JP2003151609A - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents

固体酸化物形燃料電池システム

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JP2003151609A
JP2003151609A JP2001351305A JP2001351305A JP2003151609A JP 2003151609 A JP2003151609 A JP 2003151609A JP 2001351305 A JP2001351305 A JP 2001351305A JP 2001351305 A JP2001351305 A JP 2001351305A JP 2003151609 A JP2003151609 A JP 2003151609A
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burned
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Yoichi Ishibashi
洋一 石橋
Kiyomi Yadori
清巳 宿利
Hidehiko Yoshiwaka
秀彦 義若
Yoshitaka Shinohara
善隆 篠原
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 システムの小型化・低廉化が可能で、システ
ム排ガスの有効利用が図れる工業的に優れた適用性を有
する固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムを提供
する。 【解決手段】 燃焼ガス排気型SOFC(2)と、前記
SOFC用酸化剤供給経路と、前記SOFC用燃料
(5)供給経路と、前記SOFCの燃焼済み排ガスの排
出経路(6)と、前記排出経路を流通する燃焼済み排ガ
スの一部を前記SOFC用酸化剤供給経路(4)に搬送
する循環経路(8)と、を備えてなるSOFCシステム
によって上記課題の解決が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体酸化物形燃料
電池システムに関し、より詳しくは、簡素な構成を有す
る燃焼ガス排気型固体酸化物形燃料電池を備えたシステ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】固体酸化物形燃料電池(Solid O
xide Fuel Cell:以下「SOFC」とも
記載)は、電解質としてイットリア安定化ジルコニアな
どの酸化物イオン導電性固体電解質を用い、その両面に
多孔性電極を取り付け、これを隔壁として一方の側にS
OFC用燃料、他方の側にSOFC用酸化剤(空気、酸
素等)を供給し、900〜1000℃程度で動作する燃
料電池である。
【0003】SOFCは、高出力および高発電効率の
達成が可能、燃料ガスとして水素に加え一酸化炭素の
使用が可能、高温で動作、電解質が固体であるため
電解質散逸の問題がない等の特徴を有し、分散型エネル
ギー源として注目されている。
【0004】図4に、SOFCの排空気でSOFC用酸
化剤を加熱する熱交換器110が設けられてなる、従来の
燃料・空気分離型SOFCシステム101の一実施形態の
模式図を示す。図中、102はSOFCであり、103はSO
FC用酸化剤原料であり、105はSOFC用燃料であ
り、107はシステム排ガスであり、111は発電済み酸化剤
であり、112はSOFCの発電済み燃料であり、113は燃
焼器である。
【0005】従来のSOFCシステムにおいて、SOF
C102の作動温度は、主にSOFC102に供給されるSO
FC用酸化剤の流量および温度で制御されている。SO
FCは高温で作動する燃料電池であり、SOFCの作動
温度を高温に維持するためには、燃料電池に供給するS
OFC用酸化剤の温度を高くする必要がある。一方、S
OFC102に供給されるSOFC用酸化剤の流量が少な
いと、SOFC102内部のSOFCセルにおいて大きな
温度分布が生じ、SOFCセルの耐久性が低下してしま
う。このため、通常はSOFCセルの温度分布を抑制し
得る程度に多量のSOFC用酸化剤をSOFC102に供
給する必要がある。このように、SOFC102には、高
温かつ多量のSOFC用酸化剤を投入する必要がある。
従って、多量のSOFC用酸化剤を高温にまで昇温する
ために用いられる熱交換器110が大型化し、SOFCシ
ステム101の設備コストおよび設置面積の増大を招来し
ていた。SOFCのシステム排ガス107でSOFC用酸
化剤原料103を加熱する熱交換器(図示せず)をさらに
設けることもできるが、この場合であってもSOFCシ
ステム101の設備コストが増大することは避けられな
い。SOFCの発電済み酸化剤111および発電済み燃料1
12は燃焼器113を経て、システム排ガス107として排出さ
れる。実際に工業的に適用するに際しては、排出された
SOFCのシステム排ガス107を熱源として利用するこ
とによって、総合効率の向上を図る場合が多い。しかし
ながら、システム排ガス107の温度は、一般にシステム
排ガス流量が少ないほど高温であり、システム排ガス10
7の熱利用を考慮するとシステム排ガス流量(即ち、S
OFC用酸化剤原料103の流量)が少ない方が好まし
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事項に鑑
みなされたものであり、システムの小型化・低廉化が可
能で、システム排ガスの有効利用が図れるなど、工業的
に優れた適用性を有するSOFCシステムを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、SOFC
から排出される排ガスの温度のSOFCシステム構成に
与える影響などについて鋭意検討した。そして、SOF
Cシステムに組み込まれるSOFCとして、燃焼ガス排
気型SOFCを適用し、該燃焼ガス排気型SOFCの排
ガスの一部をSOFC用酸化剤として再利用することに
よって、上記課題の解決が可能なことを見出し、本発明
を完成させた。即ち、燃焼ガス排気型SOFCから排出
されるSOFCの燃焼済み排ガスは、燃料・空気分離型
SOFCから排出される発電済み酸化剤と比較して高温
である。このような高温の排ガスの有する熱量を有効利
用することによって、工業的に優れた適用性を有するS
OFCシステムの構築が可能なことを見出し、本発明を
完成させた。本発明の具体的な構成は以下の通りであ
る。
【0008】本発明は、燃焼ガス排気型SOFCと、前
記SOFC用酸化剤供給経路と、前記SOFC用燃料供
給経路と、前記SOFCの燃焼済み排ガスの排出経路
と、前記排出経路を流通する燃焼済み排ガスの一部を前
記SOFC用酸化剤供給経路に搬送する循環経路と、を
備えてなるSOFCシステムである。
【0009】また本発明は、前記排出経路を流通する燃
焼済み排ガスを用いて前記SOFC用酸化剤供給経路を
流通するSOFC用酸化剤原料を加熱するための熱交換
器を備えてなる前記記載のSOFCシステムである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、燃焼ガス排気型SOF
Cと、前記SOFC用酸化剤供給経路と、前記SOFC
用燃料供給経路と、前記SOFCの燃焼済み排ガスの排
出経路と、前記排出経路を流通する燃焼済み排ガスの一
部を前記SOFC用酸化剤供給経路に搬送する循環経路
と、を備えてなるSOFCシステムである。
【0011】まず、本発明に係るSOFCシステム1に
ついて、図1を参照しながら簡単に説明する。SOFC
2にはSOFC用酸化剤およびSOFC用燃料5が供給さ
れる。SOFC用酸化剤は、SOFC用酸化剤原料3お
よび循環経路8を経由して供給された燃焼済みのSOF
Cの燃焼済み排ガスを、混合手段9を用いて混合したも
のが使用される。SOFCの燃焼済み排ガスは、SOF
Cの燃焼済み排ガスの排出経路6を流通し、一部が上述
のように循環経路8に流れ、他がSOFCのシステム排
ガス7として排出される。なお、システム排ガス7とは、
SOFCの燃焼済み排ガスのうち、SOFCシステム1
で再利用されないで排出される成分をいう。
【0012】排ガスの一部をSOFC用酸化剤としてリ
サイクルするための循環経路8を有さない従来のSOF
Cシステムにおいては、SOFCセルに生じる温度分布
を抑制するために、大量のSOFC用酸化剤がSOFC
に供給され、SOFC用酸化剤中には発電に必要な量よ
りも過剰の酸素が含まれていた。従って、SOFCセル
の温度分布を抑制できる量のSOFC用酸化剤が供給で
きれば、SOFCセルに供給される酸素量は少なくても
良いといえる。本発明は、上述のように循環経路8を設
けて、SOFCの燃焼済み排ガス排出経路6を流れるS
OFCの燃焼済み排ガスをSOFC用酸化剤として再利
用するものである。しかも、燃焼ガス排気型SOFCシ
ステムからの排ガスは高温であるため、SOFC用酸化
剤として再利用した場合、SOFC用酸化剤の効率的な
昇温が可能である。このような効率的な昇温が可能にな
る結果、SOFCシステムから熱交換器を省略すること
が可能である。省略できない場合であっても、より小型
の熱交換器でSOFCシステムを連続運転させることが
可能である。このため、SOFCシステムの小型化・低
廉化が図れ、工業的に有用なSOFCシステムの構築が
可能である。また、SOFCシステム1がSOFCの燃
焼済み排ガスでSOFC用酸化剤原料3を加熱する熱交
換器を有さない場合、または、小型の熱交換器である場
合、SOFCシステム1から排出されるSOFCのシス
テム排ガス7は、高温状態が維持される。このため、S
OFCの燃焼済み排ガスを熱源として利用する装置を設
置する場合に効率良い利用が図れる。この点からも、本
発明に係るSOFCシステムは、工業的に優れた有用性
を有しているといえる。
【0013】以下、上述した本発明のSOFCシステム
1の構成およびガスの流れについて分説して詳細に説明
する。なお、本発明のSOFCシステム1には、各種公
知技術を適用することが可能であり、以下の実施形態に
限定されるものではない。また、SOFCシステム1を
流通するガスの流量は、SOFC2の発電効率やSOF
Cシステム1の工業的規模を考慮して決定すればよく、
特に限定されるものではない。
【0014】SOFC2には、SOFC燃料5が供給され
る。SOFC用燃料5は、直接発電反応をする水素・一
酸化炭素や、改質を必要とする都市ガス等の炭化水素系
燃料が使用できる。改質を必要とする炭化水素系燃料を
用いる場合には、内部改質器や外部改質器を設けて改質
反応を進行させる必要がある。内部改質器としては、水
蒸気が存在する発電反応後の燃料ガスおよびSOFC発
電反応熱を利用するものなどが使用できるが、この形態
に限定されるものではなく、各種公知の内部改質器を用
いることができる。外部改質器を用いる場合には、外部
熱源(SOFCで生じる排熱など)および水蒸気を供給
すればよい。その際には、別途熱量および水蒸気供給手
段を設けても良いが、SOFC2を含む系全体のエネル
ギー効率を考慮すると、SOFC2や隣接する装置で発
生する余剰の熱量および水蒸気をリサイクルすることが
好ましいといえる。
【0015】SOFC2には、燃料とは別の経路を通じ
て酸化剤が供給される。SOFCシステム1の系外から
供給されるSOFC用酸化剤原料3としては、空気や酸
素が挙げられる。SOFCシステム1の作動コストを考
慮するとSOFC用酸化剤原料3は空気であることが好
ましいが、空気に限定されるものではなく、酸素濃度を
高めるために酸素ガスを混入させてもよい。SOFC用
酸化剤原料3の供給方法は特に限定されるものではな
く、ブロワ等各種公知技術を用いることができる。
【0016】SOFC2には、SOFC用酸化剤供給経
路4を通じてSOFC用酸化剤が供給される。なお、
「SOFC用酸化剤」とは、実際にSOFC2に供給さ
れる成分比を有するガスを意味する。従って、SOFC
用酸化剤原料3に他の成分が混入する場合(混合手段9よ
り下流側のSOFC用酸化剤供給経路4を流れるガスな
ど)には、「SOFC用酸化剤」の成分と「SOFC用
酸化剤原料」の成分とは異なるものとなる。ただし、
「SOFC用酸化剤供給経路」とは、SOFC用酸化剤
原料3とSOFCセルとを繋ぐ経路全体を意味する。従
って、SOFC用酸化剤供給経路中には、SOFC用酸
化剤のみならず、SOFC用酸化剤原料も流通する。つ
まり、本発明においては、SOFCの燃焼済み排ガスの
排出経路6を流通するSOFCの燃焼済み排ガスが循環
経路8を通じてSOFC用酸化剤供給経路4に供給され、
SOFC用酸化剤原料3と混合される。そして、SOF
C用酸化剤がSOFC2に設けられてなるSOFCセル
の発電部に供給される。
【0017】SOFC用酸化剤原料3とSOFCの燃焼
済み排ガスとは、混合手段9を用いて混合することがで
きる。混合手段9としては、エゼクターや循環ポンプ等
が挙げられる。エゼクターは、循環経路8を通じて混合
手段9に供給されるSOFCの燃焼済み排ガスの温度に
応じて材質を選択すればよい。具体的には、供給される
SOFCの燃焼済み排ガスの温度が800℃以上もの高
温である場合には、インコネル、セラミック、SUS3
10S等の材料を用いることができる。800℃未満で
ある場合にはSUS310S、SUS316L等のステ
ンレス材を好適に用いることができる。混合手段9でS
OFC用酸化剤原料3とSOFCの燃焼済み排ガスとを
混合することにより、SOFC2の作動温度を維持する
に必要な酸化剤温度・流量が作り出される。SOFC用
酸化剤原料3とSOFCの燃焼済み排ガスとの混合比
は、SOFC用酸化剤原料3およびSOFCの燃焼済み
排ガスの温度・酸素残存量、SOFC2が必要とする酸
化剤温度・酸素濃度などに応じて決定されるものであ
り、一義的に規定できるものではない。SOFCシステ
ム設計において、仮想システムを用いた算出などの公知
手段を適宜用いればよい。
【0018】SOFC用酸化剤およびSOFC燃料を用
いて、SOFC2において発電反応が行われる。本発明
において「燃焼ガス排気型SOFC」とは、SOFC内
部においてSOFC用酸化剤とSOFC用燃料とが混合
され、燃焼する形式のSOFCをいい、縦縞円筒型SO
FCなどが挙げられる。ただし、これに限定されるもの
ではなく、使用用途や、設置環境に応じて適宜選択でき
る。以下、縦縞円筒型SOFCにおける発電反応につい
て図2を用いて簡単に説明する。SOFC用燃料および
SOFC用酸化剤がそれぞれ別の供給口からSOFC2
に供給される。SOFC用燃料が炭化水素系燃料である
場合には、エゼクター18を用いて、水蒸気が存在する発
電済み燃料(排燃料)15の一部を吸引し、SOFC用燃
料の水蒸気改質が行われる(改質器は図示せず)。この
ように、混合手段としてのエゼクターがSOFC内部に
設けられていてもよく、当該実施形態も本発明の技術的
範囲に包含されるものである。SOFC用燃料およびS
OFC用酸化剤は、SOFCセル14に搬送され、SOF
Cセル14において発電反応が進行した後、排燃料15およ
び排酸化剤16として燃焼室17に流入する。燃焼室17にお
いて、排燃料15および排酸化剤16は燃焼し、SOFCの
燃焼済み排ガスとしてSOFC2外部に排出される。燃
焼済み排ガスの温度はSOFCのタイプによって異なる
が、800〜1000℃程度である。
【0019】SOFCから排出された800〜1000
℃の燃焼済み排ガスは、SOFCの燃焼済み排ガスの排
出経路6を流通する。この燃焼済み排ガスの排出経路6を
流通する排ガスの一部が循環経路8に流れ、前記混合手
段9を用いてSOFC用酸化剤原料3と混合されることと
なる。一方、循環経路8に流通しない残りの排ガスは、
システム排ガス7として排出される。循環経路8へ流れる
ガスの流量は、予め最適な流量を計算した上で、所定量
の排ガスが流通するように配管のサイズを決定してもよ
い。SOFCの運転状況が変化する場合には、循環経路
8に分岐する部分に弁を設けて流量を制御することがで
きる。弁の制御により、SOFCシステムの総合効率が
最大になるように、ガス流量を迅速に制御することがで
きる。弁は、高温のSOFCの燃焼済み排ガスが流通し
ても損傷しない程度の耐熱性を有している必要があり、
ステンレス、ニッケル合金、セラミック等の耐熱材料か
らなる開閉率制御の可能なバタフライ弁などが挙げられ
る。なお、各種ガス流通経路を構成するラインは、これ
らに限定されるものではないが、耐火ライニングを施し
たステンレスなどの材料を用いて、各装置を繋ぐ配管に
フランジによるボルト接合や溶接接合により接続すると
よい。
【0020】SOFCシステム1が、SOFCの燃焼済
み排ガスでSOFC用酸化剤原料を加熱する熱交換器を
有さない場合に、本発明の効果(SOFCシステムの設
備コスト減、SOFCシステムの小型化等)は最も大き
いといえるが、本願は熱交換器を有する場合を排除する
ものではない。例えば、SOFC2が、高温のSOF
C用酸化剤を必要とし、循環経路8を経由して供給され
るSOFCの燃焼済み排ガスの顕熱のみではSOFC用
酸化剤の昇温が充分に図れない場合、SOFCの燃焼
済み排ガスの割合上昇に伴いSOFCの発電反応に支障
が及ぶ場合、などには、図3に示すように、SOFCの
燃焼排ガスの排出経路6を流通するSOFCの燃焼済み
排ガスを用いてSOFC用酸化剤原料供給経路を流通す
るSOFC用酸化剤原料3を加熱する熱交換器10を設け
た実施形態とすることができる。なお、図3には、熱交
換器10が設けられる位置を循環経路8への分岐点よりS
OFCの燃焼済み排ガスの流れに関して下流側に設ける
構成としたが、場合によっては循環経路8への分岐点よ
り上流側に設けても良い。このように熱交換器10を設け
た場合であっても、本発明のSOFCシステム1におい
ては、SOFCの燃焼済み排ガスがSOFC用酸化剤と
して再利用されるため、設置される熱交換器10は小型の
ものを使用でき、コスト的にも設備面積的にも有利であ
る。また、原料供給に要するラインも小型のものを使用
できる。図4に示す従来のSOFCシステム101におい
ては、多量のSOFC用酸化剤原料を投入する必要があ
り、それに伴いシステム排ガス107の流量も多量になっ
ていた。一方、図3に示す本発明のSOFCシステムに
おいては、循環経路8を経由して供給されるSOFCの
燃焼済み排ガスと熱交換器10で昇温されたSOFC用酸
化剤原料により、SOFC酸化剤が構成される。このた
め、SOFC用酸化剤原料の削減が図れ、システム排ガ
スも削減される。したがって、図3に示すような熱交換
器10を設けた場合であっても、図4に示す従来のSOF
Cシステムと比べれば、システム排ガスを高温で取り出
せる利点がある。
【0021】熱交換器10は、向流熱交換器、並流熱交換
器などの各種公知の熱交換器を単独または組み合わせて
用いることができ、特に限定されるものではない。
【0022】本発明は、上記構成に種々の改良を加えて
も良く、改良形態も本発明の技術的範囲に含まれるもの
である。例えば、図1には混合手段9がSOFCの外部
に存在する実施形態について記載しているが、混合手段
9をSOFC内部に設けてもよい。この場合には、SO
FC2にはSOFC用酸化剤原料3の供給口およびSOF
Cの燃焼済み排ガスの供給口を設けた構成とすることが
できる。
【0023】本発明のSOFCシステムは、新たに設備
を構築する場合であっても優れた総合効率を有すること
は勿論であるが、既存のSOFCシステムに本発明を適
用することも可能である。例えば、図4に示すSOFC
システムが稼動している場合に、循環経路や流量制御弁
を設けることによって図3と同様の構成とすることがで
きる。このように従来のSOFCシステムを改良する場
合、従来のブロワやラインを利用することができるた
め、より少ない設備投資で本発明に係るSOFCシステ
ムを構築できるという利点を有する。また、熱交換器11
0が故障等の理由により交換を余儀なくされた場合など
にも有効である。新たに必要になる熱交換器は小型かつ
低廉なもので済み、また、高温のシステム排ガスが得ら
れるからである。
【0024】
【実施例】以下、燃焼ガス排気型SOFCを用いた図3
のSOFCシステム(実施例)の有用性を、燃料・空気
分離排気型SOFCを用いた図5のSOFCシステム
(比較例)と比較することによって説明する。なお、図
3および図5において、SOFCシステムに供給される
SOFC用酸化剤原料(3,103)の組成・流量・温度、S
OFC用燃料(5,105)の組成・温度、SOFCが必要と
するSOFC用酸化剤流量は同一とする。従って、循環
経路(8,108)を流通するガス流量も同一である。また、1
09は混合手段である。
【0025】上記のような類似のSOFCシステムを構
築した場合であっても、燃焼ガス排気型SOFC2から
排出されるSOFCの燃料済み排ガスの温度は、燃料・
空気分離型SOFC102から排出されるSOFCの発電
済み酸化剤温度より高温になる。したがって、熱交換器
(10,110)の能力が同一であると、SOFC102に供給さ
れるSOFC用酸化剤の温度はいきおい低下せざるを得
ない。循環経路108を流通するSOFCの排ガス流量を
増加させる手段もあるが、この場合、SOFC用酸化剤
に含まれる酸素量の減少といった新たな弊害が生じる。
従って、熱交換器110を大型にしてSOFC用酸化剤原
料103の昇温を図る必要があるが、この場合もSOFC
システム101の大型化・設備コストの上昇といった弊害
を招来する。また、システム排ガス107として取り出さ
れる熱エネルギーの減少を招く。
【0026】このように、SOFCとして燃焼ガス排気
型SOFCを用い、かつ、SOFCの燃焼済み排ガスの
一部をSOFC用酸化剤として再利用するための循環経
路を設けた本発明のSOFCシステムは、工業的に優れ
た有用性を有しているといえる。
【0027】
【発明の効果】本発明のSOFCにおいては、循環経路
を設けて、SOFCの燃焼済み排ガス流通経路を流れる
SOFCの燃焼済み排ガスをSOFC用酸化剤として再
利用できる。しかも、燃焼ガス排気型SOFCシステム
からの排ガスは、燃料・空気分離型SOFCの発電済み
排ガスより高温であり、SOFC用酸化剤として再利用
した場合、SOFC用酸化剤の効率的な昇温が可能であ
る。このような効率的な昇温が可能になる結果、SOF
Cシステムから熱交換器を省略することが可能である。
また、SOFCシステムに供給されるSOFC用酸化剤
原料を削減できるため、SOFCシステム排ガスを高温
で取り出すことができる。このため、SOFCの燃焼済
み排ガスを熱源として利用する装置を設置する場合に効
率良い利用が図れる。
【0028】また、SOFCの燃焼排ガスの排出経路を
流通するSOFCの燃焼済み排ガスを用いてSOFC用
酸化剤原料供給経路を流通するSOFC用酸化剤原料を
加熱する熱交換器をさらに設けた実施形態とした場合で
あっても、コスト的にも設備面積的にも有利である。シ
ステム排ガスの温度を高温で取り出せる利点もある。
【0029】以上説明したように、本発明に係るSOF
Cシステムは、工業的に極めて高い有用性を有している
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るSOFCシステムの一実施形態
の模式図である。
【図2】 縦縞円筒型SOFCにおける発電状態を示す
模式図である。
【図3】 熱交換器を設けた、本発明に係るSOFCシ
ステムの他の実施形態の模式図である。
【図4】 従来のSOFCシステムの模式図である。
【図5】 循環経路を設けた従来のSOFCシステムの
模式図である。
【符号の説明】
1、101 SOFCシステム 2、102 固体酸化物形燃料電池(SOFC) 3、103 SOFC用酸化剤原料 4 SOFC用酸化剤供給経路 5、105 SOFC用燃料 6 SOFCの燃焼済み排ガスの排出経路 7、107 システム排ガス 8、108 循環経路 9、109 混合手段 10、110 熱交換器 111 発電済み酸化剤 112 発電済み燃料 113 燃焼器 14 SOFCセル 15 排燃料 16 排酸化剤 17 燃焼室 18 エゼクター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 義若 秀彦 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 篠原 善隆 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 EE13 5H027 AA06 BC20 CC02 MM03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼ガス排気型SOFCと、前記SOF
    C用酸化剤供給経路と、前記SOFC用燃料供給経路
    と、前記SOFCの燃焼済み排ガスの排出経路と、前記
    排出経路を流通するSOFCの燃焼済み排ガスの一部を
    前記SOFC用酸化剤供給経路に搬送する循環経路と、
    を備えてなるSOFCシステム。
  2. 【請求項2】 前記排出経路を流通する燃焼済み排ガス
    を用いて前記SOFC用酸化剤供給経路を流通するSO
    FC用酸化剤原料を加熱するための熱交換器を備えてな
    る請求項1に記載のSOFCシステム。
JP2001351305A 2001-11-16 2001-11-16 固体酸化物形燃料電池システム Withdrawn JP2003151609A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006100006A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Kyocera Corp 燃料電池及びその運転方法
JP2011141968A (ja) * 2010-01-05 2011-07-21 Chugoku Electric Power Co Inc:The 発電システム

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