JP2003155316A - 高分子化合物及びそれを用いた三次元架橋高分子材料 - Google Patents
高分子化合物及びそれを用いた三次元架橋高分子材料Info
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Abstract
いは燃料電池用プロトン伝導性高分子材料に対する問
題、課題及び要求を同時に十分満足することができる高
分子化合物及びそれを用いた三次元架橋高分子材料を提
供する。 【解決手段】 下記一般式(1)及び(2)で示される
繰り返し単位を含む共重合体である。 ここで、R1は、水素、又は飽和炭化水素基を表す。R
2は、−COO−など、R3は、飽和炭化水素基を表
し、R4は、水素、又は炭化水素基を表す。mは1から
50の整数を表す。 ここで、Q1、Q2は、Si、Ge、Ti、Ce、H
f、Te、Sn、Zrを表す。R5はR2と同様のもの
であり、R7は、炭化水素基を表し、さらに、R7は存
在しなくてもよい。R8〜R12のうちひとつ以上が水
酸基、アルコキシル基又はフェノキシ基として存在する
必要がある。nは1から50の整数を表し、kは1〜5
の整数を表す。
Description
キレン鎖とアルコキシシランなどの金属アルコキシドを
含有する高分子化合物、そしてこの高分子化合物をゾル
−ゲル法にて三次元架橋させた化合物、およびこの三次
元架橋体にイオン導電剤を添加させた高分子イオン導電
性材料に関するものである。
る環境問題、化石燃料枯渇に対するエネルギー問題等の
観点から新しいエネルギーソースとして、化学反応から
直接電気エネルギーを取り出すことのできる化学電池が
注目を集めている。特に近年では、携帯電子機器やハイ
ブリッド車・電気自動車等の需要が高まり、これらのエ
ネルギー源としてリチウムイオン電池や燃料電池に関す
る研究開発が盛んに行われている(西尾晃治、人工臓器
26巻6号 1997)。これら新しい電池が実用化
されつつある中で、更なる高効率化、軽量化等の要求か
ら、これら電池の主要部分に高分子化合物を用いた電池
(ポリマー電池・固体高分子型燃料電池(PEFC))
の開発も盛んである。
Armandらがポリエチレンオキサイドに無機電解質
を溶解させることで高分子化合物にイオン導電性を付与
させることに成功して以来、イオン導電性高分子化合物
に関する研究が盛んに行われるようになった(D. E. Fe
nton, J. M. Parker, and P. V. Wright, Polymer, Vo
l.14, 589 (1973), P. V. Wright, Br. Polym. J., Vo
l.7, 319 (1975), M. B.Armand, Ann. Rev. Mater. Sc
i., 61, 245(1986), B. L. Papke, M. A. Ratnerand D.
F. Shriver, J. Phys. Chem. Solids, Vol.42, 493(19
81), J.-F. Le Nest, A. Gandini and H. Cheradame, B
r. Polym. J., 20, 253(1988), M. Watanabe, K. Sanu
i, N. Ogata, F. Inoue, T. Kobayashi, Z. Ohgaki, Vo
l.16, No.9, 711(1984))。しかし、そのイオン導電特
性は実用レベルまでには到達しておらず、特に低温環境
下におけるイオン導電率は非常に低いものであった。こ
の問題を解決する方策として、無機塩を溶解させること
のできる高沸点有機溶媒の添加が試みられ、これによっ
てイオン導電率が飛躍的に向上し、携帯電話やノート型
PCなどの小型携帯用電子機器用電源としての実用化が
現実味を帯びてきた(高野通之、渡邉正義、表面、Vol.
38、No.5、51(2000)、植谷慶雄、ハ゛ッテリー技術シンホ゜シ゛ウム、2.1.1
(1998)、 M. Kono, E. Hayashi, M. Nishiura, and M.
Wtanabe, 147,7, 2517(2000))。しかしながら、有機溶
媒の使用は電解液の漏洩・発火・耐熱性低下などといっ
た危険性が増し、電池ユニットとしての安全性を確保す
るためには有機溶媒の使用は好ましくない。また、有機
溶媒の添加によって高分子電解質としての機械的強度の
低下も懸念されることから、溶媒を添加しない高分子固
体電解質用材料の研究開発も進められている。特に最近
ではイオンキャリアーの移動をより容易にさせる目的で
オキシエチレン鎖を側鎖とするグラフト共重合体や主鎖
及び側鎖にオキシエチレン鎖を有する多分岐型のポリエ
ーテルに関する材料開発が盛んである(M. Kono, E. Ha
yashi, and M. Watanabe, J. Electrochem. Soc., 146,
5, 1626(1999), D. Fish, I. M. Khan, E. Wu and J.
Smid, Br.Polym. J., 20, 281(1988), I. Albinsson,
B.-E. Mellander, and J. R. Stevens, Polymer, Vol.3
2, No.15, 2712(1991), M. Popall, M. Andrei, J. Kap
pel,J. Kron, K. Olma and B. Olsowski, Electrochemi
ca Acta., Vol.43, No.10-11, 1155(1998), A. Nishimo
to, M. Watanabe, Y. Ikeda and Kohjiya, Electrochem
ica Acta, Vol.43, No.10-11, 1177(1998))。
オン導電性高分子よりも早く開発に着手された。195
0年代の後半、イギリス・アメリカで宇宙開発が行われ
た際、人工衛星用電源として研究開発が活発に行われ、
その技術は急速に進歩した。そして1965年に出力1
kW燃料電池がジェミニ5号に搭載され、これが燃料電
池の実用化第1号となった。これ以降宇宙開発用・軍事
用といった特殊な用途開発が中心であったが、現在では
地球温暖化ガスを排出しない環境にやさしい電源かつ比
較的低温で稼動可能な燃料電池として注目を集め、民生
用としての開発が進められている(V. Deimede, G. A.
Voyiatzis, J. K. Kallitsis, L. Qingfeng, and N. J.
Bjerrum, Macromolecules, 33, 7609(2000))。
高プロトン伝導性・化学的安定性・膜としての機械的強
度と柔軟性等の点でフッ素系の高分子電解質が多く採用
されている。例えば、ポリテトラフルオロエチレンの一
部分にスルホン酸基が導入されたポリパーフルオロカー
ボンスルホン酸が良く知られており、いわゆるNafi
on(Du Pont社製)という商品名で知られてい
る。また、スルホン酸基の替わりにカルボン酸基を用い
ると高い電流効率が発現するといった知見からポリパー
フルオロカルボン酸も商品化された(Flemion:
商品名;旭硝子社製)。
いはポリパーフルオロカルボン酸が燃料電池用高分子材
料に用いられる理由として、要求される三つの特性、
1)高いプロトン伝導性、2)水素・酸素が直接反応す
ることを防ぐためのガスバリアー性、3)耐久性・化学
的安定性に優れている、という特性を満足する点が挙げ
られる。特に燃料電池用高分子材料として最も重要であ
る、1)プロトン伝導性に優れており、適度な含水率を
有するパーフルオロスルホン酸膜は10−2S/cmオ
ーダーといった非常に高い導電率を示す。
フッ素系高分子電解質はいくつかの欠点も有している。
それは高分子合成における工程の長さや材料コストなど
が挙げられるが、最も重要なのは動作温度に限界がある
ことである。一般に、パーフルオロスルホン酸膜を用い
た燃料電池は100℃以下で動作させるが、1)電気化
学反応の向上による触媒にかかる負荷の低減、2)改質
ガスを用いた場合におけるCOガスによる触媒被毒の低
減、等の観点から100℃以上で使用可能なプロトン伝
導性高分子膜の要求が高まってきた。これに対し、パー
フルオロスルホン酸は温度上昇に伴いスルホン酸基が脱
離してしまうといった問題を有しており、100℃以上
で動作させる燃料電池に適用することは困難である。
酸膜の改良・新規高分子材料の研究開発が現在も盛んに
行われている。また、耐熱性を向上させるために高分子
鎖両末端にシロキサン結合を導入した有機−無機ハイブ
リッド型のプロトン伝導性高分子材料に関する研究も盛
んである。
テルのようなドナー性元素を有する高分子に過塩素酸リ
チウムのような無機電解質を溶解させてイオン導電性を
発現させている。例えば、ポリエチレングリコールに適
当量の過塩素酸リチウムを溶解させると60℃以上の高
温環境下では10−3〜10−4S/cmオーダーの高
いイオン導電率を示すことが知られている。しかし、室
温付近あるいは氷点下といった低温環境下では10−8
S/cmオーダー以下といった低いイオン導電率しか示
さなくなる。これはポリエチレングリコールが結晶性高
分子であり、60℃付近以下で結晶を生成することに起
因している。この問題を回避するためには結晶の生成を
抑えるために高分子鎖をできるだけ短くする必要があ
る。例えばポリエチレングリコールの場合、分子量を数
百程度にすれば室温下でも結晶化することはほとんど無
い。しかし、分子量数百のポリエチレングリコールは室
温下では液状で、イオン導電性材料として適用すること
は困難である。このような観点から、非常に短いオキシ
エチレン鎖を側鎖として有する多分岐型のポリエチレン
グリコールや2−(2−メトキシエトキシ)エチルグリ
シジルエーテルを用いたくし型のポリエチレングリコー
ルに関する研究開発が盛んに行われており、高いイオン
導電性を示すことが報告されている。これは多くの比較
的短いオキシエチレン側鎖が同じポリエーテル主鎖に結
合した分子構造をしており、このことで主鎖や側鎖にお
ける結晶化の抑制、側鎖の高い分子運動性の確保によっ
て高いイオン導電率が発現したものと考えられる。
料において、燃料電池システムとしての更なるパフォー
マンスの向上を目的として100℃以上の動作温度で使
用でき、且つ高いプロトン伝導性を示す高分子材料の創
製が要求されている。PEFCに用いられるプロトン伝
導性高分子としてパーフルオロスルホン酸が良く知られ
ているが、100℃以上の環境下ではスルホン酸基の脱
離が起こるため、パーフルオロスルホン酸から成る膜を
そのまま適用することは困難である。この課題を解決す
るためにポリエチレングリコールのようなポリエーテル
鎖の両末端にアルコキシシランを導入した高分子化合物
をゾル−ゲル法による加水分解反応で耐熱性に優れたシ
ロキサン結合が導入された架橋体、いわゆる有機−無機
ハイブリッド型のポリエーテル架橋体を調製せしめ、こ
れにプロトンやリチウムイオンを添加させることによっ
てイオン伝導性と耐熱性を同時に向上させる研究が多く
報告されている(D. Ravaine, A. Seminel, Y. Charbou
illot and M. Vincens, J.Non-Cryst. Solid, 82, 210
(1986), K. Dahmouche, C. V. Santilli, M. Da Silva,
C. A. Ribeiro, S. H. Pulcinelli, A. F. Craievich,
J. Non-Cryst. Solid, 247, 108(1999), I. Honma, Y.
Takeda, J. M. Bae, Solid State Ionics,120, 255(19
99), K. Honda, M. Fujita, H. Ishida, R. Yamamoto,
and K. Ohgaki, J. Electrochem. Soc., Vol.135, No.1
2, 3151(1988))。このタイプの架橋体における耐熱性
は向上しているものの、イオン伝導性は十分に満足の行
くレベルには到達していない。これは、ポリエーテルの
両末端が耐熱性に寄与しているシロキサン結合で連結さ
れている分子構造であるため、オキシエチレン鎖のセグ
メント運動はこの結合によって強く束縛されることで、
十分なイオン伝導性が発現しないものと考えられる。
たポリマー電池用イオン導電性高分子材料あるいは燃料
電池用プロトン伝導性高分子材料に対する問題、課題及
び要求を同時に十分満足することができる高分子化合物
及びそれを用いた三次元架橋高分子材料を提供すること
を課題とする。
明の第1の態様は、下記一般式(1)及び(2)で示さ
れる繰り返し単位を含む共重合体であることを特徴とす
る高分子化合物にある。
状又は環状の飽和炭化水素基を表す。R2は、−O−、
−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S
−、−SO−、−SO2−、又は直鎖状、分岐状又は環
状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表
し、炭化水素基の炭素炭素結合の少なくとも一部に、−
O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO
−、−S−、−SO−、−SO2−を含んでいてもよ
く、さらに、R2は存在しなくてもよい。R3は、直鎖
状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、R4は、
水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、
又は芳香環を含む炭化水素基を表す。mは1から50の
整数を表す。
i、Ce、Hf、Te、Sn、Zrを表す。Q1とQ2
とは同じでも異なってもよく、Q1が複数存在する場合
には同じでも異なってもよい。R5は、水素又は直鎖
状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表す。R6は、
−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO
−、−S−、−SO−、−SO2−、又は直鎖状、分岐
状、環状の飽和炭化水素基又は芳香環を含む炭化水素基
を表し、炭化水素基の炭素炭素結合の少なくとも一部
に、−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NH
CO−、−S−、−SO−、−SO2−を含んでいても
よく、さらに、R6は存在しなくてもよい。R 7は、直
鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を
含む炭化水素基を表し、さらに、R7は存在しなくても
よい。R8〜R12は、水素、水酸基、アルコキシル
基、フェノキシ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シ
リル基、シロキシ基、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又
は不飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表
し、更にこれら炭化水素基の一部に、水酸基、アルコキ
シル基、フェノキシ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ
基、シリル基、シロキシ基、−O−、−CO−、−CO
O−、−N<、−NH−、>N−CO−、−NHCO
−、−S−、−S−S−、−SO−、−SO2−、−S
O2−O−を含んでいてもよい。R8〜R12は同じで
も異なっていてもよく、R8およびR9がそれぞれが複
数存在する場合にはそれぞれが同じでも異なっていても
よい。但し、R8〜R12のうちひとつ以上が水酸基、
アルコキシル基又はフェノキシ基として存在する必要が
ある。nは1から50の整数を表し、kは1〜5の整数
を表す。
て、下記一般式(3)及び(4)で示される繰り返し単
位を含む共重合体であることを特徴とする高分子化合物
にある。
し、R3は、直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基
を表し、R4は、水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の
飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表す。
mは1から50の整数を表す。
し、R7は、直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素
基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、R8〜R12
は、水素、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハ
ロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、
直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和炭化水素基、
又は芳香環を含む炭化水素基を表し、更にこれら炭化水
素基の一部に、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ
基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキ
シ基、−O−、−CO−、−COO−、−N<、−NH
−、>N−CO−、−NHCO−、−S−、−S−S
−、−SO−、−SO2−、−SO2−O−を含んでい
てもよい。R8〜R12は同じでも異なっていてもよ
く、R8およびR 9がそれぞれが複数存在する場合には
それぞれが同じでも異なっていてもよい。但し、R8〜
R12のうちひとつ以上が水酸基、アルコキシル基又は
フェノキシ基として存在する必要がある。nは1から5
0の整数を表し、kは1〜5の整数を表す。
及び(2)で示される繰り返し単位を含む共重合体を、
ゾルゲル架橋してなることを特徴とする三次元架橋高分
子材料にある。
て、上記一般式(3)及び(4)で示される繰り返し単
位を含む共重合体をゾルゲル架橋してなることを特徴と
する三次元架橋高分子材料にある。
において、導電性を付与するドーパントと共にゾルゲル
架橋してなることを特徴とする三次元架橋高分子材料に
ある。
オキシエチレン鎖、別の側鎖末端にアルコキシシランな
どのアルコキシドを有する共重合体であり、側鎖である
オキシエチレン鎖の片末端は束縛されていないため、高
いセグメント運動を確保できるので、十分なイオン伝導
性の発現も可能であると推測され、さらに別の側鎖末端
にアルコキシシランなどのアルコキシドを有しているた
めゾル−ゲル法によるシロキサン結合などの金属−酸素
−金属結合を導入してもオキシエチレン鎖のセグメント
運動を阻害することなく容易に耐熱性を向上させること
が可能であるという知見により完成されたものである。
るイオン導電率の向上と低温環境下におけるイオン導電
率の温度依存性の軽減、且つPEFC用プロトン伝導性
高分子材料における100℃以上の高温動作設計可能な
耐熱性を有する高分子材料の創製、高温環境下における
高プロトン伝導性をすべて満足するような新規高分子材
料の分子設計・高分子合成・高分子架橋膜の調製、電解
質との複合化架橋膜の調製、そして導電特性を有する複
合化架橋膜の調製が可能となる。
体は、従来のラジカル重合法によって容易に合成するこ
とができ、さらに共重合体組成は各々のユニットに対応
するモノマーの仕込みによって決定されるため、容易に
組成制御が可能で、共重合体の親水性・疎水性バラン
ス、耐熱性とのバランスを容易に制御することができる
という利点を有する。
した一般式(1)及び(2)それぞれの繰り返し単位を
構成し得る2種類以上の重合性モノマーを原料としてラ
ジカル重合することにより製造される。
(5)及び(6)で示されるアクリレート又はメタクリ
レート(以下、(メタ)アクリレートという)を挙げる
ことができる。
類のモノマーを所定のモル比で仕込み、重合開始剤及び
必要に応じて触媒を添加してラジカル重合させることに
より得ることがきる。
る共重合体を溶解可能なものであれば特に限定されない
が、例えばメタノール、エタノールに代表されるアルコ
ール類、アセトンに代表されるケトン類、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフランに代表されるエーテル類、酢
酸エチルに代表されるエステル類、ヘキサン、シクロヘ
キサン、ベンゼンに代表される脂肪族、環状又は芳香族
炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、アセトニトリルに代表される窒素、硫黄原子を含
む極性溶媒を挙げることができる。
できるものであれば限定されないが、例えば、アゾビス
イソブチロニトリルに代表されるアゾ開始剤、過酸化ベ
ンゾイルに代表される過酸化物開始剤、ベンゾインメチ
ルエーテルやジメトキシフェニルアセトフェノンに代表
される芳香族カルボニル開始剤、テトラアルキルチイラ
ムジスルフィドに代表されるイオウ系開始剤を挙げるこ
とができる。
オリゴオキシアルキレン鎖の長さを変更することによ
り、また、当該モノマーのモル比を調整することによ
り、得られる共重合体の親水性の程度を調整することが
でき、水溶性高分子とすることも可能である。また、一
般式(5)で示されるモノマーにおいて、異なるオリゴ
オキシアルキレン鎖を有する2種類以上のモノマーを使
用した場合、そのモル比によって生成ポリマー及び架橋
体のガラス転移温度などの熱的性質や結晶化を抑制する
ことも可能である。
により、ゾルゲル架橋し得る架橋部位の量を調整するこ
とができ、三次元架橋高分子材料の強度、耐熱性を調整
することが可能である。さらに、テトラエトキシシラン
などのようなゾルゲル反応可能な二官能性以上のアルコ
キシドを添加させることによって更なる機械的強度及び
耐熱性の向上を図ることも可能である。
(6)で示されるモノマーとのモル比は特に限定され
ず、あらゆる組成比で合成可能であるが、導電性、耐熱
性及び機械的強度を同時に満足させるためには一般式
(6)で表されるモノマーのモル比(=[(6)]/
{[(5)]+[(6)]})は0.001〜0.5が適当
であり、さらに高度にバランスをとるためには0.05
〜0.2が最適である。
せることにより、三次元架橋高分子材料とすることがで
きる。すなわち、本発明の高分子化合物を適当な溶媒に
溶解し、これにゾルゲル反応触媒として酸又はアルカリ
水溶液を適量添加し、この混合物を加熱することによっ
て三次元架橋体を調製することができる。
合物を溶解させる極性溶媒であれば特に限定されず、ま
た使用してもしなくてもよい。
は、一般に知られているゾルゲル反応触媒であれば特に
限定されず、また使用しなくてもよいが、効率よく反応
させるためには適当な触媒を使用したほうが好ましい。
その際使用される触媒は架橋体調製後容易に揮発除去で
きる触媒がより好ましい。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、
酢酸、アンモニアなどの水溶液を挙げることができる。
反応に預かるアルコキシド、触媒のモル比によって異な
る。アルコキシドの濃度に対して0.5倍モル以上の触
媒を使用すれば室温下でも架橋反応させることが可能で
ある。逆に、アルコキシドの濃度に対して0.001倍
モル以下の触媒を使用すれば100℃以上の環境を与え
れば架橋反応可能である。アルコキシド濃度に対して
0.01〜0.1倍モルの触媒を添加し、40〜80℃
で加熱させて架橋体を調製することがより好ましい。
り架橋体を調製する際、無機又は有機電解質を添加する
ことによってイオン導電性を付与させることができる。
ここで使用される電解質は本発明の高分子化合物に対し
て溶解又は相溶する電解質であれば特に限定されない。
例えば、カチオンとして、水素イオン、リチウムイオ
ン、ナトリウムイオン、カリウムイオンに代表されるア
ルカリ金属イオン、環状アミジンイオン、ピリジニウム
イオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンに代
表される有機カチオン等を、アニオンとして、塩素イオ
ン、臭素イオン、ヨウ素イオンに代表されるハロゲン化
物イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、チオシアン
酸イオン、四フッ化ホウ酸イオン、六フッ化リン酸イオ
ン、六フッ化ヒ酸イオン、酢酸イオンに代表されるカル
ボン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンに
代表されるスルホン酸イオン、ビス(トリフルオロスル
ホニル)イミドイオンに代表されるイミドイオン、トリ
ス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドイオンに代
表されるカルボアニオンなどを挙げることができ、上記
カチオンとアニオンの組み合わせによって形成される無
機又は有機電解質を挙げることができる。
り架橋体を調製する際の溶媒は、使用してもしなくても
よいが、本発明の高分子化合物、電解質、ゾルゲル反応
触媒を均一に混合させるためには溶媒を使用したほうが
好ましい。このときに使用される溶媒は、本発明の高分
子化合物、電解質、ゾルゲル反応触媒を溶解させ、且つ
ゾルゲル反応を阻害しない溶媒であれば特に限定されな
いが、例えばメタノール、エタノールに代表されるアル
コール類、アセトンに代表されるケトン類、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフランや1,2−ジメトキシエタ
ンに代表されるエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、アセトニトリルに代表される窒
素、硫黄原子を含む極性溶媒、エチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエ
チルカーボネートに代表されるカーボネート類、γ−ブ
チロラクトンに代表されるラクトン類、あるいは上記溶
媒における2種類以上を任意の混合比で混合された混合
溶媒を挙げることができる。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
o−MPMS)(オキシエチレン平均鎖長4.5、MP
MS組成10mol%)の合成 重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブ
チロニトリル)(AIBN)を1.15g量り取り、重
合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを100
mL加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシ
エチレン平均鎖長が4.5であるポリエチレングリコー
ルメチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA4.
5)とメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(M
PMS)をそれぞれ19.0mL、1.8mLずつ加
え、60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらに
その後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応さ
せた。
結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量
は22.57gであった。これをゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、
ポリスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)
=6500、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)=5.40であった。図1にGPC溶出曲線を示
す。
o−MPMS)(オキシエチレン平均鎖長4.5、MP
MS組成20mol%)の合成 重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブ
チロニトリル)(AIBN)を1.20g量り取り、重
合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを100
mL加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシ
エチレン平均鎖長が4.5であるポリエチレングリコー
ルメチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA4.
5)とメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(M
PMS)をそれぞれ19.0mL、3.9mLずつ加
え、60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらに
その後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応さ
せた。
結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量
は24.90gであった。これをゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、
ポリスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)
=6600、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)=7.99であった。
−MPES)(MPES組成50mol%)の合成 重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブ
チロニトリル)(AIBN)を0.03g量り取り、重
合系内をアルゴンガスで置換した後、トルエンを20m
L加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにエチレン
グリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMEM
A)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(M
PES)をそれぞれ1.4mL、2.8mLずつ加え、
60℃に加熱しながら48時間重合させることによって
重合生成物を得た。
グラフィー(GPC)で分析したところ、ポリスチレン
標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=2900
0、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)=
2.87であった。
o−MPES)(MPES組成10mol%)の合成 重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブ
チロニトリル)(AIBN)を0.09g量り取り、重
合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを20m
L加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにジエチレ
ングリコールメチルエーテルメタクリレート(DEGM
EMA)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
(MPES)をそれぞれ2.1mL、0.2mLずつ加
え、60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらに
その後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応さ
せた。
結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量
は2.28gであった。これをゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポ
リスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=
5400、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)=6.75であった。
o−MPES)(オキシエチレン平均鎖長4.5、MP
ES組成10mol%)の合成 重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブ
チロニトリル)(AIBN)を0.12g量り取り、重
合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを10m
L加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシエ
チレン平均鎖長が4.5であるポリエチレングリコール
メチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA4.
5)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(M
PES)をそれぞれ1.9mL、0.2mLずつ加え、
60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらにその
後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応させ
た。
結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量
は2.21gであった。これをゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポ
リスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=
6800、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)=6.60であった。
o−MPES)(オキシエチレン平均鎖長8.5、MP
ES組成10mol%)の合成 重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブ
チロニトリル)(AIBN)を0.27g量り取り、重
合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを20m
L加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシエ
チレン平均鎖長が8.5であるポリエチレングリコール
メチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA8.
5)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(M
PES)をそれぞれ4.6mL、0.4mLずつ加え、
60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらにその
後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応させ
た。
結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量
は4.88gであった。これをゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポ
リスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=
1200、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)=1.90であった。
o−MPES)(オキシエチレン平均鎖長8.5、MP
ES組成20mol%)の合成 重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブ
チロニトリル)(AIBN)を0.12g量り取り、重
合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを10m
L加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシエ
チレン平均鎖長が8.5であるポリエチレングリコール
メチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA8.
5)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(M
PES)をそれぞれ1.8mL、0.3mLずつ加え、
60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらにその
後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応させ
た。
結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量
は2.23gであった。これをゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポ
リスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=
2100、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)=2.13であった。
o−MPES)(オキシエチレン平均鎖長8.5、MP
ES組成40mol%)の合成 重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブ
チロニトリル)(AIBN)を0.15g量り取り、重
合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを10m
L加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシエ
チレン平均鎖長が8.5であるポリエチレングリコール
メチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA8.
5)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(M
PES)をそれぞれ1.8mL、1.0mLずつ加え、
60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらにその
後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応させ
た。
結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量
は2.73gであった。これをゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポ
リスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=
2800、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)=2.39であった。
o−MPES)(オキシエチレン平均鎖長22.7、M
PES組成10mol%)の合成 重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブ
チロニトリル)(AIBN)を0.17g量り取り、重
合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを20m
L加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシエ
チレン平均鎖長が22.7であるポリエチレングリコー
ルメチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA2
2.7)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
(MPES)をそれぞれ3.31g、0.1mLずつ加
え、60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらに
その後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応さ
せた。
結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量
は2.98gであった。これをゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポ
リスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=
2900、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)=1.02であった。
ly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)の
架橋膜調製 サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−
MPMS10)共重合体([実施例1])のテトラヒドロ
フラン(THF)溶液(56.0wt%)を1.69g
量り取り、これに0.50mol/Lの塩酸水溶液を
0.02mL加え、室温下で攪拌・混合させた。この混
合溶液を3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で
12時間加熱し、その後さらに100℃下で12時間減
圧乾燥することによって架橋膜を得た。
ラエトキシシラン(TEOS)([TEOS]/[MPM
S]=0.5)含有Poly(PEGMEMA4.5−
co−MPMS10)架橋膜の調製 サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−
MPMS10)共重合体([実施例1])のエタノール溶
液(20.0wt%)とテトラエトキシシラン(TEO
S)をそれぞれ2.30g、0.02g量り取り、さら
にこれに0.05mol/Lの塩酸水溶液を0.16m
L加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を3
cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で12時間加
熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥するこ
とによって架橋膜を得た。
ラエトキシシラン(TEOS)([TEOS]/[MPM
S]=1.0)含有Poly(PEGMEMA4.5−
co−MPMS10)架橋膜の調製 サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−
MPMS10)共重合体([実施例1])のエタノール溶
液(20.0wt%)とテトラエトキシシラン(TEO
S)をそれぞれ2.30g、0.03g量り取り、さら
にこれに0.05mol/Lの塩酸水溶液を0.22m
L加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を3
cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で12時間加
熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥するこ
とによって架橋膜を得た。
ラエトキシシラン(TEOS)([TEOS]/[MPM
S]=3.0)含有Poly(PEGMEMA4.5−
co−MPMS10)架橋膜の調製 サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−
MPMS10)共重合体([実施例1])のエタノール溶
液(20.0wt%)とテトラエトキシシラン(TEO
S)をそれぞれ2.30g、0.10g量り取り、さら
にこれに0.05mol/Lの塩酸水溶液を0.22m
L加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を3
cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で12時間加
熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥するこ
とによって架橋膜を得た。
ly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)・
過塩素酸リチウム([Li+]/[−O−]=0.30)
複合化架橋膜の調製 サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−
MPMS10)共重合体のエタノール溶液(20.0w
t%)を2.30g量り取り、これに過塩素酸リチウム
を0.20g加え、静かに攪拌しながら溶解させた。過
塩素酸リチウムが完全に溶解した後、0.050mol
/Lの塩酸水溶液を0.10mL加え、室温下で攪拌・
混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超音波を5分
間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後3cm×3
cmの成形型に流し込み、60℃で14時間加熱し、そ
の後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによっ
て架橋膜を得た。
ly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)・
過塩素酸リチウム([Li+]/[−O−]=0.15)
複合化架橋膜の調製 サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−
MPMS10)共重合体のエタノール溶液(20.0w
t%)を2.30g量り取り、これに過塩素酸リチウム
を0.10g加え、静かに攪拌しながら溶解させた。過
塩素酸リチウムが完全に溶解した後、0.050mol
/Lの塩酸水溶液を0.10mL加え、室温下で攪拌・
混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超音波を5分
間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後3cm×3
cmの成形型に流し込み、60℃で14時間加熱し、そ
の後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによっ
て架橋膜を得た。
ly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)・
過塩素酸リチウム([Li+]/[−O−]=0.07
5)複合化架橋膜の調製 サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−
MPMS10)共重合体のエタノール溶液(20.0w
t%)を2.30g量り取り、これに過塩素酸リチウム
を0.05g加え、静かに攪拌しながら溶解させた。過
塩素酸リチウムが完全に溶解した後、0.050mol
/Lの塩酸水溶液を0.10mL加え、室温下で攪拌・
混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超音波を5分
間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後3cm×3
cmの成形型に流し込み、60℃で14時間加熱し、そ
の後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによっ
て架橋膜を得た。
ly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)・
過塩素酸リチウム([Li+]/[−O−]=0.03)
複合化架橋膜の調製 サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−
MPMS10)共重合体のエタノール溶液(20.0w
t%)を2.30g量り取り、これに過塩素酸リチウム
を0.02g加え、静かに攪拌しながら溶解させた。過
塩素酸リチウムが完全に溶解した後、0.050mol
/Lの塩酸水溶液を0.10mL加え、室温下で攪拌・
混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超音波を5分
間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後3cm×3
cmの成形型に流し込み、60℃で14時間加熱し、そ
の後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによっ
て架橋膜を得た。
ly(PEGMEMA4.5−co−MPMS20)・
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
([Li+]/[−O−]=0.3)複合化架橋膜の調製 サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−
MPMS20)共重合体のエタノール溶液(20.0w
t%)を2.30g量り取り、これにリチウムビス(ト
リフルオロメタンスルホニル)イミド0.50g加え、
静かに攪拌しながら溶解させた。リチウムビス(トリフ
ルオロメタンスルホニル)が完全に溶解した後、0.0
50mol/Lの塩酸水溶液を0.20mL加え、室温
下で攪拌・混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超
音波を5分間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後
3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で15時間
加熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥する
ことによって架橋膜を得た。
ly(PEGMEMA4.5−co−MPMS20)・
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
([Li+]/[−O−]=0.05)複合化架橋膜の調
製 サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−
MPMS20)共重合体のエタノール溶液(20.0w
t%)を2.30g量り取り、これにリチウムビス(ト
リフルオロメタンスルホニル)イミドを0.08g加
え、静かに攪拌しながら溶解させた。リチウムビス(ト
リフルオロメタンスルホニル)イミドが完全に溶解した
後、0.050mol/Lの塩酸水溶液を0.20mL
加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を加圧
ろ過し、超音波を5分間照射、3.3kPa下で5分間
脱気した後3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃
で15時間加熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減
圧乾燥することによって架橋膜を得た。
ly(PEGMEMA4.5−co−MPMS20)・
エチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタン
スルホニル)イミド([EMI+]/[−O−]=0.
3)複合化架橋膜の調製 サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−
MPMS20)共重合体のエタノール溶液(20.0w
t%)を2.30g量り取り、これにエチルメチルイミ
ダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)を
0.68g加え、静かに攪拌しながら溶解させた。エチ
ルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスル
ホニル)イミドが完全に溶解した後、0.050mol
/Lの塩酸水溶液を0.20mL加え、室温下で攪拌・
混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超音波を5分
間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後3cm×3
cmの成形型に流し込み、60℃で15時間加熱し、そ
の後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによっ
て架橋膜を得た。
5−co−MPMS10)を主成分とする各種架橋膜に
おける熱重量分析 実施例10、15、16、17で得られた各種架橋膜に
おける熱重量分析を行った。測定は窒素雰囲気下で行
い、測定温度範囲は30℃から500℃までとした。昇
温速度は10℃/minとした。図2には各種架橋膜に
おける熱重量分析結果を示した。
はほとんど変化が無く、250℃付近から徐々に熱分解
が始まることが確認され、耐熱性に優れていることが分
かった。
電率測定 実施例14、17、18、19、20で調製した複合化
架橋膜における導電率およびその温度依存性について調
べた。
打ち抜いた複合化架橋膜を同径のステンレス製電極に挟
み込み、これを恒温槽に入れて−15℃〜80℃間の所
定温度まで冷却・加熱して30分保持し、その後各周波
数におけるインピーダンスを求め、コール・コール・プ
ロット法にて導電率を算出した。図3には各複合化架橋
膜における導電率の温度依存性を示した。
温環境下で10−4〜10−5S/cmオーダーを示
し、高い導電率を示すことが確認された。
けるイオン導電率の向上と低温環境下におけるイオン導
電率の温度依存性の軽減、且つPEFC用プロトン伝導
性高分子材料における100℃以上の高温動作設計可能
な耐熱性を有する高分子材料の創製、高温環境下におけ
る高プロトン伝導性をすべて満足するような新規高分子
材料の分子設計・高分子合成・高分子架橋膜の調製、電
解質との複合化架橋膜の調製、そして導電特性を有する
複合化架橋膜の調製が可能となる。
を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記一般式(1)及び(2)で示される
繰り返し単位を含む共重合体であることを特徴とする高
分子化合物。 【化1】 ここで、R1は、水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の
飽和炭化水素基を表す。R2は、−O−、−CO−、−
COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、−SO
−、−SO2−、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭
化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、炭化水
素基の炭素炭素結合の少なくとも一部に、−O−、−C
O−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、
−SO−、−SO2−を含んでいてもよく、さらに、R
2は存在しなくてもよい。R3は、直鎖状、分岐状又は
環状の飽和炭化水素基を表し、R4は、水素、又は直鎖
状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含
む炭化水素基を表す。mは1から50の整数を表す。 【化2】 ここで、Q1、Q2は、Si、Ge、Ti、Ce、H
f、Te、Sn、Zrを表す。Q1とQ2とは同じでも
異なってもよく、Q1が複数存在する場合には同じでも
異なってもよい。R5は、水素又は直鎖状、分岐状又は
環状の飽和炭化水素基を表す。R6は、−O−、−CO
−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、−
SO−、−SO2−、又は直鎖状、分岐状、環状の飽和
炭化水素基又は芳香環を含む炭化水素基を表し、炭化水
素基の炭素炭素結合の少なくとも一部に、−O−、−C
O−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、
−SO−、−SO2−を含んでいてもよく、さらに、R
6は存在しなくてもよい。R 7は、直鎖状、分岐状又は
環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を
表し、さらに、R7は存在しなくてもよい。R8〜R
12は、水素、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ
基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキ
シ基、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和炭化水
素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、更にこれら
炭化水素基の一部に、水酸基、アルコキシル基、フェノ
キシ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シ
ロキシ基、−O−、−CO−、−COO−、−N<、−
NH−、>N−CO−、−NHCO−、−S−、−S−
S−、−SO−、−SO2−、−SO2−O−を含んで
いてもよい。R8〜R12は同じでも異なっていてもよ
く、R8およびR9がそれぞれが複数存在する場合には
それぞれが同じでも異なっていてもよい。但し、R8〜
R12のうちひとつ以上が水酸基、アルコキシル基又は
フェノキシ基として存在する必要がある。nは1から5
0の整数を表し、kは1〜5の整数を表す。 - 【請求項2】 請求項1において、下記一般式(3)及
び(4)で示される繰り返し単位を含む共重合体である
ことを特徴とする高分子化合物。 【化3】 ここで、R13は、水素、又はメチル基を表し、R
3は、直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表
し、R4は、水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和
炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表す。mは
1から50の整数を表す。 【化4】 ここで、R14は、水素、又はメチル基を表し、R
7は、直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は
芳香環を含む炭化水素基を表し、R8〜R12は、水
素、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハロゲ
ン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、直鎖
状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和炭化水素基、又は
芳香環を含む炭化水素基を表し、更にこれら炭化水素基
の一部に、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハ
ロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、
−O−、−CO−、−COO−、−N<、−NH−、>
N−CO−、−NHCO−、−S−、−S−S−、−S
O−、−SO2−、−SO2−O−を含んでいてもよ
い。R8〜R12は同じでも異なっていてもよく、R8
およびR9がそれぞれが複数存在する場合にはそれぞれ
が同じでも異なっていてもよい。但し、R8〜R12の
うちひとつ以上が水酸基、アルコキシル基又はフェノキ
シ基として存在する必要がある。nは1から50の整数
を表し、kは1〜5の整数を表す。 - 【請求項3】 下記一般式(1)及び(2)で示される
繰り返し単位を含む共重合体を、ゾルゲル架橋してなる
ことを特徴とする三次元架橋高分子材料。 【化5】 ここで、R1は、水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の
飽和炭化水素基を表す。R2は、−O−、−CO−、−
COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、−SO
−、−SO2−、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭
化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、炭化水
素基の炭素炭素結合の少なくとも一部に、−O−、−C
O−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、
−SO−、−SO2−を含んでいてもよく、さらに、R
2は存在しなくてもよい。R3は、直鎖状、分岐状又は
環状の飽和炭化水素基を表し、R4は、水素、又は直鎖
状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含
む炭化水素基を表す。mは1から50の整数を表す。 【化6】 ここで、Q1、Q2は、Si、Ge、Ti、Ce、H
f、Te、Sn、Zrを表す。Q1とQ2とは同じでも
異なってもよく、Q1が複数存在する場合には同じでも
異なってもよい。R5は、水素、又は直鎖状、分岐状又
は環状の飽和炭化水素基を表す。R6は、−O−、−C
O−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、
−SO−、−SO2−、又は直鎖状、分岐状、環状の飽
和炭化水素基又は芳香環を含む炭化水素基を表し、炭化
水素基の炭素炭素結合の少なくとも一部に、−O−、−
CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S
−、−SO−、−SO2−を含んでいてもよく、さら
に、R6は存在しなくてもよい。R7は、直鎖状、分岐
状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水
素基を表し、さらに、R7は存在しなくてもよい。R8
〜R12は、水素、水酸基、アルコキシル基、フェノキ
シ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロ
キシ基、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和炭化
水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、更にこれ
ら炭化水素基の一部に、水酸基、アルコキシル基、フェ
ノキシ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、
シロキシ基、−O−、−CO−、−COO−、−N<、
−NH−、>N−CO−、−NHCO−、−S−、−S
−S−、−SO−、−SO2−、−SO2−O−を含ん
でいてもよい。R8〜R12は同じでも異なっていても
よく、R8およびR9がそれぞれが複数存在する場合に
はそれぞれが同じでも異なっていてもよい。但し、R8
〜R12のうちひとつ以上が水酸基、アルコキシル基又
はフェノキシ基として存在する必要がある。nは1から
50の整数を表し、kは1〜5の整数を表す。 - 【請求項4】 請求項3において、下記一般式(3)及
び(4)で示される繰り返し単位を含む共重合体をゾル
ゲル架橋してなることを特徴とする三次元架橋高分子材
料。 【化7】 ここで、R13は、水素又はメチル基を表し、R3は、
直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、R4
は、水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素
基、又は芳香環を含む炭化水素基を表す。mは1から5
0の整数を表す。 【化8】 ここで、R14は、水素又はメチル基を表し、R7は、
直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環
を含む炭化水素基を表し、R8〜R12は、水素、水酸
基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハロゲン、アミノ
基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、直鎖状、分岐状
又は環状の飽和又は不飽和炭化水素基、又は芳香環を含
む炭化水素基を表し、更にこれら炭化水素基の一部に、
水酸基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハロゲン、ア
ミノ基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、−O−、−
CO−、−COO−、−N<、−NH−、>N−CO
−、−NHCO−、−S−、−S−S−、−SO−、−
SO2−、−SO2−O−を含んでいてもよい。R8〜
R12は同じでも異なっていてもよく、R8およびR 9
がそれぞれが複数存在する場合にはそれぞれが同じでも
異なっていてもよい。但し、R8〜R12のうちひとつ
以上が水酸基、アルコキシル基又はフェノキシ基として
存在する必要がある。nは1から50の整数を表し、k
は1〜5の整数を表す。 - 【請求項5】 請求項3又は4において、導電性を付与
するドーパントと共にゾルゲル架橋してなることを特徴
とする三次元架橋高分子材料。
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JP2004231673A (ja) * | 2003-01-28 | 2004-08-19 | Kao Corp | 被膜形成樹脂 |
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- 2001-11-22 JP JP2001357856A patent/JP3720295B2/ja not_active Expired - Fee Related
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