗をさらに低くで
きるとともに、可視光域でのさらに高い透過率を得られ
る。
【0067】請求項9記載の液晶デバイスによれば、I
TO膜の上に配向膜が成膜された2枚の請求項1又は2
記載の透明導電膜基板の配向膜同士が対向し、該対向す
る配向膜同士の間に液晶層を備えるので、低い電気抵抗
と可視光域での高い透過率を有する液晶デバイスとな
る。
【0068】請求項10記載の液晶デバイスによれば、
ITO膜の上に配向膜が成膜された2枚の請求項3乃至
8の何れか1項に記載の透明導電膜基板の配向膜同士が
対向し、該対向する配向膜同士の間に液晶層を備えるの
で、電気抵抗がより低く、可視光域での誘電率がより高
い液晶デバイスとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る透明導電膜基
板の模式構造を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る透明導電膜基
板の模式構造を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る液晶デバイス
の模式構造を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る液晶デバイス
の模式構造を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る液晶デバイス
の模式構造を示す断面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る液晶デバイス
の模式構造を示す断面図である。
【図7】スパッタリング装置の構成を概略的に示す概略
構成図である。
【符号の説明】
1,2 透明導電膜基板 3,4 液晶デバイス 5,6 カラー液晶デバイス 10 ガラス基板 11 Al23膜 12 ITO膜 13 TiO2膜(第1の誘電体膜) 14 TiO2膜(第3の誘電体膜) 15 SiO2膜(第2の誘電体膜) 16 配向膜 20 液晶層 30 カラーフィルター
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月7日(2001.12.
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1335 505 G02F 1/1335 505 1/1343 1/1343 (72)発明者 本吉 将隆 大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HA02 HB02X HC01 HD06 JA05 JB02 JD01 LA01 LA15 2H091 FA02Y GA01 GA02 LA15 LA16 2H092 GA17 GA27 HA04 MA04 MA05 MA06 NA25 PA01 PA08 4G059 AA08 AC12 EA01 EA03 EA04 EA09 GA01 GA02 GA04 GA12 4K029 AA09 AA24 BA01 BA03 BA10 BA15 BA16 BA17 BA35 BA43 BA44 BA45 BA46 BA47 BA48 BA50 BB02 BC09 CA01 CA03 CA05 DC02 EA01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の主表面上にAl23膜、I
    TO膜の順に積層して成膜された積層膜を備えることを
    特徴とする透明導電膜基板。
  2. 【請求項2】 前記Al23膜の膜厚が68〜83nm
    であり、前記ITO膜の膜厚が90〜110nmである
    ことを特徴とする請求項1記載の透明導電膜基板。
  3. 【請求項3】 ガラス基板の主表面上に第1の誘電体
    膜、第2の誘電体膜、第3の透明導電膜、ITO膜の順
    に積層して成膜された積層膜を備えることを特徴とする
    透明導電膜基板。
  4. 【請求項4】 前記第1の誘電体膜は、TiO2、Ta2
    5及びNb25の何れか1つにより成膜されたもので
    あることを特徴とする請求項3記載の透明導電膜基板。
  5. 【請求項5】 前記第2の誘電体膜は、SiO2及びM
    gF2の何れか1つにより成膜されたものであることを
    特徴とする請求項3又は4記載の透明導電膜基板。
  6. 【請求項6】 前記第3の誘電体膜は、TiO2、Ta2
    5及びNb25の何れか1つにより成膜されたもので
    あることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記
    載の透明導電膜基板。
  7. 【請求項7】 前記第1の誘電体膜は8〜10nmの膜
    厚を有するTiO2膜であり、前記第2の誘電体膜は3
    4〜42nmの膜厚を有するSiO2膜であり、前記第
    3の誘電体膜は6〜8nmの膜厚を有するTiO2膜で
    あり、前記ITO膜は90〜110nmの膜厚を有する
    ものであることを特徴とする請求項6記載の透明導電膜
    基板。
  8. 【請求項8】 前記第1の誘電体膜はTa25及びNb
    25の何れか1つにより成膜された、8.5〜11nm
    の膜厚を有する膜であり、前記第2の誘電体膜は36〜
    45nmの膜厚を有するMgF2膜であり、前記第3の
    誘電体膜はTa25及びNb25の何れか1つにより成
    膜された、8.5〜11nmの膜厚を有する膜であるこ
    とを特徴とする請求項6記載の透明導電膜基板。
  9. 【請求項9】 前記ITO膜の上に配向膜が成膜された
    2枚の請求項1又は2記載の透明導電膜基板の前記配向
    膜同士が対向し、該対向する配向膜同士の間に液晶層を
    備えることを特徴とする液晶デバイス。
  10. 【請求項10】 前記ITO膜の上に配向膜が成膜され
    た2枚の請求項3乃至8の何れか1項に記載の透明導電
    膜基板の前記配向膜同士が対向し、該対向する配向膜同
    士の間に液晶層を備えることを特徴とする液晶デバイ
    ス。
  11. 【請求項11】 前記ガラス基板の主表面と前記積層膜
    との間にカラーフィルターを備えることを特徴とする請
    求項1乃至8の何れか1項に記載の透明導電膜基板。
  12. 【請求項12】 前記2枚の透明導電膜基板のうち一方
    の透明導電膜基板の前記ガラス基板の主表面と前記積層
    膜との間にカラーフィルターを備えることを特徴とする
    請求項9又は10記載の液晶デバイス。
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