JP2003146799A - 酸化亜鉛育成用種結晶とその作成方法 - Google Patents

酸化亜鉛育成用種結晶とその作成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 c軸方向の長さが長く、接合部に結晶欠陥領
域のない酸化亜鉛(ZnO)の種結晶を得る。 【解決手段】 酸化亜鉛の単結晶を種結晶として、水熱
合成法で単結晶を育成する場合、六方晶構造のa軸方向
に選択的に結晶成長し、c軸方向には殆ど成長しないの
で、種結晶のc軸長さより長い単結晶は得られない。従
って種結晶用素材23a、23b、・・・の所定本数
を、水熱合成法でc軸方向に接合した1次種結晶21を
使用する。この時、僅かなa軸の方向の不一致(図
(d)のΔθ)により、同心円状の結晶欠陥領域が接合
面41に発生する。この結晶欠陥領域の影響を防止する
ために気相成長法(VPE)によって、1次種結晶21
の表面に所定厚さのZnO膜2を成膜し、結晶欠陥領域
がZnO膜2の表面まで到達しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用途に利用す
ることができる酸化亜鉛の単結晶を育成する際に用いら
れる酸化亜鉛育成用種結晶とその作成方法に関し、特に
c軸方向に長い単結晶を得るのに好適な種結晶とその作
成方法である。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体デバイスにおいては、
アモルファスシリコンや多結晶シリコンなどを薄膜材料
として形成された半導体デバイスが広く用いられている
が、近年、薄膜材料として酸化亜鉛(ZnO)が注目さ
れており、ZnOを薄膜材料として形成した半導体デバ
イスを、例えば紫外線LED(LED:Light Emitting
Diode)やレーザダイオード(LD:Laser Diode)、透
明トランジスタなどの既存の半導体デバイスに応用した
り、新たな用途への研究開発が進められている。
【0003】ところで、半導体デバイスを作成するにあ
たっては、ベース基板上に形成する薄膜の品質が、その
電気的特性や光学的特性、信頼性(寿命)などに重大な
影響を与えることが知られており、薄膜の品質が良好な
ほど、電気的、光学的特性や信頼性が良好なものとされ
る。
【0004】このため、ZnOを薄膜材料とした半導体
デバイスを作成する場合には、ベース基板上に結晶欠陥
のない高品質のZnO薄膜を形成することが重要にな
る。薄膜の品質を決定する要因は、薄膜材料と、ベース
基板材料との格子定数の差が挙げられ、この格子定数の
差が小さいほど結晶欠陥のない薄膜を成膜できることが
知られている。なお、格子定数とは、結晶内で規則正し
く並んでいる原子の配列間隔を示すものである。
【0005】このため、ZnO薄膜を形成した半導体デ
バイスを作成する際には、ZnOの単結晶と格子定数が
比較的近いサファイアなどにより形成したベース基板を
用いるようにしていた。しかしながら、サファイアとZ
nOの単結晶との間では、格子定数が18%程度異なる
ため、サファイアにより形成したベース基板上に高品質
のZnO薄膜を形成するには、通常よりかなり厚く薄膜
を形成する必要があり、採算上の問題からも、工業的に
はある程度の品質で妥協せざるを得なかった。
【0006】そこで、例えばベース基板上に極めて高品
質のZnO薄膜を安価に形成するには、ベース基板をZ
nO薄膜と格子定数が同じZnOの単結晶によって形成
することが考えられるが、これまでの技術では、ベース
基材として利用することができる大きさを持つZnOの
単結晶を育成することができなかった。水熱合成法によ
る酸化亜鉛(ZnO)単結晶の育成においては、六方晶
構造におけるa軸方向に選択的に結晶成長し、c軸方向
には殆ど成長しないという問題がある。種結晶3を中心
としたZnOの単結晶30の成長を模式的に示す図6
(a)と、ZnOの単結晶の結晶軸を描いた同図(b)
に示すように、ZnOの単結晶からc軸に平行な棒状に
切り出した種結晶3を使用すると、a軸方向の成長によ
りr1、r2、r3と結晶が成長すると、利用できるc
軸方向の長さはx1、x2、x3とむしろ縮小されて行
く。即ち、初めの種結晶の長さを越える単結晶は得られ
ないことになる。
【0007】従って、c軸方向に大きなZnO単結晶を
得るために、例えば、特開平6−12088によれば、
複数の種結晶をそのc軸方向が一致するように当接し、
当接個所を水熱合成法で接合して長い種結晶とする案が
提案されている。図6(c)に接合された種結晶22の
略図を示すように、1個のZnO単結晶をc軸に沿って
切り目を入れ、何本かの種結晶を切り出す。c軸に直角
な両端面を互いに当接させて白金線45で締結し、育成
容器内で育成してエピタキシ作用により当接面を接合・
一体化させる。接合時にc軸の方向と+−の向きも揃え
ておけば、c軸の長い種結晶が得られる。同時に3本の
a軸もその方向を揃えておくことが望ましい。結晶軸の
方向を測定して合致させるためにX線解析が使用され
る。水熱合成法に使用される育成容器及びその育成状況
は後述する。
【0008】例えば1例として同図(c)に示すよう
に、c軸に沿った長さ7mm、c軸に直角の断面が3×
1.5mmの分割種結晶22a・22bの2本をc軸が
一致するように当接して白金線45で締結し、育成容器
の結晶育成部のフレーム61に白金線62で固定して育
成すると、当接面41が接合して1本となった種結晶2
2が得られる。この種結晶22を用いて育成した結果、
c軸方向に14mm、c軸に直角の断面が8×11mm
程度の結晶が得られ、分割結晶3本を接合した種結晶で
はc軸方向に22mm、c軸に直角の断面が8×11m
m程度の結晶が得られる。このように、種結晶を複数本
接合することにより、実用的な結晶を得るのに充分な長
さを持つ種結晶を得ることができる。
【0009】実際に上記の種結晶作成作業を進めると、
上記の種結晶の当接時に3本のa軸の向きに多少の不揃
い(方向の不一致)が生じる傾向がある。上述のように
X線解析を使って慎重を期しても、種結晶の接合面41
で、a軸の方向を完全に一致させることは困難であるこ
とが判明した。図6(d)の軸のみを描いた模式図のよ
うに種結晶22aのa軸43と種結晶22bのa軸43
aの方向の不一致(Δθ)を避けることは難しい。
【0010】種結晶を水熱合成法により成長させ当接面
を接合させる際、その接合面はa軸の不一致に基づく結
晶欠陥領域を生じる。これは図3(b)に模式的に示す
ように、溶液が種結晶の当接部に晶出する際に、当接面
でのa軸の不一致が局所的に影響し、刃状及び螺旋転移
を生じて種結晶の表面に達する欠陥領域を生ずると考え
られる。種結晶の当接部の接合が完了後、引き続き水熱
合成法でZnOの単結晶を晶出させて単結晶の育成を行
っても、この欠陥領域は消滅せず、種結晶の3本のa軸
の方向の不一致が影響して、育成された単結晶に、種結
晶の接合部分から種結晶を中心とした同心円状の結晶欠
陥領域が成長する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、育成後の
単結晶に種結晶の接合部で種を中心とした同心円状の結
晶欠陥領域を生ずると、得られた単結晶は種結晶の長さ
毎の欠陥領域を含むことになり、育成した単結晶の工業
的利用価値は少ないと言う問題が生じている。また、欠
陥領域の間隔は初めの種結晶の長さとなるので、接合し
た種結晶から種結晶を次々に育成しても欠陥領域の間隔
の大きな単結晶を得ることはできないと言う問題があ
る。
【0012】本発明は、育成後の単結晶に種結晶の接合
部で種を中心とした同心円状の結晶欠陥領域が生じない
種結晶の供給を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような問
題点を解決するために、酸化亜鉛の単結晶からなる複数
個の種結晶素材を接合した1次種結晶と、上記1次種結
晶の表面に成膜された酸化亜鉛薄膜と、からなる酸化亜
鉛育成用種結晶を提供する。また、本発明の酸化亜鉛育
成用種結晶は、酸化亜鉛の上記複数個の種結晶素材はc
軸の方向と向きが一致して接合され、かつ酸化亜鉛の上
記複数個の種結晶素材はa軸方向がほぼ合致して接合さ
れている。更に、酸化亜鉛の上記複数個の種結晶素材が
接合された上記1次種結晶表面に成膜された上記酸化亜
鉛薄膜は気相成長で形成されている。
【0014】更にまた、本発明は、酸化亜鉛の単結晶か
ら切り出した複数個の種結晶素材のc軸の方向と向きを
揃え、かつ、a軸方向をほぼ合致させて当接し、水熱合
成法で上記当接部をエピタキシー成長させて接合して1
次種結晶とする工程と、上記1次種結晶表面に気相成長
で酸化亜鉛薄膜を育成する工程と、からなる酸化亜鉛育
成用種結晶の作成方法を提供する。そして、上記酸化亜
鉛薄膜は2乃至4μm以上の厚さとされている。
【0015】酸化亜鉛の単結晶の表面に気相成長で酸化
亜鉛膜を成膜することにより種結晶素材の接合部の結晶
構造欠陥を覆い、その上に育成される単結晶に欠陥が及
ばないようにする。
【0016】
【発明の実施の形態】種結晶の説明に入る前に、水熱合
成法の概略を図2を参照して説明する。図2は、本出願
人が先に提案した単結晶育成容器を用いた単結晶育成装
置51の一例を示した図である。
【0017】この図2に示す単結晶育成装置51は、水
熱合成法によって、ZnOの単結晶を育成する際に必要
な温度及び圧力を、その内部に加えることができるオー
トクレーブ52と、このオートクレーブ52の内部に収
容して使用する育成容器60とから構成される。オート
クレーブ52は、例えば鉄を主材とした高張力鋼などに
よって形成されたオートクレーブ52の容器本体に、パ
ッキン57を挟んで蓋体54を被せて、固着部55によ
り固着することで、その内部を気密封止するような構造
となっている。
【0018】オートクレーブ52内に収容して使用する
育成容器60は、例えば白金(Pt)などによって形成
されており、その形状は略円筒状の容器とされる。そし
て、その上部には圧力調整部として作用するベローズ7
0が育成容器60の内部を密閉した状態で取り付けられ
ている。
【0019】このような単結晶育成装置51では、育成
容器60内の上部側にフレーム61と貴金属線(白金
線)62を用いてZnO種結晶3を吊り下げると共に、
その下部側に原料66を配置して種結晶3の育成を行う
ようにしている。この場合、ZnO種結晶3と原料66
との間には、熱対流を制御する内部バッフル板64が設
けられており、この内部バッフル板64によって、育成
容器60内が溶解領域と成長領域とに区切られている。
内部バッフル板64には、複数の孔が形成されており、
この孔の数によって決定されるバッフル板64の開口面
積により、溶解領域から成長領域への対流量を制御して
溶解領域と成長領域との間に温度差が得られるようにな
っている。
【0020】そして、この育成容器60内に、例えば水
酸化ナトリウム(NaOH)、炭酸カルシウム(Na2
CO3)、水酸化カリウム(KOH)などの強アルカリ
溶液を注入し、またオートクレーブ52と育成容器60
との間に伝熱のために例えば純水などの伝熱溶液67を
注入して、ヒーター56、56・・によって、オートク
レーブ52を加熱することで、育成容器60内では、溶
解領域において強アルカリ溶液に原料66が溶解した育
成溶液71が生成される。そして、この育成溶液71が
内部バッフル板64を介して成長領域に供給され、Zn
O種結晶3を育成するようにしている。
【0021】また、この図2に示す単結晶育成装置51
では、育成容器60の外側に外部バッフル板65が設け
られており、この外部バッフル板65により育成容器6
0の外側の対流を制限することで、育成容器60内の領
域間においてZnO種結晶3の成長に必要な温度差が得
られるようにしている。
【0022】また、育成容器60の上部には、圧力調整
部としてベローズ70が設けられており、このベローズ
70の伸縮によって育成容器60の内部圧力と外部圧力
の均衡を図るようにしている。
【0023】このような単結晶育成装置51の大型のも
のは、水熱合成法により種結晶からZnOの単結晶の育
成まで行うことができる。育成容器内60内に不純物の
混入が殆どなく、工業用途に利用できる口径サイズを有
するZnOの単結晶を育成することができる。なお、種
結晶用素材23a、23b、23c・・・の当接面の接
合のみに使用するなら、種結晶専用の育成容器60は専
用の小型の物でも良い。
【0024】本発明の実施の形態の1例を図1を参照し
て説明する。図1は、本実施の形態としての酸化亜鉛
(ZnO)の種結晶の形成方法の一例を模式的に示した
図である。ZnOの単結晶は六方晶系の結晶であり、結
晶軸としてc軸とこのc軸に垂直な平面内で互いに12
0゜の角度をなす3本のa(1・2・3)軸が存在す
る。先ず、図1(a)に示すように、ZnOの単結晶4
0からc軸と1本のa軸に平行となるようにZnOの単
結晶の薄板46を切り出す。更に同図(b)に斜視図と
して示すように、c軸に平行に切り出して複数のZnO
種結晶用素材23a、23b、・・・を用意する。
【0025】上記の種結晶用素材23a、23b、・・
・はc軸に直角な2面が研磨等で仕上げられる。また、
他の面も3本のa軸を一致させたときに、ほぼ同一断面
形状となるようにするのが好ましい。このためにも、1
個のZnOの単結晶40から種結晶用素材23a、23
b、・・・を切り出すのが具合が良いが、別の単結晶か
ら切り出した種結晶用素材を組み合わせてもよい。な
お、本実施の形態では種結晶用素材23a、23b、・
・・はc軸に直角に切断した断面形が長方形の形状とし
て描かれているが、あくまでも一例であり、断面形は例
えば薄い板状や、円柱状のものであってもよい。
【0026】次に、図1(c)に示すように種結晶用素
材23a、23b、・・・の所定の本数を取り、c軸の
−c端に次の素材の+c端が来るようにc軸の向きを揃
え、接合面41を当接させ、例えば、白金線で結束する
等の方法で固定させる。図では3本の例を示すが、2本
でも、4本以上を同時に当接させても良い。この時、3
本のa軸の方向をできる限り合致するように揃える。前
述のように、c軸のプラスマイナスとa軸の方向を測定
して合致させるためにX線解析が使用される。結晶軸が
揃えられた上記種結晶用素材23a、23b、・・・を
水熱合成法によって、育成容器の結晶育成部に固定し
て、上記当接面(接合面41)がエピタキシー作用によ
り接合・一体化するまで育成する。一体化した種結晶用
素材23a、23b、・・・を1次種結晶21と呼ぶ。
【0027】図1(d)に示すように、水熱合成法で接
合された1次種結晶21の表面にエピタキシャル成長法
の一である気相成長法(VPE:Vapor Phase Epitax
y)によってZnO膜2を成膜する。詳細は後述する
が、図3(a)にZnO膜2の成膜状況を模式的に示し
たように、ある程度のa軸の方向の不一致による結晶欠
陥領域は薄膜の層数が増加すると共に解消する。このよ
うに、1次種結晶21の当接部41の結晶欠陥領域が解
消するまでZnO膜2を成膜し種結晶5を得る。通常薄
膜の厚さが2乃至4μmとなると、種結晶5に成膜され
たZnO膜2の表面は工業的に充分欠陥の少ない配向と
なる。成膜済みの種結晶5を使用して、再び水熱合成法
により、ZnOの単結晶育成を行えば、得られる単結晶
のc軸方向の長さは充分長く、更に結晶用素材23a、
23b、・・・の当接部41のa軸の方向の不一致に起
因する同心円状の結晶欠陥領域の発生を防止することが
できる。
【0028】育成された単結晶をスライスすれば、Zn
Oウエハーとなり、工業的に使用するのに充分な大きさ
の基板が最終製品として得られる。勿論、この単結晶か
ら切り出した種結晶を使用して単結晶を量産しても良
い。この場合、中心部の結晶欠陥領域を含まないように
1次種結晶21を切り出せば、この表面には気相成長法
によってZnO膜2を成膜しなくても種結晶5として使
用でき、それから得られた単結晶から形成されるウエハ
ーも中心部に結晶欠陥領域を含まないことになる。
【0029】ここで、上記の水熱合成法で接合された種
結晶用素材23a、23b、23c・・・の表面に、気
相成長法によってZnO膜2を成膜すると、ZnO膜2
の表層部には接合部に生じた欠陥の影響が及ばない理由
を説明する。
【0030】前述のように、水熱合成法で連続してZn
Oの単結晶を育成すると、種結晶の3本のa軸の向きに
方向の不一致が生じた場合、先に説明したように、種結
晶のa接合部分に結晶欠陥領域が生じ易く、引き続き水
熱合成法で育成すると、この欠陥領域が結晶の成長と共
に拡大して同心円状に拡大して行く。水熱合成法では単
結晶の表面に単結晶と同一材質の溶液が晶出し、単結晶
を構成する。必ずしも理論的に厳密ではないが、晶出の
過程で再結晶が起こり、種結晶の表面の構造通りの状態
が継続するので、種結晶の表面に欠陥領域があれば、そ
の欠陥を保持したまま成長を続ける傾向が大きいと考え
られる。実験的にも、再結晶の過程で欠陥領域が減少、
または、消滅する状況は確認できなかった。一方、気相
生成の場合は、基板の表面上に基板と同じ結晶構造をと
りながら単結晶が1層づつ堆積する。気相生成では結晶
性の高いZnO薄膜が得られるので、種結晶の表層に堆
積する薄膜の結晶構造は、1層毎に、固有の結晶構造に
近づく。
【0031】ZnOの単結晶と格子定数が比較的近いサ
ファイアをベース基板として用いて気相成長法を行う
と、サファイアとZnOの単結晶との間では、格子定数
が18%程度も異なるが、薄膜の厚さを増して行くとサ
ファイアのベース基板上にかなり良好なZnO薄膜を形
成できる。通常格子定数の差は15%以下が望ましいと
言われているが、成膜の厚さによっては欠陥の少ない薄
膜表層を得ることが可能である。格子定数が等しいZn
Oの単結晶面にZnO薄膜を形成する場合、4μm厚程
度も薄膜を形成すると部分的な単結晶面の欠陥は覆われ
て、欠陥のない表層が得られる。
【0032】種結晶素材23a、23b(既に接合され
て1次種結晶となっている)の接合面に発生した結晶欠
陥領域44近傍をc軸を含む平面で切断した図3(a)
を参照して説明する。図では種結晶素材23a、23b
の表面に堆積するZnOが小正方形で示され、(1)、
(2)、(3)・・・と次々に堆積されてZnO薄膜が
形成される様子を(堆積する層数を極端に圧縮して)模
式的に描いている。
【0033】第1層(1)は結晶欠陥領域44付近では
ZnO薄膜は堆積せず、格子欠陥である空格子点となっ
ている。第2層(2)でZnO薄膜は結晶欠陥領域44
の端部から侵入し、結晶欠陥領域44近傍の空格子点の
間隔が狭くなってくる。第3層(3)では結晶欠陥領域
44近傍の格子点の間隔が更に狭くなる。第4層(4)
で殆ど正常の格子間隔となり、以降5、6層(5)、
(6)では正常の層となり、欠陥領域44を覆い隠して
いる。水熱合成法で、欠陥の少ない表面から単結晶が育
成されると欠陥の少ない単結晶が得られる。
【0034】a軸方向の狂いによって、種結晶の接合面
に結晶欠陥領域44が形成される理由は次のように考え
られる。図3(b)は種結晶素材23(a、b)の接合
部の結晶欠陥領域44をc軸に直角に切断して下方から
見た模式図である。図では種結晶素材内部の配列を省略
して種結晶素材23の外部の成長として描いているが、
六法晶系の場合はZnOはa軸に沿って配列される。従
って種結晶素材23a側ではa軸43方向にが配列し成
長し、種結晶素材23b側ではa軸43a方向に結晶が
成長する。このように、種結晶素材の接合面でも種結晶
23(a・b)の当接面の全面に渡って螺旋転移47a
を形成しながら接合している。実際にはこの図のように
整然と並ばず、多結晶が雑然と並ぶ状態に近い配列とな
ると考えて良く、これが結晶欠陥領域44となってい
る。
【0035】また、図4にc軸に直角に切断して、結晶
の平面的な成長形態を示すように、僅かに傾いたa軸4
3とa軸43aの2方向の結晶の成長により、刃状転移
を起こす場合もある。実際には、結晶欠陥領域44には
螺旋転移や刃状転移、また多結晶状態が不規則に混ざり
合い、複雑な結晶欠陥を含んでいる。
【0036】気相成長法により、ZnOの成膜が進むに
従い、接合面の結晶欠陥が次第に減少するが、同時に、
2本のa軸43・43aがなだらかに接続されるように
なる。図5はa軸43・43aの変化を気相成長法の成
膜程度により誇張した模式図である。同図(a)は円柱
状の種結晶23(a、b)のa軸を含む平面を斜線を施
して示している。結晶欠陥領域44の上下でa軸43、
43aは僅かに方向が不一致である。ZnO薄膜2を形
成するにつれ、ZnO薄膜2にも種結晶のa軸43、4
3aが同方向に延長されて、ZnO薄膜2の表面に直線
となって形成する。
【0037】同図(c)に示すように、更にZnO薄膜
2の厚さが厚くなると、次第に結晶欠陥領域44は覆い
隠されるが、この際結晶欠陥領域44の近傍ではa軸の
方向が緩やかに変えられ、滑らかに接続される。なお、
X線解析によって慎重に合わせ込まれた場合はa軸の方
向の不一致はごく僅かであり、結晶欠陥領域の影響が除
去されれば単結晶としての性能に悪影響を及ぼすことは
少ない。
【0038】このようにして、欠陥の少ないc軸の長い
種結晶が得られる。更に長大な種結晶を得るために、上
記の手順で得られたc軸長さの長い単結晶から1次種結
晶21、21、・・・を作成することを繰り返せばよ
い。但し、1次種結晶21、21、・・・の当接部のa
軸の軸方向を必要な精度で合致させることは、かなりの
作業工数を要するので、当接・接合個所は少ない方がよ
い。一度、量産効果が期待できる長さのZnOの単結晶
が得られれば、その長さの1次種結晶を確保し続けるこ
とは容易である。育成した単結晶から、工業用途に使用
可能なZnOの単結晶の育成に必要な長さを有する1次
種結晶21を作成することができる。
【0039】従って、上記図2に示した単結晶育成装置
51を用いて、再度、水熱合成法によって1次種結晶2
1からZnOの単結晶を育成すれば、育成容器内60に
おいて不純物の混入が殆どなく、しかも工業用途に利用
できる口径サイズを有するZnOの単結晶を育成するこ
とができる。特に、この場合は、ZnOの単結晶の育成
に使用する種結晶21に結晶欠陥領域が含まれていない
ので、ZnOの単結晶から良質なZnOウェハーを得る
ことができる。
【0040】従って、このようなZnOウェハーを基材
として、この基材上にZnO薄膜を形成すれば、極めて
高品質のZnO薄膜を形成することが可能になる。よっ
て、このようなZnOの単結晶を基材とし、この基材上
にZnO薄膜を形成して、例えば紫外線LEDや、レー
ザダイオード、透明トランジスタなどの半導体デバイス
を作成すれば、電気的・光学的特性や信頼性の優れた半
導体デバイスを実現することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の酸化亜鉛
育成用種結晶は、酸化亜鉛の単結晶からなる複数個の種
結晶素材を接合した1次種結晶の表面に酸化亜鉛薄膜を
成膜するので、これを種結晶として育成される単結晶に
は種結晶素材の接合部に発生する結晶欠陥領域の影響が
及ぼされず良好な酸化亜鉛単結晶を得ることができる。
そして、a軸と3本のc軸の方向と向きを合わせること
により、工業的に充分な精度と大きさの単結晶が得られ
る効果がある。したがって、このような種結晶から酸化
亜鉛の単結晶を育成すれば、これまでにない工業用途に
利用可能なサイズの単結晶を育成することが可能にな
る。
【0042】また、酸化亜鉛の単結晶から切り出した複
数個の種結晶素材の接合に水熱合成法で当接部をエピタ
キシー成長を利用し、1次種結晶表面に酸化亜鉛薄膜を
育成する工程には気相成長を用いる酸化亜鉛育成用種結
晶の作成方法は、気相成長、水熱合成法の使い分けによ
りコストダウン、得られた単結晶の品質向上の両面の保
証がなされる効果も大きい。また1次種結晶表面の結晶
欠陥領域を覆う酸化亜鉛薄膜の厚さを規定し、作業標準
も確立されているのも実施を容易にする効果がある。
【0043】この単結晶を第2の種結晶として利用する
と、工業用途に利用可能なサイズの単結晶を育成するの
に必要な種結晶が結晶軸合わせ等の工数を必要とせず
に、安価に供給でき、しかも常に必要なc軸長さの種結
晶の再生産が行える。従って、1度形成した種結晶で将
来に渡り、種結晶供給が可能となる。
【0044】また、本手法を繰り返すことで所要のc軸
長さの種結晶が得られるので、大型のオートクレーブ導
入等による種結晶長大化の要求に対応可能である。更
に、良質のZnO単結晶が得られることから、例えば紫
外線LEDや、レーザダイオード、透明トランジスタな
どの半導体デバイスの電気的・光学的特性や信頼性等の
向上が期待できるのも大きな効果である。
【図面の簡単な説明】
【図1】水熱合成法でZnO単結晶の当接面を接合して
長い種結晶を形成する方法を説明する模式図である。
【図2】水熱合成法に使用される単結晶育成装置の断面
図である。
【図3】種結晶接合部の結晶欠陥領域近傍の気相成長法
による薄膜の形成状況を示す模式図である。
【図4】種結晶接合部の結晶欠陥領域内を示す模式図で
ある。
【図5】種結晶接合部近傍のa軸の変化の状況を示す模
式図である。
【図6】c軸方向に長い種結晶の作成方法を説明する図
である。
【符号の説明】
1、20 基材、2 ZnO膜、3、5、22 種結
晶、21 1次種結晶、23(a、b、c、・・・)
種結晶素材、10、30、40 ZnOの単結晶、41
接合面、42 c軸、43、43a a軸、44 結
晶欠陥領域、45白金線、1 ZnO単結晶の薄板、
47 刃状転移、 47a 螺旋転移、51 単結晶育
成装置、52 オートクレーブ、54 蓋体、55 固
着部、56 ヒーター、57 パッキン、60 育成容
器、61 フレーム、62 白金線、64内部バッフル
板、65 外部バッフル板、66 原料、67 伝熱溶
液、70ベローズ、71 育成溶液、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 湯隆 東京都大田区中央5丁目6番11号 東京電 波株式会社内 (72)発明者 堀川 晃司 東京都大田区中央5丁目6番11号 東京電 波株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA02 AA03 BB07 CB03 DB01 ED01 HA02 HA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛の単結晶からなる複数個の種結
    晶素材を接合した1次種結晶と、 上記1次種結晶の表面に成膜された酸化亜鉛薄膜と、か
    らなることを特徴とする酸化亜鉛育成用種結晶。
  2. 【請求項2】 酸化亜鉛の上記複数個の種結晶素材はc
    軸の方向と向きが一致して接合されたことを特徴とする
    請求項1に記載の酸化亜鉛育成用種結晶。
  3. 【請求項3】 酸化亜鉛の上記複数個の種結晶素材はa
    軸方向がほぼ合致して接合されていることを特徴とする
    請求項1に記載の酸化亜鉛育成用種結晶。
  4. 【請求項4】 酸化亜鉛の上記複数個の種結晶素材が接
    合された上記1次種結晶表面に成膜された上記酸化亜鉛
    薄膜は気相成長で形成されたことを特徴とする請求項1
    に記載の酸化亜鉛育成用種結晶。
  5. 【請求項5】 酸化亜鉛の単結晶から切り出した複数個
    の種結晶素材を、c軸を延長する方向にc軸の向きを揃
    え、かつ、a軸方向をほぼ合致させて当接し、水熱合成
    法で上記当接部をエピタキシー成長させて接合して1次
    種結晶とする工程と、 上記1次種結晶表面に気相成長で酸化亜鉛薄膜を育成す
    る工程と、からなることを特徴とする酸化亜鉛育成用種
    結晶の作成方法。
  6. 【請求項6】 上記酸化亜鉛薄膜は2乃至4μm以上の
    厚さとされていることを特徴とする請求項5記載の酸化
    亜鉛育成用種結晶の作成方法。
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