JP2003155852A - シリンダ錠のシャッター機構 - Google Patents

シリンダ錠のシャッター機構

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JP2003155852A
JP2003155852A JP2001357978A JP2001357978A JP2003155852A JP 2003155852 A JP2003155852 A JP 2003155852A JP 2001357978 A JP2001357978 A JP 2001357978A JP 2001357978 A JP2001357978 A JP 2001357978A JP 2003155852 A JP2003155852 A JP 2003155852A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピッキングが困難なシリンダ錠を提供する。 【構成】 仕切板14に凹陥部16を形成し、この凹陥
部16中に、夫々一端を仕切板と平行な平面内で回動可
能に支承され、他端の自由端部が鍵孔5の幅方向におけ
るほぼ半分を被覆可能な一対の板状のシャッター17、
17を設けると共に、これら一対のシャッターを夫々の
自由端部が相互に近接する方向に付勢し、一方、一対の
シャッターの自由端部の相互に対抗する部分を斜めに削
いで一対の摺接端縁22、22を形成し、これらの摺接
端縁の上下方向の位置を、施解錠操作時鍵孔5に挿入さ
れた合鍵の先端が進入できるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、シリンダ錠、最
適の適用例としては本出願人が先に提案したロータリー
ディスクタンブラー錠、の内筒に設けるシャッター機構
に係り、特に、ピッキングを著しく困難にするシャッタ
ー機構に関する。 【0002】 【従来の技術】本出願人は、先に、特願2001−31
6885を以て、従来の所謂レバータンブラー錠(ロー
タリーディスクシリンダ錠)を改良した新規なロータリ
ーディスクタンブラー錠を提案した。 【0003】このロータリーディスクタンブラー錠は、
内周面の母線に沿ってカム溝を形成した外筒と、この外
筒に回転自在に嵌合し、間隙を介して中心軸線方向に積
層された複数の仕切板を設けると共に、中心軸線に沿っ
て鍵孔を貫通させた内筒と、この内筒の母線に沿って延
在し、内筒の外周部において半径方向に移動可能に案内
されると共に、上記カム溝と係合する外側縁が外方に突
出する方向に付勢されたロッキングバーとを有し、上記
仕切板の間の各スロットに、中央部に鍵孔を包囲し得る
大きさの鍵挿通孔を形成した環状のロータリーディスク
タンブラーを挿設し、その実体部の1ヵ所を、内筒を軸
線方向に貫通する支軸に揺動可能に軸支すると共に、自
由端部外側端縁に解錠切欠を形成し、一方、鍵挿通孔の
開口端縁に、先端の移動軌跡が鍵孔に挿入された合鍵の
ブレードの平面部又は端縁部と干渉する係合突起を一体
に突設し、各ロータリーディスクタンブラーをこの係合
突起が合鍵に近接する方向に付勢すると共に、常態では
内筒を軸線方向に貫通するバックアップピンに係止し、
他方、これらのタンブラー群の係合突起の夫々が鍵孔に
挿通された合鍵のブレードに形成された対応する窪みと
係合したとき、各ロータリーディスクタンブラーの解錠
切欠がロッキングバーの内側縁と整合するようにしたこ
とを特徴とするものである。 【0004】上記したロータリーディスクタンブラー錠
の構成を更に要約すると、図1に示すように、中央部に
鍵孔を包囲し得る大きさの鍵挿通孔1を形成した環状の
ロータリーディスクタンブラー2を支軸3に揺動可能に
軸支すると共に、自由端部外側端縁に解錠切欠4を形成
し、一方、鍵挿通孔1の開口端縁に、先端の移動軌跡が
鍵孔5に挿入された合鍵6のブレードの平面部又は端縁
部と干渉する係合突起7を一体に突設し、各ロータリー
ディスクタンブラー2をこの係合突起7が合鍵6に近接
する方向に付勢すると共に、常態ではバックアップピン
8に係止し、他方、これらのタンブラー群の係合突起の
夫々が鍵孔5に挿通された合鍵6のブレードに形成され
た対応する窪み9と係合したとき、各ロータリーディス
クタンブラーの解錠切欠4をロッキングバー11の内側
縁と整合させるものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記した
構成の新規なロータリーディスクタンブラー錠を改良し
ようとするものではなく、これに新規なシャッター機構
を付加することでピッキングをより困難にし、錠前とし
てのロータリーディスクタンブラー錠の安全性を更に向
上させることを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明は、シリンダ錠のロッキングバーばねを収
納する仕切板の外面の、鍵孔から支軸寄りの部分に凹陥
部を形成し、この凹陥部内に、夫々一端を仕切板と平行
な平面内で回動可能に支承され、他端の自由端部が鍵孔
の幅方向におけるほぼ半分を被覆可能な一対の板状のシ
ャッターを設けると共に、これら一対のシャッターを夫
々の自由端部が相互に近接する方向に付勢し、一方、一
対のシャッターの自由端部の相互に対抗する部分を斜め
に削いで一対の摺接端縁を形成し、鍵孔に合鍵が挿入さ
れない常態において、上記摺接端縁の上下方向の位置
を、施解錠操作時鍵孔に挿入された合鍵の先端が進入で
きるように設定したことを特徴とする。 【0007】 【実施例】以下、この発明の実施例を図2乃至図6を参
照して説明する。図2に示すように、ロータリーディス
クタンブラー錠やレバータンブラー錠では、ロッキング
バー11の前後2ヵ所をロッキングバーばね12により
下方、すなわち外方に付勢している。 【0008】奥の方(図2で左方)のロッキングバーば
ね12は、テールプラグ13を半径方向に貫通してバッ
クアップピン8に致る付番しないばね孔に収納される。 【0009】一方、外方のロッキングバーばね12は、
他のものより少し厚く通常仕切板Bと称せられる仕切板
14を下方から半径方向に貫通してバックアップピン8
に致るばね収納孔15(図3参照)に収納される。 【0010】この発明は、耐ピッキング性能を向上させ
るため、この仕切板14に一対のシャッターを組込み、
鍵孔に合鍵を挿入しない常態においてはこれらのシャッ
ターをばねの弾力により相互に近接するように付勢して
鍵孔を閉塞するように構成されている。 【0011】そのため、図3に示すように、仕切板14
の鍵孔5から上半分、すなわち、鍵孔5から支軸3寄り
の部分に凹陥部16を形成し、この凹陥部16中に、例
えば外形が略鳥の首部のような形状の一対のシャッター
17、17が、相互に背中合せにした態様で、その上端
における鳥の目の位置をシャッター軸18により回動可
能に軸支されている。 【0012】ちなみに、上記した凹陥部16を形成した
仕切板14は、例えばメタル・インジェクション(射出
成形)によって効率的に製造することができる。 【0013】そして、上記の各シャッター17は、その
くちばしの下に一端を固定された細い板ばねからなるシ
ャッターばね19の弾力により、他端(下端)自由端部
が相互に近接して鍵孔の略半分を覆うように付勢されて
いる。 【0014】なお、鍵孔5に合鍵が挿入されない常態に
おける各シャッター17の角度位置を規定するため、図
示の実施例では、図3に示すように、支軸3の長さ方向
においてシャッター17と整合する位置にカラー21を
嵌着し、常態ではこのカラー21とシャッター17を当
接させて図示の角度位置を保つように構成されている。 【0015】一方、図3に示すように、一対のシャッタ
ー17、17の自由端部の相互に対抗する部分を斜めに
削がれていて、常態における鍵孔部分に一対の摺接端縁
22、22が形成されている。 【0016】その結果、常態において、鍵孔5の横断面
における中央部分に山形の隙間が形成される。 【0017】なお、図示の実施例では、上記摺接端縁2
2は直線になるように成形されているが、これは例えば
下に凸の円弧状でも良いことは勿論である。 【0018】また、このシャッター17はプレスによる
抜き放しではなく、プレス加工後摺接端縁22をプレス
により断面円弧状に成形することが望ましい。 【0019】そして、鍵孔5に合鍵が挿入されない常態
における上記摺接端縁22の上下方向の位置は、図3に
示すように、合鍵6(図5及び図6参照)のブレード2
3の先端(右端)が摺接端縁22、22の下方に進入で
きるように設定されている。 【0020】上記のように構成されたこの発明の一実施
例によるシャッター機構は、常態では、図4に示すよう
に、シャッター17の一部は鍵孔5から覗くが、大部分
はシャッターより手前のロータリーディスクタンブラー
2、2の後に隠れる。 【0021】なお、ロータリーディスクタンブラー2が
鍵孔5の左右に見える理由は、内筒の軸線方向において
相互に隣接するロータリーディスクタンブラー2、2
は、図1に示す係合突起7が右左に位置を違えるように
形成されると共に、ロータリーディスクタンブラーの付
勢方向も交互に反対方向になるように設計されるからで
ある。 【0022】通常の施解錠操作では合鍵6が鍵孔に挿入
されるから、その先端がシャッター17より手前のロー
タリーディスクタンブラーの係合突起7、7を押上げつ
つ鍵孔内に挿入され、シャッター17に致ると、合鍵の
先端が摺接端縁22、22の下側に潜り込み、これらと
合鍵先端の面取り部との間に生じる楔作用によりシャッ
ター17、17が拡開して合鍵6の鍵孔5内への更なる
進入を許容する。 【0023】そして、施解錠操作後合鍵を鍵孔から抜く
とき、シャッター17はシャッターばね19(図3参
照)の弾力によって図3に示す鍵孔閉鎖状態に戻る。 【0024】したがって、シャッター17の存在は通常
の施解錠操作では何等障害にならないが、ピッキングの
場合にはシャッター17がその操作の邪魔になる。 【0025】すなわち、ピッキングは、鍵孔5内に細い
工具を差し入れ、目的のロータリーディスクタンブラー
の係合突起7をこの工具で押上げると共に内筒にトルク
を掛け、ロッキングバー11と解錠切欠4の整合を微妙
な手ごたえをもとに検知し、そのロータリーディスクタ
ンブラーの角度位置を摩擦係合を介してロッキングバー
11に係止する。 【0026】そして、この操作を全タンブラーについて
奥の方から行うのであるが、一番奥のタンブラーを操作
するとき、勿論工具によってシャッター17を押上げ
て、工具をそれより奥に挿入する。 【0027】このとき、シャッター17を押上げる操作
が以外に面倒であって、それは、図3から明らかなよう
に、シャッター17が鍵孔5の左右の断面積が大きい部
分をほぼ覆っているからである。 【0028】また、シャッターの摺接端縁22より下側
の工具を差し入れ易い部分は鍵孔5の中心部分にあり、
鍵孔5の左右の断面積が大きい部分に挿入した工具を単
に左右に動かす訳には行かないからである。 【0029】そして、苦労してやって一番奥のタンブラ
ーを解錠角度位置に係止したとしても、次のタンブラー
は一番奥のものとは鍵孔内で左右反対に位置している
上、上記したように鍵孔の横断面形状は中央部が複雑、
かつ細くなっているので(図3参照)、工具を単に右か
ら左に動かす、という訳には行かない。 【0030】次のタンブラーをピッキングするときに
は、折角苦労してシャッター17を押上げて挿入した工
具を、例えば鍵孔の左側の開口から一旦抜いて右側の開
口に差し替えなければならず、このときシャッターをも
う一度押上げなくてはならない。 【0031】以下同様にして、ピッキングの際タンブラ
ーの操作毎にシャッターを押上げなければならず、気が
急いている不正解錠者はついには諦めてしまい、このよ
うにしてこの発明によるシャッター機構はピッキングを
著しく困難にする。 【0032】なお、上記のシャッター機構は、図示のロ
ータリーディスクタンブラー錠に限らず、従来のレバー
タンブラー錠にも適用可能である。 【0033】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明は、内筒の比較的外端に近い仕切板14にシャッター
を組込み、ピッキング時、タンブラーのピッキング毎に
面倒なシャッターの押上げ操作を強いるから、ピッキン
グを著しく困難にする、という所期の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】ロータリーディスクタンブラー錠の構成を説明
するための横断面図。 【図2】ロータリーディスクタンブラー錠の構成を説明
するための縦断面図。 【図3】この発明によるシャッター機構の正面図。 【図4】この発明によるシャッター機構を備えたロータ
リーディスクタンブラー錠の正面図。 【図5】合鍵の平面図。 【図6】合鍵の側面図。 【符号の説明】 1 鍵挿通孔 2 ロータリーディスクタンブラー 3 支軸 4 解錠切欠 5 鍵孔 6 合鍵 7 係合突起 8 バックアップピン 9 窪み 11 ロッキングバー 12 ロッキングバーばね 14 仕切板 16 凹陥部 17 シャッター 18 シャッター軸 19 シャッターばね 21 カラー 22 摺接端縁

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 シリンダ錠のロッキングバーばねを収納
    する仕切板の外面の、鍵孔から支軸寄りの部分に凹陥部
    を形成し、この凹陥部内に、夫々一端を仕切板と平行な
    平面内で回動可能に支承され、他端の自由端部が鍵孔の
    幅方向におけるほぼ半分を被覆可能な一対の板状のシャ
    ッターを設けると共に、これら一対のシャッターを夫々
    の自由端部が相互に近接する方向に付勢し、一方、一対
    のシャッターの自由端部の相互に対抗する部分を斜めに
    削いで一対の摺接端縁を形成し、鍵孔に合鍵が挿入され
    ない常態において、上記摺接端縁の上下方向の位置を、
    施解錠操作時鍵孔に挿入された合鍵の先端が進入できる
    ように設定したことを特徴とするシリンダ錠のシャッタ
    ー機構。
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