JP2003154816A - 変化する傾斜の切込みを備えたリブを有するトレッド - Google Patents
変化する傾斜の切込みを備えたリブを有するトレッドInfo
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Abstract
リブすべての摩耗率が実質的に同じであり、これらの特
性が従来のタイヤのものと比較して向上された摩耗寿命
をタイヤに与えるトレッドを提供する。 【解決手段】 このトレッドはリブを備えており、リブ
のうちの少なくとも1つはその縁部の各々の近くに1.
5mmより小さい幅の複数の切込み4を備えている。各
切込み4は、トレッドの厚さ以内で変化する傾斜を有し
ており、各切込みは、新しいときに転動面とのその交差
点において角度β1(角度β1は角度αより大きい)、
およびトレッドの内側で最も遠い切込みの箇所で角度β
2(角度β2は角度αより小さい)で上記垂線に対して
傾斜されており、トレッドの内側で最も遠い切込みの箇
所はリブの転動面に位置決めされた切込みの箇所の前方
であるように上記垂線に対して位置決めされている。
Description
行することが必要とされる車両、より詳細には重車両の
前車軸に嵌合するように設計されたタイヤ用のトレッド
に関する。
された複数の補強要素を備えたカーカス補強体を有して
おり、上記カーカス補強体はそれ自身、円周方向に延び
るクラウン補強体により覆われている。このクラウン補
強体は互いに重ねられた少なくとも2つの層よりなり、
各層は、同一層において互いにに平行に配列され且つ多
くとも40°の方向に傾斜され、好ましくは鋼製で低い
伸張性を有する複数のコードまたはワイヤにより補強さ
れたゴム混合物で形成されており、各層のコードは他の
層のコードに対して交差されている。上記クラウン補強
体は、一方では、円周方向に対して45°と80°との
間の角度をなす低伸張性のコードで構成された2つの半
層により、他方では、クラウン層の半径方向外側に位置
決めされ、且つ補強コードが40°より小さい角度をな
している「弾性である」と言われているコードで構成さ
れた少なくともたった1つの層により完成することがで
きる。
が、タイヤの半径方向外側の一部がタイヤの転動中に道
路と接触するようになっている転動面を形成する少なく
とも1種のゴム混合物で作られたトレッドにより覆われ
ている。
なグリップを得るためには、重車両の前側操向車軸に嵌
合するように設計されているタイヤの場合、上記トレッ
ドはその外面に実質的に円周方向の配向を有する複数の
溝を備えている。これらの溝は複数のリブを備えたパタ
ーンを構成しており、各リブは半径方向外側の接触面
と、リブの接触面と実質的に直角であるか、或いはこの
接触面とゼロでないテーパ角度をなすことができる側壁
部とを有している。リブの接触面との各側壁部の交差は
縁部を構成している。
摩耗が観察されたが、この摩耗はリブの縁部において且
つその近くで上記リブの接触面の残部にわたるより大き
い程度で起こるので、「不規則である」と呼ばれてい
る。この局部的な不規則の摩耗はいくつかの不都合を有
している。すなわち、不美的な外観のほかに、早期なタ
イヤ交換を必要とし、またかかる摩耗は、タイヤが特に
曲がりをとるときに横方向の力を受けると、リブの適切
な機械的機能を損なう。なぜなら、縁部接触面に対して
変位され、その結果、上記接触面が比例して小さくなる
からである。
るために、文献米国特許大6,196,288号は、各
リブの各縁部近くに複数の切込みを設けるべきであり、
接触面上のこれらの切込みの痕跡が4mmと8mmとの
間の長さであり、切込みがリブの厚さ以内で接触面に対
する垂線に対して5°と15°との間の平均の一定な傾
斜を有することを勧めている。
に対するには効果的であるが、かかる切込みを備えたリ
ブの平均の全体摩耗はかかる切込みの無いリブの全体摩
耗と比較して非常に著しく増大することがわかった。
なるが、トレッドの摩耗寿命はトレッドがかかる傾斜切
込みを有していないタイヤのものと比較して短い。「摩
耗寿命」は、タイヤを交換しなければならないほどに、
或いはトレッドを修理により再生しなければならないほ
どにタイヤのトレッドが摩耗する前の可能な使用期間を
意味している。
軸に嵌合するように設計されたタイヤ用のトレッド構造
であって、不規則な摩耗をほとんど或いは全く示さない
少なくとも1つのリブを備えており、平均の全体摩耗率
が低いままでありながら、リブすべての摩耗率が実質的
に同じであり、これらの特性が上記引用特許の範囲内の
タイヤのものと比較して向上された摩耗寿命をタイヤに
与えるトレッド構造の必要性がある。
転動方向を有し、且つクラウン補強耐により覆われたラ
ジアルカーカス補強体を備えていて、重車両の前車軸に
嵌合するように設計されたタイヤ用のトレッドであっ
て、リブを境界決めする実質的に円周方向の配向で深さ
Hの溝を備えており、各リブが、幅Bのものであり、且つ
道路と接触するようになっている接触面と、2つの縁部
を構成するように接触面と交差している2つの側面とを
有しており、リブのうちの少なくとも1つが、その縁部
の各々の近くに配向が本質的に横方向であって、接触面
に開口している複数の切込みを備えており、それらの幅
が1.5mmより小さく、それらの深さEが溝の深さHの
少なくとも40%に等しく、上記切込みが、互いに本質
的に平行であり、且つトレッドの厚さ以内に、新しいと
きにトレッドの転動面と直角な方向に対してゼロでない
平均傾斜αを有しており、道路との接触帯域における転
動中、道路がトレッドに及ぼす合力が切込みを上記垂線
に対してゼロの平均傾斜に向けてまっすぐにする傾向が
あるようになっているトレッドにおいて、タイヤの回転
軸線と直角な平面で見た場合、所定のリブにおける各切
込みは、これが上記リブの接触面と交差する点において
上記リブの接触面に対する垂線に対して、トレッドの厚
さ以内で変化する傾斜を有しており、各切込みは、新し
いときに転動面とのその交差点において角度β1(角度
β1は角度αより大きい)、およびトレッドの内側で最
も遠い切込みの箇所で角度β2(角度β2は角度αより
小さい)で上記垂線に対して傾斜されており、トレッド
の内側で最も遠い切込みの箇所はリブの転動面に位置決
めされた切込みの箇所の前方であるように上記垂線に対
して位置決めされていることを特徴とするトレッドが提
案される。
された切込みの箇所は、新しいときの転動面上の切込み
の箇所を通る半径方向の平面(タイヤの回転軸線を含む
平面)をトレッドの内側の切込みの箇所までもたらすべ
くタイヤの好適な転動方向に相当する垂線転動方向に回
転しなければならないなら、新しいときに転動面上の切
込みの箇所の「前方」であると言える。横断面で見て、
切込みの平均傾斜はトレッドの転動面上の切込みの箇所
と、回転軸線と直角な同一平面におけるトレッド内側で
最も遠い箇所とを直接繋ぐ方向がなす角度により得られ
る。
要素は従来技術から公知であるが、これらの可変傾斜は
深さに伴う同―変化方向を有していなく、その結果、上
記トレッドの摩耗に対する本発明による切込みと同じ効
果を有していなく、例えば、ヨーロッパ出願EP8101
04号は深さに伴って傾斜角度が増大する複数の切込み
を示している。その上、切込みが所定の転動方向に対し
て傾斜される方向に関して何も記載されていない。
等しく、多くとも15°に等しい。好ましくは、角度β
2は0°に近いか或いは等しく(すなわち、多くとも5
°に等しく)、角度β1とは異なる。好ましくは、切込
みの幅は多くとも0.4mmに等しく、しかも、上記切
込みを境界決めするゴム混合物製壁部には、これらの壁
部の相対移動を制限するために、従って各リブごとに適
切な剛性を維持するために、一方の壁部を他方の壁部に
対して遮断するために互いに協同するように設計された
レリーフ(中空部、キャビティ)が設けられているのが
よい。「0°に近い或いは等しい角度」は(角度が正で
あるか或いは負であるかにかかわらず)多くとも5°に
等しい角度を意味している。好ましくは、リブの縁部の
近くに形成された各切込みは上記リブの側壁部に開口し
ているが、各切込みを上記縁部に対して変位させること
が可能であり、その場合、リブの縁部に最も近い転動面
上の切込みの痕跡の端部を上記縁部から離す距離は多く
とも1.5mmに等しい。
に嵌合するようになっており、リブ切込みの平均傾斜
は、上記リブの各々に地面が及ぼす平均合力が上記切込
みをまっすぐにする傾向にある方向に作用するように選
択される。トレッドが新しいときにリブ縁部のところの
切込みのより顕著な傾斜によれば、本質的にタイヤを初
めて使用するときに起こる縁部における不規則摩耗の出
現を回避することが可能になり、一方、部分摩耗後のよ
り小さい傾斜によれば、各リブの全体摩耗の調整を可能
になる。
に伴って変化する切込みは接触面と直角に測定された切
込みの深さの多くとも3分の1以上の高い傾斜(少なく
とも10°)の帯域を有するように形成される。これら
の切込みは縁部においてリブの高さの40%ないし10
0%に及ぶ深さを有している。可変傾斜の切込みは規則
的且つ漸進的傾斜変化または他の変化形状を示す(例え
ば、断面における線形)。本発明の他の特徴および利点
は非限定の例として示される本発明の目的の実施例を示
す添付図を参照して行う説明から現れる。
ていて寸法が315/80R22.5である本発明による
タイヤのトレッドの転動面Sの一部を示している。この
タイヤ1は円周方向に配向された4つの主溝2を有して
おり、これらの4つの溝は18mmの平均深さを有して
いる。溝2は5つのリブ3を境界決めしており、横方向
に最も外側のリブはタイヤの転動中、トレッドと道路と
の間の接触帯域を境界決めしている。各リブ3はトレッ
ドの転動面Sの一部を構成する38mmに等しい幅の接
触面30と、溝2により境界決めされている2つの側面
31、32とを有しており、これらの側面31、32は
それぞれ2つの縁部301、302に沿って接触面30
と交差している。各リブ3には、その2つの縁部30
1、302に0.4mmに等しい平均幅を有する複数の
切込み4が設けられており、各切込み4は接触面30
と、側面のうちの一方のみ31または32とに開口して
いる。切込み4は接触面30に痕跡を有しており、それ
らの長さはこの場合、4.5mmに等しい。
ける接触面30に対する垂線に対して、切り込みの各々
は図2に示すようにトレッドの厚さ以内で変化する傾斜
を有している。
している図2において、接触面30と14mm(すなわ
ち、上記リブ3を境界決めしている溝の深さHの本質的
に77%)に等しい深さEとの間に延びる切込み4の痕
跡がわかる。
点Aと点B、トレッドの内側で最も遠い点との間では、各
切込み4は点Aにおける接触面30に対する垂線Dに対し
てここでは7°に等しい角度αをなす配向を有してい
る。
線Taが垂線Dに対してこの場合、10°に等しい角度を
なす痕跡を有しており、点Bでは、切込みの痕跡と対す
る接線Tbは同じ垂線Dに対してこの場合、4°に等しい
角度β2をなしている。
み間の平均間隔pはこの場合には各リブごとに一定であ
るが、リブに応じて異なることができる。上記平均間隔
pについては、好ましくは、少なくとも4に等しく、多
くとも10mmに等しい間隔が選択され、この場合、平
均間隔pは5mmに等しい。
みは、先端がトレッドを備えたタイヤの(矢印Rで示し
た)好適な回転方向に向けられているV形状であって、
15°に等しい角度γ(この角度は転動方向に対して直
角であってタイヤの横方向すなわち軸方向に対応する方
向に対して測定したものである)をなす痕跡を転動面S
に有している。
対して比較転動試験を施してこれらのタイヤと、切込み
がトレッドの厚さ以内で一定である傾斜を有すると言う
点だけが異なる対照タイヤと比較した(試験条件は、平
均荷重3500kg、膨らまし圧8.5バール、平均速
度80km/hである)。本発明によるトレッドを備えた
タイヤは対照タイヤのものより20%長い不規則な摩耗
寿命を示した。
斜視図を示している。このリブは同一縁部において互い
違いになり且つ円周方向に規則的に分布されている複数
の切込み4'、4''を有している。タイヤの回転軸線と
直角な平面における横断面で見た場合の、特に図3で見
られる側面32'上の第1組の切込みは長さの等しい4
つの矩形痕跡41'、42'、43'、44'の連続よりな
る。第1の痕跡41'は、切込みが上記平面において転
動面と交差する点A1で転動面と直角な線Dとβ1の角度
をなしている線Taを辿っている。この第1の痕跡41'
は線Dの方向と本質的に平行な第2の痕跡42'により延
長されている。第2の矩形痕跡42'は、ゼロと異な
り、第1の痕跡41'の角度β1より小さい角度β2を
なす線Tbを辿る第3の痕跡43'により延長されてい
る。第4の矩形痕跡44'は線Dと平行である。
に等しい長さの3つの部分41''、42''、43''を備
えている。第1の2つの部分41''、42''はそれぞれ
ゼロと異なる角度β1、β2をなしており、角度β1は
角度β2より大きい。第3部分43''は、切込みが上記
平面において接触面と交差する点において接触面と直角
な線Dと0°の角度をなしている。切込みの底部におけ
るいずれの問題をも回避するために、第3部分の端部に
広くなった部分44''が形成されている。
触面上の上記切込みの痕跡45'、45''は曲線の幾何
形状を有しており、リブの縁部との交差点において横方
向に対して3つの痕跡に対する接線がなす角度は0°と
異なる。
4'、4''の痕跡の平均長さLは平均の規則的摩耗に悪影
響することなしにリブの縁部に影響する不規則摩耗の著
しい改良を得るためにリブの半幅B'の少なくとも10
%、多くとも35%に等しい。もちろん、図示し且つ種
々の例で説明した各切込みはリブの片側または両側で単
独または組み合わせで使用することができる。
面における所定の切込みの傾斜の変化は平面ごとに異な
る。本発明は上記例に限定されず、当業者には、本発明
の範囲を逸脱することなしに種々の変更例を行うことが
できる。
の一部の平面図である。
る。
る。
Claims (10)
- 【請求項1】 好適な転動方向を有し、且つクラウン補
強体により覆われたラジアルカーカス補強体を備えてい
て、重車両の前車軸に嵌合するように設計されたタイヤ
用のトレッド(1)であって、リブ(30、31、3
2、33,35)を境界決めする実質的に円周方向の配
向で深さHの溝(2)を備えており、幅Bの各リブが、道
路と接触するようになっている接触面と、2つの縁部を
構成するように接触面と交差している2つの側面とを有
しており、リブのうちの少なくとも1つが、その縁部の
各々の近くに複数の切込みを備えており、それらの幅が
1.5mmより小さく、それらの深さEが溝の深さHの少
なくとも40%に等しく、上記切込みが接触面に開口し
ていて、互いに本質的に平行であり、且つ回転軸線と直
角な平面における横断面でみた場合、新しいときにトレ
ッドの転動面(S)と直角な方向に対してゼロと異なる
平均傾斜αを有しており、道路との接触帯域における転
動中、道路がトレッドに及ぼす合力が切込みを上記垂線
に対してゼロの平均傾斜に向けてまっすぐにする傾向が
あるようになっているトレッドにおいて、 タイヤの回転軸線と直角な平面で見た場合、所定のリブ
における各切込みは、これがリブの接触面と交差する点
において上記リブの接触面に対する垂線に対して、トレ
ッドの厚さ以内で変化する傾斜を有しており、各切込み
は、新しいときに転動面とのその交差点において角度β
1(角度β1は角度αより大きい)、およびトレッドの
内側で最も遠い切込みの箇所で角度β2(角度β2は角
度αより小さい)で上記垂線に対して傾斜されており、
トレッドの内側で最も遠い切込みの箇所はリブの転動面
に位置決めされた切込みの箇所の前方であるように上記
垂線に対して位置決めされていることを特徴とするトレ
ッド (1)。 - 【請求項2】 リブに形成される各切込みは上記リブの
側面に開口していることを特徴とする請求項1に記載の
トレッド(1)。 - 【請求項3】 平均傾斜が少なくとも5°に等しく、多
くとも15°に等しいことを特徴とする請求項1または
2に記載のトレッド(1)。 - 【請求項4】 角度β1は少なくとも5°に等しく、多
くとも15°に等しいことを特徴とする請求項1ないし
3のうちのいずれかの項に記載のトレッド(1)。 - 【請求項5】 横断面で見た場合、トレッドの内側で最
も遠い切込み(41、42、43)の箇所で、角度β2
は0°に近いか或いは等しく、すなわち、多くとも5°
であることを特徴とする請求項1ないし4のうちのいず
れかの項に記載のトレッド(1)。 - 【請求項6】 傾斜が深さに伴って変化する切込みを備
えた各リブにおいて、上記切込み(41、42、43)
は少なくとも4mm、多くとも10mmに等しい間隔p
で隔てられて円周方向に規則的に分布されていることを
特徴とする請求項1ないし5のうちのいずれかの項に記
載のトレッド(1)。 - 【請求項7】 傾斜が深さに伴って変化する各切込み
は、新しいときに転動面から始まって、傾斜が少なくと
も10°に等しく、岐路込みの深さの多くとも3分の1
にわたって延びている帯域を有することを特徴とする請
求項1ないし6のうちのいずれかの項に記載のトレッド
(1)。 - 【請求項8】 所定のリブにおける変化傾斜を有する切
込みの痕跡は、上記リブの内側で横方向に最も遠い切込
みの箇所が縁部に位置決めされた同切込みの箇所に対し
て前方で円周方向に位置決めされるような角度アルファ
の平均配向を有していることを特徴とする請求項1ない
し7のうちのいずれかの項に記載のトレッド(1)。 - 【請求項9】 傾斜が深さに伴って変化する切込みの接
触面上痕跡は横方向に対して測定した角度γの傾斜を有
しており、この角度は縁部との交差点と横方向に最も内
側の点との間で変化していることを特徴とする請求項1
ないし8のうちのいずれかの項に記載のトレッド
(1)。 - 【請求項10】 リブに形成された変化傾斜を有する各
切込みの幅Lは上記リブの幅Bの少なくとも10%に等し
く、多くとも35%に等しいことを特徴とする請求項1
ないし9のうちのいずれかの項に記載のトレッド
(1)。
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