JP2003145968A - スクラッチ隠蔽層付印刷物 - Google Patents

スクラッチ隠蔽層付印刷物

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JP2003145968A
JP2003145968A JP2001350224A JP2001350224A JP2003145968A JP 2003145968 A JP2003145968 A JP 2003145968A JP 2001350224 A JP2001350224 A JP 2001350224A JP 2001350224 A JP2001350224 A JP 2001350224A JP 2003145968 A JP2003145968 A JP 2003145968A
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JP2001350224A
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English (en)
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Akira Ono
朗 小野
Koji Atsumi
浩司 渥美
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強い光を与えても機密情報データが視認でき
ず、製造コストが嵩まず、かつスクラッチ隠蔽層の形成
にオフセット印刷機でのインライン加工を可能にし、裏
面とともにデザインに自由度を付与するスクラッチ隠蔽
層付印刷物の提供にある。 【解決手段】基材10の片面のポリプロピレン皮膜層1
8面に機密情報データ12の画像でなる無色の高密着性
アンカーニス層16が施され、該高密着性アンカーニス
層16とその周囲を覆うように有色のスクラッチ隠蔽層
20が施されているスクラッチ隠蔽層付印刷物1であっ
て、前記機密情報データ12は、スクラッチオフで掻き
落とされない高密着性アンカーニス層16上のスクラッ
チ隠蔽層20でなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抽選券やゲームカ
ード等の如く機密情報データをスクラッチ隠蔽層で隠蔽
してあるスクラッチ隠蔽層付印刷物に関するものであ
り、さらに詳しくは、スクラッチ隠蔽層をコイン等でス
クラッチオフ(引っ掻き落とし)して機密情報データを
認識するスクラッチ隠蔽層付印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、インスタント抽選券やゲ
ーム用のカードなどにおいて、「当たり」、「外れ」あ
るいはそれに該当する絵柄などでなる機密情報データを
隠蔽するために、隠蔽性とスクラッチ性(引っ掻き易さ
性)を有し、凝集破壊性のあるゴム系のインキによりそ
の機密情報データを隠蔽し、購入した顧客がその使用に
際し、コイン等でスクラッチオフして機密情報データを
視認するスクラッチ印刷物が知られ、種々の分野で利用
されている。
【0003】上記のスクラッチ隠蔽層が施された印刷物
として、例えば図4の積層断面で表した模式図に示すよ
うに、用紙などでなる基材(10)の上に絵柄、文字、
数字などの機密情報データ(12)が印刷されていて、
その機密情報データ(12)を覆うように透明な剥離ニ
スなどによる易剥離層(14)が形成され、その易剥離
層(14)の上にスクラッチ隠蔽層(20)が施されて
いるものであり、このスクラッチ印刷物を購入した顧客
がコインや爪等でスクラッチ隠蔽層(20)をスクラッ
チオフ(引っ掻き落とすこと)して、「当たり」、「外
れ」など、あるいはそれに該当する絵柄などの機密情報
データ(12)を目視で認識できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
基材(10)が比較的薄い用紙の場合などでは、この印
刷物に強い光を当てて、その反対面から透かして見る
と、機密情報データ(12)の陰影が透けて見えて機密
情報データとならず、セキュリティに欠けるという問題
点があった。
【0005】この問題を解決する方法として、例えば図
5の積層断面で表した模式図に示すように、基材(1
0)の裏面にグレー系のインキによる印刷等で透かし防
止層(24)を設ける方法があるが、裏面の情報量が限
られることと、デザイン的にも見栄えがせず自由度がな
い等の問題があり、あるいはスクラッチ隠蔽層(20)
を2度刷り等で厚くするなどの方法で補ったり、あるい
は基材(10)が高価で、印刷やその加工等がし難い
(生産効率が悪くなる)ことを承知のうえで厚い紙を使
用してこの透けて見える問題を解決していた。
【0006】このように強い光を当てても機密情報デー
タ(12)の陰影が透けて見えないようにするための上
記いずれの対策においても、基材(10)、インキ等の
材料や印刷等の工程が増えるという問題、いわゆる製造
コストが嵩むという問題点があった。
【0007】また、最表面のスクラッチ隠蔽層(20)
は、機密情報データ(12)を隠蔽する役目であるた
め、シルバーあるいはグレイ系統の不透明な全ベタ(印
刷用語で、印刷面に濃淡の差や白く抜けた部分がなく、
印刷インキで完全に覆われている部分)で形成せざるを
えないものであり、従ってこのスクラッチ隠蔽層(2
0)のデザインに対する自由度がなく、かつデザイン的
には見栄えがしないという問題点のあるスクラッチ印刷
物であった。
【0008】さらにまた、最表面のスクラッチ隠蔽層
(20)の形成に、厚さ4〜10μm程度に形成するス
クリーン印刷法が用いられるのが一般的で、そのインキ
として、例えばアルミニウム粉15〜25重量部、アル
ミナ白等体質顔料を含めた着色顔料15〜25重量部、
凝集破壊(団塊)性のあるSBR、NBR等合成ゴム系
樹脂15〜25重量部、さらにこれらにトルエンやキシ
レン、メチルイソブチルケトン等芳香族炭化水素系溶剤
35〜45重量部と消泡剤等助剤5〜15重量部を加え
てスクリーン印刷用インキとするものであり、このよう
に凝集破壊(団塊)性のあるゴム系の(ばさばさした)
インキで厚さが4〜10μm程度と厚くするため、画像
にシャープ性がなく、かつ遅乾性のスクリーン用のスク
ラッチインキでは、ラインスピードが遅いのでスクラッ
チ隠蔽層(20)の印刷後、乾燥までの間にインキのレ
ベリングが進み、機密情報データ(12)の凹凸がスク
ラッチ隠蔽層(20)の表面に現れるので、機密とはな
らないという問題があった。さらに遅乾性なので生産性
に劣り、特に他の画像などを印刷するオフセット印刷機
でのインライン加工としては不適なもので、別ラインで
形成せざるを得なかった。
【0009】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
するものであり、その課題とするところは、強い光を与
えてもその反対面からは機密情報データの陰影が視認で
きないスクラッチ隠蔽層付印刷物で、従来のように透か
し防止層を施して裏面のデザインに自由度が無くなった
り、見栄えがしないという問題がなく、スクラッチ隠蔽
層を2度刷りしたり、あるいは高価で印刷や加工等がし
難い厚い紙を用いたりして製造コストが嵩むという問題
点がなく、さらにまた最表面のスクラッチ隠蔽層の画像
にシャープ性があり、かつそのスクラッチ隠蔽層の形成
にオフセット印刷機でのインライン加工を可能にし、デ
ザインに自由度があり、かつ見栄えのするスクラッチ隠
蔽層で構成されるスクラッチ隠蔽層付印刷物を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、少なくと
も片面にポリプロピレン皮膜層が施されている基材のポ
リプロピレン皮膜層面に機密情報データの画像でなる無
色の高密着性アンカーニス層が施され、該高密着性アン
カーニス層とその周囲を覆うように有色で全面ベタのス
クラッチ隠蔽層が施されているスクラッチ隠蔽層付印刷
物であって、前記機密情報データは、スクラッチオフで
掻き落とされない高密着性アンカーニス層上のスクラッ
チ隠蔽層でなることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印
刷物としたものである。
【0011】上記請求項1の発明によれば、機密情報デ
ータを、スクラッチオフで掻き落とされない高密着性ア
ンカーニス層上のスクラッチ隠蔽層でなる画像とするこ
とによって、この画像の部分の高密着性アンカーニス層
は無色なので他の部分(周囲)との差がなく、よってス
クラッチオフ前は、強い光を与えて透かしてみても、機
密情報データとして視認し難いスクラッチ隠蔽層付印刷
物となり、その結果として従来のスクラッチ隠蔽層付印
刷物のように裏面に透かし防止層を施す必要がないの
で、裏面のデザインに自由度が増し、またスクラッチ隠
蔽層の2度刷りや厚紙を必要としないので製造コストの
低減ともなる。
【0012】また、請求項2の発明では、少なくとも片
面にポリプロピレン皮膜層が施されている基材のポリプ
ロピレン皮膜層面に機密情報データの画像でなる無色の
高密着性アンカーニス層が施され、該高密着性アンカー
ニス層とその周囲を覆うように有色で規則的もしくは不
規則的線画紋様のスクラッチ隠蔽層が施されているスク
ラッチ隠蔽層付印刷物であって、前記機密情報データ
は、スクラッチオフで掻き落とされない高密着性アンカ
ーニス層上のスクラッチ隠蔽層でなることを特徴とする
スクラッチ隠蔽層付印刷物としたものである。
【0013】上記請求項2の発明によれば、上記の請求
項1と同様にスクラッチオフ前は、易剥離層上のスクラ
ッチ隠蔽層と同じ厚さで一体となっているので、強い光
を与えて透かしてみても、機密情報データとして視認し
難いスクラッチ隠蔽層付印刷物となり、その結果として
従来のスクラッチ隠蔽層付印刷物のように裏面に透かし
防止層を施す必要がないので、裏面のデザインに自由度
が増し、またスクラッチ隠蔽層の2度刷りや厚紙を必要
としないので製造コストの低減ともなるとともに、スク
ラッチ隠蔽層を、例えば規則的な万線や網点等あるいは
不規則的な地紋、細紋、さらには線画絵柄等でなる線画
紋様で形成することによって、最表面のスクラッチ隠蔽
層のデザインに自由度を与え、デザイン的に見栄えのす
るスクラッチ隠蔽層付印刷物を提供できる。
【0014】また、請求項3の発明では、前記スクラッ
チ隠蔽層は、スチレンアクリル系樹脂および/またはウ
レタン系樹脂をバインダーとするスクラッチ用印刷イン
キでなることを特徴とする請求項1または2記載のスク
ラッチ隠蔽層付印刷物としたものである。
【0015】上記請求項3の発明によれば、スクラッチ
隠蔽層を、スチレンアクリル系樹脂および/またはウレ
タン系樹脂をバインダーとした密着性に優れる印刷イン
キで形成することによって、このスクラッチ隠蔽層に対
するポリプロピレン皮膜層と高密着性アンカーニス層と
の密着性に大差をもたせ、その結果として高密着性アン
カーニス層に対し密着性がより向上し、使用に際しスク
ラッチオフすると、ポリプロピレン皮膜層の面では容易
にスクラッチオフされるが、その高密着性アンカーニス
層上ではスクラッチオフされずに残り、この残った部分
がシャープな機密情報データとして認識されるようにな
り、かつこのスクラッチ隠蔽層用の印刷インキは、従来
のSBR、NBR等合成ゴム系樹脂をバインダーとした
遅乾性のインキに比べ、速乾性なので規則的もしくは不
規則的線画紋様、例えば万線、網点、細紋あるいは線画
絵柄等がレベリングして流れたりせず、よってシャープ
性等に優れ、最表面のスクラッチ隠蔽層のデザインに見
栄えのするスクラッチ隠蔽層付印刷物を提供できる。さ
らにはこのスクラッチ隠蔽層用インキは、速乾性なので
レベリングせずに平坦な皮膜となり、高密着性アンカー
ニス層の段差が表面で秘密情報データとして視認される
ことのない信頼性のあるスクラッチ隠蔽層付印刷物と
し、かつまた上記組成のインキとすることによって、従
来のスクリーン印刷方式に代わり、生産効率のよいグラ
ビア方式、樹脂凸版を用いたロールコート方式あるいは
フレキソ方式などが適用できるようになり、オフセット
印刷機でのインライン化を可能にするスクラッチ隠蔽層
付印刷物とすることができる。
【0016】上記請求項1でいう全面ベタとは、印刷用
語で、印刷面に濃淡の差や白く抜けた部分がなく、印刷
インキで完全に覆われている部分をいう。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
用いて詳細に説明する。本発明のスクラッチ隠蔽層付印
刷物は、図1(a)の側断面図に示すように、例えば基
材(10)にポリプロピレン皮膜層(18)が施され、
そのポリプロピレン皮膜層(18)面に、機密情報デー
タのパターンとなる無色の高密着性アンカーニス層(1
6)が施され、この高密着性アンカーニス層(16)と
その周囲のポリプロピレン皮膜層(18)を覆うように
有色で全面ベタのスクラッチ隠蔽層(20)が施されて
いるスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)である。
【0018】本発明では、図1(b)の平面図およびそ
のB−B面断面を表す図1(c)の側断面図に示すよう
に、例えばこのスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)のスク
ラッチ隠蔽層(20)をコイン等でスクラッチオフ(引
っ掻き落とし)すると、ポリプロピレン皮膜層(18)
上のスクラッチ隠蔽層(20)は剥離されて、図1
(b)および図1(c)の右半分に示すように、スクラ
ッチオフで掻き落とされずに高密着性アンカーニス層
(16)上に残ったスクラッチ隠蔽層(20)が、
「O」の字を形成し、この「O」の字が機密情報データ
(12)となるようにしたスクラッチ隠蔽層付印刷物
(1)である。
【0019】このように、高密着性アンカーニス層(1
6)とポリプロピレン皮膜層(18)に対するスクラッ
チ隠蔽層(20)の密着性(接着強度)の差を利用した
スクラッチ隠蔽層付印刷物(1)である。
【0020】上記ポリプロピレン皮膜層(18)として
は、例えば雑誌の表紙等に用いるもので、紙を基材(1
0)とし、それに通常のオフセット印刷を施し、その印
刷面を保護するとともに光沢を付与するために、厚さ2
0μm程度のポリプロピレンフィルムを接着剤を介して
ラミネートするか、あるいは押出し機によりポリプロピ
レン樹脂の押出しコーティングにて得られるものを用い
ることができ、スクラッチ隠蔽層(20)に対しては密
着性に劣るものである。
【0021】これに対し高密着性アンカーニス層(1
6)としては、例えば例えば5〜25重量%の体質顔
料、20〜60重量%の感光性樹脂、5〜40重量%の
感光性モノマーでなる紫外線硬化型オフセット枚葉イン
キのビヒクルに、添加剤として10〜20重量%のベン
ゾフェノン、ジメチルアミンベンゾフェノン等でなる光
重合開始剤、さらにハイドロキノン等熱重合禁止剤等添
加剤などで構成される紫外線硬化型のオフセット用の無
色のアンカーニスが挙げられ、さらに具体的には、商品
名:FDOM下刷りニス10(東洋インキ製造社製)が
好適なアンカー用のインキ(ニス)であり、オフセット
印刷法にて形成することができる。
【0022】このアンカー用のインキ(ニス)は、上記
ポリプロピレン皮膜層(18)との接着性に優れ、かつ
スクラッチ隠蔽層(20)に対しアンカー剤となり密着
性に優れるものである。
【0023】上記のような構成のスクラッチ隠蔽層付印
刷物(1)では、図1(a)に示すように、スクラッチ
オフで機密情報データとなる高密着性アンカーニス層
(16)上のスクラッチ隠蔽層(20)とポリプロピレ
ン皮膜層(18)上のスクラッチ隠蔽層(20)とが同
一で、かつ機密情報データとなる高密着性アンカーニス
層(16)は無色なので他の部分(周囲のポリプロピレ
ン皮膜層(18))との差がなく、よってスクラッチオ
フ前は、強い光を与えて透かしてみても、機密情報デー
タ(12)として視認し難いスクラッチ隠蔽層付印刷物
(1)とすることができる。さらに図5に示す従来のス
クラッチ隠蔽層付印刷物のように裏面に透かし防止層
(24)を施す必要がないので、裏面のデザイン等情報
の量と自由度が増すメリットを備えたものとすることが
できる。
【0024】また、本発明では、図2(a)の側断面図
に示すように、請求項1の発明ての全面ベタのスクラッ
チ隠蔽層を、例えば規則的な万線状のパターン(20
a)でなるスクラッチ隠蔽層とするものである。このよ
うな規則的な万線状のパターン(20a)でなるスクラ
ッチ隠蔽層としたスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)をス
クラッチオフすると、図2(b)に示すように、ポリプ
ロピレン皮膜層(18)上の万線状のパターン(20
a)でなるスクラッチ隠蔽層は掻き落とされ、高密着性
アンカーニス層(16)上のスクラッチ隠蔽層は、規則
的な万線状のパターン(20a)でなる機密情報データ
(12)として視認されるようになる。このようにスク
ラッチオフ前後を問わずスクラッチ隠蔽層を規則的な万
線状のパターン(20a)とすることによって、最表面
のスクラッチ隠蔽層(20)や機密情報データ(12)
としてのデザインに自由度を与え、デザイン的に見栄え
のするスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)とすることがで
きる。
【0025】上記事例ではスクラッチ隠蔽層を規則的な
万線状のパターン(20a)としたが、この規則的な線
画紋様としては、この他に例えば網点状、格子状、斜め
格子状などが挙げられ、また不規則的な線画紋様として
は、例えば地紋、細紋、あるいは図3に示すように迷彩
パターン(20b)とすることもでき、さらには画線で
なる絵柄、粗い(60線/インチ以下の)網点でなる絵
柄などが挙げられ、これら線画紋様によってデザイン的
に見栄えのするスクラッチ隠蔽層(20)として適宜選
定することができる。
【0026】また、本発明では、図1(a)に示すよう
に、例えば万線状のスクラッチ隠蔽層(20)の形成
に、スチレンアクリル系樹脂および/またはウレタン系
樹脂をバインダーとする印刷インキを用いてスクラッチ
隠蔽層付印刷物(1)とするものである。
【0027】上記のスクラッチ隠蔽層(20)を形成す
るスクラッチ用の印刷インキの組成は、例えば有色で、
ある程度の隠蔽性とスクラッチ性を付与するためのアル
ミニウムペースト(アルミニウム微粉末を脂肪酸等で表
面処理し、沸点の高いミネラルスピリットなどでペース
ト状としたもの)と着色顔料が20〜45重量部、バイ
ンダーとしてのポリウレタン系合成樹脂あるいはスチレ
ン/アクリル系共重合樹脂、またはポリウレタン系合成
樹脂とスチレン/アクリル系共重合樹脂の混合体25〜
50重量部、消泡剤等助剤1〜10重量部を、10〜3
5重量部の水と5重量部未満のイソプロピルアルコール
等低級アルコールに分散させたものが挙げられ、高密着
性アンカーニス層(16)への密着性(接着性)と作業
の高能率化を可能にする速乾性を備えたスクラッチ用印
刷インキとすることができる。
【0028】また、従来のゴム系のスクラッチ用印刷イ
ンキは、溶剤としてトルエンやキシレン等を使用してい
て、消防法や有機溶剤中毒予防規則(労働安全衛生法)
の遵守の面から多くのコスト的負荷があることなどか
ら、オフセット印刷機でのインライン化としては不適で
あったが、本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物で使用す
るスチレンアクリル系樹脂および/またはウレタン系樹
脂をバインダーとし、水と少量のイソプロピルアルコー
ルに分散させてエマルジョンとしたスクラッチ用印刷イ
ンキは、この消防法や有機則の遵守の面からもオフセッ
ト印刷機でのインライン化を可能にする好適なものであ
る。
【0029】また、従来のSBR、NBR等合成ゴム系
樹脂をバインダーとした遅乾性のスクラッチインキを上
記発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物を構成するスクラッ
チ隠蔽層として使用すると、例えば図6の側断面を表す
模式図に示すように、このスクラッチインキは、乾燥が
遅いため乾燥前にレベリングして沈み、機密情報データ
のパターンとなる高密着性アンカーニス層(16)の部
分がスクラッチ隠蔽層(20)の表面に凸部(20c)
となって現れ、それが機密情報データとして認識される
ようになるのでセキュリティ面から好ましくないものと
なるが、上記本発明に係わるスクラッチインキでは、そ
の問題点が解決され、図1(a)に示すように、スクラ
ッチ隠蔽層(20)は、平坦なものとして形成され、セ
キュリティ面から好ましいものとなる。
【0030】また、本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物
(1)を構成する基材(10)としては、例えばインス
タント抽選券やゲームカードなどでは、アート紙、コー
ト紙、あるいは上質紙などの洋紙やコートボール、コー
トマニラ、両面カードなどの板紙、あるいは特殊証券用
紙などが挙げられ、また有価証券としてのスクラッチカ
ードなどでは、白色PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、白色PVC(ポリ塩化ビニル)シートなどが挙げ
られ、適宜用途等に応じて選定されるものである。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。即ち、基材の片面にポリプロピレ
ン皮膜層が施され、該ポリプロピレン皮膜層面に機密情
報データの画像でなる無色の高密着性アンカーニス層が
施され、該高密着性アンカーニス層とその周囲を覆うよ
うに有色で全面ベタのスクラッチ隠蔽層が施されている
スクラッチ隠蔽層付印刷物において、前記機密情報デー
タを、スクラッチオフで掻き落とされない高密着性アン
カーニス層上のスクラッチ隠蔽層でなる構成のスクラッ
チ隠蔽層付印刷物としたので、この機密情報データとな
る部分の高密着性アンカーニス層は、無色なので他の部
分(周囲のポリプロピレン皮膜層)との差がなく、よっ
てスクラッチオフ前は、強い光を与えて透かしてみて
も、機密情報データとして視認し難いスクラッチ隠蔽層
付印刷物となり、その結果として従来のスクラッチ隠蔽
層付印刷物のように裏面に透かし防止層を施す必要がな
いので、裏面のデザインに自由度が増し、またスクラッ
チ隠蔽層の2度刷りや厚紙を必要としないので製造コス
トの低減ともなる効果がある。
【0032】また、前記スクラッチ隠蔽層を、規則的あ
るいは不規則的な線画紋様で形成することによって、最
表面のスクラッチ隠蔽層のデザインに自由度を与え、デ
ザイン的に見栄えのするスクラッチ隠蔽層付印刷物を提
供できる。
【0033】さらにまた、前記スクラッチ隠蔽層を、ス
チレンアクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂を
バインダーとした密着性に優れる印刷インキで形成し、
このスクラッチ隠蔽層に対するポリプロピレン皮膜層と
高密着性アンカーニス層との密着性に大差をもたせたの
で、その結果として高密着性アンカーニス層に対し密着
性がより向上し、使用に際しスクラッチオフすると、ポ
リプロピレン皮膜層では容易にスクラッチオフされる
が、高密着性アンカーニス層上ではスクラッチオフされ
ずに残り、この残った部分が機密情報データとして認識
されるようになり、かつこのスクラッチ隠蔽層用の印刷
インキは、従来のSBR、NBR等合成ゴム系樹脂をバ
インダーとした遅乾性のインキに比べ、速乾性なのでレ
ベリングせずに皮膜となり、高密着性アンカーニス層が
スクラッチ隠蔽層の表面に凸部となならず平坦になるの
で、秘密情報データとして視認されることがなくセキュ
リティの面から信頼性のあるスクラッチ隠蔽層付印刷物
とし、かつ速乾性と環境保全の面からオフセット印刷機
でのインライン化を可能にする効果がある。
【0034】従って本発明は、インスタント抽選券やゲ
ームカード等の如く機密情報データをスクラッチ隠蔽層
で隠蔽してあるスクラッチ隠蔽層付印刷物として、優れ
た実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物の一実施の
形態を説明するもので、(a)は、その側断面図であ
り、(b)は、その右半分がスクラッチオフされた平面
図であり、(c)は、(b)のB−B面断面図である。
【図2】本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物の他の一実
施の形態を説明するもので、(a)は、その側断面図で
あり、(b)は、スクラッチオフされた側断面図であ
る。
【図3】本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物を構成する
スクラッチ隠蔽層の一事例を平面で表した説明図であ
る。
【図4】従来のスクラッチ隠蔽層付印刷物の一事例を側
断面で表した説明図である。
【図5】従来のスクラッチ隠蔽層付印刷物の他の一事例
を側断面で表した説明図である。
【図6】本発明に係わるスクラッチ隠蔽層付印刷物に従
来のスクラッチ隠蔽層用のインキを用いた場合の一事例
を側断面で表した説明図である。
【符号の説明】
1‥‥スクラッチ隠蔽層付印刷物 10‥‥基材 12‥‥機密情報データ 14‥‥易剥離層 16‥‥高密着性アンカーニス層 18‥‥ポリプロピレン皮膜層 20‥‥スクラッチ隠蔽層 20a‥‥万線状のパターン 20b‥‥迷彩パターン 20c‥‥スクラッチ隠蔽層の凸部 24‥‥透かし防止層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HB06 HB12 JA09 JC10 KA02 KA11 KA40 2H113 AA01 AA03 AA04 AA06 BC10 CA34 CA46 DA47 DA53 DA62 4J038 FA00 HA006 JA33 JA34 KA03 KA08 PA07 PA17 4J039 AD03 AD09 AE04 FA02 GA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも片面にポリプロピレン皮膜層が
    施されている基材のポリプロピレン皮膜層面に機密情報
    データの画像でなる無色の高密着性アンカーニス層が施
    され、該高密着性アンカーニス層とその周囲を覆うよう
    に有色で全面ベタのスクラッチ隠蔽層が施されているス
    クラッチ隠蔽層付印刷物であって、前記機密情報データ
    は、スクラッチオフで掻き落とされない高密着性アンカ
    ーニス層上のスクラッチ隠蔽層でなることを特徴とする
    スクラッチ隠蔽層付印刷物。
  2. 【請求項2】少なくとも片面にポリプロピレン皮膜層が
    施されている基材のポリプロピレン皮膜層面に機密情報
    データの画像でなる無色の高密着性アンカーニス層が施
    され、該高密着性アンカーニス層とその周囲を覆うよう
    に有色で規則的もしくは不規則的線画紋様のスクラッチ
    隠蔽層が施されているスクラッチ隠蔽層付印刷物であっ
    て、前記機密情報データは、スクラッチオフで掻き落と
    されない高密着性アンカーニス層上のスクラッチ隠蔽層
    でなることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物。
  3. 【請求項3】前記スクラッチ隠蔽層は、スチレンアクリ
    ル系樹脂および/またはウレタン系樹脂をバインダーと
    するスクラッチ用印刷インキでなることを特徴とする請
    求項1または2記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物。
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