JP2003154464A - 抵抗溶接装置 - Google Patents

抵抗溶接装置

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JP2003154464A
JP2003154464A JP2001352308A JP2001352308A JP2003154464A JP 2003154464 A JP2003154464 A JP 2003154464A JP 2001352308 A JP2001352308 A JP 2001352308A JP 2001352308 A JP2001352308 A JP 2001352308A JP 2003154464 A JP2003154464 A JP 2003154464A
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upper electrode
welding
resistance welding
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JP2001352308A
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Masahiro Takahashi
正浩 高橋
Masaru Tanioka
勝 谷岡
Kazuhiko Uchida
一彦 内田
Shuichi Nozaki
修一 野崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被溶接物を突き合わせて水平方向に位置調整
してから、鉛直方向に押圧して抵抗溶接を行う抵抗溶接
装置において、上部電極移動台の自重にもかかわらず水
平方向の移動調整が微小距離であっても円滑に行える抵
抗溶接装置を提供する。 【解決手段】 下部テーパーコレット電極20にステム
16bをクランプし、レンズ付キャップ16aを上部テ
ーパーコレット電極10aにクランプした上部電極移動
台8を移動押圧手段3で鉛直方向に移動して抵抗溶接を
行う装置において、上部電極移動台8を、転動ガイド手
段11を介して、ガイド支柱9に沿って移動させ、コイ
ルバネ12を設けて、下方から支持し、溶接を行う位置
で、上部電極移動台8の自重とつりあうように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被溶接物の水平方
向の相対位置を調整して互いを溶接する抵抗溶接装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、抵抗溶接によって溶接される部品
の中には、被溶接物間の位置精度の要求がきわめて厳し
いものが現れている。例えば、取付基準を兼ねた円板状
などの板部材に発光素子が載せられて、発光素子チップ
の配線されたリードが下方に延ばされたステム部材に、
レンズなどの光学素子付のキャップ部材を上からかぶせ
て、窒素ガスなどの不活性ガスを密閉封止して溶接する
レンズ付発光素子はその一例である。このような部品で
は、発光素子の発光点と光学素子の光軸を位置合わせす
ることが不可欠である。位置合わせの精度は、その用途
やレンズの種類によって異なるが、例えば、発光素子が
レーザダイオードの場合、おおむね±0.2mm程度の
調整範囲の中で、10μm以下の精度で調整しなければ
ならない。
【0003】従来、そのような光学素子付の発光素子を
製造するために、ステム部材とキャップ部材の位置調整
を行って溶接を行う抵抗溶接機が知られている。例え
ば、特開昭61−150787号公報などに開示されて
いる装置はその一例である。
【0004】このような従来装置は、発光素子を上向き
にしてステム部材を下部溶接電極に固定し、その上方
に、ダイセット方式によって鉛直方向に可動とされた上
部溶接電極を設け、そこにキャップ部材を固定し、上部
溶接電極を下降させて、ステム部材に当接させ、水平面
内の位置をXYステージなどで移動調整を行い、さらに
上部溶接電極を降下させて、キャップ部材をステム部材
に押圧し、溶接電流を流して、抵抗溶接を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ミクロ
ンオーダーで水平方向にぶれることなく上部溶接電極を
鉛直方向に可動に支持するためには、きわめて高精度な
ダイセットを設けるとともに、上部溶接電極を取り付け
て移動させるための上部電極移動台の剛性を高める必要
があるので、上部電極移動台はきわめて重い部材からな
っていた。そのため、鉛直方向位置のばらつきによって
はステム部材とキャップ部材がかなり強く当接する結
果、例えば薄肉の溶接用リングプロジェクションなどで
できた変形しやすいキャップ部材は不良になりやすく、
また、水平方向の摩擦力が大きくなるので、微小距離の
調整では、キャップ部材が微小変形して実際の当接面が
移動しなかったり、静止摩擦から抜けて滑り出すときに
オーバーシュートして正確に移動しなかったりして、高
精度の調整には手間がかかるという問題があった。
【0006】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたも
のであり、被溶接物を突き合わせて水平方向に位置調整
してから、鉛直方向に押圧して抵抗溶接を行う抵抗溶接
装置において、上部電極移動台の自重にもかかわらず水
平方向の移動調整が微小距離であっても円滑に行える抵
抗溶接装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、下部に設けられた下
部溶接電極に第1の被溶接物を固定する下部電極保持部
と、該下部溶接電極の上方に設けられた上部溶接電極に
第2の被溶接物を水平方向に固定して鉛直方向に可動と
された上部電極移動台と、該上部電極移動台を係止して
鉛直方向に移動せしめる移動押圧手段と、前記下部電極
保持部または上部電極移動台に設けられてそれぞれの水
平方向の相対位置を調整する水平位置調整手段を備え、
前記下部電極保持部および上部電極移動台に固定された
前記第1および第2の被溶接物を、前記水平位置調整手
段を介して水平方向の相対位置を調整し、前記移動押圧
手段を介して鉛直方向に押圧し、溶接電流を流して溶接
を行う抵抗溶接装置において、前記上部溶接電極と一体
に移動する上部電極移動台を鉛直方向に弾性支持する弾
性支持手段を設けて、被溶接物を押圧する位置近傍で前
記上部電極移動台の自重とつりあうように構成する。そ
のため、被溶接物の溶接位置近傍で上部電極移動台の自
重が弾性支持手段によってつりあわされるので、上部電
極移動台の自重によらず、被溶接物を軽く接触させるこ
とができる。
【0008】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の抵抗溶接装置において、前記上部電極移動台が前記
移動押圧手段にぶら下げて係止されるように、前記上部
電極移動台が前記移動押圧手段に対して鉛直上方に相対
移動可能な遊びを有する係止部を設け、該移動押圧手段
の下方先端には、前記上部電極移動台が前記遊びの分だ
け上昇するときに、前記上部溶接電極に当接する上部プ
ラテン部を設け、前記弾性支持手段によって前記上部電
極移動台が自重とつりあう位置より下方に、前記移動押
圧手段が移動するときに前記係止部の係止が外れ、さら
に、前記遊びの分を越えて下方に移動するときに前記上
部プラテン部と前記上部溶接電極とが当接して、該上部
溶接電極の下方への移動が行なわれるように構成する。
そのため、上部電極移動台の自重が弾性支持手段の支持
力とつりあう位置で、移動押圧手段との係止が外れるの
で、移動押圧手段の制御のばらつきによって被溶接物を
過剰に押圧することがなく、相対移動可能な遊びの範囲
で、上部電極移動台の移動に影響することなく移動押圧
手段の移動量および移動速度を変更できる。
【0009】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は2に記載の抵抗溶接装置において、前記上部電極移動
台が鉛直方向に延ばされて設けられたガイド支柱で鉛直
方向に可動に支持され、前記下部電極保持部が水平方向
に位置調整可能に支持されるように構成する。そのた
め、鉛直方向に移動する上部電極移動台に水平方向の位
置調整手段を設ける必要がないので、上部電極移動台の
自重を軽くすることができる。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項1、2
または3に記載の抵抗溶接装置において、水平方向の位
置関係を調整して溶接する前記第1の被溶接物および前
記第2の被溶接物が、それぞれ、発光素子および光学素
子付の部材からなるように構成する。そのため、このよ
うな装置によれば、高精度の位置合わせが必要で外力に
も弱い光学素子付の発光素子を円滑に抵抗溶接すること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下では、本発明に係る抵抗溶接
装置の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。な
おすべての図面を通して、同一または相当する部材は、
同一の符号を付している。
【0012】図1は、本発明に係る抵抗溶接装置の概略
構成を示す斜視図である。図2は、そのA−A視の部分
断面図である。本装置は、例えばレーザダイオード16
などを製作するために、被溶接物として、円板状などの
基板上にレーザダイオード素子16d(発光素子)を設
けてその下部に延びるリードと接続されたステム16b
(第1の被溶接物)の上に、レーザダイオード素子16
dを覆って窒素などの不活性ガスを封止し、レーザ光を
集光するレンズ(光学素子)をその天面に設けたレンズ
付キャップ16a(第2の被溶接物)を用い、上下方向
に押圧し溶接電流を流して抵抗溶接する抵抗溶接装置で
ある。そのため、本装置は、窒素ガスなどの不活性ガス
が充填されている箱状部材で全体を覆われているもので
あるが、その詳細の図示は省略している。
【0013】まず、本装置の概略構成を説明する。装置
本体を支える支持台1の上には、水平方向の直交する2
方向に可動とされたXYステージ13(水平位置調整手
段)が設けられ、それぞれの移動方向に独立駆動源とし
てモータ14a、14bが取り付けられている。XYス
テージ13の上部には、ステム16をクランプして溶接
するためのテーパーコレットと溶接電極を備えた下部テ
ーパーコレット電極20(下部溶接電極)が、下部電極
ホルダ15(下部電極保持部)に設けられている。
【0014】また支持台1上には、鉛直方向に保持部2
が延ばされており、その側面に鉛直方向に貫通孔を設け
たロッド案内部5が設けられ、さらにその側面にガス圧
駆動によって鉛直方向にラム3aを上下させる移動押圧
手段3が設けられている。移動押圧手段3の先端には、
第2の被溶接物をクランプするテーパーコレットと溶接
電極を備えた上部テーパーコレット電極10a(上部溶
接電極)が配設された上部電極移動台8が、それを吊り
下げて係止する係止部7によって係止されている。上部
電極移動台8は、支持台1から鉛直上方に延ばされたガ
イド支柱9に嵌合して鉛直方向に転動移動する転動ガイ
ド手段11に案内されて鉛直方向の移動が可能とされて
いる。
【0015】溶接電流を流すために、不図示の溶接用電
源によって溶接電圧が上部テーパーコレット電極10a
の溶接電極に印加され、下部テーパーコレット電極20
の溶接電極は接地されている。
【0016】以下では、上記概略構成をさらに詳細に説
明する。まず、移動押圧手段3は、例えば、ガス圧で駆
動される多重のエアシリンダの組み合わせからなり、下
方に延びるラム3aの先端には、ラム取付板3bが固定
され、ラム取付板3bの上面には、ラム3aの回転を防
止する回り止めロッド4が上方に延びて設けられ、この
回り止めロッド4は、ロッド案内部5の貫通孔に嵌合し
て摺動される。また移動押圧手段3は、移動押圧手段3
のエアシリンダが多重に設けられることにより、ラム3
aの上下移動を、その所定移動区間ごとに速度が可変さ
れるように構成されている。
【0017】次に上部電極移動台8は、例えば十分な剛
性が得られるようブロック状に製作された部材からな
る。図2に示したように、上部電極移動台8の中央に
は、レンズ付キャップ16aをその下面に保持して溶接
電流を通電する上部テーパーコレット電極10aを備え
た上部電極ホルダ10が設けられており、上部電極移動
台8の上面側には、上部テーパーコレット電極と導通し
て平坦面を上部に露出する電極側プラテン部10bが設
けられている。
【0018】また、上部電極移動台8の両端2箇所に
は、厚肉の円筒スリーブが鉛直方向に設けられ、その中
央に転動ガイド手段11が鉛直方向に転動移動するため
の円筒面を備えるガイド孔8aが設けられている。
【0019】なお、テーパーコレットを設けた上部電極
ホルダ10内には不図示のプリズムを内蔵しており、ス
テム16bとレンズ付キャップ16aを突き合わせて発
光させたときの光路を直角に曲げ、後方のビジコンなど
のカメラにステムのレーザ光を取り込む光検出手段(不
図示)が配置されている。
【0020】また係止部7は、電極側プラテン部10b
の上面に対向する通電面を備えた、例えば銅合金などか
らなる上部プラテン部7aにL字アングル状のブラケッ
ト7bが横方向からねじ止めされ、電極側プラテン部1
0bをまたぐような凹部が構成された部材からなる。ブ
ラケット7bの水平に延びる部材面には、貫通孔7cが
備えられている。その貫通孔7cには、ブラケット7b
の板厚より長い円筒状のスペーサパイプ18bを備えた
取付ボルト18が貫通され、上部電極移動台8の上面に
ねじ固定されている。そのため、鉛直方向に相対移動可
能な遊びが設けられて取り付けられているものである。
ストッパ18aが設けられて抜け止めを構成している。
また、スペーサパイプ18bも、絶縁物または絶縁被覆
された部材からなる。
【0021】係止部7の寸法は、図2に示したように、
ブラケット7bの下面と電極側プラテン部10bの下面
の段差をL1、ブラケット7bの下面と上部電極移動台
8の上面の最大隙間をL2、上部プラテン部7aの下面
と電極側プラテン部10bの上面の最大隙間をL3とし
たとき、L1<L2、L3≦L1であり、相対移動可能な遊
びの長さは、L3になっている。また、L3<L2だか
ら、係止部7が最大限下降しても、ブラケット7bの下
面と上部電極移動台8の上面は接触することはない。
【0022】上部プラテン部7aの上面には、保持部2
の内部に向かって水平に延ばされた例えば銅合金からな
る板部材のリード6がねじ固定されている。リード6
は、溶接電流の供給路をなし、保持部2内部で、フレキ
シブルリード(不図示)などによって、上部電極移動台
8の上下移動に追従可能に溶接用電源(不図示)に接続
されている。
【0023】またリード6の上面には絶縁物を介してラ
ム取付板3bが固定されている。上部電極移動台8に自
重のみが作用する状態では、上部電極移動台8は、移動
押圧手段3と係止部7によって吊り下げられている。
【0024】次に、上部電極移動台8の鉛直方向の移動
に係る構成について説明する。ガイド支柱9は、転動ガ
イド手段11に内接する円柱面を備えた金属からなる棒
部材である。転動ガイド手段11は、例えば真鍮、合成
樹脂などで形成された、ほぼ円筒状の部材であるベアリ
ング保持器11cの円筒面に、取付孔を設けて、鋼球な
どのベアリング11bを回転可能に埋め込んだものであ
る。ベアリング保持器11cの一方の先端には、水平に
延びるフランジからなる移動規制部11aが設けられて
いる。
【0025】図2に示したように、上部電極移動台8の
ガイド孔8aには、ベアリング11bが内接し、上部電
極移動台8の上面には、転動ガイド手段11の移動規制
部11aの下面が当接している。ただし、ガイド孔8a
は上部電極移動台8本体に対して電気的に絶縁されてい
る。
【0026】さらにガイド支柱9は、上部先端から長さ
1の上部範囲9aでは、直径D1、その下端からさらに
長さH2の下部範囲9bでは、直径D2であり、D1<D2
なる関係がある。また、下部範囲9bのさらに下方で
は、D2よりも太い外形を持つコイルバネ案内部9cが
設けられている。
【0027】D2は、ベアリング保持器11cに保持さ
れたベアリング11bが外接すると、ベアリング11b
がガイド支柱9の円筒面に食い込んで予圧される締まり
ばめの寸法関係とする。D1は隙間ばめであってもよい
が、少なくともベアリング11bの外周がガイド孔8a
で拘束される部分ではガイド支柱9に当接もしくは軽く
与圧されるような寸法関係とする。
【0028】上部範囲9aの長さH1は、図2に示した
ように、上部電極移動台8が最も上方に引き上げられ
て、その上面に移動規制部11aの下面が当接する位置
関係にあるとき、転動ガイド手段11全長が上部範囲9
aに入るように設けられている。
【0029】また、ガイド孔8aを取り巻く厚肉円筒ス
リーブの下面と支持台1の間には、ガイド支柱9および
転動ガイド手段11の外形を上回る内径で端部が平面に
当接するように製作されたコイルバネ12(弾性支持手
段)が圧縮可能に配設されている。コイルバネ12の下
部は、コイルバネ案内部9cによって、上部は上部電極
移動台8の下面に設けられたコイルバネ12の内径をガ
イドするガイド突起(不図示)などによって、コイルバ
ネ12の内径部が転動ガイド手段11に接触することを
防止すると共に、電気絶縁も行っている。
【0030】また図1に示したように、XYステージ1
3の上面をなすスライダ13aの上部からはその位置が
狂わないように一時固定するための板部材などからなる
クランプ板19が水平方向に延ばされている。クランプ
板19の先端は、その上面が、支持台1に固定されたロ
の字状の開口部を備えたクランパホルダ17の開口部
に、開口部内の上面に沿うように貫入されている。また
クランプ板19の下面は、クランパホルダ17の開口部
内の下面から上方に突き出された、例えば円柱状のクラ
ンパ17aの、先端面の上方に位置している。
【0031】次に、上記に説明した本発明に係る抵抗溶
接装置の動作を、添付図面を参照して説明する。図3
は、本発明に係る抵抗溶接装置の概略動作の説明図であ
る。図4は、転動ガイド手段11の動作を詳しく説明す
るための部分断面図である。図3(a)は、上部電極移
動台8が最も高い位置にある溶接開始前の装置の状態を
示したものである。
【0032】まず転動ガイド手段11の動作について説
明する。転動ガイド手段11は、すでに説明したよう
に、上部範囲9aにあるときはガイド支柱9に対して隙
間ばめであってもよいが、少なくともガイド孔8aで外
周を締まりばめ状に拘束される部分では、ベアリング1
1bが内周に押し出されてガイド支柱9の外周面と接触
するような寸法関係になっている。そのため、ベアリン
グ11bは、ベアリング保持器11cによって保持され
ながら、それぞれの接触面を転動する。
【0033】さて、このような転動運動は、スリップが
ない理想状態では、ベアリング11bの転動距離Tと接
触面上の移動距離は等しくなる。転動ガイド手段11は
ガイド支柱9上を距離Tだけ移動し、同様に上部電極移
動台8は転動ガイド手段11に対して距離Tだけ移動す
る。したがって、上部電極移動台8はガイド支柱9に対
しては、距離2Tだけ移動することになる(図4
(b))。実際には、上部電極移動台8を上下に移動さ
せ、転動ガイド手段11がその半分の距離を追従移動す
ることになる。
【0034】これは、理想的な場合であって、実際に
は、ころがり摩擦の他に、常に下方に自重Fbが作用し
ていること、また実使用状態では、高速下降、急停止を
繰り返すため慣性が無視できないことなどによって、下
方への微小すべりが頻繁に発生し、転動ガイド手段11
は徐々に、理想的な位置よりもさらに下方に下降してい
く。
【0035】しかし、本発明では、移動規制部11aが
設けられているので、上下を繰り返して転動ガイド手段
11が下降しても、上部電極移動台8が最高位置に引き
上げられる途上で、移動規制部11aが上部電極移動台
8の上面に当接する。このときベアリング11bは転動
できないが、移動押圧手段3を、上部電極移動台8の自
重に加えて、ガイド支柱9およびガイド孔8aとベアリ
ング11bとの間のすべり摩擦力に十分抗して移動でき
るように引き上げ力を設定しておくことにより、転動ガ
イド手段11を初期の最高位置まで復帰させることがで
きる。このため、転動ガイド手段11は、一回の上下の
中で、毎回確実に引き上げられる。
【0036】さらに、転動ガイド手段11は、図4
(a)のように最上位置にあるときは、ガイド支柱9の
直径が比較的小さく鉛直方向の移動に要する力が小さい
上部範囲9a内にあり、図4(b)のようにレンズ付キ
ャップ16aとステム16bを当接させる位置にあると
きは、少なくともガイド孔8aで外周が拘束される範囲
では、ガイド支柱9の直径が比較的大きくて水平方向の
位置の拘束が確実に行われる下部範囲9bに位置するご
とく構成されている。
【0037】そのため、上部電極移動台8と移動規制部
11aの接触する比較的上方では、ガイド支柱9の径が
1で比較的小さく、ベアリング11bが転動できなく
ても、すべり摩擦が比較的小さくなっているので、上方
へ移動させるのに要する力が少なくて済む。そこで、引
き上げ時に、係止部7や移動規制部11aに負荷を減ら
せるという利点がある。
【0038】また、レンズ付キャップ16aとステム1
6bを当接させる位置では、水平方向の拘束が確実に行
われて、隙間によるガタもなく、ベアリング11bは十
分な予圧がされているので、水平位置調整によって、水
平方向に荷重が作用しても、剛に保持されていて、高精
度の位置合わせが行える。
【0039】以下では、溶接に関連した動作を説明す
る。まず、レンズ付キャップ16aとステム16bをそ
れぞれ上部テーパーコレット電極10aと下部テーパー
コレット電極20にクランプし、次にレンズ付キャップ
16aとステム16bが軽く接触するまで上部電極移動
台8を下降させる。この下降は、移動押圧手段3のガス
圧を制御してラム3aの速度を変えながら下降させるこ
とにより行う。レンズ付キャップ16aがステム16b
に十分近づくまでは、すばやく下降させ、その後は、接
触時に衝撃が発生しないように減速させる。
【0040】上記の位置で上部電極移動台8には、その
下降によって圧縮されたコイルバネ12からそれぞれ力
Sが作用する。バネ定数の設定により、上部電極移動
台8の自重Fwが、Fw=2FSとなって力がつりあう。
そこで図5(b)に示したように、ラム3aをストッパ
18aの係止が外れるまでに下降させても、上部電極移
動台8はつりあい位置を保っている。
【0041】したがって、係止部7に相対移動可能な遊
びがあるために、万一、移動押圧手段3が下方に行過ぎ
ても係止が外れて押圧力は伝わらず、コイルバネ12の
支持力で適切な当接圧を保つから、レンズ付キャップ1
6aやステム16bに接触傷ができたり、変形したりす
ることが防止される。
【0042】この状態で、レンズ付キャップ16aとス
テム16bは、軽く接触しているが、鉛直方向の接触力
がほとんどないので、水平方向の移動がきわめて容易で
あり、微小距離の移動調整をきわめて滑らかに行うこと
ができる。つまり、微小距離の調整でも、レンズ付キャ
ップ16aが微小変形して実際の当接面が移動しなかっ
たり、静止摩擦から抜けて滑り出すときにオーバーシュ
ートして正確に移動しなかったりして、調整に手間がか
かることがない。
【0043】次に、XYステージ13を動かし、ステム
16bの水平方向の位置調整を以下のように行う。まず
レーザダイオード素子16dに通電し、発光させる。上
方に放射された光はレンズ付キャップ16aに設けられ
たレンズによって集光され、上部電極ホルダ10内のプ
リズム(不図示)によって検知され、レンズの位置ずれ
による光軸ずれが検出される。その検出量を移動量に変
換してXYステージ13のモータ14a、14bにフィ
ードバックし、ステム16bの位置を目標位置に移動さ
せる。
【0044】位置調整が完了したところで、クランパ1
7a(図1)を上昇させて、クランプ板19をクランパ
ホルダ17の開口内上面との間で挟んでクランプする。
次に、レーザダイオード素子16dの電流を遮断する。
そして、ラム3aを降下させて、上部プラテン部7aを
電極側プラテン部10bと接触させ、さらに所定の圧力
に達するまで加圧し、所定の溶接電流を通電して、溶接
を行う。
【0045】溶接が終了したところで、レンズ付キャッ
プ16aの保持を解除し、上部電極移動台8を上方へ引
き上げる。転動ガイド手段11は、降下の過程で、自重
による若干のすべりを生じて、理想位置よりも下降して
いるが、移動規制部11aと上部電極移動台8の上面が
当接し、ラム3aによって上方へ強制的に引き上げら
れ、初期の図3(a)の状態の戻ることになる。
【0046】溶接が完了して完成したレーザダイオード
16は、シリンダ38のガス圧を切り替え、そのクラン
プを解除して、取り出しを行う。
【0047】なお、上記の説明では、ガイド支柱9を円
柱状の部材としたが、転動ガイド手段11の内側の形状
を合わせておけば、3角柱、6角柱などの角柱状でもよ
いし、適宜ガイド溝などを設けた任意の断面形状であっ
てもよい。また、転動ガイド手段11のベアリング11
bも、図示のようにボールベアリングに限るものではな
く、例えば円筒ベアリングなどを用いることもできる。
【0048】なお、上記では、水平位置調整手段を、ス
テム16bを移動するXYステージ13として、説明し
たが、レンズ付キャップ16aを移動するように上部電
極移動台8に設けてもよい。その場合、ステム16bは
移動しないので、クランプや発光のための機構を移動可
能に設ける必要がなく、そのための機構を簡略化できる
利点がある。
【0049】なお、弾性支持手段は、上部電極移動台8
と支持台1に常時当接するとして説明したが、レンズ付
キャップ16aとステム16bが当接する近傍で上部電
極移動台8の自重とつりあいがとれればよいので、その
近傍だけで当接していてもよい。
【0050】また、弾性支持手段は、圧縮コイルバネと
して説明したが、上部電極移動台8を上方から吊り上げ
てその自重とつりあわす引張コイルバネであってもよ
い。また、空気バネを用いてもよい。さらに、衝撃を吸
収するために、ダンピング手段を併設することも効果的
である。
【0051】なお、上記では、移動規制部11aはベア
リング保持器11cに一体化したフランジ状に形成する
例で説明したが、上部電極移動台8と当接して、下方へ
の移動を規制ができればよいので、所定の強度があれ
ば、一体である必要はないし、ベアリング保持器11c
と同材質に限るものでもない。例えば、径方向に延ばさ
れた爪状部材でもよいし、Cリングなどでもよい。
【0052】なお、上記では、最適の条件として、上部
範囲9aの長さH1を、上部電極移動台8が最も上方に
引き上げられたとき、転動ガイド手段11の全長が収ま
る長さとしたが、上部範囲9aを設ける目的は、移動規
制部11aが上部電極移動台8と当接する比較的上方
で、転動ガイド手段11とガイド支柱9のすべり摩擦を
減らすことにあるのであって、H1が転動ガイド手段1
1の全長をより短くてもかまわない。移動規制部11a
が上部電極移動台8と当接する位置で転動ガイド手段1
1の一部が上部範囲9aの領域にあれば、転動ガイド手
段11を上方へ引き上げる負荷荷重が相対的に減らせる
からである。特に、上記の状態で、少なくともガイド孔
8aを含む高さまで上部範囲9aを設けておけば、その
下方で転動ガイド手段11が下部範囲9bにかかる領域
は、外周からの拘束を受けないので比較的小さな負荷荷
重となり、十分な効果が期待できる。
【0053】
【発明の効果】以上に述べたように、請求項1に記載の
発明では、溶接位置近傍で、弾性支持手段によって上部
電極移動台の自重をほぼつりあわすように支持するの
で、水平方向の摩擦力がほとんどなくなるから、上部電
極移動台の自重にもかかわらず、微小距離の調整が滑ら
かに行え、高精度の調整が可能な抵抗溶接装置を提供で
きるという効果を奏する。
【0054】請求項2に記載の発明では、係止部に相対
移動可能な遊びを設けたことによって、上部電極移動台
が自重とつりあって静止する位置で移動押圧手段の係止
が解除され、その移動量や移動速度を変更できるので、
被溶接物への衝撃を回避することができ、衝撃による接
触傷や変形を防止でき、その結果、高精度の調整が可能
な抵抗溶接装置を提供できるという効果を奏する。
【0055】請求項3に記載の発明では、調整機構を下
部電極保持部に設けるので、上部電極移動台の自重を軽
くすることができ、上部電極移動台の慣性を減らすこと
ができるので、装置の高速化、小型化が可能となる効果
を奏する。
【0056】請求項4に記載の発明では、高精度の位置
合わせが必要で外力にも弱い光学素子付の発光素子を、
確実に溶接できる抵抗溶接装置を提供できるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る抵抗溶接装置の概略斜視図であ
る。
【図2】 本発明に係る抵抗溶接装置のA−A視部分断
面図である。
【図3】 弾性支持手段の動作を説明する説明図であ
る。
【図4】 転動ガイド手段の動作を説明する説明図であ
る。
【符号の説明】
1 支持台 3 移動押圧手段 7 係止部 7a 上部プラテン部 8 上部電極移動台 9 ガイド支柱 9a 上部範囲 9b 下部範囲 10 上部電極ホルダ 10a 上部テーパーコレット電極(上部溶接電極) 10b 電極側プラテン部 11 転動ガイド手段 11a 移動規制部 13 XYステージ(水平位置調整手段) 15 下部電極ホルダ 16 レーザダイオード 16a レンズ付キャップ(第2の被溶接物) 16b ステム(第1の被溶接物) 16d レーザダイオード素子(発光素子) 20 下部テーパーコレット電極(下部溶接電極)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 一彦 東京都豊島区高田1丁目18番1号 オリジ ン電気株式会社内 (72)発明者 野崎 修一 東京都豊島区高田1丁目18番1号 オリジ ン電気株式会社内 Fターム(参考) 4E065 BB03 BB05 CA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部に設けられた下部溶接電極に第1の
    被溶接物を固定する下部電極保持部と、該下部溶接電極
    の上方に設けられた上部溶接電極に第2の被溶接物を水
    平方向に固定して鉛直方向に可動とされた上部電極移動
    台と、該上部電極移動台を係止して鉛直方向に移動せし
    める移動押圧手段と、前記下部電極保持部または上部電
    極移動台に設けられてそれぞれの水平方向の相対位置を
    調整する水平位置調整手段を備え、 前記下部電極保持部および上部電極移動台に固定された
    前記第1および第2の被溶接物を、前記水平位置調整手
    段を介して水平方向の相対位置を調整し、前記移動押圧
    手段を介して鉛直方向に押圧し、溶接電流を流して溶接
    を行う抵抗溶接装置において、 前記上部溶接電極と一体に移動する上部電極移動台を鉛
    直方向に弾性支持する弾性支持手段を設けて、被溶接物
    を押圧する位置近傍で前記上部電極移動台の自重とつり
    あうように構成したことを特徴とする抵抗溶接装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の抵抗溶接装置におい
    て、 前記上部電極移動台が前記移動押圧手段にぶら下げて係
    止されるように、前記上部電極移動台が前記移動押圧手
    段に対して鉛直上方に相対移動可能な遊びを有する係止
    部を設け、 該移動押圧手段の下方先端には、前記上部電極移動台が
    前記遊びの分だけ上昇するときに、前記上部溶接電極に
    当接する上部プラテン部を設け、 前記弾性支持手段によって前記上部電極移動台が自重と
    つりあう位置より下方に、前記移動押圧手段が移動する
    ときに前記係止部の係止が外れ、さらに、前記遊びの分
    を越えて下方に移動するときに前記上部プラテン部と前
    記上部溶接電極とが当接して、該上部溶接電極の下方へ
    の移動が行われるように構成されたことを特徴とする抵
    抗溶接装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の抵抗溶接装置
    において、 前記上部電極移動台が鉛直方向に延ばされて設けられた
    ガイド支柱で鉛直方向に可動に支持され、 前記下部電極保持部が水平方向に位置調整可能に支持さ
    れたことを特徴とする抵抗溶接装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の抵抗溶接
    装置において、 水平方向の位置関係を調整して溶接する前記第1の被溶
    接物および前記第2の被溶接物が、それぞれ、発光素子
    および光学素子付の部材からなることを特徴とする抵抗
    溶接装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101149738B1 (ko) 2010-05-27 2012-06-01 주식회사 성우하이텍 스크루 체결부용 고주파 용접장치
CN106312278A (zh) * 2016-10-20 2017-01-11 刘辉 一种改进的碰焊机夹持装置
JP2019089077A (ja) * 2017-11-10 2019-06-13 新日鐵住金株式会社 抵抗スポット溶接装置

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JP7059573B2 (ja) 2017-11-10 2022-04-26 日本製鉄株式会社 抵抗スポット溶接装置

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