JP4180377B2 - 有害生物防除剤 - Google Patents

有害生物防除剤 Download PDF

Info

Publication number
JP4180377B2
JP4180377B2 JP2002561469A JP2002561469A JP4180377B2 JP 4180377 B2 JP4180377 B2 JP 4180377B2 JP 2002561469 A JP2002561469 A JP 2002561469A JP 2002561469 A JP2002561469 A JP 2002561469A JP 4180377 B2 JP4180377 B2 JP 4180377B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
halogen atom
compound
branched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002561469A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2002060901A1 (ja
Inventor
山 和 彦 尾
岡 豪 寺
本 一 美 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Seika Kaisha Ltd filed Critical Meiji Seika Kaisha Ltd
Publication of JPWO2002060901A1 publication Critical patent/JPWO2002060901A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4180377B2 publication Critical patent/JP4180377B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D471/06Peri-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N43/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds
    • A01N43/90Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having two or more relevant hetero rings, condensed among themselves or with a common carbocyclic ring system

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

[発明の背景]
発明の分野
本発明は、新規なトリアゾキノロン誘導体、その製造方法、および該誘導体を有効成分として含んでなる有害生物防除剤に関する。
背景技術
従来より、有害生物防除剤が多く報告されている。しかしながら、その効力が充分でなかったり、ヒトや動物等の生物に対するその安全性が充分でなかったりすることがあって、防除剤として満足すべき性能を有しないものが少なくなかった。
このため、有害生物に対して満足できる防除効果を有し、かつ安全に使用できる薬剤が望まれている。
他方で、公知の文献であるJournal of Chinese Pharmaceutical Sciences 7(2),62,1998には、下記式(a)で示される化合物が記載されている。
しかしながら、該式(a)における5位にカルボキシル基を有さない化合物、およびその効果については、本発明者らの知る限り、これまで知られていなかった。
Figure 0004180377
[式中、Rは、モルホリン−4−イル(morpholin−4−yl)基、またはピロリジン−1−イル(pyrrolidin−1−yl)基を表す]。
[発明の概要]
本発明者らは、今般、特定の構造を有するトリアゾキノロン誘導体が、優れた有害生物防除効果を示すことを見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。
よって、本発明は、有害生物に対する防除効果に優れ、かつ安全に使用できる有害生物防除剤の提供をその目的としている。
そして本発明によれば、下記式(1)で表される化合物またはその塩が提供される。
Figure 0004180377
[式中、
は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜6アルキル基、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよいC1〜6のアルコキシ基、またはニトロ基を表し、
nは0〜3の整数を表し、
は、水素原子、ハロゲン原子、または、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜4アルキル基を表し、かつ
は、水素原子、ハロゲン原子、または、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜12アルキル基を示すか、または
およびRは、一緒になって−(CH−を表してもよく、
このときmは3または4の整数を示す]。
本発明の別の態様によれば、前記式(1)の化合物の製造方法であって、
下記式(2):
Figure 0004180377
[式中、
は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜6アルキル基、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよいC1〜6のアルコキシ基、またはニトロ基を表し、
nは0〜3の整数を表し、
は、水素原子、ハロゲン原子、または、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜4アルキル基を表し、かつ
は、水素原子、ハロゲン原子、または、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜12アルキル基を示すか、または
およびRは、一緒になって−(CH−を表してもよく、
このときmは3または4の整数を示す]、
の化合物をニトロ化して、下記式(3)の化合物を得、そして
Figure 0004180377
[式(3)中、R、n、R、およびRは前記式(2)と同じである]
前記式(3)の化合物を還元して、下記式(4)化合物を得、
Figure 0004180377
[式(4)中、R、n、R、およびRは前記式(2)と同じである]
得られた式(4)の化合物をジアゾ化することにより、式(1)の化合物を得ることを含んでなる方法が提供される。
また、本発明による有害生物防除剤は、前記化合物またはその塩の少なくとも一種を有効成分として含んでなるものである。
[発明の具体的説明]
式(1)の化合物
本発明による化合物は、前記式(1)の化合物(トリアゾキノロン誘導体)またはその塩である。この式(1)の化合物またはその塩は、優れた有害生物防除効果を有するものであり、また、使用に際しての安全性にも優れたものである。なお、ここでいう安全性とは、防除対象となる有害生物以外の生物、例えば、施薬の対象となる植物、施薬する人間、周囲に生息する動植物、魚類、鳥類、益虫などに対する毒性が認められないか、または極めて低いことをいう。
前記式(1)の化合物において、Rは、同一または異なってもよく、ハロゲン原子、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜6アルキル基、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよいC1〜6のアルコキシ基、またはニトロ基を表す。またここで、nは0〜3の整数、好ましくは1または2を表す。
本発明において、「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を意味し、好ましくはフッ素原子、塩素原子、または臭素原子を表わす。
このRにおいて、「アルキル基」は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれの形式であってもよく、その炭素数は典型的には1〜6である。この「アルキル基」は、ハロゲン原子もしくは水酸基により任意に置換されてもよい。したがって、該「アルキル基」は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基であることができ、好ましくは、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、またはシクロヘキシル基を表す。
またこのRにおいて、「アルコキシ基」は、直鎖状、または分岐鎖状のいずれの形式であってもよく、その炭素数は典型的には1〜6である。該「アルコキシ基」は、ハロゲン原子もしくは水酸基により任意に置換されてもよい。具体的には、該「アルコキシ基」は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、またはブトキシ基などであることができ、好ましくは、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、またはエトキシ基を表わす。
本発明において、前記式(1)は下記式(1’)として表すことができる。なおこのとき、RおよびRは式(1)における場合と同じである。
Figure 0004180377
この場合、式(1)におけるRに相当するR11、R12、およびR13は下記のように表すことができる。
すなわち、式(1’)のR11、R12、およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜6アルキル基、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよいC1〜6のアルコキシ基、またはニトロ基を表す。
本発明の好ましい態様によれば、R11は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されてもよいC1〜4アルキル基、ハロゲン原子により置換されてもよいC1〜4アルコキシ基、またはニトロ基を表し、より好ましくは、水素原子を表す。
またR12は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されてもよい直鎖、分岐、もしくは環状のC1〜6アルキル基、ハロゲン原子により置換されてもよい直鎖、分岐、もしくは環状のC1〜6アルコキシ基、またはニトロ基を表し、より好ましくは、水素原子、塩素原子、メチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、イソブチル基、ネオペンチル基、トリフルオロメトキシ基、またはニトロ基を表す。
13は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されてもよい直鎖、分岐、もしくは環状のC1〜6アルキル基、ハロゲン原子により置換されてもよい直鎖、分岐、もしくは環状のC1〜6アルコキシ基、またはニトロ基を表し、より好ましくは、水素原子、塩素原子、またはメトキシ基を表す。
前記式(1)の化合物において、Rは、水素原子、ハロゲン原子、または、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜4アルキル基を表す。
このRにおいて、「アルキル基」は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれの形式であってもよく、その炭素数は典型的には1〜4である。この「アルキル基」は、ハロゲン原子もしくは水酸基により任意に置換されてもよい。したがって、該「アルキル基」は、メチル基、エチル基、プロピル基、または、ブチル基であることができ、好ましくは、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、または、イソブチル基を表す。
また、前記式(1)の化合物において、Rは、水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜12アルキル基を表す。好ましくは、Rは、水素原子、ハロゲン原子により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜8アルキル基を表す。
このRにおいて、「アルキル基」は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれの形式であってもよく、その炭素数は典型的には1〜12であり、好ましくはその炭素数は1〜8である。この「アルキル基」は、ハロゲン原子もしくは水酸基により任意に置換されてもよい。したがって、該「アルキル基」は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、または、ドデシル基であることができ、好ましくは、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、またはn−オクチル基を表す。
前記式(1)の化合物において、RおよびRは、前記したようにそれぞれ独立した基であってもよいが、RおよびRは、一緒になって−(CH−を表してもよい。このとき、mは3または4の整数を示す。したがって、RとRとにより、5員環または6員環を形成してもよい。
本発明において、式(1)の化合物のとりうる「塩」としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸塩などのように一般に農園芸分野において使用可能な塩を意味する。
また、式(1)の化合物は、水和物、または溶媒和物の形態をとることことも可能である。ここで、溶媒和物を形成する溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、または、テトラヒドロフランなどのエーテル類等を好適に挙げることができる。したがって、本発明においては、そのような水和物または溶媒和物の形態も式(1)の化合物に包含される。
式(1)の化合物の製造方法
式(1)の化合物は、結合の形式ないし置換基の導入に関して合目的的な任意の方法により合成することができるが、例えば、以下のスキームにしたがって製造することができる。
スキーム:
Figure 0004180377
[上記の各式中において、R、n、R、およびRはいずれも前記式(1)と同じである]。
このスキームは、先ず、上記式(2)の化合物をニトロ化して、上記式(3)の化合物を得、そして、式(3)の化合物を還元して、上記式(4)化合物を得、得られた式(4)の化合物をジアゾ化することによって、式(1)の化合物を製造するものである。
上記スキームをさらに詳しく説明すると下記のとおりである。
先ず、式(2)で表される化合物(キノロン誘導体)を用意する。この式(2)の化合物の入手方法は、特に限定されないが、公知の方法、例えば、J.Am.Chem.Soc.,70,2402(1948)、Tetrahedron Lett.,27,5323(1986)に記載の方法に準じて、市販または既知の方法により得られた置換アニリンを原料として合成することによって入手できる。
式(2)の化合物を、−20℃〜25℃、好ましくは氷冷下において、ニトロ化剤を用いて反応させることにより、ニトロ体である式(3)の化合物とする。このとき、使用されるニトロ化剤としては、例えば、混酸(硝酸、硫酸)、発煙硝酸、硝酸カリウム、ニトロニウムトリフルオロメタンスルホネート、ニトロメタンテトラフルオロボレート、または、硝酸アセチルなどが挙げられる。
次いで、得られた式(3)の化合物のニトロ基を還元して、アミン体である式(4)の化合物を得ることができる。より詳しくは、式(3)の化合物を、温度−20〜120℃、好ましくは10℃〜100℃の条件下、溶媒としてのアルコールまたはエーテル(例えば、メタノール、エタノール、またはジオキサンなど)中において、接触還元を行うことにより、ニトロ基を還元して、式(4)の化合物を得ることができる。あるいは、式(3)の化合物を、温度−20〜120℃、好ましくは10〜100℃の条件下、塩酸または酢酸などの溶媒中において、鉄、スズ、亜鉛などを用いるか、またはラネーニッケルなどを用いることにより、ニトロ基を還元して、式(4)の化合物を得ることができる。
得られた式(4)の化合物を、−20℃〜20℃、好ましくは氷冷下において、酸性溶媒(好ましくは塩酸、硫酸、または氷酢酸)中、亜硝酸ナトリウムと反応させることによってジアゾ化し、式(1)の化合物を得ることができる。
有害生物防除剤
式(1)の化合物は、有害生物に対して優れた防除効果を示す。このため、式(1)の化合物は、有害生物の防除剤として使用することができる。
したがって、本発明によれば、式(1)の化合物またはその塩の少なくとも一種を有効成分として含んでなる有害生物防除剤が提供される。
ここで「有害生物」とは、農業、ヒトの生活およびその衛生に対して、被害を及ぼすことがある、または被害を及ぼす可能性がある害虫または病害菌のことをいい、例えば、農業上の害虫、衛生害虫、貯穀害虫、衣類害虫、家屋害虫、植物病害菌等が挙げられる。
より具体的には、このような害虫としては、例えば、鱗し目害虫(例えば、ハスモンヨトウ、ヨトウガ、アワヨトウ、アオムシ、コナガ、シロイチモジヨトウ等)、半し目害虫(例えば、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ、ヒメトビウンカ、ツマグロヨコバイ、トビイロウンカ、セジロウンカ等)、鞘し目害虫(例えば、イネミズゾウムシ、アズキゾウムシ、チャイロコメノゴミムシダマシ等)、ダニ目(例えば、ナミハダニ、ニセナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ等)、双し目害虫(例えば、イエバエ等)、および、植物寄生性線虫(例えば、ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ、イネシンガレセンチュウ、マツノザイセンチュウ等)が挙げられる。
また、このような植物病害菌としては、例えば、ウリ類うどんこ病、べと病、たんそ病、灰色かび病、コムギ赤さび病、麦類うどんこ病、および、イネいもち病などが挙げられる。
本発明において、有害生物を「防除」することには、有害生物を死滅もしくは減少させ、有害生物の生育を抑え、または、有害生物を対象とする植物体から取り除くことは当然として、有害生物の繁殖を予防することも包含される。
また、「少なくとも一種」含んでなるとは、式(1)で示される化合物またはその塩であるものであれば、二種以上含んでなるものであってもよいことを意味する。
ここで「有効成分として含んでなる」とは、他成分を何ら加えずにそのまま使用する場合を包含することは当然として、剤型に応じた担体をさらに含む場合、さらには併用可能な他の薬剤を含む場合をも包含する意味である。
したがって、式(1)の化合物を有害生物防除剤の有効成分として用いる場合には、該式(1)の化合物をそのまま用いてもよいが、通常は適当な固体担体、液体担体、ガス状担体、界面活性剤、分散剤および/またはその他の製剤用補助剤と混合して、乳剤、液剤、懸濁剤、水和剤、粉剤、粒剤、油剤、エアゾール、フロアブル剤等の任意の剤型にして使用することができる。
このとき、固体担体としては、例えば、タルク、ベントナイト、クレー、カオリン、ケイソウ土、バーミキュライト、ホワイトカーボン、および炭酸カルシウム等が挙げられる。
液体担体としては、例えば、メタノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、n−ヘキサン、ケロシン、灯油等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の酸アミド類、ダイズ油、綿実油等の植物油類、ジメチルスルホキシド、および水等が挙げられる。
ガス担体としては、例えば、LPG、空気、窒素、炭酸ガス、およびジメチルエーテル等が挙げられる。
式(1)の化合物を、乳化、分散、もしくは展着等させる目的で使用される界面活性剤もしくは分散剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル類、アルキル(アリール)スルホン酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル類、多価アルコールエステル類、およびリグニンスルホン酸塩等が挙げられる。
さらに、製剤の性状を改善するための補助剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム、ポリエチレングリコール、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。
上記の担体、界面活性剤、分散剤、および補助剤は、その各群内および各群間から2種以上選択してそれらを組み合わせて使用してもよい。
有害生物防除剤中における式(1)の化合物またはその塩の含有量は、該防除剤の製剤形態、適用方法、使用環境、およびその他の条件を考慮して適宜変更可能であるが、該防除剤が乳剤形態である場合には通常1〜75重量%であり、該防除剤が粉剤形態である場合には通常0.3〜25重量%であり、該防除剤が水和剤形態である場合には通常1〜90重量%であり、また、該防除剤が粒剤形態である場合には通常0.5〜90重量%である。
本発明による有害生物防除剤は、通常、そのまま、または希釈して用いられる。
本発明による有害生物防除剤の使用態様としては、例えば、散布(例えば散布、茎葉散布、噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粒、水面施用等)、土壌施用(土壌混和、灌注、側条施用等)、表面施用(塗布、粉衣、被覆等)、育苗箱施用、田面水への施用(水面施用もしくは本田施用)、種子処理、浸漬毒餌等が挙げられる。
本発明の別の態様として、有害生物の被害のある、または有害生物の被害のおそれのある植物を、式(1)の化合物またはその塩によって処理することを含んでなる、有害生物の防除方法が提供される。
本発明による有害生物防除剤の使用量は、該防除剤の形態、その施用方法、その使用目的、時期、場所、環境、有害生物の種類、有害生物による被害状態、および植物の生育状態等に応じて適宜変更可能であるが、例えば、植物が生育する田畑面に対して該防除剤を適用する場合には、有効成分量で1ヘクタール当たり、例えば100〜5000g、好ましくは100〜3000g使用する。
また、本発明による有害生物防除剤は他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、植物成長調節剤、肥料等と混合して用いてもよい。
[実 施 例]
以下本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるれものではない。
式(1)の化合物の合成
本発明に従う化合物を下記のようにして合成した。
合成例1: 8−t−ブチル−6−オキソ−6H−トリアゾ(4,5,1−ij)−キノリン(化合物6)
Figure 0004180377
6−t−ブチルハイドロキノリン−4−オン(1.00g)を濃硫酸(5ml)に溶解して、氷冷下、ここに濃硝酸(1ml)を滴下し、同温において30分間撹拌した。反応終了後、氷水にあけ、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、生じた沈殿を吸引濾過によって取り出した。次いで、得られた沈殿物を水で洗浄し、デシケーター中でよく乾燥させて、6−t−ブチル−8−ニトロハイドロキノリン−4−オン(953mg)を得た。
次に、得られた6−t−ブチル−8−ニトロハイドロキノリン−4−オンをテトラヒドロフラン(30ml)に溶解し、ここに10%パラジウム炭素(95mg)を加えて、水素気流下において、室温で1時間撹拌した。反応終了後、ハイフロで吸引濾過し、得られた濾液を減圧留去した。これを水(1ml)および濃塩酸(0.5ml)に溶解し、氷冷下、ここに亜硝酸ナトリウム(200mg)を加えて、徐々に室温まで昇温させながら1時間撹拌した。反応終了後、水を加えて撹拌して、酢酸エチルで目的化合物を抽出した。次いで、その有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマト(ワコーゲルC−200、ヘキサン:酢酸エチル=5:1溶出)により精製して、淡黄色粉末である化合物6を274mg得た(収率:24.2%)。
得られた化合物のH−NMRデータは表1に示されるとおりであった。
合成例2: 8−t−ブチル−4−エチル−5−メチル−6−オキソ−6H−トリアゾ(4,5,1−ij)−キノリン(化合物12)
Figure 0004180377
6−t−ブチル−2−エチル−3−メチルハイドロキノリン−4−オン(1.00g)を濃硫酸(5ml)に溶解して、氷冷下、ここに濃硝酸(1ml)を滴下し、同温で30分間撹拌した。反応終了後、氷水にあけ、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルを用いて抽出した。次いで、その有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去し、粗精製物を得た。得られた粗精製物をシリカゲルクロマト(ワコーゲルC−200、ヘキサン:酢酸エチル=3:1溶出)により精製して、6−t−ブチル−2−エチル−3−メチル−8−ニトロハイドロキノリン−4−オン(289mg)を得た。
次に、得られた6−t−ブチル−2−エチル−3−メチル−8−ニトロハイドロキノリン−4−オンをメタノール(10ml)に溶解し、10%パラジウム炭素(29mg)を加えて、水素気流下において、室温で1時間撹拌した。反応終了後、ハイフロで吸引濾過し、得られた濾液を減圧留去した。これを水(2ml)および濃塩酸(1ml)に溶解し、氷冷下、ここに亜硝酸ナトリウム(100mg)を加えて、徐々に室温まで昇温させながら1時間撹拌した。反応終了後、水を加えて撹拌して、酢酸エチルで目的化合物を抽出した。次いで、その有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマト(ワコーゲルC−200、ヘキサン:酢酸エチル=5:1溶出)により精製し、淡黄色粉末である化合物12を120mg得た(収率:10.8%)。
得られた化合物のH−NMRデータは表1に示されるとおりであった。
合成例3: 8−s−ブチル−4,5−ジメチル−6−オキソ−6H−トリアゾ(4,5,1−ij)−キノリン(化合物13)
Figure 0004180377
6−s−ブチル−2、3−ジメチルハイドロキノリン−4−オン(1.00g)を濃硫酸(4ml)に溶解して、氷冷下、ここに濃硝酸(1ml)を滴下し、同温で30分間撹拌した。反応終了後、氷水にあけ、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。次いで、その有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去し、粗精製物を得た。得られた粗精製物をシリカゲルクロマト(ワコーゲルC−200、ヘキサン:酢酸エチル=3:1溶出)により精製して、6−s−ブチル−2、3−ジメチル−8−ニトロハイドロキノリン−4−オン(150mg)を得た。
次に、得られた6−s−ブチル−2、3−ジメチル−8−ニトロハイドロキノリン−4−オンをメタノール(10ml)に溶解し、10%パラジウム炭素(15mg)を加え、水素気流下において、室温で1時間撹拌した。反応終了後、ハイフロで吸引濾過し、得られた濾液を減圧留去した。これを水(2ml)および濃塩酸(1ml)に溶解し、氷冷下、ここに亜硝酸ナトリウム(50mg)を加えて、徐々に室温まで昇温させながら30分間撹拌した。反応終了後、水を加えて撹拌し、酢酸エチルで目的化合物を抽出した。次いで、その有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマト(ワコーゲルC−200、ヘキサン:酢酸エチル=5:1溶出)により精製し、淡黄色粉末である化合物13を44mg得た(収率:3.9%)。
得られた化合物のH−NMRデータは表1に示されるとおりであった。
合成例4: 8−s−ブチル−4−トリフルオロメチル−6−オキソ−6H−トリアゾ(4,5,1−ij)−キノリン(化合物14)
Figure 0004180377
6−s−ブチル−2−トリフルオロメチルハイドロキノリン−4−オン(1.00g)を濃硫酸(4ml)に溶解して、氷冷下、ここに濃硝酸(1ml)を滴下し、同温で1時間撹拌した。反応終了後、氷水にあけ、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和して、酢酸エチルで抽出した。次いで、その有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去し、祖生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマト(ワコーゲルC−200、ヘキサン:酢酸エチル=10:1溶出)により精製し、6−s−ブチル−2−トリフルオロメチル−8−ニトロハイドロキノリン−4−オン(228mg)を得た。
次に、得られた6−s−ブチル−2−トリフルオロメチル−8−ニトロハイドロキノリン−4−オンをメタノール(5ml)に溶解し、10%パラジウム炭素(20mg)を加え、水素気流下において、室温で1時間撹拌した。反応終了後、ハイフロで吸引濾過し、得られた濾液を減圧留去した。これを水(2ml)および濃塩酸(1ml)に溶解し、氷冷下、ここに亜硝酸ナトリウム(100mg)を加えて、徐々に室温まで昇温させながら30分間撹拌した。反応終了後、水を加えて撹拌し、酢酸エチルで目的化合物を抽出した。次いで、その有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマト(ワコーゲルC−200、ヘキサン:酢酸エチル=20:1溶出)により精製し、淡黄色粉末である化合物14を42mg得た(収率:3.8%)。
得られた化合物のH−NMRデータは表1に示されるとおりであった。
合成例5: 8−t−ブチル−5−クロロ−4−メチル−6−オキソ−6H−トリアゾ(4,5,1−ij)−キノリン(化合物21)
Figure 0004180377
6−t−ブチル−3−クロロ−2−メチルハイドロキノリン−4−オン(2.00g)を濃硫酸(10ml)に溶解して、氷冷下、ここに濃硝酸(2ml)を滴下し、同温で1.5時間撹拌した。反応終了後、氷水にあけ、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。次いで、その有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマト(ワコーゲルC−200、ヘキサン:酢酸エチル=3:1溶出)により精製し、6−t−ブチル−3−クロロ−2−メチル−8−ニトロハイドロキノリン−4−オン(442mg)を得た。
次に、得られた6−t−ブチル−3−クロロ−2−メチル−8−ニトロハイドロキノリン−4−オンをメタノール(15ml)に溶解し、10%パラジウム炭素(45mg)を加え、水素気流下において、室温で1時間撹拌した。反応終了後、ハイフロで吸引濾過し、得られた濾液を減圧留去した。これを水(2ml)および濃塩酸(1ml)に溶解し、氷冷下、ここに亜硝酸ナトリウム(200mg)を加え、徐々に室温まで昇温させながら1時間撹拌した。反応終了後、水を加えて撹拌し、酢酸エチルで目的化合物を抽出した。次いで、その有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマト(ワコーゲルC−200、ヘキサン:酢酸エチル=10:1溶出)により精製し、淡黄色粉末である化合物21を204mg得た(収率:9.2%)。
得られた化合物のH−NMRデータは表1に示されるとおりであった。
その他の合成例:
本発明に従う化合物1〜5、7〜11、15〜20、および22〜30についても、それぞれ表1中に記した原料を用いて、前記した合成例1〜5と同様の手順にしたがうことにより、合成した。
これらの化合物の収率およびH−NMRデータは表1に示されるとおりであった。
Figure 0004180377
Figure 0004180377
Figure 0004180377
Figure 0004180377
有害生物防除剤の製造
前記において合成された化合物1を用いて、下記の通りにして有害生物防除剤を製造した。
Figure 0004180377
有害生物防除剤1: 水和剤
下記組成の各成分を均一に混合して、粉砕し、水和剤を得た。
本発明による化合物(化合物1) 25重量%
クレー 30重量%
ケイソウ土 35重量%
リグニンスルホン酸カルシウム 3重量%
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 7重量%
有害生物防除剤2: 粉剤
下記組成の各成分を均一に混合して、粉剤を得た。
本発明による化合物(化合物1) 2重量%
クレー 60重量%
タルク 37重量%
ステアリン酸カルシウム 1重量%
有害生物防除剤3: 乳剤
下記組成の各成分を均一に混合して、溶解し、乳剤を得た。
本発明による化合物(化合物1) 20重量%
N,N−ジメチルホルムアミド 20重量%
キシレン 50重量%
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 10重量%
有害生物防除剤4: 粒剤
下記組成の各成分を均一に粉砕混合して、これに水を加えてよく練合した。その後、得られたものを造粒乾燥して粒剤を得た。
本発明による化合物(化合物1) 5重量%
ベントナイト 40重量%
タルク 53重量%
リグニンスルホン酸カルシウム 2重量%
評価試験
前記のようにして得られた本発明に従う化合物1〜30それぞれについて、下記のような評価試験を行った。
試験1: ニセナミハダニ防除試験
直径2cmのインゲンリーフディスクを寒天上にのせ、そこにニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)の雌成虫10頭を接種した。定温(25℃)の室内において24時間産卵させた後、該雌成虫を取り除き、そこに、100ppm(展着剤(Tween20)加用)に希釈した本発明による化合物をスプレーガンを用いて散布した。
処理7日後に、卵の孵化状況、幼虫および若虫の生死を観察した。観察により、未孵化卵率と幼若虫死亡率を算出し、これらの和を求め、これを死虫率とした。
死虫率が80%以上の活性を示した化合物は下記のとおりであった:
化合物1、12、16、17、18、および、20。
試験2: コナガ防除試験
プラスチックカップに入れた直径5cmのキャベツリーフディスクに、100ppm(展着剤(Tween20)加用)に希釈した本発明による化合物を、スプレーガンを用いて散布し、これを風乾した。該カップ内に10頭のコナガ(Plutella xylostella)の2令幼虫を放虫し、蓋をして定温(25℃)室内において飼育した。
処理3日後に、幼虫の生死を観察し、その結果から死虫率を算出した。
死虫率が80%以上の活性を示した化合物は下記のとおりであった:
化合物1、4、12、13、16、18、20、25、および、30。
試験3: ハスモンヨトウ防除試験
プラスチックカップに入れた直径5cmのキャベツリーフディスクに、100ppm(展着剤(Tween20)加用)に希釈した本発明による化合物を、スプレーガンを用いて散布し、これを風乾した。該カップ内に5頭のハスモンヨトウ(Spodoptera litura)の3令幼虫を放虫し、蓋をして定温(25℃)室内において飼育した。
処理3日後に、幼虫の生死を観察し、その結果から死虫率を算出した。
死虫率が80%以上の活性を示した化合物は下記のとおりであった:
化合物1、12、16、18、20、25、および、30。
試験4: モモアカアブラムシ防除試験
プラスチックカップに入れた直径5cmのキャベツリーフディスクに、100ppm(展着剤(Tween20)加用)に希釈した本発明による化合物を、スプレーガンを用いて散布し、これを風乾した。該カップ内に10頭のモモアカアブラムシ(Myzus persicae)の1令幼虫を放虫し、蓋をして定温(25℃)室内において飼育した。
処理3日後に、幼虫の生死を観察し、その結果から死虫率を算出した。
死虫率が80%以上の活性を示した化合物は下記のとおりであった:
化合物1、3、4、12、13、16、および、18。
試験5: キュウリべと病防除試験
供試植物として、培養土(市販品と同等物を使用)を入れたプラスチック製ポットに播種した後、10日程度育苗し子葉が完全に展開したキュウリ苗(品種:四葉)を用いた。
濃度が200ppm(展着剤(ネオエステリン)を加用)となるように希釈した本発明による化合物を、スプレーガンを用いて3ポットあたり5mlずつ散布処理し、風乾させた。次に、予めべと病(Pseudoperonospora cubensis)を発病させていたキュウリ葉より採集して調整した分生胞子懸濁液(1〜5×10/ml)を、該ポッドに均一に噴霧接種し、室温21℃の湿室内において24時間静置した。その後、夜間18℃、日中22℃となる人工気象室に該ポッドを移して発病させた。
接種7日後に、該子葉における発病面積を測定し、下記に示す基準にしたがって指数を与え、発病の状態を判定した。
Figure 0004180377
次に、得られた結果を下記の式に算入して、発病度、および防除価を算出した。
[発病度]=Σ(指数×該当株数)/(調査株数×5)×100
[防除価]=(1−処理区の発病度/無処理区の発病度)×100
その結果、防除価が80以上の活性を示した化合物は下記のとおりであった:
化合物1、9、11、12、13、14、17、18、20、21、25、および、30。
試験6:イネいもち病防除試験
供試植物として、培養土(市販品と同等物を使用)を入れたプラスチック製ポットに播種した後、15日程度育苗し第4葉が完全に展開したイネ(品種:十石)を用いた。
濃度が100ppm(展着剤(ネオエステリン)を加用)となるように希釈した本発明による化合物を、スプレーガンを用いて3ポットあたり10ml散布処理し、風乾させた。次に、予めイネいもち病菌(Pyricularia oryza)を培養しておいたシャーレより採集して、調整した分生胞子懸濁液(1〜5×10/ml)を該ポッドに均一に噴霧接種し、室温25℃の湿室内において24時間静置した。その後、夜間20℃、日中25℃となる人工気象室に該ポッドを移して発病させた。
接種7日後に、処理区である第4葉の病斑数と、無処理区の病斑数とを数えて、その結果を下記式に算入して、防除価を算出した。
[防除価]=(1−処理区の病斑数/無処理区の病斑数)×100
その結果、防除価が80以上の活性を示した化合物は下記のとおりであった:
化合物1、2、14、および、26。

Claims (6)

  1. 下記式(1)の化合物、またはその塩。
    Figure 0004180377
    [式中、
    は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜6アルキル基、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよいC1〜6のアルコキシ基、またはニトロ基を表し、
    nは0〜3の整数を表し、
    は、水素原子、ハロゲン原子、または、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜4アルキル基を表し、かつ
    は、水素原子、ハロゲン原子、または、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜12アルキル基を示すか、または
    およびRは、一緒になって−(CH)−を表してもよく、
    このときmは3または4の整数を示す
    (ただし式(1)中、nが0、R2が水素原子で、かつR3がメチルである場合を除く)]。
  2. 前記式(1)が下記式(1’)として表される場合において、
    Figure 0004180377
    11が、水素原子を表し、かつ
    12およびR13が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されてもよい直鎖、分岐、もしくは環状のC1〜6アルキル基、ハロゲン原子により置換されてもよい直鎖、分岐、もしくは環状のC1〜6アルコキシ基、またはニトロ基を表す、請求項1に記載の式(1)の化合物またはその塩。
  3. 下記の式(1)の化合物の製造方法であって
    Figure 0004180377
    [式中、
    は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子、ハロゲン原子もしくは水酸基に より置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜6アルキル基、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよいC1〜6のアルコキシ基、またはニトロ基を表し、
    nは0〜3の整数を表し、
    は、水素原子、ハロゲン原子、または、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜4アルキル基を表し、かつ
    は、水素原子、ハロゲン原子、または、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜12アルキル基を示すか、または
    およびR は、一緒になって− ( CH ) −を表してもよく、
    このときmは3または4の整数を示す]
    下記式(2):
    Figure 0004180377
    [式中、
    は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜6アルキル基、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよいC1〜6のアルコキシ基、またはニトロ基を表し、
    nは0〜3の整数を表し、
    は、水素原子、ハロゲン原子、または、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜4アルキル基を表し、かつ
    は、水素原子、ハロゲン原子、または、ハロゲン原子もしくは水酸基により置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状のC1〜12アルキル基を示すか、または
    およびRは、一緒になって−(CH)−を表してもよく、
    このときmは3または4の整数を示す]、
    の化合物をニトロ化して、下記式(3)の化合物を得、そして
    Figure 0004180377
    [式(3)中、R、n、R、およびRは前記式(2)と同じである]
    前記式(3)の化合物を還元して、下記式(4)化合物を得、
    Figure 0004180377
    [式(4)中、R、n、R、およびRは前記式(2)と同じである]
    得られた式(4)の化合物をジアゾ化することにより、式(1)の化合物を得る
    ことを含んでなる、方法。
  4. 請求項に記載の式(1)の化合物またはその塩の少なくとも一種を有効成分として含んでなる、有害生物防除剤。
  5. 有害生物の被害のある、または有害生物の被害のおそれのある植物を、請求項に記載の式(1)の化合物またはその塩によって処理することを含んでなる、有害生物の防除方法。
  6. 有害生物防除剤を製造するための、請求項に記載の式(1)の化合物またはその塩の使用。
JP2002561469A 2001-01-31 2002-01-31 有害生物防除剤 Expired - Fee Related JP4180377B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001022668 2001-01-31
JP2001022668 2001-01-31
PCT/JP2002/000788 WO2002060901A1 (fr) 2001-01-31 2002-01-31 Produits antiparasites

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2002060901A1 JPWO2002060901A1 (ja) 2004-06-03
JP4180377B2 true JP4180377B2 (ja) 2008-11-12

Family

ID=18888049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002561469A Expired - Fee Related JP4180377B2 (ja) 2001-01-31 2002-01-31 有害生物防除剤

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7144843B2 (ja)
EP (1) EP1364951B1 (ja)
JP (1) JP4180377B2 (ja)
AT (1) ATE556075T1 (ja)
ES (1) ES2387265T3 (ja)
WO (1) WO2002060901A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101032150B1 (ko) * 2008-10-28 2011-05-03 한국화학연구원 항세균제를 유효성분으로 함유하는 소나무재선충병 방제용 조성물 및 이의 용도

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1394373A (en) * 1972-05-17 1975-05-14 Pfizer Ltd Control of plant diseases
US4008325A (en) * 1972-05-17 1977-02-15 Pfizer Inc. Control of rice blast disease employing certain pyrido compounds
JPS5857435B2 (ja) * 1978-10-04 1983-12-20 大塚製薬株式会社 イミダゾ〔4,5,1↓−ij〕キノリン↓−5↓−カルボン酸誘導体
JPH0559052A (ja) * 1990-08-09 1993-03-09 Wakunaga Pharmaceut Co Ltd 新規三環性化合物又はその塩及びこれを含有する抗菌剤
US5508289A (en) * 1994-03-14 1996-04-16 The United States America As Represented By The Department Of Health And Human Services Bis-acridone chemotherapeutic derivatives
WO1997038999A1 (en) * 1996-04-12 1997-10-23 The Government Of The United States Of America, Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Acridone-derived compounds useful as antineoplastic and antiretroviral agents

Also Published As

Publication number Publication date
EP1364951B1 (en) 2012-05-02
EP1364951A4 (en) 2005-08-10
US20040067852A1 (en) 2004-04-08
JPWO2002060901A1 (ja) 2004-06-03
ATE556075T1 (de) 2012-05-15
ES2387265T3 (es) 2012-09-19
EP1364951A1 (en) 2003-11-26
WO2002060901A1 (fr) 2002-08-08
US7144843B2 (en) 2006-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS61126071A (ja) 農園芸用殺菌剤
KR970004911B1 (ko) 페녹시알킬아민 유도체와 살충제, 살비제 및 살균제
JP2001342179A (ja) 3−(1−フルオロエチル)−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミド誘導体及び農園芸用の有害生物防除剤
JPS6055075B2 (ja) ピラゾ−ル系リン酸エステル類、その製造法および殺虫殺ダニ剤
JP4180377B2 (ja) 有害生物防除剤
JP4712261B2 (ja) ヒドラゾン誘導体および有害生物防除剤
US4405743A (en) Pyrazolylpyrimidine derivatives
JPH07112972A (ja) ピラゾールカルボキサミド誘導体、その製法及び農園芸用の有害生物防除剤
JPH05286970A (ja) 2−アシルアミノ−2−チアゾリン化合物、その製法及び有害生物防除剤
JPS63215673A (ja) ピリダジノン化合物および病害虫防除剤
JPH11116555A (ja) 4−アニリノピリミジン誘導体及びそれを有効成分とする農園芸用の殺虫・殺ダニ・殺菌剤
KR100745205B1 (ko) 6-(1-플루오로에틸)-5-요오도-4-아미노피리미딘 화합물, 그 제조 방법 및 농원예용 방제제
KR0146504B1 (ko) 아졸아미드 유도체
JPH09278775A (ja) ピラゾール化合物及びこれを有効成分とする殺虫、殺ダニ、殺菌剤
JP2001335567A (ja) 4−(1−フルオロエチル)ピリミジン−5−カルボン酸アミド誘導体及び農園芸用の有害生物防除剤
JPH0665239A (ja) 2−アシルアミノ−2−チアゾリン化合物、その製法及び有害生物防除剤
JPH07118242A (ja) フェノキシアルキルアミン誘導体、その製法及び農園芸用の有害生物防除剤
JPS61221170A (ja) トリフルオロメタンスルホニルアミド誘導体及びそれを有効成分とする除草剤
JPH03153668A (ja) ピラゾールアミド類およびこれを有効成分とする殺虫、殺ダニ剤
JPS6115065B2 (ja)
JPH05230036A (ja) アルキルアミノピリミジン誘導体、その製法及び有害生物防除剤
JPH0641094A (ja) シクロアルケニルトリアゾール誘導体および有害生物防除剤
JPS60228451A (ja) ジフエニルエ−テル誘導体およびこれを含有する有害生物防除剤
JPH05125054A (ja) フエノキシアルキルアミン化合物、その製法及び有害生物防除剤
JPH05247037A (ja) 2−アシルアミノ−2−チアゾリン化合物、その製法及び有害生物防除剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080801

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees