JP3720295B2 - 三次元架橋高分子材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、側鎖にオキシアルキレン鎖とアルコキシシランなどの金属アルコキシドを含有する高分子化合物をゾル−ゲル法にて三次元架橋させた化合物、およびこの三次元架橋体にイオン導電剤を添加させた高分子イオン導電性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二酸化炭素などの地球温暖化ガスに関する環境問題、化石燃料枯渇に対するエネルギー問題等の観点から新しいエネルギーソースとして、化学反応から直接電気エネルギーを取り出すことのできる化学電池が注目を集めている。特に近年では、携帯電子機器やハイブリッド車・電気自動車等の需要が高まり、これらのエネルギー源としてリチウムイオン電池や燃料電池に関する研究開発が盛んに行われている(西尾晃治、人工臓器 26巻6号 1997)。これら新しい電池が実用化されつつある中で、更なる高効率化、軽量化等の要求から、これら電池の主要部分に高分子化合物を用いた電池(ポリマー電池・固体高分子型燃料電池(PEFC))の開発も盛んである。
【0003】
1970年代半ばから、Wright, Armandらがポリエチレンオキサイドに無機電解質を溶解させることで高分子化合物にイオン導電性を付与させることに成功して以来、イオン導電性高分子化合物に関する研究が盛んに行われるようになった(D. E. Fenton, J. M. Parker, and P. V. Wright, Polymer, Vol.14, 589 (1973), P. V. Wright, Br. Polym. J., Vol.7, 319 (1975), M. B. Armand, Ann. Rev. Mater. Sci., 61, 245(1986), B. L. Papke, M. A. Ratner and D. F. Shriver, J. Phys. Chem. Solids, Vol.42, 493(1981), J.-F. Le Nest, A. Gandini and H. Cheradame, Br. Polym. J., 20, 253(1988), M. Watanabe, K. Sanui, N. Ogata, F. Inoue, T. Kobayashi, Z. Ohgaki, Vol.16, No.9, 711(1984))。しかし、そのイオン導電特性は実用レベルまでには到達しておらず、特に低温環境下におけるイオン導電率は非常に低いものであった。この問題を解決する方策として、無機塩を溶解させることのできる高沸点有機溶媒の添加が試みられ、これによってイオン導電率が飛躍的に向上し、携帯電話やノート型PCなどの小型携帯用電子機器用電源としての実用化が現実味を帯びてきた(高野通之、渡邉正義、表面、Vol.38、No.5、51(2000)、植谷慶雄、バッテリー技術シンポジウム、2.1.1(1998)、 M. Kono, E. Hayashi, M. Nishiura, and M. Wtanabe, 147, 7, 2517(2000))。しかしながら、有機溶媒の使用は電解液の漏洩・発火・耐熱性低下などといった危険性が増し、電池ユニットとしての安全性を確保するためには有機溶媒の使用は好ましくない。また、有機溶媒の添加によって高分子電解質としての機械的強度の低下も懸念されることから、溶媒を添加しない高分子固体電解質用材料の研究開発も進められている。特に最近ではイオンキャリアーの移動をより容易にさせる目的でオキシエチレン鎖を側鎖とするグラフト共重合体や主鎖及び側鎖にオキシエチレン鎖を有する多分岐型のポリエーテルに関する材料開発が盛んである(M. Kono, E. Hayashi, and M. Watanabe, J. Electrochem. Soc., 146, 5, 1626(1999), D. Fish, I. M. Khan, E. Wu and J. Smid, Br. Polym. J., 20, 281(1988), I. Albinsson, B.-E. Mellander, and J. R. Stevens, Polymer, Vol.32, No.15, 2712(1991), M. Popall, M. Andrei, J. Kappel, J. Kron, K. Olma and B. Olsowski, Electrochemica Acta., Vol.43, No.10-11, 1155(1998), A. Nishimoto, M. Watanabe, Y. Ikeda and Kohjiya, Electrochemica Acta, Vol.43, No.10-11, 1177(1998))。
【0004】
一方、燃料電池用高分子材料は上記したイオン導電性高分子よりも早く開発に着手された。1950年代の後半、イギリス・アメリカで宇宙開発が行われた際、人工衛星用電源として研究開発が活発に行われ、その技術は急速に進歩した。そして1965年に出力1kW燃料電池がジェミニ5号に搭載され、これが燃料電池の実用化第1号となった。これ以降宇宙開発用・軍事用といった特殊な用途開発が中心であったが、現在では地球温暖化ガスを排出しない環境にやさしい電源かつ比較的低温で稼動可能な燃料電池として注目を集め、民生用としての開発が進められている(V. Deimede, G. A. Voyiatzis, J. K. Kallitsis, L. Qingfeng, and N. J. Bjerrum, Macromolecules, 33, 7609(2000))。
【0005】
PEFCで用いられる高分子材料としては高プロトン伝導性・化学的安定性・膜としての機械的強度と柔軟性等の点でフッ素系の高分子電解質が多く採用されている。例えば、ポリテトラフルオロエチレンの一部分にスルホン酸基が導入されたポリパーフルオロカーボンスルホン酸が良く知られており、いわゆるNafion(Du Pont社製)という商品名で知られている。また、スルホン酸基の替わりにカルボン酸基を用いると高い電流効率が発現するといった知見からポリパーフルオロカルボン酸も商品化された(Flemion:商品名;旭硝子社製)。
【0006】
ポリパーフルオロカーボンスルホン酸あるいはポリパーフルオロカルボン酸が燃料電池用高分子材料に用いられる理由として、要求される三つの特性、1)高いプロトン伝導性、2)水素・酸素が直接反応することを防ぐためのガスバリアー性、3)耐久性・化学的安定性に優れている、という特性を満足する点が挙げられる。特に燃料電池用高分子材料として最も重要である、1)プロトン伝導性に優れており、適度な含水率を有するパーフルオロスルホン酸膜は10−2S/cmオーダーといった非常に高い導電率を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらフッ素系高分子電解質はいくつかの欠点も有している。それは高分子合成における工程の長さや材料コストなどが挙げられるが、最も重要なのは動作温度に限界があることである。一般に、パーフルオロスルホン酸膜を用いた燃料電池は100℃以下で動作させるが、1)電気化学反応の向上による触媒にかかる負荷の低減、2)改質ガスを用いた場合におけるCOガスによる触媒被毒の低減、等の観点から100℃以上で使用可能なプロトン伝導性高分子膜の要求が高まってきた。これに対し、パーフルオロスルホン酸は温度上昇に伴いスルホン酸基が脱離してしまうといった問題を有しており、100℃以上で動作させる燃料電池に適用することは困難である。
【0008】
これらを解決すべくパーフルオロスルホン酸膜の改良・新規高分子材料の研究開発が現在も盛んに行われている。また、耐熱性を向上させるために高分子鎖両末端にシロキサン結合を導入した有機−無機ハイブリッド型のプロトン伝導性高分子材料に関する研究も盛んである。
【0009】
一般に、イオン導電性高分子は、ポリエーテルのようなドナー性元素を有する高分子に過塩素酸リチウムのような無機電解質を溶解させてイオン導電性を発現させている。例えば、ポリエチレングリコールに適当量の過塩素酸リチウムを溶解させると60℃以上の高温環境下では10−3〜10−4S/cmオーダーの高いイオン導電率を示すことが知られている。しかし、室温付近あるいは氷点下といった低温環境下では10−8S/cmオーダー以下といった低いイオン導電率しか示さなくなる。これはポリエチレングリコールが結晶性高分子であり、60℃付近以下で結晶を生成することに起因している。この問題を回避するためには結晶の生成を抑えるために高分子鎖をできるだけ短くする必要がある。例えばポリエチレングリコールの場合、分子量を数百程度にすれば室温下でも結晶化することはほとんど無い。しかし、分子量数百のポリエチレングリコールは室温下では液状で、イオン導電性材料として適用することは困難である。このような観点から、非常に短いオキシエチレン鎖を側鎖として有する多分岐型のポリエチレングリコールや2−(2−メトキシエトキシ)エチルグリシジルエーテルを用いたくし型のポリエチレングリコールに関する研究開発が盛んに行われており、高いイオン導電性を示すことが報告されている。これは多くの比較的短いオキシエチレン側鎖が同じポリエーテル主鎖に結合した分子構造をしており、このことで主鎖や側鎖における結晶化の抑制、側鎖の高い分子運動性の確保によって高いイオン導電率が発現したものと考えられる。
【0010】
一方、燃料電池用プロトン伝導性高分子材料において、燃料電池システムとしての更なるパフォーマンスの向上を目的として100℃以上の動作温度で使用でき、且つ高いプロトン伝導性を示す高分子材料の創製が要求されている。PEFCに用いられるプロトン伝導性高分子としてパーフルオロスルホン酸が良く知られているが、100℃以上の環境下ではスルホン酸基の脱離が起こるため、パーフルオロスルホン酸から成る膜をそのまま適用することは困難である。この課題を解決するためにポリエチレングリコールのようなポリエーテル鎖の両末端にアルコキシシランを導入した高分子化合物をゾル−ゲル法による加水分解反応で耐熱性に優れたシロキサン結合が導入された架橋体、いわゆる有機−無機ハイブリッド型のポリエーテル架橋体を調製せしめ、これにプロトンやリチウムイオンを添加させることによってイオン伝導性と耐熱性を同時に向上させる研究が多く報告されている(D. Ravaine, A. Seminel, Y. Charbouillot and M. Vincens, J. Non-Cryst. Solid, 82, 210(1986), K. Dahmouche, C. V. Santilli, M. Da Silva, C. A. Ribeiro, S. H. Pulcinelli, A. F. Craievich, J. Non-Cryst. Solid, 247, 108(1999), I. Honma, Y. Takeda, J. M. Bae, Solid State Ionics, 120, 255(1999), K. Honda, M. Fujita, H. Ishida, R. Yamamoto, and K. Ohgaki, J. Electrochem. Soc., Vol.135, No.12, 3151(1988))。このタイプの架橋体における耐熱性は向上しているものの、イオン伝導性は十分に満足の行くレベルには到達していない。これは、ポリエーテルの両末端が耐熱性に寄与しているシロキサン結合で連結されている分子構造であるため、オキシエチレン鎖のセグメント運動はこの結合によって強く束縛されることで、十分なイオン伝導性が発現しないものと考えられる。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑み、上述したポリマー電池用イオン導電性高分子材料あるいは燃料電池用プロトン伝導性高分子材料に対する問題、課題及び要求を同時に十分満足することができる高分子化合物を用いた三次元架橋高分子材料を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、下記一般式(1)及び(2)で示される繰り返し単位を含む共重合体を、ゾルゲル架橋してなることを特徴とする三次元架橋高分子材料にある。
【0013】
【化5】
Figure 0003720295
【0014】
ここで、Rは、水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表す。Rは、−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、−SO−、−SO−、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、炭化水素基の炭素炭素結合の少なくとも一部に、−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、−SO−、−SO−を含んでいてもよく、さらに、Rは存在しなくてもよい。Rは、直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、Rは、水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表す。mは1から50の整数を表す。
【0015】
【化6】
Figure 0003720295
【0016】
ここで、Q、Qは、Si、Ge、Ti、Ce、Hf、Te、Sn、Zrを表す。QとQとは同じでも異なってもよく、Qが複数存在する場合には同じでも異なってもよい。Rは、水素又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表す。Rは、−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、−SO−、−SO−、又は直鎖状、分岐状、環状の飽和炭化水素基又は芳香環を含む炭化水素基を表し、炭化水素基の炭素炭素結合の少なくとも一部に、−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、−SO−、−SO−を含んでいてもよく、さらに、Rは存在しなくてもよい。Rは、直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、さらに、Rは存在しなくてもよい。R〜R12は、水素、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、更にこれら炭化水素基の一部に、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、−O−、−CO−、−COO−、−N<、−NH−、>N−CO−、−NHCO−、−S−、−S−S−、−SO−、−SO−、−SO−O−を含んでいてもよい。R〜R12は同じでも異なっていてもよく、RおよびRがそれぞれが複数存在する場合にはそれぞれが同じでも異なっていてもよい。但し、R〜R12のうちひとつ以上が水酸基、アルコキシル基又はフェノキシ基として存在する必要がある。nは1から50の整数を表し、kは1〜5の整数を表す。
【0017】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、下記一般式(3)及び(4)で示される繰り返し単位を含む共重合体をゾルゲル架橋してなることを特徴とする三次元架橋高分子材料にある。
【0018】
【化7】
Figure 0003720295
【0019】
ここで、R13は、水素又はメチル基を表し、Rは、直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、Rは、水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表す。mは1から50の整数を表す。
【0020】
【化8】
Figure 0003720295
【0021】
ここで、R14は、水素又はメチル基を表し、Rは、直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、R〜R12は、水素、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、更にこれら炭化水素基の一部に、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、−O−、−CO−、−COO−、−N<、−NH−、>N−CO−、−NHCO−、−S−、−S−S−、−SO−、−SO−、−SO−O−を含んでいてもよい。R〜R12は同じでも異なっていてもよく、RおよびRがそれぞれが複数存在する場合にはそれぞれが同じでも異なっていてもよい。但し、R〜R12のうちひとつ以上が水酸基、アルコキシル基又はフェノキシ基として存在する必要がある。nは1から50の整数を表し、kは1〜5の整数を表す。
【0024】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、導電性を付与するドーパントと共にゾルゲル架橋してなることを特徴とする三次元架橋高分子材料にある。
【0025】
本発明で用いる高分子化合物は、側鎖としてオキシエチレン鎖、別の側鎖末端にアルコキシシランなどのアルコキシドを有する共重合体であり、側鎖であるオキシエチレン鎖の片末端は束縛されていないため、高いセグメント運動を確保できるので、十分なイオン伝導性の発現も可能であると推測され、さらに別の側鎖末端にアルコキシシランなどのアルコキシドを有しているためゾル−ゲル法によるシロキサン結合などの金属−酸素−金属結合を導入してもオキシエチレン鎖のセグメント運動を阻害することなく容易に耐熱性を向上させることが可能であるという知見により完成されたものである。
【0026】
本発明によれば、イオン導電性材料におけるイオン導電率の向上と低温環境下におけるイオン導電率の温度依存性の軽減、且つPEFC用プロトン伝導性高分子材料における100℃以上の高温動作設計可能な耐熱性を有する高分子材料の創製、高温環境下における高プロトン伝導性をすべて満足するような新規高分子材料の分子設計・高分子合成・高分子架橋膜の調製、電解質との複合化架橋膜の調製、そして導電特性を有する複合化架橋膜の調製が可能となる。
【0027】
本発明で用いる高分子化合物、すなわち、共重合体は、従来のラジカル重合法によって容易に合成することができ、さらに共重合体組成は各々のユニットに対応するモノマーの仕込みによって決定されるため、容易に組成制御が可能で、共重合体の親水性・疎水性バランス、耐熱性とのバランスを容易に制御することができるという利点を有する。
【0028】
すなわち、本発明で用いる高分子化合物は、上述した一般式(1)及び(2)それぞれの繰り返し単位を構成し得る2種類以上の重合性モノマーを原料としてラジカル重合することにより製造される。
【0029】
このようなモノマーとしては下記一般式(5)及び(6)で示されるアクリレート又はメタクリレート(以下、(メタ)アクリレートという)を挙げることができる。
【0030】
【化9】
Figure 0003720295
【0031】
【化10】
Figure 0003720295
【0032】
本発明で用いる高分子化合物は、このような2種類のモノマーを所定のモル比で仕込み、重合開始剤及び必要に応じて触媒を添加してラジカル重合させることにより得ることがきる。
【0033】
重合溶媒としては、各モノマー及び生成する共重合体を溶解可能なものであれば特に限定されないが、例えばメタノール、エタノールに代表されるアルコール類、アセトンに代表されるケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランに代表されるエーテル類、酢酸エチルに代表されるエステル類、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼンに代表される脂肪族、環状又は芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルに代表される窒素、硫黄原子を含む極性溶媒を挙げることができる。
【0034】
重合開始剤としては、ラジカル重合に使用できるものであれば限定されないが、例えば、アゾビスイソブチロニトリルに代表されるアゾ開始剤、過酸化ベンゾイルに代表される過酸化物開始剤、ベンゾインメチルエーテルやジメトキシフェニルアセトフェノンに代表される芳香族カルボニル開始剤、テトラアルキルチイラムジスルフィドに代表されるイオウ系開始剤を挙げることができる。
【0035】
一般式(5)で示されるモノマーの側鎖のオリゴオキシアルキレン鎖の長さを変更することにより、また、当該モノマーのモル比を調整することにより、得られる共重合体の親水性の程度を調整することができ、水溶性高分子とすることも可能である。また、一般式(5)で示されるモノマーにおいて、異なるオリゴオキシアルキレン鎖を有する2種類以上のモノマーを使用した場合、そのモル比によって生成ポリマー及び架橋体のガラス転移温度などの熱的性質や結晶化を抑制することも可能である。
【0036】
一般式(6)で示されるモノマーのモル比により、ゾルゲル架橋し得る架橋部位の量を調整することができ、三次元架橋高分子材料の強度、耐熱性を調整することが可能である。さらに、テトラエトキシシランなどのようなゾルゲル反応可能な二官能性以上のアルコキシドを添加させることによって更なる機械的強度及び耐熱性の向上を図ることも可能である。
【0037】
一般式(5)で示されるモノマーと一般式(6)で示されるモノマーとのモル比は特に限定されず、あらゆる組成比で合成可能であるが、導電性、耐熱性及び機械的強度を同時に満足させるためには一般式(6)で表されるモノマーのモル比(=[(6)]/{[(5)]+[(6)]})は0.001〜0.5が適当であり、さらに高度にバランスをとるためには0.05〜0.2が最適である。
【0038】
本発明で用いる高分子化合物は、ゾルゲル架橋させることにより、三次元架橋高分子材料とすることができる。すなわち、本発明の高分子化合物を適当な溶媒に溶解し、これにゾルゲル反応触媒として酸又はアルカリ水溶液を適量添加し、この混合物を加熱することによって三次元架橋体を調製することができる。
【0039】
ここで使用される溶媒は本発明で用いる高分子化合物を溶解させる極性溶媒であれば特に限定されず、また使用してもしなくてもよい。
【0040】
ゾルゲル架橋反応に使用される反応触媒は、一般に知られているゾルゲル反応触媒であれば特に限定されず、また使用しなくてもよいが、効率よく反応させるためには適当な触媒を使用したほうが好ましい。その際使用される触媒は架橋体調製後容易に揮発除去できる触媒がより好ましい。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、アンモニアなどの水溶液を挙げることができる。
【0041】
ゾルゲル架橋反応を行う際の加熱条件は、反応に預かるアルコキシド、触媒のモル比によって異なる。アルコキシドの濃度に対して0.5倍モル以上の触媒を使用すれば室温下でも架橋反応させることが可能である。逆に、アルコキシドの濃度に対して0.001倍モル以下の触媒を使用すれば100℃以上の環境を与えれば架橋反応可能である。アルコキシド濃度に対して0.01〜0.1倍モルの触媒を添加し、40〜80℃で加熱させて架橋体を調製することがより好ましい。
【0042】
本発明で用いる高分子化合物をゾルゲル反応により架橋体を調製する際、無機又は有機電解質を添加することによってイオン導電性を付与させることができる。ここで使用される電解質は本発明で用いる高分子化合物に対して溶解又は相溶する電解質であれば特に限定されない。例えば、カチオンとして、水素イオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンに代表されるアルカリ金属イオン、環状アミジンイオン、ピリジニウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンに代表される有機カチオン等を、アニオンとして、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンに代表されるハロゲン化物イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、四フッ化ホウ酸イオン、六フッ化リン酸イオン、六フッ化ヒ酸イオン、酢酸イオンに代表されるカルボン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンに代表されるスルホン酸イオン、ビス(トリフルオロスルホニル)イミドイオンに代表されるイミドイオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドイオンに代表されるカルボアニオンなどを挙げることができ、上記カチオンとアニオンの組み合わせによって形成される無機又は有機電解質を挙げることができる。
【0043】
本発明で用いる高分子化合物をゾルゲル反応により架橋体を調製する際の溶媒は、使用してもしなくてもよいが、本発明で用いる高分子化合物、電解質、ゾルゲル反応触媒を均一に混合させるためには溶媒を使用したほうが好ましい。このときに使用される溶媒は、本発明の高分子化合物、電解質、ゾルゲル反応触媒を溶解させ、且つゾルゲル反応を阻害しない溶媒であれば特に限定されないが、例えばメタノール、エタノールに代表されるアルコール類、アセトンに代表されるケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランや1,2−ジメトキシエタンに代表されるエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルに代表される窒素、硫黄原子を含む極性溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートに代表されるカーボネート類、γ−ブチロラクトンに代表されるラクトン類、あるいは上記溶媒における2種類以上を任意の混合比で混合された混合溶媒を挙げることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0045】
[実施例1]
Poly(PEGMEMA−co−MPMS)(オキシエチレン平均鎖長4.5、MPMS組成10mol%)の合成
重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を1.15g量り取り、重合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを100mL加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシエチレン平均鎖長が4.5であるポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA4.5)とメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPMS)をそれぞれ19.0mL、1.8mLずつ加え、60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらにその後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応させた。
【0046】
得られた重合生成物は液体窒素で冷却・凍結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量は22.57gであった。これをゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポリスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=6500、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)=5.40であった。図1にGPC溶出曲線を示す。
【0047】
[実施例2]
Poly(PEGMEMA−co−MPMS)(オキシエチレン平均鎖長4.5、MPMS組成20mol%)の合成
重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を1.20g量り取り、重合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを100mL加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシエチレン平均鎖長が4.5であるポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA4.5)とメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPMS)をそれぞれ19.0mL、3.9mLずつ加え、60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらにその後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応させた。
【0048】
得られた重合生成物は液体窒素で冷却・凍結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量は24.90gであった。これをゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポリスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=6600、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)=7.99であった。
【0049】
[実施例3]
Poly(EGMEMA−co−MPES)(MPES組成50mol%)の合成
重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を0.03g量り取り、重合系内をアルゴンガスで置換した後、トルエンを20mL加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMEMA)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPES)をそれぞれ1.4mL、2.8mLずつ加え、60℃に加熱しながら48時間重合させることによって重合生成物を得た。
【0050】
これをゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポリスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=29000、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)=2.87であった。
【0051】
[実施例4]
Poly(DEGMEMA−co−MPES)(MPES組成10mol%)の合成
重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を0.09g量り取り、重合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを20mL加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにジエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(DEGMEMA)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPES)をそれぞれ2.1mL、0.2mLずつ加え、60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらにその後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応させた。
【0052】
得られた重合生成物は液体窒素で冷却・凍結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量は2.28gであった。これをゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポリスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=5400、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)=6.75であった。
【0053】
[実施例5]
Poly(PEGMEMA−co−MPES)(オキシエチレン平均鎖長4.5、MPES組成10mol%)の合成
重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を0.12g量り取り、重合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを10mL加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシエチレン平均鎖長が4.5であるポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA4.5)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPES)をそれぞれ1.9mL、0.2mLずつ加え、60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらにその後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応させた。
【0054】
得られた重合生成物は液体窒素で冷却・凍結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量は2.21gであった。これをゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポリスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=6800、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)=6.60であった。
【0055】
[実施例6]
Poly(PEGMEMA−co−MPES)(オキシエチレン平均鎖長8.5、MPES組成10mol%)の合成
重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を0.27g量り取り、重合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを20mL加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシエチレン平均鎖長が8.5であるポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA8.5)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPES)をそれぞれ4.6mL、0.4mLずつ加え、60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらにその後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応させた。
【0056】
得られた重合生成物は液体窒素で冷却・凍結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量は4.88gであった。これをゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポリスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=1200、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)=1.90であった。
【0057】
[実施例7]
Poly(PEGMEMA−co−MPES)(オキシエチレン平均鎖長8.5、MPES組成20mol%)の合成
重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を0.12g量り取り、重合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを10mL加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシエチレン平均鎖長が8.5であるポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA8.5)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPES)をそれぞれ1.8mL、0.3mLずつ加え、60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらにその後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応させた。
【0058】
得られた重合生成物は液体窒素で冷却・凍結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量は2.23gであった。これをゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポリスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=2100、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)=2.13であった。
【0059】
[実施例8]
Poly(PEGMEMA−co−MPES)(オキシエチレン平均鎖長8.5、MPES組成40mol%)の合成
重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を0.15g量り取り、重合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを10mL加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシエチレン平均鎖長が8.5であるポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA8.5)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPES)をそれぞれ1.8mL、1.0mLずつ加え、60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらにその後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応させた。
【0060】
得られた重合生成物は液体窒素で冷却・凍結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量は2.73gであった。これをゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポリスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=2800、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)=2.39であった。
【0061】
[実施例9]
Poly(PEGMEMA−co−MPES)(オキシエチレン平均鎖長22.7、MPES組成10mol%)の合成
重合装置内に開始剤として2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を0.17g量り取り、重合系内をアルゴンガスで置換した後、ベンゼンを20mL加えてAIBNを攪拌・溶解させた。これにオキシエチレン平均鎖長が22.7であるポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMEMA22.7)とメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPES)をそれぞれ3.31g、0.1mLずつ加え、60℃に加熱しながら48時間重合させた。さらにその後、加熱温度を70℃に上げて24時間重合反応させた。
【0062】
得られた重合生成物は液体窒素で冷却・凍結させ、凍結乾燥によって重合生成物を回収した。収量は2.98gであった。これをゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ポリスチレン標準サンプル換算で数平均分子量(Mn)=2900、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)=1.02であった。
【0063】
[実施例10]
sol−gel法によるPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)の架橋膜調製
サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)共重合体([実施例1])のテトラヒドロフラン(THF)溶液(56.0wt%)を1.69g量り取り、これに0.50mol/Lの塩酸水溶液を0.02mL加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で12時間加熱し、その後さらに100℃下で12時間減圧乾燥することによって架橋膜を得た。
【0064】
[実施例11]
sol−gel法によるテトラエトキシシラン(TEOS)([TEOS]/[MPMS]=0.5)含有Poly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)架橋膜の調製
サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)共重合体([実施例1])のエタノール溶液(20.0wt%)とテトラエトキシシラン(TEOS)をそれぞれ2.30g、0.02g量り取り、さらにこれに0.05mol/Lの塩酸水溶液を0.16mL加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で12時間加熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによって架橋膜を得た。
【0065】
[実施例12]
sol−gel法によるテトラエトキシシラン(TEOS)([TEOS]/[MPMS]=1.0)含有Poly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)架橋膜の調製
サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)共重合体([実施例1])のエタノール溶液(20.0wt%)とテトラエトキシシラン(TEOS)をそれぞれ2.30g、0.03g量り取り、さらにこれに0.05mol/Lの塩酸水溶液を0.22mL加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で12時間加熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによって架橋膜を得た。
【0066】
[実施例13]
sol−gel法によるテトラエトキシシラン(TEOS)([TEOS]/[MPMS]=3.0)含有Poly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)架橋膜の調製
サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)共重合体([実施例1])のエタノール溶液(20.0wt%)とテトラエトキシシラン(TEOS)をそれぞれ2.30g、0.10g量り取り、さらにこれに0.05mol/Lの塩酸水溶液を0.22mL加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で12時間加熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによって架橋膜を得た。
【0067】
[実施例14]
sol−gel法によるPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)・過塩素酸リチウム([Li]/[−O−]=0.30)複合化架橋膜の調製サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)共重合体のエタノール溶液(20.0wt%)を2.30g量り取り、これに過塩素酸リチウムを0.20g加え、静かに攪拌しながら溶解させた。過塩素酸リチウムが完全に溶解した後、0.050mol/Lの塩酸水溶液を0.10mL加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超音波を5分間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で14時間加熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによって架橋膜を得た。
【0068】
[実施例15]
sol−gel法によるPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)・過塩素酸リチウム([Li]/[−O−]=0.15)複合化架橋膜の調製
サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)共重合体のエタノール溶液(20.0wt%)を2.30g量り取り、これに過塩素酸リチウムを0.10g加え、静かに攪拌しながら溶解させた。過塩素酸リチウムが完全に溶解した後、0.050mol/Lの塩酸水溶液を0.10mL加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超音波を5分間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で14時間加熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによって架橋膜を得た。
【0069】
[実施例16]
sol−gel法によるPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)・過塩素酸リチウム([Li]/[−O−]=0.075)複合化架橋膜の調製
サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)共重合体のエタノール溶液(20.0wt%)を2.30g量り取り、これに過塩素酸リチウムを0.05g加え、静かに攪拌しながら溶解させた。過塩素酸リチウムが完全に溶解した後、0.050mol/Lの塩酸水溶液を0.10mL加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超音波を5分間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で14時間加熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによって架橋膜を得た。
【0070】
[実施例17]
sol−gel法によるPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)・過塩素酸リチウム([Li]/[−O−]=0.03)複合化架橋膜の調製
サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)共重合体のエタノール溶液(20.0wt%)を2.30g量り取り、これに過塩素酸リチウムを0.02g加え、静かに攪拌しながら溶解させた。過塩素酸リチウムが完全に溶解した後、0.050mol/Lの塩酸水溶液を0.10mL加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超音波を5分間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で14時間加熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによって架橋膜を得た。
【0071】
[実施例18]
sol−gel法によるPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS20)・リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([Li]/[−O−]=0.3)複合化架橋膜の調製
サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS20)共重合体のエタノール溶液(20.0wt%)を2.30g量り取り、これにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.50g加え、静かに攪拌しながら溶解させた。リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)が完全に溶解した後、0.050mol/Lの塩酸水溶液を0.20mL加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超音波を5分間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で15時間加熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによって架橋膜を得た。
【0072】
[実施例19]
sol−gel法によるPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS20)・リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([Li]/[−O−]=0.05)複合化架橋膜の調製
サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS20)共重合体のエタノール溶液(20.0wt%)を2.30g量り取り、これにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを0.08g加え、静かに攪拌しながら溶解させた。リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが完全に溶解した後、0.050mol/Lの塩酸水溶液を0.20mL加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超音波を5分間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で15時間加熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによって架橋膜を得た。
【0073】
[実施例20]
sol−gel法によるPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS20)・エチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([EMI]/[−O−]=0.3)複合化架橋膜の調製
サンプル瓶にPoly(PEGMEMA4.5−co−MPMS20)共重合体のエタノール溶液(20.0wt%)を2.30g量り取り、これにエチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)を0.68g加え、静かに攪拌しながら溶解させた。エチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが完全に溶解した後、0.050mol/Lの塩酸水溶液を0.20mL加え、室温下で攪拌・混合させた。この混合溶液を加圧ろ過し、超音波を5分間照射、3.3kPa下で5分間脱気した後3cm×3cmの成形型に流し込み、60℃で15時間加熱し、その後さらに100℃下で一昼夜減圧乾燥することによって架橋膜を得た。
【0074】
[試験例1]
Poly(PEGMEMA4.5−co−MPMS10)を主成分とする各種架橋膜における熱重量分析
実施例10、15、16、17で得られた各種架橋膜における熱重量分析を行った。測定は窒素雰囲気下で行い、測定温度範囲は30℃から500℃までとした。昇温速度は10℃/minとした。図2には各種架橋膜における熱重量分析結果を示した。
【0075】
図2より、各架橋体はおよそ200℃まではほとんど変化が無く、250℃付近から徐々に熱分解が始まることが確認され、耐熱性に優れていることが分かった。
【0076】
[試験例2]
複合化架橋膜におけるイオン導電率測定
実施例14、17、18、19、20で調製した複合化架橋膜における導電率およびその温度依存性について調べた。
【0077】
測定方法は、直径13mmのディスク状に打ち抜いた複合化架橋膜を同径のステンレス製電極に挟み込み、これを恒温槽に入れて−15℃〜80℃間の所定温度まで冷却・加熱して30分保持し、その後各周波数におけるインピーダンスを求め、コール・コール・プロット法にて導電率を算出した。図3には各複合化架橋膜における導電率の温度依存性を示した。
【0078】
図3より、各種複合化架橋膜の導電率は高温環境下で10−4〜10−5S/cmオーダーを示し、高い導電率を示すことが確認された。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、イオン導電性材料におけるイオン導電率の向上と低温環境下におけるイオン導電率の温度依存性の軽減、且つPEFC用プロトン伝導性高分子材料における100℃以上の高温動作設計可能な耐熱性を有する高分子材料の創製、高温環境下における高プロトン伝導性をすべて満足するような新規高分子材料の分子設計・高分子合成・高分子架橋膜の調製、電解質との複合化架橋膜の調製、そして導電特性を有する複合化架橋膜の調製が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のGPC溶出曲線を示す図である。
【図2】試験例1の熱重量分析結果を示す図である。
【図3】試験例2の架橋膜のイオン導電率の温度依存性を示す図である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)及び(2)で示される繰り返し単位を含む共重合体を、ゾルゲル架橋してなることを特徴とする三次元架橋高分子材料。
    Figure 0003720295
    ここで、Rは、水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表す。Rは、−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、−SO−、−SO−、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、炭化水素基の炭素炭素結合の少なくとも一部に、−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、−SO−、−SO−を含んでいてもよく、さらに、Rは存在しなくてもよい。Rは、直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、Rは、水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表す。mは1から50の整数を表す。
    Figure 0003720295
    ここで、Q、Qは、Si、Ge、Ti、Ce、Hf、Te、Sn、Zrを表す。QとQとは同じでも異なってもよく、Qが複数存在する場合には同じでも異なってもよい。Rは、水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表す。Rは、−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、−SO−、−SO−、又は直鎖状、分岐状、環状の飽和炭化水素基又は芳香環を含む炭化水素基を表し、炭化水素基の炭素炭素結合の少なくとも一部に、−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−、−S−、−SO−、−SO−を含んでいてもよく、さらに、Rは存在しなくてもよい。Rは、直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、さらに、Rは存在しなくてもよい。R〜R12は、水素、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、更にこれら炭化水素基の一部に、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、−O−、−CO−、−COO−、−N<、−NH−、>N−CO−、−NHCO−、−S−、−S−S−、−SO−、−SO−、−SO−O−を含んでいてもよい。R〜R12は同じでも異なっていてもよく、RおよびRがそれぞれが複数存在する場合にはそれぞれが同じでも異なっていてもよい。但し、R〜R12のうちひとつ以上が水酸基、アルコキシル基又はフェノキシ基として存在する必要がある。nは1から50の整数を表し、kは1〜5の整数を表す。
  2. 請求項1において、下記一般式(3)及び(4)で示される繰り返し単位を含む共重合体をゾルゲル架橋してなることを特徴とする三次元架橋高分子材料。
    Figure 0003720295
    ここで、R13は、水素又はメチル基を表し、Rは、直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、Rは、水素、又は直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表す。mは1から50の整数を表す。
    Figure 0003720295
    ここで、R14は、水素又はメチル基を表し、Rは、直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、R〜R12は、水素、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和炭化水素基、又は芳香環を含む炭化水素基を表し、更にこれら炭化水素基の一部に、水酸基、アルコキシル基、フェノキシ基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、シリル基、シロキシ基、−O−、−CO−、−COO−、−N<、−NH−、>N−CO−、−NHCO−、−S−、−S−S−、−SO−、−SO−、−SO−O−を含んでいてもよい。R〜R12は同じでも異なっていてもよく、RおよびRがそれぞれが複数存在する場合にはそれぞれが同じでも異なっていてもよい。但し、R〜R12のうちひとつ以上が水酸基、アルコキシル基又はフェノキシ基として存在する必要がある。nは1から50の整数を表し、kは1〜5の整数を表す。
  3. 請求項1又は2において、導電性を付与するドーパントと共にゾルゲル架橋してなることを特徴とする三次元架橋高分子材料。
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