JP2003154964A - 産業車両用アクスル - Google Patents

産業車両用アクスル

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JP2003154964A
JP2003154964A JP2002036712A JP2002036712A JP2003154964A JP 2003154964 A JP2003154964 A JP 2003154964A JP 2002036712 A JP2002036712 A JP 2002036712A JP 2002036712 A JP2002036712 A JP 2002036712A JP 2003154964 A JP2003154964 A JP 2003154964A
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axle
vehicle
steering
axle body
wheel
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JP2002036712A
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Takashi Hosoya
隆 細谷
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両レイアウトの大幅な変更を必要とせず低
コストで大舵角操舵を実現可能な産業車両用アクスルを
提供する。 【解決手段】 操舵輪1を左右両端に回動可能に支持し
たアクスル本体3を、アクスル本体3から車両前後方向
に伸び車体4に各々車両横方向に移動可能に支持された
アクスルピン14、および、車両水平面内において車両
前後方向に伸び車体4とアクスル本体3とに揺動可能に
連結されアクスル本体3の前記交点で軸線が交差するよ
う車両の前後方向の中心に対し左右対称に配置した二本
のリンク18、19で支持し、前記アクスル本体3を操
舵に応じて操舵輪1と同方向に回動させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両端に操舵輪を回
転および回動可能に備え車両前後方向の揺動中心回りに
スイング可能なフォークリフト等の産業車両用アクスル
に関し、特に、大舵角操舵を可能とした産業車両用アク
スルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】フォークリフト等の産業車両において、
限られた倉庫内等の作業スペースでも効率的な荷役作業
が行えるようより小さい半径で旋回可能なアクスルが知
られており、例えば、特開平11−1179号公報や特
開平11−5557号公報に提案されている。
【0003】これは、アクスルの両端部下面に車輪を回
動可能に支持するための略逆L形のホイールブラケット
を縦軸回りに回動可能に取付け、そのホイールブラケッ
トを油圧式の操舵シリンダによってタイロッド及びステ
アリングアームを介して回動させるように構成したもの
である。
【0004】従って、上記公報のアクスルによれば、ホ
イールブラケット及び車輪がアクスルに規制されること
なく回動できるため、ピストンロッド、タイロッド、ス
テアリングアーム間において、旋回時に内側となる車輪
の操舵角が直進位置に対して90度を越えるような運動
をホイールブラケットに与えるように構成することが可
能となり、このことによって、前車軸の幅方向中心を旋
回中心とする小さな旋回半径でのステアリングが可能と
なる。
【0005】また、アクスルは車輪の一定以上の回動移
動を許容するため、車輪と干渉しない上方の高い位置に
配置されるため、操舵シリンダ、操舵リンクのレイアウ
トを工夫することで、その高さ方向の寸法をできるだけ
低下させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、アクスルを車輪と干渉しないよう高い位置に
配置するため、一般に左右操舵輪間の位置から上方にか
けて配置されていたカウンタウェイトを、車両上方およ
び側方に追い出して配置しなければならず、その結果、
車両寸法が大きくなり、車両の小回り性能面で劣ること
となる。
【0007】また、片持ち構造であるホイールブラケッ
トは、鉛直方向に延びた構造のため、車両横方向荷重を
受けた場合における強度を確保すべくサイズ的に大きく
せざるを得ず、コストが高くなる。
【0008】また、一般的に使用されている車輪間にア
クスルを配置するコンベンショナルな形式のアクスル構
造と車両レイアウト、および、部品の共通性が少なく、
合理的な設計が困難であり、コストアップとなる。
【0009】なお、小回りを確保する別の方法として、
3輪車(前輪が2輪、後輪が1輪)も市販されている
が、4輪車に比べて車両に横荷重が作用する際の安定性
が劣る。
【0010】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、車両レイアウトの大幅な変更を必要とせず
低コストで大舵角操舵を実現可能な産業車両用アクスル
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、左右両端
のナックルスピンドルにより操舵輪をキングピン軸回り
に回動可能且つナックルスピンドル回りに回転可能に支
持し左右ナックルスピンドルを結んで車軸を形成するア
クスル本体と、車体に前記アクスル本体を車両前後方向
の揺動軸回りに揺動可能に支持し且つ前記揺動軸と前記
車軸を含む鉛直平面との交点若しくはこの交点近傍を通
る車両上下方向の軸回りに回動可能に支持する支持手段
と、前記アクスル本体を操舵に応じて回動する操舵輪と
同方向に回動させる回動手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0012】前記支持手段は、アクスル本体を揺動可能
であり且つ回動可能に支持するために、車体に対して、
車両上下方向に伸びる回動軸芯と車両前後方向に伸びる
揺動軸芯とを備えている。
【0013】前記回動軸芯は、車両上下方向に伸びる軸
であっても仮想軸芯を備える平面内のリンクであっても
よい。
【0014】第2の発明は、第1の発明において、前記
支持手段は、アクスル本体の前後においてアクスル本体
から車両前後方向に伸び車体に上下方向の移動を拘束し
た状態で各々車両横方向に移動可能に支持されたアクス
ルピンと、車両水平面内において車両前後方向に伸びて
車体とアクスル本体とに揺動可能に連結されアクスル本
体の前記交点で軸線が交差するよう車両の前後方向の中
心に対し左右対称に配置した二本のリンクとから構成し
たことを特徴とする。
【0015】第3の発明は、第2の発明において、前記
アクスルピンと二本のリンクとは、同一平面上若しくは
近傍に配置されていることを特徴とする。
【0016】第4の発明は、第1の発明において、前記
支持手段は、アクスル本体の前後においてアクスル本体
から車両前後方向に伸び車体に上下方向の移動を拘束し
た状態で各々車両横方向に移動可能に支持されたアクス
ルピンと、前記アクスル本体を前記交点若しくはこの交
点近傍において、アクスル本体の車両前後左右方向の移
動を拘束しその他の揺動および回動を許容するよう車体
に連結する継ぎ手とから構成したことを特徴とする。
【0017】第5の発明は、第4の発明において、前記
アクスルピンの軸心と継ぎ手の中心とは、同一線上に配
置されていることを特徴とする。
【0018】第6の発明は、第2または第4の発明にお
いて、前記回動手段は、車体と前記アクスル本体若しく
は前記リンクとの間に前記アクスルピンと同一平面上に
位置して配置され操舵に応じて伸縮可能なアクチュエー
タで構成されていることを特徴とする。
【0019】第7の発明は、第6の発明において、前記
操舵輪は、作動油を操舵量に応じて計量し操舵方向に応
じて左右配管のいずれか一方へ吐出し他方から排出する
操舵バルブに前記左右配管を介して接続された操舵シリ
ンダに連結され、前記回動手段は、前記左右配管に夫々
のシリンダ室が接続されたシリンダ装置で構成されてい
ることを特徴とする。
【0020】第8の発明は、第7の発明において、前記
操舵シリンダは、操舵バルブからの作動油圧が所定値を
超えるとき作動されることを特徴とする。
【0021】第9の発明は、第7の発明において、前記
シリンダ装置は、一端からピストンロッドが伸縮する片
ロッド型シリンダを車体とアクスル本体若しくはリンク
との間に左右対称に二本配置したことを特徴とする。
【0022】第10の発明は、第1ないし第9の発明に
おいて、前記回動手段は、その作動を非作動とする非作
動モードと操舵に応じてアクスル本体を操舵輪と同方向
に回動させる動作モードとが選択可能であることを特徴
とする。
【0023】第11の発明は、第1ないし第10の発明
において、前記アクスル本体の回動による操舵輪の移動
軌跡上の車体に操舵輪の移動を規制する規制手段を設け
たことを特徴とする。
【0024】第12の発明は、第11の発明において、
前記規制手段は、操舵輪と当接する部位に低摩擦部材を
配置していることを特徴とする。
【0025】第13の発明は、第1の発明において、前
記支持手段は、アクスル本体の前後においてアクスル本
体から車両前後方向に伸びたアクスルピンを軸受け支持
し、上下方向の軸回りに回動可能な軸受け手段により車
体に支持された支持ブラケットにより構成し、前記回動
手段は、支持ブラケットを回動させることでアクスル本
体を回動するものであることを特徴とする。
【0026】第14の発明は、第13の発明において、
前記車体は、車両後方の左右方向中央において後輪を回
動可能に支持する三輪式フォークリフトの車体構造に構
成し、後輪を回動可能に支持する軸受け手段により前記
支持ブラケットを支持することを特徴とする。
【0027】
【発明の効果】したがって、第1の発明では、操舵輪を
左右両端のキングピン軸回りに回動可能に支持したアク
スル本体を操舵に応じて操舵輪と同方向に回動手段によ
り回動させるため、操舵輪の操舵角をアクスル本体の回
動角度分だけ大きくでき、車両の小回りを確保できる。
【0028】また、従来一般に使用されているアクスル
本体を支持手段により水平面内で回動可能とするのみで
あるため、コンベンショナルタイプのアクスルに対し
て、部品の共通性を保つことができ、変更代を最小限に
抑えて、コストアップも少なくでき、車両のレイアウ
ト、例えば、カウンタウェイトの配置、形状の変更なし
に実現できる。
【0029】第2の発明では、第1の発明の効果に加え
て、支持手段は、アクスル本体から前後に突出したアク
スルピンを横方向に移動可能としてアクスル本体が水平
面内で回動可能且つアクスルピン回りに揺動可能とし、
アクスル本体の前記交点で軸線が交差するよう車両の左
右対称に配置した二本のリンクにより平面内の移動を拘
束するため、アクスル本体はアクスルピンを介して車体
に支持された状態で二本のリンクに案内されて交点回り
に確実に回動できる。
【0030】また、二本のリンクはアクスル本体の交点
で交差する平面図示で逆「ハ」字状となるため、操舵輪
の操舵角が大きくなっても、そのためのスペースを確保
することができる。
【0031】第3の発明では、第2の発明の効果に加え
て、アクスルピンと二本のリンクとは同一平面上若しく
は近傍に配置されているため、アクスル本体が路面の凹
凸等によりスイングする際に二本のリンクもスイングし
てアクスル本体を車両前方へ引き寄せようとするが、左
右で引き寄せ量がバランスしてアクスル本体を回動させ
ることがなく、走行方向が意図せずに変化することがな
い。
【0032】第4の発明では、第1の発明の効果に加え
て、支持手段は、アクスル本体から前後に突出したアク
スルピンを横方向に移動可能としてアクスル本体が平面
内で回動可能且つアクスルピン回りに揺動可能とし、前
記交点を中心とする継ぎ手によりアクスル本体と車体と
を連結して平面内の移動を拘束して回動のみ許容するた
め、アクスル本体はアクスルピンを介して車体に支持さ
れた状態で継ぎ手により確実に回動案内される。
【0033】第5の発明では、第4の発明の効果に加え
て、アクスルピンの軸心と継ぎ手の中心とが同一線上に
配置されるため、アクスル本体がスイングしてもアクス
ル本体が横方向に移動されて、走行方向が振れることも
ない。
【0034】第6の発明では、第2または第4の発明の
効果に加えて、車体と前記アクスル本体若しくは前記リ
ンクとの間に配置され操舵に応じて伸縮可能な回動手段
のアクチュエータはアクスルピンと同一平面上に配置さ
れているため、アクスル本体がスイングしてもアクチュ
エータの全長寸法が延ばされるが、その量は極めて微少
であり、リンク等の系のがた等により吸収できるレベル
であり、アクチュエータが伸縮されることによるアクス
ル本体の回動を生じない。
【0035】第7の発明では、第6の発明の効果に加え
て、操舵輪は作動油を操舵量に応じて計量し操舵方向に
応じて左右配管のいずれか一方へ吐出し他方から排出す
る操舵バルブに前記左右配管を介して接続された操舵シ
リンダにより回動され、この操舵油圧により回動手段の
シリンダ装置を作動させるため、操舵輪を進行方向に回
転しつつ回動させるアクスル本体の回動の抵抗が操舵輪
をその場でキングピン軸回りに回動させる操舵の抵抗よ
り小さい。従って、操舵輪のその場回動に先行してアク
スル本体が回動作動し、操舵輪のトータルの操舵角を確
実に大きくできる。
【0036】第8の発明では、第7の発明の効果に加え
て、操舵シリンダは、操舵バルブからの作動油圧が所定
値を超えるとき作動されるため、アクスル本体の回動作
動が操舵輪自体の回動に先行して確実に行わせることが
できる。
【0037】第9の発明では、第7の発明の効果に加え
て、シリンダ装置として一端からピストンロッドが伸縮
する片ロッド型シリンダを車体とアクスル本体若しくは
リンクとの間に左右対称に二本配置したため、操舵方向
によってアクスル本体の回動量が相違することなくバラ
ンスされる。
【0038】第10の発明では、前記回動手段の作動を
非作動とする非作動モードと操舵に応じてアクスル本体
を操舵輪と同方向に回動させる動作モードとが選択可能
であるため、非作動モードで通常のコンベンショナルタ
イプと同等に操舵でき、小回りを必要とするときのみ動
作モードにより小回り作業を行わせることができ、いず
れのモードも用途作業内容に応じて選択できる。
【0039】第11の発明では、前記アクスル本体の回
動による操舵輪の移動軌跡上に操舵輪の移動を規制する
規制手段を設けたため、操舵輪の移動軌跡を所定のスペ
ース領域内に収めることができる。また、規制手段によ
り操舵輪の必要以上の前後移動を阻止でき、ベース車両
に対してホイールベ一スを延長する等の対応が不要とな
る。
【0040】第12の発明では、第11の発明の効果に
加えて、規制手段の操舵輪と当接する部位に低摩擦部材
を配置するため、操舵輪の回転および回動に対して抵抗
なくスムーズに案内できる。
【0041】第13の発明では、第1の発明の効果に加
えて、支持手段をアクスル本体のアクスルピンを軸受け
支持し、上下方向の軸回りに回動可能な軸受け手段によ
り車体に支持された支持ブラケットにより構成したた
め、アクスル本体の回動が軸受けに案内されて精度よく
行われる。また、アクスル本体の前方部分に支持手段と
してのリンク類を必要とせず、構成が簡単化できる。
【0042】しかも、回動手段は支持ブラケットを回動
させることでアクスル本体を回動するため、アクスル本
体のスイングに関係なく安定して精度よくアクスル本体
を回動させることができる。
【0043】第14の発明では、車両後方の左右方向中
央において後輪を回動可能に支持する三輪式フォークリ
フトの車体構造に対して前記支持ブラケットを後輪を回
動可能に支持する軸受け手段により支持するため、車両
の左右の安定性を向上させることができる。
【0044】しかも、コンベンショナルな四輪式フォー
クリフトの後輪に配置されるアクスル本体を支持ブラケ
ットにより三輪式フォークリフトの車体構造に適用する
ものであるため、コンベンショナルなアクスル本体を流
用でき、支持ブラケットのみ新設するのみで適用でき、
変更が容易である。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。本実施の形態は、フォークリ
フトの後車輪に適用したものである。図1は産業車両用
アクスルの平面図、図2は同じく図1の矢視Aによるア
クスルピンの支持構造を示す背面図、図3、4は産業車
両用アクスルの動作説明図、図5は車両の旋回半径説明
図である。なお、図中の矢印FRは車両前方を示す。
【0046】図1に示すように、本実施形態の産業車両
用アクスルは、両端において左右の操舵輪1をキングピ
ン軸心2により回動可能に支持するアクスル本体3を備
える。支持手段5は、アクスル本体3を車体4に対して
揺動(スイング)可能、且つ、車両平面内で回動可能に
支持する。回動手段6は、前記アクスル本体3を回動さ
せる。全油圧パワーステアリング装置7は、左右の操舵
輪1を操舵する。
【0047】前記アクスル本体3は、左右両端にナック
ルアーム11およびそれと一体となったナックルスピン
ドル12をキングピン軸心2回りに回動可能に支持す
る。ナックルスピンドル12は左右の操舵輪1を夫々回
転可能に支持し、ナックルアーム11のキングピン軸心
2回りの回動により操舵輪1は回動して操舵可能とな
る。
【0048】前記支持手段5は、アクスル本体3から車
両前後方向に突出させたアクスルピン14を車体4に設
けた車体前後のアクスルサポート15の長穴16に挿入
して備える。アクスルピン14は長穴16内で車両横方
向に移動可能であり、且つ、水平面内で回動可能に支持
される。
【0049】このアクスルサポート15の長穴16とア
クスルピン14との係合は、アクスル本体3を、アクス
ルピン14を中心として揺動(スイング)可能とし、且
つ、長穴16内でアクスルピン14の移動を許容して車
両平面内で回動可能としている。即ち、アクスル本体3
は、車体4のアクスルサポート15の長穴16とアクス
ルピン14との係合により車両上下方向の移動および車
両左右方向に延びる軸回りの回動が拘束される。アクス
ル本体3は、また、車両前後軸回りの揺動(アクスルの
スイング)、および、ヨー軸(車両の上下方向に延びる
軸)回りの回動移動が許容される。
【0050】前記支持手段5は、さらに、前記アクスル
本体3の車両前方側の車体4との間で車体4とアクスル
本体3とに夫々端部が揺動可能に連結する二本のリンク
18、19を備える。二本のリンク18、19の各連結
部(18A、19Aは車体4側連結部、18B、19B
はアクスル本体3側連結部)は夫々図示しないボールジ
ョイント等により結合している。前記両リンク18、1
9とアクスル本体3との連結部18B、19Bは、アク
スル本体3側に溶接等により固定され車両前方に延長さ
れたブラケット3A、3Bの先端に配置されている。
【0051】前記二本のリンク18、19は、車両前後
方向に伸びる車両中心軸(アクスルピン14の軸心同士
を結ぶ軸線)に対して左右対称に位置される。両リンク
18、19の延長線は、アクスル本体3の操舵輪1のナ
ックルスピンドル12同士を結ぶ車軸20とアクスルピ
ン14の軸線21との交点で略交差する。車体4側の連
結部18A、19A間のスパーンは、アクスル本体3側
の連結部18B、19B間のスパーンより大きくなるよ
う構成している。
【0052】前記両リンク18、19の延長線の交差点
は、両リンク18、19の揺動位置に応じて交差位置が
変化するが、車両平面内における両リンク18、19の
回動中心、言い換えると、アクスル本体3の平面内にお
ける回動中心となる。
【0053】前記アクスル本体3の前方の車体4には、
左右にストッパ4Aを配置して、アクスル本体3の回動
移動を、車体4に設けたストッパ4Aにアクスル本体3
を当接させることで制限する。
【0054】前記両リンク18、19はアクスルピン1
4と同じ高さの平面、若しくは、その近傍の平面に配置
する。アクスル本体3がアクスルピン14回りにスイン
グする時に前記両リンク18、19も揺動し、そのアク
スル本体3側の連結部18B、19Bが夫々前方へ移動
する。両リンク18、19をアクスルピン14と同じ高
さの平面、若しくは、その近傍の平面に配置テいるた
め、前記前方への移動距離は等しく、アクスル本体3に
スイングによる回動が生じないようにするか、または、
その回動量が小さくなるようにしている。
【0055】前記回動手段6は、前記支持手段5により
回動可能に支持されたアクスル本体3の回動位置を全油
圧パワーステアリング7よりの作動油圧により変更操作
するものである。回動手段6は、アクスル本体3若しく
は前記支持手段5と車体4との間に配置したアクチュエ
ータとしてのシリンダ装置23を備える。
【0056】図示例では、車体4に連結したシリンダ2
4と前記支持手段5の一方のリンク18に連結したピス
トンロッド25およびピストン26とから構成してい
る。シリンダ24は、ピストン26でシリンダ24内を
区画して形成したシリンダ室27、28を備える。シリ
ンダ室27、28のいずれかに後述する全油圧パワース
テアリング装置7から作動油を供給することでピストン
ロッド25は伸長若しくは収縮し、リンク18が回動し
てアクスル本体3の回動方向の位置を設定若しくは変更
する。
【0057】前記シリンダ装置23として、両ロッド式
シリンダ装置を用いる場合には、伸長時と収縮時との作
動ストロークが同じであるので単一のシリンダでよい。
シリンダ装置23の各シリンダ室27、28を全油圧パ
ワーステアリング装置7の左右配管31、32に、右操
舵時にはアクスル本体3が左回動し、左操舵時にはアク
スル本体3が右回動するよう接続する。
【0058】シリンダ装置23として、シリンダ24の
一方からのみピストンロット25が伸縮する片ロッド式
シリンダ装置を用いる場合には、供給される作動油の量
に対して伸長ストロークと収縮ストロークとがピストン
ロッド25の体積分だけ相違する。このため、アクスル
本体3の回動方向毎に片ロッド式のシリンダ装置を図中
点線図示の如く追加して設置し、回動方向が相違しても
回動量が左右で同じとなるようにする。この場合には、
一方のシリンダの伸長作動時には他方のシリンダは収縮
作動するように配管する。
【0059】前記回動手段6は、また、アクスル本体3
がアクスルピン14回りにスイングするとき前記両リン
ク18、19も車体4側の連結部18A、19Aを中心
として回動する。車体4側への取付け部29は、リンク
18、19の車体4への連結部18A、19Aと同じ高
さの平面上に位置して配置しており、前記回動によって
も回動手段が伸縮作動しないようにする。
【0060】前記全油圧パワーステアリング装置7は、
操舵シリンダ34と、操舵シリンダ34に操舵油圧を切
換え供給する操舵バルブ35と、操舵バルブ35に作動
流体を供給する操舵油圧源36とから構成している。前
記操舵シリンダ34は、アクスル本体3の左右の操舵輪
1を、ナックルアーム11、タイロッド13を介してキ
ングピン軸心2回りに回動移動させる。
【0061】前記操舵シリンダ34は、アクスル本体3
に固定された両ロッド型のシリンダ34A内を貫通する
ピストンロッド37と、ピストンロッド37に固定され
てシリンダ34A内を摺動して2つのシリンダ室39、
40を画成するピストン38とを備えている。ピストン
ロッド37先端はタイロッド13を介してナックルアー
ム11に連結している。いずれかのシリンダ室39、4
0に作動流体が供給されるとピストン38およびピスト
ンロッド37がいずれか一方へ移動し、操舵輪1をアク
スル本体3に対して回動させて操舵する。前記両シリン
ダ室39、40は、夫々独立した配管(右配管31、左
配管32)を介して操舵バルブ35に接続している。
【0062】前記操舵バルブ35は、操舵ハンドル35
Aにより回転される。操舵バルブ35は、メータリング
ポンプ(計量ポンプ)で構成される。操舵バルブ35
は、前記回転方向および回転量に応じて計量した作動油
を回転方向の配管31、または、配管32に吐出し、別
の配管32、または、配管31から同量の作動油をリザ
ーバタンク42へ排出する。操舵バルブ35は、操舵ハ
ンドル35Aを例えば右方向に回転する場合には、左配
管32から作動油をリザーバタンク42へ排出し、右配
管31へ作動油を吐出する。操舵シリンダ34の右操舵
用のシリンダ室39は膨張し、左操舵用のシリンダ室4
0は収縮し、ピストン38およびピストンロッド37を
操舵ハンドル35Aの操舵方向と操舵量に応じて移動さ
せる。
【0063】前記左右配管31、32は夫々分岐され、
前記回動手段6のシリンダ装置23の各シリンダ室2
7、28に、アクスル本体3を操舵輪1の回動方向と同
じ方向に回動させるよう接続されている。
【0064】前記操舵油圧源36は、リザーバタンク4
2、電動モータ43により駆動されるポンプ44、リリ
ーフ弁45を備える。リザーバタンク42の作動油を吸
込みポンプ44により吐出された作動油は操舵バルブ3
5に供給する。このため、前油圧パワーステアリング装
置7内の操舵バルブ35、左右配管31、32、操舵シ
リンダ34、および、回動手段6のシリンダ装置23等
の油圧系統の圧力は、操舵ハンドル35Aの操舵によっ
ても、所定の設定圧以下に低下しないように保持され
る。ポンプ44の吐出圧がリリーフ圧を超える場合に
は、リリーフ弁45からリザーバタンク42に戻す。
【0065】次に、上記した産業車両用アクスルの作動
について説明する。
【0066】直進走行時においては、操舵ハンドル35
Aは直進状態であり、操舵バルブ35は左右配管31、
32への作動油の供給および排出がない状態にある。操
舵シリンダ34は中立状態にあり、操舵バルブ35によ
り作動がロックされた状態である。また、両リンク1
8、19はその延長線をアクスルピン14の軸心21上
で交差させる直進状態において回動手段6のシリンダ装
置23も操舵バルブ35により作動しないロックした状
態となっている。
【0067】アクスル本体3、および、左右操舵輪1
は、夫々回動されていない直進状態であり、車両は直進
状態で前進または後退移動する。
【0068】この直進状態において、左右の操舵輪1の
一方が路面突起に乗上げや路面の凹凸によりアクスル本
体3がアクスルピン14回りにスイング作動する場合に
は、支持手段5の左右のリンク18、19が揺動するこ
とで、アクスル本体3のスイングは許容される。
【0069】車両を右旋回(または左旋回)させるべく
操舵ハンドル35Aを右回転(左回転)させると、操舵
バルブ35は、右配管31(左配管32)を介して操舵
シリンダ34の右操舵用のシリンダ室39(左操舵用の
シリンダ室40)、および、回動手段6のシリンダ装置
23の右操舵用のシリンダ室27(左操舵用のシリンダ
室28)へ作動油を供給する。左配管32(右配管3
1)を介して操舵シリンダ34の左操舵用のシリンダ室
40(右操舵用のシリンダ室39)、および、回動手段
6のシリンダ装置23の左操舵用のシリンダ室28(右
操舵用のシリンダ室27)の作動油は、リザーバタンク
42へ排出される。
【0070】操舵シリンダ34は操舵輪1をその場で回
動させるよう作用し、回動手段6のシリンダ装置23は
操舵輪1を転がり移動させるようアクスル本体3を回動
するよう作用する。この場合、操舵輪1の転がり移動の
抵抗が操舵輪1自体のその場回動の抵抗より小さい。こ
のため、先ず、回動手段6のシリンダ装置23が作動
し、リンク18、19を回動させ、アクスル本体3を回
動中心(リンク18、19の延長線の交点)周りに回動
させる。
【0071】この場合、アクスル本体3の回動を優先さ
せる手段として、回動手段6のシリンダ装置23のシリ
ンダサイズをある程度大きく設定するか、支持手段5の
リンク18、19を回動させるのに効率のよいポイント
にシリンダ装置23を連結する。前記両者を組合わせる
ことでも、効率よくアクスル本体3を優先的に回動させ
ることができる。
【0072】この回動途中において、操舵輪1自体の回
動移動の抵抗が操舵輪1の転がり移動の抵抗と同等若し
くは小さくなる場合には、アクスル本体3の回動移動中
において、作動油は操舵シリンダ34に流入してピスト
ン38、および、ピストンロッド37を右(左)移動さ
せる。ピストンロッド37は、タイロッド13、ナック
ルアーム11を介して左右各ナックルスピンドル12を
キングピン軸心2回りに回動させ、左右操舵輪1を操舵
する。
【0073】前記アクスル本体3の回動移動は、アクス
ル本体3と左右の操舵輪1との互いの相対位置関係をず
らせることなく作動され、アクスル本体3の前方の車体
4に設けたストッパ4Aのいずれかに当接するまで作動
される。図3は、アクスル本体3のみが回動したときの
移動状態を示す。
【0074】操舵ハンドル35Aをさらに右(左)方向
に回転させると、操舵バルブ35は、さらに左配管32
(右配管31)から作動油をリザーバタンク42へ排出
し、右配管31(左配管32)へ作動油を吐出する。ア
クスル本体3はストッパ4Aに向けて回動移動され、操
舵シリンダ34はピストン38、および、ピストンロッ
ド37を右(左)移動させ、タイロッド13、ナックル
アーム11を介して左右各ナックルスピンドル12をキ
ングピン軸心2回りに回動させ、左右操舵輪1を操舵す
る。
【0075】図4はアクスル本体3の回動移動がストッ
パ4Aで阻止され、操舵輪1が限界まで操舵された状態
を示す。この状態における左右操舵輪1の直交方向は、
それぞれ車両前後方向より内方側に向く。
【0076】一般にコンベンショナルな操舵輪は、旋回
内輪側で約82〜85度程度、旋回外輪側で約75度前
後まで操舵されるので、アクスル本体3を約10度程度
回動させるように形成すると、旋回内輪側で約92〜9
5度、旋回外輪側で約85度程度のトータルの操舵角を
得ることができる。
【0077】図5は、上記状態における車両の各車輪の
状態を示す。図においては、左右操舵輪1と直行する線
R、線Lの交わる点Nは左右前車輪8の間に存在し、操
舵輪1は前記交わり点Nを中心として車両を旋回させる
よう機能する。このため、車両の旋回半径を小さくす
る。
【0078】図5において、点Pはアクスル本体3が回
動しないコンベンショナルな形式のアクスルにおける車
両の旋回中心を示し、アクスル本体が回動しない分だけ
車両の外方側に位置している。しかし、アクスル本体3
が回動するものにおいては、その回動量だけ車両の旋回
中心を車両中心側に移動させることができ、前輪の間に
位置しているため、車両をより小回りさせることができ
る。
【0079】図6は、図1の変形例を示す。図1では操
舵バルブ35よりの作動油を常に操舵シリンダ34と回
動手段6のシリンダ装置23とに供給して、いずれか作
動抵抗の少ない方のシリンダが先ず作動し場合によって
は両方のシリンダが作動するものであった。図6におい
ては、アクスル本体3の回動作動を確実に優先させてそ
の作動順序を確定させるものである。図6は、油圧回路
のみを示す。
【0080】図6においては、操舵バルブ35からの左
右配管31、32の回動手段6のシリンダ装置23への
分岐部から操舵シリンダ34へ至る左右配管31、32
中に、プライオリティバルブ47を設ける。プライオリ
ティバルブ47は、供給される作動油圧が所定圧を超え
たときに操舵シリンダ34への作動油の流通を許容す
る。前記プライオリティバルブ47には、操舵シリンダ
34から操舵バルブ35への作動油の戻りを許容するチ
ェック弁48を夫々並列配置している。チェック弁48
は、プライオリティバルブ47を経由して供給された作
動油によって操舵シリンダ34が作動する場合に、排出
側のシリンダ室39またはシリンダ室40からの作動油
の戻りを補償して操舵シリンダ34を作動可能とする。
【0081】この構成によれば、車両直進状態から操舵
ハンドル35Aを回動操舵すると、操舵バルブ35より
吐出された作動油は、回動手段6のシリンダ装置23に
抵抗なく供給され、操舵シリンダ34への供給はプライ
オリティバルブ47により阻止される。
【0082】先ずアクスル本体3が回動され、回動作動
中においてその回動抵抗が高まるか、若しくは、上記回
動終了によりアクスル本体3が車体4のストッパ4Aに
当接してその回動抵抗が高まり、左右配管31、32の
いずれか一方の作動油圧が、一方のプライオリティバル
ブ47に設定した設定圧を超える。この状態において、
操舵シリンダ34の一方のシリンダ室39または40に
操舵油圧が供給される。また、他方のシリンダ室40ま
たは39の作動油は他方のプライオリティバルブ47に
並列に配置されたチェック弁48を介して操舵バルブ3
5に還流し、操舵シリンダ34により左右の操舵輪1が
回動される。
【0083】前記最大舵角状態から操舵ハンドル35A
を直進状態に戻す場合には、操舵輪1の最大の操舵角状
態では、アクスル本体3の戻り回動の負荷が大きいた
め、操舵油圧がプライオリティバルブ47の設定圧に達
し、操舵シリンダ34に操舵油圧が供給され、操舵輪1
の戻り回動が始まる。
【0084】操舵輪1の回動状態が直進に近づくとき、
アクスル本体3の回動手段6のシリンダ装置23の作動
力と戻りモーメントとがバランスするようになるとアク
スル本体3の回動からの戻り回動が始まり、操舵輪1が
直進状態に復帰する。
【0085】アクスル本体3の回動を直進状態からの操
舵作動の初期に行うことにより、操舵油圧源36の負荷
はコンベンショナルな場合に対し、増えることなく(図
1に記載している、リリーフバルブの設定圧を増やさな
くてもよい)、大きな操舵角を得ることが可能である。
【0086】図7は本実施形態のさらに変形例を示す。
上記説明例においては、操舵バルブ35の操舵油圧に応
じて回動手段6のシリンダ装置23がアクスル本体3を
回動作動されるものであった。この変形例においては、
回動手段6のシリンダ装置23によるアクスル本体3の
回動作動の有無をオペレータの意思により選択できるよ
うにしたものである。
【0087】図7において、回動手段6のシリンダ装置
23には、操舵油圧源36とは別の電動モータ51、ポ
ンプ52、および、リザーバ53からなる油圧源50か
らの作動油が方向切換弁54を介して供給される。な
お、油圧源としては、別の油圧源50に限定されず、操
舵油圧源36を利用してもよい。
【0088】前記方向切換弁54は、ポンプ52から吐
出された作動油を導くポンプポート54A、リザーバタ
ンク53に連通したドレインポート54B、回動手段6
のシリンダ装置23の右シリンダ室27に連通した右ポ
ート54C、同じくシリンダ装置23の左シリンダ室2
8に連通した左ポート54Dを備える。方向切換弁54
は、図示の中立位置Nにおいて、ポンプポート54Aと
ドレインポート54Bとが連通して供給された作動油を
リザーバタンク53に還流し、左右ポート54C、54
Dは遮断状態となる。シリンダ装置23は作動油の出入
りがなくロックされ、アクスル本体3は中立状態に固定
される。
【0089】前記方向切換弁54の上方のソレノイド5
5Aが作動されて右位置(図中上方位置)Rに切換わる
と、ポンプポート54Aは右ポート54Cに、ドレイン
ポート54Bは左ポート54Dに夫々連通される。この
状態においては、作動油はポンプポート54A、右ポー
ト54C、シリンダ装置23の右シリンダ室27に供給
され、シリンダ装置23はピストンロッド25を収縮さ
せ、アクスル本体3を左回動させる。シリンダ装置23
の左シリンダ室28の作動油は左ポート54D、ドレイ
ンポート54Bを介してリザーバタンク53に戻され
る。
【0090】前記方向切換弁54の下方のソレノイド5
5Bが作動されて左位置(図中下方位置)Lに切換わる
と、ポンプポート54Aは左ポート54Dに、ドレイン
ポート54Bは右ポート54Cに夫々連通される。この
状態においては、作動油はポンプポート54A、左ポー
ト54D、シリンダ装置23の左シリンダ室28に供給
され、シリンダ装置23はピストンロッド25を伸長さ
せ、アクスル本体3を右回動させる。シリンダ装置23
の右シリンダ室27の作動油は右ポート54C、ドレイ
ンポート54Bを介してリザーバタンク53に戻され
る。
【0091】前記方向切換弁54の各ソレノイド55
A、55Bは、操舵ハンドル35Aの中立からの操舵位
置(右操舵中、左操舵中)を検出する操舵スイッチ56
よりの信号に応じて制御回路57により作動される。こ
の制御は図示しない運転席に設けた選択スイッチ58に
より両ソレノイド55A、55Bとも非作動とされる非
作動モードと、操舵ハンドル35Aの中立からの操舵位
置(右操舵中、左操舵中)に応じて作動される作動モー
ドとが選択できる。
【0092】前記非作動モードにおいては、アクスル本
体3の回動位置が中立に固定されているため、操舵ハン
ドル35Aの操舵に応じて操舵シリンダ34および操舵
輪1のみが回動され、コンベンショナルな車両の操舵性
が得られる。
【0093】前記作動モードにおいては、操舵ハンドル
35Aの操舵により、先ず方向切換弁54が切換わり回
動手段6のシリンダ装置23が作動してアクスル本体3
を操舵方向に応じて回動させる。また、操舵ハンドル3
5Aの操舵量に応じて操舵シリンダ34が作動されて操
舵に応じた舵角で操舵輪1が操舵される。従って、車両
は小回りが可能となる。
【0094】前記非作動モードと作動モードとの選択ス
イッチ58は、操舵輪1の操舵角を増やしたい場合に、
この選択スイッチ58を押すことで作動モードに切換わ
るようにしている。なお、図示しないが、復帰スイッチ
を押すことで非作動モードに復帰するようにしてもよ
い。また、このように選択スイッチ58や復帰スイッチ
に代えてモード切換えスイッチを設け、このモード切換
えスイッチを押す毎に、非作動モードと作動モードが入
れ替わるようにしてもよい。さらに、作動スイッチのみ
を設け、作動スイッチをオペレータの足で押している間
だけ作動モードとなるようにしてもよい。
【0095】この回動手段6のシリンダ装置23の作動
・非作動を選択する方法は、上記した方法に限られず、
例えば、図1の回路において、回動手段6のシリンダ装
置23と左右配管31、32とを連通させる管路中に図
示しない遮断弁を配置してもよい。遮断弁による遮断中
は操舵輪1のみが回動し、遮断弁の開放中は操舵バルブ
35の操舵油圧に応じて回動手段6のシリンダ装置23
がアクスル本体3を回動作動される。
【0096】以上の図1〜7に説明した実施の形態にお
いては、以下に記載した効果を奏することができる。即
ち、操舵輪1を左右両端に回動可能に支持したアクスル
本体3を操舵に応じて操舵輪1と同方向に回動手段6に
より回動させる。このため、操舵輪1の操舵角をアクス
ル本体3の回動角度分だけ大きくでき、車両の小回りを
確保できる。
【0097】従来一般に使用されているアクスル本体3
を支持手段5により車体4に対して回動可能とするのみ
であるため、コンベンショナルタイプのアクスルに対し
て、部品の共通性を保つことができ、変更代を最小限に
抑えて、コストアップも少なくでき、車両のレイアウ
ト、例えば、カウンタウェイトの配置、形状の変更なし
に実現できる。
【0098】支持手段5は、アクスル本体3から前後に
突出したアクスルピン14を横方向に移動可能としてア
クスル本体3が平面内で移動可能、回動可能とする。そ
して、アクスル本体3の前記交点で軸線が交差するよう
車両の左右対称に配置した二本のリンク18、19によ
り平面内の移動を拘束する。このため、アクスル本体3
はアクスルピン14を介して車体に支持された状態で二
本のリンク18、19に案内されて交点回りに確実に回
動できる。
【0099】二本のリンク18、19はアクスル本体3
の交点で交差する平面図示で逆「ハ」字状となるため、
操舵輪1の操舵角が大きくなっても、そのためのスペー
スを確保することができる。
【0100】アクスルピン14と二本のリンク18、1
9とは同一平面上に配置されているため、アクスル本体
3が路面の凹凸等によりスイングする際に二本のリンク
18、19もともにスイングしてアクスル本体3を車両
前方へ引き寄せようとする。しかしなから、左右で引き
寄せ量がバランスしてアクスル本体3を回動させること
がなく、走行方向が意図せずに変化することがない。
【0101】回動手段6のシリンダ装置23は、車体4
と前記アクスル本体3若しくは前記リンク18、19と
の間に配置されアクスルピン14と同一平面上に配置さ
れている。このため、アクスル本体3がスイングしても
シリンダ装置23の全長寸法に変化がなく、シリンダ装
置23が伸縮されることによるアクスル本体3の回動を
生じない。
【0102】操舵輪1は、作動油を操舵量に応じて計量
し操舵方向に応じて左右配管31、32のいずれかから
吸引して他方へ吐出する操舵バルブ35に前記左右配管
31、32を介して接続された操舵シリンダ34に連結
され、この操舵油圧により回動手段6のシリンダ装置2
3を作動させる。このため、操舵輪1を進行方向に回転
させつつ移動させるアクスル本体3の回動の抵抗が操舵
輪1をその場で回動させる操舵抵抗より小さい。従っ
て、操舵輪1のその場回動に先行してアクスル本体3が
回動作動し、操舵輪1のトータルの操舵角を確実に大き
くできる。
【0103】回動手段6のシリンダ装置23として一端
からピストンロッド25が伸縮する片ロッド型シリンダ
を車体4とアクスル本体3若しくはリンク18、19と
の間に左右対称に二本配置するものにおいては、操舵方
向によってアクスル本体3の回動量が相違することなく
バランスされる。
【0104】特に、図6の構成例では、操舵シリンダ3
4は、プライオリティバルブ47により操舵バルブ35
からの作動油圧が所定値を超えるとき作動されるため、
アクスル本体3の回動作動が操舵輪1自体の回動に先行
して確実に行わせることができる。
【0105】また、図7の構成例では、前記回動手段6
の作動を非作動とする非作動モードと操舵に応じてアク
スル本体3を操舵輪1と同方向に回動させる作動モード
とが選択可能である。このため、非作動モードでは通常
のコンベンショナルタイプと同等に操舵でき、小回りを
必要とするときのみ作動モードに切換えて小回り作業を
行わせることができ、いずれのモードも用途や作業内容
に応じて選択できる。
【0106】図8〜11は、本発明の他の実施形態を示
す産業車両用アクスルを示し、図8はアクスルの平面
図、図9はアクスルの背面図、図10は球面継ぎ手の詳
細断面図、図11はアクスルピンと球面継ぎ手との関係
を示す側面図である。
【0107】この実施形態においては、アクスル本体3
はリンク18、19による支持手段5に代えて継ぎ手と
しての球面継ぎ手60(ボールジョイントとも記述す
る)による支持手段5により車体4に回動可能に支持さ
れる。
【0108】即ち、支持手段5のボールジョイント60
は、左右のキングピン軸心2同士を結んだ車軸20と前
後のアクスルピン14の軸線21との交点部分にジョイ
ント中心があるように車体4とアクスル本体3とが連結
される。図9に示す例では、アクスル本体3から突出配
置されたボールスタッド60Aが車体4側に配置したボ
ール受け60Bに球面嵌合してボールジョイント60が
形成される。なお、図示しないが、車体側にボールスタ
ッドが配置され、アクスル本体側にボール受けを形成し
てもよい。
【0109】このボールジョイント60は、図10に詳
細に示すように、車体4側のボール受け60Bに球面嵌
合するボール60Cをアクスル本体3側から突出形成し
たスタッド60Aにスナップリング60Dにより抜け止
めして形成する。なお、ボールスタッド60Aはアクス
ル本体3に図示しないテーパ結合されてボルトナット6
0Eにより結合される。そして、図11に示すように、
ボールジョイント60の中心は前後のアクスルピン14
の軸心21と同一線上に配置される。なお、前記アクス
ルピン14は車体4のアクスルサポート15に設けた長
穴16内に収容されている。
【0110】従って、アクスル本体3は、車体4のアク
スルサポート15の長穴16とアクスルピン14との係
合により車両上下方向の位置、車両左右方向に延びる軸
回りの回動位置、および、ボールジョイント60により
車両前後方向位置への移動が拘束される。アクスル本体
3は、また、車両前後軸回りの回動移動(アクスル本体
3のスイング移動)、および、ヨー軸(車両の上下方向
に延びる軸)回りの回動移動が許容され、この場合のヨ
ー軸はボールジョイント60の中心を通過する。また、
ボールジョイント60の中心と前後のアクスルピン14
の軸心21とが同一軸上に存在するため、アクスル本体
3は車両横方向に移動することなくスイング(揺動)す
ることができる。
【0111】回動手段6としてのシリンダ装置23は、
車体4とアクスル本体3との間を、シリンダ24を車体
4に、また、ピストンロッド25をアクスル本体3に夫
々揺動可能に連結している。シリンダ24は、操舵ハン
ドル35Aの右操舵時には収縮してアクスル本体3をボ
ールジョイント60を中心に左回動させ、左操舵時には
伸長してアクスル本体3をボールジョイント60を中心
に右回動させるよう作動する。図示例では、アクスル本
体3の右側にのみシリンダ装置23を配置しているが、
伸長時と収縮時のストロークに差がある。このため、こ
のシリンダ装置23と対称の位置に他のシリンダ装置を
点線図示の如く配置し、シリンダ室への配管を逆にして
配管して、左右の操舵によりアクスル本体3の回動角を
同じにするようにしてもよい。そして、この実施形態
は、図1と同様に作動する。
【0112】図8〜11に示すボールジョイント60に
おいては、そのスタッド60Aがアクスル本体3にボル
トナット60Eにより固定されているものについて説明
したが、ボールジョイント60のスタッド60Aは必ず
しも固定する必要がなく、例えば、図12(A)に示す
ように、アクスル本体3にスライド移動可能に挿入する
ものであってもよい。この場合には、スタッド60Aが
アクスル本体3に対して鉛直方向に移動可能であるた
め、アクスルピン14の軸芯とボールジョイント60の
軸芯とを同一線上に精度良く位置決めしなくとも、アク
スル本体3がアクスルピン14を中心として揺動する際
に、ボールジョイント60の軸芯は自動的に調心され
る。また、ボールジョイント60のスタッド60Aはア
クスル本体3にスライド可能に挿入されているため、ア
クスル本体3が横力を受けての移動をスタッド60A、
ボール60Cを介して車体4に受け止められ、アクスル
本体3が横方向に移動することがない。なお、スタッド
60Aは上記調心の量だけスライド移動すればよいので
あるが、必要ならば、抜け止めのためのストッパ60F
を鎖線図示のごとく設けてもよい。
【0113】以上の例においては、継ぎ手として、ボー
ルジョイント60を用いたものについて説明したが、継
ぎ手はボールジョイント60に限定されるものでなく、
例えば、図12(B)に示すように、十字軸59Aを備
えた十字継ぎ手(フック継ぎ手ともいう)59を用いて
もよい。十字継ぎ手59は、十字軸59Aの水平方向に
対向する軸59Bをアクスルピン14に対し同軸になり
うるようにアクスル本体3に軸受け3Cにより支持し、
鉛直方向に対向する軸59Cを車体4に軸受け4Bによ
り支持させて構成する。この十字継ぎ手59によれば、
鉛直方向の軸59Cが車体4に回動可能に支持している
ため、アクスル本体3の水平方向の移動を拘束した状態
で回動可能とし、十字軸59Aの水平方向の軸59B
は、アクスル本体3のアクスルピン14と同一軸線上に
配置しているためアクスル本体3の揺動を自在とする。
この場合、車体4と十字継ぎ手59は、鉛直方向の軸5
9Cにより相対距離が変化できるように構成しているた
め、アクスルピン14と十字軸59Aの水平軸59Bと
の同心度が若干ずれていても上記相対距離の変化で吸収
させることができる。
【0114】この実施の形態においても、図示しない
が、プライオリティバルブを左右配管の分岐部と操舵シ
リンダ23との配管中に配置することで、アクスル本体
3の回動を操舵輪1の操舵による回動に優先して作動さ
せることができる。
【0115】また、図13に示すように、回動手段6の
シリンダ装置23に別の油圧源50からの作動油を方向
切換弁54を介して導入するようにすれば、図7に示す
産業車両用アクスルと同様に作動させることができる。
【0116】図8〜図13に示す実施の形態において
は、図7までの実施形態の効果に加えて、以下に記載し
た効果を奏することができる。
【0117】支持手段5は、アクスル本体3から前後に
突出したアクスルピン14を横方向に移動可能としてア
クスル本体3が平面内で移動可能とし、前記交点を中心
としてアクスル本体3と車体4とを連結する球面継ぎ手
60により平面内の移動を拘束して回動、および、揺動
のみ許容する。このため、アクスル本体3はアクスルピ
ン14を介して車体4に支持された状態で球面継ぎ手6
0により確実に回動案内される。
【0118】また、アクスルピン14の軸心21と球面
継ぎ手60の中心とが同一平面上に配置されるため、ア
クスル本体3がスイングしてもアクスル本体3が横方向
に移動されて、走行方向が振れることもない。
【0119】図14、15は、本発明のさらに他の実施
形態を示す産業車両用アクスルを示し、アクスル本体3
の回動をその途中で規制し操舵輪1自体の回動を速やか
に行わせ操舵輪1の移動軌跡を所定のスペース領域内に
収めるようにしたものである。図14は操舵輪1の回動
軌跡を示し、図15は規制部材61の他の構成例を示す
ものである。
【0120】図14において、図示しないが、アクスル
本体3の支持手段5および回動手段6は図1若しくは図
8に示すものと同様の構成であり、アクスル本体3は先
端にキングピン軸心2を備えた線AXにより示され、操
舵輪1はキングピン軸心2回りに回動可能な外形線で示
している。
【0121】そして、操舵輪1の前方には、アクスル本
体3の回動作動時に、操舵輪1に接触してその前方への
移動を阻止する規制手段としての規制部材61を設け
る。この規制部材61は、操舵輪1と接触するため、操
舵輪1の回転運動および回動運動に対して抵抗とならな
いように低い摩擦抵抗の低摩擦部材からなるシート62
が表面に貼付等により設けられる。この規制部材61
は、アクスル本体3が回動しない通常のアクスルの場合
でも、操舵輪1が上下動および回動可能に適度な隙間を
設けて形成するホイールハウス内面に形成しても、ま
た、ホイールハウスの中に別個のガイド板を設けること
で形成してもよい。ホイールハウスを利用する場合に
は、通常のアクスルが装備されている車両に対してもホ
イールハウスに大きな変更を施すことなく適用可能であ
る。
【0122】また、規制部材61の表面に低摩擦シート
を貼付けることに代えて、図15に示すように、リテー
ナ63により自由に回転可能となった多数の回転球体6
4を面状に配置し、操舵輪1に回転球体64を接触させ
るようにしてもよい。また、規制部材61は直進状態の
操舵輪1と対面する範囲から僅か内方に亙って配置すれ
ばよい。
【0123】前記規制部材61を配置することで操舵輪
1は以下のように作動される。即ち、規制部材61は、
アクスル本体3が操舵輪1と共に回動する際に、操舵輪
1は一点鎖線の如く変位しようとする操舵輪1の前方に
摺接してそれ以上の前方への移動を規制する。
【0124】この規制によりアクスル本体3の回動作動
は規制され、回動手段6に生ずる抵抗を増加させる。こ
の抵抗の増加は、操舵油圧を上昇させ、操舵シリンダ3
4により操舵輪1自体を回動操舵させる方向の操作力を
増加させ、操舵輪1は前方への移動を規制されたままそ
の場で回動され、操舵角を増加させてゆく。
【0125】この操舵角の増加により操舵輪1と規制部
材61との間隔が開きそうになると再びアクスル本体3
が回動手段6により回動され、操舵輪1自体も操舵シリ
ンダ34により回動されて操舵角を増加させてゆく。
【0126】最終的には、アクスル本体3の回動が車体
4のストッパ4Aにより規制され、操舵輪1の回動が図
示しないストッパ4Aにより最大に操舵された図中の二
点鎖線の操舵状態となる。
【0127】また、直進状態への復帰作動においても、
操舵シリンダ34の戻り動作により操舵輪1自体が先ず
回動し、規制部材61に当接すると、アクスル本体3の
回動と操舵輪1自体の回動とが規制部材61にコントロ
ールされながら中立の直進状態に復帰する。
【0128】以上の通り、この規制部材61は、アクス
ル本体3の回動と操舵輪1自体の回動との両作動を限ら
れた操舵輪1の移動軌跡中に両者織り交ぜて作動させ、
その作動スペースをできる限り小さくなるようにしてい
る。
【0129】前記規制部材61は、操舵輪1の前方(片
側の操舵輪1の前方であってもよい)に形成するもので
あったが、操舵輪1の後側に設けてもよいし、場合によ
っては両側に設けてもよい。
【0130】なお、操舵輪1を構成するタイヤの摩耗状
態によって、アクスル本体3の回動量が若干変動する
が、全体の操舵輪1の操舵角からすれ無視できるレベル
である。
【0131】図14、15に示す実施の形態において
は、アクスル本体3の回動による操舵輪1の移動軌跡上
に操舵輪1の移動を規制する規制手段としての規制部材
61を設けたため、操舵輪1の移動軌跡を所定のスペー
ス領域内に収めることができる。また、規制手段として
の規制部材61により操舵輪1の必要以上の前後移動を
阻止でき、ベース車両に対してホイールベ一スを延長す
る等の対応が不要となる。
【0132】また、規制手段としての規制部材61の操
舵輪1と当接する部位に低摩擦部材としての低摩擦シー
ト62や回転球体64を配置するため、操舵輪1の回転
および回動に対して抵抗なくスムーズに案内できる。
【0133】図16〜図20は、本発明のさらに他の実
施形態を示す産業車両用アクスルを示す。アクスル本体
を車体に対して回動可能に支持する支持手段として、図
1〜15に示す実施形態においてはアクスルピンを車体
に設けた長穴に支持させることでアクスル本体を回動可
能とするものである。本実施形態においては、アクスル
本体を車体に対して回動可能に支持する支持手段とし
て、アクスルピンを車体に対して上下方向の軸回りに回
動可能に設けた支持ブラケットに支持させてアクスル本
体を回動可能とするものである。
【0134】また、本実施形態を適用する車体は、前記
上下方向の軸回りに回動可能な軸受けにより一輪式の操
舵輪を回動可能に支持させて三輪式フォークリフトを構
成可能な車体構造である。前記三輪式フォークリフトに
おいて、一輪式の操舵輪に代えて4輪式フォークリフト
における後輪アクスルを適用したものである。
【0135】先ず、支持手段5としての支持ブラケット
65について、図16により説明する。図16におい
て、支持手段5としての前記支持ブラケット65は、上
方において車体4に上下方向軸周りに回動可能な軸受け
手段としての軸受け70を介して上下軸周りに回動可能
に支持される。支持ブラケット65は、また、下方にお
いてアクスル本体3から前後に突出するアクスルピン1
4をアクスルサポート66により回動可能に支持する。
車体4の軸受け70は三輪式フォークリフトにおいて、
直下に操舵輪を配置するためにその位置が高く形成され
ており、軸受け70とアクスルサポート66との間の間
隔を補完するためにブロック状に形成している。
【0136】前記軸受け70は、支持ブラケット65か
ら上部に突出させたスピンドル71と車体4に固定され
る取付けプレート72の軸受ハブ73との間に、両者に
嵌合させて一対のアンギュラコンタクトベアリング74
A、74Bを配置して備える。両ベアリング74A、7
4Bには、スピンドル71の先端にねじ込まれるナット
75により締付けてプリロードが加えられ、弛みやガタ
が防止される。支持ブラケット65の車両後端側には、
一対のストッパピン67が上方に突出して固定してお
り、後述するストッパ68に当接することで、支持ブラ
ケット65の回動の限界位置を規定する。また、支持ブ
ラケット65の車両後方側には、回動手段6としてのシ
リンダ装置23のピストンロッド25の先端に連結され
るブラケット78が固定して配置されている。
【0137】前記アクスルサポート66は、支持ブラケ
ット65の下面に前後方向に間隔をおいて突出して備
え、両アクスルサポート66に設けた図示しない軸受け
穴にアクスル本体3から突出するアクスルピン14を軸
受け支持することで、アクスル本体3をスイング可能に
支持する。
【0138】前記アクスル本体3は、前各実施の形態と
同様に構成される。即ち、左右両端のキングピン軸2に
よりナックルアーム11およびそれと一体となったナッ
クルスピンドル12を回動可能に支持し、ナックルスピ
ンドル12により左右の操舵輪1を夫々回転可能に支持
する。操舵シリンダ34のピストンロッド37によりナ
ックルアーム11をキングピン軸心2回りの回動させて
操舵輪1を操舵する。
【0139】次に、取付けプレート72が固定される車
体構造について、図17〜図20により説明する。この
車体構造においては、骨格となる左右のサイドフレーム
4Bとサイドフレーム4B同士を連結するクロスフレー
ム4C(後方のクロスフレーム4Cのみが表示されてい
る)とを備える。後方のクロスフレーム4Cは、上下方
向に延びる一対の上下フレーム4Dと上下フレーム4D
同士に溶接により連結して水平に配置した取付けフレー
ム4Eとが、夫々溶接により固定されて後部フレーム組
立体4Aを構成している。後部フレーム組立体4Aの取
付けフレーム4Eには、図20に示すように予め定めた
ピッチにより整列して複数の固定ボルト76がねじ込み
配置している。
【0140】前記取付けプレート72には、図19に示
すように、複数の固定穴72Aが前記ピッチに対応して
整列して配置している。取付けプレート72はこれらの
固定穴72Aに前記固定ボルト76を挿入することで、
取付けフレーム4Eに強固に固定される。これら固定ボ
ルト76および固定穴72Aは、ピッチを持って整列し
て配置しているため、その車両前後方向の取付け位置
を、固定穴72Aと固定ボルト76の嵌合位置を変更す
ることでピッチ毎に調整可能となっている。取付けフレ
ート72の車両後端側には、前記支持ブラケット65の
ストッパピン67に当接可能にストッパ68となる一対
のプレートが固定されている。
【0141】回動手段6としてのシリンダ装置23は、
図20に示すように、車体4に固定したブラケット77
にシリンダ23の端部を揺動自在に連結し、支持ブラケ
ット65に固定のブラケット78にピストンロッド25
の先端を揺動自在に連結して配置する。シリンダ装置2
3には、前各実施の形態と同様、全油圧パワーステアリ
ング装置7若しくは独立した油圧源50よりの油圧によ
り伸縮作動する。全油圧式パワーステアリング装置7の
操舵バルブ35の送油油量に対する支持ブラケット65
の回動角度を回動方向でバランスさせるためにシリンダ
23は2本を対称に配置してもよい。
【0142】図21は、ストッパピン67とストッパ6
8との当接により支持ブラケット65の回動が阻止さ
れ、操舵輪1が限界まで操舵された状態を示す。この状
態における左右操舵輪1は、それぞれ車両前後方向より
内方側に向き、その直交方向を示す線R、線Lの交わる
点Nは車両の前後方向の中心軸上で交差する。操舵輪1
は前記交わり点Nを中心として車両を旋回させるよう機
能する。このため、車両の旋回半径を小さくできる。
【0143】図22、23は、取付けプレート72の取
付けフレーム4Eに対する前後方向の固定位置を変更し
た平面図および背面図を示す。前輪8に対して後輪(操
舵輪1)が前進した位置に固定されており、ホイールベ
ースが短縮され、このために、小回り性が向上してい
る。なお、図22、23のストッパ構造は、支持ブラケ
ット65に設けたストッパピン67間に、取付けプレー
ト72に設けたストッパ突起69を配置して、ストッパ
ピン67の一方がストッパ突起69に当接することで支
持ブラケット65の回動限界を規定するようにしてい
る。
【0144】図16〜図23に説明した実施の形態にお
いては、三輪式フォークリフトの車体構造を前提として
説明しているが、図示しないが、四輪式フォークリフト
の車体構造においても、カウンタウェイトの下部の車体
構造を変更すれば、支持ブラケット65を配置すること
は可能であり、この場合には、支持ブラケット65のブ
ロック状の部材を用いることなく構成することが可能で
ある。
【0145】以上の図16〜23により説明した実施の
形態においては、図1〜15に記載した実施形態におけ
る効果に加えて、以下に記載した効果を奏することがで
きる。即ち、支持手段5としてアクスル本体3のアクス
ルピン14をアクスルサポート66により軸受け支持
し、上下方向の軸回りに回動可能な軸受け手段としての
軸受け70により車体4に支持された支持ブラケット6
5により構成したため、アクスル本体3の回動が軸受け
70に案内されて精度よく行われる。また、アクスル本
体3の前方部分に支持手段5を構成するリンク類を必要
とせず、構成が簡単化できる。
【0146】しかも、回動手段6は支持ブラケット65
を回動させることでアクスル本体3を回動するため、ア
クスル本体3のスイングに関係なく安定して精度よくア
クスル本体3を回動させることができる。
【0147】車両後方の左右方向中央において後輪を回
動可能に支持する三輪式フォークリフトの車体構造に対
して前記支持ブラケット65を後輪を回動可能に支持す
る軸受け70により支持するため、車両の左右の安定性
を向上させることができる。
【0148】しかも、コンベンショナルな四輪式フォー
クリフトの後軸に配置されるアクスル本体3を支持ブラ
ケット65により三輪式フォークリフトの車体構造に適
用するものであるため、コンベンショナルなアクスル本
体3を流用でき、支持ブラケット65のみ新設するのみ
で適用でき、変更が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す産業車両用アクスル
の平面図。
【図2】同じくアクスルの支持構造を車両後方より示す
背面図。
【図3】同じくアクスルの動作状態を示す作動図。
【図4】同じくアクスルの動作状態の最終段階を示す作
動図。
【図5】車両の旋回半径説明図。
【図6】産業車両用アクスルの変形例をしめす油圧回路
図。
【図7】産業車両用アクスルのさらに変形例をしめす油
圧回路図。
【図8】本発明の他の実施形態を示す産業車両用アクス
ルの平面図。
【図9】同じくアクスルを背面より示す背面図。
【図10】同じくアクスルを支持するボールジョイント
の詳細断面図。
【図11】同じくアクスルピンとボールジョイントとの
関係を示すアクスルの側面図。
【図12】継ぎ手の他の例であり、(A)は一例の側面
図、(B)は他の例の断面図。
【図13】図8の産業車両用アクスルの変形例をしめす
油圧回路図。
【図14】本発明のさらに他の実施形態を示す産業車両
用アクスルの平面図。
【図15】図14に示す規制部材の他の例を示す断面
図。
【図16】本発明のさらに他の実施形態を示す産業車両
用アクスルの部分断面を含む側面図。
【図17】図16において適用する産業車両の車体構造
を示す側面図。
【図18】図16に示す産業車両用アクスルを示す車両
後方よりの背面図。
【図19】図16に示す産業車両用アクスルの平面図。
【図20】図16に示す産業車両用アクスルの斜視図。
【図21】図16に示す産業車両用アクスルの作動状態
を示す平面図。
【図22】図16に示す産業車両用アクスルの変形例を
示す平面図。
【図23】図22における産業用車両用アクスルの車両
後方よりの背面図。
【符号の説明】
1 操舵輪 2 キングピン軸心 3 アクスル本体 4 車体 5 支持手段 6 回動手段 7 全油圧パワーステアリング装置 8 左右前車輪 11 ナックルアーム 12 ナックルスピンドル 13 タイロッド 14 アクスルピン 15、66 アクスルサポート 16 長穴 18、19 リンク 20 車軸 21 アクスルピン軸心 23 シリンダ装置 25 ピストンロッド 31 右配管 32 左配管 34 操舵シリンダ 35 操舵バルブ 36 操舵油圧源 47 プライオリティバルブ 54 方向切換弁 56 操舵スイッチ 57 制御回路 58 選択スイッチ 60 ボールジョイント(球面継ぎ手) 61 規制部材(規制手段) 65 支持手段としての支持ブラケット 70 軸受け手段としての軸受け

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右両端のナックルスピンドルにより操
    舵輪をキングピン軸回りに回動可能且つナックルスピン
    ドル回りに回転可能に支持し左右ナックルスピンドルを
    結んで車軸を形成するアクスル本体と、 車体に前記アクスル本体を車両前後方向の揺動軸回りに
    揺動可能に支持し且つ前記揺動軸と前記車軸を含む鉛直
    平面との交点若しくはこの交点近傍を通る車両上下方向
    の軸回りに回動可能に支持する支持手段と、 前記アクスル本体を操舵に応じて回動する操舵輪と同方
    向に回動させる回動手段と、を備えたことを特徴とする
    産業車両用アクスル。
  2. 【請求項2】 前記支持手段は、アクスル本体の前後に
    おいてアクスル本体から車両前後方向に伸び車体に上下
    方向の移動を拘束した状態で各々車両横方向に移動可能
    に支持されたアクスルピンと、 車両水平面内において車両前後方向に伸びて車体とアク
    スル本体とに揺動可能に連結されアクスル本体の前記交
    点で軸線が交差するよう車両の前後方向の中心に対し左
    右対称に配置した二本のリンクと、から構成したことを
    特徴とする請求項1に記載の産業車両用アクスル。
  3. 【請求項3】 前記アクスルピンと二本のリンクとは、
    同一平面上若しくは近傍に配置されていることを特徴と
    する請求項2に記載の産業車両用アクスル。
  4. 【請求項4】 前記支持手段は、アクスル本体の前後に
    おいてアクスル本体から車両前後方向に伸び車体に上下
    方向の移動を拘束した状態で各々車両横方向に移動可能
    に支持されたアクスルピンと、 前記アクスル本体を前記交点若しくはこの交点近傍にお
    いて、アクスル本体の車両前後左右方向の移動を拘束し
    その他の揺動および回動を許容するよう車体に連結する
    継ぎ手とから構成したことを特徴とする請求項1に記載
    の産業車両用アクスル。
  5. 【請求項5】 前記アクスルピンの軸心と継ぎ手の中心
    とは、同一線上に配置されていることを特徴とする請求
    項4に記載の産業車両用アクスル。
  6. 【請求項6】 前記回動手段は、車体と前記アクスル本
    体若しくは前記リンクとの間に前記アクスルピンと同一
    平面上に位置して配置され操舵に応じて伸縮可能なアク
    チュエータで構成されていることを特徴とする請求項2
    または請求項4に記載の産業車両用アクスル。
  7. 【請求項7】 前記操舵輪は、作動油を操舵量に応じて
    計量し操舵方向に応じて左右配管のいずれか一方へ吐出
    し他方から排出する操舵バルブに前記左右配管を介して
    接続された操舵シリンダに連結され、前記回動手段は、
    前記左右配管に夫々のシリンダ室が接続されたシリンダ
    装置で構成されていることを特徴とする請求項6に記載
    の産業車両用アクスル。
  8. 【請求項8】 前記操舵シリンダは、操舵バルブからの
    作動油圧が所定値を超えるとき作動されることを特徴と
    する請求項7に記載の産業車両用アクスル。
  9. 【請求項9】 前記シリンダ装置は、一端からピストン
    ロッドが伸縮する片ロッド型シリンダを車体とアクスル
    本体若しくはリンクとの間に左右対称に二本配置したこ
    とを特徴とする請求項7に記載の産業車両用アクスル。
  10. 【請求項10】 前記回動手段は、その作動を非作動と
    する非作動モードと操舵に応じてアクスル本体を操舵輪
    と同方向に回動させる動作モードとが選択可能であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一つ
    に記載の産業車両用アクスル。
  11. 【請求項11】 前記アクスル本体の回動による操舵輪
    の移動軌跡上の車体に操舵輪の移動を規制する規制手段
    を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項10の
    いずれか一つに記載の産業車両用アクスル。
  12. 【請求項12】 前記規制手段は、操舵輪と当接する部
    位に低摩擦部材を配置していることを特徴とする請求項
    11に記載の産業車両用アクスル。
  13. 【請求項13】 前記支持手段は、アクスル本体の前後
    においてアクスル本体から車両前後方向に伸びたアクス
    ルピンを軸受け支持し、上下方向の軸回りに回動可能な
    軸受け手段により車体に支持された支持ブラケットによ
    り構成し、 前記回動手段は、支持ブラケットを回動させることでア
    クスル本体を回動するものであることを特徴とする請求
    項1に記載の産業車両用アクスル。
  14. 【請求項14】 前記車体は、車両後方の左右方向中央
    において後輪を回動可能に支持する三輪式フォークリフ
    トの車体構造に構成し、後輪を回動可能に支持する軸受
    け手段により前記支持ブラケットを支持することを特徴
    とする請求項13に記載の産業車両用アクスル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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