JP2003156434A - 表面プラズモン共鳴法用センサーチップ - Google Patents

表面プラズモン共鳴法用センサーチップ

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JP2003156434A JP2001358569A JP2001358569A JP2003156434A JP 2003156434 A JP2003156434 A JP 2003156434A JP 2001358569 A JP2001358569 A JP 2001358569A JP 2001358569 A JP2001358569 A JP 2001358569A JP 2003156434 A JP2003156434 A JP 2003156434A
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sensor chip
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sulfide
carboxyl group
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JP2001358569A
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Koji Suzuki
鈴木  孝治
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Kanagawa Academy of Science and Technology
Japan Science and Technology Agency
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Kanagawa Academy of Science and Technology
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己組織化膜を構成するチオール分子とし
て、カルボキシル基やアミノ基を有するチオール分子等
を用いた自己組織化膜を金属膜上に形成した表面プラズ
モン共鳴(SPR)法用センサーチップであって、非特異吸
着が少ないSPR法用センサーチップを提供すること。 【解決手段】 表面プラズモン共鳴法用センサーチップ
の金属膜上に形成される自己組織化膜を、(i)エチレン
グリコール単位を含み、カルボキシル基又はアミノ基を
有さないチオール(I)と、(ii)カルボキシル基又はアミ
ノ基を有するチオール(II)とで構成し、上記チオール
(I)と上記チオール(II)の合計に占める上記チオール(I
I)の割合が1〜15mol%である、表面プラズモン共鳴法
用センサーチップを提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面プラズモン共
鳴法用センサーチップに関する。
【0002】
【従来の技術】表面プラズモン共鳴(SPR)法は、セ
ンサーチップ(ガラス基板上に、金等の金属を蒸着した
もの)の下面に接触している溶液等の媒質の屈折率が変
化すると、該金属薄膜の上面にプリズムを通して種々の
角度で入射する光の反射光のうち、強度の低下した反射
光の角度が変化することを利用して、媒質の屈折率の変
化を測定する方法である(笠井献一、蛋白質 核酸 酵
素、Vol.37 No.15(1992),pp.2977-2984)。特定の角度で
反射する反射光の強度が低下するのは、ガラスと金属薄
膜との界面で発生するエバネッセント波と、金属薄膜表
面に生じる表面プラズモンと呼ばれる表面波の波数が一
致すると共鳴が起こり、光のエネルギーの一部が表面プ
ラズモンを励起するために使われ、反射光として戻る分
が減るために起きる。化学反応に関与する反応物質の一
方をセンサーチップの下面に結合しておくと、該反応物
質がもう一方の反応物質と反応することによりセンサー
チップ下面に接触する媒質の屈折率が変化するので、強
度が低下した反射光の角度(この角度は「共鳴角」と呼ば
れる)が化学反応の進行に応じて時々刻々と変化する。
従って、共鳴角の変化をリアルタイムに測定することに
より、化学反応の進行をリアルタイムに観察することが
できる。このため、SPRは化学反応速度論の研究に用
いられ、また、生化学分野では抗原抗体反応の解析等に
用いられている。特に、抗原抗体反応の解析では、通常
の免疫測定と異なり、標識を使用する必要が全くないの
で便利であり、また、標識により抗原抗体反応が妨げら
れる恐れが全くないという利点がある。
【0003】上記のように、SPR法用センサーチップ
の金属膜上には、反応物質の1つが結合されるが、反応
物質を直接金属膜上に結合することが困難な場合も少な
くないので、通常、金属膜上には、反応物質を結合する
ための構造が設けられる。このような構造の1つとし
て、いわゆる自己組織化膜(Self Assembled Monolayer,
SAM)を用いることが知られている。自己組織化膜を構成
する分子として、アルキルチオールのようなチオールが
知られている。チオール溶液中に金膜を浸漬すると、チ
オール基が金に吸着されて結合し、金膜上に自発的にチ
オールの単分子膜が形成される。このように自発的に形
成される単分子膜が自己組織化膜(SAM)と呼ばれるもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】SAMを構成するチオー
ル分子に、抗体等のタンパク質を結合しようとする場
合、チオール分子がカルボキシル基やアミノ基を有して
いると、これらの官能基を介して、タンパク質のアミノ
基又はカルボキシル基を利用して結合させることにより
容易にチオール分子にタンパク質を結合させることがで
き、非常に好都合である。しかしながら、カルボキシル
基やアミノ基を有するチオール分子でSAMを構成し、こ
れに抗体等のタンパク質を結合させたセンサーチップを
用いて抗原抗体反応の解析を行うと、目的の抗原抗体反
応には関与しない他のタンパク質が非特異的にセンサー
チップに結合されてしまい、目的とする抗原抗体反応の
測定が妨害されるという問題が生じる。
【0005】従って、本発明の目的は、SAMを構成する
チオール分子として、カルボキシル基やアミノ基を有す
るチオール分子等を用いたSAMを金属膜上に形成したS
PR法用センサーチップであって、非特異吸着が少ない
SPR法用センサーチップを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、鋭意研
究の結果、エチレングリコール単位を含み、カルボキシ
ル基又はアミノ基を有さないチオール分子を主体として
SAMを形成すると共に、チオール分子全体の中に占め
る、カルボキシル基又はアミノ基含有チオールの割合が
特定の範囲内に入るようにすることにより、上記目的を
達成することができることを見出し本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、表面プラズモン共鳴
法用センサーチップの金属膜上に形成される自己組織化
膜を、(i)エチレングリコール単位を含み、カルボキシ
ル基又はアミノ基を有さないチオール、スルフィド及び
/又はジスルフィド(I)と、(ii)カルボキシル基又はア
ミノ基を有するチオール、スルフィド及び/又はジスル
フィド(II)とで構成し、上記(i)チオール、スルフィド
及び/又はジスルフィド(I)と上記(ii)チオール、スル
フィド及び/又はジスルフィド(II)の合計に占める上記
(ii)チオール、スルフィド及び/又はジスルフィド(II)
の割合が1〜15mol%である、表面プラズモン共鳴法用
センサーチップを提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】上記の通り、本発明のSPR用セ
ンサーチップにおけるSAMは、上記チオール、スルフィ
ド及び/又はジスルフィド(I)(以下、これらを便宜的
に「チオール等(I)」と言うことがある)とチオール、
スルフィド及び/又はジスルフィド(II)(以下、これら
を便宜的に「チオール等(II)」と言うことがある)から
構成される。チオール等(I)としては、エチレングリコ
ール単位を含み、カルボキシル基又はアミノ基を有さな
いチオール等であれば特に限定されないが、好ましいチ
オール等(I)としては、下記一般式[I]で表されるチオー
ル、下記一般式[I']で表されるスルフィド、及び下記一
般式[I'']で表されるジスルフィドを例示することがで
きる。
【0009】HS-(CH2)n-(OC2H5)m-OH [I]
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】(ただし、各一般式において、nは1ない
し30の整数、好ましくは5ないし22の整数、m1な
いし10の整数、好ましくは2ないし6の整数を表し、
1つの式中にnが2個含まれる場合には、2つのn同士
は同一でも異なっていてもよく、1つの式中にmが2個
含まれる場合には、2つのm同士は同一でも異なってい
てもよい)
【0013】上記チオール等(I)は、単独で用いること
もできるし混合して用いることもできる。なお、上記チ
オール等(I)のうち、上記一般式[I]で示されるチオール
が好ましい。
【0014】また、チオール等(II)としては、カルボキ
シル基又はアミノ基を有するチオール等であれば特に限
定されないが、好ましいチオール等(II)としては、下記
一般式[II]で表されるチオール、下記一般式[II']で表
されるスルフィド、及び下記一般式[II'']で表されるジ
スルフィドを例示することができる。
【0015】HS-(CH2)p-R [II]
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】(ただし、各一般式において、Rはカルボ
キシル基又はアミノ基、pは1ないし30の整数、好ま
しくは5ないし22の整数を表し、1つの式中にRが2
個含まれる場合には、2つのR同士は同一でも異なって
いてもよく、1つの式中にpが2個含まれる場合には、
2つのp同士は同一でも異なっていてもよい)
【0019】上記チオール等(II)は、単独で用いること
もできるし混合して用いることもできる。なお、上記チ
オール等(II)のうち、上記一般式[II]で示されるチオー
ルが好ましい。
【0020】なお、一般式[I]、[I']及び/又は[I'']で
表されるチオール等(I)と一般式[II]、[II']及び/又は
[II'']で表されるチオール等(II)とを用いる場合、一般
式[I]、[I']及び/又は[I'']中のnと一般式[II]、[I
I']及び/又は[II'']中のpの差はなるべく小さいこと
が好ましく、好ましくは3以下、さらに好ましくは1以
下、最も好ましくは0である。このようにすると、チオ
ール等(I)のエチレングリコール部が、チオール等(II)
のカルボキシル基やアミノ基よりも外側に突出した形で
位置することになり、カルボキシル基やアミノ基への非
特異吸着をより効果的に防止することができる。
【0021】SAMは、上記したチオール等(I)及びチオー
ル等(II)から形成されるが、チオール等(I)と(II)の合
計中に占めるチオール等(II)の割合(すなわち(I)/{(I)
+(II)})は、1〜15mol%、好ましくは8〜12mol%で
ある。この割合が15mol%を超えると非特異吸着が多く
なり、1mol%よりも少ないとタンパク質等の結合に有用
な官能基の数が少なくなり、ひいては、センサーチップ
に結合できるタンパク質等の量が少なくなる。
【0022】本発明のセンサーチップは、ガラス等の基
板上に金等の金属膜を形成したチップ(このようなチッ
プは市販されている)を、チオール等(I)及び(II)含有
溶液中に浸漬して金属膜上にSAMを形成させることによ
り容易に調製することができる。ここで用いられる溶液
中のチオール等(I)及び(II)の合計濃度は、特に限定さ
れないが、通常1〜5 mM程度が好ましく、また、溶媒と
しては、エタノールのような親水性溶媒が好ましい。ま
た、浸漬の温度は特に限定されず、室温で好ましく行う
ことができ、浸漬時間は、特に限定されないが通常12
時間ないし48時間程度が適当である。このような浸漬
により、SAMが自発的に形成される。なお、チオール等
(I)及び(II)自体は、周知の構造を有しており、常法に
より容易に製造できるし、市販品を利用することもでき
る。
【0023】本発明のセンサーチップを使用する場合に
は、チオール等(II)のカルボキシル基又はアミノ基を利
用して、所望の抗体やその抗原結合性断片(Fabフラグメ
ントやF(ab')2フラグメント等)、抗原タンパク質等の
反応物質を結合する。結合は、タンパク質やペプチドの
カルボキシル基又はアミノ基等をチオール等(II)のアミ
ノ基又はカルボキシル基と直接結合させることにより行
ってもよいし、リンカーを介して結合してもよい。カル
ボキシル基又はアミノ基を利用したタンパク質やペプチ
ドの結合は、固相支持体へのタンパク質の固定化の分野
において常用されている常法により行うことができ、例
えば、カルボキシル基を有するSAM膜へのタンパク質固
定化は、カルボキシル基を、EDC/MHS(EDC:N-エチル-N'-
(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロク
ロリド及びN-ヒドロキシスクシンイミド)を用いて活性
化させ、タンパク質のアミノ基とカップリングさせる方
法(アミド化カップリング)や、チオール基を有する化
合物の固定化が可能である。また、アミノ基を有すSAM
膜への固定化では、カルボニル化合物、または、エポキ
シ基を有する化合物による、アルキル化反応により固定
化を容易に行うことができる。なお、チオール等(II)の
カルボキシル基又はアミノ基を利用してチップに結合さ
れる反応物質は、タンパク質やペプチドに限定されるも
のではなく、結合可能な他のいずれの反応物質であって
もよい。また、測定する反応も抗原抗体反応に限定され
るものではなく、他のいずれの反応であってもよい。
【0024】本発明のセンサーチップの使用方法は、従
来のセンサーチップと全く同様であり、市販のSPR装
置を用い、反応のもう一方の反応物質を含む溶液を移動
層としてセンサーチップと接触させながら反射光を測定
する。センサーチップに結合された反応物質と、移動相
中の他方の反応物質とが反応して結合すると、共鳴角が
変化するので、化学反応の進行をリアルタイムで測定す
ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより具体的に
説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定される
ものではない。
【0026】参考例1 チオール分子として、以下の構造を有するチオール(A)
ないし(F)を用いた。 チオール(A) HS-(CH2)11-(OC2H5)3-OH チオール(B) HS-(CH2)11-(OC2H5)3-OCH2COOH チオール(C) HS-(CH2)11-OH チオール(D) HS-(CH2)11-COOH チオール(E) HS-(CH2)11-NH2 チオール(F) HS-(CH2)11-CH3
【0027】各チオールの2.5 mMエタノール溶液を調製
し、ガラス基板上に金膜を形成した市販のSPR用セン
サーチップ(金膜厚 50nm、サイズ9 mm x 9 mmを有する
ガラス板)を各溶液中に室温下、24時間浸漬し、SAM
を形成させた。また、SAMを形成することなく、金膜が
露出している市販のセンサーチップをそのまま用いた。
【0028】上記の各センサーチップを用い、市販のS
PR装置(ファルマシア社製Bia Core2000型)を用いて
SPR法を行った。移動層は、PBS(10mM phospate, 15
0 mMNaCl)pH7.4、流速10μl/分、温度25℃、試料導入
時間60秒の条件で測定を行った。移動層に導入される試
料として、血清タンパク質(総タンパク質:500ppm)、
ヒト血清アルブミン(HSA:300ppm)又はヒト免疫グロブ
リンG(hIgG:90ppm)を用いた。各試料について測定さ
れた、時間(秒)とSPR応答(共鳴単位、R.U.)の関
係を、それぞれ図1ないし図3に示す。また、試料導入
時から、100秒後の各レスポンス(SPRカーブ変化)を棒
グラフにまとめて示す(図4)。
【0029】図1ないし図4から明らかなように、一般
式[I]に包含されるチオール(A)でSAMを形成した場合
に、主要血清成分の非特異吸着が効率良く抑えられるこ
とが分かった。
【0030】実施例1、比較例1〜6 参考例1で用いたチオール(A)とチオール(D)との混合物
により、参考例1と同じ方法でSAMを形成した。チオー
ル混合物中のチオール(D)の割合は、100 mol%(すなわ
ち、チオール(D)単独)(比較例1)、75 mol%(比較例
2)、50 mol%(比較例3)、30 mol%(比較例4)、20
mol%(比較例5)又は10 mol%(実施例1)とした。ま
た、比較のため、市販のセンサーチップCM5(ファルマ
シア社製、SAMとしてカルボキシメチル基含有デキスト
ラン層が設けられている)も用いた(比較例6)。
【0031】SPRは参考例1と同様にして行った(た
だし、移動層中に導入した試料は人血清アルブミン 300
ppm)測定された、時間(秒)とSPR応答(共鳴単
位、R.U.)の関係を図5に示す。図5から明らかなよう
に、本発明のセンサーチップを用いると、非特異吸着を
極めて低く抑えることができ、汎用されている市販のチ
ップを用いた場合よりも非特異吸着を低く抑えることが
できる。カルボキシル基を有するチオール(D)が10mol
%含まれているにもかかわらず、非特異吸着をこのよう
に極めて低く抑えることができるということは当業者が
予期しなかった顕著な効果である。
【0032】 実施例2 センサーチップへの抗体の結合 実施例1で作製したセンサーチップのSAMのチオール分
子のカルボキシル基に、抗BSA(ウサギIgG)抗体を結合し
た。この操作は具体的に次のようにして行った。0.4M E
DC/0.1M NHS(EDC:N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミドヒドロクロリド、NHS:N-ヒドロ
キシスクシンイミド)によりカルボキシル基を活性化さ
せた。EDC/NHSは、超純水(Mili Q水)に溶解させた。
活性時間は流速10μl/分で、7分間行った。活性化した
カルボキシル基にタンパク質のアミノ基を利用して、カ
ップリングさせた。抗体の濃度は100μg/mlで、10mM 酢
酸バッファー pH4.5に溶解させた。固定化時間は7分間
とした。また、未反応の活性化したカルボキシル基を1M
エタノールアミン pH9.0を用いて不活性化した。
【0033】 実施例3 SPR法による抗原抗体反応の測定 実施例2で作製したセンサーチップを用い、SPR法に
より抗原抗体反応を測定した。移動層は、10 mM HEPES
(pH7.4)、流速10μl/分、測定温度25℃、サンプル量は
10μl(10 mM HEPES中)、解離溶液は10 mM (グリシ
ン-HCl pH2.0)であり、サンプルとしては種々の濃度のB
SAを用いた。試料導入終了10秒後のレスポンスを図6
に示す。図6に示すように、試料濃度に応じて応答が直
線的に変化しており、センサーチップに抗体が結合され
ていることが確認された。
【0034】
【発明の効果】本発明により、非特異吸着が少なく、そ
れでいてSAMを構成するチオール分子が有するカルボキ
シル基やアミノ基に所望のタンパク質等を結合すること
が可能な新規なSPR法用センサーチップが提供され
た。本発明のセンサーチップに含まれるSAMは、カルボ
キシル基又はアミノ基を有するチオール分子を含むの
で、これらの官能基を利用して、所望のタンパク質等を
容易に結合することができ、それでいて非特異吸着が極
めて低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で作成した各種センサーチップを用
い、試料を血清とした場合の時間とSPR応答との関係
を示す図である。
【図2】参考例1で作成した各種センサーチップを用
い、試料をヒト血清アルブミンとした場合の時間とSP
R応答との関係を示す図である。
【図3】参考例1で作成した各種センサーチップを用
い、試料をヒト免疫グロブリンとした場合の時間とSP
R応答との関係を示す図である。
【図4】図1ないし図3に示されるカーブにおける、試
料導入時から、100秒後の各レスポンス(SPRカーブ変
化)を棒グラフにまとめて示す図である。
【図5】本発明の実施例1及び比較例1〜6のセンサー
チップを用いた場合の時間とSPR応答との関係を示す
図である。
【図6】本発明の実施例2で作製したセンサーチップを
用いて抗原抗体反応を測定した場合の導入試料濃度とS
PR応答との関係を示す図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面プラズモン共鳴法用センサーチップ
    の金属膜上に形成される自己組織化膜を、(i)エチレン
    グリコール単位を含み、カルボキシル基又はアミノ基を
    有さないチオール、スルフィド及び/又はジスルフィド
    (I)と、(ii)カルボキシル基又はアミノ基を有するチオ
    ール、スルフィド及び/又はジスルフィド(II)とで構成
    し、上記(i)チオール、スルフィド及び/又はジスルフ
    ィド(I)と上記(ii)チオール、スルフィド及び/又はジ
    スルフィド(II)の合計に占める上記(ii)チオール、スル
    フィド及び/又はジスルフィド(II)の割合が1〜15mo
    l%である、表面プラズモン共鳴法用センサーチップ。
  2. 【請求項2】 上記(i)チオール、スルフィド及び/又
    はジスルフィド(I)がそれぞれ下記一般式[I]、[I']及び
    [I'']で示される構造を有する請求項1記載のセンサー
    チップ。HS-(CH2)n-(OC2H5)m-OH [I] 【化1】 【化2】 (ただし、各一般式において、nは1ないし30の整
    数、m1ないし10の整数を表し、1つの式中にnが2
    個含まれる場合には、2つのn同士は同一でも異なって
    いてもよく、1つの式中にmが2個含まれる場合には、
    2つのm同士は同一でも異なっていてもよい)
  3. 【請求項3】 上記一般式[I]、[I']及び[I'']におい
    て、nが5ないし22の整数、mが2ないし6の整数で
    ある請求項2記載のセンサーチップ。
  4. 【請求項4】 上記(i)チオール、スルフィド及び/又
    はジスルフィド(I)が上記一般式[I]で表されるチオール
    である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のセンサ
    ーチップ。
  5. 【請求項5】 上記(ii)チオール、スルフィド及び/又
    はジスルフィド(II)がそれぞれ下記一般式[II]、[II']
    及び[II'']で示される構造を有する請求項1ないし4の
    いずれか1項に記載のセンサーチップ。HS-(CH2)p-R
    [II] 【化3】 【化4】 (ただし、各一般式において、Rはカルボキシル基又は
    アミノ基、pは1ないし30の整数を表し、1つの式中
    にRが2個含まれる場合には、2つのR同士は同一でも
    異なっていてもよく、1つの式中にpが2個含まれる場
    合には、2つのp同士は同一でも異なっていてもよい)
    で示される構造を有する請求項1ないし4のいずれか1
    項に記載のセンサーチップ。
  6. 【請求項6】 上記一般式[II]、[II']及び[II'']にお
    いて、pが5ないし22の整数である請求項4記載のセ
    ンサーチップ。
  7. 【請求項7】 上記(ii)チオール、スルフィド及び/又
    はジスルフィド(II)が上記一般式[II]で表されるチオー
    ルである請求項1ないし6のいずれか1項に記載のセン
    サーチップ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    のセンサーチップの上記(ii)チオール、スルフィド及び
    /又はジスルフィド(II)のカルボキシル基又はアミノ基
    に、測定すべき反応に関与する一方の反応物質を結合さ
    せた表面プラズモン共鳴法用センサーチップ。
  9. 【請求項9】 結合された前記反応物質がタンパク質又
    はペプチドである請求項8記載のセンサーチップ。
  10. 【請求項10】 結合された前記反応物質が抗体又はそ
    の抗原結合性断片である請求項9記載のセンサーチッ
    プ。
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