JP2003158828A - 組電池用の電圧レベル均等化装置 - Google Patents

組電池用の電圧レベル均等化装置

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JP2003158828A
JP2003158828A JP2001354079A JP2001354079A JP2003158828A JP 2003158828 A JP2003158828 A JP 2003158828A JP 2001354079 A JP2001354079 A JP 2001354079A JP 2001354079 A JP2001354079 A JP 2001354079A JP 2003158828 A JP2003158828 A JP 2003158828A
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Daisuke Konishi
大助 小西
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組電池において各単電池間の電圧レベルを的
確に均等化できる電圧レベル均等化装置を提供する。 【解決手段】 組電池CBのから引き出された複数の端
子のうちの電位の高低で隣合う端子の組み合わせの夫々
に対応して電圧印加回路20が設けられ、電圧印加回路
20の夫々が、前記端子に印加される電圧を整流する整
流用ダイオード17を備えて、スイッチング電源回路の
一部をなすように構成され、電圧印加回路20にて前記
端子に電圧を印加することによって、各単電池の電圧レ
ベルを各単電池間で均等化する組電池用の電圧レベル均
等化装置において、前記スイッチング電源回路のスイッ
チング周波数及びデューティ比を、整流用ダイオード1
7の順電圧の素子間ばらつきが小さい小電流域の電流を
流すように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも1箇所
において単電池と単電池とが電気的に直列接続される状
態で複数の単電池を組み合わせて構成した組電池におけ
る単電池と単電池とが直列接続される箇所から引き出さ
れた中間の端子のうちの少なくとも1つの端子、前記組
電池の正極から引き出された正極用の端子、及び、前記
組電池の負極から引き出された負極用の端子のうちの電
位の高低で隣合う端子の組み合わせの夫々に対応して電
圧印加回路が設けられ、前記電圧印加回路の夫々が、前
記端子に印加される電圧を整流する整流用ダイオードを
備えて、スイッチング電源回路の一部をなすように構成
され、前記電圧印加回路にて前記端子に電圧を印加する
ことによって、各単電池の電圧レベルを各単電池間で均
等化する組電池用の電圧レベル均等化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】組電池は、単電池を直列又は並列に組み
合わせて1つの電池としてまとめたものであり、携帯型
パーソナルコンピュータや電気自動車等の種々の機器に
利用されている。このように構成された組電池は、組電
池の充電時や使用時等において個々の単電池間で充電又
は放電の進行程度がばらつくことで、各単電池の電圧レ
ベルが単電池間でばらつき、ある単電池は満充電に近い
状態であるが他の単電池はかなり放電が進行したのに相
当する状態であるというような状況となる場合がある。
このような場合のために、組電池用の電圧レベル均等化
装置を利用して各単電池の充放電状態を均等化すること
ができる。電圧レベル均等化装置として一般的な構成
は、放電がそれほど進行しておらずより高い電圧レベル
の単電池を放電させて、放電が進んだ単電池の電圧レベ
ルに近づける操作を行うものである。
【0003】ところが、この操作では、より高い電圧レ
ベルの単電池の電力が単に電力損失として失われてしま
うため、この改良として、従来、放電がそれほど進行し
ていない電池からより放電が進行した電池に電力を移し
替える形式の電圧レベル均等化装置や、より放電が進行
した電池に優先的に外部から電力を補充する形式の電圧
レベル均等化装置が考えられている。このような電力の
損失を抑制する電圧レベル均等化装置では、組電池から
引き出されている端子間にスイッチング電源回路の一部
を構成する電圧印加回路にて電圧を印加する回路構成を
とり、その電圧印加回路に出力電圧を整流する整流用ダ
イオードを備えることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成では、整流用ダイオードの順電圧が素子間でばら
つくことにより、均等化対象の電池の端子間に印加され
る電圧がばらついてしまい、均等化が不十分なものとな
ってしまう不都合があった。本発明は、かかる実情に鑑
みてなされたものであって、その目的は、組電池におい
て単電池の電圧レベルを的確に均等化できる電圧レベル
均等化装置を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記請求項1記載の構成
を備えることにより、少なくとも1箇所において単電池
と単電池とが電気的に直列接続される状態で複数の単電
池を組み合わせて構成した組電池における単電池と単電
池とが直列接続される箇所から引き出された中間の端子
のうちの少なくとも1つの端子、前記組電池の正極から
引き出された正極用の端子、及び、前記組電池の負極か
ら引き出された負極用の端子のうちの電位の高低で隣合
う端子の組み合わせの夫々に対応して電圧印加回路が設
けられ、前記電圧印加回路の夫々が、前記端子に印加さ
れる電圧を整流する整流用ダイオードを備えて、スイッ
チング電源回路の一部をなすように構成され、前記電圧
印加回路にて前記端子に電圧を印加することによって、
各単電池の電圧レベルを各単電池間で均等化する組電池
用の電圧レベル均等化装置において、整流用ダイオード
の順電圧の素子間ばらつきが小さい小電流域の電流を前
記整流用ダイオードに流すように、前記スイッチング電
源回路のスイッチング周波数及びデューティ比を設定す
る。
【0006】すなわち、図6において、スイッチング電
源回路において整流用ダイオードとしてよく利用される
ショットキーバリアダイオードの電流−電圧特性の典型
データを「TYP」として示し、最大側データを「MA
X」として示すように、整流用ダイオードの電流−電圧
特性には素子間でばらつきがあるものの、図6において
範囲Aで例示するような小電流域では、通電電流がより
大きい大電流域(範囲Bとして例示)に比べて、順電圧
の素子間のばらつきが小さくなっている。そこで、順電
圧のばらつきの程度が順電流に依存することに着目し、
組電池から引き出されている端子間に電圧を供給する電
圧印加回路の整流用ダイオードに流れる電流が、素子間
の順電圧のばらつきが十分小さくなる程度の電流値とな
るように、スイッチング電源回路のスイッチング周波数
及びデューティ比を設定することで、各電圧印加回路の
出力電圧の設計値からのばらつきを抑制することができ
る。もって、組電池において単電池の電圧レベルを的確
に均等化できる電圧レベル均等化装置を提供できるに至
った。
【0007】又、上記請求項2記載の構成を備えること
により、前記スイッチング電源回路のスイッチング周波
数及びデューティ比を設定変更するスイッチング制御装
置が設けられ、前記スイッチング制御装置は、整流用ダ
イオードに順電圧の素子間ばらつきが大きい大電流域の
電流を前記整流用ダイオードに流すように前記スイッチ
ング電源回路のスイッチング周波数及びデューティ比を
設定して前記均等化を開始し、その後に前記小電流域の
電流を前記整流用ダイオードに流すように前記スイッチ
ング電源回路のスイッチング周波数及びデューティ比を
設定する状態に切換える電流切換えモードにて前記均等
化を行うように構成されている。
【0008】整流用ダイオードに前記小電流域の電流を
流すようにスイッチング電源回路のスイッチング周波数
及びデューティ比を設定することで、各単電池の電圧レ
ベルの均等化を的確に行えるが、その反面、供給する電
流値が小さいので均等化されるまでに要する時間が長く
なる。そこで、前記大電流域の電流を整流用ダイオード
に通電する状態で均等化を開始し、ある程度の段階まで
高速に均等化を進めた後に、整流用ダイオードに前記小
電流域の電流を通電する状態に切換えて、より高精度に
均等化を進めるように、スイッチング電源回路のスイッ
チング周波数及びデューティ比を切換え設定する。もっ
て、組電池において単電池の電圧レベルを的確且つ高速
に均等化できる電圧レベル均等化装置を提供できるに至
った。
【0009】又、上記請求項3記載の構成を備えること
により、前記スイッチング制御装置は、前記スイッチン
グ電源回路のスイッチング周波数を、前記電流切換えモ
ードにおいて前記小電流域の電流を前記整流用ダイオー
ドに流しているときのスイッチング周波数よりも低い周
波数に設定して、前記電圧レベルのばらつきの拡大を抑
制するばらつき拡大抑制モードにて前記均等化を行うよ
うに構成されている。すなわち、通常の充電時や電池使
用時において、組電池を構成する単電池間の電圧レベル
のばらつきがある程度大きくなったときは、前記電流切
換えモードで高速且つ的確に均等化を行うと共に、前記
電圧レベルのばらつきが例えば未使用時の組電池が自己
放電等によってわずかずつ拡大してしまうのを防止する
ために、ばらつき拡大抑制モードにて動作させる。
【0010】これによって、ばらつき拡大抑制モードに
て前記電圧レベルのばらつき拡大を極力防止しながら、
ばらつきの拡大が抑制しきれずに前記電圧レベルのばら
つきが大きくなった場合には、電流切換えモードによっ
て前記電圧レベルの均等化を高速且つ的確に行えるもの
となる。しかも、前記ばらつき拡大抑制モードでは、電
流切換えモード時よりも低い周波数で動作させるので、
スイッチング電源回路での損失が抑制されるものとな
る。これは、組電池の両端電圧をスイッチング電源回路
の直流電圧入力側に印加して組電池の電力を再配分する
形式の電圧レベル均等化装置の場合に特に有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の組電池用の電圧レ
ベル均等化装置の実施の形態を図面に基づいて説明す
る。本実施の形態の電圧レベル均等化装置VLは、図1
に示すように、単電池SBを組み合わせて構成した組電
池CBを対象としており、単独で他の機器から独立した
装置として構成できる他、組電池CBが使用される機器
や、組電池CBの充電装置等に組み込んでおくこともで
きる。
【0012】〔組電池CBの構成〕この組電池CBの構
成は、少なくとも1箇所において単電池SBと単電池S
Bとが電気的に直列接続される状態で複数の単電池SB
を組み合わせて構成したものであり、より具体的には、
組電池CBを同一種類の単電池SBにて構成し、これら
全ての単電池SBを電気的に直列接続して1つのパッケ
ージに収めたものである。本実施の形態では、夫々単電
池SBである4個のリチウムイオン電池1,2,3,4
を直列接続して構成した組電池CBを例示する。組電池
CBからは複数の端子が電力の取り出しや充電等のため
に引き出されており、単電池SBと単電池SBとが直列
接続される3箇所の全てから引き出された3つの中間の
端子5,6,7と、組電池CBの正極すなわち最も高電
位側の単電池SB(リチウムイオン電池1)の正極から
引き出された正極用の端子8と、組電池CBの負極すな
わち最も低電位側の単電池SB(リチウムイオン電池
4)の負極から引き出された負極用の端子9とが1つの
コネクタ10において一体化されている。
【0013】〔電圧レベル均等化装置VLの構成〕電圧
レベル均等化装置VLには、スイッチング素子やコイル
等によって入力された直流電圧を異なる直流電圧に変換
するスイッチング電源回路を主要部とする電圧変換部1
1と、電圧変換部11に対してスイッチング動作用のパ
ルス信号を出力するパルス発振回路12と、パルス発振
回路12の発振周波数及びデューティ比並びに動作の開
始及び停止を指示するためにスイッチング制御装置13
と、各単電池SBのいずれかの端子間電圧が所定の電圧
よりも低下したことを検出する電圧低下検出回路14と
が備えられている。
【0014】電圧変換部11には、4個の単電池SBの
夫々に対応する4つの2次側コイル15bを有するトラ
ンス15と、トランス15の1次側コイル15aに入力
される直流電圧をスイッチングするスイッチング素子1
6とが備えられていると共に、トランス15の各2次側
コイル15bの夫々に対応して整流用ダイオード17と
平滑用コンデンサ18とが備えられ、いわゆるフライバ
ックコンバータ回路を構成している。尚、スイッチング
素子16にはFETを、整流用ダイオード17にはショ
ットキーバリアダイオードを用いている。2次側コイル
15b,整流用ダイオード17及び平滑用コンデンサ1
8にて生成される直流電圧はコネクタ19を介して出力
され、このコネクタ19と組電池側のコネクタ10を接
続した状態で、前記各端子5,6,7,8,9を経由し
て各単電池SBにその電圧が印加される。つまり、2次
側コイル15b,整流用ダイオード17及び平滑用コン
デンサ18にて、組電池CBの各端子5,6,7,8,
9のうちの電位の高低で隣合う端子の組み合わせの夫々
に対応する電圧印加回路20が構成される。
【0015】図1に示す電圧レベル均等化装置VLで
は、電圧変換部11に入力される直流電圧すなわちスイ
ッチング電源回路のトランス15の1次側に印加される
直流電圧として組電池CBの両端電圧を用いており、そ
のトランス15の二次側に発生する電圧を整流用ダイオ
ード17にて整流して組電池CBから引き出された端子
5,6,7,8,9に供給するように構成されている。
この回路構成とすることによって、各単電池の電圧レベ
ルにばらつきがあるときに、前記電圧レベルの低い単電
池SBに対して優先的に充電され、組電池CBの電力を
各単電池SBに均等に再配分する形で各単電池SBの電
圧レベルのばらつきを均等化することができ、外部から
の電力供給を受けなくても、電力損失を抑制しながら電
圧レベルを均等化することが可能となる。本実施の形態
では、各単電池SBを同一仕様のリチウムイオン電池
1,2,3,4としており、各単電池SBに対応する端
子間の電圧が同一電圧に均等化される。
【0016】〔スイッチング制御装置13による制御〕
次に、スイッチング制御装置13による電圧レベル均等
化の制御について図2及び図3の単電池SBの端子間電
圧の時間変化を示す図を参酌しつつ説明する。組電池C
Bを電圧レベル均等化装置VLに接続した状態で、各単
電池SBの両端電圧が、図2において初期電圧値「V
1」,「V2」,「V3」,「V4」として示すように
大きくばらついた場合、スイッチング制御装置13は、
整流用ダイオード17の順電圧の素子間ばらつきが相対
的に大きい大電流域(図6において範囲Bで例示)の電
流を整流用ダイオード17に流すように前記スイッチン
グ電源回路のスイッチング周波数及びデューティ比を設
定して均等化を開始し、その後に小電流域(図6におい
て範囲Aで例示するように2A以下の範囲であり、より
好ましくは0.1A〜2Aの範囲)の電流を整流用ダイ
オード17に流すように前記スイッチング電源回路のス
イッチング周波数及びデューティ比を設定する状態に切
換える電流切換えモードにて均等化を行う。具体的に説
明すると、前記電圧レベルの均等化を開始するときは、
パルス発振回路12を発振周波数を200kHz、デュ
ーティ比を50%でパルス発振させる。このパルス発振
回路12の発振周波数及びデューティ比がスイッチング
電源回路のスイッチング周波数及びデューティ比であ
る。尚、このときの発振周波数はある程度高い周波数と
する必要があり、100kHz〜500kHz程度の範
囲の周波数が望ましく、又、デューティ比もある程度大
きくする必要があり、40〜50%程度の範囲のデュー
ティ比が望ましい。
【0017】このようにパルス発振回路12の発振周波
数及びデューティ比を設定すると、整流用ダイオード1
7には、図6に範囲Bで示す大電流域の電流が流れ、単
電池SBに供給される電流が大きいので、図2に示すよ
うに急速に電圧レベルの均等化が進む。但し、整流用ダ
イオード17の順電圧のばらつきのために、図2におい
て「T1」で例示する時間以降は均等化が進まず、スイ
ッチング電源回路の回路損失等のために各単電池SBで
一様に両端電圧が徐々に低下して行く。
【0018】そこで、スイッチング制御装置13は、時
間「T2」で、パルス発振回路12を発振周波数はその
ままで、デューティ比を1〜5%程度に低下させる。こ
のようにパルス発振回路12の発振周波数及びデューテ
ィ比を設定すると、整流用ダイオード17には、図6に
範囲Aで示す小電流域の電流が流れ、整流用ダイオード
17の順電圧のばらつきが縮小されるので、時間「T
2」以降で再び前記電圧レベルの均等化が進行する。そ
の後、時間「T3」で、このときの整流用ダイオード1
7の順電圧のばらつきに応じたばらつき度合いで均等化
が収束し、スイッチング制御装置13は、時間「T4」
でパルス発振回路12を停止させて均等化を終了する。
【0019】尚、前記電流切換えモードによる前記電圧
レベルの均等化を開始するか否かの判断は、例えば、電
圧低下検出回路14が何れかの単電池SBの両端電圧が
設定電圧よりも低下したことを検出して、その検出信号
をスイッチング制御装置13が受け取ったときに、組電
池CBの両端電圧が設定電圧(ある程度高めに設定して
ある)以上であれば、平均的には単電池SBの両端電圧
はある程度高いにもかかわらず一部に電圧レベルの低下
の著しい単電池SBが存在することから、単電池SBの
前記電圧レベルのばらつきが大きいものと判断して、前
記電流切換えモードによる均等化を開始できる。又、時
間「T2」及び時間「T4」のタイミングの設定は、夫
々の時間を固定的に設定しておいても良いし、最も電圧
レベルの低い単電池SBの両端電圧が低下し始めたとき
を、上記時間「T2」及び時間「T4」として設定して
も良い。
【0020】スイッチング制御装置13は、上記電流切
換えモードによる制御の他に、各単電池SBの前記電圧
レベルのばらつきがそれほど大きくないときに、電圧レ
ベルのばらつきの拡大を抑制するばらつき拡大抑制モー
ドにて制御する。このばらつき拡大抑制モードでは、前
記電流切換えモードにおいて小電流域の電流を前記整流
用ダイオードに流しているときのスイッチング周波数よ
りも低い周波数に設定して電圧レベルの均等化を行う。
具体的には、スイッチング制御装置13はパルス発振回
路12の発振周波数を数十kHz程度に低下させると共
に、デューティ比は1〜5%程度に設定する。
【0021】このばらつき拡大抑制モードでの電圧レベ
ルの均等化の様子を図3を参照して説明すると、ばらつ
き拡大抑制モードでの制御開始時の各単電池SBの両端
電圧が図3において「V1’」,「V2’」,「V
3’」,「V4’」にて示すようにそれほどばらつきが
大きくない場合、ゆっくりとしたペースで均等化が進行
し、時間「T5」で、このときの整流用ダイオード17
の順電圧のばらつきに応じたばらつき度合いで均等化が
収束する。尚、このばらつき拡大抑制モードによる制御
の開始は、例えば、電圧低下検出回路14が何れかの単
電池SBの両端電圧が設定電圧よりも低下したことを検
出して、その検出信号をスイッチング制御装置13が受
け取ったときに、組電池CBの両端電圧が前記電流切換
えモードによる均等化を開始させる電圧より低い電圧と
なっているときに開始させることができる。又、ばらつ
き拡大抑制モードによる制御の停止は、固定的に設定し
た時間が経過したときに停止させても良いし、最も電圧
レベルの低い単電池SBの両端電圧が低下し始めたとき
に停止させても良い。更に、上記のようにスイッチング
周波数を低く設定していることから電力損失が極めて小
さいので、前記電流切換えモードで動作しているとき以
外は常にばらつき拡大抑制モードで動作させるようにし
ても良い。
【0022】〔別実施形態〕以下、本発明の組電池用の
電圧レベル均等化装置の別実施形態を列記する。 (1)上記実施の形態では、スイッチング電源回路をい
わゆるフライバックコンバータ回路として構成した場合
を例示しているが、図4に示すように、コイルの巻極性
が上記実施形態と逆になっているトランス30を備え
て、そのトランス30の2次側コイル30bと、二つの
整流用ダイオード31,32と、コイル33と、平滑用
コンデンサ34とによって、前記端子5,6,7,8,
9の組み合わせの夫々に対応する電圧印加回路20を構
成し、スイッチング電源回路をいわゆるフォワードコン
バータ回路にて構成しても良く、スイッチング電源回路
の具体構成は種々変更可能である。
【0023】(2)上記実施の形態では、スイッチング
電源回路の直流電圧入力側に組電池CBの両端電圧を入
力する場合を例示しているが、図5に示すように、スイ
ッチング電源回路の直流電圧入力側すなわちトランス1
5の1次側に別途備えた直流電源40の出力電圧を入力
するように構成しても良い。この場合、単なる各単電池
SBの電圧レベルの均等化だけでなく、充電装置として
も動作させることができる。 (3)上記実施の形態では、組電池CBを構成する単電
池SBとして、リチウムイオン電池を例示しているが、
Ni−水素電池やNi−Cd電池等の種々の二次電池を
単電池SBとする組電池CBにおいて本発明を適用でき
る。
【0024】(4)上記実施の形態では、組電池CBは
4個の単電池SBを直列接続して構成した場合を例示し
ているが、使用する単電池の数を増減することはもちろ
んのこと、並列接続した単電池SBの複数を直列接続し
て構成する等して、単電池の接続の仕方を種々に変更し
た場合にも本発明を適用でき、少なくとも1箇所におい
て単電池SBと単電池SBとが電気的に直列接続される
組電池であれば本発明を適用できる。 (5)上記実施の形態では、組電池CBにおける単電池
SBと単電池SBとが電気的に直列接続される箇所の全
てから端子を引き出しているが、必ずしも全ての直列接
続箇所から引き出す必要はなく、例えば、上記実施の形
態のように複数の単電池SBを直列接続して組電池CB
を構成した場合、1つおきの直列接続箇所から端子を引
き出すようにしても良い。 (6)上記実施の形態では、各単電池が同一仕様のリチ
ウムイオン電池である場合を例示しているので、単電池
の保持電力の度合いを意味する電圧レベルを均等化する
場合において同一電圧への均等化を行っているが、出力
電圧仕様の異なる単電池が混在するような組電池では、
各単電池の均等化の目標電圧は必ずしも同一電圧ではな
い。
【0025】
【発明の効果】上記請求項1記載の構成によれば、整流
用ダイオードの順電圧のばらつきの程度が順電流に依存
することに着目し、組電池から引き出されている端子間
に電圧を供給する電圧印加回路の整流用ダイオードに流
れる電流が、素子間の順電圧のばらつきが十分小さくな
る程度の電流値となるように、スイッチング電源回路の
スイッチング周波数及びデューティ比を設定すること
で、各電圧印加回路の出力電圧の設計値からのばらつき
を抑制することができる。もって、組電池において単電
池の電圧レベルを的確に均等化できる電圧レベル均等化
装置を提供できるに至った。
【0026】又、上記請求項2記載の構成によれば、大
電流域の電流を整流用ダイオードに通電する状態で均等
化を開始し、ある程度の段階まで高速に均等化を進めた
後に、整流用ダイオードに前記小電流域の電流を通電す
る状態に切換えて、より高精度に均等化を進めるよう
に、スイッチング電源回路のスイッチング周波数及びデ
ューティ比を切換え設定する。もって、組電池において
単電池の電圧レベルを的確且つ高速に均等化できる電圧
レベル均等化装置を提供できるに至った。
【0027】又、上記請求項3記載の構成によれば、ば
らつき拡大抑制モードにて単電池間の前記電圧レベルの
ばらつき拡大を極力防止しながら、ばらつきの拡大が抑
制しきれずに前記電圧レベルのばらつきが大きくなった
場合には、電流切換えモードによって前記電圧レベルの
均等化を高速且つ的確に行えるものとなる。しかも、前
記ばらつき拡大抑制モードでは、電流切換えモード時よ
りも低い周波数で動作させるので、スイッチング電源回
路での損失が抑制されるものとなる。これは、組電池の
両端電圧をスイッチング電源回路の直流電圧入力側に印
加して組電池の電力を各単電池に再配分する形式の電圧
レベル均等化装置の場合に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる電圧レベル均等化
装置の回路構成図
【図2】本発明の実施の形態にかかる電圧レベルの均等
化の進行を説明する図
【図3】本発明の実施の形態にかかる電圧レベルの均等
化の進行を説明する図
【図4】本発明の別実施形態にかかる電圧レベル均等化
装置の回路構成図
【図5】本発明の別実施形態にかかる電圧レベル均等化
装置の回路構成図
【図6】整流用ダイオードの電流−電圧特性を示す図
【符号の説明】
SB 単電池 CB 組電池 5,6,7 中間の端子 8 正極用の端子 9 負極用の端子 20 電圧印加回路 17,31,32 整流用ダイオード 13 スイッチング制御装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1箇所において単電池と単電
    池とが電気的に直列接続される状態で複数の単電池を組
    み合わせて構成した組電池における単電池と単電池とが
    直列接続される箇所から引き出された中間の端子のうち
    の少なくとも1つの端子、前記組電池の正極から引き出
    された正極用の端子、及び、前記組電池の負極から引き
    出された負極用の端子のうちの電位の高低で隣合う端子
    の組み合わせの夫々に対応して電圧印加回路が設けら
    れ、 前記電圧印加回路の夫々が、前記端子に印加される電圧
    を整流する整流用ダイオードを備えて、スイッチング電
    源回路の一部をなすように構成され、 前記電圧印加回路にて前記端子に電圧を印加することに
    よって、各単電池の電圧レベルを各単電池間で均等化す
    る組電池用の電圧レベル均等化装置であって、 整流用ダイオードの順電圧の素子間ばらつきが小さい小
    電流域の電流を前記整流用ダイオードに流すように、前
    記スイッチング電源回路のスイッチング周波数及びデュ
    ーティ比を設定する組電池用の電圧レベル均等化装置。
  2. 【請求項2】 前記スイッチング電源回路のスイッチン
    グ周波数及びデューティ比を設定変更するスイッチング
    制御装置が設けられ、 前記スイッチング制御装置は、整流用ダイオードに順電
    圧の素子間ばらつきが大きい大電流域の電流を前記整流
    用ダイオードに流すように前記スイッチング電源回路の
    スイッチング周波数及びデューティ比を設定して前記均
    等化を開始し、その後に前記小電流域の電流を前記整流
    用ダイオードに流すように前記スイッチング電源回路の
    スイッチング周波数及びデューティ比を設定する状態に
    切換える電流切換えモードにて前記均等化を行うように
    構成されている請求項1記載の組電池用の電圧レベル均
    等化装置。
  3. 【請求項3】 前記スイッチング制御装置は、前記スイ
    ッチング電源回路のスイッチング周波数を、前記電流切
    換えモードにおいて前記小電流域の電流を前記整流用ダ
    イオードに流しているときのスイッチング周波数よりも
    低い周波数に設定して、前記電圧レベルのばらつきの拡
    大を抑制するばらつき拡大抑制モードにて前記均等化を
    行うように構成されている請求項2記載の組電池用の電
    圧レベル均等化装置。
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