JP2003155278A - アラルキルアミノピリミジン、その製法及び農園芸用の有害生物防除剤 - Google Patents

アラルキルアミノピリミジン、その製法及び農園芸用の有害生物防除剤

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JP2003155278A
JP2003155278A JP2002252966A JP2002252966A JP2003155278A JP 2003155278 A JP2003155278 A JP 2003155278A JP 2002252966 A JP2002252966 A JP 2002252966A JP 2002252966 A JP2002252966 A JP 2002252966A JP 2003155278 A JP2003155278 A JP 2003155278A
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fluoroethyl
agricultural
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JP2002252966A
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Katsutoshi Fujii
勝利 藤井
Eisuke Funashiro
衛介 舩城
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、農園芸用の有害生物防除剤として
有用で、温血動物及び水棲生物に対する安全性に優れた
新規な5−クロロ−6−[(R,S)−1−フルオロエ
チル]−4−[(S)−1−フェニルエチルアミノ]ピ
リミジンを提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の5−クロロ−6−[(R,S)
−1−フルオロエチル]−4−[(S)−1−フェニル
エチルアミノ]ピリミジンは、次式で示される。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農園芸用の有害生
物防除剤として有用である新規なアラルキルアミノピリ
ミジン(以下、5−クロロ−6−[(R,S)−1−フ
ルオロエチル]−4−[(S)−1−フェニルエチルア
ミノ]ピリミジンと記載)、その製法及び農園芸用の有
害生物防除剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平5−201999号公報に下記一
般式(4)で表されるアラルキルアミノピリミジンが開
示されている。
【化4】 (式中、Rはハロゲン原子、低級アルキルオキシ基、
水酸基、低級アルコキシ基又は低級アルキルチオ基を表
し、Rは低級アルキル基、水素原子又はシクロアルキ
ル基を表し、Rは低級ハロアルコキシ基、水素原子、
低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、低
級アルキルチオ基、ニトロ基、低級ハロアルキル基、低
級アルキルスルフニル基、低級アルキルスルホニル
基、低級ハロアルキルチオ基又は水酸基を表し、nは1
〜5の整数を表す。) これらの化合物には2箇の不斉炭素(*)を有している
が、開示されているのはラセミ体のみであり光学活性体
に関しては何ら述べられていない。従って、ある種の光
学活性体が農園芸用の有害生物防除として優れた活性を
有することも知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−20199
9号公報に記載されているアラルキルアミノピリミジン
誘導体(4)は農園芸用の有害生物防除剤として高活性
を示すが、温血動物及び水棲生物に対する安全性は十分
なものではない。本発明の課題は、温血動物及び水棲生
物に対する安全性に優れた新規な5−クロロ−6−
[(R,S)−1−フルオロエチル]−4−[(S)−
1−フェニルエチルアミノ]ピリミジン、その製法及び
それを有効成分とする農園芸用の有害生物防除剤を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために検討した結果、新規な5−クロロ−
6−[(R,S)−1−フルオロエチル]−4−
[(S)−1−フェニルエチルアミノ]ピリミジンが温
血動物及び水棲生物に対する安全性を顕著に改善し、農
園芸用の殺虫,殺ダニ,殺線虫及び殺菌活性を有するこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は次の通りである。第1の発
明は、次式(1)で示されるアラルキルアミノピリミジ
ン、即ち5−クロロ−6−[(R,S)−1−フルオロ
エチル]−4−[(S)−1−フェニルエチルアミノ]
ピリミジンに関するものである。
【0006】
【化5】
【0007】(式中、「*」は不斉炭素原子を表わ
す。)
【0008】第2の発明は次式(2)で示される4,5
−ジクロロ−6−[(R,S)−1−フルオロエチル]
ピリミジンと
【化6】 (式中、「*」は、前記と同義である。)
【0009】次式(3)で示される(S)−1−フェニ
ルエチルアミノとを反応させることを特徴とする請求項
1記載の式(1)で示される5−クロロ−6−[(R,
S)−1−フルオロエチル]−4−[(S)−1−フェ
ニルエチルアミノ]ピリミジンの製法に関するものであ
る。
【化7】
【0010】第3の発明は、前記の式(1)で示される
5−クロロ−6−[(R,S)−1−フルオロエチル]
−4−[(S)−1−フェニルエチルアミノ]ピリミジ
ンを有効成分とする農園芸用の有害生物防除剤に関する
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の化合物(1)はアミノ基を有しているの
で、これに由来する酸付加塩も本発明に含まれる。酸付
加塩を形成する酸としては、例えば、塩酸、臭化水素
酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、シュウ
酸、フマル酸、アジピン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、アコニット酸などのカルボン酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など
のスルホン酸、サッカリンなどを挙げることができる。
【0012】〔合成法〕前記の化合物(1)の合成法
を、さらに詳細に述べる。合成法は、化合物(2)と化
合物(3)を、溶媒中、塩基存在下で反応させて化合物
(1)を得る方法である。
【0013】溶媒の種類としては、本反応に直接関与し
ないものであれば特に限定されず、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、メチルナフタリン、石油エーテ
ル、リグロイン、ヘキサン、クロルベンゼン、ジクロル
ベンゼン、クロロホルム、ジクロルエタン、トリクロル
エチレンのような塩素化された又はされていない芳香
族、脂肪族、脂環式の炭化水素類、テトラヒドロフラ
ン、シオキサン、ジエチルエーテルなどのようなエーテ
ル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのような
ニトリル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのよう
なケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、スルホラン、N,N−ジメチルイミダゾ
リジノン、N−メチルピロリドンなどのような非プロト
ン性極性溶媒、及び前記溶媒の混合物などを挙げること
ができる。
【0014】溶媒の使用量は、化合物(2)が5〜80
重量%になるようにして使用することができるが10〜
70重量%が好ましい。
【0015】塩基の種類としては、特に限定されず、有
機及び無機塩基、例えば3級アミン(トリエチルアミン
等)、DBUなどの有機塩基、アルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩
などの無機塩基を挙げることができるが、3級アミンが
好ましく、トリエチルアミンが更に好ましい。塩基の使
用量は、化合物(2)に対して1〜5倍モルであるが
1.2〜2.0倍モルが好ましい。
【0016】反応温度は、特に限定されないが、室温か
ら使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり60〜1
10℃が好ましい。反応時間は、前記の濃度、温度によ
って変化するが、通常0.5〜8時間である。原料化合
物の使用量は、化合物(2)に対して化合物(3)が
1.0〜5倍モルであるが1〜1.1倍モルが好まし
い。本発明で用いる化合物(2)は、特開平11−33
5359号公報の記載に準じて次式に示す方法で製造す
ることができる。
【0017】
【化8】 (式中、「*」は、前記と同義である。) 化合物(5)は、例えば、特開平11−171834号
公報に記載の方法に準じて、次式に示す方法で製造でき
る。
【0018】
【化9】
【0019】化合物(3)は、市販品を使用することが
できる。以上のようにして製造された目的の化合物
(1)は、反応終了後、抽出,濃縮,ロ過などの通常の
後処理を行い、各種クロマトグラフィーなどの公知の手
段で適宣精製することができる。
【0020】〔防除効果〕本発明の化合物(1)で防除
効果が認められる農園芸用有害生物としては、農園芸害
虫〔例えば、半翅目(ウンカ類、ヨコバイ類、アブラム
シ類、コナジラミ類など)、鱗翅目(ヨトウムシ類、コ
ナガ、ハマキムシ類、メイガ類、シンクイムシ類、モン
シロチョウなど)、鞘翅目(ゴミムシダマシ類、ゾウム
シ類、ハムシ類、コガネムシ類など)、ダニ目(ハダニ
科のミカンハダニ、ナミハダニなど、フシダニ科のミカ
ンサビダニなど)〕、線虫(ネコブセンチュウ、シスト
センチュウ、ネグサレセンチュウ、シンガレセンチュ
ウ、マツノザイセンチュウなど)、ネダニ、衛生害虫
(例えば、ハエ、カ、ゴキブリなど)、貯蔵害虫(例え
ば、コクヌストモドキ類、マメゾウムシ類など)、木材
害虫(例えば、イエシロアリ、ヤマトシロアリ、ダイコ
クシロアリなどのシロアリ類、ヒラタキクイムシ類、シ
バンムシ類、シンクイムシ類、カミキリムシ類、キクイ
ムシ類など)を挙げることができ、また、農園芸病原菌
(例えば、コムギ赤さび病、大麦うどんこ病、キュウリ
べと病、イネいもち病、トマト疫病など)を挙げること
ができる。
【0021】〔有害生物防除剤〕本発明の農園芸用の有
害生物防除剤は、特に、殺菌、殺虫、殺ダニ及び殺線虫
効果が顕著であり、化合物(1)を有効成分として含有
するものである。化合物(1)は、単独で使用すること
もできるが、通常は常法によって、担体、界面活性剤、
分散剤、補助剤などを配合(例えば、粉剤、乳剤、微粒
剤、粒剤、水和剤、油性の懸濁液、エアゾールなどの組
成物として調製する)して使用することが好ましい。
【0022】担体としては、例えば、タルク、ベントナ
イト、クレー、カオリン、ケイソウ土,ホワイトカーボ
ン、バーミキュライト、消石灰、ケイ砂、硫安、尿素な
どの固体担体、炭化水素(ケロシン、鉱油など)、芳香
族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、塩
素化炭化水素(クロロホルム、四塩化炭素など)、エー
テル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、ケト
ン類(アセトン、シクロヘキサノン、イソホロンな
ど)、エステル類(酢酸エチル、エチレングリコールア
セテート、マレイン酸ジブチルなど)、アルコール類
(メタノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール
など)、極性溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシドなど)、水などの液体担体、空気、窒素、炭
酸ガス、フレオンなどの気体担体(この場合には、混合
噴射することができる)などを挙げることができる。
【0023】本剤の動植物への付着、吸収の向上、薬剤
の分散、乳化、展着などの性能を向上させるために使用
できる界面活性剤や分散剤としては、例えば、アルコー
ル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、リグニンス
ルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールエーテルな
どを挙げることができる。そして、その製剤の性状を
改善するためには、例えば、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリエチレングリコール、アラビアゴムなどを補助
剤として用いることができる。本剤の製造では、前記の
担体,界面活性剤,分散剤及び補助剤をそれぞれの目的
に応じて、各々単独で又は組み合わせて使用することが
できる。
【0024】本発明の化合物(1)を製剤化した場合の
有効成分濃度は、乳剤では通常1〜50重量%、粉剤で
は通常0.3〜25重量%、水和剤では通常1〜90重
量%、粒剤では通常0.5〜5重量%、油剤では通常
0.5〜5重量%、エアゾールでは通常0.1〜5重量
%である。これらの製剤をそれぞれの目的に応じて適切
な濃度に希釈して、植物茎葉、土壌、水田の水面に散布
するか、又は直接施用することによって各種の用途に供
することができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を参考例及び実施例によって具
体的に説明する。なお、これらは、本発明の範囲を限定
するものではない。 参考例1 (R,S)−6−(1−フルオロエチル)−4−ピリミ
ドン〔化合物(6)〕の合成 (R,S)−4−フルオロ−3−オキソペンタン酸メチ
ルエステル93.3gをメタノール1000mlに溶解
し、28%ナトリウムメチラート(メタノール溶液)3
65gとホルムアミジン酢酸塩98.4gを順次加え、
40℃で12時間加熱還流した。反応終了後、10℃以
下に冷却し、濃硫酸95.1gと水85gの混合液を添
加した。次いで、50℃で30分撹拌し、不溶物を濾別
し、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をイソプロ
パノールで再結晶することによって、無色結晶である目
的化合物58gを得た。m.p.170.0〜171.
5℃
【0026】参考例2 (R,S)−6−(1−フルオロエチル)−5−クロル
−4−ピリミドン〔化合物(7)〕の合成 (R,S)−6−(1−フルオロエチル)−4−ピリミ
ドン16.0gをジクロロエタン160mlに懸濁させ
た溶液を60℃に加温し、塩素8.76gを20分で吹
き込んだ後、さらに、60℃で1時間撹拌した。反応液
を5℃に冷却し、析出した結晶を濾集し、水洗、乾燥
し、淡黄色結晶の目的物17.6gを得た。更に、イソ
プロパノールによる再結晶で精製することによって、無
色粉状結晶である目的化合物15.4gを得た。m.
p.190〜191℃
【0027】参考例3 (R,S)−4,5−ジクロロ−6−(1−フルオロエ
チル)ピリミジン〔化合物(2)〕の合成 (R,S)−6−(1−フルオロエチル)−5−クロル
−4−ピリミドン88.3gを酢酸エチル442mlに
加え、N,N−ジメチルフォルムアミド71.4gを滴
下し、3時間撹拌して反応を完結した。反応混合物を5
℃以下に冷却後、氷冷水に加え、20%水酸化ナトリウ
ムでpH3に調整し、酢酸エチル層を分取し、水洗、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、減圧下溶媒を留
去し、得られた残渣を減圧蒸留で精製することによっ
て、無色液体である目的物89.8gを得た。 b.p.95℃/6.0〜6.5mmHg
【0028】実施例1〔化合物(1)の合成法〕 5−クロロ−6−[(R,S)−1−フルオロエチル]
−4−[(S)−1−フェニルエチルアミノ]ピリミジ
ン(化合物1)の合成 (S)−1−フェニルエチルアミン15.7gとトリエ
チルアミン16.7gをトルエン200mlに溶解し、
(R,S)−4,5−ジクロロ−6−(1−フルオロエ
チル)ピリミジン23.0gを加え、6時間加熱還流撹
拌した。反応終了後、トリエチルアミン塩酸塩を濾別
し、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、展開
溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製する
ことによって、淡黄色粘稠液体である目的物32.0g
を得た。
【0029】
【0030】実施例2〔製剤の調製〕 (1)粒剤の調製 化合物(1)を5重量部、ベントナイト35重量部、タ
ルク57重量部、ネオペレックスパウダー(商品名;花
王株式会社製)1重量部及びリグニンスルホン酸ソーダ
2重量部を均一に混合し、次いで少量の水を添加して混
練した後、造粒、乾燥して粒剤を得た。
【0031】(2)水和剤の調製 化合物(1)を10重量部、カオリン70重量部、ホワ
イトカーボン18重量部、ネオペレックスパウダー(商
品名;花王株式会社製)1.5重量部及びデモール(商
品名;花王株式会社製)0.5重量部を均一に混合し、
次いで粉砕して水和剤を得た。
【0032】(3)乳剤の調製 化合物(1)を20重量部及びキシレン70重量部に、
トキサノン(商品名;三洋化成工業製)10重量部を加
えて均一に混合して乳剤を得た。
【0033】(4)粉剤の調製 化合物(1)を粉5重量部,タルク50重量部及びカオ
リン45重量部を均一に混合して粉剤を得た。
【0034】実施例3〔効力試験〕 比較化合物として、特開平5−201999号公報に記
載されている次式(9)で示される5−クロロ−6−
((R,S)−1−フルオロエチル)−4−((R,
S)−1−フェニルエチルアミノ)ピリミジン(化合物
番号19)を本発明化合物と同様に調剤し、同様に試験
した。
【0035】
【化10】 (式中、「*」は不斉炭素原子を表す。)
【0036】(1)サツマイモネコブセンチュウに対す
る効力試験 実施例2に準じて調製した化合物(1)の各水和剤を水
で200ppmに希釈し、そのうち0.1mlを試験管
にとり、サツマイモネコブセンチュウ500頭を含む液
0.9mlを加えた。次に、これらの試験管を25℃の
低温室に放置し、2日後に顕微鏡下で観察して殺線虫率
を求めた。殺線虫の効果の評価は殺線虫率の範囲によ
り、4段階(A:100〜90%、B:89〜80%、
C:79〜60%、D:59%以下)で示した。殺線虫
効果の評価結果を比較化合物とともに表1に示す。
【0037】(2)ナミハダニに対する試験 実施例2に準じて調製した化合物(1)の各水和剤を界
面活性剤(0.01%)を含む水で300ppmに希釈
し、これらの各溶液中に15頭のナミハダニ雌成虫を2
4時間寄生産卵させた後に成虫を除去した各インゲン葉
片(直径20mm)を10秒間づつ浸漬した。次に,こ
れらの各葉片を25℃の定温室に放置し,3日後に各葉
片における生死虫数を数えて殺ダニ率を求めた。殺ダニ
の効果の評価は殺ダニ率の範囲により、4段階(A:1
00%、B:99〜80%、C:79〜60%、D:5
9%以下)で示した。殺ダニ効果の評価結果を比較化合
物とともに表1に示す。
【0038】(3)コナガに対する効力試験 実施例2に準じて調製した化合物(1)の各水和剤を界
面活性剤(0.01%)を含む水で50ppmに希釈
し、これら各薬液中にキャベツ葉片(5cm×5cm)
を30秒浸漬し、各プラスチックカップに一枚ずつ入れ
て風乾した。次に、これらカップ内に各々10頭のコナ
ガ(3齢幼虫)を放って蓋をし、25℃の定温室に放置
し、2日後に各カップの生死虫数を数えて死虫率を求め
た。殺虫の効果の評価は殺虫率の範囲により、4段階
(A:100%、B:99〜80%、C:79〜60
%、D:59%以下)で示した。殺虫効果の評価結果を
比較化合物とともに表1に示す。
【0039】(4)トビイロウンカに対する効力試験 実施例2に準じて調製した化合物(1)の各水和剤を界
面活性剤(0.01%)を含む水で50ppmに希釈
し、これら各薬液中にイネ稚苗を30秒浸漬し風乾後、
それぞれのガラス円筒に挿入した。次に、これらガラス
円筒に各々10頭のトビイロウンカ(4齢幼虫)を放っ
て多孔性の栓をし、25℃の定温室に放置し、4日後に
生死虫数を数えて死虫率を求めた。殺虫の効果の評価は
殺虫率の範囲により、4段階(A:100%、B:99
〜80%、C:79〜60%、D:59%以下)で示し
た。殺虫効果の評価結果を比較化合物とともに表1に示
す。
【0040】(5)ツマグロヨコバイに対する効力試験 実施例2に準じて調製した化合物(1)の各水和剤を界
面活性剤(0.01%)を含む水で300ppmに希釈
し、これら各薬液中にイネ稚苗を30秒浸漬し風乾後、
それぞれのガラス円筒に挿入した。次に、これらガラス
円筒に各々10頭のツマグロヨコバイ(4齢幼虫)を放
って多孔性の栓をし、25℃の定温室に放置し、4日後
に生死虫数を数えて死虫率を求めた。殺虫の効果の評価
は殺虫率の範囲により、4段階(A:100%、B:9
9〜80%、C:79〜60%、D:59%以下)で示
した。殺虫効果の評価結果を比較化合物とともに表1に
示す。
【0041】
【表1】
【0042】(6)コムギ赤さび病に対する防除効力試
験(予防試験) 直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢あたり10本ず
つコムギ(品種;コブシコムギ)を育成し、1.5葉期
の幼植物体に、実施例2に準じて調製した化合物(1)
の水和剤を、界面活性剤(0.01%)を含む水で25
ppmに希釈して、1鉢あたり20mlで散布した。散
布後、2日間ガラス温室で栽培し、次いで、コムギ赤さ
び病菌の胞子懸濁液(7×10胞子/ml)を植物体
に均一に噴霧接種した。接種後、1週間ガラス温室内で
育成し、第1葉に現れたコムギ赤さび病病斑の程度を調
査した。殺菌効果の評価は、無処理区の病斑の程度と比
較して、6段階(0:全体が罹病、1:病斑面積が60
%程度、2:病斑面積が40%程度、3:病斑面積が2
0%程度、4:病斑面積が10%以下、5:病斑なし)
で示した。殺菌効果の評価結果を比較化合物とともに表
2に示す。
【0043】(7)オオムギうどんこ病に対する防除効
力試験(予防試験) 直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢当たり10本づ
つオオムギ(品種;黒ムギ)を育成し、1.5葉期の幼
植物体に、実施例2に準じて調製した化合物(1)の水
和剤を、界面活性剤(0.01%)を含む水で25pp
mに希釈して、1鉢あたり20mlで散布した。散布
後、2日間ガラス温室で栽培し、次いで、オオムギうど
んこ菌分成胞子を罹病葉から集め、これを植物体の上か
らまんべんなく振りかけて接種した。次に、これらを1
週間ガラス温室内で育成し、各第1葉に現れたオオムギ
うどんこ病病斑の程度を調査した。殺菌効果の評価は、
無処理区の病斑の程度と比較して、6段階(0:全体が
罹病、1:病斑面積が60%程度、2:病斑面積が40
%程度、3:病斑面積が20%程度、4:病斑面積が1
0%以下、5:病斑なし)で示した。殺菌効果の評価結
果を比較化合物とともに表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】実施例4〔安全性試験〕 効力試験と同様に、比較例として、特開平5−2019
99号公報に記載されている5−クロロ−6−((R,
S)−1−フルオロエチル)−4−((R,S)−1−
フェニルエチルアミノ)ピリミジン(化合物番号19)
を本発明化合物と同様に調剤し、同様に試験した。
【0046】(1)ヒメダカ急性毒性試験 実施例2に準じて調製した化合物(1)の水和剤を飼育
水(水道水を活性炭で塩素を除去し、恒温水循環器で2
5℃にしたもの)で0.05ppmに希釈した試験薬液
500mlをビーカーにとり、屋内魚類飼育水槽(水温
25℃、明期13時間、暗期11時間)で1週間以上馴
化飼育し、目視観察で異状のある固体を除去したヒメダ
カ(Oryzieas latipes)成魚3匹を放った。次に、室温2
5℃、明期13時間、暗期11時間の条件で72時間飼
育し、死亡数を調査した。試験は2連で行い、同時に飼
育水のみの対照区を設け、この区での死亡のない事を確
認した。試験結果を比較化合物とともに表3に示す。
【0047】(2)ミジンコ急性毒性試験 実施例2に準じて調製した化合物(1)の水和剤を飼育
水(水道水を活性炭で塩素を除去し、恒温水循環器で2
5℃にしたもの)で0.05ppmに希釈した試験薬液
100mlをビーカーにとり、屋内魚類飼育水槽(水温
25℃、明期13時間、暗期11時間)で飼育したミジ
ンコ(Daphnia pulex)を試験用ふるいで、成体を分離
し、24時間後に成体を除去して得た、生後24時間以
内の仔虫を10匹放った。次に、室温25℃、明期13
時間、暗期11時間の条件で48時間飼育し、死亡数を
調査した。試験は2連で行い、同時に飼育水のみの対照
区を設け、この区での死亡のない事を確認した。試験結
果を比較化合物とともに表3に示す。
【0048】(3)マウス急性毒性試験 ICR系雌性マウスを5週齢で入荷し、温度25℃±2
℃、湿度55±10%、換気15回/時、照明12時間
に自動制御された飼育室内で床敷を敷いたポリカーボネ
ート製ゲージに収容し、1週間の検疫・馴化の後に健康
な動物6匹を選んだ。動物用固形飼料(日本クレア)及
び水道水は自由に摂取させるが、投与4時間前より絶食
させ試験に用いた。化合物(1)を投与時の体重を基準
として体重1kg当たり200mgになるように1%C
MC(Carboxy methyl cellulose)水溶液に懸濁させ、体
重1kg当たり20mlの割合で、1mlのディスポー
ザブル注射筒に胃ゾンデを装着し、1回強制投与した。
投与後、同様の条件で飼育し、24時間毎に1週間観察
を行い死亡数を調査した。同時に、薬剤を加えない対照
区を設け、この区での死亡のない事を確認した。試験結
果を比較化合物とともに表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】本発明の新規な5−クロロ−6−
[(R,S)−1−フルオロエチル]−4−[(S)−
1−フェニルエチルアミノ]ピリミジンは、公知化合物
(5−クロロ−6−((R,S)−1−フルオロエチ
ル)−4−((R,S)−1−フェニルエチルアミノ)
ピリミジン)に比較して、温血動物及び水棲生物に対す
る安全性に優れ、農園芸用の有害生物防除効果を有する
ものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(1)で示されるアラルキルアミノピ
    リミジン。 【化1】 (式中、「*」は、不斉炭素原子を表す。)
  2. 【請求項2】次式(2)で示される4,5−ジクロロ−
    6−[(R,S)−1−フルオロエチル]ピリミジンと 【化2】 (式中、「*」は、請求項1の記載と同義である。)次
    式(3)で示される(S)−1−フェニルエチルアミノ
    とを反応させることを特徴とする請求項1記載の式
    (1)で示されるアラルキルアミノピリミジンの製法。 【化3】
  3. 【請求項3】請求項1に記載の式(1)で示されるアラ
    ルキルアミノピリミジンを有効成分とする有害生物防除
    剤。
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