JP2003149778A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理剤及び処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理剤及び処理方法

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JP2003149778A
JP2003149778A JP2002247426A JP2002247426A JP2003149778A JP 2003149778 A JP2003149778 A JP 2003149778A JP 2002247426 A JP2002247426 A JP 2002247426A JP 2002247426 A JP2002247426 A JP 2002247426A JP 2003149778 A JP2003149778 A JP 2003149778A
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acid
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Hiroyuki Habe
広之 羽部
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Chugai Photo Chemical Co Ltd
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Chugai Photo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理にお
いて、処理液を長期間安定させ、定着性能を向上させ、
画質の低下を防止すること。 【解決手段】 下記(a)、(b)、(c)の化合物の
いずれか一つを漂白定着処理液に添加して処理する。
(a)下記一般式[I]の構造を有し、(上記式中、R
1,R2は置換/無置換の直鎖又は分枝アルキレン基を
示し、アミノ基に置換されても良い。また、nは0〜2
であり、R11,R12,R13,R14,R15は水
素原子又は炭素数1〜4の直鎖又は分枝アルキル基でア
ミノ基,スルホン基又はヒドロキシル基に置換されても
良い。)、かつ酸解離定数(pKa)が5.5〜8.5
の範囲に持つ化合物の少なくとも一種類以上、(b)酸
解離定数(pKa)が5.5〜8.5の範囲にあるアミ
ノピリジン系化合物の少なくとも一種類以上、(c)下
記一般式[II]の構造を有する化合物の少なくとも一
種類以上。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料の処理剤及び処理方法に関する。詳しく
は、連続処理工程の定着能を有する処理工程において、
定着性能及び処理液の安定性を向上させるハロゲン化銀
カラー写真感光材料の処理剤及びそれを用いた処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀カラー写真感光材料
(以下「感光材料」という)の処理は、カラー発色現像
工程と銀除去(脱銀ともいう)工程からなり、この銀除
去工程は漂白、定着及び漂白定着工程等からなる。例え
ば現像で生じた銀は漂白工程で漂白液により酸化された
後、定着工程で定着液により溶解除去される。通常、漂
白液としては第二鉄(III)イオン錯体塩が主に用い
られ、定着液としてはチオ硫酸塩が用いられる。現在、
このような一連の処理の多くは自動現像機によって連続
工程で処理されている。自動現像機の内部には複数の処
理槽が設けられ、搬送系により感光材料が各処理槽に搬
送されて自動的に連続して処理されるようになってい
る。
【0003】ところで、現在、ハロゲン化銀カラー写真
感光材料の自動現像機はユーザーの用途に合わせて多様
化している。使用する感光材料に合わせて、特に各処理
槽の開口面積や攪拌量は現像機毎に異なっているが、漂
白定着及び定着工程槽では、各処理液が空気中の酸素と
の接触量及び時間の影響等によりpHが不安定になった
り安定性能が劣化する等して処理性能が低下してしまう
という問題がある。
【0004】また、環境問題等の影響から、各工程の処
理液の使用量の低減化及び低補充化が進み、液交換率が
低下しているために処理液の滞留時間が延び、定着成分
であるチオ硫酸が分解して硫化物を生じるという問題も
ある。
【0005】特に銀除去工程の処理液が次の工程である
水洗工程の処理槽に持ちこまれて分解し、沈殿物が生じ
ると、沈殿物により感光材料の白地が汚染されて画質が
低下したり、現像機の循環フィルターの目詰まり等のト
ラブルを生じてしまうので処理液を安定化させなくては
ならないという問題もあった。
【0006】このため、多様化した自動現像機に対応で
きて、常に安定して処理できる処理液を作製する必要が
あった。
【0007】これらの問題点を解消するために、現在は
脱銀工程の処理液のpHを上昇させたり、亜硫酸塩を過
剰添加したり、脱銀処理槽へ亜硫酸溶液を直接添加する
という対策が取られている。
【0008】しかし、漂白定着工程では、処理液のpH
を上昇すると、チオ硫酸塩の分解防止能力は向上するが
感光材料上の銀を完全に除去できず、脱銀不良を引き起
こしてしまう。また、定着工程では処理液のpHを上昇
させることでアンモニア臭が強くなり作業環境が悪くな
る。また、亜硫酸塩を過剰添加しても、例えば亜硫酸を
倍量入れたとしても、過剰添加した分だけの分解防止効
果は得られないし、過剰添加により脱銀速度が遅くなる
という弊害が生じる。また、亜硫酸を直接添加するにし
ても、分解後に亜硫酸塩を添加しても効果がないため、
分解前に添加しなくてはならず、作業性が悪いという問
題があった。
【0009】この問題を解決するために、例えば硫化防
止剤としてはスルフィン酸系化合物が日本国特許第29
94544号、特公平7−119981、特公平7−6
6172等に記載されている。また、pH緩衝剤として
イミダゾール系化合物が特開平8−190184、特開
平5−197111、特開平4−130432等に記載
されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、硫化防
止剤とpH緩衝剤の効果を併せ持つ一つの処理剤として
は期待するような効果を有するものはなかった本発明
は、上記事情を鑑みてなされたものであり、定着性能が
良く、処理液を長期間安定して使用できるハロゲン化銀
カラー写真感光材料の処理剤及びその処理剤を用いた処
理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の処
理剤及び処理方法により達成された。
【0012】本発明の処理剤は、ハロゲン化銀カラー写
真感光材料の処理剤であって、下記(a)、(b)及び
(c)のうち少なくとも一種類以上を含むことを特徴と
する。
【0013】(a)下記一般式[I]の構造を有し、一
般式[I]
【化3】
【0014】(式中、R1,R2は各々直鎖又は分岐ア
ルキレン基を示し、アミノ基に置換されていても良い。
また、nは0〜2であり、R11,R12,R13,R
14及びR15は各々水素原子又は炭素数1〜4の直鎖
又は分岐アルキル基でアミノ基,スルホン基,又はヒド
ロキシル基に置換されていても良い。)かつ酸解離定数
(pKa)が5.5〜8.5の範囲にある化合物の少な
くとも一種類以上、(b)酸解離定数(pKa)が5.
5〜8.5の範囲にあるアミノピリジン系化合物の少な
くとも一種類以上、(c)下記一般式[II]の構造を
有する化合物の少なくとも一種類以上。
【0015】
【化4】
【0016】また、本発明に係る処理方法は発色現像工
程、定着能を有する処理工程及び水洗工程を有する処理
方法であって、前記処理剤を前記定着能を有する処理工
程の処理液に添加することを特徴とする。
【0017】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
の処理剤及び処理方法によれば、上記化合物のいずれか
少なくとも一つを定着能を有する処理液に添加すること
により、チオ硫酸塩の分解による硫化物の生成を防止し
て、少ない補充量で安定した処理が可能となった。
【0018】また、前記化合物(a)、(b)及び
(c)は処理液中0.025〜5mol/lの範囲で用
いられることを特徴とする。このように本発明の処理剤
は、処理液に少量添加するだけで定着性能を向上させ、
処理液を安定化することができる。
【0019】また、前記定着能を有する処理工程はpH
6.3〜8.0の範囲で処理されることを特徴とする。
これにより経時に処理液が安定した状態で連続処理が可
能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明を適用するハロゲン
化銀カラー写真感光材料の処理剤及び処理方法について
説明する。
【0021】まず、本発明の化合物(a)、(b)及び
(c)について説明する。
【0022】本発明の化合物(a)は下記一般式[I]に
示される化合物である。
【0023】一般式
【化5】
【0024】ここで、R1,R2は直鎖又は分岐アルキ
レン基、好ましくは炭素数が2〜4のアルキレン基を示
す。また、R1、R2はアミノ基に置換されていても良
い。またnは0~2である。
【0025】R11,R12,R13,R14,R15
は各々水素原子又は炭素数1~4の直鎖又は分岐アルキ
ル基である。また、各基はアミノ基、スルホン基、又は
ヒドロキシル基に置換されていても良い。好ましくはヒ
ドロキシル基が良い。
【0026】(a)の化合物のpKaは5.5〜8.5
の範囲を有し、好ましくは6.3〜7.8の範囲が良
い。これは、5.5以下であると処理液のpHを低下さ
せて、チオ硫酸塩の分解を促進してしまい、また、8.
5以上となると、漂白能力が低下してしまうからであ
る。
【0027】このような化合物の例としては、以下の化
合物があげられる。 エチレンジアミン(pKa7.47)、N−メチルエチ
レンジアミン(pKa7.56)、N−エチルエチレン
ジアミン(pKa7.63)、N−n−プロピルエチレ
ンジアミン(pKa7.54)、N−イソプロピルエチ
レンジアミン(pKa7.70)、N−(2−ヒドロキ
シルエチル)エチレンジアミン(pKa7.21) N,N−ジメチルエチレンジアミン(pKa6.7
9)、N,N−ジエチルエチレンジアミン(pKa7.
07)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(pKa
7.47)、N,N’−ジエチルエチレンジアミン(p
Ka7.77)、N,N’−ジ−n−プロピルエチレン
ジアミン(pKa7.53)、N,N’−ジ(2−ヒド
ロキシルエチル)エチレンジアミン(pKa7.1
8)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジア
ミン(pKa6.56)、1,2−ジアミノプロパン
(pKa7.13)、meso−2,3−ジアミノプロ
パン(pKa6.92) トリエチレンテトラミン(pKa6.67)、1,2,
3−トリアミノプロパン(pKa7.95)、1,3−
ジアミノ−2−アミノメチルプロパン(pKa6.4
4)等。
【0028】(b)の化合物は酸解離定数(pKa)が
5.5〜8.5の範囲にあるアミノピリジン系化合物で
ある。好ましくはpKaが6.3〜7.8の範囲のもの
が良いが、pKaが5.5以下であると処理液のpHを
低下させて、チオ硫酸塩の分解を促進してしまい、ま
た、8.5以上となると、漂白能力が低下してしまうか
らである。具体的には、2−アミノピリジン(pKa
6.78)、3−アミノピリジン(pKa6.06)等
の化合物があげられる。
【0029】また、(c)の化合物は下記一般式[I
I]の構造を有する化合物である。
【0030】
【化6】
【0031】式中、Aは水素原子またはヒドロキシル基
を示す。また、mは4〜360である。
【0032】分子量は200〜15000である。ま
た、mは4〜8の範囲と14〜360の範囲のものが好
ましい。mが上記範囲外では該処理液が水洗槽に持ちこ
まれた際に液が濁るため外観上で好ましくなく、また、
入手・合成等が困難となり実用的ではない。
【0033】具体的にはテトラエチレンペンタミン、ペ
ンタエチレンヘキサミン及びその他mが14以上のポリ
エチレンイミンがあげられる。
【0034】上述した(a)、(b)及び(c)の例示
化合物のうち、好ましい例としてN,N−ジエチルエチ
レンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレ
ンイミン、2−アミノピリジンをあげることができる。
【0035】以上本発明に係る化合物の具体例を示した
が、本発明の化合物はこれに限定されるものではない。
【0036】本発明の処理剤は、上述した化合物の
(a)、(b)及び(c)の少なくとも一種を含み、各
々単独でも組み合わせても良い。
【0037】本発明の化合物は、定着能を有する処理工
程で用いる処理液に添加することが好ましい。ここで、
定着能を有する処理液とは、定着液又は漂白定着液のい
ずれでも良い。濃度は0.0025〜5mol/lの範
囲が好ましい。
【0038】次に、本発明の処理方法を説明する。本発
明の処理方法は、原則として、発色現像工程、脱銀工
程、水洗工程とを含む。すなわち、発色現像工程におい
て発色現像液を使用して現像され、次いで該現像で生じ
た銀を脱銀工程において酸化・溶解し、さらに水洗工程
にて水洗除去または防黴剤や色素の安定化剤を含む安定
化工程にて洗浄することにより一連の現像処理が行われ
る。また、通常は水洗工程の後に、処理を終えた感光材
料を乾燥させる乾燥工程を設けるのが好ましい。
【0039】ここで、脱銀処理工程は、基本的には、現
像で生じた銀を漂白液により酸化する漂白工程と、酸化
された銀を定着液により溶解可能な銀塩に変える定着工
程とから構成されている。ただし、漂白工程と定着工程
は、各々漂白液と定着液とを用いて別工程として処理す
ることもできるが、漂白液と定着液とを混合し漂白と定
着を同時に行うことができるようにした漂白定着液を用
い、漂白工程と定着工程とを一体化して行うこともでき
る(漂白定着工程)。また、処理工程によっては、漂白
工程、定着工程及び漂白定着工程を各々適宜組み合わせ
ることができ、例えば漂白又は定着を行った後にさらに
漂白定着液による漂白定着工程を設けることもできる。
すなわち、本発明の処理方法については、具体的には次
のような手順を例示することができる。ただし、本発明
の処理方法は、これらに限定されるものではない。
【0040】 (i) 発色現像−漂白−定着−水洗(安定)−乾燥 (ii) 発色現像−漂白−漂白定着−水洗(安定)−乾燥 (iii) 発色現像−定着−漂白定着−水洗(安定)−乾燥 (iv) 発色現像−漂白定着−水洗(安定)−乾燥 自動現像機では内部に所定条件に調整された各工程の処
理液を充填した処理槽を複数設け、感光材料を搬送系に
より自動搬送しながら順次処理液と接触させて連続的に
処理が行われる。また、各工程の処理液は、適宜補充さ
れるようになっており、その補充量は通常感光材料の表
面積や感材の種類等により決定される。
【0041】本発明の処理剤は発色現像以外の工程の処
理液に添加できるが、一つの工程の処理液に添加しただ
けでも良い。特に脱銀工程(漂白、定着、漂白定着工
程)、すなわち定着能を有する処理工程に添加すること
が好ましい。連続処理においては、例えば上記(i)の
場合には定着槽に添加しても良いし、あるいは漂白槽に
添加して、キャリーオーバーにより定着槽に持ち込まれ
るようにしても良い。(ii)、(iii)の場合には
漂白又は定着槽に添加しても、漂白定着槽に添加しても
良い。
【0042】また、水洗(安定)工程は、単槽、多段向
流カスケード方式、多段並流方式など任意の方式を採用
することができるが、例えば多段向流カスケード方式が
好ましい。
【0043】多段向流カスケード方式は自動現像機内の
水洗槽を2つ以上設け、最終槽にリンス液を供給して、
補充された液がオーバーフローすることにより順次前槽
に流れ込むようになっており、最前の槽から廃液を排出
する構成となっている。この場合、感光材料の処理方向
と逆の方向から処理液を流すことになるので、感光材料
に付着した塩類を段々と清浄な処理液で水洗することが
できる。このため、少量の処理液で流水水洗同様に感光
材料の塩類を除去することができる。
【0044】以下、各工程を詳細に説明する。
【0045】発色現像工程 発色現像工程では、以下に示すような主薬、酸化防止
剤、キレート剤及びその他の添加剤を含む発色現像液を
使用する。
【0046】主薬としてはパラフェニレンジアミン系の
ものが好ましく、例えば以下のようなものが挙げられ
る。
【0047】4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチ
ルアニリン、4−アミノ−3−メチル−N−(β−ヒド
ロキシエチル)アニリン、4−アミノ−3−メチル−N
−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)ア
ニリン、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アニリン、4−アミノ−3−
(β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン、4−ア
ミノ−3−メチル−N(β−メトキシエチル)アニリ
ン、4−アミノ−3−ブチル−N(β−スルホン酸ブチ
ル)アニリン等。
【0048】発色現像主薬の使用量としては、0.00
5〜0.08mol/lが好ましく、より好ましくは
0.01〜0.06mol/lが良い。
【0049】酸化防止剤としては、ヒドロキシルアミ
ン、ヒドロキシルアミン誘導体が好ましい。具体的には
以下の化合物があげられる。
【0050】ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシ
ルアミン、N,N−ビス(2−スルホエチル)ヒドロキ
シルアミン等。
【0051】使用量は、好ましくは0.0005〜0.
08mol/lで、より好ましくは0.01〜0.06
mol/lが良い。
【0052】また、本発明の酸化防止剤としては亜硫酸
塩も使用できる。この場合の使用量は0.0005〜
0.06mol/lが好ましい。
【0053】キレート剤としては、アミノポリカルボン
酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸又はホ
スホノカルボン酸等を使用することができる。
【0054】具体的には、エチレンジアミン四酢酸、ニ
トリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘ
キサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニ
トリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレ
ンジアミンテトラメチレンホスホン酸、等を用いること
が好ましく、その使用量は0.1〜5.0g/lが好ま
しい。
【0055】アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等を用いることができる。
【0056】また、pH緩衝剤としてはアルカリ金属の
ホウ酸塩、炭酸塩、重炭酸塩及びリン酸塩等を使用する
ことができる。
【0057】その他にも、現像抑制剤等として、アルカ
リ金属の塩化物塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンゾイミダ
ゾール類、ベンゾチアゾール類を用いることもできる。
【0058】また、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、N−メチル−2−
ピロリドンなどの有機溶剤を添加しても良い。
【0059】さらに、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル等の界面活性剤やトリアジニルスチルベン
系の蛍光増白剤を添加することもできる。
【0060】本発明の発色現像剤のpHとしては、9.
0〜11.0が好ましく、9.5〜10.5がより好ま
しい。また、補充液の補充量は感光材料1m当り15
〜2000mlが好ましい。
【0061】また、発色現像工程の処理時間は20秒〜
4分が好ましく、処理温度は30℃〜45℃が好まし
い。
【0062】脱銀工程 ここでいう脱銀工程には、上述した漂白工程、定着工
程、及び漂白工程と定着工程とを一体化した漂白定着工
程、ならびにこれらの工程を適宜組み合わせた処理工程
が含まれる。
【0063】本発明における脱銀工程の処理液としては
例えば漂白工程で用いる漂白液、定着工程で用いる定着
液、及び漂白定着工程で用いる漂白定着液等があげられ
る。
【0064】本発明の処理剤は、通常の漂白、定着、又
は漂白定着液と併用することでその性能が顕著に発揮で
きる。その使用量は、処理液中0.025〜5mol/
lの範囲であることが好ましい。添加量が少なすぎる場
合には液安定化効果が小さくなり、また、多すぎる場合
には実用的ではなくなってしまう。
【0065】また、本発明の脱銀工程では、漂白液、定
着液又は漂白定着液を補充しながら処理される。漂白液
の補充量は10〜2000ml/mが好ましく、15
〜1000ml/mが更に好ましい。また、定着液の
補充量は10〜2000ml/mが好ましく、15〜
1000ml/mが更に好ましい。また、漂白定着液
の補充量は、15〜1000ml/mが好ましく、2
5〜700ml/mが更に好ましい。
【0066】本発明の脱銀工程はpH6.3〜8.0の
範囲で行われる。この範囲内であれば経時的に安定して
処理できる。
【0067】本発明の処理剤は、漂白−定着処理工程の
処理を行う処理槽のいずれにも添加できる。例えば、漂
白槽に添加して、連続処理として定着槽に持ちこむよう
にしても良いし、また、漂白定着槽の場合には、漂白液
又は定着液のどちらかに添加して、処理時に混合するよ
うにしても良い。
【0068】漂白工程 本発明に係る漂白工程では、後述するような漂白主薬、
漂白促進剤、再ハロゲン化剤、pH緩衝剤及びその他の
添加剤を含む漂白液を使用することができる。
【0069】漂白主薬としてはアミノポリカルボン酸鉄
(III)塩や過硫酸等が使用される。具体的には、エ
チレンジアミン四酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢
酸ジエチレントリアミン五酢酸、1,2−シクロヘキサ
ンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、メチルイミノ二酢
酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシメチルイミノ二酢酸、
N−(2−カルボキシエチル)イミノ二酢酸、N−(2
−カルボキシメチル)イミノ二酢酸、β−アラニン二酢
酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸、1,3
−プロパンジアミンーN,N’−ジコハク酸、エチレン
ジアミン−N,N’−ジマロン酸、1,3−プロパンジ
アミンーN,N’−ジマロン酸等の鉄(III)塩を使
用することができる。
【0070】使用量としては、0.005〜2mol/
lが好ましく、0.01〜1.0mol/lがより好ま
しい。
【0071】本発明の漂白液には、例えばメルカプト化
合物や、ジスルフィド化合物、チオール化合物等の漂白
促進剤を使用することができる。
【0072】また、再ハロゲン化剤として、例えばアル
カリ金属の臭化物塩、沃化物塩、臭化アンモニウム等を
使用することができる。
【0073】また、pH緩衝剤として、例えば酢酸、コ
ハク酸、マロン酸、マレイン酸、グルタル酸、シュウ酸
等の有機酸を使用することができる。
【0074】また、処理槽のステンレスの腐食を防止す
るために、腐食防止剤として硝酸アンモニウムや硝酸ナ
トリウム等の硝酸塩を使用する。硝酸化合物の濃度は、
0.3〜4.0mol/Lが好ましく、より好ましくは
0.5〜3.5mol/Lの範囲が良い。
【0075】本発明の漂白液の場合、pHは3.0〜
6.0が好ましく、4.0〜5.0がより好ましい。ま
た、連続処理における漂白液の補充量は感光材料1m
あたり25〜200mlが好ましい。
【0076】本発明の漂白処理時間は20秒〜7分が好
ましく、処理温度は30〜45℃が好ましい。
【0077】定着工程 本発明に係る定着工程には以下に示す定着主薬や分解防
止剤、キレート剤及びその他の添加剤を含む定着液を使
用する。
【0078】定着主薬にはチオ硫酸アンモニウムやチオ
硫酸ナトリウム等のチオ硫酸塩が好ましく用いられる。
また、その他公知の定着剤であるチオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム
等のチオシアン酸塩、エチレンビスチオグリコール等の
チオエーテル化合物及びチオ尿素を2種以上併用しても
良い。
【0079】定着主薬の濃度としては0.1〜5.0m
ol/lで使用し、好ましくは0.3〜4.0mol/
l、より好ましくは0.5〜3.0mol/Lが良い。
【0080】分解防止剤としては、亜硫酸アンモニウ
ム、亜硫酸カリウム及び亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸
塩、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸カリウム及び重亜
硫酸ナトリウム等の重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸アンモニ
ウム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム
等のメタ重亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン類、アスコル
ビン酸等のレダクトン類及びスルフィン酸等を必要に応
じて使用することができる。
【0081】これら分解防止剤は0.001〜1.5m
ol/lの範囲で使用するが、好ましくは0.03〜
1.0mol/l、より好ましくは0.05〜0.5m
ol/lの範囲が良い。
【0082】キレート剤としてはアミノポリカルボン
酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸及びホ
スホノカルボン酸等を使用することができる。
【0083】具体的には、エチレンジアミン四酢酸、
1,2−プロピレンジアミン四酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、
イミノ二酢酸、メチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、
ヒドロキシメチルイミノ二酢酸、N−(2−カルボキシ
エチル)イミノ二酢酸、N−(2−カルボキシメチル)
イミノ二酢酸、β−アラニン二酢酸、ヒドロキシエチル
イミノ二酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジ
ホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホス
ホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、
等をあげることができる。
【0084】また、キレート剤の使用量は0.1〜5g
/lが好ましい。
【0085】本発明の定着液のpHは6.3〜8.0が
好ましく、6.8〜7.5がより好ましい。また、連続
処理における定着液の補充量は感光材料1m当り15
〜1000mlが好ましい。
【0086】定着処理工程の処理時間は20秒〜5分が
好ましい。また、処理温度は30〜45℃が好ましい。
【0087】漂白定着工程 本発明に係る漂白定着工程には漂白主薬、定着主薬、漂
白定着促進剤、分解防止剤、キレート剤等を含む漂白定
着液を使用することができる。
【0088】漂白主薬には、前述の漂白液と同様に、ア
ミノポリカルボン酸鉄(III)塩や過硫酸などを使用
することができる。漂白液には、第二鉄錯塩として予め
錯形成された鉄錯塩を使用しても良く、また、硫酸第二
鉄塩、硝酸鉄(III)、塩化第二鉄等と錯形成化合物
を漂白液に共存させて溶液内で錯形成させても良い。
【0089】アミノポリカルボン酸の具体例としては、
エチレンジアミン四酢酸、1,3−プロパンジアミン四
酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,2−シクロヘ
キサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、メチルイミノ二
酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシメチルイミノ二酢
酸、N−(2−カルボキシエチル)イミノ二酢酸、N−
(2−カルボキシメチル)イミノ二酢酸、β−アラニン
二酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸、
1,3−プロパンジアミン−N,N’−ジコハク酸、エ
チレンジアミン−N,N’−ジマロン酸、1,3−プロ
パンジアミン−N,N’−ジマロン酸、等があげられ
る。
【0090】漂白主薬の使用量としては好ましくは0.
005〜2mol/lが良く、より好ましくは0.01
〜1mol/lが良い。
【0091】定着主薬としてチオ硫酸アンモニウム、チ
オ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸塩が好ましく用いられ
る。また、その他公知の定着剤であるチオシアン酸ナト
リウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニ
ウム等のチオシアン酸塩、エチレンビスチオグリコール
酸等のチオエーテル化合物及びチオ尿素を2種類以上併
用しても良い。
【0092】定着主薬の使用量は、0.005〜5.0
mol/lの範囲であり、好ましくは0.01〜2.5
mol/l、より好ましくは0.01〜1.0mol/
lの範囲である。
【0093】漂白定着液に使用される漂白定着促進剤に
は、例えば、メルカプト化合物や、その他ジスルフィド
化合物及びチオール化合物などがあげられる。
【0094】具体的には3−メルカプト−1,2,4−
トリアゾール、ジエチルアミノエタンチオール等をあげ
ることができる。
【0095】また、分解防止剤としては、亜硫酸アンモ
ニウム、亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩、重亜硫酸アン
モニウム、重亜硫酸カリウム等の重亜硫酸塩、メタ重亜
硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸カリウム等のメタ重亜
硫酸塩、ヒドロキシルアミン類、アスコルビン酸等のレ
ダクトン類及びスルフィン酸等を必要に応じて使用する
ことができる。
【0096】分解防止剤の使用量は、0.005〜3.
0mol/lの範囲で使用できるが、好ましくは0.0
05〜2.0mol/l、より好ましくは0.005〜
1.0mol/lの範囲が良い。
【0097】キレート剤としては、前述の定着液と同様
に、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、ア
ルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸等を含有するこ
とができ、使用量としては0.1〜5.0g/lが好ま
しい。
【0098】本発明に適用される漂白定着液のpHとし
ては、6.3〜8.0が好ましい。
【0099】pHが5.5以下になると定着成分の分解
を促進してしまい、8.5以上だと漂白能力が低下して
しまう。
【0100】また、漂白定着液の処理時間は20〜12
0秒が好ましく、処理温度は30〜45℃が好ましい。
【0101】水洗工程 本発明の水洗工程は大量の水洗水に代わってケミカルリ
ンス剤、水滴防止剤、防菌防黴剤、キレート剤、色素安
定化剤等を含むリンス液を使用することができる。
【0102】水滴防止剤として界面活性剤を使用するこ
とができる。特にノニオン系界面活性剤が好ましい。
【0103】防菌防黴剤としては、イソチアゾリン系化
合物やハロゲン放出型化合物などを使用することができ
る。
【0104】キレート剤は、前述の発色現像液や漂白定
着液と同じものを使用することができる。
【0105】色素安定化剤としてはホルマリン、アルデ
ヒド類あるいはメチロール尿素、又はヘキサメチレンテ
トラミンなどのホルマリン放出化合物を使用することが
できる。
【0106】また、乾燥後の感光材料への静電気による
ゴミの付着防止のために、スルホコハク酸ジオクチルエ
ーテル、ラウロイルサルコシンナトリウム、塩化ジステ
アリルジメチルアンモニウム等の帯電防止剤や、トリア
ジニルスチルベン系の蛍光増白剤等を含有することもで
きる。
【0107】また、ジエチレングリコール、エタノー
ル、エチレングリコール、N−メチル−2−ピロリド
ン、ブチルセルソルブ、γ−ブチロラクトン、トリエタ
ノールアミン等の有機溶剤を使用できる。
【0108】また、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、マ
レイン酸、グリシン、タウリン、グリコール酸等の有機
酸をpH緩衝剤として使用しても良い。
【0109】リンス液の補充量は、感光材料1m当り
25〜2500mlが好ましい。
【0110】リンス液のpHは3〜9が好ましく、より
好ましくは4〜8が良い。また、連続処理におけるリン
ス液の補充量は感光材料1m当り25〜2500ml
が好ましく、150〜1800mlがより好ましい。
【0111】また、処理温度としては30〜45℃が好
ましい。また、処理時間は15秒〜10分が好ましく、
特に30秒〜5分が好ましい。
【0112】本発明に係る水洗処理槽については、単
槽、多段向流カスケード方式、多段並流方式など任意の
方式を採用することができるが、多段向流カスケード方
式が好ましい。
【0113】多段向流カスケード方式では、流水処理槽
が通常2槽以上あり、この最終槽に補充された液がオー
バーフローすることにより順次前槽に流れ込む構造にな
っており、最終槽の塩類濃度が最も低い構造となってい
る。このため、少量の処理液で流水水洗同様に感光材料
の塩類を除去することができる。また、処理槽の数は2
〜8が好ましい。
【0114】乾燥工程 この工程は、各処理工程で処理を終えた感光材料を温風
で乾燥させるものであり、従来公知の方法で行うことが
できる。乾燥温度は50〜80℃、乾燥時間は30秒〜
5分である。
【0115】本発明に関わる写真感光材料としては、通
常の多層ハロゲン化銀写真感光材料(例えばカラーネガ
ティブフィルム、カラーリバーサルフィルム、カラーポ
ジティブフィルム、映画用カラーネガティブフィルム、
カラーポジティブフィルム、カラー印画紙、反転カラー
印画紙、直接ポジカラー印画紙等)及びレーザースキャ
ナ用赤外光用感材等を上げることができる。
【0116】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明の詳細を説明す
る。ただし、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0117】実施例1 ランニング試験1 目的:開口面積が大きい(チオ硫酸塩の分解が起きやす
い)自動現像機を使用する場合、少ない処理量でランニ
ングを続けると、分解による弊害が起こってしまう。そ
こで、下記要領で試験を行い、分解によるトラブル防止
能を調査した。
【0118】 <発色現像液の調整> 85wt%N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 1.5g 80%トリエタノールアミン 15g スチルベン系蛍光増白剤 10g 49wt%炭酸カリウム 65g CD−3 (4−アミノ−メチル−N−メチル−N−[(β−メタンスルホンアミド)エチ ル]アニリン3/2硫酸1水塩) 4.5g 水を加えて1L pH10.0に調整
【0119】 <発色現像補充液の調整> 85wt%N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 5g 80%トリエタノールアミン 15g スチルベン系蛍光増白剤 10g KOH(フレーク) 10g 49wt%炭酸カリウム 65g CD−3 15g 水を加えて1L pH12.6に調整 <漂白定着補充液の調整> エチレンジアミン・Fe(III)アンモニウム塩 0.35mol チオ硫酸アンモニウム塩 1.22mol 重亜硫酸アンモニウム 0.52mol 本発明の化合物 表1 エチレンジアミン四酢酸 0.04mol 水を加えて1Lに調整 硝酸及びアンモニアでpH6.1に調整
【表1】
【0120】<漂白定着液の調整>上記漂白定着補充液を
50%希釈したものを使用した。
【0121】<水洗液の調整>2−ブロモ−2−ニトロ−
プロパンジオール0.005mol/l水溶液を使用し
た。
【0122】<試験条件> 自動現像機:QSS2301(ノーリツ鋼機社製) 処理量:L判換算500枚/日 試験期間:1ヶ月 処理感材:アクリンMVペーパー(中外写真薬品製)処
理工程:以下に示す工程で感材を処理した 工程 時間 温度 発色現像 46秒 38℃ 漂白定着 46秒 38℃ 水洗(安定 1分31秒 35℃ 乾燥 31秒 65℃ 評価方法: 1.漂白定着槽及び水洗(安定)処理槽の1,2槽目の
フィルターに付着した分解物量の目視評価 2.水洗(安定)処理槽の1,2槽目で生じた分解物の
付着による感材のイエローステインの上昇の有無 アクリンMV2コントロールストリップ(中外写真薬品
社製)を処理し、ステイン濃度をX−RITE pho
tographic Densitiometer31
0(X−RITE社製)で測定し、イエローステインに
ついて対照コントロールストリップとの濃度差を測定し
た。この濃度差、すなわちイエローステイン上昇値が
0.05未満を合格とした。
【0123】3.脱銀能力の調査 アクリンMV2コントロールストリップ(中外写真薬品
社製)を処理し、処理済コントロールストリップのイエ
ローパッチのビジュアル濃度を測定した。測定はX−R
ITE photographic Densitio
meter310を使用した。この測定で、イエロービ
ジュアル濃度が0.25以上を脱銀不良とした。
【0124】以下、表2に本試験の結果を示す。
【0125】
【表2】
【0126】注)添加量単位:mol/L 補充量単位:ml/m2 表中、 −:全く分解物の付着がない +:フィルターに微量の分解物の付着がある ++:フィルターに少量の分解物の付着がある +++:フィルターに多量の分解物の付着がある を表す。従来の化合物を添加した比較例と比較して、本
発明の化合物を添加した処理液を用いた実験では全て付
着物もなく、Yステイン値も低く抑えることができた。
【0127】実施例2 ランニング試験2 目的:開口面積が低く、酸化によるpH低下が起き難い
自動現像機で、処理量が多いランニング処理を行うと、
ランニングpHが必要以上に上昇して脱銀不良を生じ
る。そこで、下記条件で脱銀不良の防止能力を調査し
た。
【0128】<処理液の調整>漂白定着液以外は、実施例
1と同様に調整した。
【0129】 <漂白定着補充液の調整> エチレンジアミン・Fe(III)アンモニウム塩 0.35mol チオ硫酸アンモニウム塩 1.22mol 重亜硫酸アンモニウム 0.52mol 本発明の化合物 表3 エチレンジアミン四酢酸 0.04mol 水を加えて1Lに調整 硝酸及びアンモニアでpH6.1に調整
【表3】
【0130】<漂白定着液の調整>上記漂白定着補充液を
50%希釈したものを使用した。
【0131】<試験条件> 自動現像機:QSS1201(ノーリツ鋼機社製) 処理量:L判換算1500枚/日 試験期間:1ヶ月
【0132】処理感材:アクリンMVペーパー(中外写
真薬品社製) 評価方法:1.試験終了後のランニング液pH 2.脱銀能力の調査(イエローDmaxのビジュアル濃
度) アクリンMV2コントロールストリップ(中外写真薬品
社製)を処理し、処理後該コントロールストリップのイ
エローパッチのビジュアル濃度を測定した。濃度測定に
はX−RITEphotographic Densi
tiometer310を使用した。
【0133】3.フィルターに付着した分解物の目視評
価(実施例1と同様) <結果>以下、表4に本試験の結果を示す。
【0134】
【表4】
【0135】注)添加量単位:mol/L 補充量単位:ml/m2 表中、付着物の有無の評価は実施例1と同様にした。
【0136】試験の結果、従来化合物と比較して、本発
明の化合物を添加した試験は全て付着物もなく、脱銀能
力も良好に維持され、しかも処理液のpHも好ましい範
囲内で安定化できることがわかった。
【0137】実施例3 分解防止能試験 目的:恒温槽内で漂白定着液(補充液を使用)の強制硫
化時間を測定して、分解防止能力を調査した。
【0138】 <漂白定着補充液の調整> エチレンジアミン・Fe(III)アンモニウム塩 0.35mol チオ硫酸アンモニウム塩 1.22mol 重亜硫酸アンモニウム 0.52mol 本発明の化合物 表5 エチレンジアミン四酢酸 0.04mol 水を加えて1Lに調整 硝酸及びアンモニアでpH6.1に調整
【表5】
【0139】<試験条件> 温度:100℃ 評価方法:放置開始〜分解までの時間を測定 <結果>以下、本試験の結果を表6に示す
【表6】
【0140】注)添加量単位:mol/L この結果によれば、従来化合物と比較して、本発明の化
合物を添加した処理液は分解防止能力が非常に優れてい
ることがわかった。
【0141】実施例4 ランニング試験3 目的:フィルム処理用自動現像機を使用して、処理量が
少ないランニング処理を行うと、定着液及び安定化液中
において(チオ硫酸塩の)分解による弊害が生じる。こ
のため、下記試験条件で分解防止能を調査した。
【0142】 <処理液の調整> <発色現像補充液> 臭化ナトリウム 3.00mol (NH2OH)2・H2SO4 0.04mol 重亜硫酸ソーダ 2g 49wt%炭酸カリウム 80g CD−4(4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2´−ヒドロキシル エチル)アニリン1硫酸塩) 0.02mol 水を加えて1L KOH、硫酸でpH10.15に調整 <発色現像液> 臭化ナトリウム 0.013mol (NH2OH)2・H2SO4 0.03mol 重亜硫酸ソーダ 1.5g 49wt%炭酸カリウム 80g CD−4(4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2´−ヒドロキシル エチル)アニリン1硫酸塩) 0.015mol 水を加えて1L KOH、硫酸でpH10.15に調整 <漂白補充液> 酢酸 1.2mol 1,3−PDTA第二鉄塩 0.45mol 臭化アンモニウム 100g 硝酸アンモニウム 100g 水を加えて1L pH3.5に調整 <漂白液> 漂白補充液を70%希釈したものをpH4.5に調整した。
【0143】 <定着補充液> チオ硫酸アンモニウム塩 1.22mol 重亜硫酸アンモニウム 0.52mol 本発明の化合物 表7 エチレンジアミン四酢酸 0.04mol 水を加えて1L pH6.85に調整
【表7】
【0144】<定着液>定着補充液を50%希釈したもの
をpH6.85に調整して使用した。
【0145】 <安定補充液> 塩化ステアリルベンジルジメチルアンモニウム 0.04g ウェットール(中外写真薬品製) 0.50ml ジチオ−2,2‘−ビスベンズメチルアミド 0.3g ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.1g ジエチレングリコール 0.5g 37wt%HCHO 6.0g 水を加えて1L <安定液> 安定補充液と同組成 <試験条件> 自動現像機:QSFV50 処理量:135−24EXカラーネガフィルム10本/
日 試験期間:1ヶ月 評価方法:安定化処理槽1,2槽目のフィルターに付着
した分解物量を目視で評価した。
【0146】<結果>以下表8に本試験の結果を示す。
【0147】
【表8】
【0148】注)添加量単位:mol/L 補充量単位:ml/m 補充量は35mm幅フィルム1m当りの補充量 なお、表中付着物の有無の評価は実施例1と同様であ
る。
【0149】この結果によれば、従来の化合物と比較し
て、本発明の化合物を添加した場合は安定化処理におい
て沈殿物の発生が認められなかった。
【0150】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化合物を
少なくとも一つ漂白定着工程の処理液に添加することに
より、従来の漂白定着処理液を用いて処理した場合に比
べて定着性能が向上し、しかも液安定性も向上するとい
う好ましい効果を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)、(b)及び(c)のうち少
    なくとも一種類以上を含むことを特徴とするハロゲン化
    銀カラー写真感光材料の処理剤。 (a)下記一般式[I]の構造を有し、 一般式[I] 【化1】 (式中、R1,R2は各々直鎖又は分岐アルキレン基を
    示し、アミノ基に置換されていても良い。また、nは0
    〜2である。R11,R12,R13,R14及びR1
    5は各々水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐
    アルキル基であって、該アルキル基はアミノ基,スルホ
    ン基又はヒドロキシル基に置換されていても良い。)か
    つ酸解離定数(pKa)が5.5〜8.5の範囲にある
    化合物の少なくとも一種類以上、(b)酸解離定数(p
    Ka)が5.5〜8.5の範囲にあるアミノピリジン系
    化合物の少なくとも一種類以上、(c)下記一般式[I
    I]の構造を有する化合物の少なくとも一種類以上。 一般式[II] 【化2】 式中、Aは水素原子又はヒドロキシル基を示す。また、
    mは4〜360である。
  2. 【請求項2】 発色現像工程後、定着能を有する工程を
    含む処理方法であって、請求項1に記載の処理剤は定着
    能を有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
    光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記処理剤は、前記化合物(a)、
    (b)及び(c)のうち、少なくとも1種類を処理液中
    0.025〜5mol/lの範囲で用いられることを特
    徴とする請求項2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光
    材料の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記定着能を有する処理工程はpH6.
    3〜8.0の範囲で処理されることを特徴とするハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
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