JP2003132903A - 工業炉と固体酸化物形燃料電池とのコンバインドシステム - Google Patents

工業炉と固体酸化物形燃料電池とのコンバインドシステム

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JP2003132903A
JP2003132903A JP2001323376A JP2001323376A JP2003132903A JP 2003132903 A JP2003132903 A JP 2003132903A JP 2001323376 A JP2001323376 A JP 2001323376A JP 2001323376 A JP2001323376 A JP 2001323376A JP 2003132903 A JP2003132903 A JP 2003132903A
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heating means
furnace
power generation
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Yoshitaka Shinohara
善隆 篠原
Kiyomi Yadori
清巳 宿利
Hidehiko Yoshiwaka
秀彦 義若
Yoichi Ishibashi
洋一 石橋
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトな設備構成を有するためSOFC
(固体酸化物形燃料電池)の初期設備コストが低く、短
い作動時間でSOFCを作動温度まで昇温させることが
でき、発電運転コストに優れる、SOFCシステムを提
供する。 【解決手段】 加熱手段21を具備してなる工業炉3と、
少なくとも一部が前記工業炉内部に組み込まれてなる固
体酸化物形燃料電池1と、を有する工業炉と固体酸化物
形燃料電池とのコンバインドシステムによって上記課題
は解決される。工業炉3は、加熱炉または熱処理炉であ
ることが好ましく、加熱手段21は、バーナまたはヒータ
であることが好ましい。また、SOFC1は、外部改質
器33を備えてなることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業炉と固体酸化
物形燃料電池とのコンバインドシステムに関し、より詳
しくは、工業炉で発生した熱エネルギー(工業炉用加熱
手段、工業炉用加熱手段により加熱された内部雰囲気流
体、工業炉の排ガス等)を固体酸化物形燃料電池の加熱
に有効利用するコンバインドシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】固体酸化物形燃料電池(Solid O
xide Fuel Cell:以下「SOFC」とも
記載)は、高出力および高発電効率の達成が可能、
燃料ガスとして水素に加え一酸化炭素の使用が可能、
高温で動作、電解質が固体であるため電解質散逸の問
題がない等の特徴を有し、分散型エネルギー源として注
目されている。
【0003】図5には、SOFC101の従来例を示す。
SOFCは800〜1000℃程度もの高温で作動する
燃料電池であるため、SOFCの発電反応部105の温度
分布を均一にし、発電反応部105の反応温度を保持・調
整するため、SOFC101に供給されるSOFC用燃料1
07、SOFC用酸化剤109を予熱する専用加熱手段やレ
キュペレータ等111,113が必要となる。さらに、発電出
力が小さく発電に伴う反応熱が少ない場合などにも発電
反応部105の反応温度を保持するため、発電反応部105の
周辺にヒータ等の専用加熱手段117を設けている。そし
て、発電出力が大きく発電に伴う反応熱が多い場合は特
に、外部への放熱を避けるために相当な厚さの断熱材11
9をSOFC発電反応部105の周囲に設けている。
【0004】SOFCの起動時には、SOFCの発電反
応部105の反応温度を所定の作動温度にまで昇温させる
必要がある。SOFCの発電反応部105の反応温度を昇
温させる手段としては、前記専用加熱手段117を使用し
てSOFC101を加熱する方法、SOFC用燃料107の代
わりにSOFC起動用パージガス107’を加熱した上で
SOFC101に供給する方法、SOFC用酸化剤109を加
熱した上でSOFC101に供給する方法、これらを組み
合わせた方法などが採用されている。
【0005】また、通常、SOFC用燃料107としては
都市ガスなどの炭化水素系ガスが用いられるが、これら
は、SOFC101において発電反応を進行させるために
水素(H2)や一酸化炭素(CO)に水蒸気改質され
る。水蒸気改質は、SOFC内部に設けられSOFCの
発電反応部105からの発電反応熱を直接利用する内部改
質器と、SOFCの発電反応部105からの発電反応熱を
直接利用しない外部改質器115に大別されるが、水蒸気
改質反応は吸熱反応であるため、いずれを用いる場合で
あれ熱の供給が不可欠である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成を有する従来のSOFCは、発電反応部105の反応温
度を保持・調整するため、専用加熱手段やレキュペレー
タ等111,113,117が必要となる。従って、これらの手段
を有する分だけ、SOFCの初期設備コストが増大する
こととなる。また、外部への放熱を抑制するための断熱
材119をSOFC発電反応部105の周囲に設けなければな
らず、SOFCのコンパクト化を妨げる要因となってい
る。
【0007】SOFCの起動時にも、SOFCの発電反
応部105の反応温度を所定の作動温度にまで昇温させる
各種手段(専用加熱手段117によるSOFC101の加
熱、SOFC用燃料107の代わりにSOFC起動用パ
ージガス107’を加熱した上でSOFC101に供給、S
OFC用酸化剤109を加熱した上でSOFC101に供給、
など)がある。しかしながら、これらの手段はSOFC
の昇温が終了し、通常の発電反応が行われている間は不
必要である。つまり、これらは発電に本質的には不必要
な手段であり、SOFCの初期設備コストの増大および
SOFCの過大化の原因となっている。起動時に用いら
れる手段の設備仕様を下げてもよいが、SOFCの起動
時間の短縮が所望されていた従来のSOFCの起動時間
が更に長くなる結果を招く。
【0008】SOFCの改質器に関しても、外部改質器
115を設けた場合には新たな熱源(例えば、高温のSO
FCの排ガス125や専用加熱手段)を必要とするため、
初期設備コストの増大を招くと共に、SOFCシステム
のコンパクト化を妨げている。外部熱源を設けた場合に
は、発電運転コストの悪化の原因ともなる。
【0009】まとめると、従来のSOFCは、初期設備
コストの増大およびSOFCの過大化の要因が各種存在
していた。また、SOFCの起動時間の短縮、および、
発電運転コストに関してもより一層の改善が求められて
いた。
【0010】上記事実に鑑み、本発明は、コンパクトな
設備構成を有するためSOFCの初期設備コストが低
く、短い起動時間でSOFCを作動温度まで昇温させる
ことができ、発電運転コストに優れる、SOFCシステ
ムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討したところ、加熱手段を具備して
なる工業炉にSOFCを組み込んだコンバインドシステ
ムとすることによって、上記課題の解決が図れることを
見出し、本発明を完成させた。本発明の具体的構成は以
下の通りである。
【0012】加熱手段を具備してなる工業炉と、少なく
とも一部が前記工業炉内部に組み込まれてなる固体酸化
物形燃料電池と、を有する工業炉と固体酸化物形燃料電
池とのコンバインドシステムである。
【0013】前記工業炉は、加熱炉または熱処理炉であ
ることが好ましい。
【0014】前記加熱手段は、バーナまたはヒータであ
ることが好ましい。
【0015】前記固体酸化物形燃料電池に設けられる改
質器は、構造を簡易にするためには外部改質器であるこ
とが好ましい。
【0016】前記固体酸化物形燃料電池は、前記加熱手
段に対して周設されてなることが好ましい。
【0017】また本発明は、加熱手段を具備してなる工
業炉と、前記工業炉の排ガスが導入される経路が内部に
形成された固体酸化物形燃料電池と、を有する工業炉と
固体酸化物形燃料電池とのコンバインドシステムであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施形態は、加熱
手段を具備してなる工業炉と、少なくとも一部が前記工
業炉内部に組み込まれてなる固体酸化物形燃料電池と、
を有する工業炉と固体酸化物形燃料電池とのコンバイン
ドシステムである。以下、本発明のコンバインドシステ
ムについて図面を参照しながら詳細に説明する。図1
は、加熱手段21を具備してなる工業炉3内部に、SOF
C1が組み込まれた本発明のコンバインドシステムの正
面図(一部断面図)である。
【0019】工業炉3においては、工業炉3を加熱するた
めに加熱手段21を作動させる。工業炉3は、特に限定さ
れるものではなく、加熱炉、熱処理炉、焼却炉、ボイ
ラ、乾燥炉、熱風炉、化学反応炉などの各種工業炉を用
いることができるが、好ましくは加熱炉または熱処理炉
である。加熱炉の一般的な作動温度は1000〜135
0℃、熱処理炉の一般的な作動温度は800〜1000
℃であり、SOFC1の一般的な作動温度である800
〜1000℃と非常に近い。このため、加熱炉または熱
処理炉は、SOFC1の起動時および発電時の熱源とし
て好適である。このように、SOFCの作動温度と加熱
炉の作動温度とが近い場合に、本実施形態は特に有効で
ある。工業炉3のサイズは、工業炉3の用途に応じて選択
すればよい。
【0020】加熱手段21は、工業炉内部に備えられ、放
熱するものであれば、特に限定されるものではなく、一
般的な加熱手段を用いることができる。加熱手段21の中
では、工業炉3の内部温度の安定性を考慮すると、バー
ナまたはヒータが好ましい。加熱手段21としてバーナを
用いる場合には、バーナに、燃料24およびSOFCの排
ガス25を供給し、燃料源および酸素源として用いること
ができる。SOFCの排ガス25は、800〜1000℃
と非常に高温で、10〜20%程度のO2並びに70〜
80%程度のN2などを含んでいる。また、多少の残存
燃料も含んでいる。このため、工業炉用加熱手段21がバ
ーナなどの燃焼装置の場合には、SOFCの排ガスの持
つ顕熱を燃焼装置に利用できることから、熱交換器を介
さずに工業炉に備えられた加熱手段用酸化剤および燃料
として直接使用でき、排ガスの有効利用が図れる。
【0021】工業用のバーナについてより詳細に説明す
ると、工業用のバーナは、被加熱物体への伝熱の方式か
ら直接加熱方式と間接加熱方式とに分類される。直接加
熱方式のバーナとしては直火型バーナが挙げられ、鉄鋼
用の加熱炉や均熱炉に多く用いられる。間接加熱方式の
バーナとしてはラジアントチューブが挙げられ、ラジア
ントチューブは炉内に燃焼ガスが入らないため、炉内雰
囲気温度調整が必要な鋼板熱処理炉に多く用いられる。
鋼板熱処理炉の加熱帯には両方式が用いられ、その炉内
雰囲気温度は800〜1000℃、排ガス温度は100
0℃近くある場合がある。従って、SOFC1の加熱、
SOFC用燃料7の加熱、SOFC用酸化剤9の加熱に好
適といえる。
【0022】燃料24は都市ガス、天然ガス、COG、メ
タン、プロパン、重油、石炭等を使用でき、使用する加
熱手段21に応じて適宜選択すればよい。加熱手段21の性
能は、工業炉3の用途に応じて決定すればよい。
【0023】一方、SOFC1には、SOFC用燃料7お
よびSOFC用酸化剤9が供給され、発電が行われる。
本発明に使用されるSOFCのタイプは特に限定される
ものでなく、円筒型SOFC、平面型SOFCなど各種
SOFCを使用することができ、使用用途や、設置環境
に応じて適宜選択できる。本発明に記載の効果を発現さ
せるためには、少なくともSOFC1の一部が工業炉3に
組み込まれてなることが必要である。SOFC1の全体
が工業炉内部に組み込まれていてもよい。SOFC1の
修理や微調整における作業性を考慮すると、SOFCの
発電反応部5が存在する部分が工業炉3内部に存在し、S
OFCの発電反応部5が存在しない部分の一部がSOF
C外部に存在することが好ましい。本発明のコンバイン
ドシステムにおいては、上述のように加熱手段21により
直接的にSOFC1が加熱される。また、加熱手段21で
加熱された工業炉3の内部雰囲気流体23により間接的に
SOFC1が加熱される。SOFC1が工業炉内部に組み
込まれた場合には、SOFC1と工業炉3との間の物理的
距離が近く、また、SOFC1と工業炉3との間に特に伝
熱を妨げる部材が存在しないため、工業炉3において発
生した熱エネルギーを効率良くSOFC1の加熱に用い
ることができる。従って、起動時においては、加熱手段
21から生じる熱エネルギーを直接的または間接的に利用
することにより、SOFC1を作動温度にまで加熱する
ことが可能である。また、発電反応時においては、加熱
手段21から生じる熱エネルギーを利用してSOFCの発
電反応部5の反応温度を維持することが可能である。
【0024】また、本発明のコンバインドシステムにお
いては、加熱手段21から生じる熱エネルギーを直接的ま
たは間接的に利用して、SOFC1を加熱することがで
きるため、SOFCの発電反応部5周辺を加熱する専用
加熱手段を設けずともSOFCの発電反応部5の温度を
所望する温度に昇温し、保持することが可能となる。専
用加熱手段を設ける場合であっても、装置の簡素化が図
れる。さらに、SOFC1の周辺の工業炉内雰囲気温度
がSOFCの作動温度と近い場合には、SOFCの発電
反応部5周辺に設けられる断熱材19の厚みを削減するこ
とができ、SOFCのコンパクト化が図れる。
【0025】SOFC用燃料7は、メタン、エタンなど
の炭化水素系燃料等が例示できる。SOFC用燃料7と
して炭化水素系燃料を用いた場合には、水蒸気改質反応
によって水素および一酸化炭素に改質することが一般的
であり、必要に応じて水蒸気27が供給される。
【0026】改質が行われる改質器33は、内部改質器で
あっても外部改質器であってもよい。なお、本願におい
て「内部改質器」とは、SOFCの内部に設けられ、か
つ、SOFCの発電反応部(SOFCセル)から発せら
れる熱を直接利用する改質器をいい、SOFCの発電反
応部の側部に併設される場合などが相当する。「外部改
質器」とは、内部改質器でない形態を意味し、SOFC
の外部に設けられる場合は勿論、SOFC内部に設けら
れる場合(例えば、SOFC用燃料供給口の近傍に設け
られるケース)であっても外部から供給される熱を改質
反応に利用する改質器は外部改質器の概念に含まれるも
のである。本発明は外部改質器を用いる場合に本発明は
特に効果的である。改質器33での水蒸気改質反応は一般
的には700℃以上で好適に進行するが、本発明のコン
バインドシステムにおいては、加熱手段21および工業炉
用加熱手段により加熱された内部雰囲気流体23の有する
熱を有効に利用できるため、外部改質器用の熱源を別途
設ける必要がないからである。従って、外部改質器を用
いた場合は、改質触媒を有した改質器を発電反応部5の
近傍に設けることが好ましい。また、外部改質器を用い
た場合は、内部改質器を用いた場合と比較してSOFC
の構造をシンプルにできる利点もある。本願で定義する
SOFC外部からの熱供給を改質反応に利用する外部改
質器の中では、SOFC内部に設けられている外部改質
器が好ましい。SOFC外部に改質器がないため、設備
全体の構造をシンプルにでき、かつ、内部改質器のよう
に装置の複雑化を招来しないからである。外部改質器を
設ける場合は、加熱手段21として加熱炉または熱処理炉
を組み合わせることがより好ましい。一般的な作動温度
がそれぞれ1000〜1350℃および800〜100
0℃である加熱炉および熱処理炉を用いることが、改質
反応が効率良く進行する700℃以上にまで外部改質器
を昇温上で好都合だからである。
【0027】工業炉3内部にSOFC用燃料7の供給ライ
ンを通した場合や、SOFCの排ガス25や工業炉の排ガ
ス31を用いてSOFC用燃料7を加熱するレキュペレー
タ(図示せず)を設けてもよい。この場合には、SOF
C用燃料加熱器を削除でき、SOFCシステムの初期設
備コストを低減することも可能である。
【0028】また、工業炉3内部にSOFC用燃料7の供
給ラインを通した場合には、SOFC1の起動時に、S
OFC用燃料7の代わりに加熱手段21から生じる熱エネ
ルギーを利用して加熱されたSOFC起動用パージガス
7'をSOFCに供給することができる。このような実施
形態においては、SOFCの発電反応部5を内部と外部
との双方から急速に昇温させることができ、より一層の
SOFC起動時間の短縮が実現可能である。また、発電
を開始した後で、電気の需要に合わせたSOFC発電量
の低下や停止が必要な場合も、作動を続けている工業炉
3によって発電反応部5の温度をSOFCの作動温度に保
持できるため、通常発電量に戻すことや再スタートが容
易に行える。なお、SOFC起動用パージガス7'の代わ
りにSOFC用酸化剤9を用いて、発電反応部5の加熱を
図ってもよい。
【0029】SOFC用酸化剤9は、空気、酸素ガス、
酸素ガスの混入により酸素濃度を調整した高酸素ガスな
どを用いることができる。図1に示すように、レキュペ
レータ29を介して、工業炉の排ガス31の熱エネルギーを
SOFC用酸化剤9の昇温に利用してもよい。この場合
には、SOFC用酸化剤の専用加熱器を削除または簡素
化でき、SOFCシステムの初期設備コストを低減する
ことも可能である。
【0030】工業炉3内部においてSOFC用燃料やS
OFC用酸化剤などが流通する配管は、直管でも問題無
いが、熱交換させたい部位においては蛇管等熱交換性の
良いものにすることが好ましい。ガス搬送ラインの接続
手段は、これらに限定されるものではないが、耐火ライ
ニングを施したステンレスなどの材料を用いて、各装置
を繋ぐ配管にフランジによるボルト接合や溶接接合が挙
げられる。また、流量制御は、ガス搬送ラインに弁を設
けて制御することができる。具体的には、ステンレス、
ニッケル合金、セラミック等の耐熱材料からなる開閉率
制御の可能なバタフライ弁などをガス搬送ライン中に設
けうる。
【0031】上記説明したように本発明は、工業炉用加
熱手段21、該加熱手段により加熱された内部雰囲気流体
23および/または工業炉の排ガス31を利用して、SOF
C1、SOFC用燃料7、SOFC用酸化剤9、改質器33
を加熱するものであるが、必ずしも全ての要素を加熱す
る必要はない。SOFC1以外の被加熱物体は、実施態
様に応じて自由に選択することができる。
【0032】工業炉3にSOFC1が組み込まれた実施形
態においては、工業炉3で発生した熱がSOFC1に奪わ
れSOFC周辺の温度均一性が失われることが懸念され
るが、発電反応時は作動温度がほぼ等しくなるため、熱
の授受が殆どない。SOFC起動時においてはこのよう
な温度の不均一が生じることもありうるが、SOFC1
を工業炉3の加熱対象物から離すことや、加熱手段の供
給熱量を増大するなどの方法で、影響を少なくすること
が可能である。
【0033】続いて、本発明のコンバインドシステムの
改良形態について、図面を利用して説明する。なお、特
記しない限り、図面において同一符号が付された部分に
ついては図1で説明したものと同様の構成とすることが
できるものであり、以下の説明においては省略する。
【0034】図2は、SOFC1が、加熱手段21に対し
て周設されてなるコンバインドシステムの部分概略図で
ある。図2にはSOFCと加熱手段とが一体化してなる
実施形態を示す。「SOFC1が加熱手段21に対して周
設されている」とは、加熱手段21の放熱部の周囲をSO
FC1が取り囲むように配置されてなることを意味し、
SOFC1は連続的に配置されていても間欠的に配置さ
れていてもよい。この際、SOFCの数は1以上であれ
ばよく、複数でなくともよい。即ち、1のドーナツ状ま
たは弧状のSOFC1が加熱手段21を取り囲む形態(連
続的)であってもよく、複数のSOFC1が周囲に一定
間隔で環状に配置された形態(間欠的)であってもよ
い。このように、SOFC1を加熱手段21に対して周設
することによって、加熱手段21から発生する熱をより有
効に利用することができ、コンバインドシステムの発電
効率を高めることができる。
【0035】図2に示すコンバインドシステムにおける
ガスの流れを、簡単に説明する。工業炉3が稼動してい
る場合において、SOFC用燃料7およびSOFC用酸
化剤9がSOFC1に供給される。このとき、SOFC用
燃料7およびSOFC用酸化剤9が工業炉3内部を通過す
る構成とすることにより、これらを効果的に加熱するこ
とができる。SOFC1で発電が行われ、SOFCの排
ガス25が近接する加熱手段(バーナ)21に、加熱手段用
燃料24とともに供給され、燃料源および酸素源として使
用される。
【0036】コンバインドシステムは、図3に示すよう
にSOFC1が工業炉3の外部に存在し、工業炉の排ガス
31をSOFCの内部に導入することによってSOFC1
を加熱する形態であってもよい。工業炉の排ガス31の温
度は、例えば工業炉が加熱炉である場合は700〜10
00℃、熱処理炉でも700〜1000℃と非常に高温
であり、SOFC1の起動時の加熱・昇温および発電運
転時の熱源としては充分な熱エネルギーを有している。
このため、コンバインドシステムが工業炉3の外部にS
OFC1が存在する場合も、SOFC1が工業炉3の内部
に存在する場合と同様、工業炉3で発生する熱を有効利
用することができる。即ち、工業炉の排ガス31の有する
熱エネルギーを利用してSOFC1を速やかに作動温度
にまで昇温させることが可能であり、SOFCの立ち上
げ時間を短縮できる。SOFC1の発電時にも、SOF
Cの発電反応部5の反応温度を保持するために利用でき
る。専用加熱手段の除去またはコンパクト化を図ること
もでき、SOFCシステムの初期設備コストを削減でき
ることは言うまでもない。
【0037】SOFC用燃料7が炭化水素系燃料の場合
には、SOFCの発電反応部5を通過した燃料には、水
蒸気、二酸化炭素等が含まれている。この発電済み燃料
35をリサイクルし、再度改質器に投入してもよい(図
4)。発電済み燃料35と燃料7との混合は、エゼクター
や循環ポンプなどの混合手段37を用いることができる。
【0038】次に、コンバインドシステムの起動時の運
転方法について図1を用いて説明する。
【0039】まず、SOFC1内部には、燃料極側に燃
料極の酸化を防止するための水素・窒素を主体とした起
動用パージガス7’を、空気極側にSOFC用酸化剤9を
供給する。この状態で、工業炉3のみを起動させる。図
1に示すような実施形態においては、SOFCの排ガス
25は加熱手段21に供給され、酸化剤として使用される。
加熱手段21の輻射熱および加熱手段21で加熱されたガス
の対流によって温度上昇した内部雰囲気流体23によっ
て、SOFC1が外部から急速に加熱される。SOFC
用燃料7やSOFC用酸化剤9が加熱手段21によって直接
的または間接的に加熱される場合には、SOFC1は内
部からも加熱される。直接的に加熱される例としては、
SOFC用燃料7の配管やSOFC用酸化剤9の配管が、
工業炉3内部を通過する場合が挙げられる。間接的に加
熱される例としては、SOFC用酸化剤を加熱するレキ
ュペレータ29が設けられる場合などが挙げられる。SO
FCの発電反応部5および改質器33が所定温度にまで達
したら、起動用パージガス7'を発電燃料7へ変更し、S
OFC1による発電を徐々に開始する。
【0040】
【発明の効果】工業炉用加熱手段21および工業炉用加熱
手段21により加熱された内部雰囲気流体23を用いて、S
OFC1の起動時にはSOFCを加熱・昇温させること
ができ、SOFC1の運転時にはSOFC反応温度を維
持することができる。工業炉3から発生する熱で工業炉
内部に組み込まれたSOFC1を効率良く加熱すること
ができるため、コンバインドシステムのエネルギー効率
を高める効果も有する。
【0041】また、SOFC1の昇温のための専用加熱
手段を設けずともSOFC1を速やかに作動温度にまで
昇温させることが可能であり、また、SOFC1の立ち
上げ時間を短縮することも可能である。専用加熱手段を
設置する場合であっても、装置の簡素化を図れる。専用
加熱手段を設置しない場合および装置を簡素化する場合
は、SOFC1の初期設備コストを削減できることは言
うまでもない。
【0042】さらに、従来のSOFCにおいては、発電
出力が低い場合などにSOFCの作動温度を維持するた
めにSOFCを断熱材で取り囲む必要があったが、本発
明のようにSOFCが加熱炉内部に組み込む場合には、
少なくとも内部に組み込まれた部分に関しては、SOF
Cを取り囲む断熱材を薄くすることができる。このた
め、SOFCの初期設備コストを低減できる。この効果
は、工業炉3の内部雰囲気流体23の温度がSOFC1の発
電反応部5が必要とする温度に近い場合に大きい。
【0043】このように、本発明のコンバインドシステ
ムは、コスト競争力に優れ、コンパクトなSOFCを提
供しうるものであり、産業上の利用価値は極めて大きい
といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 工業炉とSOFCとのコンバインドシステム
(セパレート型)の一実施形態の正面図(一部断面図)
である。
【図2】 SOFCが工業炉に周設されてなる、工業炉
とSOFCとのコンバインドシステム(一体型)の一実
施形態の正面図(一部断面図)である。
【図3】 工業炉の排ガスを利用するSOFCが工業炉
の外部に設けられてなる、工業炉とSOFCとのコンバ
インドシステムの一実施形態の正面図(一部断面図)で
ある。
【図4】 発電済み燃料がリサイクルされる工業炉とS
OFCとのコンバインドシステム(セパレート型)の一
実施形態の正面図(一部断面図)である。
【図5】 従来のSOFCの一実施形態の正面図であ
る。
【符号の説明】
1、101 固体酸化物形燃料電池(SOFC) 3、103 工業炉 5、105 発電反応部 7、107 SOFC用燃料 7'、107' 起動用パージガス 9、109 SOFC用酸化剤 19、119 断熱材 21 加熱手段 23 内部雰囲気流体 24 燃料 25 SOFCの排ガス 27 水蒸気 29 レキュペレータ 31 工業炉の排ガス 31’ 工業炉の排ガス(SOFCの本体加熱
後) 33 改質器 35 発電済み燃料 37 混合手段 111、113専用加熱手段またはレキュペレータ 115 外部改質器 117 専用加熱手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 義若 秀彦 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 石橋 洋一 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 5H027 AA06 BA01 CC00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱手段を具備してなる工業炉と、少な
    くとも一部が前記工業炉内部に組み込まれてなる固体酸
    化物形燃料電池と、を有する工業炉と固体酸化物形燃料
    電池とのコンバインドシステム。
  2. 【請求項2】 前記工業炉は、加熱炉または熱処理炉で
    あることを特徴とする請求項1に記載のコンバインドシ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記加熱手段は、バーナまたはヒータで
    あることを特徴とする請求項1または2に記載のコンバ
    インドシステム。
  4. 【請求項4】 前記固体酸化物形燃料電池に設けられる
    改質器は、外部改質器であることを特徴とする請求粉1
    〜3のいずれか1項に記載のコンバインドシステム。
  5. 【請求項5】 前記固体酸化物形燃料電池は、前記加熱
    手段に対して周設されてなることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項に記載のコンバインドシステム。
  6. 【請求項6】 加熱手段を具備してなる工業炉と、前記
    工業炉の排ガスが導入される経路が内部に形成された固
    体酸化物形燃料電池と、を有する工業炉と固体酸化物形
    燃料電池とのコンバインドシステム。
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