JP2003159301A - 電動昇降式ストレッチャーにおけるパワーユニット系部品のレイアウト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バッテリーを始とする電動昇降部品を下部フ
レームにまとめて装着する方式を止め、上部フレーム下
面等を巧みに利用したレイアウトを採用し、メンテナン
ス性を向上した。 【解決手段】 バッテリー２７とコントローラー２８を
上部フレーム６に配設するとともに、電動モータ付きボ
ールねじ軸１０の下部を下部フレーム２に、上端をパン
タグラフ１１の適所にピン結合した電動昇降式ストレッ
チャー１のパワーユニットのレイアウト。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、肢体不自由者や寝
たきり老人等の入浴に供せられる特殊入浴装置における
電動昇降式ストレッチャーの昇降駆動系、即ちパワーユ
ニット系部品のレイアウトに係り、殊にメンテナンス性
能を大巾に向上せんとしたものである。 【０００２】 【従来の技術】従来の電動昇降式ストレッチャーは、図
４に示すように、上部フレームＡ上に載置させた洗い台
Ｂを操作スイッチＳＷの操作により、実線示から破線示
間の昇降ストロークＳの範囲内において、任意の高さ位
置で停止出来るように構成されている。 【０００３】これは、洗い台Ｂ上の担架（図示せず）
に、入浴者を乗り降りさせる移動作業や洗体作業を無理
のない介助姿勢で行わんがためである。 【０００４】従って、上記洗い台Ｂの昇降駆動部材、即
ち、パワーユニット系各部品は、昇降動に支障を及ぼす
恐れのない位置へ装着する必要があり、通常こうしたパ
ワーユニット系各部品は、矩形に枠組された下部フレー
ムＤと床面Ｆとの間の比較的広い空きスペースを利用し
て取付けられている。即ち、上部フレームＡと下部フレ
ームＤとの間を直接又は適当なブラケットを介して連結
するシリンダーＣ（又はボールねじ軸）と、このシリン
ダーに連結動作するパンタグラフＥに駆動力を附与する
電動油圧モータＧ（又は電動モータ）バッテリーＨ、お
よびコントローラーＪ等のパワーユニット系各部品は、
図示しないブラケットを介して下部フレームＤにまとめ
て吊持されるので、湯・水のはね返りが激しく、防水対
策上、これ等全体をカバーＫで覆う方式が採用されてい
る。 【０００５】この結果、バッテリーＨの点検や交換作業
ならびに使用後の充電時に行う充電器との接続及び充電
完了後の接続解除作業は、いずれも作業性の著しく不便
な床面Ｆ近くの低い位置で、しかもカバーＫを取り外し
た後、実施せねばならない。又、何らかの原因で昇降不
能となった場合、仮に洗い台Ｂが最下端付近にて停止し
てしまっていてるケースでは、カバーＫの取り外しが不
可のため、その修理には多大な手間と労力を費やすこと
になる。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した問題
点に鑑み、パワーユニット系部品の設置にあたり、従来
例にとらわれない新規、且つ実用的なレイアウトを採用
することによってメンテナンス性能を向上した電動昇降
式ストレッチャーを提供することを目的とする。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項１記
載の電動昇降式ストレッチャーは、バッテリーとコント
ローラーを上部フレームの下面に配設すると共に、ボー
ルねじ軸は、その両軸端の一方を下部フレームに、他端
をパンタグラフの上部転動ローラ付プレートに接続配置
し、同時に上記ボールねじ軸を伸縮駆動する電動モータ
は、ボールねじ軸と一体的に連結配置したパワーユニッ
ト系部品のレイアウトを特徴とする。 【０００８】 【作用】上記手段によれば、バッテリーとコントローラ
ーは、昇降動する上部フレーム側に配設したため、点検
および交換作業は、作業性の悪い低所での作業から解放
されると同時に、カバー着脱の手間が省けるばかりか、
例え最下端位置で故障しても即座に修理が行える。 【０００９】又、日常頻繁に行われる充電作業と充電解
除作業も任意の高さ位置で行えるため、その作業性も改
善される。更に、最下端に位置していたとしても、バッ
テリーとコントローラー並びに電動モータは、湯・水の
跳ね返りが届かない程度に床面から離れて配設されてい
るので、専用カバーの装備を必要としない。 【００１０】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図１
乃至図３に基いて説明する。図中、本発明に係る電動昇
降式ストレッチャーは、その全体を符号１によって示さ
れている。２は、角パイプ材等で作製された下部フレー
ムで、この下部フレーム２は、左右一対の横フレーム
３，３と、この横フレーム３，３間の前後に剛結した縦
フレーム４Ａ，４Ｂによって枠体を形成している。上記
縦フレームのうち、前方の縦フレーム４Ａは、横フレー
ム前端面より内方に離れた位置に接合されている。又、
下部フレーム２には、上記縦・横フレーム以外に枠体の
剛性アップのための補強材や他部品との連結を計るため
の諸部材が各所適当に接合されている。 【００１１】５は、ＦＲＰ製の洗い台で、この洗い台５
は、上部フレーム６上に固定される。上部フレーム６
は、その前後方向の中央部分に配した左右一対の角パイ
プ７と、この角パイプの前後の端面に一端を各々連接
し、他端を上方に向けて折曲した丸パイプ８Ａ，８Ｂ
と、この丸パイプ８Ａ，８Ｂの折曲端間を連接するハン
ドル部材９Ａ，９Ｂとによって枠組体を形成したもので
ある。 【００１２】１０はボールねじ軸、１１はボールねじ軸
と連動動作するパンタグラフで、これらは前記上下フレ
ーム２，６間に後述の如く配設される。即ち、先ず、パ
ンタグラフ１１と上下フレームとの間の取付関係である
が、これは通常行われている方式と同様なので詳細な説
明を省くが、要は図１にあって、パンタグラフ１１の連
結軸１２の右方に位置する接続ポイトＸ１は、パンタグ
ラフ１１の外側プレート１４の上端を上部フレーム側と
ピン結合させ、又、Ｙ１は内側プレート１３の下端を下
部フレーム側にピン結合したものである。他方、Ｘ２，
Ｙ２は、パンタグラフ１１の内・外側プレート１３，１
４の各々の他端に設けた転動コロ等のスライド部材を介
して上下フレームに各々設置したガイドプレート上をス
ライド可能に取付けしたもので、周知のパンタグラフ作
動が行われる。 【００１３】次に、ボールねじ軸１０であるが、このボ
ールねじ軸１０には、その両軸端にナックル部分１５，
１６が刻設され、そのうち下方のナックル１５は、ねじ
軸の軸芯がストレッチャー１の左右方向の中心線と一致
するよう下部フレーム２側の取付メンバー１７にピン１
８を介して回転自在に結合され、上方のナックル１６
は、図３に示す如く、上記パンタグラフ１１の内側プレ
ート１３，１３にボルト等により固定されたブラケット
１９とピン２０を介して回転可能に連結されている。
尚、図３には、前述したＸ２およびＸ１部分の結合例の
一例を示している。即ち、Ｘ２では、パンタグラフ１１
の内側プレート１３，１３に転動ローラー２２，２２を
軸支させ、この転動ローラーのガイド部材２１，２１を
上部フレーム６の角パイプ７，７に夫々装備した状態を
示し、又、Ｘ１は、パンタグラフ１１の外側プレート１
４，１４と、角パイプ７，７間を連接する取付メンバー
２３に設けたブラケット２４，２４とをピン２５，２５
により結合した状態を示している。 【００１４】上記ボールねじ軸１０には、樹脂製ケース
に収められた電動モータ２６が一体結合され、この電動
モータ２６の正逆回転により、ボールねじ軸１０を伸縮
運動させる。尚、こうした一体型化したドライブ機構
は、既に一般に市販されている製品である。 【００１５】更に、上部フレーム６を形成する丸パイプ
８Ａの下面には、樹脂製ボックスに収納されたバッテリ
ー２７コントローラー２８を奥側にコントローラーを、
手前側にバッテリーを直列に配設している。そして、コ
ントローラー２８は、丸パイプ８Ａに付設した適当なブ
ラケット等を介してねじ止めし、バッテリー２７は適当
な係止片又は引出し部材等を介してワンタッチで着脱可
能に配設するのが好ましい。尚、バッテリー２７とコン
トローラー２８の対接面には、接触子を互いに具えてい
て、図示の如く直列配置することで電気的に結線される
タイプのもので、両者がセット販売されている市販品を
採用しているが、異なるタイプのものでは、両者を切り
離して配置しても良く、要は、上部フレーム６の下面に
有って、昇降動の際に他部品と干渉しない位置へ配設す
れば良い。 【００１６】而して、今、操作スイッチ２９の「上昇」
・「下降」の押ボタンを押圧操作すれば、電動モータ２
６の正又は逆回転によりボールねじ軸１０を伸縮動させ
るので、パンタグラフ１１を介して上部フレーム６を洗
い台５と共に昇降させることが出来る。そして、スイッ
チの押圧操作を止めれば、その場で停止し、所望の高さ
位置を自由に確保出来る。 【００１７】 【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、昇降する上部フレーム６の下面にバッテリー２７と
コントローラー２８を配設すると共に、電動モータ２６
付きのボールねじ軸１０における下端を下部フレーム２
に、他端をパンタグラフ１１の適所に回転自在に結合し
た結果、バッテリー２７の点検・交換ならびに充電作業
は、従来のように、床面近くの低所でしかもカバーの着
脱を行う必要がないため、大巾な改善が望まれ、且つ
又、最下端位置付近で故障して停止したとしても、即刻
修理作業に入ることが出来る。又、ドライブ機構、即ち
電動モータ２６付のボールねじ軸１０は、上下２ヶ所の
ピンを抜くだけで取り外しが出来るので、修理・交換等
のメンテナンス性能は従来に比し大巾に向上する。更
に、バッテリー２７とコントローラー２８等の電気系部
品は、最下降しても、湯・水の跳ね返りを直接被る位置
にないため、カバー等の防水対策を必要とせず、経済的
にもメリットを有する。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の電動昇降式ストレッチャーの側面図で
ある。 【図２】本発明の電動昇降式ストレッチャーの正面図で
ある。 【図３】本発明の要部の一部横断平面図である。 【図４】従来の電動昇降式ストレッチャーの側面図であ
る。 【符号の説明】 １ 電動昇降式ストレッチャー ２ 下部フレーム ６ 上部フレーム １０ ボールねじ軸 １１ パンタグラフ １３ 内側プレート １４ 外側プレート ２２ 転動ローラー ２６ 電動モータ ２７ バッテリー ２８ コントローラー

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 特殊入浴装置等に供せられる電動昇降式
   ストレッチャーにおいて、バッテリーとコントローラー
   を上部フレームの下面に配設すると共に、ボールねじ軸
   は、その両軸端の一方を下部フレームに、他端をパンタ
   グラフの上部転動ローラ付プレートに接続配置し、同時
   に上記ボールねじ軸を伸縮駆動する電動モータは、ボー
   ルねじ軸と一体的に連結配置されていることを特徴とす
   る電動昇降式ストレッチャーにおけるパワーユニット系
   部品のレイアウト。