JP2003146893A - 血管内皮細胞増殖促進剤 - Google Patents

血管内皮細胞増殖促進剤

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JP2003146893A
JP2003146893A JP2001344287A JP2001344287A JP2003146893A JP 2003146893 A JP2003146893 A JP 2003146893A JP 2001344287 A JP2001344287 A JP 2001344287A JP 2001344287 A JP2001344287 A JP 2001344287A JP 2003146893 A JP2003146893 A JP 2003146893A
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hair
growth
culture supernatant
endothelial cell
cells
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JP2001344287A
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Takuya Yamamoto
卓也 山本
Mayumi Shishido
まゆみ 宍戸
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Pola Chemical Industries Inc
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Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】、安全性が高く、使用性に優れ、育毛効果が著
しい養毛促進剤及び化粧料などの養毛料を提供すること
を課題とする。 【解決手段】安全性が高く、使用性に優れ、著しい養毛
促進効果があり禿、薄毛及び脱毛の予防・改善に有用な
育毛用の皮膚外用剤(化粧料や医薬品)を得るために、
血管内皮細胞増殖促進活性(例えば、正常ヒト皮膚微小
血管内皮細胞)のある哺乳類の毛乳頭細胞培養上清(例
えば、ヒト頭髪毛乳頭細胞培養上清)を育毛用の皮膚外
用剤に含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛乳頭細胞培養上
清からなる血管内皮細胞増殖促進剤に関し、更にはそれ
を含有する医薬品・化粧料などの養毛料に関する。毛乳
頭細胞培養上清により血管内皮細胞増殖を著しく促進
し、これを育毛料などの皮膚外用剤に含有させることに
より、安全性が高く、使用性に優れ、育毛効果が著しい
養毛料の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】何時までも豊富で黒い髪の毛を維持する
と言うことは、若く見せるために老若男女誰しもが願う
ところである。しかしながら、加齢現象や遺伝的素因、
更には社会的ストレス等が原因となり、徐々に髪の毛が
脱落していき薄毛や禿の原因となっている。脱毛には大
きく分けて生理的な自然脱毛と病的に起こる異常脱毛が
ある。自然脱毛は1日に50〜80本ぐらいであり、1
00本を超える異常脱毛は、ストレスの蓄積、神経の使
い過ぎ、頭皮の手入れ不足、頭皮の血行不足、ホルモン
バランスの乱れ、動物性食品のとりすぎ、栄養不足、食
事のバランスのかたよりが原因とされている。こう言っ
た脱毛症を防ぐため各種メーカーが凌ぎを削って育毛剤
の開発に力を入れてきた。これまでに開発されたものと
して、ミノキシジルやサンザシ、イチョウやショウガ等
の生薬抽出エキス、パントテニルエチルエーテルやアロ
キサジン、アデノシンー3’、5’ーサイクリックモノ
フォスフェート(c−AMP)等の育毛剤がある。
【0003】しかしながら、これまで開発されてきた育
毛剤は、発毛促進作用が不充分であったり、皮膚刺激等
の副作用を引き起こす場合があり、今のところ十分に効
果があり安全であるようなものが得られていないのが現
状であった。それ故、発毛促進作用に優れ、且つ、安全
性が高い養毛促進剤や養毛剤の開発が望まれていた。
【0004】一方、毛周期(ヘアーサイクル)は、3つ
の時期からなり、しっかり毛を生やしている時期が成長
期(Anagen)、成長が停止し毛が退縮する時期が退行期
(Catagen)、毛包に毛が存在せず、発毛を停止してい
る時期が休止期(Telogen)と呼ばれている。成長期で
はその初期(Early Anagen)で毛球は最も表皮に近づ
き、最盛期では最も離れる。通常、頭髪では、成長期が
数年、退行期が2〜3週間、休止期が数ヶ月であり、8
5%が成長期、14%が休止期と言われている。毛根部
の下端には、球根状に膨らんだ毛球部があり、毛髪発生
にとって大切な部分である。 毛球部の底の部分は凹ん
でおり、間葉系の細胞からなる毛乳頭が局在し、毛細血
管が張りめぐらされている。この毛細血管から毛髪の成
長に必要な栄養分や酸素を毛母細胞に供給し、毛母細胞
が増殖・分化し、毛成長する仕組みになっている。この
様に、毛成長の為には栄養分や酸素の補給のために毛細
血管形成が必要である。
【0005】更に、ガン細胞などにより分泌されるVEGF
(Vascular Endothelial Growth Factor;血管内皮細胞
増殖因子)とbFGF(basic Fibroblast Growth Factor;
塩基性線維芽細胞増殖因子)の増殖因子は、血管内皮細
胞の膜に直接作用し、新たな毛細血管の管形成を可能に
するため血管壁を弱くし、細胞を分裂させ、毛細血管の
できるスペースを確保するため隣接する組織をわきに動
かし、新たな細胞を動かし、それらの細胞を血管の形へ
とするのである。
【0006】一方、毛乳頭細胞培養上清が、血管内皮細
胞増殖を促進することは知られておらず、更に、毛乳頭
細胞培養上清からなる血管内皮細胞増殖促進剤を皮膚外
用剤に含有させることにより、育毛促進効果に優れ、安
全性の高い育毛用の皮膚外用組成物を得られることも知
られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況下為されたものであり、安全性が高く、使用性に優
れ、育毛効果が著しい養毛促進剤及び医薬品・化粧料な
どの養毛料を提供することを課題とする。
【0008】
【課題の解決手段】この様な状況に鑑みて、本発明者ら
は、育毛促進効果に優れ、安全性の高い育毛用の皮膚外
用組成物を求めて、鋭意研究を重ねた結果、毛乳頭細胞
培養上清が優れた血管内皮細胞増殖を促進することによ
り優れた養毛促進作用を見出し、かかる毛乳頭細胞培養
上清を皮膚外用剤などの養毛料に含有させることによ
り、安全性が高く、使用性に優れ、その著しい養毛促進
効果により、禿や薄毛の予防・改善に有用であることを
見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は次
に示す技術に関するものである。 (1) 毛乳頭細胞培養上清からなることを特徴とす
る、血管内皮細胞増殖促進剤。 (2) (1)に記載の血管内皮細胞増殖促進剤を含有
することを特徴とする、育毛用の皮膚外用組成物。 (3) 化粧品及び/又は、医薬品であることを特徴と
する、(1)乃至(2)に記載の育毛用の皮膚外用組成
物。以下、本発明について、実施の形態を中心に詳細に
説明を加える。
【0009】
【発明の実施の形態】(1) 本発明の血管内皮細胞増
殖促進剤の必須成分である毛乳頭細胞培養上清の製造方
法 本発明の血管内皮細胞増殖促進剤は、毛乳頭細胞培養上
清からなることを特徴とする。本発明の毛乳頭細胞培養
上清からなる血管内皮細胞増殖促進剤は、哺乳類動物の
毛乳頭細胞を培養後に、培養細胞を遠心分離等により沈
殿させた後の培養上清から調製することもできるし、培
養細胞をフィルターにより濾過した後のロ液からも調製
することができる。また、付着性の特性を持つ毛乳頭細
胞は、ディッシュに細胞が付着しているので、直接培養
上清を回収することもできる。哺乳類動物の毛乳頭細胞
の培養方法は、通常の方法を用いれば良く、哺乳類動物
の毛乳頭を無菌的に採取し、必要に応じて毛乳頭を無菌
処理し、毛乳頭からトリプシン処理により毛乳頭細胞を
単離して、各哺乳類動物由来の毛乳頭細胞に適した液体
培地の入ったコラーゲンコートフラスコ(プレート)に
適度な細胞密度で播種し、5%CO2、加湿下で37℃
に保たれたインキュベーターに入れ静置培養を行う。
(また、通常毛乳頭をそのままディッシュ上に静置しア
ウトグロースさせることもできる。)1日後、培地の交
換を行う。以後、1日おきに培地の交換を行い継代培養
をする。通常、ヒト頭髪毛乳頭細胞(THPC−00
1)トータルキット(HDPCトータルキット:THP
CK−001、製造元:セルアプリケイションズインク
USA、輸入販売元:東洋紡績株式会社)を用いて、本
発明の毛乳頭細胞培養上清を得ることが便利である。
尚、工業的利用の場合は、ヒト頭髪毛乳頭細胞(THP
C−001)トータルキットの培地成分と同等のものを
用いて、常法により1〜100Lのジャーファーメンタ
ーにより大量に毛乳頭細胞培養上清からなる血管内皮細
胞増殖促進剤を工業生産することができる。毛乳頭細胞
培養上清からなる血管内皮細胞増殖促進剤は、初代毛乳
頭細胞培養上清乃至は、継代毛乳頭細胞培養上清から得
ることができる。哺乳類の動物種により、血管内皮細胞
増殖促進作用が継代培養の回数により異なる場合がある
からである。血管内皮細胞増殖促進剤として、上述した
新鮮な培養毛乳頭上清自身を用いることもできるし、血
管内皮細胞増殖促進活性を高める為に、毛乳頭細胞培養
上清を処理してから用いることもできる。毛乳頭細胞培
養上清の処理方法としては、毛乳頭細胞培養上清中の不
溶物を濾過や遠心分離などで除去した後に、毛乳頭細胞
培養上清を凍結乾燥により水分を除去した溶媒除去物、
毛乳頭細胞培養上清を溶媒で液―液抽出した抽出物、こ
こで液―液抽出に用いられる溶媒として、例えば、水、
エタノール、メタノール、1,3−ブタンジオール、プ
ロピレングリコールなどのアルコール類、酢酸エチルや
蟻酸メチルなどのエステル類、アセトンやメチルエチル
ケトンなどのケトン類、クロロホルムや塩化メチレン等
のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル
類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどのエー
テル類から選ばれる1種乃至は2種以上を組み合わせて
液液抽出することが好ましく例示でき、この内、極性溶
媒画分が血管内皮細胞増殖促進剤として好ましい。更
に、抽出物の溶媒を減圧濃縮により除去した溶媒除去
物、抽出物乃至はその溶媒除去物をカラムクロマトグラ
フィーで精製した精製分画物などを得ることもできる、
更に、毛乳頭細胞培養上清中の不溶物を濾過や遠心分離
などで除去した後に、毛乳頭細胞培養上清を透析膜等に
より塩類を除去し、ゲル濾過で精製した精製分画物など
を得ることもできる。ここで血管内皮細胞増殖促進剤と
して好ましくは、毛乳頭細胞培養上清中の不溶物を濾過
や遠心分離などで除去した後に、凍結乾燥により水分を
除去した溶媒除去物乃至は、毛乳頭細胞培養上清中の不
溶物を濾過や遠心分離などで除去した後に、毛乳頭細胞
培養上清を透析膜等により塩類を除去し、ゲル濾過で精
製した精製分画物である。以上の様に得られた毛乳頭細
胞培養上清からなる血管内皮細胞増殖促進剤は、通常、
冷凍保存(−19℃以下)により血管内皮細胞増殖促進
活性の不活性化を防ぎ、安定保存することができる。以
上の処理により得られた毛乳頭細胞培養上清からなる血
管内皮細胞増殖促進剤は、優れた血管内皮細胞増殖促進
活性を示し、これを育毛用の皮膚外用剤に含有させるこ
とにより、安全性が高く、使用性に優れ、その著しい養
毛促進効果により、禿や薄毛の予防・改善に有用であ
る。
【0010】(2)本発明の育毛用の皮膚外用剤 本発明の育毛用の皮膚外用剤は、毛乳頭細胞培養上清か
らなる血管内皮細胞増殖促進剤含有し、安全性が高く、
使用性に優れ、その著しい養毛促進効果により、禿や薄
毛の予防・改善に有用である。ここで、本発明で言う育
毛用の皮膚外用剤とは、皮膚に外用で適用される組成物
の総称であって、貼付剤を含む皮膚外用医薬や洗浄料を
含む化粧料が好ましく例示でき、これらの内では、トニ
ック剤形、ローション剤形、クリーム剤形であることが
特に好ましい。本発明の育毛用の皮膚外用剤は、安全性
が高く、使用性に優れ、育毛効果が著しい。本発明の育
毛用の皮膚外用剤に於ける、毛乳頭細胞培養上清からな
る血管内皮細胞増殖促進剤の好ましい含有量は、皮膚外
用剤全量に対して、0.001〜30重量%であり、更
に好ましくは0.1〜10重量%である。これは、少な
すぎると養毛促進作用が発揮されない場合があり、多す
ぎても効果が頭打ちになり他の処方成分の自由度を損な
うことがあるからである。また、処理された毛乳頭細胞
培養上清からなる血管内皮細胞増殖促進剤の形態によっ
て異なる。
【0011】本発明の育毛用の皮膚外用剤は、養毛促進
剤として知られる、ミノキシジルやスチグマスタノール
マルトシド、パントテニルエチルエーテルやアロキサジ
ン、アデノシンー3’、5’ーサイクリックモノフォス
フェート(c−AMP)、ビタミンEアセテート、塩化
カルプロニウム、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸、D
L−α―トコフェロール、DL−α―トコフェロールニ
コチン酸エステル、ニコチン酸メチル、セファランチン
と共に配合させれば相乗効果により養毛促進効果に優れ
る。また、上記必須成分以外に、通常化粧料や皮膚外用
医薬で使用される任意の成分を含有することが出来る。
かかる任意成分としては、例えば、ローヤルゼリーやサ
ンザシ、イチョウ、ショウガ、センブリ、トウガラシ、
トウキ、オタネニンジン、ジオウ、チョレイ、オウゴ
ン、カンゾウ、ダイオウ、チンピ、チョウジ、サイコ、
センキュウ、シャクヤク、ゲンノショウコ、ウィキョ
ウ、カイコノソウ、ケンゴシ、ケイガイ、エイジツ、ク
マザサ、カゴソウ、アセンヤク、シャゼンシ等の生薬抽
出エキス、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリ
ンワックス等の炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワッ
クス,オレイン酸オクチルドデシル等のエステル類、オ
リーブ油、牛脂、椰子油等のトリグリセライド類、ステ
アリン酸、オレイン酸、リチノレイン酸等の脂肪酸、オ
レイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルド
デカノール等の高級アルコール、スルホコハク酸エステ
ルやポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のア
ニオン界面活性剤類、アルキルベタイン塩等の両性界面
活性剤類、ジアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面
活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリ
セライド、これらのポリオキシエチレン付加物、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂
肪酸エステル等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレン
グリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の
多価アルコール類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体等を含有することができ
る。
【0012】(3)ヒト毛乳頭細胞の培養方法 ヒト頭髪毛乳頭細胞(THPC−001)トータルキッ
ト(HDPCトータルキット:THPCK−001、製
造元:セルアプリケイションズインク USA、輸入販売
元:東洋紡績株式会社)を用いて、常法によりヒト毛乳
頭細胞を培養した。解凍した細胞を懸濁するためのPC
GM培地を10mL、15mL遠心チューブに分注し、
氷令しておく。即ち、凍結したヒト頭髪毛乳頭細胞(T
HPC−001)の入ったバイアル瓶を37℃の恒温槽
で急速に融解する。このバイアル瓶ににPCGM培地を
1mL程度徐々に滴下しDMSOを希釈後、全量をPC
GM培地が入った遠心チューブに移し懸濁させる。浮遊
細胞を冷却低遠心機で4℃、1000rpm、5分間遠
心する。沈殿した細胞を吸わないように注意しながら上
清を吸引し、1mLPCGM培地に再懸濁させる。この
全量を、コラーゲン液でコートしたT−75フラスコに
植え込み、5%CO2、加湿下で37℃に保たれたイン
キュベーターに入れ静置培養を行う。1日後、培地の交
換を行う。以後、1日おきに培地の交換を行い継代培養
をする。尚、PCGM培地成分は、1%FBSを含有す
るPCGM基礎培地250mLに牛下垂体抽出液(BP
E)100倍希釈液を2.5mL、、牛胎児血清(FC
S)100倍希釈液を2.5mL、インシュリン・トラ
ンスフェリン・トリヨードサイロニン溶液(ITT)2
00倍希釈液を1.25mL、サイロプロテイン溶液
(Cyp)200倍希釈液を1.25mLを添加したも
のを用いた。
【0013】(4)正常ヒト皮膚微小血管内皮細胞の培
養方法 正常ヒト皮膚微小血管内皮細胞トータルキット(製造
元:セルアプリケイションズインク USA、輸入販売
元:東洋紡績株式会社)を用いて、常法により正常ヒト
皮膚微小血管内皮細胞を培養した。凍結正常ヒト皮膚微
小血管内皮細胞入りのアンプルを、37℃の恒温槽に一
分間浸し細胞を素早く解凍する。アンプルの細胞浮遊液
500μLをイクストラセルラーマトリックスプロテイ
ンコートフラスコ(7.5mLのCADMEC Gro
wth Mediumを入れてあったもの)に入れ、細
胞が均一分散するように揺らす。このフラスコをインキ
ュベーター(37℃,5%CO2、加湿条件下)中で、
ガス交換ができるようにフラスコのキャップを緩め静置
培養する。8時間又は一晩培養後に、培地中のDMSO
の影響をなくす為に培地交換をする。
【0014】(4)毛乳頭細胞培養上清の正常ヒト皮膚
微小血管内皮細胞に対する増殖促進作用の測定方法 常法により、毛乳頭細胞培養24〜48時間後に、浮遊
細胞を冷却低遠心機で4℃、1000rpm、5分間遠
心する。沈殿した細胞を吸わないように注意しながら上
清を吸引し毛乳頭細胞培養上清とした。この上清を最大
95%濃度まで、正常ヒト皮膚微小血管内皮細胞の培養
培地であるCADMEC GrowthMediumに
添加し、発明の実施の形態の(3)に示した通りに正常
ヒト皮膚微小血管内皮細胞を培養し、48時間後の正常
ヒト皮膚微小血管内皮細胞に対する増殖促進作用をMT
T法により分析した。
【0015】(4)MTT法による細胞増殖の測定方法 細胞密度が500又は5000/ウェルとなるように正
常ヒト皮膚微小血管内皮細胞をCADMEC Grow
th Mediumの入った96ウェルプレートに播種
し、翌日の培地交換時に毛乳頭細胞培養上清を最終濃度
が最大で95%になるように添加し3日間培養し、無添
加系を100とした場合の正常ヒト皮膚微小血管内皮細
胞の増殖活性をMTT法により測定した。具体的に、M
TT法による細胞増殖の測定法の手順として、適当な濃
度の細胞懸濁液(100μL)を96ウェルマイクロプ
レートに播種し、最大で95%の毛乳頭細胞培養上清を
CADMEC Growth Mediumへ添加し
(コントロール:無添加系として、同量の新鮮なPCG
M培地を加える)、3日間培養する。その後、100μ
LのCADMEC Growth Mediumに培地
交換し、10μLのMTT溶液(MTT:[3-(4,5-dime
thyltiazol-2-yl)-2,5-diphenyl tetrazolium bromide]
を50mgとPBS10mLを加えた溶液)を加え、反応後にマイ
クロプレートリーダー(BioRad社)で測定し、細
胞増殖活性を求めた。(対象波長630nmとして、5
70nm波長の吸光度を測定した)
【0016】(5)マウス養毛試験による評価方法 (C3Hマウスを用いた養毛評価法)7週齢の雄性C3
Hマウス(チャールズ・リバー)を購入し、2週間馴化
飼育した後、実験に供した。マウス背部ほぼ全面を電気
バリカンで刈毛し、更に、尾部方向半面をシェーバー
(ナショナル・ハイスピンES467)で剃毛した。1
群7匹として、剃毛部位にサンプル40μlを毎日、1
週に5日間塗布した。被毛の成長は肉眼観察と色彩色差
計(ミノルタCR−200)による明度値(L)の測定
による客観的測定で評価した。成績は7匹の動物間のバ
ラツキを考慮して、最小並びに最大の効果を示した動物
を除いた5匹の結果から判定した。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて更に詳細に本発明につ
いて説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ、限
定を受けないことは言うまでもない。
【0018】<実施例1〜7> 正常ヒト皮膚微小血管内皮細胞に対する毛乳頭細胞培養
上清の影響 各濃度の毛乳頭細胞培養上清を10%、20%、30
%、50%、70%、80%、90%添加し、3日間、
正常ヒト皮膚微小血管内皮細胞を培養後の増殖活性を求
めた。(コントロールとして、同量の新鮮なPCGM培
地を加えた、尚、コントロールの増殖活性値を100と
して、相対値として正常ヒト皮膚微小血管内皮細胞の増
殖活性に対する毛乳頭細胞培養上清の影響を求めた)結
果を表1に示す。実施例4の毛乳頭細胞培養上清50%
添加系が最も正常ヒト皮膚微小血管内皮細胞の増殖活性
を促進した。
【0019】
【表1】
【0020】<実施例8>ヒト頭髪毛乳頭細胞(THP
C−001)トータルキット(HDPCトータルキッ
ト:THPCK−001、製造元:セルアプリケイショ
ンズインク USA、輸入販売元:東洋紡績株式会社)を
用いて、常法によりヒト毛乳頭細胞を培養した。即ち、
培養48時間後の上清5Lを得て、毛乳頭細胞培養上清
中の不溶物を濾過した後に、透析膜を用い塩類を除去
し、凍結乾燥により5.01gの毛乳頭細胞培養上清を
得た。これを血管内皮細胞増殖促進剤1とした。
【0021】<実施例9〜11> (C3Hマウス背部を用いた育毛試験)実施例8で得ら
れた血管内皮細胞増殖促進剤1を70%エタノールに1
%、5%、10%濃度に溶解し、これを被験試料とし
た。一方、コントロールとしてベヒクルの70%エタノ
ール、また比較対照例1%ミノキシジルを用いた。C3
Hマウス背部ほぼ全面を電気バリカンで刈毛し、更に、
尾部方向半面をシェーバー(ナショナル・ハイスピンE
S467)で剃毛した。1群7匹として、剃毛部位にサ
ンプル40μlを毎日、1週に5日間塗布した。被毛の
成長は肉眼観察と色彩色差計(ミノルタCR−200)
による明度値(L)の測定による客観的測定で評価し
た。20日後のマウス養毛効果の試験結果を表2に示
す。表1から分かるように、血管内皮細胞増殖促進剤1
は、優れた養毛促進効果を示した。
【0022】
【表2】
【0023】<実施例12>上記実施例8で得られた血
管内皮細胞増殖促進剤1を用いて、下記に示すトニック
を作成しヒトでの養毛促進効果を調べた。尚、同時にコ
ントロールとして血管内皮細胞増殖促進剤1を除いたト
ニックを、また比較対照例1%ミノキシジルを加えたト
ニックを作成した。血管内皮細胞増殖促進剤1を10%
含有トニック、コントロール乳液及び1%ミノキシジル
含有トニック投与群の3群に分け、平均年齢が48.2
才の男性型脱毛症の被験者を30人集め、10人ずつ3
グループに分けた。朝晩2回、6ヶ月連続使用してもら
った。6ヶ月後に、養毛による改善度を調べた。結果
を、使用前に比べ有意に改善した群を++、使用前に比
べ軽度に改善した群を+、使用前に比べ改善しなかった
群を±として表した。表3の結果から、血管内皮細胞増
殖促進剤1含有トニックは、ミノキシジル含有トニック
と同程度以上に男性型脱毛症に有効であることが分かっ
た。
【0024】血管内皮細胞増殖促進剤1
10重量部 1,3ブタンジオール
5 重量部 グリセリン1 重量部 クエン酸
0.1 重量部 クエン酸ナトリウム
0.1 重量部 メチルパラベン
0.1 重量部 エタノール
50 重量部 水
33.7 重量部
【0025】
【表3】
【0026】<実施例13>下記に示す乳液基剤の成分
を常法により処理することにより血管内皮細胞増殖促進
剤1を10%含有する乳液を調製し、薄毛に悩むパネラ
ー1群5名を用いて、6ヶ月間、朝晩1日2回使用しても
らいその薄毛の予防及び改善効果を評価してもらった。
評価基準は、評点2:著しい改善、評点1:明らかな改
善、評点0.5:わずかな改善、評点0:改善なしの基準で
ある。平均評点は0.86であった。本発明の養毛促進
効果のある血管内皮細胞増殖促進剤1を含有する乳液
は、薄毛の改善に優れた効果のあることが認められた。 ベヘニルアルコール
0.2重量部 1,3−ブチレングリコール
9重量部 2−エチルヘキサン酸セチル
2 重量部 スクワラン
8 重量部 グリチルリチン酸ジカリウム
0.02重量部 パラオキシ安息香酸メチル
0.3 重量部 親油型モノステアリン酸グリセリン
2.5 重量部 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)
1.6 重量部 サラシミツロウ
1.3重量部 血管内皮細胞増殖促進剤1
10 重量部 香料
0.3重量部 精製水
57.78 重量部
【0027】<実施例14>以下に示す処方でローショ
ン型医薬品を調製した。即ち、処方成分を室温で攪拌可
溶化してローションを得た。このローション型医薬品に
ついて、薄毛に悩むパネラー1群5名を用いて、6ヶ月
間、朝晩1日2回使用してもらいその薄毛の予防及び改善
効果を評価してもらった。評価基準は、評点2:著しい
改善、評点1:明らかな改善、評点0.5:わずかな改善、
評点0:改善なしの基準である。平均評点は0.97で
あった。本発明の養毛促進効果のある血管内皮細胞増殖
促進剤1及びミノキシジルを配合することにより養毛促
進に相乗効果が得られ、ローション型医薬品は、薄毛の
改善に優れた効果のあることが認められた。 血管内皮細胞増殖促進剤1
10 重量部 ミノキシジル
1重量部 1,3ブタンジオール
5重量部 グリセリン
3重量部 クエン酸
0.1重量部 クエン酸ナトリウム
0.1重量部 メチルパラベン
0.2重量部 エタノール
20重量部 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)
1 重量部 水
59.6重量部
【0028】<実施例15>以下に示す処方に従ってス
カルプクリームを調製した。即ち、イ、ロ、ハをそれぞ
れ80℃に加熱溶解して、イにロを徐々に加え、更にハ
を加え乳化した後、ホモミキサーにより乳化粒子を均一
化し、冷却してスカルプクリームを得た。このスカルプ
クリームは、脱毛に対する予防改善に優れた効果があっ
た。 イ) スクワラン
10 重量部 セタノール 3
重量部 ソルビタンセスキステアレート
2重量部 ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル
2 重量部 ビタミンEアセテート
0.1 重量部 ロ) 1,3−ブタンジオール
5重量部 血管内皮細胞増殖促進剤1
5 重量部 カルボキシビニルポリマー
0.3重量部 メチルパラベン
0.2 重量部 水
40 重量部 ハ) 水
32.2 重量部 水酸化カリウム
0.2 重量部
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、、血管内皮細胞増殖促
進活性のある毛乳頭細胞培養上清を育毛用の皮膚外用剤
に含有させることにより、安全性が高く、使用性に優
れ、育毛効果が著しい養毛促進剤及びそれを含有する化
粧料などの養毛料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA071 AB032 AC022 AC072 AC122 AC182 AC442 AC482 AD092 AD662 CC05 CC37 EE22 4C087 AA01 BB64 CA10 CA47 MA16 MA22 MA63 ZA92 ZB22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毛乳頭細胞培養上清からなることを特徴
    とする、血管内皮細胞増殖促進剤
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の血管内皮細胞増殖促進
    剤を含有することを特徴とする、育毛用の皮膚外用組成
    物。
  3. 【請求項3】 化粧品及び/又は、医薬品であることを
    特徴とする、請求項1至2に記載の育毛用の皮膚外用組
    成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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