JP2003155816A - シート建材の施工方法 - Google Patents

シート建材の施工方法

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JP2003155816A JP2001353843A JP2001353843A JP2003155816A JP 2003155816 A JP2003155816 A JP 2003155816A JP 2001353843 A JP2001353843 A JP 2001353843A JP 2001353843 A JP2001353843 A JP 2001353843A JP 2003155816 A JP2003155816 A JP 2003155816A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的伸び性の小さなシート建材であっても、
目地部に対する追従性を十分に確保することができる方
法を提供する。 【解決手段】目地部にシーリング材を充填した後、該シ
ーリング材と同一または異質組成で伸び率が50〜10
00%であるパテ材を、目地部を中心に目地幅の3〜1
00倍の幅にて塗り付け、その上に伸び率2%未満のシ
ート建材を、接着剤を介して貼り付ける。パテ材の内部
または上部には、伸縮性を有するクロスを介在させるこ
とが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐汚染性に優れ、
かつ目地部に対する追従性を有するシート建材の施工方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建築構造物の内外装仕上げにおい
て、施工の簡素化、美観性の向上等の目的で、シート建
材を接着剤により貼り付ける工法が行われている。この
ようなシート建材は、プレコートにより製造されるた
め、高意匠性を有する様々な化粧層を設けることができ
る。また、施工時には、接着剤を使用して貼り付けるだ
けで仕上げられるため、熟練工を必要とせず、養生等も
簡素化できるといった特徴を有する。
【0003】このようなシート建材を外壁仕上げとして
適用する際には、基材の保護や漏水防止等の性能が要求
される。特に、目地が設けられている基材に施工を行う
場合は、目地部の動きに対する追従性能を有することが
必須条件とされる。そこで、防水性に富んだ、弾力性を
有するシート建材が上市され、使用されている。また、
目地部に対する追従性を確保するための施工方法も提案
されている。例えば、特開平2−308059号公報で
は、伸び2%以上を有するシート建材を目地部を跨いで
貼り付ける方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、伸び性
を有するシート建材では、防水性や目地部に対する追従
性を有している反面、化粧層が比較的柔軟性を有してい
るために、汚れの問題が発生しやすい。耐汚染性の向上
を図ったシート建材として、例えば特開平4−3472
51号公報では、シート建材の表層に透明シートを設け
たものが提案されているが、該公報のシート建材は伸び
性が乏しく、目地部に対する十分な追従性を有するもの
ではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本発明者は、目地部に対する処理方法に着目し
検討を行った結果、特定の伸び率を有するパテ材を目地
及びその周辺部に特定の幅で塗り付けることで、比較的
伸び性の小さなシート建材でも目地部追従性に優れた性
能が得られることを見出した。
【0006】すなわち本発明は以下の特徴を有するもの
である。 1.目地部を有する基材に対してシート建材を施工する
に当たり、目地部にシーリング材を充填した後、該シー
リング材と同一または異質組成で伸び率が50〜100
0%であるパテ材を、目地部を中心に目地幅の3〜10
0倍の幅にて塗り付け、その上に伸び率2%未満のシー
ト建材を接着剤を介して貼り付けることを特徴とするシ
ート建材の施工方法。 2.目地部を有する基材に対してシート建材を施工する
に当たり、目地部にシーリング材を充填した後、該シー
リング材と同一または異質組成で伸び率が50〜100
0%であるパテ材を、目地部を中心に目地幅の3〜10
0倍の幅にて塗り付けるとともに、該パテ材の内部また
は上部に、伸縮性を有するクロスを介在させ、その上に
伸び率2%未満のシート建材を接着剤を介して貼り付け
ることを特徴とするシート建材の施工方法。 3.化粧層表面に低汚染性塗料が塗付されてなるシート
建材を用いることを特徴とする1.または2.に記載の
シート建材の施工方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
基づき詳細に説明する。
【0008】目地部を有する基材としては、例えば、A
LCパネル、PCパネル、サイディングボード、押し出
し成型板、珪酸カルシウム板、パーライト板等が挙げら
れる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例え
ば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施され
たものでもよい。
【0009】本発明では、まず、これらの基材の目地部
に対してシーリング材を充填するが、予めバックアップ
材充填や、プライマー塗付等の処理を行っておいてもよ
い。バックアップ材としては、例えば、発泡ポリエチレ
ン系バックアップ材等を使用することができる。プライ
マーとしては、例えば、合成ゴム系プライマー、アクリ
ル系プライマー、ウレタン系プライマー、エポキシ系プ
ライマー、シリコーンレジン系プライマー、シラン系プ
ライマー等を使用することができる。
【0010】シーリング材としては一般的なものが使用
可能であり、例えば、シリコーン系シーリング材、変性
シリコーン系シーリング材、ポリサルファイド系シーリ
ング材、変性ポリサルファイド系シーリング材、アクリ
ルウレタン系シーリング材、ポリウレタン系シーリング
材、SBR系シーリング材、ブチルゴム系シーリング材
などが挙げられる。シーリング材の充填方法は、特に限
定されず、例えば、ガンによる充填等公知の方法を採用
することができる。シーリング材充填後は、シーリング
材が目地内部に行きわたり、かつ基材に十分に接着する
ように、へら等を用いて加圧・圧締することが望まし
い。
【0011】シーリング材の充填後、伸び率が50〜1
000%(好ましくは100〜700%)の範囲にある
パテ材を塗り付ける。このようなパテ材としては、上記
シーリング材と同一または異種組成のものを使用するこ
とができる。具体的には、例えば、シリコーン系パテ
材、変性シリコーン系パテ材、ポリサルファイド系パテ
材、変性ポリサルファイド系パテ材、アクリルウレタン
系パテ材、ポリウレタン系パテ材、アクリル系パテ材、
SBR系パテ材、ブチルゴム系パテ材等が挙げられる。
【0012】パテ材の伸び率が50%未満では、目地部
に対する追従性が不十分となり、1000%を超える
と、シート建材がパテ材の動きに追従できずにひび割れ
を生じてしまう。なお、本発明における伸び率は、JI
S A6909 7.31「伸び試験」の「20℃時の
伸び試験」の方法によって測定される値である。
【0013】パテ材を目地部に塗付する際の塗付幅は、
目地部を中心に目地幅の3〜100倍(好ましくは10
〜50倍)とする。塗付幅が3倍未満では目地部の動き
を十分に緩衝することができず、シート建材に割れが生
じるおそれがある。100倍を超えるとパテ材の塗付量
が過剰となり、経済的に不利となる。
【0014】本発明では、パテ材を塗付する際に、パテ
材の内部または上部に、伸縮性を有するクロスを介在さ
せることが望ましい。このようなクロスを使用すること
により、目地部の引張り強度が向上し、十分な追従性能
を得ることができる。ここで使用するクロスとしては、
伸縮性を有する限り特に限定されず、例えば、天然繊維
クロス、合成繊維クロス等が挙げられる。また、使用す
るパテ材の種類によっては、接着剤との付着性を向上さ
せるため、パテ上にさらにシーラーを塗付しても良い。
【0015】次工程では、伸び率2%未満のシート建材
を接着剤を介して貼り付ける。接着剤としては、基材及
びパテ材とシート建材とを接着可能なものである限り、
特に限定されず各種接着剤が使用できる。具体的には、
例えば、ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系
接着剤、ウレタン系接着剤等が挙げられる。
【0016】本発明で用いるシート建材は、伸び率が2
%未満のものであり、硬度が高く、汚れに対する抵抗性
を有している。このようなシート建材を、通常の方法で
目地部を有する基材に適用すると、割れを生じるおそれ
があるが、本発明では、上述のような特定の処理を行う
ため、割れ発生を防止することができる。シート建材の
伸び率が2%以上では、化粧層が汚れやすくなる。な
お、本発明におけるシート建材の伸び率は、引張り試験
機を用いて測定されるものである。具体的には、 (1)シート建材を幅50mm、長さ150mmに切断
する(以下「試験体」という)。 (2)試験体を、チャック間距離100mm(このチャ
ック間距離をAとする)として引張り試験機に固定す
る。 (3)引張り速度を100mm/minとして、試験体
表面に割れ等の異常が生じるまで引張る(このときのチ
ャック間距離をBとする)。の手順によって測定され、
以下の式により算出される値である。 (式)伸び率(%)=[(B−A)/A]×100
【0017】本発明におけるシート建材は、伸びが2%
未満である限り特に限定されず、各種のシート建材を使
用することができる。例えば、合成樹脂及び着色骨材を
含む組成物を硬化成形したもの、あるいはこれら成形物
に、織布、不織布、ガラスクロス、合成紙等を埋め込ん
だもの等が挙げられる。シート建材の厚みは、概ね1〜
10mmである。
【0018】本発明では、耐汚染性を向上させるため、
シート建材の化粧層表面には低汚染性塗料を塗付するこ
とが望ましい。このような低汚染性塗料としては、その
被膜表面の水に対する接触角が70°以下であるものが
好適であり、例えば、シリケート等のアルコキシシラン
化合物を含む塗料等が使用できる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明
確にする。
【0020】(実施例1)2枚のサイディングボード
(150×70mm)の短辺どうしを、10mmの幅を
空けて突き合わせ、その突き合わせ部に一液湿気硬化型
ポリウレタン系シーリング材(商品名「SK弾性コーク
シーラント」;エスケー化研株式会社製)を充填した。
温度20℃・湿度65%下(以下「標準状態」という)
で72時間養生後、伸び率650%の一液湿気硬化型ポ
リウレタン系パテ材(商品名「SK弾性コークN」;エ
スケー化研株式会社製)を、シーリング材充填部を中心
に幅200mmで塗付した。標準状態で24時間養生
後、伸び率1.7%のシート建材(商品名「グラニピエ
ーレ」;エスケー化研株式会社製)を、アクリル系接着
剤(商品名「グラニピエーレ下塗材」;エスケー化研株
式会社製)を介して貼り付け、これを試験体とした。標
準状態で14日間養生後、引張り試験機を用いて、試験
体表面にひび割れ等の欠陥が生じるまでの伸びを測定し
た。なお、このときの引張り速度は1mm/minとし
た。その結果、実施例1では7.3mmの伸びを示し
た。
【0021】(実施例2)パテ材を、伸び率310%の
アクリル系パテ材(商品名「弾性目地処理材」;エスケ
ー化研株式会社製)に代えた以外は、実施例1と同様に
して試験を行った。その結果、実施例2では6.5mm
の伸びを示した。
【0022】(実施例3)パテ材の内部に、伸縮性を有
するクロス(商品名「SKソフトクロス」;エスケー化
研株式会社製)を介在させた以外は、実施例1と同様に
して試験を行った。その結果、実施例3では7.7mm
の伸びを示した。
【0023】(比較例1)パテ材を省略した以外は、実
施例1と同様にして試験を行った。その結果、比較例1
では1.8mmの伸びとなった。
【0024】(比較例2)パテ材の塗付幅を20mmと
した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。その
結果、比較例2では2.1mmの伸びとなった。
【0025】(比較例3)パテ材を、伸び率40%のア
クリル系パテ材に代えた以外は、実施例1と同様にして
試験を行った。その結果、比較例3では2.3mmの伸
びとなった。
【0026】(比較例4)シーリング材及びパテ材を省
略し、さらにシート建材を伸び率3.5%のシート建材
に代えた以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
その結果、比較例4では2.2mmの伸びとなった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、比較的伸び性の小さな
シート建材であっても、目地部に対する追従性を十分に
確保することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】目地部を有する基材に対してシート建材を
    施工するに当たり、目地部にシーリング材を充填した
    後、該シーリング材と同一または異質組成で伸び率が5
    0〜1000%であるパテ材を、目地部を中心に目地幅
    の3〜100倍の幅にて塗り付け、その上に伸び率2%
    未満のシート建材を接着剤を介して貼り付けることを特
    徴とするシート建材の施工方法。
  2. 【請求項2】目地部を有する基材に対してシート建材を
    施工するに当たり、目地部にシーリング材を充填した
    後、該シーリング材と同一または異質組成で伸び率が5
    0〜1000%であるパテ材を、目地部を中心に目地幅
    の3〜100倍の幅にて塗り付けるとともに、該パテ材
    の内部または上部に、伸縮性を有するクロスを介在さ
    せ、その上に伸び率2%未満のシート建材を接着剤を介
    して貼り付けることを特徴とするシート建材の施工方
    法。
  3. 【請求項3】化粧層表面に低汚染性塗料が塗付されてな
    るシート建材を用いることを特徴とする請求項1または
    2に記載のシート建材の施工方法。
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