JP2003151832A - インダクタブロック - Google Patents

インダクタブロック

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Abstract

(57)【要約】 【課題】多チャンネル化によるインダクタの装着個数を
減らし、実装時の作業を軽減し装置の小型化を図るとと
もに、熱および振動/衝撃等によるポット型コアとコイ
ルの接着部の剥離を防止することを目的とする。 【解決手段】コアに巻いたコイルをポット型コアで覆っ
てなる縦型のインダクタと、そのインダクタを複数個収
納して一体化する外装ケースとを有するインダクタブロ
ックにおいて、外装ケースはインダクタを収納する複数
個の貫通孔を有し、インダクタの端子を引き出す面に端
子を固定するための保持部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主としてマルチサラ
ウンド音響システム等によるデジタルオーディオに関す
るもので、より詳しくはスピーカ用デジタルアンプ回路
に使用するフィルタ用チョークコイルに係るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図1(a),(b)はデジタルアンプの
1チャンネル分の概略回路図である。すなわち図1
(a)はSEPP(Single Ended Pus
h Pull)方式による回路概略図であり、図1
(b)はBTL(Balanced Transfor
mer Less)方式による回路概略図である。図1
(a),(b)において、ICは集積回路、AMPはデ
ジタルアンプ、L,CはローパスフィルタLPFを構成
するインダクタとコンデンサであり、SPはスピ−カで
ある。このように、SEPP回路方式は1チャンネルに
ついて1組のLPFが必要であり、BTL回路方式は1
チャンネルについて2組のLPFが必要である。
【0003】近年のデジタルアンプは、高性能のサラウ
ンド機能が脚光を浴び、多チャンネル化している。この
デジタルアンプは、図1(b)に示すBTL回路方式が
主流となってきており、4チャンネルから8チャンネル
用いるのが一般的であって、LPFに用いられるインダ
クタLおよびコンデンサCは、8個乃至16個用いられ
る。そして、インダクタLは、10〜100Wの出力を
出すデジタルアンプでは、2〜10Aの電流を流すため
に大きな形状となるとともに、周辺回路における発熱も
大きい。特に、回路基板から伝わってくる熱に対して
は、インダクタLを回路基板の面から浮かして放熱を計
っている。このように、チャンネル数が増えると、イン
ダクタを回路基板に実装する上で作業工数が増加する。
【0004】図2に、従来使用されている縦型のインダ
クタの断面図である。図2において、インダクタ30
は、ドラムコア31aと、ドラムコア31aに巻回され
た巻線31bからなるコイル31と、ポット型コア33
とで構成されている。このように、インダクタ30は、
コイル31にポット型コア33を被せ、底面部を接着剤
32で固定したものが一般的に使用されている。また、
回路基板35の表面から浮かした状態にして装着してい
る。このインダクタ30は、形状が大きく(参考:直径
10mmφ、高さ15mm)重いことや放熱を考慮した
部品配置とすることから、チャンネル数が増えると実装
面積が大きくなり、装置として大型となる。ときには、
熱および振動・衝撃により、ポット型コアとコイルの接
着部分が剥離して特性が変化してしまうという問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多チャンネ
ル化によるインダクタの増加にもかかわらず、インダク
タの集約を図り、回路基板への装着回数を減らし、実装
時の作業を軽減するとともに、熱および振動/衝撃等に
よるポット型コアとコイルとの接着部の剥離を防止した
インダクタブロックを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、コアに巻いたコイルをポット型コアで
覆ってなる縦型のインダクタと、そのインダクタを複数
個収納して一体化する外装ケースとを有するインダクタ
ブロックにおいて、外装ケースはインダクタを収納する
複数個の貫通孔を有し、インダクタの端子を引き出す面
に端子を固定するための保持部を形成する。そして、外
装ケースは、インダクタを横に寝かせて複数個、縦に積
重ねて収納したり、横に並べて収納したりする。さら
に、外装ケースの保持部は、端子を引出した側の外装ケ
ースの側面に、溝又は孔を有する突起が設けてある。さ
らにまた、外装ケースが熱可塑性の樹脂製であって保持
部を熱で溶解して端子を固定する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のインダクタブロックは、
ポット型コアと、コアに巻いたコイルとを組合せて得ら
れる縦型のインダクタを複数個収納してブロック化でき
る外装ケースを設けるものである。その外装ケースは、
プラスチック製のブロックに、インダクタを横に寝かせ
て複数個縦に積重ねて収納するための複数の貫通孔を設
け、インダクタの端子引出し方向の面に端子を保持する
保持部を持たせるか、または、インダクタを横に寝かせ
て複数個横に並べて収納するための複数の貫通孔を設け
たり、縦型のインダクタの上に横に寝かせたインダクタ
を積重ねて収納する2つの貫通孔を設け、インダクタの
端子引出し方向の面に端子を保持する保持部を持たせて
なるものである。さらに、インダクタの端子を保持する
保持部は、外装ケースの側面に溝を設けるか、あるいは
係止部を持った突起を設ける。さらにまた、外装ケース
が熱可塑性の樹脂製であって、端子を保持する保持部の
周辺を熱で溶解し、端子の固定を強化してなるものであ
る。
【0008】
【実施例】以下に本発明の一実施例であるインダクタに
ついて図3乃至図5を用いて説明する。
【0009】図3は本発明の一実施例であるインダクタ
ブロックの斜視図である。図4はその背面図であり、図
5はその縦断面図である。この実施例は、2つのインダ
クタを横に寝かせて縦方向(回路基板の面に対し垂直)
に重ねたインダクタブロックであり、実装面積を小さく
し、回路基板の小型化に有効である。図3において、L
1およびL2は、図2に示した従来の縦型のインダクタ
30と同様の構成であり、1は外装ケースである。この
外装ケース1は、立方体のプラスチック製ブロックに、
インダクタL1,L2を収納する2つの貫通孔2,3を
縦に平行に設ける。孔の一方の開放端4はインダクタが
挿入できる孔径とし、他方の開放端5はインダクタの外
形より孔径を小さくしてストッパーとする。外装ケース
1の孔のある両端面側は、インダクタ30の各端子34
を保持する各々の溝a1,a2,b1,b2,b3,b
4が設けてある。そして、外装ケース1の貫通孔の配置
は、2つのインダクタL1およびL2の放熱を考慮し
て、外周が接触することがないように隙間を設けてあ
る。さらに、外装ケース1の上面は、熱を放出するため
のスリット6を設けてインダクタL2の一部分が露出し
た状態にしてあり、底面にはスタンドオフ7が設けてあ
る。
【0010】このインダクタブロックは、特性の同じで
ある2つのインダクタ30を用いて、図5に示すよう
に、外装ケース1の一方の開放端4から他方の開放端5
に挿入する。インダクタL1は、端子34の先端を貫通
孔2の開放端4から挿し込んで他方の開放端5に突き当
たるまで挿入する。そして、突き出た2つの端子34を
外装ケース1の面に沿って底面側に直角に折り曲げ、外
装ケース1の面に設けられた溝a1,a2に嵌めこむ。
インダクタL2は、ポット型コアの上面を貫通孔3の一
方の開放端4から挿し込んで他方の開放端5に突き当た
るまで挿入し、2つの端子34を外装ケース1の面に沿
って底面側に直角に折り曲げ、外装ケース1の面に設け
られた溝b1,b2,b3,b4に嵌め込む。インダク
タL1,L2の端子34は、予め予備半田によって外装
被膜を取り除いてある。この図5に示した実施例は、外
装ケースに熱可塑性樹脂を用いて成形したもので、端子
を保持する溝に嵌め込み、溝部周辺を熱で溶解して固定
を強化する。
【0011】このように、本発明のコイルブロックは、
2つのインダクタL1,L2を組合せる外装ケースを用
いることによって、インダクタL1,L2の端子を長く
して、回路基板の面からインダクタL1,L2を浮か
せ、回路基板から伝わってくる熱の影響を少なくする。
さらに、外装ケースの上面のスリットおよびインダクタ
L1とL2の間においても隙間を設けていることから、
熱が篭ることなく容易に放熱することができる。そし
て、インダクタL1,L2の端子をケースの一部で保持
(融着)していることから、端子のピッチずれ、曲が
り、変形等がなく、回路基板への装着が容易にでき、作
業性が良い。そして、衝撃・振動等がインダクタの接着
部に直接加わることがないことから、ポットコアとコイ
ルとが剥離することがない。
【0012】次に、他の実施例として、2つのインダク
タL1,L2を横に寝かせて、横方向(回路基板の面に
対し平行)に並べたインダクタブロックを図6に示す。
そして、図6(a)はインダクタブロックの正面図、図
6(b)は背面図、図6(c)はC−D縦断面図であ
る。この実施例は、高さを押さえた装置とする場合に好
適である。図6において、L1およびL2は、図2に示
した従来の縦型のインダクタ30と同じ構成であり、1
0は外装ケースである。外装ケース10は、インダクタ
L1,L2を横に寝かせて収納する2つの貫通孔12,
13を横に平行に並べて設け、一方の開放端14はイン
ダクタL1が挿入できる孔径とし、他方の開放端15は
インダクタL1の外形より孔径を小さくしてストッパー
とする。外装ケース10の貫通孔のある両端面側は、イ
ンダクタ30の各端子34を保持する各々の溝a11,
a12,b11,b12が設けてある。そして、外装ケ
ース10の貫通孔の配置は、2つのインダクタL1とL
2の放熱を考慮して、外周同士が接触することのないよ
うに隙間を設けてある。さらに、外装ケース10の上面
は、熱を放出するためのスリット16を設けてインダク
タL1,L2の一部分を露出させており、底面にはスタ
ンドオフ17を設けている。
【0013】このインダクタブロックは、特性の同様の
2つのインダクタ30を外装ケース11の貫通孔12,
13に収納する。インダクタL1,L2は、端子34の
先端を貫通孔12または13の開放端14から挿し込
み、他方の開放端15に突き当たるまで挿入する。そし
て、突き出た端子34の各々を外装ケース11の面に沿
って底面側に直角に折り曲げ、外装ケース11の面に設
けられた溝a11,a12,b11,b12に嵌め込
む。インダクタL1,L2の端子34は、予め予備半田
により外装被膜を取り除いてある。本実施例では、外装
ケースに熱可塑性樹脂を用いて成形したもので、端子を
保持する溝に嵌め込み、溝部周辺を熱で溶解し、端子の
固定を強化する。
【0014】更に、他の実施例として、2つのインダク
タを縦方向(回路基板の面に対し垂直)に積重ねたイン
ダクタブロックとして構成され、第1段目のインダクタ
L1を立てた状態(回路基板の面と垂直にしてピンを底
面側に出す)とし、第2段目のインダクタL2を横に寝
かせた(回路基板の面と平行)インダクタブロックを図
7に示す。そして、図7(a)はインダクタブロックの
正面図、図7(b)は背面図、図7(c)はE−F縦断
面図である。この実施例は、2つのインダクタの磁軸を
異ならせており、互いに磁界の影響を及ぼさないので、
相互干渉を問題とする装置に使用する場合に好適であ
る。図7において、L1およびL2は、図2に示した従
来の縦型のインダクタ30と同じ構成であり、20は外
装ケースである。外装ケース20は、インダクタL1,
L2を収納する縦孔22と横に寝かせて収納する貫通孔
23とを設け、縦孔22は外装ケース20の底面からイ
ンダクタL1を挿入する孔である。貫通孔23は、縦孔
22の上方に一方の側面24から他方の側面25に突き
抜け、インダクタL2を挿入する横孔であり、貫通孔の
一方の開放端24側からインダクタが挿入できるように
開放端24側は大きな孔径とし、他方の開放端25側は
インダクタの外形より孔径を小さくしてストッパーとす
る。貫通孔23の一方の開放端面25側は、インダクタ
30の各端子34を保持する各々の溝b21,b22,
b23,b24が設けてある。そして、貫通孔22およ
び23は、2つのインダクタL1,L2の放熱を考慮し
て、外周が接触することのないように隙間を設けてあ
り、さらに、外装ケース20の上面は熱を放出するため
のスリット26を設けてインダクタL2の一部が露出し
てあり、底面にはスタンドオフ27が設けてある。
【0015】このインダクタブロックは、特性の同じ2
つのインダクタ30を用いて外装ケース21に設けられ
た縦孔22と貫通孔23に、インダクタL1およびL2
を挿入する。インダクタL1は、ポット型コア33の頭
部を外装ケース20の底面から縦孔22に挿入し、接着
剤で固定する。そして、突き出た2つの端子34は、外
装ケース20の底面に沿って一方端(開放端24側底
部)側に直角に折り曲げ、外装ケース20の側面側底面
に設けられた溝a21,a22に嵌め込み、さらに下方
に直角に折り曲げて外部回路基板と接続する端子とす
る。インダクタL2は、端子34を貫通孔23の一方の
開放端24から挿し込み他方の開放端25に突き当たる
まで挿入し、接着剤で固定する。そして、突き出た2つ
の端子34を、外装ケース21の側面に沿って底面側に
直角に折り曲げて、外装ケース20の側面に設けられた
溝b21,b22,b23,b24に嵌め込み固定す
る。インダクタL1,L2の端子34は、予め予備半田
により外装被膜を取り除いてある。この実施例では、外
装ケースに熱可塑性樹脂を用いて成形したもので、端子
を保持する溝に嵌め込み、溝部周辺を熱で溶解して固定
を強化する。
【0016】以上、本発明のインダクタブロックの実施
例を述べたが、これらの実施例に限られるものではな
い。例えば、インダクタは、円筒型のポット型コアおよ
びコイルで形成したものを用いたが、一般的な閉磁路型
固定インダクタを用いてもよく、角筒型であってもよ
い、また、外部ノイズの影響がない回路または装置に使
用する場合は、外周のポット型コアを外してもよい。ま
た、端子の保持部として溝を用いたが、溝または孔の係
止部を設けた突起でもよい。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインダク
タブロックは、外装ケースを用いて複数のインダクタを
収納することによって、インダクタの集約を図り、回路
基板への装着回数を減らし、実装時の作業を軽減するこ
とができる。そして、外装ケースを用いることによっ
て、インダクタを回路基板の面から浮かし、端子を長く
することによって、回路基板から伝わってくる熱の影響
を小さくすることができる。また、外装ケースの上面の
スリットおよびインダクタL1とL2との間においても
隙間を設けることから熱が篭ることなく、放熱効果があ
る。さらに、インダクタの端子をケースの一部で保持
(融着)することから、端子のピッチずれ、曲がり、変
形等がなく、回路基板への装着が容易となる。しかも、
熱および衝撃/振動等が接着部に直接加わらないので、
ポットコアとコイルの剥離を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルアンプの1チャンネル分の回路概略図
であり、(a)はSEPP方式、(b)BTL方式を示
す。
【図2】従来のインダクタの一例を示す断面図。
【図3】本発明のインダクタブロックの一実施例である
斜視図。
【図4】本発明のインダクタブロックの一実施例である
図3の背面図。
【図5】本発明のインダクタブロックの一実施例である
図3のA−B縦断面図。
【図6】本発明の他の実施例を示す正面図(a)、背面
図(b)とそのC−D縦断面図(c)。
【図7】本発明のさらに他の実施例を示す正面図
(a)、背面図(b)とそのE−F縦断面図(c)。
【符号の説明】 1 外装ケース 2、3 貫通孔 6 スリット L1、L2 インダクタ 34 端子 a1、a2、b1、b2、b3、b4 端子固定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 哲夫 埼玉県鶴ヶ島市大字五味ケ谷18番地 東光 株式会社埼玉事業所内 Fターム(参考) 5E070 AA01 AB01 BA06 DA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コアに巻いたコイルをポット型コアで覆っ
    てなる縦型のインダクタと、該インダクタを複数個収納
    して一体化する外装ケースとを有するインダクタブロッ
    クにおいて、 該外装ケースは、該インダクタを収納する複数個の貫通
    孔を有し、該インダクタの端子を引き出す面に、該端子
    を固定するための保持部を形成したことを特徴とするイ
    ンダクタブロック。
  2. 【請求項2】前記外装ケースは、横に寝かせた姿勢の前
    記インダクタを複数個、縦に積重ねて収納するものであ
    る請求項1記載のインダクタブロック。
  3. 【請求項3】前記外装ケースは、横に寝かせた姿勢の前
    記インダクタを、複数個横に並べて収納するものである
    請求項1記載のインダクタブロック。
  4. 【請求項4】前記外装ケースは、前記インダクタを2つ
    収納し、立てた姿勢の第1のインダクタの上に、横に寝
    かせた姿勢の第2のインダクタを積重ねたものである請
    求項1記載のインダクタブロック。
  5. 【請求項5】前記保持部は、前記外装ケースにおける前
    記端子を引出した側の側面に設けた溝である請求項1記
    載のインダクタブロック。
  6. 【請求項6】前記保持部は、前記外装ケースにおける前
    記端子を引出した側の側面に設けた、溝または孔を有す
    る突起である請求項1記載のインダクタブロック。
  7. 【請求項7】前記外装ケースは、熱可塑性の樹脂製であ
    って、前記保持部を熱で溶解して前記端子を固定した請
    求項1記載のインダクタブロック。
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