JP3997264B2 - 燃料電池コージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力供給と給湯を併用供給する燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、燃料電池のアノード極オフガスをオフガス燃焼器により燃焼させ、第1の熱交換器によりオフガス燃焼熱を温水として熱回収するとともに、前記オフガス燃焼器によって燃焼させて残ったオフガスを通路により改質器燃焼バーナに供給して、前記改質器燃焼バーナによって前記オフガス燃焼器から供給された前記残ったオフガスを燃焼させて排気する燃料電池コージェネレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池用燃料改質器(特開平7−192742)は、図5に示されるように燃料電池Fのオフガス排出系Eに触媒燃焼器Sを配設して、オフガスを燃焼させて排気されていた。
【0003】
従来の燃料電池プラント(特開平5−205759)は、図6に示されるように改質器Kの燃焼部Bから排出される排ガス中の残留酸素成分を触媒燃焼器Sにおいて消費して低濃度もしくは酸素成分を含まないパージガスとして格納容器Vへ供給するものであった。
【0004】
従来の燃料電池給湯コージュネレーションシステム(特開2001−176527)は、図7に示されるように燃料電池Fの下流部位に配設されたオフガスバーナSによって、燃料電池Fの酸素極および水素極の各排ガスを燃焼させて排出するものであった。
【0005】
従来の固体高分子型燃料電池発電装置(特開2001−93550)は、図8に示されるように燃料極FPからの残余の水素および未改質燃料などの可燃物質を含む排気ガスが、排気ガスバーナーSに送られ、ここで酸化剤極OPの排気ガスの一部と混合されて燃焼され、その排気ガスを水蒸気加熱器VH、燃料混合ガス余熱器PH、水蒸発器WV、水凝縮器WGの順に通過させるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の燃料電池用燃料改質器は、燃料電池Fのオフガス排出系Eに配設された触媒燃焼器Sによって、オフガスを燃焼させて排気されるものであるので、オフガスをオフガスバーナーのみで処理するものであるため、オフガスバーナーの構成上未改質のオフガスが排気ガスと共に放出されてしまうという問題があった。
【0007】
また上記従来の燃料電池プラントは、改質器Kの燃焼部Bから排出される排ガス中の残留酸素成分を前記触媒燃焼器Sにおいて消費して低濃度もしくは酸素成分を含まないパージガスとして格納容器Vへ供給するものであるので、単に前記残留酸素成分を前記触媒燃焼器において消費するにすぎないものであるため、前記残留成分からの熱的なエネルギー回収が出来ないという問題があった。
【0008】
さらに上記従来の燃料電池給湯コージュネレーションシステムは、燃料電池Fの下流部位に配設されたオフガスバーナSによって、燃料電池Fの酸素極および水素極の各排ガスを燃焼させて排出するものであるので、前記各排ガスからの熱的なエネルギー回収が出来ないという問題があった。
【0009】
また上記従来の固体高分子型燃料電池発電装置は、燃料極FPからの残余の水素および未改質燃料などの可燃物質を含む排気ガスが、排気ガスバーナーSに送られ、ここで酸化剤極OPの排気ガスの一部と混合されて燃焼され、その排気ガスを水蒸気加熱器VH、燃料混合ガス余熱器PH、水蒸発器WV、水凝縮器WGの順に通過させるものであるので、排気ガスからの熱的なエネルギー回収は行われるが、最終的には放出されてしまうという問題があった。
【0010】
そこで本発明者は、電力供給と給湯を併用供給する燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、オフガス燃焼器における燃料電池のアノード極オフガスの燃焼に伴うオフガス燃焼熱を、スタック冷却部の下流側に設置された前記第1の熱交換器によって温水として熱回収するとともに、前記オフガス燃焼器によって燃焼させて残ったオフガスを前記通路を介して前記改質器燃焼バーナに供給して、前記改質器燃焼バーナによって供給された前記残ったオフガスを燃焼させて排気するという本発明の技術的思想に着眼し、更に研究開発を重ねた結果、オフガスからの熱的なエネルギー回収を可能にするとともに、オフガス中の未燃成分を充分燃焼させた後排出するという目的を達成する本発明に到達した。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1に記載の第1発明)の燃料電池コージェネレーションシステムは、
電力供給と給湯を併用供給する燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、
燃料電池のアノード極オフガスを燃焼させるためのオフガス燃焼器と、
オフガス燃焼熱を温水として熱回収するためにスタック冷却部の下流側に設置された第1の熱交換器と、
前記オフガス燃焼器によって燃焼させて残ったオフガスを改質器燃焼バーナに供給する通路を備え、
前記オフガス燃焼器と前記改質器燃焼バーナを連絡する前記通路に、前記オフガス燃焼器によって燃焼させて残ったオフガスの前記改質器燃焼バーナへの供給または排気を可能にするように供給方向を切り換える第1の方向切換弁が配設され、
前記改質器燃焼バーナによって前記オフガス燃焼器から供給された前記残ったオフガスを燃焼させて排気する
ものである。
【0012】
本発明の燃料電池コージェネレーションシステムは、
前記第1発明において、
前記オフガスを燃焼させる前記オフガス燃焼器に供給するオフガスエア量を制御するオフガスエア制御弁を備えている
ものである。
【0013】
本発明の燃料電池コージェネレーションシステムは、
前記第1発明または前記本発明において、
前記第1の熱交換器によりオフガス燃焼熱によって熱回収した温水が、貯湯槽の熱交換器を介して電池スタックに供給されるように構成されている
ものである。
【0015】
本発明(請求項2に記載の第2発明)の燃料電池コージェネレーションシステムは、
前記第1発明において、
システムの運転状態と温水の需要に応じて改質器からの改質ガスを供給する供給先を切り換えるために供給方向を切り換える第2の方向切換弁を備えている
ものである。
【0016】
本発明(請求項3に記載の第3発明)の燃料電池コージェネレーションシステムは、
前記第2発明において、
暖気運転中において、前記第2の方向切換弁を介して供給された前記改質ガスを前記オフガス燃焼器に供給する第3の方向切換弁を備え、
該オフガス燃焼器の燃焼熱を利用してスタック冷却部の冷却水を昇温する
ものである。
【0017】
本発明(請求項4に記載の第4発明)の燃料電池コージェネレーションシステムは、
前記第3発明において、
定常時の給湯の需要が高い時において、前記改質ガスを前記オフガス燃焼器に供給して、該オフガス燃焼器の燃焼熱を利用してスタック冷却部の冷却水を昇温する
ものである。
【0018】
本発明(請求項5に記載の第5発明)の燃料電池コージェネレーションシステムは、
前記第2発明において、
定常時の電力需要が高い時には、前記改質ガスを前記改質器燃焼バーナに供給するものである。
【0019】
本発明(請求項6に記載の第6発明)の燃料電池コージェネレーションシステムは、
前記第3発明において、
前記第1ないし第3の方向切換弁が、3方向の連絡関係を切換制御して前記改質器と前記改質器燃焼バーナと前記オフガス燃焼器との連絡関係を制御する三方弁によって構成されている
ものである。
【0020】
【発明の作用および効果】
上記構成より成る第1発明の燃料電池コージェネレーションシステムは、電力供給と給湯を併用供給する燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、オフガス燃焼器における燃料電池のアノード極オフガスの燃焼に伴うオフガス燃焼熱を、スタック冷却部の下流側に設置された前記第1の熱交換器によって温水として熱回収するとともに、前記オフガス燃焼器によって燃焼させて残ったオフガスを前記通路を介して前記改質器燃焼バーナに供給して、前記改質器燃焼バーナによって供給された前記残ったオフガスを燃焼させて排気するので、オフガスからの熱的なエネルギー回収を可能にするとともに、オフガス中の未燃成分を充分燃焼させた後排出するという効果を奏する。
上記構成より成る第1発明の燃料電池コージェネレーションシステムは、前記オフガス燃焼器と前記改質器燃焼バーナを連絡する前記通路に配設された前記第1の方向切換弁によって、前記オフガス燃焼器によって燃焼させて残ったオフガスの前記改質器燃焼バーナへの供給または排気を可能にするように供給方向を切り換えるので、前記改質器燃焼バーナの温度異常がある場合には前記オフガスの供給を停止して排気することを可能にするという効果を奏する。
【0021】
上記構成より成る本発明の燃料電池コージェネレーションシステムは、前記第1発明において、前記オフガスエア制御弁によって、前記オフガスを燃焼させる前記オフガス燃焼器に供給するオフガスエア量を制御するので、熱回収量を制御出来るという効果を奏する。
【0022】
上記構成より成る本発明の燃料電池コージェネレーションシステムは、前記第1発明または前記本発明において、前記第1の熱交換器によりオフガス燃焼熱によって熱回収した温水が、貯湯槽の熱交換器を介して電池スタックに供給されるので、給湯能力を高めるとともに、前記電池スタックのスタック冷却部の冷却水を昇温するという効果を奏する。
【0024】
上記構成より成る第2発明の燃料電池コージェネレーションシステムは、前記第1発明において、前記第2の方向切換弁によって、システムの運転状態と温水の需要に応じて供給方向を切り換えることにより、改質器からの改質ガスを供給する供給先を切り換えることを可能にするという効果を奏する。
【0025】
上記構成より成る第3発明の燃料電池コージェネレーションシステムは、前記第2発明において、暖気運転中において、前記第3の方向切換弁によって前記第2の方向切換弁を介して供給された前記改質ガスを前記オフガス燃焼器に供給するので、該オフガス燃焼器の燃焼熱を利用してスタック冷却部の冷却水の昇温を可能にするという効果を奏する。
【0026】
上記構成より成る第4発明の燃料電池コージェネレーションシステムは、前記第3発明において、定常時の給湯の需要が高い時において、前記改質ガスを前記オフガス燃焼器に供給して、該オフガス燃焼器の燃焼熱を利用してスタック冷却部の冷却水を昇温するので、スタック冷却水の昇温を有効に行うという効果を奏する。
【0027】
上記構成より成る第5発明の燃料電池コージェネレーションシステムは、前記第2発明において、定常時の電力需要が高い時には、前記改質ガスを前記改質器燃焼バーナに供給するので、定常時の高い電力需要への対応を可能にするという効果を奏する。
【0028】
上記構成より成る第6発明の燃料電池コージェネレーションシステムは、前記第3発明において、前記第1ないし第3の方向切換弁を構成する前記三方弁によってが、3方向の連絡関係を切換制御して前記改質器と前記改質器燃焼バーナと前記オフガス燃焼器との連絡関係を制御するので、オフガスからの熱的なエネルギーの有効な回収を可能にするとともに、オフガス中の未燃成分を充分燃焼させた後排出することを可能にするという効果を奏する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態につき、図面を用いて説明する。
【0030】
(実施形態)
本実施形態の燃料電池コージェネレーションシステムは、図1ないし図4に示されるように電力供給と給湯を併用供給する燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、燃料電池スタック4のアノード極41のオフガスを燃焼させるためのオフガス燃焼器5と、オフガス燃焼熱を温水として熱回収するためにスタック冷却部42の下流側に設置された第1の熱交換器6と、前記オフガス燃焼器5によって燃焼させて残ったオフガスを改質器燃焼バーナ2に供給する通路25を備え、前記改質器燃焼バーナ2によって前記オフガス燃焼器5から供給された前記残ったオフガスを燃焼させて排気するように構成されている。
【0031】
本実施形態における前記オフガス燃焼器5は、一例として触媒燃焼器によって構成されている。
【0032】
前記オフガスを燃焼させる前記オフガス燃焼器5に2次空気を供給する2次空気通路にオフガスエア制御弁51が配設され、熱回収量を制御するために前記オフガス燃焼器5に供給する前記2次空気としてのオフガスエア量を制御するものである。
【0033】
前記第1の熱交換器6は、配管を介して貯湯槽60の熱交換器62に連絡しており、該熱交換器62は、配管を介して前記燃料電池スタック4の前記スタック冷却部42に連絡しており、前記電池スタック4からのオフガスの燃焼熱によって熱回収された温水が、前記貯湯槽60の前記熱交換器62を介して電池スタック4の前記スタック冷却部42に供給され、スタック冷却水が昇温されるように構成されている。
【0034】
第1の方向切換弁は、前記オフガス燃焼器5と前記改質器燃焼バーナ2を連絡する前記通路25に配設され、前記オフガス燃焼器5によって燃焼させて残ったオフガスの改質器燃焼バーナ2への供給または排気を可能にするように供給方向を切り換える3方弁10によって構成されている。
【0035】
第2の方向切換弁は、前記改質器1と前記電池スタック4とを連絡する通路14に配設され、システムの運転状態と温水の需要に応じて前記改質器1からの改質ガスを供給する供給先を切り換えるために供給方向を切り換える3方弁8によって構成されている。
【0036】
第3の方向切換弁は、前記通路14と前記通路25とを連絡する通路90に配設され、暖気運転中において、前記第2の方向切換弁としての3方弁8を介して供給された前記改質ガスを前記オフガス燃焼器5または前記改質器燃焼バーナ2に供給する3方弁9によって構成され、該オフガス燃焼器の燃焼熱を利用してスタック冷却部の冷却水を昇温するものである。
【0037】
シャット弁3は、前記通路90と電池スタック4のアノードとの間の通路91に配設され、アノード極41のオフガスの前記通路90を介して前記燃焼バーナ2または前記オフガス燃焼器5への供給を開閉制御するものである。
【0038】
コントローラ50は、前記オフガスエア制御弁51、前記シャット弁3、前記3方弁8、前記3方弁9および前記3方弁10に接続され、開閉、流量、供給方向を制御することにより、オフガスのエネルギーを熱回収して有効に利用するとともに、オフガス中の未燃成分を充分燃焼させた後排出するための制御信号を出力するように構成されている。
【0039】
すなわち定常時の給湯の需要が高い時においては、前記改質ガスを前記オフガス燃焼器5に供給するように前記シャット弁3が開とされ、前記3方弁9がa方向に制御され、該オフガス燃焼器5の燃焼熱を利用して前記第1の熱交換器6によって冷却水に熱交換され、スタック冷却部の冷却水を昇温するものである。
【0040】
定常時の電力需要が高い時においては、前記改質ガスを前記3方弁8、3方弁9および3方弁10を介して前記改質器燃焼バーナ2に供給するものである。
【0041】
本実施形態におけるシステムの運転方法の詳細について、図3および図4のフローチャートに従って説明する。
図3に示されるようにシステムの起動により、改質器1が改質の準備を始める。このときシャット弁3は閉、3方弁8の連絡方向はa、3方弁9の連絡方向はbである。
【0042】
改質反応を開始すると改質ガスが水素リッチになる。この段階で前記3方弁9の連絡方向をaに切り替えると同時に前記オフガス燃焼器5に2次エアを供給し、改質ガスを燃焼させる。スタック冷却水が発電可能な状態になるまで、改質ガスにより冷却水温度を上昇させる。
【0043】
発電準備が整ったら前記シャット弁3を開き、3方弁8の連絡方向をbに切り替えて、モード切替えが行われる。
【0044】
お湯(給湯)が欲しい給湯(主体)モードにおいては、3方弁9の連絡方向をaとし、前記オフガス燃焼器5に2次エアを供給して、発電開始出力を上昇させ、水素利用率が一定割合(%)以上かどうかを判定し、一定割合(%)以上の場合は前記オフガス燃焼器5への2次エアの供給を停止する。
【0045】
電気が欲しい発電主体モードにおいては、スタック冷却水の温度を設定温度と比較し、設定温度より高い場合は3方弁9の連絡方向をbとし、前記オフガス燃焼器5への2次エアの供給を停止して、発電開始出力を上昇させ、水素利用率が一定割合(%)以上かどうかを判定し、一定割合(%)以上の場合は前記オフガス燃焼器5への2次エアの供給を停止する。
【0046】
前記スタック冷却水の温度が、設定温度より低い場合は3方弁9の連絡方向をaとし、上述の給湯モードと同様の制御が行われる。
【0047】
給湯モードおよび発電主体モードにおいても、前記水素利用率が一定割合(%)以上の場合は前記オフガス燃焼器5への2次エアの供給を停止すると、図4に示される定常運転となり、モード切替えが行なわれる。
【0048】
お湯(給湯)が欲しい給湯(主体)モードにおいては、オフガスを前記オフガス燃焼器5に供給するように制御され、オフガスを前記オフガス燃焼器5に供給して、前記3方弁9の連絡方向をaとし、水素利用率が一定割合(%)以上かどうかを判定し、一定割合(%)以上の場合は前記オフガス燃焼器5への2次エアの供給を停止する。一定割合(%)以下の場合は前記オフガス燃焼器5に2次エアを供給する。
【0049】
電気が欲しい発電主体モードにおいては、スタック冷却水の温度を設定温度と比較し、設定温度より高い場合は前記オフガスを前記燃焼バーナー2に供給するために前記3方弁9の連絡方向をbとし、前記オフガス燃焼器5への2次エアの供給を停止する。
【0050】
スタック冷却水の温度が、設定温度より低い場合は、オフガスを前記オフガス燃焼器5に供給して、前記3方弁9の連絡方向をaとし、水素利用率が一定割合(%)以上かどうかを判定し、一定割合(%)以上の場合は前記オフガス燃焼器5への2次エアの供給を停止する。一定割合(%)以下の場合は前記オフガス燃焼器5に2次エアを供給する。
【0051】
前記スタック冷却水の温度が、設定温度より低い場合は3方弁9の連絡方向をaとし、上述の給湯モードと同様の制御が行われる。
【0052】
本実施形態の燃料電池コージェネレーションシステムは、前記オフガス燃焼器5における燃料電池のアノード極41におけるオフガスの燃焼に伴うオフガス燃焼熱を、スタック冷却部42の下流側に設置された前記第1の熱交換器6による熱交換によって温水として熱回収するとともに、前記オフガス燃焼器5によって燃焼させて残ったオフガスを前記通路25を介して前記改質器燃焼バーナ2に供給して、前記改質器燃焼バーナ2によって前記残ったオフガスを燃焼させて排気するので、オフガスからの熱的なエネルギー回収を可能にするとともに、オフガス中の未燃成分を充分燃焼させた後排出するという効果を奏する。
【0053】
前記燃料電池スタック(FC)4から発生したオフガスを、本実施形態のシステム内において燃焼処理するのに改質バーナー2とオフガスバーナー5を併用して制御することにより、オフガス中の未燃成分を充分燃焼させた後排出するという利点を有する。
【0054】
熱回収が必要な場合は、前記オフガスバーナー5にエアーを混合して、オフガスバーナーにおいて、H2 を燃焼させることにより、熱回収を行うものであり、熱回収を行う量は、オフガスエアー量を調整することでコントロールできる利点を有する。
【0055】
残H2 と残メタンを前記改質バーナー2によってさらに燃焼させ排気するものであるため、オフガス中の未燃成分を充分燃焼させた後排出するという利点を有する。
【0056】
熱回収しない場合は、前記オフガスバーナー5をバイパスして全て前記改質バーナー2によって処理するように制御されるとともに、改質バーナーの温度が上がりすぎた場合は、オフガスバーナー5において全量H2 を処理するか、異常時は全て放出するように制御される。
【0057】
本実施形態のFC発電機システムにおけるオフガスを処理する方法としては、前記オフガスバーナー5と前記改質器バーナー2を直列化することで熱回収量の調整と残メタンの処理を行える様になっているので、前記オフガス燃焼器5においては、触媒燃焼においてはH2 を燃焼させ熱回収を行うとともに、混合するエアー量を調整することで熱回収量をコントロールして、さらに残ったオフガスを前記改質バーナー2において、燃焼させ排気するものである。
【0058】
本実施形態のシステムは、前記オフガス燃焼器5に全く流さない回路も備えており、全量改質バーナー2で燃焼させることを可能にする。
【0059】
また本実施形態のシステムは、前記改質バーナー2の温度異常等がある場合には、前記改質バーナー2に前記オフガスを供給しないで排出する回路も備えており、前記改質バーナー2の温度異常を助長することを回避するという利点を有する。
【0060】
さらに本実施形態のシステムは、システムの起動時に燃料電池スタック4の冷却水の温度を、燃料電池のアノード極41における前記オフガスによる廃熱によって、早く効率よく暖めることを可能にするという利点を有する。
【0061】
上述したように本実施形態のシステムは、従来におけるオフガスをオフガスバーナーのみで処理する場合は、オフガスバーナーの構成上未改質の改質ガスが排気ガスと共に放出されてしまうという問題を回避するものである。
【0062】
またオフガスを改質バーナー2のみで処理する場合は、負荷変動時オフガス量が変化して場合によっては処理できない程の量が発生してしまい改質バーナーが高温異常になってしまうことがあり、かかる事態を回避するものである。
【0063】
上述の実施形態および実施例は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0064】
上述の実施形態および実施例においては、一例として熱交換器を用いる例について説明したが、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、燃料電池のアノード極オフガスを燃焼させるための触媒燃焼器と、前記オフガス燃焼器によって燃焼させて残ったオフガスを改質器バーナに供給する通路を備え、前記改質器燃焼バーナによって前記触媒燃焼器から供給された前記残ったオフガスを燃焼させて排気する燃料電池コージュネレーションシステムの変形例を採用することが出来る。
【0065】
本変形例においては、触媒燃焼器で燃えなかった分を確実に改質器バーナ(火炎燃焼)で燃やすことができること、触媒燃焼器は可燃空燃比の範囲が広く、特に空燃比制御をする必要がなくオフガスを流すだけで燃焼することができるため制御性に優れている等の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の燃料電池コージェネレーションシステムを示すブロック回路図である。
【図2】本実施形態のシステムにおけるオフガスの流れを示す回路図である。
【図3】本実施形態システムの起動時の制御手順を示すチャート図である。
【図4】本実施形態システムの定常運転時の制御手順を示すチャート図である。
【図5】従来の燃料電池用燃料改質器示す全体ブロック図である。
【図6】従来の燃料電池プラントを示すブロック回路図である。
【図7】従来の燃料電池給湯コージュネレーションシステムを示すブロック回路図である。
【図8】従来の固体高分子型燃料電池発電装置を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
2 改質器燃焼バーナ
4 燃料電池スタック
5 オフガス燃焼器
6 第1の熱交換器
8、9、10 3方向切換弁
25 通路
41 アノード極
42 スタック冷却部
Claims (6)
- 電力供給と給湯を併用供給する燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、
燃料電池のアノード極オフガスを燃焼させるためのオフガス燃焼器と、
オフガス燃焼熱を温水として熱回収するためにスタック冷却部の下流側に設置された第1の熱交換器と、
前記オフガス燃焼器によって燃焼させて残ったオフガスを改質器燃焼バーナに供給する通路を備え、
前記オフガス燃焼器と前記改質器燃焼バーナを連絡する前記通路に、前記オフガス燃焼器によって燃焼させて残ったオフガスの前記改質器燃焼バーナへの供給または排気を可能にするように供給方向を切り換える第1の方向切換弁が配設され、
前記改質器燃焼バーナによって前記オフガス燃焼器から供給された前記残ったオフガスを燃焼させて排気する
ことを特徴とする燃料電池コージェネレーションシステム。 - 請求項1において、
システムの運転状態と温水の需要に応じて改質器からの改質ガスを供給する供給先を切り換えるために供給方向を切り換える第2の方向切換弁を備えている
ことを特徴とする燃料電池コージェネレーションシステム。 - 請求項2において、
暖気運転中において、前記第2の方向切換弁を介して供給された前記改質ガスを前記オフガス燃焼器に供給する第3の方向切換弁を備え、
該オフガス燃焼器の燃焼熱を利用してスタック冷却部の冷却水を昇温する
ことを特徴とする燃料電池コージェネレーションシステム。 - 請求項3において、
定常時の給湯の需要が高い時において、前記改質ガスを前記オフガス燃焼器に供給して、該オフガス燃焼器の燃焼熱を利用してスタック冷却部の冷却水を昇温する
ことを特徴とする燃料電池コージェネレーションシステム。 - 請求項2において、
定常時の電力需要が高い時には、前記改質ガスを前記改質器燃焼バーナに供給することを特徴とする燃料電池コージェネレーションシステム。 - 請求項3において、
前記第1ないし第3の方向切換弁が、3方向の連絡関係を切換制御して前記改質器と前記改質器燃焼バーナと前記オフガス燃焼器との連絡関係を制御する三方弁によって構成されている
ことを特徴とする燃料電池コージェネレーションシステム。
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