JP2003152674A - 周波数同期方法及びこれを用いたofdm受信装置 - Google Patents

周波数同期方法及びこれを用いたofdm受信装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い周波数同期引き込み範囲を実現し、周波
数オフセットの推定誤差を小さくできる周波数同期方法
とそれを用いた受信装置を提供する。 【解決手段】 送信側では固定信号系列を複数繰り返し
たプリアンブルを送信し、受信側では周波数同期確立の
ため前記送信側で送信されたプリアンブルの受信信号に
基づいて周波数オフセットを補正するOFDM伝送シス
テムに適用され、受信信号中の同期用固定信号系列か
ら、同期引き込み周波数範囲および周波数オフセット推
定精度の異なる誤差信号を複数生成し、これらの大小比
較および正負の判定により周波数オフセット推定に用い
る誤差信号を選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周波数同期方法及
びこれを用いたOFDM受信装置に関し、特に直交周波
数分割多重(OFDM)方式における周波数同期方法及
び受信装置に利用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】OFDM伝送方式は、互いに直交する多
数の搬送波を用いるディジタル変調方式であり、他のサ
ービスに妨害を与えにくく、妨害を受けにくい、周波数
利用効率が比較的良いなどの特徴があるが、周波数オフ
セットによる信号歪が大きく、高精度の周波数同期が必
要となる。従来のOFDM用周波数同期手法は、例えば
文献"A Fast Synchronization Scheme of OFDM Signals
for High-Rate Wireless LAN" T.Onizawa et.al, IEIC
E TRANS. COMMUN. VOL.E82-B. NO.2等に示されている。
【0003】以下、従来の周波数同期手法を説明する。
この周波数同期手法を用いて周波数同期を行うための送
信パケットフォーマットを図5に示す。送信パケット1
0はプリアンブル101とデータ102からなり、プリ
アンブル101を用いて周波数オフセットを推定し、周
波数補正することにより、周波数同期を行う。プリアン
ブル101の構成を図2に示す。プリアンブル101
は、16サンプル長の同一の固定信号系列20,21,
22,23,24,25,26,27,28および29
からなる。
【0004】次に、従来の周波数同期方法を、図3を用
いて説明する。図3において、s(n)は受信されたO
FDM信号であり、Re(s(n))およびIm(s
(n))はそれぞれs(n)の実数部および虚数部を表
す。また、out(n)は周波数補正後の信号を表す。
ここで、nはサンプリング周期をTとする受信側での離
散時刻を表す。誤差信号生成部30において、プリアン
ブル101の受信信号s(n)から、周波数オフセット
量に応じた誤差信号E(n)を計算する。次に、誤差信
号変換部31にて、誤差信号E(n)から周波数オフセ
ットの推定値Δf ESTを求める。正弦波発生部32で
は、ΔfESTの周波数で振動する複素数の正弦波c
(n)を出力する。このc(n)と、入力信号s(n)
を、複素乗算部33にて乗算することで、周波数オフセ
ット補正されたout(n)を得る。
【0005】誤差信号生成部30の構成を図4に示す。
誤差信号生成部30では、遅延部301で、入力信号を
64サンプル遅延させ、遅延信号s(n−64)を得
る。このs(n−64)に対し、複素共役部302にて
複素共役s(n−64)*を求め、複素乗算部303に
て、入力信号s(n)と複素共役部302から出力され
たs(n−64)*の積S(n)を求める。受信したプ
リアンブルは64サンプル周期の繰り返し信号であるの
で、周波数オフセットがない状態では、s(n)とs
(n−64)はノイズ成分を除いて同一となり、S
(n)は実数となる。しかし、周波数オフセットΔfが
ある状態では、s(n−64)は式(1)のようにな
り、s(n)とs(n−64)の間で位相差が生じる。
【0006】 s(n−64)=s(n)exp(j2π・64TΔf) ・・・・・(1) このため、S(n)は式(2)のように、位相成分を持つ。 S(n)=| S(n)|2exp(j2π・64TΔf) ・・・・・・(2)
【0007】積算部304は、上記方法にて求められた
S(n)を、64サンプルにわたって積算し、相関値Σ
S(n)を求める。また除算部305は、積算部304
の出力ΣS(n)について、式(3)により誤差信号E
(n)を得る。 E(n9=Im(ΣS(n))/Re(ΣS(n)) ・・・・・・・(3) 除算部305から出力される誤差信号E(n)は、式
(4)、式(5)のように対応付ける事ができる。 E(n)=tan(ΔθEST) ・・・・・・・・(4) ΔθEST =2π・64TΔfEST ・・・・・・・・(5)
【0008】ΔθESTは、受信したプリアンブル101
から推定されたs(n)とs(n−64)の位相ずれで
あり、ΔfESTは周波数オフセット推定値である。した
がって、誤差信号E(n)から、式(6)の演算を行う
ことで、周波数オフセット推定値ΔfESTが得られる。
図3の誤差信号変換部31は、式(6)の演算を行うも
のである。 ΔfEST=tan-1(E(n))/(2π・64T) ・・・・・・・(6) 以上が従来の周波数同期手法の説明である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の周波数同期手法
は、前述したように繰り返し送信される既知の信号列を
用いて周波数同期を行うものであり、誤差信号は式
(4)、式(5)のように、周波数オフセット値の正接
として求められる。正接関数の周期性から、誤差信号の
位相成分で表されるΔθESTがとりうる値の範囲は、−
π/2≦ΔθEST≦π/2に限定される。よって、式
(5)より、推定可能な周波数オフセット値の範囲は、
式(7)で表される。 −1/(256・T)≦Δf≦1/(256・T) ・・・・・・・・(7)
【0010】すなわち、同期引き込み周波数範囲は±1
/(256・T)に限定され、これ以上の周波数オフセ
ットが存在する場合は周波数同期が不可能となるという
第1の課題がある。例えば、サンプリング周波数を1/
T=20MHzとした場合、同期引き込み周波数範囲は
±78.5KHzとなる。
【0011】さらに、周波数オフセットが同期引き込み
周波数範囲の限界近くの値を持つ場合、ΔθESTの大き
さはπ/2に近い値となる。このとき、除算部305の
入力ΣS(n)のうち、実数成分Re(ΣS(n))の
絶対値の大きさが非常に小さいものとなる。このため、
伝送路ノイズによって、実数成分の符号が容易に反転
し、得られたΔfESTの符号も反転してしまうことか
ら、周波数オフセットの推定誤差が大きくなるという第
2の課題がある。
【0012】本発明は、上記のような課題を解決し、広
い周波数同期引き込み範囲を実現し、周波数オフセット
の推定誤差を小さく抑えることのできる周波数同期方法
とそれを用いた受信装置を提供するとを目的とする。こ
の発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、
本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろ
う。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記の通りである。すなわち、遅延量が異なる複数の相関
値計算部と、それぞれの相関値計算部から得られた相関
値より求める誤差信号と、設定された判定閾値の大小比
較を行い、周波数同期に使用する誤差信号を選択する。
前記複数の相関値の属する複素平面上の象限を検出する
ことで、周波数オフセット推定に用いる相関値を選択
し、選択された相関値と該相関値の属する複素平面上の
象限から周波数オフセット推定値を求める。上述のそれ
ぞれの誤差信号生成部において、遅延量が等しい複数の
相関値を計算し、これらを平均化して誤差信号を求め
る。上述のそれぞれの誤差信号生成部における除算部に
おいて、除算前に実数成分の入力の絶対値を求め、この
絶対値をもって虚数成分の除算を行う。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、本発
明に係る周波数同期方法およびこれを用いる受信装置の
実施の形態を詳細に説明する。
【0015】(実施例1)本発明に係る周波数オフセッ
ト推定部の構成例を図1に示す。この周波数オフセット
推定部は、受信信号s(n)が入力され、これからそれ
ぞれ64サンプル、32サンプル、16サンプル遅れて
受信する信号s(n−64)、s(n−32)、s(n
−16)とs(n)との相関値を求める相関値計算部5
1,52,53と、相関値計算部51,52,53から
出力される相関値ΣS(n)64,ΣS(n)32,Σ
S(n)16を入力して、これらの相関値に対する誤差
信号E(n)64,E(n)32,E(n)16を求
め、周波数オフセット推定誤差が最小となるように、E
(n)64,E(n)32,E(n)16の中から推定
に用いる誤差信号E(n)を選択して、さらにこのE
(n)からΔθESTを求め、ΔθESTから周波数オフセッ
ト推定値ΔfESTを計算して出力する判定・演算部54か
ら構成される。
【0016】図1において、相関値計算部51,52,
53で、遅延量がそれぞれ64サンプル、32サンプ
ル、16サンプルとなる遅延信号s(n−64)、s
(n−32)、s(n−16)と、受信信号s(n)と
の相関値ΣS(n)64,ΣS(n)32,ΣS(n)
16を計算する。これらの計算結果を判定・演算部54
に入力し、判定・演算部54では、ΣS(n)64,Σ
S(n)32,ΣS(n)16の3種類の相関値に対応
する誤差信号E(n)64,E(n)32,E(n)1
6を求め、E(n)64,E(n)32,E(n)16
の中から最終的な周波数オフセット推定に用いる誤差信
号を選択し、選択された誤差信号から位相ずれΔθEST
を計算し、選択された誤差信号に応じて、式(8)を用
いて周波数オフセット推定値ΔfESTを出力する。ここで
Nは、選択された相関値に対応する遅延サンプル数の値
であり、本実施例では16,32,64のいずれかの値
を取る。
【0017】 ΔfEST = ΔθEST/2πTN ・・・・・・・・(8) 相関値計算部51,52,53の構成を図6に示す。相
関値計算部51は、受信信号s(n)を64サンプル遅
延させてs(n−64)を出力する遅延部511と、s
(n−64)の複素共役s(n−64)*を得る複素共
役部512と、s(n)とs(n−64)*の複素乗算
を行って積S(n)64を得る複素乗算部513と、S
(n)64を64サンプルにわたって積算し、相関値Σ
S(n)64を出力する積算部514から構成される。
【0018】また、相関値計算部52は、受信信号s
(n)を32サンプル遅延させてs(n−32)を出力
する遅延部521と、s(n−32)の複素共役s(n
−32)*を得る複素共役部522と、s(n)とs
(n−32)*の複素乗算を行って積S(n)32を得
る複素乗算部523と、S(n)32を32サンプルに
わたって積算し、相関値ΣS(n)32を出力する積算
部524から構成される。
【0019】また、相関値計算部53は、受信信号s
(n)を16サンプル遅延させてs(n−16)を出力
する遅延部531と、s(n−16)の複素共役s(n
−16)*を得る複素共役部532と、s(n)とs
(n−16)*の複素乗算を行って積S(n)16を得
る複素乗算部533と、S(n)16を16サンプルに
わたって積算し、相関値ΣS(n)16を出力する積算
部534から構成される。
【0020】これらの相関値計算部の動作を、相関値計
算部52を例にとって説明する。上記遅延部521で
は、入力信号s(n)に対して32サンプルの遅延を施
し、s(n−32)を得る。上記複素共役部522でs
(n−32)の複素共役s(n−32)*を求めて、上
記複素乗算部523にてs(n)とs(n−32)*
乗算を行い、積S(n)32を得る。上記積算部524
では、このS(n)32を32サンプルにわたって積算
し、相関値ΣS(n)32を求める。上記相関値計算部
51および53においても、遅延量と積算サンプル数が
それぞれ64サンプル、16サンプルとなる以外は同一
の動作を行う。
【0021】次に、図1中の判定・演算部54の構成に
ついて、図7を用いて説明する。判定・演算部54は、
入力した3種類の相関値、ΣS(n)64、ΣS(n)
32、ΣS(n)16のそれぞれについて、位相検出の
ために、虚数部を実数部で除算して、それぞれに対する
誤差信号E(n)64,E(n)32,E(n)16を
出力する除算部541、542、543と、除算部54
1、542、543から出力された誤差信号から、周波
数オフセット推定に用いる誤差信号を選択し、これをE
(n)として出力する誤差信号選択部544と、E
(n)にアークタンジェント演算を行い、E(n)から
ΔθESTを求めて出力するアークタンジェント演算部5
45と、ΔθESTとNから、式(8)を用いて周波数オ
フセット推定値ΔfESTを計算する演算部546から構成
される。なお、Nは誤差信号選択部544により、演算
部546へ供給される。
【0022】相関値の位相成分を求めるために、相関値
の虚数部を実数部で除算する。得られた3種類の相関値
ΣS(n)64、ΣS(n)32、ΣS(n)16につ
いてこの除算をそれぞれ除算部541,542,543
を用いて行い、それぞれの遅延量に対する誤差信号E
(n)64,E(n)32,E(n)16を出力する。
誤差信号選択部544では、3種類の誤差信号E(n)
64,E(n)32,E(n)16を入力し、最も周波
数オフセット推定精度が良好となるものを選択して、E
(n)としてアークタンジェント演算部545に出力す
る。
【0023】また、ΔθESTから周波数オフセット推定
値ΔfESTを求めるため、選択された誤差信号に対する
遅延サンプル数Nを、演算部546に出力する。このよ
うにして得られたE(n)をアークタンジェント演算部
545に入力し、アークタンジェント演算部545で
は、誤差信号選択部544から出力されたE(n)に対
して式(9)の演算を行い、ΔθESTを求め、これを演
算部546に出力する。 ΔθEST = tan-1(E(n)) ・・・・・・・・(9)
【0024】演算部546では、アークタンジェント演
算部545より入力したΔθESTと、誤差信号選択部5
44より入力した遅延サンプル数Nを用いて、式(8)
の演算を行い、ΔfESTを求める。
【0025】次に、誤差信号選択部544の、誤差信号
選択アルゴリズムについて説明する。E(n)は式
(3)および式(4)で表されることから、ΔθEST
−π/2≦ΔθEST≦+π/2の範囲にある場合、E
(n)の値は周波数オフセットが大きくなると共に大き
くなる。また、式(4)、式(5)、式(6)から、遅
延量を少なくすると、引き込み周波数範囲は拡大する。
一方、遅延量を多くすると、ノイズ成分が抑圧され、引
き込み周波数範囲内の推定精度が良好になる。これらの
性質を利用して、E(n)16とE(n)32の値の大
きさを観測し、ΔθESTを求めるために使用する誤差信
号E(n)を選択する。
【0026】誤差信号選択アルゴリズムを図8に示す。
まず、判定閾値を設定し、処理ブロック81にてE
(n)16の絶対値との大小比較を行う。E(n)16
の絶対値が判定閾値より大きい場合、周波数オフセット
はE(n)32で推定した場合の引き込み周波数範囲内
にないと判断し、最も引き込み周波数範囲の広いE
(n)16を用いて推定を行う(処理ブロック85)。
また、判定閾値の方がE(n)16と比べて大きいか等
しい場合、次に処理ブロック82にてE(n)32の絶
対値と判定閾値の大小比較を行う。
【0027】ここで、E(n)32の絶対値の方が判定
閾値よりも大きい場合、周波数オフセットはE(n)6
4で推定した場合の引き込み周波数範囲内にないと判断
し、二番目に引き込み範囲の広いE(n)32を用いて
推定を行う(処理ブロック84)。また、処理ブロック
82において判定閾値の方がE(n)32より大きいか
等しい場合、周波数オフセットはE(n)64で推定し
た場合の引き込み周波数範囲内にあると判断し、最も推
定精度が良好となるE(n)64を用いて推定を行う
(処理ブロック83)。
【0028】(実施例2)本発明の周波数同期方法に係
る相関値計算部の別の実施の形態について述べる。相関
値計算部52は、図9に示すような構成とすることもで
きる。図9に示す相関値計算部では、前述図6の遅延部
521、複素共役部522、複素乗算部523、積算部
524に加えて、受信信号に対して64サンプルの遅延
を与えて、s(n−64)を出力する遅延部525、s
(n−64)に対して32サンプルの遅延を与え、s
(n−96)を出力する遅延部526、s(n−96)
の複素共役を取り、s(n−96)*を出力する複素共
役部527、s(n−64)と、s(n−96)*を複
素乗算して、積S(n)32''を出力する複素乗算部5
28、S(n)32''を32サンプルにわたって積算し
て、相関値ΣS(n)32''を出力する積算部529、
および、積算部524の出力である相関値ΣS(n)3
2' と、積算部529の出力である相関値ΣS(n)3
2''を平均化して、推定に用いる相関値ΣS(n)32
を出力する平均化部520で構成される。
【0029】図9に示す相関値計算部では、図6に示す
相関値計算部52の動作を、受信信号s(n)に対して
だけではなく、受信信号を64サンプル遅延させて得ら
れた信号s(n−64)についても行い、平均化部52
0にて、得られた二つの相関値を加算し、定数2で除算
することで相関値が平均化され、伝送路ノイズの影響を
軽減し、推定精度を向上できる。ただし、相関値計算部
52の出力ΣS(n)32に対しては、図1中の判定・
演算部54にて、虚数部を実数部で除算するため、平均
化部520では、ΣS(n)32' とΣS(n)32''
の加算を行うだけで、平均化することと等価になる。こ
の処理の説明図を図21に示す。
【0030】図2中の固定信号系列20と21からなる
32サンプルの信号系列S1(n)と、図2中の固定信
号系列22と23からなる32サンプルの信号系列S2
(n)との相関値ΣS(n)32' を処理ブロック71
にて求め、さらに、図2中の固定信号系列24と25か
らなる32サンプル信号系列S3(n)と、図2中の固
定信号系列26と27からなる32サンプルの信号系列
S4(n)との相関値ΣS(n)32''を処理ブロック
72にて求める。処理ブロック73にて、ΣS(n)3
2' とΣS(n)32''を平均化(加算のみでも良い)
して、周波数オフセット推定に用いる相関値ΣS(n)
32を得る。以上が本発明に係る第二の実施例である。
【0031】(実施例3)本発明の周波数同期方法に係
る、判定・演算部の別の実施の形態について、図10を
用いて説明する。図10において、アークタンジェント
演算部545および演算部546の動作は図7に示すも
のと同一であり、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0032】図10では、判定・演算部54は上記アー
クタンジェント演算部545と、演算部546と、周波
数オフセット推定に用いる相関値を選択する相関値選択
部547と、相関値選択部547で選択された相関値の
虚数部を実数部で除算する除算部548にて構成され
る。
【0033】さらに、相関値選択部547の構成を図1
1に示す。相関値選択部547は、入力したΣS(n)
32の実数部Re(ΣS(n))32とΣS(n)16
の実数部Re(ΣS(n))16にそれぞれ判定閾値を
乗算して、積Re(ΣS(n))32THとRe(ΣS
(n))16THをそれぞれ出力する乗算部801、8
02と、Im(ΣS(n))32Im(ΣS(n))1
6と、Re(ΣS(n))32THとRe(ΣS
(n))16THを入力して、ΣS(n)64、ΣS
(n)32、ΣS(n)16のうちのどれを周波数オフ
セット推定に用いるΣS(n)とするかとNを決定する
判定部803から構成される。
【0034】次に、判定部803における判定アルゴリ
ズムを、図12を用いて説明する。まず、処理ブロック
804にて、Im(ΣS(n))16の絶対値とRe
(ΣS(n))16THの絶対値の大小比較を行う。I
m(ΣS(n))16の絶対値の方がRe(ΣS
(n))16THの絶対値よりも大きい場合、周波数オ
フセットはΣS(n)32で推定した場合の引き込み周
波数範囲内にないと判断し、最も引き込み周波数範囲の
広いΣS(n)16を用いて推定を行う(処理ブロック
808) 。
【0035】Re(ΣS(n))16THの絶対値の方
が、Im(ΣS(n))16の絶対値よりも大きいか等
しい場合は、次に、処理ブロック805にて、Im(Σ
S(n))32の絶対値とRe(ΣS(n))32TH
の絶対値の大小比較を行う。Im(ΣS(n))32の
絶対値の方が、Re(ΣS(n))32THの絶対値よ
りも大きい場合、周波数オフセットはΣS(n)64で
推定した場合の引き込み周波数範囲内にないと判断し、
二番目に引き込み周波数範囲の広いΣS(n)32を用
いて推定を行う(処理ブロック807)。
【0036】Re(ΣS(n))32THの絶対値の方
がIm(ΣS(n))32の絶対値よりも大きいか等し
い場合は、周波数オフセットはΣS(n)64で推定し
た場合の引き込み周波数範囲内にあると判断し、最も推
定精度が良好となるΣS(n)64を用いて推定を行う
(処理ブロック806)。この処理は、相関値の実数部
に判定閾値を乗じて該相関値の虚数部との大小比較を行
うもので、相関値の虚数部を該相関値の実数部で除算し
て、判定閾値と大小比較することと等価である。以上が
本発明に係る第三の実施例である。
【0037】(実施例4)本発明の周波数同期方法に係
る判定・演算部の別の実施の形態について、図13を用
いて説明する。図13の構成において、判定・演算部5
4は、周波数オフセット推定に用いる相関値を判定する
相関値選択部549と、選択された相関値の虚数部Im
(ΣS(n))を実数部Re(ΣS(n))で除算して
誤差信号E(n)を求める除算部548と、得られた誤
差信号E(n)にアークタンジェント演算を施してΔθ
ESTを求めるアークタンジェント演算部545と、Δθ
ESTと以下で説明する象限情報とNとから周波数オフセ
ットΔfESTを計算する位相周波数変換部540から構
成される。ここで、除算部548の動作およびアークタ
ンジェント演算部545の動作は図10に示すものと同
じであり、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0038】以下、図13に示す判定・演算部54の動
作について説明する。まず、相関値計算部51、52、
53でそれぞれ得られた相関値ΣS(n964、ΣS
(n)32、ΣS(n)16は、相関値選択部549に
入力される。相関値選択部549では、入力した3種類
の相関値の中から、推定に用いる相関値を選択して、除
算部548へ出力し、さらに選択された相関値が属する
複素平面上の象限を決定し、象限情報として位相周波数
変換部540へ出力する。さらに、選択された相関値が
ΣS(n)64、ΣS(n)32、ΣS(n)16のい
ずれかに応じて、Nとして64、32、16のいずれか
を出力する。
【0039】位相周波数変換部540では、アークタン
ジェント演算部545から得られたΔθESTと、相関値
選択部549から得られた遅延量Nと、相関値選択部5
49より得られた象限情報を用いて、ΔθESTからΔf
ESTを計算し、出力する。
【0040】相関値選択部549における、推定に使用
する相関値の選択アルゴリズムを図14を用いて説明す
る。まず、処理ブロック111にて、Re(ΣS
(n))16の正負を判定する。これが負の場合、ΣS
(n)16を用いて推定する(処理ブロック115)。
正または0の場合は処理ブロック112にて、Re(Σ
S(n))32の正負を判定する。Re(ΣS(n))
32が負の場合、ΣS(n)32を用いて推定する(処
理ブロック114)。Re(ΣS(n))32が正また
は0の場合はΣS(n)64を用いて推定する(処理ブ
ロック113)。
【0041】また、相関値選択部549における象限情
報決定方法を図15、図16、図17を用いて説明す
る。ここで、図15はΣS(n)64を用いて推定する
場合の方法、図16はΣS(n)32を用いて推定する
場合の方法、図17はΣS(n)16を用いて推定する
場合の方法である。
【0042】例えば、ΣS(n)64を用いて推定する
場合、Re(ΣS(n))64とIm(ΣS(n))6
4の正負から象限情報を得る。Im(ΣS(n))64
が正または0の場合、ΣS(n)64から得られるΔθ
EST(以下、Δθ64と記す)の範囲は0≦Δθ64≦π
であり、このとき、ΣS(n)64の属する複素平面上
の象限は第1象限または第2象限となる。
【0043】また、Im(ΣS(n))64が負の場
合、Δθ64の範囲は−π<Δθ64<0であり、ΣS
(n)64の属する複素平面上の象限は第3象限または
第4象限となる。また、Re(ΣS(n))64が正ま
たは0の場合、Δθ64の範囲は−π/2≦Δθ64≦
π/2であり、このとき、ΣS(n)64の属する複素
平面上の象限は第1象限または第4象限となる。
【0044】一方、Re (ΣS(n))64が負の場
合、Δθ64の範囲は−π<Δθ64<−π/2または
π/2<Δθ64<πであり、このとき、ΣS(n)6
4の属する複素平面上の象限は第2象限または第3象限
となる。以上のことから、図15に示すように、Re
(ΣS(n))64が正または0の場合は、Im(ΣS
(n))64が正または0ならば第1象限、Im(ΣS
(n))64が負ならば第4象限、Re(ΣS(n))
64が負の場合は、Im(ΣS(n))64が正または
0ならば第2象限、Im(ΣS(n))64が負ならば
第3象限と判定することができる。
【0045】また、ΣS(n)32を用いて推定する場
合、図16に示すように、Re(ΣS(n))32とI
m(ΣS(n))32の正負から象限情報を得る。すな
わち、Re(ΣS(n))32が正または0の場合、I
m(ΣS(n))32が正または0であれば第1象限、
Im(ΣS(n))32が負であれば第4象限と判定す
る。また、Re(ΣS(n))32が負の場合、Im
(ΣS(n))32が正または0であれば第2象限、I
m(ΣS(n))32が負であれば第3象限と判定す
る。
【0046】さらに、ΣS(n)16を用いて推定する
場合、図17に示すように、Re(ΣS(n))16と
Im(ΣS(n))16の正負から象限情報を得る。す
なわち、Re(ΣS(n))16が正または0の場合、
Im(ΣS(n))16が正または0であれば第1象
限、Im(ΣS(n))16が負であれば第4象限と判
定する。また、Re(ΣS(n))16が負の場合、I
m(ΣS(n))16が正または0であれば第2象限、
Im(ΣS(n))16が負であれば第3象限と判定す
る。
【0047】次に、位相周波数変換部540の動作を説
明する。まず、相関値選択部549より得られた象限情
報から、選択された相関値の属する複素平面上の象限を
決定する。選択された相関値が複素平面上の第4象限ま
たは第1象限にある場合、すなわちΔθESTが−π/2
≦ΔθEST≦π/2の範囲にある場合は、これまでに述
べた方法、すなわち数8の演算によりΔfESTが求めら
れる。ΔθESTが上記範囲内にないとき、すなわち、選
択された相関値が複素平面上の第2象限または第3象限
にある場合は、数8の演算ののち、オフセット値を加え
てΔfESTとする。以上が本発明に係る第四の実施例で
ある。
【0048】(実施例5)本発明の周波数同期方法に係
る除算部の別の実施の形態について、図18を用いて説
明する。図18において、除算部548は、Re(ΣS
(n))の絶対値 |Re(ΣS(n))|を求める絶対
値算出部901と、Im(ΣS(n))を、絶対値算出
部の出力 |Re(ΣS(n))|で除算し、誤差信号E
(n)を求める除算部902から構成される。
【0049】前記実施例1乃至3の方法でΔθESTを求
めた場合、理想的な状態では、ΔθE STの取りうる範囲
が−π/2≦ΔθEST≦π/2に限られることから、相
関値ΣS(n)の実数部は伝送路ノイズ成分を除けば常
に正または0となる。しかし、実際の受信信号にはノイ
ズ成分が加わるため、相関値の実数部の値が小さい場
合、負の値になることがある。
【0050】このことを、除算部548を例にとって、
図19を用いて説明する。例えば、相関値ΣS(n)が
図19中の点91であるとき、ノイズの影響で、求めら
れた相関値が実際には点92となり、実数部Re(ΣS
(n))が負の値をとる場合がある。しかし、ΔθEST
の取りうる範囲は−π/2≦ΔθEST≦π/2であるた
め、Im(ΣS(n9)をRe(ΣS(n))で除算し
た結果、周波数オフセット推定に用いられる相関値は点
93となる。このとき、周波数オフセット推定値は、真
の周波数オフセットと比較して符号自身が反転したもの
となり、推定誤差は非常に大きくなる。
【0051】この影響を低減するため、除算部548
を、本実施の形態である図18のような構成にし、絶対
値 |Re(ΣS(n))|でIm(ΣS(n))を除算し
て、誤差信号E(n)を得ることにより、Re(ΣS
(n))の符号反転によるE(n)の符号反転、すなわ
ちΔfESTの符号反転を防止することができ、推定精度
の劣化を抑えることができる。この構成を、他の除算部
541、542、543にも適用することができる。以
上が本発明に係る第五の実施例である。
【0052】(実施例6)本発明に係る周波数同期方法
を用いたOFDM受信装置の構成について説明する。図
20はOFDM信号受信装置のブロック図であり、アン
テナ60から入力された受信信号の周波数変換を行うR
F部61と、アナログ信号を標本量子化してディジタル
信号s(n)に変換するA/D変換器62と、受信パケ
ットの開始タイミングを検出するタイミング同期部63
と、s(n)から周波数オフセットを推定して推定値Δ
ESTを出力する周波数オフセット推定部64と、Δf
ESTの周波数で振動する正弦波を受信信号に乗算して周
波数オフセットを補正する周波数オフセット補正部65
と、FFT演算を行うFFT演算部66と、誤り訂正を
行うビタビデコーダ67とを有する。
【0053】周波数同期部68は、周波数オフセット推
定部64と、周波数オフセット補正部65から構成され
る。本実施例では、周波数オフセット推定部64に、上
記1乃至5のいずれかに記載した周波数オフセット推定
方法を適用する。
【0054】図20において、RF部61に受信OFD
M信号が入力される。RF部61では、入力される受信
OFDM信号を搬送波にほぼ近いローカル信号によりア
ナログ複素ベースバンド信号に変換する。A/D変換器
62は、RF部61にて得られたアナログ複素ベースバ
ンド信号を標本量子化して、ディジタル受信信号s
(n)を出力する。
【0055】s(n)はタイミング同期部63および周波
数オフセット推定部64に入力する。タイミング同期部
63では、受信信号におけるプリアンブルの開始位置を
検出し、周波数オフセット推定部64およびFFT演算
部66の動作開始タイミングを決定する。周波数オフセ
ット推定部64では、信号s(n)を入力し、タイミング
検出部63にて示されたタイミングで周波数オフセット
を推定し、推定値Δf ESTを出力する。
【0056】さらに、周波数オフセット補正部65で
は、周波数オフセット推定部64で得られたΔfEST
入力し、これに対応する正弦波を発生して、受信信号s
(n)と複素乗算し、周波数オフセットを補正する。周
波数オフセット補正された信号に対して、FFT演算部
66でFFT演算を施し、ビタビデコーダ67で誤り訂
正を行う。
【0057】図20のOFDM受信装置は、本発明に係
る周波数同期方法を用いることで、従来より広い周波数
引き込み範囲の周波数同期、または、従来より小さい周
波数オフセットの推定誤差の周波数同期を実現でき、良
好なOFDMの復調信号を得ることができる。
【0058】なお、上記1乃至5の実施例では遅延量を
64サンプル、32サンプル、16サンプルの3種類と
しているが、これに限るものではない。すなわち、一般
的に、プリアンブル101の構成が、Lサンプル長の同
一の固定信号系列のR回の繰り返しの場合、遅延量は
L,2L…,(R/2)Lとすることができる。以上が
本発明に係る第六の実施例である。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、大まかな周波数オフセ
ットの大きさを推定し、周波数オフセットが十分小さい
と判定されれば、より同期引き込み周波数範囲が狭い
(推定精度の良い)誤差信号を用いて周波数オフセット
を推定する。これにより、周波数オフセットが小さい場
合には高精度の周波数同期を確立でき、また、周波数オ
フセットが大きい場合の周波数同期、即ち広い周波数引
き込み範囲を実現できる。
【0060】さらに本発明によれば、相関値を複数求め
てその平均値を用いて周波数オフセット推定の誤差信号
を計算することにより、周波数オフセット推定における
ノイズ成分の影響を抑制することができ、周波数オフセ
ット推定精度が向上し、高精度の周波数同期が確立でき
るようになる。
【0061】さらに本発明によれば、相関値の実数部の
絶対値をもって除算を行うことにより、伝送路ノイズに
よる誤差信号の符号の反転を防ぐことができることか
ら、周波数オフセットが同期引き込み周波数範囲の限界
近くの値を持つ場合でも、推定精度の劣化を抑制するこ
とが可能となる。
【0062】さらに本発明によれば、相関値からΔθ
ESTの属する象限も検出することにより、周波数オフセ
ット推定引き込み範囲を拡大することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る周波数オフセット推定部のブロッ
ク図である。
【図2】本発明に係るプリアンブルの構成図である。
【図3】従来の周波数同期回路の構成を示すブロック図
である。
【図4】従来の周波数同期回路における誤差信号生成部
のブロック図である。
【図5】OFDMシステムにおいて伝送されるパケット
の構成図である。
【図6】本発明に係る周波数オフセット推定部中の相関
値計算部のブロック図である。
【図7】本発明に係る周波数オフセット推定部のブロッ
ク図である。
【図8】本発明に係る誤差信号選択アルゴリズムを示す
フローチャート図である。
【図9】本発明に係る周波数オフセット推定部中の相関
値計算部のブロック図である。
【図10】本発明に係る周波数オフセット推定部中の判
定・演算部のブロック図である。
【図11】本発明に係る周波数オフセット推定部中の相
関値選択部のブロック図である。
【図12】本発明に係る相関値選択アルゴリズムを示す
フローチャート図である。
【図13】本発明に係る周波数オフセット推定部中の判
定・演算部のブロック図である。
【図14】本発明に係る相関値選択アルゴリズムを示す
フローチャート図である。
【図15】本発明に係る相関値の属する象限決定方法を
示す説明図である。
【図16】本発明に係る相関値の属する象限決定方法を
示す説明図である。
【図17】本発明に係る相関値の属する象限決定方法を
示す説明図である。
【図18】本発明に係る周波数オフセット推定回路中の
除算部のブロック図である。
【図19】相関値計算における伝送路ノイズの影響を示
す説明図である。
【図20】本発明に係るOFDM信号受信装置の一実施
例のブロック図である。
【図21】本発明に係る周波数オフセット推定部中の相
関値計算の説明図である。
【符号の説明】
51、52、53……相関値計算部、54……判定・演
算部、20、21、22、23、24、25、26、2
7、28、29……プリアンブルにおける固定信号系
列、30……誤差信号生成部、31……誤差信号変換
部、32……正弦波発生部、33……複素乗算部、30
1……遅延部、302……複素共役部、303……複素
乗算部、304……積算部、305……除算部、10…
…OFDMシステムにおいて伝送されるパケット、10
1……OFDMシステムにおいて伝送されるパケットの
プリアンブル部、102……OFDMシステムにおいて
伝送されるパケットのデータ部、511、521、53
1……遅延部、512、522、532……複素共役
部、513、523、533……複素乗算部、514、
524、534……積算部、541、542、543…
…除算部、544……誤差信号選択部、545……アー
クタンジェント演算部、546……演算部、81……E
(n)16に対する判定分岐処理、82……E(n)3
2に対する判定分岐処理、83、84、85……誤差信
号判定結果、525、526……遅延部、527……複
素共役部、528……複素乗算部、529……積算部、
520……平均化部、547……相関値選択部、548
……除算部、801、802……乗算部、803……判
定部、804…… ΣS(n)16に対する判定分岐処
理、805……ΣS(n)32に対する判定分岐処理、
806、807、808……相関値選択結果、549…
…相関値選択部、540……位相周波数変換部、111
……ΣS(n)16に対する判定分岐処理、112……
ΣS(n)32に対する判定分岐処理、113、11
4、115……相関値選択結果、901……絶対値算出
部、902……除算部、91……理想状態における相関
値を表す点、92……ノイズの影響を受けた状態で求め
られた相関値を表す点、93……ノイズの影響を受けて
実数部が負数になった場合に推定に用いられる相関値を
表す点、60……アンテナ、61……RF部、62……
A/D変換器、63……タイミング同期部、64……周
波数オフセット推定部、65……周波数オフセット補正
部、66……FFT演算部、67……ビタビデコーダ、
68……周波数同期部、71、72……相関値計算処理
ブロック、73……平均化処理ブロック。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 隆志 東京都青梅市新町六丁目16番地の3 株式 会社日立製作所デバイス開発センタ内 Fターム(参考) 5K022 DD01 DD18 DD33 DD42 DD43 5K047 AA03 CC01 HH15 HH53 MM13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信側では固定信号系列を複数回繰り返
    したプリアンブルを送信し、受信側では周波数同期確立
    のため前記送信側で送信されたプリアンブルの受信信号
    に基づいて周波数オフセットを補正するOFDM伝送シ
    ステムに適用され、 当該システムの受信側で受信信号とその遅延信号の相関
    値を求め、得られた相関値の位相成分を誤差信号とし、
    この誤差信号から該周波数オフセットを推定する周波数
    同期方法において、 該プリアンブルの受信信号とその遅延信号の間の遅延量
    の異なる複数の相関値を求め、これら複数の相関値それ
    ぞれに基づいて複数の誤差信号を計算し、該複数の相関
    値もしくは該複数の誤差信号に基づいて周波数オフセッ
    ト推定に用いる誤差信号を選択し、周波数オフセットを
    推定することを特徴とする周波数同期方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記複数の相関値のうち少なくとも一つの相関値につい
    て、複素平面上のいずれの象限にあるかを検出すること
    で、前記複数の相関値の中から周波数オフセット推定値
    を求めるための相関値を選択し、この選択された相関値
    と、該検出された象限の値に基づいて周波数オフセット
    推定値を求めることを特徴とする周波数同期方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 前記誤差信号のうち少なくとも一つは、前記相関値の虚
    数部をその実数部の絶対値で除算した値であることを特
    徴とする周波数同期方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、 誤差信号のうち少なくとも一つは、受信信号とその遅延
    信号の間の遅延量が等しい複数の相関値を計算し、これ
    らの平均値に基づいて計算されることを特徴とする周波
    数同期方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の周波数同期方法を用い
    て周波数オフセットを補正する回路を備えてなることを
    特徴とするOFDM受信装置。
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