JP2003147218A - 高分子固体電解質用樹脂組成物、高分子固体電解質及びポリマー電池 - Google Patents

高分子固体電解質用樹脂組成物、高分子固体電解質及びポリマー電池

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JP2003147218A JP2001362639A JP2001362639A JP2003147218A JP 2003147218 A JP2003147218 A JP 2003147218A JP 2001362639 A JP2001362639 A JP 2001362639A JP 2001362639 A JP2001362639 A JP 2001362639A JP 2003147218 A JP2003147218 A JP 2003147218A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】膜強度が良好でイオン伝導度が高く加工性に優
れた高分子固体電解質を提供すること。 【解決手段】特定の構造を有する硬化性樹脂(A)を
0.5重量%〜5.0重量%と可塑剤(B)と電解質
(C)を含有することを特徴とする高分子固体電解質用
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性樹脂(A)
0.5〜5.0重量%、可塑剤(B)と電解質(C)を
含有することを特徴とする高分子固体電解質用樹脂組成
物、高分子固体電解質及びポリマー電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電池、キャパシター、センサーな
どの電気化学デバイスを構成する電解質は、イオン伝導
性の点から溶液またはペースト状のものが用いられてい
るが、液漏れによる機器の損傷の恐れがあること、また
電解液を含浸させるセパレーターが必要となるため、デ
バイスの超小型化、薄型化に限界があることなどの問題
点が指摘されている。これに対して、固体電解質を用い
た製品はそのような問題がなく、また薄型化することも
容易である。さらに固体電解質は耐熱性にも優れてお
り、電池などの製品の作製工程においても有利である。
【0003】特に高分子を主成分とした固体電解質を使
用したものは、無機物に比較して、電池の柔軟性が増
し、種々の形状に加工できるメリットがある。しかしな
がら、これまで検討されてきたものは、高分子固体電解
質のイオン伝導度が低いため、取り出し電流が小さいと
いう問題を残している。たとえばエピクロルヒドリン系
ゴムと低分子量のポリエチレングリコール誘導体の混合
物に特定のアルカリ金属塩を含有させて高分子固体電解
質に応用する方法(特開平2−235957号)やポリ
エチレングリコールジアクリレートの重合反応により架
橋する方法(特開昭62−285954号)等が提案さ
れているが、フィルムとした場合の強度がなく、支持体
を必要とするという問題があり、フィルム強度、イオン
伝導度、電極との密着性などのバランスにおいてさらに
改良が望まれている。
【0004】さらに、近年、メモリーバックアップ電源
などに、活性炭、カーボンブラックなどの比表面積の大
きい炭素材料を分極性電極として、その間にイオン伝導
性溶液を配置する電気二重層コンデンサーが多用されて
きている。例えば特開昭63−244570号公報で
は、高電気伝導性を有するRb2Cu33Cl7を無機系
固体電解質として用いるコンデンサが開示されている。
また、「機能材料」1989年2月号33頁には、炭素
系分極性電極と有機電解液を用いたコンデンサが記載さ
れている。しかしながら、現在の電解質溶液を用いた電
気二重層コンデンサでは、長時間の使用や高電圧が印加
される場合などの異常時には、コンデンサの外部への液
漏れなどが発生し易いために長期使用や信頼性に問題が
ある。一方、従来の無機系イオン伝導性物質の分解電圧
が低く、出力電圧が低いという問題があった。
【0005】電池及びコンデンサにおける高分子固体電
解質層は、イオン移動だけを担っており、薄くすればす
るほど電池及びコンデンサ全体の体積を薄くでき、電
池、コンデンサのエネルギー密度を高くすることができ
る。また、高分子固体電解質層を薄くすれば、電池及び
コンデンサの電気抵抗を低下でき、取り出し電流、充電
電流を増加でき、電池のパワー密度を向上させることが
できる。また、イオン、特にアルカリ金属イオンの腐食
が起こりにくく、サイクル寿命が改善される。従って、
できるだけ膜強度が良好で、薄膜化できる高イオン伝導
度の高分子固体電解質が望まれていた。さらに、−10
℃以下等の低温環境での使用を考慮すると、充分な低温
でのイオン伝導度が必要となってくる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、数十μm程
度の薄膜とした場合にも支持体を必要としない強度を有
し、室温、低温でのイオン伝導度が高く、加工性に優れ
た高分子固体電解質用樹脂組成物を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、0.5〜5.0重量
%の特定の構造を有する硬化性樹脂(A)を含む組成物
と可塑剤(B)及び電解質(C)を含む組成物を使用す
ることにより目的を達成できることを見い出した。さら
に、この組成物を硬化して得られる高分子固体電解質を
電池に用いることにより、上記の室温や低温でのイオン
伝導度、膜強度、加工性等の問題が改善されることを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、(1)組成物中に、0.
5〜5.0重量%の硬化性樹脂(A)、可塑剤(B)及
び電解質(C)を含有することを特徴とする高分子固体
電解質用樹脂組成物、(2)組成物中に、0.5重量%
〜3.0%の硬化性樹脂(A)、可塑剤(B)及び電解
質(C)を含有することを特徴とする高分子固体電解質
用樹脂組成物、(3)硬化性樹脂(A)が反応性官能基
を1分子中に4個以上有し、反応性官能基当量が150
以下である硬化性モノマー(A−1)であることを特徴
とする上記(1)又は(2)記載の高分子固体電解質用
樹脂組成物、(4)硬化性樹脂(A)が反応性官能基を
1分子中に4個以上有し、反応性官能基当量が100以
下である硬化性モノマー(A−1)であることを特徴と
する上記(1)又は(2)記載の高分子固体電解質用樹
脂組成物、(5)硬化性モノマー(A−1)の反応性官
能基が(メタ)アクリル基であることを特徴とする上記
(3)又は(4)記載の高分子固体電解質用樹脂組成
物、(6)硬化性モノマー(A−1)が多価アルコール
1モルに対してカプロラクトンを1〜5モル反応した
(メタ)アクリレートであることを特徴とする上記
(3)ないし(5)のいずれかに記載の高分子固体電解
質用樹脂組成物、(7)硬化性モノマー(A−1)が、
ペンタエリスリトールのカプロラクトン変性テトラ(メ
タ)アクリレート、ジトリメチロールパンのカプロラク
トン変性テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールのカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレ
ート及びジペンタエリスリトールのカプロラクトン変性
ヘキサ(メタ)アクリレートから選択される一種又は2
種以上である上記(3)ないし(6)のいずれかに記載
の高分子固体電解質用樹脂組成物、(8)硬化性樹脂
(A)が主鎖にエーテル結合を有し、側鎖にエチレン性
不飽和2重結合を有し、そのエチレン性不飽和2重結合
当量が300以下の硬化性重合体(A−2)であること
を特徴とする上記(1)又は(2)記載の高分子固体電
解質用樹脂組成物、(9)硬化性重合体(A−2)が、
1分子中に水酸基を1つ以上有する化合物(A−2−
1)の水酸基と1分子中にエチレン性不飽和2重結合1
つとエポキシ基1つを有する化合物(A−2−2)のエ
ポキシ基とを反応させた重合体である上記(8)に記載
の高分子固体電解質用樹脂組成物、(10)光重合開始
剤(D)を含有する上記(1)ないし(9)のいずれか
に記載の高分子固体電解質用樹脂組成物、(11)光重
合開始剤(D)の、波長350〜450nmにおける、
最大モル吸光係数が50以上である上記(10)に記載
の高分子固体電解質用樹脂組成物、(12)熱重合開始
剤(E)を含有する上記(1)ないし(9)のいずれか
に記載の高分子固体電解質用樹脂組成物、(13)熱重
合開始剤(E)の、10時間半減期温度が10℃以上で
ある上記(12)に記載の高分子固体電解質用樹脂組成
物、(14)電解質(C)が、アルカリ金属塩、4級ア
ンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、または遷移金属塩
から選ばれた少なくとも一種である上記(1)ないし
(13)のいずれか一項に記載の高分子固体電解質用樹
脂組成物、(15)上記(1)ないし(14)のいずれ
か一に記載の高分子固体電解質用樹脂組成物の硬化物か
らなる高分子固体電解質、(16)シート状である上記
(15)に記載の高分子固体電解質、(17)上記(1
5)又は(16)に記載の高分子固体電解質を有するポ
リマー電池、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の高分子固体電解質用樹脂
組成物は、0.5〜5.0重量%の特定の構造を有する
硬化性樹脂(A)、可塑剤(B)及び電解質(C)を含
有することを特徴とし、硬化性樹脂(A)としては、特
に、硬化性モノマー(A−1)及び硬化性重合体(A−
2)が好ましい。
【0010】本発明で使用する高分子固体電解質用樹脂
組成物では、公知の反応性官能基を有する硬化性樹脂
(A)を用いることができ、反応性官能基としては、
(メタ)アクリル基、ビニル基、エポキシ基、水酸基、
カルボキシル基、イソシアネート基等を挙げることがで
き、特に、(メタ)アクリル基が好ましい。この硬化性
樹脂(A)の使用量は、樹脂組成物全体の0.5%〜
5.0重量%であることが好ましく、特に好ましくは
0.5〜3.0重量%である。5.0重量%以上だとフ
ィルム強度は優れるが、室温や低温でのイオン伝導度は
小さくなってしまい、また、0.5重量%以下だと充分
なフィルム強度が得られなくなる。
【0011】本発明で硬化性モノマー(A−1)を用い
る場合、樹脂濃度5.0重量%以下で充分なフィルム強
度が得られるようにするために、硬化性モノマー(A−
1)は、反応性官能基を1分子中に4個以上有し、反応
性官能基当量が150以下であることが好ましく、例え
ば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ
ート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が
挙げられる。更に、硬化性樹脂(A)は反応性官能基当
量が100以下であるとより好ましく、例えば、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスル
トールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート等が挙げられる。
【0012】更に、本発明で使用する硬化性モノマー
(A−1)は、多価アルコール1モルに対してカプロラ
クトンを1〜5モル反応した(メタ)アクリレートであ
ることが好ましい。多価アルコールとしては、4官能以
上の多価アルコールが好ましく、例えばペンタエリスリ
トール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリ
トール等が挙げられる。多価アルコールとカプロラクト
ンとの反応物は、例えば特公平1−58176号(特許
第1571324号)に記載されているように、多価ア
ルコール1モルに対してカプロラクトン1〜5モルを反
応させることにより得られる。具体的には、ペンタエリ
スリトールのカプロラクトン変性テトラ(メタ)アクリ
レート類、ジトリメチロールプロパンカプロラクトン変
性テトラ(メタ)アクリレート類、ジペンタエリスリト
ールカプロラクトン変性ペンタ又はヘキサ(メタ)アク
リレート類を挙げることができる。原料として用いられ
るカプロラクトンとしては例えばγー、δー又はεーカ
プロラクトンなどが挙げられ、このうち、εーカプロラ
クトンが好ましい。
【0013】又、硬化性樹脂(A)は主鎖にエーテル結
合を有し、側鎖にエチレン性不飽和2重結合を有し、そ
のエチレン性不飽和2重結合当量が300以下である重
合体(A−2)も好ましく用いることができる。硬化性
重合体(A−2)の分子量は、500〜1,000,0
00が好ましく、さらに、1,000〜500,000
であるとより好ましい。
【0014】本発明で用いる硬化性重合体(A−2)
は、1分子中に水酸基を1つ以上有する化合物(A−2
−1)と1分子中にエチレン性不飽和2重結合1つとエ
ポキシ基1つを有する化合物(A−2−2)を水酸基と
エポキシ基で反応させた重合体であると好ましい。
【0015】本発明で用いる1分子中に水酸基を1つ以
上有する化合物(A−2−1)としては、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノー
ル、メトキシエチレングリコール、メトキシポリエチレ
ングリコール、メトキシポリプロピレングリコール等の
1官能アルコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、ビスフェノールA、エトキシビスフェノールA
等の2官能アルコール類、トリメチロールプロパン、エ
トキシ化トリメチロールプロパン、プロポキシ化トリエ
チレングリコール、グリセリン、エトキシ化グリセリ
ン、プロポキシ化グリセリン、ペンタエリスリトール、
エトキシ化ペンタエリスリトール、プロポキシ化ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール、エトキシ化
ジペンタエリスリトール、プロポキシ化ジペンタエリス
リトール等の多官能アルコール類、フェノールノボラッ
ク、クレゾールノボラック等のフェノール類等が挙げら
れる。
【0016】本発明で用いる1分子中にエチレン性不飽
和2重結合を1つとエポキシ基1つを有する化合物(A
−2−2)としては、例えばグリシジル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリロイルメチルシクロヘキセンオ
キサイド、ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げら
れる。
【0017】1分子中に水酸基を1つ以上有する化合物
(A−2−1)1モルに対して、1分子中にエチレン性
不飽和2重結合1つとエポキシ基1つを有する化合物
(A−2−2)は1モル〜100,000モル反応させ
るのが好ましく、特に10モル〜50,000モルが好
ましい。化合物(A−2−1)と化合物(A−2−2)
の比率によって、硬化性重合体(A−2)の分子量を制
御することができる。
【0018】反応時に、触媒を用いることができる。触
媒としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルア
ミン、ピペラジン等のアミン類、ピリジン類、イミダゾ
ール類等の有機塩基類、ぎ酸、酢酸、プロピオン酸等の
有機酸類、硫酸、塩酸等の無機酸類、ナトリウムメチラ
ート等のアルキル金属のアルコラート類、KOH、Na
OH等のアルカリ類、BF3、ZnCl2、AlCl3
SnCl4等のルイス酸類又はそのコンプレックス類、
トリエチルアルミニウム、ジエチル亜鉛等の有機金属化
合物類を挙げることができる。これらの触媒は、反応物
に対して0.01%〜10%用いるのが好ましく、特に
0.1%〜5%が好ましい。
【0019】反応温度は使用する触媒の活性に依存する
が、−50℃〜200℃が好ましく、−30℃から10
0℃が特に好ましい。反応時間は、30分〜48時間が
好ましく、1時間〜24時間が特に好ましい。また、反
応時、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキ
シフェノール、フェノチアジン等の重合禁止剤を添加す
ることができる。
【0020】反応時、溶媒を使用することができる。溶
媒は、活性水素を有していなければ特に制限はなく、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族類、その他、エーテル、脂肪族炭化水素、エステル類
等が挙げられる。
【0021】本発明では、可塑剤(B)を用いる。本発
明の組成物中に低分子の化合物を可塑剤(B)として添
加すると、硬化して得られる高分子固体電解質のイオン
伝導度がさらに向上するので好ましい。可塑剤(B)の
添加量は、(A)成分100重量部に対して1600〜
19900重量部が好ましく、2800〜19900重
量部が特に好ましい。この添加量が多いほど高分子固体
電解質のイオン伝導度は高くなるが、多過ぎると高分子
固体電解質の機械的強度が低下する。
【0022】使用できる可塑剤(B)としては、(A)
成分との相容性が良好で、誘電率が大きく、沸点が70
℃以上であり、電気化学的安定範囲が広い化合物が適し
ている。このような可塑剤(B)としては、トリエチレ
ングリコールメチルエーテル、テトラエチレングリコー
ルジメチルエーテル等のオリゴエーテル類、エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、炭酸ビニレン、(メ
タ)アクリロイルカーボネート等のカーボネート類、ベ
ンゾニトリル、トルニトリル等の芳香族ニトリル類、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチ
ルピロリドン、スルホラン、リン酸エステル類等が挙げ
られる。この中で、オリゴエーテル類及びカーボネート
類が好ましく、カーボネート類が特に好ましい。
【0023】本発明では、電解質(C)を用いる。本発
明の組成物中の電解質(C)の割合は0.1〜50重量
%の範囲が好ましく、1〜30重量%が特に好ましい。
電解質(C)が多すぎるとイオンの移動が大きく阻害さ
れ、逆に少なすぎるとイオンの絶対量が不足となってイ
オン伝導度が小さくなる。
【0024】本発明で使用する電解質(C)としては、
特に限定されるものではなく、電荷のキャリアーとした
いイオンを含んだ電解質を用いればよいが、硬化して得
られる高分子固体電解質中での解離定数が大きいことが
望ましく、アルカリ金属塩、(CH3)4 NBF6等の4
級アンモニウム塩、(CH3)4PBF6等の4級ホスホニ
ウム塩、AgClO4等の遷移金属塩あるいは塩酸、過
塩素酸、ホウフッ化水素酸等のプロトン酸が推奨され、
例えばアルカリ金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホス
ホニウム塩または遷移金属塩が好ましい。
【0025】アルカリ金属塩としては、例えばLiCF
3SO3、LiPF6、LiClO4、LiI、LiB
4、LiSCN、LiAsF6、NaCF3SO3、Na
PF6、NaClO4、NaI、NaBF4、NaAs
6、KCF3SO3、KPF6、KI等を挙げることがで
きる。
【0026】本発明では、光重合開始剤(D)を用いる
ことができる。光重合開始剤(D)は、公知の全ての光
重合開始剤を用いることができるが、特に波長350〜
450nmの間の最大モル吸光係数が50以上であるも
のを好ましく用いることができる。この光重合開始剤
(D)を使用することにより、本発明の樹脂組成物は紫
外線硬化型の樹脂組成物となる。光重合開始剤(D)を
使用する場合、その使用量は、(A)成分100重量部
に対して、0.5〜70重量部が好ましく、1〜30重
量部が特に好ましい。
【0027】光重合開始剤(D)としては、例えば2−
ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリ
ノフェニル)ブタノン−1(チバ・スペシャリテイーケ
ミカルズ社製、イルガキュアー369)、2,4−ジエ
チルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン、ミヒラーズケトン、4,4'−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、ビスアシルフォスフィンオキサイ
ド等を挙げることができる。特に好ましいものとして
は、ビスアシルフォスフィンオキサイド等のリン系化合
物を挙げることができる。ビスアシルフォスフィンオキ
サイドとしては、例えばビス(2,4,6−トリメチル
ベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられ
る。
【0028】これらの光重合開始剤(D)は他の光重合
開始剤、例えば1−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルフ
ェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフ
ェノン、メチルフェニルグリオキシレート、2,2−ジ
エトキシアセトフェノン等と併用することもできる。
【0029】本発明では、熱重合開始剤(E)を用いる
ことができる。熱重合開始剤(E)は、公知の全ての熱
重合開始剤を用いることができるが、特に10時間半減
期温度が10℃以上であるものを好ましく用いることが
できる。この熱重合開始剤(E)を使用することによ
り、本発明の樹脂組成物は熱硬化型の樹脂組成物とな
る。熱重合開始剤(E)を使用する場合、その使用量
は、(A)成分100重量部に対して、0.5〜70重
量部が好ましく、0.1〜30重量部が特に好ましい。
【0030】熱重合開始剤(E)の具体例としては、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケ
トンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキ
サイド及びシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトン
パーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパー
オキサイド、クメンハイドロパーオキサイド及びt−ブ
チルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイ
ド、イソブチリルパーオキサイド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオ
キサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド及びp−クロロベンゾイルパーオキサ
イド等のジアシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサンー3及びトリス−(t−ブチルパ
ーオキシ)トリアジン等のジアルキルパーオキサイド、
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキサン、2,2−ジ−(t−ブチルパーオ
キシ)ブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレ
リックアシッド−n−ブチルエステル及び2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン等のパーオキシケタール、2,4,4−トリメ
チルペンチルパーオキシネオデカノエート、α−クミル
パーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシノ
ナデカノエート及びt−ブチルパーオキシピバレート等
のアルキルパーエステル、2,2,4−トリメチルペン
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパ
ーオキシ−イソブチラート、ジ−t−ブチルパーオキシ
−ヘキサヒドロテレフタラート、t−ブチルパーオキシ
−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチル
パーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート及びジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペー
ト等のアルキルパーエステル、ジ−3−メトキシパーオ
キシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シジカーボネート、ビス(4−tブチルシクロヘキシ
ル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシ
カルボニルオキシ)ヘキサン及びジエチレングリコール
−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)等のパー
カーボネート等の有機過酸化物、1,1'−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−
アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2'−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス{2
−メチル−N−[1,1ビス(ヒドロキシメチル)−2
−ヒドロキシエチル]プロピオン−アミド}、2,2'
−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチ
ル)プロピオン−アミド]、2,2'アゾビス(2−メ
チル−プロピオナミド)ジハイドレート、アゾジ−t−
オクタン及び2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミ
ド等のアゾ化合物が挙げられ、これらは単独で用いても
よく又2種以上を混合してもよい。
【0031】本発明では、前記の硬化性樹脂(A)以外
の反応性単量体(F)、反応性オリゴマー(G)等を併
用することもできる。これら反応性単量体(F)及び反
応性オリゴマー(G)の使用量は、(A)成分100重
量部に対して、各々0〜100重量部を使用することが
好ましい。
【0032】反応性単量体(F)としては、例えば、カ
ルビトール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパンポリオキシエチルトリ(メタ)アクリレ
ート等を挙げられる。
【0033】反応性オリゴマー(G)としては、例えば
ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等を
挙げられる。
【0034】ポリエステルポリ(メタ)アクリレートと
しては、例えば多価アルコールと多塩基酸あるいはその
無水物からなるポリエステルポリオールと(メタ)アク
リル酸の反応物があげられる。多価アルコールとして
は、例えばエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン
等が挙げられ、多塩基酸としては、例えばコハク酸、ア
ジピン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸、トリメリット酸等が挙げられる。
【0035】ウレタン(メタ)アクリレートとしては、
例えばポリオールと有機イソシアネートとモノヒドロキ
シル基含有(メタ)アクリレートの反応物が挙げられ
る。ポリオールとしては、例えばポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリエステルポリオー
ル、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネート
ポリオール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げら
れ、有機イソシアネートとしては、例えばトリレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙
げられる。また、モノヒドロキシル基含有(メタ)アク
リレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート等が挙げられる。エポキシ(メタ)アクリレートと
しては、例えば脂肪族ポリグリシジルエーテルと(メ
タ)アクリル酸の反応物挙げられる。脂肪族ポリグリシ
ジルエーテルとしては、例えばグリセリンジグリシジル
エーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等
が挙げられる。
【0036】本発明の高分子固体電解質用樹脂組成物
は、前記硬化性樹脂(A)、可塑剤(B)、電解質
(C)、光重合開始剤(D)及び/又は熱重合開始剤
(E)とを混合し、場合によっては、前記反応性単量体
(F)、反応性オリゴマー(G)、さらに他のポリマー
(H)及び/または溶媒(I)を添加し、均一に混合す
ることにより得ることができる。溶媒(I)を用いる場
合には、重合を阻害しない溶媒であればいかなる溶媒で
も良く、例えばテトラヒドロフラン、トルエン等を用い
ることができる。上記のような種々の組成の高分子固体
電解質用樹脂組成物においては、硬化性樹脂(A)を組
成物中0.5〜5.0重量%含有することを特徴とす
る。
【0037】本発明において、場合によって使用できる
前記ポリマー(H)としては、例えばポリエチレングリ
コール、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル類、ポリスチレン、ポリホ
スファゼン類、ポリシロキサンあるいはポリシラン等が
挙げられる。これらポリマー(H)の使用量は、(A)
成分100重量部に対して、0〜100重量部を使用す
るのが好ましい。
【0038】本発明の高分子固体電解質は、上記の高分
子固体電解質用樹脂組成物の硬化物からなる。この硬化
物は、上記の高分子固体電解質用樹脂組成物に紫外線等
の電磁波(エネルギー線)を照射し(例えば、紫外線の
場合は1〜100000mJ/cm2)重合させたり、又
は、20〜200℃で加熱して重合させたりして得るこ
とができる。特に、上記の高分子固体電解質用樹脂組成
物をシート(膜、フィルム)状等の形状に成形後に電子
線や紫外線等の電磁波を照射又は加熱して重合させ、シ
ート状重合物とすることが好ましく、加工面での自由度
が広がり、応用上の大きなメリットとなる。シート状の
高分子固体電解質を製造する場合、通常ロールコータ
ー、デイップコーター、カーテンコーター等の各種コー
ター等により支持体上に上記の高分子固体電解質用樹脂
組成物を塗布し、次いで紫外線等の電磁波を照射又は加
熱して該樹脂組成物を硬化させればよい。支持体として
は、例えばアルミ蒸着PETフィルム等が挙げられる。
表面の硬化をより確実にするために、その後他の支持体
を該樹脂組成物の硬化被膜の表面に積層し、さらに紫外
線等の電磁波を照射又は加熱してもよい。他の支持体と
しては、例えばポリプロピレンフィルム等が挙げられ
る。得られた硬化物は、通常、支持体を除去して使用さ
れる。
【0039】本発明のポリマー電池は、例えば上記の高
分子固体電解質が負極と正極で挟持された構造のもので
ある。このポリマー電池はシート状のものが好ましく、
このため高分子固体電解質、負極、正極のいずれもシー
ト状のものを使用することが好ましい。上記負極は、例
えば、負極活物質をシート状に加工したものを用いるこ
とができ、この加工の際にアルミニウム、銅、ニッケル
等の箔等の集電体や負極活物質の結着剤としてのバイン
ダー樹脂を使用することができる。負極活物質として
は、アルカリ金属イオンをキャリアーとする低酸化還元
電位の物質及びこれらの混合物を用いることにより、高
電圧、高容量の電池が得られるので好ましく、例えば、
アルカリ金属、リチウム/アルミニウム合金やリチウム
/鉛合金やリチウム/アンチモン合金等のアルカリ金属
合金及び炭素材料が挙げられる。炭素材料は、Liイオ
ンを吸蔵した場合、低酸化還元電位となり、しかも安
定、安全であるという点で特に好ましく、Liイオンを
吸蔵放出できる炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒
鉛、気相法黒鉛、石油コークス、石炭コークス、ピッチ
系炭素、ポリアセン、C60、C70 等のフラーレン類等
が挙げられる。
【0040】上記正極は、例えば、正極活物質をシート
状に加工したものを用いることができ、この加工の際に
アルミニウム、銅、ニッケル等の箔等の集電体や正極活
物質の結着剤としてのバインダー樹脂を使用することが
できる。正極活物質としては、金属酸化物、金属硫化
物、導電性高分子あるいは炭素材料のような高酸化還元
電位の物質またはこれらの混合物を用いると、高電圧、
高容量の電池が得られるので好ましい。特に、酸化コバ
ルト、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化ニッケル、
酸化モリブデン等の金属酸化物、硫化モリブデン、硫化
チタン、硫化バナジウム等の金属硫化物を使用すると充
填密度が高くため、体積容量密度が高くなるので好まし
く、一方、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化コバルト
等は高容量、高電圧という点から好ましい。また、これ
ら正極活物質を、例えば、LiCoO2やLiMnO2
の形でLi元素を金属酸化物あるいは金属硫化物に挿入
(複合)した状態で用いるのが好ましい。このようなL
i元素を挿入する方法や、米国特許第4357215号
に記載されているように、Li2CO3等の塩と金属酸化
物を混合、加熱処理する方法によって正極を調製するこ
とができる。
【0041】また柔軟で、薄膜にし易いという点では、
正極活物質として導電性高分子を使用することが好まし
い。導電性高分子としては、例えばポリアニリン、ポリ
アセチレン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導
体、ポリチエニレン及びその誘導体、ポリピリジンジイ
ル及びその誘導体、ポリイソチアナフテニレン及びその
誘導体、ポリフリレン及びその誘導体、ポリセレノフェ
ン及びその誘導体、ポリパラフェニレンビニレン、ポリ
チエニレンビニレン、ポリフリレンビニレン、ポリナフ
テニレンビニレン、ポリセレノフェンビニレン、ポリピ
リジンジイルビニレン等のポリアリレーンビニレン及び
それらの誘導体等が挙げられる。中でも有機溶媒に可溶
性のアニリン誘導体の重合体が特に好ましい。
【0042】これらの電池あるいは電極において電極活
物質として用いられる導電性高分子は、化学的あるいは
電気化学的方法あるいはその他の公知の方法に従って製
造される。
【0043】
【実施例】以下に本発明について代表的な例を示しさら
に具体的に説明する。なお、これらは説明のための単な
る例示であって、本発明はこれらに何等制限されるもの
ではない。
【0044】合成例1(硬化性重合体(A−2)の合成
例) かくはん装置及び冷却管のついた丸底フラスコに、反応
溶媒としてエチレングリコールジメチルエーテルを10
0g、(A−2−1)としてトリエチレングリコールを
15.0g、メトキシフェノールを0.1g、BF3
ーテラートを0.1g仕込み、50℃に加温した。次い
で、攪拌しながら(A−2−2)としてグリシジルメタ
クリレート85.2gを2時間かけて滴下し、10時間
反応させた。メタクリル当量167、固形分50%、重
量平均分子量2000(GPC法)の硬化性重合体用液
を得た。
【0045】合成例2(硬化性重合体(A−2)の合成
例) かくはん装置及び冷却管のついた丸底フラスコに、反応
溶媒としてエチレングリコールジメチルエーテルを10
0g、(A−2−1)としてトリエチレングリコールを
5.0g、メトキシフェノールを0.1g、BF3エー
テラートを0.1g仕込み、50℃に加温した。次い
で、攪拌しながら(A−2−2)としてグリシジルメタ
クリレート95.0gを2時間かけて滴下し、10時間
反応させた。メタクリル当量149、固形分50%、重
量平均分子量6000(GPC法)の重合体用液を得
た。
【0046】合成例3(硬化性重合体(A−2)の合成
例) かくはん装置及び冷却管のついた丸底フラスコに、反応
溶媒としてエチレングリコールジメチルエーテルを10
0g、(A−2−1)としてトリメチロールプロパンを
6.7g、メトキシフェノールを0.1g、BF3エー
テラートを0.1g仕込み、50℃に加温した。次い
で、攪拌しながら(A−2−2)としてグリシジルメタ
クリレート93.3gを2時間かけて滴下し、10時間
反応させた。メタクリル当量151、固形分50%、重
量平均分子量4000(GPC法)の重合体用液を得
た。
【0047】合成例4(硬化性重合体(A−2)の合成
例) かくはん装置及び冷却管のついた丸底フラスコに、反応
溶媒としてエチレングリコールジメチルエーテルを10
0g、(A−2−1)としてトリメチロールプロパンを
3.4g、メトキシフェノールを0.1g、BF3エー
テラートを0.1g仕込み、50℃に加温した。次い
で、攪拌しながら(A−2−2)としてグリシジルメタ
クリレート96.3gを2時間かけて滴下し、10時間
反応させた。メタクリル当量146、固形分50%、重
量平均分子量8000(GPC法)の重合体用液を得
た。
【0048】実施例1 硬化性モノマー(A−1)としてジペンタエリスリトー
ルカプロラクトン変性(εーカプロラクトン2モル変
性)ヘキサアクリレート(6官能、アクリル当量=13
4:カヤラッドDPCA−20(日本化薬株式会社
製))0.3g、可塑剤(B)としてエチレンカーボネ
ート4.85g及びジエチルカーボネート4.85g、
電解質(C)としてLiPF6 1.0g、熱重合開始
剤(E)としてベンゾイルパーオキサイド(熱重合開始
剤)0.03gをアルゴン雰囲気中でよく混合し、電解
質混合液を得た。この混合液をアルゴン雰囲気下、アル
ミ蒸着PETフィルム(30μm)のアルミ上にコータ
ーを用いて厚さ30μmに塗布後、ポリプロピレンフィ
ルム(30μm)を積層し、80℃で5時間加熱し、上
下層のフィルムから剥離することにより、約30μmの
厚さを有する透明な自立フィルムとして高分子固体電解
質を得た。このフィルムの25℃、−20℃でのイオン
伝導度を測定したところ、3.0ms/cm(25
℃)、0.3ms/cm(−20℃)であった。
【0049】実施例2 (A−1)としてジトリメチロールプロパンテトラアク
リレート(4官能、アクリル当量=116:カヤラッド
T−1420(日本化薬株式会社製))0.4g、
(B)としてエチレンカーボネート4.8g及びジエチ
ルカーボネート4.8g、(C)としてLiBF4
1.0g、光重合開始剤(D)としてビス(2,4,6
−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキ
サイド(光ラジカル重合開始剤)0.05gをアルゴン
雰囲気中でよく混合し、電解質混合液を得た。この混合
液をアルゴン雰囲気下、アルミ蒸着PETフィルム(3
0μm)のアルミ上にコーターを用いて厚さ30μmに
塗布後、高圧水銀灯で200mJ/cm2照射すること
により、高分子固体電解質を形成させた後、この高分子
固体電解質層の上からポリプロピレンフィルム(30μ
m)を積層し、さらに300mJ/cm2 高圧水銀灯を
照射後、上下層のフィルムから剥離することにより、約
30μmの厚さを有する透明な自立フィルムとして高分
子固体電解質を得た。このフィルムの25℃、−20℃
でのイオン伝導度を測定したところ、4.2ms/cm
(25℃)、0.4ms/cm(−20℃)であった。
【0050】実施例3 (A−1)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート(6官能、アクリル当量=91)とジペンタエリ
スリトールペンタアクリレート(5官能、アクリル当量
=105)の混合物(カヤラッドDPHA(日本化薬株式
会社製))0.2g、(B)としてエチレンカーボネート
4.9g及びジエチルカーボネート4.9g、(C)と
してLiPF6 1.0g、(D)としてビス(2,
4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィ
ンオキサイド(光ラジカル重合開始剤)0.05gをア
ルゴン雰囲気中でよく混合し、電解質混合液を得た。こ
の混合液をアルゴン雰囲気下、アルミ蒸着PETフィル
ム(30μm)のアルミ上にコーターを用いて厚さ30
μmに塗布後、高圧水銀灯で200mJ/cm2照射す
ることにより、高分子固体電解質を形成させた後、この
高分子固体電解質層の上からポリプロピレンフィルム
(30μm)を積層し、さらに300mJ/cm 2 高圧
水銀灯を照射後、上下層のフィルムから剥離することに
より、約30μmの厚さを有する透明な自立フィルムと
して高分子固体電解質を得た。このフィルムの25℃、
−20℃でのイオン伝導度を測定したところ、3.8m
s/cm(25℃)、0.4ms/cm(−20℃)で
あった。
【0051】実施例4 硬化性重合体(A−2)として合成例1で得た硬化性重
合体用液1.0g、(B)としてエチレンカーボネート
4.5g及びジエチルカーボネート4.5g、(C)と
してLiPF6 1.0g、(D)としてビス(2,
4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィ
ンオキサイド(光ラジカル重合開始剤)0.05gをア
ルゴン雰囲気中でよく混合し、電解質混合液を得た。こ
の混合液をアルゴン雰囲気下、アルミ蒸着PETフィル
ム(30μm)のアルミ上にコーターを用いて厚さ30
μmに塗布後、高圧水銀灯で200mJ/cm2照射す
ることにより、高分子固体電解質を形成させた後、この
高分子固体電解質層の上からポリプロピレンフィルム
(30μm)を積層し、さらに300mJ/cm2 高圧
水銀灯を照射後、上下層のフィルムから剥離することに
より、約30μmの厚さを有する透明な自立フィルムと
して高分子固体電解質を得た。このフィルムの25℃、
−20℃でのイオン伝導度を測定したところ、3.0m
s/cm(25℃)、0.3ms/cm(−20℃)で
あった。
【0052】実施例5 (A−2)として合成例2で得た重合体用液1.0g、
(B)としてエチレンカーボネート4.5g及びジエチ
ルカーボネート4.5g、(C)としてLiPF6
1.0g、(E)としてベンゾイルパーオキサイド(熱
重合開始剤)0.03gをアルゴン雰囲気中でよく混合
し、電解質混合液を得た。この混合液をアルゴン雰囲気
下、アルミ蒸着PETフィルム(30μm)のアルミ上
にコーターを用いて厚さ30μmに塗布後、ポリプロピ
レンフィルム(厚さ30μm)を積層し、80℃で5時
間加熱し、上下層のフィルムから剥離することにより、
約30μmの厚さを有する透明な自立フィルムとして高
分子固体電解質を得た。このフィルムの25℃、−20
℃でのイオン伝導度を測定したところ、2.5ms/c
m(25℃)、0.3ms/cm(−20℃)であっ
た。
【0053】実施例6 (A−2)として合成例3で得た重合体用液1.0g、
(B)としてエチレンカーボネート4.5g及びジエチ
ルカーボネート4.5g、(C)としてLiPF6
1.0g、(E)としてベンゾイルパーオキサイド(熱
重合開始剤)0.03gをアルゴン雰囲気中でよく混合
し、電解質混合液を得た。この混合液をアルゴン雰囲気
下、アルミ蒸着PETフィルム(30μm)のアルミ上
にコーターを用いて厚さ30μmに塗布後、ポリプロピ
レンフィルム(厚さ30μm)を積層し、80℃で5時
間加熱し、上下層のフィルムから剥離することにより、
約30μmの厚さを有する透明な自立フィルムとして高
分子固体電解質を得た。このフィルムの25℃、−20
℃でのイオン伝導度を測定したところ、3.0ms/c
m(25℃)、0.3ms/cm(−20℃)であっ
た。
【0054】実施例7 (A−2)として合成例4で得た重合体用液0.8g、
(B)としてエチレンカーボネート4.6g及びジエチ
ルカーボネート4.6g、(C)としてLiPF6
1.0g、(E)としてベンゾイルパーオキサイド(熱
重合開始剤)0.03gをアルゴン雰囲気中でよく混合
し、電解質混合液を得た。この混合液をアルゴン雰囲気
下、アルミ蒸着PETフィルム(30μm)のアルミ上
にコーターを用いて厚さ30μmに塗布後、ポリプロピ
レンフィルム(厚さ30μm)を積層し、80℃で5時
間加熱し、上下層のフィルムから剥離することにより、
約30μmの厚さを有する透明な自立フィルムとして高
分子固体電解質を得た。このフィルムの25℃、−20
℃でのイオン伝導度を測定したところ、3.0ms/c
m(25℃)、0.3ms/cm(−20℃)であっ
た。
【0055】実施例8 (A−1)としてジトリメチロールプロパンテトラアク
リレート(4官能、アクリル当量=116:カヤラッド
T−1420(日本化薬株式会社製))0.4g、
(B)としてエチレンカーボネート4.7g及びジエチ
ルカーボネート4.8g、(C)としてLiBF4
1.0g、光重合開始剤(D)としてビス(2,4,6
−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキ
サイド(光ラジカル重合開始剤)0.05g、反応性単
量体(F)としてトリメチロールプロパントリアクリレ
ート0.1gをアルゴン雰囲気中でよく混合し、電解質
混合液を得た。この混合液をアルゴン雰囲気下、アルミ
蒸着PETフィルム(30μm)のアルミ上にコーター
を用いて厚さ30μmに塗布後、高圧水銀灯で200m
J/cm2照射することにより、高分子固体電解質を形
成させた後、この高分子固体電解質層の上からポリプロ
ピレンフィルム(30μm)を積層し、さらに300m
J/cm2高圧水銀灯を照射後、上下層のフィルムから
剥離することにより、約30μmの厚さを有する透明な
自立フィルムとして高分子固体電解質を得た。このフィ
ルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度を測定したと
ころ、3.8ms/cm(25℃)、0.4ms/cm
(−20℃)であった。
【0056】実施例9 (A−1)としてジトリメチロールプロパンテトラアク
リレート(4官能、アクリル当量=116:カヤラッド
T−1420(日本化薬株式会社製))0.4g、
(B)としてエチレンカーボネート4.7g及びジエチ
ルカーボネート4.7g、(C)としてLiBF4
1.0g、光重合開始剤(D)としてビス(2,4,6
−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキ
サイド(光ラジカル重合開始剤)0.05g、反応性オ
リゴマー(G)としてポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテルのジアクリレ−ト0.2gをアルゴン雰囲
気中でよく混合し、電解質混合液を得た。この混合液を
アルゴン雰囲気下、アルミ蒸着PETフィルム(30μ
m)のアルミ上にコーターを用いて厚さ30μmに塗布
後、高圧水銀灯で200mJ/cm2照射することによ
り、高分子固体電解質を形成させた後、この高分子固体
電解質層の上からポリプロピレンフィルム(30μm)
を積層し、さらに300mJ/cm2高圧水銀灯を照射
後、上下層のフィルムから剥離することにより、約30
μmの厚さを有する透明な自立フィルムとして高分子固
体電解質を得た。このフィルムの25℃、−20℃での
イオン伝導度を測定したところ、3.6ms/cm(2
5℃)、0.3ms/cm(−20℃)であった。 実施例10 (A−1)としてジトリメチロールプロパンテトラアク
リレート(4官能、アクリル当量=116:カヤラッド
T−1420(日本化薬株式会社製))0.4g、
(B)としてエチレンカーボネート4.7g及びジエチ
ルカーボネート4.8g、(C)としてLiBF4
1.0g、光重合開始剤(D)としてビス(2,4,6
−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキ
サイド(光ラジカル重合開始剤)0.05g、他のポリ
マー(H)としてポリアクリロニトリル0.1gをアル
ゴン雰囲気中でよく混合し、電解質混合液を得た。この
混合液をアルゴン雰囲気下、アルミ蒸着PETフィルム
(30μm)のアルミ上にコーターを用いて厚さ30μ
mに塗布後、高圧水銀灯で200mJ/cm2照射する
ことにより、高分子固体電解質を形成させた後、この高
分子固体電解質層の上からポリプロピレンフィルム(3
0μm)を積層し、さらに300mJ/cm2 高圧水銀
灯を照射後、上下層のフィルムから剥離することによ
り、約30μmの厚さを有する透明な自立フィルムとし
て高分子固体電解質を得た。このフィルムの25℃、−
20℃でのイオン伝導度を測定したところ、3.9ms
/cm(25℃)、0.4ms/cm(−20℃)であ
った。
【0057】実施例11 硬化性重合体(A−2)として合成例1で得た硬化性重
合体用液1.0g、(B)としてエチレンカーボネート
3.9g及びジエチルカーボネート4.0g、(C)と
してLiPF6 1.0g、(D)としてビス(2,
4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィ
ンオキサイド(光ラジカル重合開始剤)0.05g、反
応性単量体(F)としてトリメチロールプロパントリア
クリレート0.1g、溶媒(I)としてテトラヒドロフ
ラン1.0gをアルゴン雰囲気中でよく混合し、電解質
混合液を得た。この混合液をアルゴン雰囲気下、アルミ
蒸着PETフィルム(30μm)のアルミ上にコーター
を用いて厚さ30μmに塗布後、高圧水銀灯で200m
J/cm2照射することにより、高分子固体電解質を形
成させた後、この高分子固体電解質層の上からポリプロ
ピレンフィルム(30μm)を積層し、さらに300m
J/cm2高圧水銀灯を照射後、上下層のフィルムから
剥離することにより、約30μmの厚さを有する透明な
自立フィルムとして高分子固体電解質を得た。このフィ
ルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度を測定したと
ころ、3.0ms/cm(25℃)、0.3ms/cm
(−20℃)であった。
【0058】比較例1 硬化性樹脂(A)の変わりにジペンタエリスリトールカ
プロラクトン変性(εーカプロラクトン12モル変性)
ヘキサアクリレート(6官能、アクリル当量=325:
カヤラッドDPCA−120(日本化薬株式会社製))
1.0g、(B)としてエチレンカーボネート4.5g
及びジエチルカーボネート4.5g、(C)としてLi
PF6 1.0g、(D)としてビス(2,4,6−ト
リメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイ
ド(光ラジカル重合開始剤)0.05gをアルゴン雰囲
気中でよく混合し、電解質混合液を得た。この混合液を
アルゴン雰囲気下、アルミ蒸着PETフィルム(30μ
m)のアルミ上にコーターを用いて厚さ30μmに塗布
後、高圧水銀灯で200mJ/cm2照射することによ
り、高分子固体電解質を形成させた後、この高分子固体
電解質層の上からポリプロピレンフィルム(30μm)
を積層し、さらに300mJ/cm2高圧水銀灯を照射
後、上下層のフィルムから剥離することにより、約30
μmの厚さを有する透明な自立フィルムとして高分子固
体電解質を得た。このフィルムの25℃、−20℃での
イオン伝導度を測定したところ、2.5ms/cm(2
5℃)、0.2ms/cm(−20℃)であった。
【0059】比較例2 硬化性樹脂(A)の変わりにエチレンオキサイド変性ト
リメチロールプロパントリアクリレート(3官能、アク
リル当量=142:カヤラッドTHE−330(日本化
薬株式会社製))0.6g、(B)としてエチレンカー
ボネート4.7g及びジエチルカーボネート4.7g、
(C)としてLiPF6 1.0g、(E)としてベン
ゾイルパーオキサイド(熱重合開始剤)0.03gをア
ルゴン雰囲気中でよく混合し、電解質混合液を得た。こ
の混合液をアルゴン雰囲気下、アルミ蒸着PETフィル
ム(30μm)のアルミ上にコーターを用いて厚さ30
μmに塗布後、80℃で5時間加熱し、約30μmの厚
さを有する透明な自立フィルムとして高分子固体電解質
を得た。このフィルムの25℃、−20℃でのイオン伝
導度を測定したところ、3.0ms/cm(25℃)、
0.2ms/cm(−20℃)であった。
【0060】比較例3 硬化性樹脂(A)の変わりにエチレンオキサイド変性ト
リメチロールプロパントリアクリレート(3官能、アク
リル当量=142)0.3g、(B)としてエチルカー
ボネート4.85g及びジエチレンカーボネート4.8
5g、(C)としてLiPF6 1.0g、(E)として
ベンゾイルパーオキサイド(熱重合開始剤)0.03g
をアルゴン雰囲気中でよく混合し、電解質混合液を得
た。この混合液をアルゴン雰囲気下、アルミ蒸着フィル
ム(30μm)のアルミ上にコーターを用いて厚さ30
μmに塗布後、80℃で5時間加熱したところ、硬化せ
ず、自立フィルムとして高分子固体電解質を得られなか
った。
【0061】上記の結果より、硬化性モノマーを用いる
場合、比較例1のように6官能であっても官能基当量が
325と大きい場合や、比較例2、3のように官能基当
量が小さくても官能基数が3と小さい場合では、樹脂濃
度3%では硬化せず、硬化に必要な樹脂濃度は大きくな
ってしまい、又、低温でのイオン伝導性も低下する。一
方、本発明の硬化性モノマーを用いた樹脂組成物を硬化
して得られた高分子固体電解質は、支持体から剥離でき
る強度を有しており、薄膜強度が良好で、高イオン伝導
性、特に低温でのイオン導電性に優れていることは明ら
かである。又、硬化性重合体(A−2)を用いた場合
は、官能基当量が比較的大きくても、得られた高分子固
体電解質は支持体から剥離できる強度を有しており、薄
膜強度が良好で、高イオン伝導性、特に低温でのイオン
伝導性が優れていることは明らかである。これは、固体
電解質中の樹脂濃度が低いことに起因している。
【0062】
【発明の効果】本発明の高分子固体電解質用樹脂組成物
は、0.5重量%〜5.0重量%の特定の構造を有する
硬化性樹脂(A)と可塑剤(B)と電解質(C)から構
成されており、薄膜加工性に優れ、膜強度が良好な薄膜
が得られ易く、この樹脂組成物を硬化して得られた高分
子固体電解質は、膜強度も良好で、また高イオン伝導性
という特徴を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/18 CEY C08J 5/18 CEY 5G301 C08K 5/00 C08K 5/00 5H024 H01B 1/06 H01B 1/06 A 5H029 H01G 9/025 H01M 6/18 E H01M 6/18 10/40 B 10/40 H01G 9/00 301G (31)優先権主張番号 特願2001−255437(P2001−255437) (32)優先日 平成13年8月27日(2001.8.27) (33)優先権主張国 日本(JP) Fターム(参考) 4F071 AA33 AB19 AC06 AC09 AC12 AC13 AC15 AC17 AC19 AE04 AE15 AF37 AF40 AG02 AG22 AH15 BA02 BB02 BB12 BC02 4J002 BG071 BQ001 DE187 ED036 EH006 EN137 EU026 EV236 EW046 EW177 EY017 FD026 FD117 GQ02 4J011 PA09 PA26 PA30 PA36 PA37 PA43 PA44 PA46 PA48 PB23 PC02 PC08 PC11 QA23 QB16 SA25 SA61 SA64 SA78 SA84 UA01 UA06 VA01 WA07 XA02 4J027 AC03 AC06 BA07 CA15 CA17 CA25 CA26 CA27 CA31 CA33 CB10 CC02 CD01 4J100 AL08Q AL67P BA03P BA03Q BA08Q CA01 CA04 FA03 JA45 5G301 CA08 CA16 CA17 CA30 CD01 5H024 AA00 AA02 AA03 AA07 AA09 AA12 BB00 CC04 EE09 FF19 FF20 FF22 GG00 HH00 HH01 HH11 5H029 AJ00 AJ11 AK02 AK03 AK05 AK16 AL06 AL07 AL12 AL18 AM06 AM16 BJ04 CJ11 EJ11 EJ12 HJ00 HJ01 HJ14

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成物中に、0.5重量%〜5.0重量%
    の硬化性樹脂(A)、可塑剤(B)及び電解質(C)を
    含有することを特徴とする高分子固体電解質用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】組成物中に、0.5重量%〜3.0%の硬
    化性樹脂(A)、可塑剤(B)及び電解質(C)を含有
    することを特徴とする高分子固体電解質用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】硬化性樹脂(A)が反応性官能基を1分子
    中に4個以上有し、反応性官能基当量が150以下であ
    る硬化性モノマー(A−1)であることを特徴とする請
    求項1又は2記載の高分子固体電解質用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】硬化性樹脂(A)が反応性官能基を1分子
    中に4個以上有し、反応性官能基当量が100以下であ
    る硬化性モノマー(A−1)であることを特徴とする請
    求項1ないし2記載の高分子固体電解質用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】硬化性モノマー(A−1)の反応性官能基
    が(メタ)アクリル基であることを特徴とする請求項3
    又は4記載の高分子固体電解質用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】硬化性モノマー(A−1)が多価アルコー
    ル1モルに対してカプロラクトンを1〜5モル反応した
    (メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項3
    ないし5のいずれか一項に記載の高分子固体電解質用樹
    脂組成物。
  7. 【請求項7】硬化性モノマー(A−1)が、ペンタエリ
    スリトールのカプロラクトン変性テトラ(メタ)アクリ
    レート、ジトリメチロールパンのカプロラクトン変性テ
    トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールの
    カプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート及びジ
    ペンタエリスリトールのカプロラクトン変性ヘキサ(メ
    タ)アクリレートから選択される一種又はニ種以上であ
    る請求項3ないし6のいずれか一項に記載の高分子固体
    電解質用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】硬化性樹脂(A)が主鎖にエーテル結合を
    有し、側鎖にエチレン性不飽和2重結合を有し、そのエ
    チレン性不飽和2重結合当量が300以下の硬化性重合
    体(A−2)であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の高分子固体電解質用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】硬化性重合体(A−2)が、1分子中に水
    酸基を1つ以上有する化合物(A−2−1)の水酸基と
    1分子中にエチレン性不飽和2重結合1つとエポキシ基
    1つを有する化合物(A−2−2)のエポキシ基とを反
    応させた重合体である請求項8に記載の高分子固体電解
    質用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】光重合開始剤(D)を含有する請求項1
    ないし9のいずれか一項に記載の高分子固体電解質用樹
    脂組成物。
  11. 【請求項11】光重合開始剤(D)の、波長350〜4
    50nmにおける、最大モル吸光係数が50以上である
    請求項10に記載の高分子固体電解質用樹脂組成物。
  12. 【請求項12】熱重合開始剤(E)を含有する請求項1
    ないし9のいずれか一項に記載の高分子固体電解質用樹
    脂組成物。
  13. 【請求項13】熱重合開始剤(E)の、10時間半減期
    温度が10℃以上である請求項12に記載の高分子固体
    電解質用樹脂組成物。
  14. 【請求項14】電解質(C)が、アルカリ金属塩、4級
    アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、または遷移金属
    塩から選ばれた少なくとも一種である請求項1ないし1
    3のいずれか一項に記載の高分子固体電解質用樹脂組成
    物。
  15. 【請求項15】請求項1ないし14のいずれか一項に記
    載の高分子固体電解質用樹脂組成物の硬化物からなる高
    分子固体電解質。
  16. 【請求項16】シート状である請求項15に記載の高分
    子固体電解質。
  17. 【請求項17】請求項15又は16に記載の高分子固体
    電解質を有するポリマー電池。
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