JP2003159723A - インモールド絵付け方法、およびこれに用いる絵付け用フイルム - Google Patents
インモールド絵付け方法、およびこれに用いる絵付け用フイルムInfo
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- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/14—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
- B29C45/14688—Coating articles provided with a decoration
- B29C2045/14721—Coating articles provided with a decoration decorations transferred by diffusion or sublimation
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- B29C2045/14737—Coating articles provided with a decoration decorations printed on the insert by a digital imaging technique
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- Laminated Bodies (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】絵柄付き射出成形品を、単品もしくは少ロット
単位で安価・即座に製造する。 【構成】熱可塑性フイルム製の基体フイルム上にインク
ジェット受容層を積層してなる絵付け用フイルムに、色
材として昇華性染料を含有する昇華性染料インクを用い
て絵柄をインクジェット印刷したものを絵付けフイルム
に用いて、射出成形同時絵付け方法を実施し、熔融樹脂
表面を染色する。
単位で安価・即座に製造する。 【構成】熱可塑性フイルム製の基体フイルム上にインク
ジェット受容層を積層してなる絵付け用フイルムに、色
材として昇華性染料を含有する昇華性染料インクを用い
て絵柄をインクジェット印刷したものを絵付けフイルム
に用いて、射出成形同時絵付け方法を実施し、熔融樹脂
表面を染色する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチック成形品への
立体的な絵付け方法に関する。より詳しくは射出成形と
同時に絵付けする方法に関する。
立体的な絵付け方法に関する。より詳しくは射出成形と
同時に絵付けする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の射出成形同時絵付け方法に用いら
れる絵付けフイルムは、耐熱性に優れた熱可塑性フイル
ム上に、離型層、通常の印刷インクによる絵柄層、およ
び接着剤層を、この順にグラビア印刷により積層した構
造の転写印刷フイルムである。射出成形同時絵付け方法
は、この転写印刷フイルムを用いて以下の手順で行われ
る。即ち、転写印刷フイルムを加熱して柔軟にしたあ
と、雌型キャビティ内壁にフイルムの接着剤層が反対面
になるようにして真空密着させ、しかるのち両金型を型
締めし、ゲートより熔融樹脂をキャビティ内に射出充填
し、冷却固化させることにより、射出された樹脂の表面
に絵付けフイルムが馴染んで一体化する。そのあと両金
型を開いて成形品を取り出したとき、成形品が離型層を
界面にして熱可塑性フイルムから剥離するので、絵柄が
表面に固着した成形品が獲得される。即ち、この方法で
は絵柄層は接着剤により樹脂表面に接着する。
れる絵付けフイルムは、耐熱性に優れた熱可塑性フイル
ム上に、離型層、通常の印刷インクによる絵柄層、およ
び接着剤層を、この順にグラビア印刷により積層した構
造の転写印刷フイルムである。射出成形同時絵付け方法
は、この転写印刷フイルムを用いて以下の手順で行われ
る。即ち、転写印刷フイルムを加熱して柔軟にしたあ
と、雌型キャビティ内壁にフイルムの接着剤層が反対面
になるようにして真空密着させ、しかるのち両金型を型
締めし、ゲートより熔融樹脂をキャビティ内に射出充填
し、冷却固化させることにより、射出された樹脂の表面
に絵付けフイルムが馴染んで一体化する。そのあと両金
型を開いて成形品を取り出したとき、成形品が離型層を
界面にして熱可塑性フイルムから剥離するので、絵柄が
表面に固着した成形品が獲得される。即ち、この方法で
は絵柄層は接着剤により樹脂表面に接着する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記転写印刷フイルム
を用いる方式は、同一の絵柄を有する製品を大量に製造
する場合には非常に有効な方式であるが、初期のグラビ
ア製版費用が高価なこと、および最小ロットが数1,0
00m以上というグラビア印刷特有の課題があり、多種
類の絵柄を有する成形品を少量ずつ製造する場合には全
然対応することができない。また、絵柄層の硬度が劣る
ため、耐久性を要求される用途においては、絵柄層の上
に重なるようにアクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、また
はポリシロキサン系などのハードコート剤を事前に下地
印刷して硬化皮膜を形成しておくことが行われている
が、これがコストを倍加させている。
を用いる方式は、同一の絵柄を有する製品を大量に製造
する場合には非常に有効な方式であるが、初期のグラビ
ア製版費用が高価なこと、および最小ロットが数1,0
00m以上というグラビア印刷特有の課題があり、多種
類の絵柄を有する成形品を少量ずつ製造する場合には全
然対応することができない。また、絵柄層の硬度が劣る
ため、耐久性を要求される用途においては、絵柄層の上
に重なるようにアクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、また
はポリシロキサン系などのハードコート剤を事前に下地
印刷して硬化皮膜を形成しておくことが行われている
が、これがコストを倍加させている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記従来技術
の問題点を鋭意検討の結果、熱可塑性フイルム製の基体
フィルム上にインクジェット受容層を積層してなる絵付
け用フイルムに、色材として昇華性染料を含有する昇華
性染料インクを用いて、絵柄をインクジェット印刷した
ものを、射出成形同時絵付け方法の絵付けフイルムとし
て用いることにより、前記課題を抜本解決できること、
を見い出し本発明に到達したものである。
の問題点を鋭意検討の結果、熱可塑性フイルム製の基体
フィルム上にインクジェット受容層を積層してなる絵付
け用フイルムに、色材として昇華性染料を含有する昇華
性染料インクを用いて、絵柄をインクジェット印刷した
ものを、射出成形同時絵付け方法の絵付けフイルムとし
て用いることにより、前記課題を抜本解決できること、
を見い出し本発明に到達したものである。
【0005】
【作用】昇華性染料インクを用いてインクジェット印刷
した転写紙と、融点が265℃であるPET樹脂フイル
ムを密着加熱して、フイルムを濃色に染色するのに必要
とされる温度および加熱継続時間は、おおよそ180℃
で30秒以上である。これはPET樹脂フイルムがフイ
ルム化の過程で結晶化と配向が進んでいるため、昇華性
染料が拡散移行しにくくなっており、かかる高温エネル
ギーを必要とするのである。しかるに樹脂が熔融状態と
なっている場合、分子構造が緩んでいるため、昇華性染
料はより低エネルギーで樹脂内部に拡散移行することが
できる。加うるにこの場合、絵付けフイルムに定着して
いる昇華性染料と樹脂との密着度が、樹脂が熔融状態で
あるため極度に高まり、更に効率良く樹脂内部に拡散移
行することができる。
した転写紙と、融点が265℃であるPET樹脂フイル
ムを密着加熱して、フイルムを濃色に染色するのに必要
とされる温度および加熱継続時間は、おおよそ180℃
で30秒以上である。これはPET樹脂フイルムがフイ
ルム化の過程で結晶化と配向が進んでいるため、昇華性
染料が拡散移行しにくくなっており、かかる高温エネル
ギーを必要とするのである。しかるに樹脂が熔融状態と
なっている場合、分子構造が緩んでいるため、昇華性染
料はより低エネルギーで樹脂内部に拡散移行することが
できる。加うるにこの場合、絵付けフイルムに定着して
いる昇華性染料と樹脂との密着度が、樹脂が熔融状態で
あるため極度に高まり、更に効率良く樹脂内部に拡散移
行することができる。
【0006】本発明者は試みに、射出成形同時絵付け方
法を模擬した以下の実験を行った。まず38ミクロン厚
のPET樹脂フイルム上に後述の10ミクロン厚のイン
クジェット受容層を積層した絵付け用フイルムに、後述
の昇華性染料インクを用いてインクジェット印刷し絵付
けフイルムを作成した。そして、それをよく乾燥させ
て、80℃に維持できる金属板上に印刷面を上にして置
いた。そのあとその絵付けフイルム上に280℃程度の
熔融状態のポリカーボネート樹脂の塊を置き、その上か
ら金属板で強く押し当てつつ、30秒間保持し冷却させ
た。その結果、冷却した樹脂板表面は原画に忠実に濃色
に染色され、かつ絵付けフイルムはインクジェット受容
層がPET樹脂フイルムから剥がれることなく、樹脂板
よりスムーズに剥離できた。しかも絵付け画像の滲みは
非常に少なく高い解像度で染色されていた。このときの
滲みレベルは、前記転写紙を熱圧着してPET樹脂フィ
ルムを染色した場合よりずっと少なかった。このときの
樹脂板の平均厚みは1〜2mm程度で、熔融樹脂自身が
保有する蓄熱ネルギーは、一般成形品に適用したときに
想定されるときのレベルであった。全く同様な試みを2
20℃程度の熔融状態のポリエステルエラストマー樹脂
で行ったところ、結果は同様であった。これらの原理的
実験から、熔融樹脂の表面が急速なカーブで冷却してい
っても、当初の高温がごく短時間であっても存在すれ
ば、昇華性染料は必要量樹脂表面に解像度高く拡散移行
できること、およびインクジェット受容層が基体フイル
ムより剥がれることなく、冷却した成形品よりスムーズ
に剥離できることが分かった。本発明者の知見では、絵
付けフイルムに少なくとも200℃程度以上の熔融樹脂
が接触すれば、あとは樹脂に応じた射出成形の冷却条件
下で十分に樹脂表面を濃色に染色できる。
法を模擬した以下の実験を行った。まず38ミクロン厚
のPET樹脂フイルム上に後述の10ミクロン厚のイン
クジェット受容層を積層した絵付け用フイルムに、後述
の昇華性染料インクを用いてインクジェット印刷し絵付
けフイルムを作成した。そして、それをよく乾燥させ
て、80℃に維持できる金属板上に印刷面を上にして置
いた。そのあとその絵付けフイルム上に280℃程度の
熔融状態のポリカーボネート樹脂の塊を置き、その上か
ら金属板で強く押し当てつつ、30秒間保持し冷却させ
た。その結果、冷却した樹脂板表面は原画に忠実に濃色
に染色され、かつ絵付けフイルムはインクジェット受容
層がPET樹脂フイルムから剥がれることなく、樹脂板
よりスムーズに剥離できた。しかも絵付け画像の滲みは
非常に少なく高い解像度で染色されていた。このときの
滲みレベルは、前記転写紙を熱圧着してPET樹脂フィ
ルムを染色した場合よりずっと少なかった。このときの
樹脂板の平均厚みは1〜2mm程度で、熔融樹脂自身が
保有する蓄熱ネルギーは、一般成形品に適用したときに
想定されるときのレベルであった。全く同様な試みを2
20℃程度の熔融状態のポリエステルエラストマー樹脂
で行ったところ、結果は同様であった。これらの原理的
実験から、熔融樹脂の表面が急速なカーブで冷却してい
っても、当初の高温がごく短時間であっても存在すれ
ば、昇華性染料は必要量樹脂表面に解像度高く拡散移行
できること、およびインクジェット受容層が基体フイル
ムより剥がれることなく、冷却した成形品よりスムーズ
に剥離できることが分かった。本発明者の知見では、絵
付けフイルムに少なくとも200℃程度以上の熔融樹脂
が接触すれば、あとは樹脂に応じた射出成形の冷却条件
下で十分に樹脂表面を濃色に染色できる。
【0007】しかし、熔融樹脂温度は同じであっても、
樹脂の種類によって染色濃度は大きく異なる。昇華性染
料は元来樹脂に相溶させて成形物を鮮明に着色する樹脂
着色剤の系統に属する染料である。それから言って本発
明を適用するのにふさわしい成形用樹脂としては、ポリ
スチレン(PS)、アクリルニトリル−スチレン(A
S)、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン(AB
S)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリ
ブチレン−テレフタレート(PBT)、ポリエチレン−
テレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)
などの樹脂である。また後述する如くポリエステルエラ
ストマー樹脂は、それを構成する2成分とも昇華性染料
に非常に親和性が高い樹脂で、かつその耐熱レベルおよ
び硬度レベルを自由にいじれるので、本発明の成形用樹
脂として極めてふさわしい。
樹脂の種類によって染色濃度は大きく異なる。昇華性染
料は元来樹脂に相溶させて成形物を鮮明に着色する樹脂
着色剤の系統に属する染料である。それから言って本発
明を適用するのにふさわしい成形用樹脂としては、ポリ
スチレン(PS)、アクリルニトリル−スチレン(A
S)、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン(AB
S)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリ
ブチレン−テレフタレート(PBT)、ポリエチレン−
テレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)
などの樹脂である。また後述する如くポリエステルエラ
ストマー樹脂は、それを構成する2成分とも昇華性染料
に非常に親和性が高い樹脂で、かつその耐熱レベルおよ
び硬度レベルを自由にいじれるので、本発明の成形用樹
脂として極めてふさわしい。
【0008】本発明による成形品表面の絵柄は、昇華性
染料が成形品を構成する樹脂自身の表面の深さ方向10
〜20ミクロン程度の範囲に拡散移行して形成される。
このため成形品への絵付けの場合重視される耐擦過性に
関して、何らの後加工なしに樹脂自身と全く同じ強度を
保持できるところに大きな特徴がある。それ以外の耐熱
性、耐水性、耐油性、耐防汚性などの耐久性は樹脂と同
じとなる。しかし耐光性に関しては独自の工夫が必要で
ある。即ち昇華性染料は単独では耐光性は強くない。し
かし、これが樹脂内部に絵柄として拡散移行したあとで
は、その拡散層に存在する表面から深さ方向の樹脂全体
が絵柄の保護層として機能するので、必要に応じ樹脂自
体に紫外線吸收剤などのUVカット剤を配合しておくこ
とにより、成形品自体と同じレベルまでの耐光性を保持
させることが可能となる。
染料が成形品を構成する樹脂自身の表面の深さ方向10
〜20ミクロン程度の範囲に拡散移行して形成される。
このため成形品への絵付けの場合重視される耐擦過性に
関して、何らの後加工なしに樹脂自身と全く同じ強度を
保持できるところに大きな特徴がある。それ以外の耐熱
性、耐水性、耐油性、耐防汚性などの耐久性は樹脂と同
じとなる。しかし耐光性に関しては独自の工夫が必要で
ある。即ち昇華性染料は単独では耐光性は強くない。し
かし、これが樹脂内部に絵柄として拡散移行したあとで
は、その拡散層に存在する表面から深さ方向の樹脂全体
が絵柄の保護層として機能するので、必要に応じ樹脂自
体に紫外線吸收剤などのUVカット剤を配合しておくこ
とにより、成形品自体と同じレベルまでの耐光性を保持
させることが可能となる。
【0009】なお上記の記述から分かるように、昇華性
染料は樹脂内部に10〜20ミクロン程度の範囲にわた
って潜り込んで発色するので、対象樹脂としては原理的
に透明樹脂の場合が、表面から見たとき潜り込んだ昇華
性染料が酸化チタンなどの白色顔料により遮蔽されるこ
とがないので、最大の濃度で鮮鋭な発色が得られる。し
かし成形品は一般に白色ベースに絵付けするかたちをと
るので、成形品の表面が透明で、その下層が白色である
複層構造であるのが理想的である。これは2色同時射出
成形法を用いることにより実現できるが、装置が特殊で
あり、しかも金型が余分に必要で高価につく。このため
樹脂の白色度を乳白色レベルにしたものを用い、表面下
部に潜り込んで発色している昇華性染料も、表面よりの
視認濃度に寄与できるようにして実施するのがよい。そ
の乳白色レベルは酸化チタンを用いた場合で、一般には
5%以下、好ましくは3%以下で、必要とされる遮光性
の最小レベルに押さえるのがよい。
染料は樹脂内部に10〜20ミクロン程度の範囲にわた
って潜り込んで発色するので、対象樹脂としては原理的
に透明樹脂の場合が、表面から見たとき潜り込んだ昇華
性染料が酸化チタンなどの白色顔料により遮蔽されるこ
とがないので、最大の濃度で鮮鋭な発色が得られる。し
かし成形品は一般に白色ベースに絵付けするかたちをと
るので、成形品の表面が透明で、その下層が白色である
複層構造であるのが理想的である。これは2色同時射出
成形法を用いることにより実現できるが、装置が特殊で
あり、しかも金型が余分に必要で高価につく。このため
樹脂の白色度を乳白色レベルにしたものを用い、表面下
部に潜り込んで発色している昇華性染料も、表面よりの
視認濃度に寄与できるようにして実施するのがよい。そ
の乳白色レベルは酸化チタンを用いた場合で、一般には
5%以下、好ましくは3%以下で、必要とされる遮光性
の最小レベルに押さえるのがよい。
【0010】本発明に用いる絵付け用フイルムの基体フ
イルムは、熱可塑性で、かつ耐熱性に優れた樹脂フイル
ムである。例えばPBT樹脂フイルム、ABS樹脂フイ
ルム、アクリル樹脂フイルム、PET樹脂フイルム、ポ
リプロピレン(PP)樹脂フイルム、ポリエチレン(P
E)樹脂フイルム、ナイロン樹脂フイルム、セロハン樹
脂フイルムなどである。また多少割高であるが、エラス
トマー樹脂フイルムを用いてもよい。これらのうち使用
する樹脂の射出温度および成形品の曲率の大きさを勘案
して、ふさわしい耐熱温度および熱延伸性のフイルムを
適宜選択すればよい。一般には薄いPET樹脂フイルム
が採用できる。なおエラストマー樹脂はハードセグメン
トとソフトセグメントの2成分よりなるもので、ハード
セグメントが網目の結節点になり、ソフトセグメントが
結節点同志を網目状に結んで伸縮する。このため熱可塑
性樹脂でありながら常温で弾性ゴムのような性質を現す
ことができる。このうちハードセグメントにPBT樹脂
を、ソフトセグメントにPET樹脂もしくはポリエーテ
ル系樹脂を用いたポリエステルエラストマー樹脂は耐熱
性に優れており、柔軟性と耐熱性を両立できる基体フイ
ルムとして貴重で、加熱することなく真空吸引だけでキ
ャビティ内壁に密着できる特徴がある。上記のフイルム
の厚みはハンドリング適性や、キャビティ内壁への密着
性などを考慮して、一般に5〜100ミクロン、好まし
くは10〜50ミクロン程度である。なおこれらのフイ
ルムとインクジェット受容層との接着強度を向上させる
ため、事前にサンドブラスト処理により表面をマットに
したり、常法の化学的処理やコロナ処理によりフイルム
表面の活性度を高めて用いてもよい。
イルムは、熱可塑性で、かつ耐熱性に優れた樹脂フイル
ムである。例えばPBT樹脂フイルム、ABS樹脂フイ
ルム、アクリル樹脂フイルム、PET樹脂フイルム、ポ
リプロピレン(PP)樹脂フイルム、ポリエチレン(P
E)樹脂フイルム、ナイロン樹脂フイルム、セロハン樹
脂フイルムなどである。また多少割高であるが、エラス
トマー樹脂フイルムを用いてもよい。これらのうち使用
する樹脂の射出温度および成形品の曲率の大きさを勘案
して、ふさわしい耐熱温度および熱延伸性のフイルムを
適宜選択すればよい。一般には薄いPET樹脂フイルム
が採用できる。なおエラストマー樹脂はハードセグメン
トとソフトセグメントの2成分よりなるもので、ハード
セグメントが網目の結節点になり、ソフトセグメントが
結節点同志を網目状に結んで伸縮する。このため熱可塑
性樹脂でありながら常温で弾性ゴムのような性質を現す
ことができる。このうちハードセグメントにPBT樹脂
を、ソフトセグメントにPET樹脂もしくはポリエーテ
ル系樹脂を用いたポリエステルエラストマー樹脂は耐熱
性に優れており、柔軟性と耐熱性を両立できる基体フイ
ルムとして貴重で、加熱することなく真空吸引だけでキ
ャビティ内壁に密着できる特徴がある。上記のフイルム
の厚みはハンドリング適性や、キャビティ内壁への密着
性などを考慮して、一般に5〜100ミクロン、好まし
くは10〜50ミクロン程度である。なおこれらのフイ
ルムとインクジェット受容層との接着強度を向上させる
ため、事前にサンドブラスト処理により表面をマットに
したり、常法の化学的処理やコロナ処理によりフイルム
表面の活性度を高めて用いてもよい。
【0011】本発明に用いる昇華性染料インクは水を溶
媒とする水系インクである。このためインクジェット受
容層を構成する樹脂は、インクを迅速に吸収受容し得る
水溶性樹脂を主体に構成される。水溶性樹脂とは水溶性
または親水性の天然または合成ポリマーである。例えば
ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系
樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテ
ル−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、
ビニルピロリドン−スチレン共重合体、ビニルピロリド
ン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの単量
体およびその他の単量体から合成される水溶性アクリル
樹脂、ポリアクルルアミドなどのビニル系樹脂、ポリエ
チレンオキサイド、ポリグルタミン酸などの合成樹脂、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの
セルロース誘導体などの半合成樹脂、キチン、キトサ
ン、デンプン、ゼラチンなどの天然樹脂などから適宜選
択された1種または2種以上を使用することができる。
またポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸などのア
ルカリ金属塩などのポリアニオンの高分子電解質、ある
いはポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリ
ルアミン、ポリビニルアルキルアンモニウムハライド、
ポリビニルベンジルアルキルアンモニウムハライドなど
のポリカチオンの高分子電解質、あるいは両性高分子電
解質も使用できる。
媒とする水系インクである。このためインクジェット受
容層を構成する樹脂は、インクを迅速に吸収受容し得る
水溶性樹脂を主体に構成される。水溶性樹脂とは水溶性
または親水性の天然または合成ポリマーである。例えば
ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系
樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテ
ル−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、
ビニルピロリドン−スチレン共重合体、ビニルピロリド
ン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの単量
体およびその他の単量体から合成される水溶性アクリル
樹脂、ポリアクルルアミドなどのビニル系樹脂、ポリエ
チレンオキサイド、ポリグルタミン酸などの合成樹脂、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの
セルロース誘導体などの半合成樹脂、キチン、キトサ
ン、デンプン、ゼラチンなどの天然樹脂などから適宜選
択された1種または2種以上を使用することができる。
またポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸などのア
ルカリ金属塩などのポリアニオンの高分子電解質、ある
いはポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリ
ルアミン、ポリビニルアルキルアンモニウムハライド、
ポリビニルベンジルアルキルアンモニウムハライドなど
のポリカチオンの高分子電解質、あるいは両性高分子電
解質も使用できる。
【0012】またインクジェット受容層の上にインクの
乾燥性や耐ブロッキング性を向上させる目的で、無機微
粒子を分散させた親水性樹脂などからなるオーバーコー
ト層を設けてもよい。親水性樹脂とは、少なくとも常温
では水に不溶であるがインク透過性を有する樹脂であ
る。例えばポリビニルホルマール、ポリビニルアセトア
セタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセ
タール系樹脂、ポリビニルイソブチルエーテルなどのポ
リアルキルビニルエーテル、アクリル酸、メタアクリル
酸あるいはそれらのエステル類などから合成される親水
性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂などを挙げるこ
とができる。
乾燥性や耐ブロッキング性を向上させる目的で、無機微
粒子を分散させた親水性樹脂などからなるオーバーコー
ト層を設けてもよい。親水性樹脂とは、少なくとも常温
では水に不溶であるがインク透過性を有する樹脂であ
る。例えばポリビニルホルマール、ポリビニルアセトア
セタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセ
タール系樹脂、ポリビニルイソブチルエーテルなどのポ
リアルキルビニルエーテル、アクリル酸、メタアクリル
酸あるいはそれらのエステル類などから合成される親水
性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂などを挙げるこ
とができる。
【0013】インクジェット受容層の厚みは薄すぎる
と、迅速に着地インクを吸収することができず、着地し
たインク同志が表面で合体してしまうので高画質なカラ
ー画像を印刷することができない。逆に厚すぎるとそれ
自身から解離しない昇華性染料の比率が大きくなるの
で、高濃度性を実現するうえで障害となる。それらを考
慮して、一般的には3〜50ミクロン、好ましくは5〜
20ミクロン程度の膜厚でよい。これらの樹脂を用いて
インクジェット受容層を形成するには、これらの樹脂を
適当な溶剤に溶解させて適当な濃度にしたあとコーティ
ングすればよい。これらの水溶性樹脂を主体とするイン
クジェット受容層は、一般に熔融樹脂がその表面に接触
して固化した場合において、冷却後は接着することが少
なく好都合である。また昇華性染料はインクジェット受
容層と一体化して1個の層を形成しているので、基体フ
イルムの耐熱保護層としての役割を果たすとともに、キ
ャビティ内の熔融樹脂の流れによる絵柄流動を防ぐ。
と、迅速に着地インクを吸収することができず、着地し
たインク同志が表面で合体してしまうので高画質なカラ
ー画像を印刷することができない。逆に厚すぎるとそれ
自身から解離しない昇華性染料の比率が大きくなるの
で、高濃度性を実現するうえで障害となる。それらを考
慮して、一般的には3〜50ミクロン、好ましくは5〜
20ミクロン程度の膜厚でよい。これらの樹脂を用いて
インクジェット受容層を形成するには、これらの樹脂を
適当な溶剤に溶解させて適当な濃度にしたあとコーティ
ングすればよい。これらの水溶性樹脂を主体とするイン
クジェット受容層は、一般に熔融樹脂がその表面に接触
して固化した場合において、冷却後は接着することが少
なく好都合である。また昇華性染料はインクジェット受
容層と一体化して1個の層を形成しているので、基体フ
イルムの耐熱保護層としての役割を果たすとともに、キ
ャビティ内の熔融樹脂の流れによる絵柄流動を防ぐ。
【0014】なおインクジェット受容層は水溶性樹脂で
あるため、一般的に吸湿性がある場合が多く表面が膨潤
しやすい。またインクジェットヘッドが乾燥して目詰ま
りが発生しないように、昇華性染料インクには高沸点の
グリコールが配合されているので、インクを吸収した印
刷画像部は膨潤状態となりやすい。このため成形作業前
に絵付けフイルムを十分に乾燥させておかないと、十分
な光沢感ある成形品表面を得ることができない。より優
れた光沢感ある表面を求めるならば、インクジェット印
刷したあとの絵付けフイルムを十分に乾燥さして、シリ
コーンをコーティングして平滑層を形成してから成形作
業に移ればよい。何故ならシリコーンは昇華性染料と親
和性がないので、加熱されたとき昇華性染料をその内部
に留どめることなく、熔融樹脂のほうへそのまま通過さ
せるからである。その厚みは平滑層を形成できる最小で
よく、一般には0.1〜20ミクロン、好ましくは1〜
5ミクロン程度である。なおインクジェット受容層は水
溶性樹脂のコーティング層に昇華性染料が付着している
状態にあるので、水溶性樹脂を膨潤させず、かつ昇華性
染料を滲ませないように、手際よくコーティングを完了
する必要がある。例えば、粘度の高いエマルジョン型の
シリコーンをコーティングし、製膜後速やかに、もしく
はそれと同時的に素早く乾燥させる方式などがある。こ
のとき重要なことは、シリコーンのコーティングが上記
機能のみに止まらないことである。第1はシリコーンは
最高度の耐熱性があるので、熔融樹脂温度が高くて基体
フイルムやインクジェット受容層が熔融して流れる危険
がある場合においても、このコーティング層がそれを防
止できるからである。第2はシリコーンは最高度の離型
性があるので、どのような熔融樹脂の場合においても成
形品の離型が非常にスムーズに行えることである。なお
離型だけが問題なのであれば、シリコーンやフッ素のオ
イルをスプレーする方法をとってもよい。以上のことは
従来の絵柄層接着型の射出成形同時絵付け方法では、熔
融樹脂と絵柄層を乗せている接着剤層とが接着する必要
があるため、原理的に到底実施不可能な事柄である。
あるため、一般的に吸湿性がある場合が多く表面が膨潤
しやすい。またインクジェットヘッドが乾燥して目詰ま
りが発生しないように、昇華性染料インクには高沸点の
グリコールが配合されているので、インクを吸収した印
刷画像部は膨潤状態となりやすい。このため成形作業前
に絵付けフイルムを十分に乾燥させておかないと、十分
な光沢感ある成形品表面を得ることができない。より優
れた光沢感ある表面を求めるならば、インクジェット印
刷したあとの絵付けフイルムを十分に乾燥さして、シリ
コーンをコーティングして平滑層を形成してから成形作
業に移ればよい。何故ならシリコーンは昇華性染料と親
和性がないので、加熱されたとき昇華性染料をその内部
に留どめることなく、熔融樹脂のほうへそのまま通過さ
せるからである。その厚みは平滑層を形成できる最小で
よく、一般には0.1〜20ミクロン、好ましくは1〜
5ミクロン程度である。なおインクジェット受容層は水
溶性樹脂のコーティング層に昇華性染料が付着している
状態にあるので、水溶性樹脂を膨潤させず、かつ昇華性
染料を滲ませないように、手際よくコーティングを完了
する必要がある。例えば、粘度の高いエマルジョン型の
シリコーンをコーティングし、製膜後速やかに、もしく
はそれと同時的に素早く乾燥させる方式などがある。こ
のとき重要なことは、シリコーンのコーティングが上記
機能のみに止まらないことである。第1はシリコーンは
最高度の耐熱性があるので、熔融樹脂温度が高くて基体
フイルムやインクジェット受容層が熔融して流れる危険
がある場合においても、このコーティング層がそれを防
止できるからである。第2はシリコーンは最高度の離型
性があるので、どのような熔融樹脂の場合においても成
形品の離型が非常にスムーズに行えることである。なお
離型だけが問題なのであれば、シリコーンやフッ素のオ
イルをスプレーする方法をとってもよい。以上のことは
従来の絵柄層接着型の射出成形同時絵付け方法では、熔
融樹脂と絵柄層を乗せている接着剤層とが接着する必要
があるため、原理的に到底実施不可能な事柄である。
【0015】本発明に用いられる昇華性染料は昇華性ま
たは蒸発性の機能を有する染料であればいずれであって
もよく、好ましくは大気圧下、70〜260℃で昇華ま
たは蒸発する染料である。これらの染料としては、例え
ばアゾ、アントラキノン、キノフタロン、スチリル、ジ
またはトリフェニルメタン、オキサジン、トリアジン、
キサンテン、メチン、アゾメチン、アクリジン、ジアジ
ンなどの昇華または蒸発性を有する染料が挙げられ、こ
れらの他に、1,4−ジメチルアミノアントラキノン、
臭化または塩化1,5−ジヒドロオキシ−4,8−ジア
ミノアントラキノン、1,4−ジアミノ−2,3−ジク
ロロ−アントラキノン、1,アミノ−ヒドロオキシ−ア
ントラキノン、1−アミノ−4−ヒドロオキシ−2−
(β−メトキシ−エトキシ)−アントラキノン、1−ア
ミノ−4−ヒドロオキシ−2−フェノキシ−アントラキ
ノン、1,4−ジアミノ−アントラキノン−2−カルボ
キシル酸のメチル、エチル、プロピルまたはブチルエス
テル、1−アミノ−4−アニリド−アントラキノン、1
−アミノ−2−シアノ−4−アニリド(またはシクロヘ
キシルアミノ)−アントラキノン、1−ヒドロオキシ−
2−(p−アセトアミノ−フェニルアゾ)−4−メチル
ベンゼン、3−メチル−4−(ニトロフェニルアゾ)−
ピラゾロン、3−ヒドロオキシ−キノフタロンなどの染
料が挙げられる。また塩基性染料として、例えばマラカ
イトグリーン、メチルバイオレット等を用いることがで
き、酢酸ナトリウム、ナトリウムエタレート、ナトリウ
ムメチラート等で変性した染料も使用する事ができる。
たは蒸発性の機能を有する染料であればいずれであって
もよく、好ましくは大気圧下、70〜260℃で昇華ま
たは蒸発する染料である。これらの染料としては、例え
ばアゾ、アントラキノン、キノフタロン、スチリル、ジ
またはトリフェニルメタン、オキサジン、トリアジン、
キサンテン、メチン、アゾメチン、アクリジン、ジアジ
ンなどの昇華または蒸発性を有する染料が挙げられ、こ
れらの他に、1,4−ジメチルアミノアントラキノン、
臭化または塩化1,5−ジヒドロオキシ−4,8−ジア
ミノアントラキノン、1,4−ジアミノ−2,3−ジク
ロロ−アントラキノン、1,アミノ−ヒドロオキシ−ア
ントラキノン、1−アミノ−4−ヒドロオキシ−2−
(β−メトキシ−エトキシ)−アントラキノン、1−ア
ミノ−4−ヒドロオキシ−2−フェノキシ−アントラキ
ノン、1,4−ジアミノ−アントラキノン−2−カルボ
キシル酸のメチル、エチル、プロピルまたはブチルエス
テル、1−アミノ−4−アニリド−アントラキノン、1
−アミノ−2−シアノ−4−アニリド(またはシクロヘ
キシルアミノ)−アントラキノン、1−ヒドロオキシ−
2−(p−アセトアミノ−フェニルアゾ)−4−メチル
ベンゼン、3−メチル−4−(ニトロフェニルアゾ)−
ピラゾロン、3−ヒドロオキシ−キノフタロンなどの染
料が挙げられる。また塩基性染料として、例えばマラカ
イトグリーン、メチルバイオレット等を用いることがで
き、酢酸ナトリウム、ナトリウムエタレート、ナトリウ
ムメチラート等で変性した染料も使用する事ができる。
【0016】
【実施例】絵付けフイルム1
38ミクロンの厚みのPETフイルム「ルミラー」(商
標、東レ社製)に、水性ポリウレタン樹脂系のインクジ
ェットコーティング剤「パテラコールIJ−70」(商
標、大日本インキ化学工業社製)を10ミクロンの厚み
に積層しインクジェット受容層を形成した。この上にイ
ンクジェットプリンタ「MJ−8000C」(商標、セ
イコーエプソン社製)を使用して、4色セットの昇華性
染料インク(BASF社製)を吐出してフルカラー画像
を印刷し、絵付けフイルム1を得た。 絵付けフイルム2 前記絵付けフイルム1において、「パテラコールIJ−
70」の替わりに、ポリビニルアルコール「PVA20
5」(商標、重合度500、鹸化度88モル%、クラレ
社製)をインクジェットコーティング剤に用いるだけ
で、他は全く同じ条件で絵付けフイルム2を得た。
標、東レ社製)に、水性ポリウレタン樹脂系のインクジ
ェットコーティング剤「パテラコールIJ−70」(商
標、大日本インキ化学工業社製)を10ミクロンの厚み
に積層しインクジェット受容層を形成した。この上にイ
ンクジェットプリンタ「MJ−8000C」(商標、セ
イコーエプソン社製)を使用して、4色セットの昇華性
染料インク(BASF社製)を吐出してフルカラー画像
を印刷し、絵付けフイルム1を得た。 絵付けフイルム2 前記絵付けフイルム1において、「パテラコールIJ−
70」の替わりに、ポリビニルアルコール「PVA20
5」(商標、重合度500、鹸化度88モル%、クラレ
社製)をインクジェットコーティング剤に用いるだけ
で、他は全く同じ条件で絵付けフイルム2を得た。
【0017】(実施例1)事前によく乾燥させた絵付け
フイルム1、および2を用いて、PC樹脂「パンライト
G−3410R」(商標、帝人化成社製)を射出温度2
80℃、金型温度90℃の条件で、調色プレートの射出
成形同時絵付けを行った。2ケースともに濃度あるカラ
ーで高解像に染色された成形品を得た。しかも冷却後の
絵付けフイルムの成形品よりの剥離はスムーズであっ
た。
フイルム1、および2を用いて、PC樹脂「パンライト
G−3410R」(商標、帝人化成社製)を射出温度2
80℃、金型温度90℃の条件で、調色プレートの射出
成形同時絵付けを行った。2ケースともに濃度あるカラ
ーで高解像に染色された成形品を得た。しかも冷却後の
絵付けフイルムの成形品よりの剥離はスムーズであっ
た。
【0018】(実施例2)事前によく乾燥させた絵付け
フイルム1、および2を用いて、ポリエステルエラスト
マー「ヌーベラン4400」(商標、帝人化成社製)を
射出温度280℃、金型温度70℃の条件で、調色プレ
ートの射出成形同時絵付けを行った。2ケースともに濃
度あるカラーで高解像に染色された成形品を得た。しか
も冷却後の絵付けフイルムの成形品よりの剥離はスムー
ズであった。
フイルム1、および2を用いて、ポリエステルエラスト
マー「ヌーベラン4400」(商標、帝人化成社製)を
射出温度280℃、金型温度70℃の条件で、調色プレ
ートの射出成形同時絵付けを行った。2ケースともに濃
度あるカラーで高解像に染色された成形品を得た。しか
も冷却後の絵付けフイルムの成形品よりの剥離はスムー
ズであった。
【0019】(実施例3)事前によく乾燥させた絵付け
フイルム1、および2を用いて、ポリエステルエラスト
マー「ヌーベラン4100」(商標、帝人化成社製)を
射出温度250℃、金型温度50℃の条件で、調色プレ
ートの射出成形同時絵付けを行った。2ケースともに濃
度あるカラーで高解像に染色された成形品を得た。しか
も冷却後の絵付けフイルムの成形品よりの剥離はスムー
ズであった。
フイルム1、および2を用いて、ポリエステルエラスト
マー「ヌーベラン4100」(商標、帝人化成社製)を
射出温度250℃、金型温度50℃の条件で、調色プレ
ートの射出成形同時絵付けを行った。2ケースともに濃
度あるカラーで高解像に染色された成形品を得た。しか
も冷却後の絵付けフイルムの成形品よりの剥離はスムー
ズであった。
【0020】(実施例4)事前によく乾燥させた絵付け
フイルム1、および2を用いて、ポリエステルエラスト
マー「ヌーベラン4000」(商標、帝人化成社製)を
射出温度220℃、金型温度40℃の条件で、調色プレ
ートの射出成形同時絵付けを行った。2ケースともに濃
度あるカラーで高解像に染色された成形品を得た。しか
も冷却後の絵付けフイルムの成形品よりの剥離はスムー
ズであった。
フイルム1、および2を用いて、ポリエステルエラスト
マー「ヌーベラン4000」(商標、帝人化成社製)を
射出温度220℃、金型温度40℃の条件で、調色プレ
ートの射出成形同時絵付けを行った。2ケースともに濃
度あるカラーで高解像に染色された成形品を得た。しか
も冷却後の絵付けフイルムの成形品よりの剥離はスムー
ズであった。
【0021】(実施例5)絵付けフイルム1、および2
を十分に乾燥さしたあと、その上に高粘度のメチルポリ
シロキサンエマルジョン「BY22−029」(商標、
東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)をコーティ
ングし、製膜後すぐに温風乾燥し3ミクロン厚に積層し
た絵付けフイルム11、および22を得た。この絵付け
フイルムを用いて、前記PC樹脂「パンライトG−34
10R」を射出温度280℃、金型温度90℃の条件
で、調色プレートの射出成形同時絵付けを行った。2ケ
ースともに濃度あるカラーで高解像に染色された成形品
を得た。しかも冷却後の絵付けフイルムの成形品よりの
剥離は非常にスムーズであった。しかも成形品の表面の
光沢は実施例1におけるよりも各段に優れていた。
を十分に乾燥さしたあと、その上に高粘度のメチルポリ
シロキサンエマルジョン「BY22−029」(商標、
東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)をコーティ
ングし、製膜後すぐに温風乾燥し3ミクロン厚に積層し
た絵付けフイルム11、および22を得た。この絵付け
フイルムを用いて、前記PC樹脂「パンライトG−34
10R」を射出温度280℃、金型温度90℃の条件
で、調色プレートの射出成形同時絵付けを行った。2ケ
ースともに濃度あるカラーで高解像に染色された成形品
を得た。しかも冷却後の絵付けフイルムの成形品よりの
剥離は非常にスムーズであった。しかも成形品の表面の
光沢は実施例1におけるよりも各段に優れていた。
【0022】(実施例6)実施例5にて作成した絵付け
フイルム11、および22を用いて前記ポリエステルエ
ラストマー「ヌーベラン4100」を射出温度250
℃、金型温度50℃の条件で、調色プレートの射出成形
同時絵付けを行った。2ケースともに濃度あるカラーで
高解像に染色された成形品を得た。しかも冷却後の絵付
けフイルムの成形品よりの剥離は非常にスムーズであっ
た。しかも成形品の表面の光沢は実施例3におけるより
も各段に優れていた。
フイルム11、および22を用いて前記ポリエステルエ
ラストマー「ヌーベラン4100」を射出温度250
℃、金型温度50℃の条件で、調色プレートの射出成形
同時絵付けを行った。2ケースともに濃度あるカラーで
高解像に染色された成形品を得た。しかも冷却後の絵付
けフイルムの成形品よりの剥離は非常にスムーズであっ
た。しかも成形品の表面の光沢は実施例3におけるより
も各段に優れていた。
【0023】
【発明の効果】本発明によりインクジェットプリンタを
使用して、即座に、無製版で自由なデザインの絵付けフ
イルムを、非常に安価に製造できるので、多種類の絵柄
付き射出成形品を、非常な少ロット単位に単納期で製造
することが可能となった。また絵柄が樹脂自身を染色し
て形成されるので、耐擦過性などの耐久性が各段に向上
した射出成形品が可能となった。
使用して、即座に、無製版で自由なデザインの絵付けフ
イルムを、非常に安価に製造できるので、多種類の絵柄
付き射出成形品を、非常な少ロット単位に単納期で製造
することが可能となった。また絵柄が樹脂自身を染色し
て形成されるので、耐擦過性などの耐久性が各段に向上
した射出成形品が可能となった。
Claims (6)
- 【請求項1】キャビティ空間を形成する雌型と雄型とを
開き、両金型間に絵付けフイルムを間に挟んで型締め
し、ゲートより熔融樹脂をキャビティ内に射出充填し、
冷却固化させることにより、射出された樹脂の表面に絵
付けフイルムを一体化させ、しかるのち両金型を開き、
表面に絵付けが成された成形品を得る射出成形同時絵付
け方法において、絵付けフイルムが熱可塑性フイルム製
の基体フイルム上にインクジェット受容層を積層してな
る絵付け用フイルムに、昇華性染料を含有するインクを
用いてインクジェット印刷された絵付けフイルムである
こと、を特徴とするインモールド絵付け方法。 - 【請求項2】絵付けフイルム表面にシリコーンがコーテ
ィングされていること、を特徴とする請求項1記載のイ
ンモールド絵付け方法。 - 【請求項3】熔融樹脂がポリカーボネート樹脂であるこ
と、を特徴とする請求項1、もしくは2記載のインモー
ルド絵付け方法。 - 【請求項4】熔融樹脂がポリエステルエラストマー樹脂
であること、を特徴とする請求項1、もしくは2記載の
インモールド絵付け方法。 - 【請求項5】基体フイルムがポリエステルエラストマー
樹脂フイルムであること、を特徴とする請求項1、2、
3、もしくは4記載のインモールド絵付け方法。 - 【請求項6】請求項1、2、3、4、もしくは5記載の
インモールド絵付け方法に用いる絵付け用フイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001363423A JP2003159723A (ja) | 2001-09-17 | 2001-10-25 | インモールド絵付け方法、およびこれに用いる絵付け用フイルム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-324203 | 2001-09-17 | ||
JP2001324203 | 2001-09-17 | ||
JP2001363423A JP2003159723A (ja) | 2001-09-17 | 2001-10-25 | インモールド絵付け方法、およびこれに用いる絵付け用フイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003159723A true JP2003159723A (ja) | 2003-06-03 |
JP2003159723A5 JP2003159723A5 (ja) | 2005-06-30 |
Family
ID=26624032
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001363423A Withdrawn JP2003159723A (ja) | 2001-09-17 | 2001-10-25 | インモールド絵付け方法、およびこれに用いる絵付け用フイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003159723A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003089223A1 (fr) * | 2002-04-19 | 2003-10-30 | Asahi Glass Company, Limited | Procede de production d'un article decore dans le moule et article decore dans le moule |
JP2014156130A (ja) * | 2014-04-30 | 2014-08-28 | Dainippon Printing Co Ltd | 三次元成形加飾フィルムの製造方法、加飾成形品及びその製造方法 |
JP2018020532A (ja) * | 2016-08-05 | 2018-02-08 | 三菱ケミカル株式会社 | 成形性良好な加飾シート用基材及びそれを用いた加飾品の製造方法 |
-
2001
- 2001-10-25 JP JP2001363423A patent/JP2003159723A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003089223A1 (fr) * | 2002-04-19 | 2003-10-30 | Asahi Glass Company, Limited | Procede de production d'un article decore dans le moule et article decore dans le moule |
JP2014156130A (ja) * | 2014-04-30 | 2014-08-28 | Dainippon Printing Co Ltd | 三次元成形加飾フィルムの製造方法、加飾成形品及びその製造方法 |
JP2018020532A (ja) * | 2016-08-05 | 2018-02-08 | 三菱ケミカル株式会社 | 成形性良好な加飾シート用基材及びそれを用いた加飾品の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
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