JP2003145806A - 多値ドットプリンタ - Google Patents
多値ドットプリンタInfo
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- JP2003145806A JP2003145806A JP2001351760A JP2001351760A JP2003145806A JP 2003145806 A JP2003145806 A JP 2003145806A JP 2001351760 A JP2001351760 A JP 2001351760A JP 2001351760 A JP2001351760 A JP 2001351760A JP 2003145806 A JP2003145806 A JP 2003145806A
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Abstract
ら、良好な画質を保ったまま迅速な印刷も可能とする。 【解決手段】 大・中・小の各ドットを形成可能な第1
の駆動波形と、同じく大・中・小の各ドットを形成可能
な第2の駆動波形とを備え、第2の駆動波形は第1の駆
動波形よりも僅かに小さなドットを形成することとし
て、これら各種ドットを大きさの順番に並べたときに、
第1の駆動波形によるドットと第2の駆動波形によるド
ットとが互い違いとなるようにする。こうすれば、第1
および第2の駆動波形を適切に使い分けることにより、
良好な画質の画像を適切に印刷することができる。
Description
技術に関し、詳しくは、大きさの異なる各種ドットを形
成しつつ、印刷媒体上に高画質の画像を印刷する技術に
関する。
像を印刷する印刷装置は、コンピュータなどで作成した
画像の出力機器として広く使用されている。このような
印刷装置は、ドットを形成するか否かの2つの状態しか
取り得ないが、ドットを形成する密度を画像データの階
調値に応じて制御することで、多階調の画像の表現を可
能としている。
トを形成することにより、高画質の画像を印刷可能な、
いわゆるバリアブルドットプリンタも広く使用されてい
る。バリアブルドットプリンタは次のようにしてドット
を形成することにより、大きさの異なる複数種類のドッ
トを形成可能としている。先ず、複数の駆動信号を一組
として各駆動信号を順番に繰り返して出力するような駆
動波形を、発振器を用いて発生させ、これを、ヘッドに
設けられたドット形成要素(例えばピエゾ素子など)に
向かって出力する。発振器とヘッドとの間には選択器が
設けられており、駆動波形に含まれている複数の駆動信
号の中から必要な駆動信号を選択してヘッドに供給す
る。こうして、発振器から出力された駆動信号の中の適
切な駆動信号をヘッドに供給することによって、所望の
大きさのドットを形成している。また、一組の駆動信号
の中から例えば2つの駆動信号を選択してヘッドに供給
すれば、一つの画素に複数のドットを形成することが可
能であり、更に大きなドットを形成することも可能とな
る。
なドットの種類を増やしていく程、より一層高画質な画
像を印刷することが可能である。もっとも、こうしたプ
リンタはヘッドを移動させながらドットを形成している
ので、一つの駆動波形に含めることの可能な駆動信号の
個数には自ずから制約が存在する。なぜなら、駆動信号
の数があまりに多くなると、一連の駆動信号を出力する
ために要する時間が長くなるので、これらドットを同じ
画素に形成することができなくなってしまうからであ
る。かかる制約の下で、多種類のドットを形成して高画
質の画像を印刷可能とするために、駆動波形を複数種類
組み合わせて使用する技術が提案されている(例えば、
特開2000−280495号など)。
(駆動波形A)は、比較的大きなドットを形成するため
の各種の駆動信号によって構成し、他方の駆動波形(駆
動波形B)は、比較的小さなドットを形成するための各
種の駆動信号で構成する。画像の印刷に際しては、ヘッ
ドを移動させながら、例えば駆動波形Aを出力して大き
なドットを形成し、その後に駆動波形Bを出力して小さ
なドットを形成する。こうして、2つの駆動波形を交互
に出力し、複数の駆動信号の中から適切な信号を選択し
て所望のドットを形成すれば、高画質の画像を印刷する
ことが可能となる。
形を組み合わせて使用したのでは、駆動波形の種類に相
当する回数だけヘッドを主走査しなければならないの
で、印刷に時間がかかってしまうという問題がある。例
えば、駆動波形A,Bを使用する場合は、ヘッドを主走
査しながら駆動波形Aを供給して大きなドットを形成し
た後に、今度は駆動波形Bを供給してヘッドの主走査を
行って小さなドットを形成するというように、ヘッドを
2回主走査しなければならず、その分だけ印刷に時間が
かかってしまう。
用いて画像を印刷することも可能ではある。しかし、例
えば駆動波形Aのみを用いたのでは小さなドットを形成
することができないので画質の悪化という新たな問題が
発生する。逆に、駆動波形Bのみを用いたのでは大きな
ドットを形成することができないので、その分だけ印刷
解像度を上げて多数のドットを形成しなければならず、
印刷時間が逆に長くなる場合がある。
を解決するためになされたものであり、複数の駆動波形
を組み合わせて高画質な画像を印刷可能であるととも
に、良好な画質を維持したまま迅速に画像を印刷するこ
とも可能な技術の提供を目的とする。
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の印
刷装置は、次の構成を採用した。すなわち、駆動信号を
受け取って該駆動信号に応じたドットを形成するヘッド
を、印刷媒体に対して相対的に移動させながらドットを
形成することにより該印刷媒体上に画像を印刷する印刷
装置であって、前記駆動信号を複数含んだ第1の駆動波
形を出力する第1の駆動波形出力手段と、前記第1の駆
動波形とは異なる駆動信号を複数含んだ第2の駆動波形
を出力する第2の駆動波形出力手段と、前記第1の駆動
波形あるいは前記第2の駆動波形のいずれかを選択し、
該選択した駆動波形の中から適切な前記駆動信号を前記
ヘッドに供給する駆動信号供給手段とを備えるととも
に、前記第2の駆動波形には、表現する階調値が前記第
1の駆動波形による各種ドットに対して互い違いに異な
る各種ドットを形成可能な、複数の駆動信号が含まれて
いることを要旨とする。
印刷方法は、駆動信号を受け取って該駆動信号に応じた
ドットを形成するヘッドを、印刷媒体に対して相対的に
移動させながらドットを形成することにより該印刷媒体
上に画像を印刷する印刷方法であって、前記駆動信号を
複数含んだ第1の駆動波形を出力するとともに、前記第
1の駆動波形が形成可能な各種ドットに対して、表現す
る階調値が互い違いに異なる各種ドットを形成可能に、
該第1の駆動波形とは異なる駆動信号を複数含んだ第2
の駆動波形を出力し、前記第1の駆動波形とは異なる駆
動信号を複数含み、かつ、表現する階調値が該第1の駆
動波形による各種ドットに対して互い違いに異なる各種
ドットを形成可能な第2の駆動波形を出力し、前記第1
の駆動波形あるいは前記第2の駆動波形のいずれかを選
択し、前記選択した駆動波形の中から適切な前記駆動信
号を前記ヘッドに供給して前記画像を印刷することを要
旨とする。
は、第1の駆動波形により形成可能なドットと、第2の
駆動波形により形成可能なドットとは、ドットの表現す
る階調値が互い違いに異なるように設定されている。従
って、第1の駆動波形によるドットと第2の駆動波形に
よるドットとを組み合わせて用いれば、画素単独でもよ
りきめ細かな階調表現が可能となり、それだけ高画質な
画像を印刷することができる。ここで、ドットの表現す
る階調値が互い違いに異なるとは、表現する階調値の順
にドットを並べたときに、第1の駆動波形によるドット
と第2の駆動波形によるドットとが交互に表れるような
関係にあることを言う。
値と第2の駆動波形によるドットの階調値とが、互い違
いに異なる関係としておけば、いずれの駆動波形にも、
階調値の小さなドットから階調値の大きなドットまで、
階調値が偏ることなく各種ドットが含まれることにな
る。このように、どちらの駆動波形においても表現する
階調値が偏ることなく各種のドットを形成可能としてお
けば、いずれか一方の駆動波形を単独で用いることで、
ドットを形成する処理を簡略化して迅速な印刷を行った
場合でも、良好な印刷画質を維持することができる。
とで、ドットの表現する階調値を互い違いとしておけ
ば、一方の駆動波形によるドットは他方の駆動波形によ
るドットに対して、表現する階調値が少しずつ大きめと
なる。従って、迅速に画像を印刷しようとする場合、大
きめのドットを形成する駆動波形を用いて印刷すれば、
大きめのドットを形成することで、より迅速に画像を印
刷することが可能となる。また、高画質の画像を印刷し
ようとする場合は、小さめのドットを形成する駆動波形
を用いて印刷すれば、小さめのドットを形成することで
ドットの目立たないより高画質の画像を印刷することが
可能となるので好ましい。
の表現する階調値を互い違いとせず、一方の駆動波形で
は階調値の大きなドットのみを形成し、他方の駆動波形
では階調値の小さなドットのみを形成することとした方
が、良好な画質を得ることができる。すなわち、階調値
の小さなドットを形成する駆動波形のみを用いて画像を
印刷すれば、小さなドットのみを用いて画像を印刷する
ので極めて高画質な画像を得ることができる。しかし、
この場合、大きめのドットが形成できないので解像度を
非常に高くしなければならず、印刷にきわめて長い時間
が必要となってしまう。これに対して、第1の駆動波形
と第2の駆動波形とでドットの表現する階調値を互い違
いとしておき、小さめのドットを大きめのドットと混在
させて形成する駆動波形を用いて印刷すれば、比較的大
きなドットも形成することができるので、迅速な印刷を
行うことができる。一方で、最小ドットの大きさについ
ては、小さなドットのみを形成する場合と同等であるこ
とから、迅速な印刷が可能であるにもかかわらず、ほぼ
同程度に高画質の画像を印刷することが可能となるので
好ましい。
び第2の駆動波形の2種類の駆動波形のみを出力可能な
場合に限られず、3種類以上の複数種類の駆動波形の中
から1つの駆動波形を選択し、該選択した駆動波形の中
から適切な駆動信号をヘッドに供給することとしても良
いことは言うまでもない。こうして複数種類の駆動波形
の中から適切な波形を選択可能とすれば、種々の駆動信
号を含んだ駆動波形の中から適切な波形を選択すること
ができるので、印刷画質を更に向上させることが可能と
なって好ましい。
動波形および前記第2の駆動波形は、それぞれに前記各
種ドットを同じ種類数ずつ形成可能な駆動波形としても
良い。第1の駆動波形および第2の駆動波形が、それぞ
れに各種ドットを同種類数ずつ形成可能としておけば、
いずれかの駆動波形を切換ながらドットを形成する処理
を簡便なものとすることができる。
は、印刷画質および印刷速度に関する印刷条件の設定内
容を検出し、検出した印刷条件の設定内容に応じて、複
数の駆動波形の中から適切な波形を選択した後、該選択
した駆動波形を前記ヘッドに供給することとしても良
い。
適切な駆動波形を用いて各種ドットを形成することがで
きるので、印刷画質と印刷速度とを印刷条件に応じてよ
り適切に両立させることが可能となる。
号に応じて前記ヘッドからインク滴を吐出することによ
り、前記印刷媒体上にインクドットを形成して画像を印
刷する印刷装置としてもよい。
動波形あるいは第2の駆動波形を適切に選択して前記ヘ
ッドに供給すれば、表現する階調値の異なる各種ドット
を形成して高画質の画像を印刷することが可能となる。
また、いずれか一方の駆動波形のみを用いてドットを形
成する場合でも、階調値の小さなドットから階調値の大
きなドットまで各種ドットを形成することができるの
で、良好な印刷画質を維持しつつ、ドットを形成する処
理を簡略化して迅速に画像を印刷することができる。
を前記印刷媒体に対して主走査させる毎に、前記第1の
駆動波形あるいは前記第2の駆動波形のいずれかを選択
することとしても良い。駆動波形の選択を主走査毎に行
うこととすれば、画素毎に選択する場合よりも容易に実
現することが可能であり、延いては印刷装置を簡素なも
のとすることができるので好ましい。
駆動波形を前記第1の駆動波形に対して所定の割合で選
択することとしても良い。こうして2つの駆動波形を所
定の割合で選択すれば、あたかも第3の駆動波形を設け
たのと同様の効果が得られる。従って、第2の駆動波形
を第1の駆動波形に対して所定の割合で選択することと
すれば、構造の複雑化を招くことなく、より適切に画像
を印刷することが可能となる。
対して所定の割合で選択する印刷装置においては、主走
査毎に、前記第1の駆動波形と前記第2の駆動波形とを
交互に選択することとしても良い。こうすれば、第1の
駆動波形によるドットと第2の駆動波形によるドットと
が混在するような画像を印刷する場合、第1の駆動波形
によるドットと第2の駆動波形によるドットとを異なる
主走査で形成することになる。ドット列を、こうして複
数回の主走査に分けて形成すれば、1度の主走査で形成
する場合に比べて高画質の画像を印刷することが可能と
なるので好ましい。
実現するプログラムをコンピュータに読み込ませること
で、コンピュータを用いて実現することも可能である。
従って、本発明は次のような態様として把握することも
可能である。すなわち、本発明の印刷方法に対応するプ
ログラムは、駆動信号を受け取って該駆動信号に応じた
ドットを形成するヘッドを、印刷媒体に対して相対的に
移動させながらドットを形成することにより該印刷媒体
上に画像を印刷するためのプログラムであって、前記駆
動信号を複数含んだ第1の駆動波形を出力する機能と、
前記第1の駆動波形が形成可能な各種ドットに対して、
表現する階調値が互い違いに異なる各種ドットを形成可
能に、該第1の駆動波形とは異なる駆動信号を複数含ん
だ第2の駆動波形を出力する機能と、前記第1の駆動波
形あるいは前記第2の駆動波形のいずれかを選択する機
能と、前記選択した駆動波形の中から適切な前記駆動信
号を前記ヘッドに供給して前記画像を印刷する機能とを
コンピュータにより実現するプログラムとしての態様で
ある。
ンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体として把
握することも可能である。このような記録媒体に記録さ
れたプログラムをコンピュータに読み込ませ、上述の各
種機能を実現することで、高画質の画像を印刷すること
ができる。もちろん、いずれか一方の駆動波形を用いて
画像を印刷すれば、良好な画質を維持したまま迅速に画
像を印刷することが可能となる。
説明するために、以下では、本発明の実施の形態を次の
ような順序に従って説明する。 A.装置構成: B.ドット形成制御:
について、実施例に基づき説明する。図1は、本実施例
のプリンタPRTを用いた印刷システムの構成を示す説
明図である。プリンタPRTは、コンピュータPCに接
続され、コンピュータPCから印刷データを受け取って
印刷を実行する。プリンタPRTはコンピュータPCが
プリンタドライバと呼ばれるソフトウェアを実行するこ
とにより動作する。コンピュータPCは、外部のネット
ワークTNに接続されており、特定のサーバSVに接続
することにより、プリンタPRTを駆動するためのプロ
グラムおよびデータをダウンロードすることも可能であ
る。また、フレキシブルディスクドライブFDDやCD
−ROMドライブCDDを用いて、必要なプログラムお
よびデータをフレキシブルディスクやCD−ROMなど
の記録媒体からロードすることも可能である。
成を併せて示した。プリンタPRTには、入力部91、
バッファ92、主走査部93、副走査部94、ヘッド駆
動部95、駆動波形ユニット96が備えられている。入
力部91は、コンピュータPCから印刷データおよび印
刷モードデータを受け取り、バッファ92に一旦記憶す
る。コンピュータPCから与えられる印刷データは、2
次元的に配列された各画素ごとに表現されるべき濃度を
与えるデータである。主走査部93は、印刷データに基
づいてプリンタPRTのヘッドを一方向に往動あるいは
復動させる主走査を行う。副走査部94は、主走査が終
了する度に印刷用紙を主走査方向と直交する方向に搬送
する副走査と呼ばれる動作を行う。ヘッド駆動部95
は、主走査中にバッファ92に記憶された印刷データに
基づいてプリンタのヘッドを駆動し、印刷用紙上にドッ
トを形成する。後述する通り、本実施例のプリンタPR
Tは、印刷モードに応じて各画素毎に異なるインク量の
ドットを形成することにより、多段階の濃度を表現する
ことができる。印刷モード毎に形成されるドットの種類
は、駆動波形ユニット96により決定される。本実施例
のプリンタPRTには、2種類の駆動波形ユニット96
a,96bが設けられている。ヘッド駆動部95は、コ
ンピュータPCから指示された印刷モードに応じて、こ
の駆動波形ユニット96に設けられた一方あるいは双方
のユニットを用いてヘッドを駆動し、各画素に印刷デー
タに応じたドットを形成する。
タPRTの概略構成を説明する。図示するように、この
プリンタPRTは、紙送モータ23によって用紙Pを搬
送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッ
ジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、
キャリッジ31に搭載された印字ヘッド28を駆動して
インクを吐出する機構と、これらの紙送モータ23,キ
ャリッジモータ24,印字ヘッド28および操作パネル
32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成
されている。
往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設さ
れキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、
キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を
張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検
出する位置検出センサ39等から構成されている。
用のカートリッジ71と、シアン(C),マゼンタ
(M),イエロ(Y)の3色のインクを収納したカラー
インク用カートリッジ72とが搭載可能である。キャリ
ッジ31の下部の印字ヘッド28には計4個のインク吐
出用ヘッド61〜64が形成されている。キャリッジ3
1にカートリッジ71、72を装着すると、各インクカ
ートリッジからヘッド61〜64にインクが供給され
る。
Nzの配列を示す説明図である。これらのノズルは、各
色ごとにインクを吐出する4組のノズルアレイから成っ
ており、各ノズルアレイには48個のノズルNzが一定
のノズルピッチkで千鳥状に配列されている。各ノズル
アレイの副走査方向の位置は互いに一致している。
る。図4はインク吐出用ヘッド28の内部の概略構成を
示す説明図である。図示の都合上K、C、Mの3色につ
いて示した。ヘッド61〜64には、各ノズルごとにピ
エゾ素子PEが配置されている。図4に示すように、ピ
エゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通
路68に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PE
は、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、
極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子であ
る。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた
電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、ピエ
ゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、図中の矢印で
示すようにインク通路68の一側壁を変形させる。この
結果、インク通路68の体積はピエゾ素子PEの伸張に
応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子I
pとなって、ノズルNzの先端から高速に吐出される。
このインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙P
に染み込むことにより印刷が行われる。
PEに異なる波形で電圧を印加することにより、インク
量の異なるドットを形成可能としている。この原理につ
いて説明する。図5は、インクが吐出される際のノズル
Nzの電圧波形と吐出されるインクIpとの関係を示し
た説明図である。図5において破線で示した電圧波形が
通常のドットを吐出する際の波形である。区間d2にお
いて一旦、基準電圧よりも低い電圧をピエゾ素子PEに
印加すると、インク通路68の断面積を増大する方向に
ピエゾ素子PEが変形する。ノズルへのインクの供給速
度には限界があるため、インク通路68の拡大に対して
インクの供給量が不足する。この結果、図5の状態Aに
示した通り、インク界面MeはノズルNzの内側にへこ
んだ状態となる。図5の実線で示す電圧波形を用い、区
間d1に示すように電圧を急激に低くすると、インクの
供給量はさらに不足した状態となる。従って、状態aで
示す通りインク界面は状態Aに比べて大きく内側にへこ
んだ状態となる。
ると(区間d3)、先に説明した原理に基づいてインク
滴が吐出される。このとき、インク界面があまり内側に
へこんでいない状態(状態A)からは状態Bおよび状態
Cに示すごとく大きなインク滴が吐出され、インク界面
が大きく内側にへこんだ状態(状態a)からは状態bお
よび状態cに示すごとく小さなインク滴が吐出される。
このように、駆動電圧を低くする際(区間d1,d2)
の変化率に応じて、ドットのサイズを変化させることが
できる。このような波形の電圧は、後述する発振器を用
いて出力する。
めの発振器を2つ備えている。図6は第1の発振器によ
る電圧波形により形成されるドットの様子を示す説明図
である。図示する通り第1の発振器は、3種類の駆動信
号A1,A2,A3が連続した駆動波形Aを出力する。
駆動信号A1は5ngのインク滴を吐出してドット(以
下、A小ドットと呼ぶ)を形成する信号であり、駆動信
号A2は10ngのインク滴を吐出してドット(以下、
A中ドットと呼ぶ)を形成する信号であり、駆動信号A
3は25ngのインク滴を吐出してドット(以下、A大
ドットと呼ぶ)を形成する信号である。駆動波形A、即
ち第1の発振器による駆動信号A1,A2,A3を用い
ると、図6に示す4段階の濃度を表現することができ
る。即ち、駆動信号A1,A2,A3をすべてオフとす
ることにより「ドットの非形成」、駆動信号A1のみを
オンにすることにより「A小ドットの形成」、駆動信号
A2のみをオンにすることにより「A中ドットの形
成」、駆動信号A3のみをオンにすることにより「A大
ドットの形成」で濃度を表現することができる。尚、本
実施例では、このように階調値に応じて駆動信号A1な
いしA3のいずれか1つのみをオンとしたが、複数の駆
動信号をオンとして表現する階調値を設けても良い。
3が連続した駆動波形Bを出力する。これら駆動信号
は、第1の発振器が出力する駆動信号A1,A2,A3
よりも少しずつ小さなドットを形成する。駆動波形の出
力態様は、第1の発振器と同様であり、駆動信号B1,
B2,B3を各画素に連続的に出力する。駆動信号B1
は3ngのインク滴を吐出してドット(以下、B小ドッ
トと呼ぶ)を形成する信号であり、駆動信号B2は7n
gのインク滴を吐出してドット(以下、B中ドットと呼
ぶ)を形成する信号であり、駆動信号B3は15ngの
インク滴を吐出してドット(以下、B大ドットと呼ぶ)
を形成する信号である。駆動波形B、即ち駆動信号B
1,B2,B3によって、第1の発振器と同様、「ドッ
トの非形成」、「B小ドットの形成」、「B中ドットの
形成」、「B大ドットの形成」の4段階の濃度を表現す
ることができる。
トの各種ドットを形成するために、それぞれに異なる波
形の駆動信号を用いてインク滴を吐出するものとして説
明したが、これに限らず、例えば小ドットと中ドットと
を同一の画素に形成することで大ドットを形成するよう
にしても良い。あるいは、駆動信号の波形は同じ波形と
しておき、ドットを形成する回数を変えることでドット
の大きさを変更しても良い。例えば、ドットを1つだけ
形成することで小ドットを形成し、同一画素に2つのド
ットを形成して中ドットを、同一画素に3つのドットを
形成して大ドットを形成するようにしても構わない。
てドットを形成するための制御回路40の内部構成を説
明する。図7は制御回路40の内部構成を示す説明図で
ある。図示する通り、この制御回路40の内部には、C
PU41,PROM42,RAM43の他、コンピュー
タPCとのデータのやりとりを行うPCインタフェース
44と、紙送モータ23、キャリッジモータ24および
操作パネル32などとの信号をやりとりする周辺入出力
部(PIO)45と、計時を行うタイマ46と、ヘッド
61〜64にドットのオン・オフの信号を出力する駆動
用バッファ47などが設けられており、これらの素子お
よび回路はバス48で相互に接続されている。
発振器51Aと、駆動波形Bを出力する発振器51Bが
備えられている。また、これらの発振器51A,51B
からの出力をヘッド61〜64に所定のタイミングで分
配して出力する分配出力器55も設けられている。発振
器51A,51Bから出力された駆動波形は、切替器5
2を通して分配出力器55に出力される。切替器52
は、PIO45を通じてCPU41により制御され、キ
ャリッジ31の往動・復動に合わせて、駆動波形Aまた
は駆動波形Bのいずれかが分配出力器55に出力され
る。こうして切替器52から出力された駆動波形セット
A,Bいずれかの駆動波形が各ノズルに出力され、各画
素にドットが形成される。
リンタPRTは、紙送モータ23により用紙Pを搬送し
つつ(以下、副走査という)、キャリッジ31をキャリ
ッジモータ24により往復動させ(以下、主走査とい
う)、同時に印字ヘッド28の各色ヘッド61〜64の
ピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行い、
ドットを形成して用紙P上に多色の画像を形成する。
Tには、2つの発振器51A,51Bが備えられてお
り、それぞれ駆動波形A,駆動波形Bを出力する。これ
ら駆動波形のいずれか、あるいは双方を組み合わせて各
種ドットを形成することにより、極めて高画質な印刷を
行う場合から、一定の画質を維持したまま迅速な印刷を
行う場合まで、印刷者の要求に柔軟に対応することが可
能となっている。以下では、これら駆動波形を用いてド
ットを形成する処理について説明する。
プリンタPRTがコンピュータPCから印刷データを受
け取ってドットを形成する処理の流れを示したフローチ
ャートである。かかる処理は、プリンタPRTのCPU
41が実行する。以下、図8のフローチャートに従って
説明する。
は、印刷データおよび印刷モードをコンピュータPCか
ら読み込む(ステップS100)。本実施例では、コン
ピュータPCにおいて、各画素について画像データが、
いずれのドットを形成するかを示すデータに変換され、
印刷データとしてプリンタPRTに供給される(図1参
照)。また、印刷モードとしては、「中間モード」,
「高速モード」,「高画質モード」の3つのモードが設
定されており、プリンタPRTの使用者が目的に応じた
モードを指定して印刷を行う。「中間モード」は、印刷
速度との両立を図りながら高画質の画像を印刷するモー
ドであり、標準的に使用されるモードである。「高速モ
ード」は、印刷画質よりも印刷速度を優先させて迅速な
印刷を行うモードであり、「高画質モード」は、印刷速
度よりも印刷画質を優先させてきわめて高画質な画像を
印刷するモードである。プリンタPRTの使用者は、印
刷を始めるに際してプリンタドライバに対して適切なモ
ードを指定することにより、印刷の目的に応じたモード
で印刷を行うことが可能となっている。ステップS10
0の処理では、これら印刷データと印刷モードとをコン
ピュータPCから取得して、一旦、RAM43に記憶す
る。
て、いずれのモードで印刷を行うかを判断する(ステッ
プS102)。読み込んだ印刷モードが「高速モード」
である場合は、往動時および復動時いずれの駆動波形に
も駆動波形Aを選択する(ステップS104)。本実施
例のプリンタPRTは、キャリッジ31を主走査させな
がらドットを形成するに際して、往動時だけでなく復動
時にもドットを形成している。このような印刷方式は、
双方向印刷と呼ばれる。ステップS104の処理では、
往動時・復動時のいずれの場合にも駆動波形Aを使用し
てドットを形成する旨を選択する。
「高画質モード」であると判断された場合は、往動時お
よび復動時いずれの駆動波形にも駆動波形Bを選択する
(ステップS106)。同様に、印刷モードが「中間モ
ード」であると判断された場合は、往動時の駆動波形に
は駆動波形Aを、復動時の駆動波形には駆動波形Bをそ
れぞれ選択する(ステップS108)。
ら、RAM43に記憶しておいた印刷データの中から、
キャリッジの往動時に形成するドットのデータを読み出
して、駆動用バッファ47に設定する(ステップS11
0)。次いで、キャリッジ31を往動させながら駆動波
形を供給すると、駆動用バッファ47に設定されたデー
タに従って、各画素に適切なドットが形成される(ステ
ップS112)。各画素に適切なドットが形成される様
子については後ほど詳しく説明する。
したら、副走査を行う(ステップS114)。副走査と
は、ヘッドまたは印刷用紙のいずれか、あるいは双方を
移動させて、主走査方向と直交する方向に所定量だけ相
対位置を移動させる動作をいう。本実施例のプリンタP
RTでは、印刷用紙を所定量だけ搬送することで副走査
を行う。
に記憶した印刷データの中からキャリッジの復動時に形
成するドットのデータを読み出して、駆動用バッファ4
7に設定し(ステップS116)、キャリッジ31を復
動させながら駆動波形を供給する。こうして各画素に適
切なドットが形成される(ステップS118)。
形成したら、再び印刷用紙を所定量だけ搬送して副走査
を行った後(ステップS120)、印刷が終了したか否
かを判断する(ステップS122)。未処理の印刷デー
タが残っている場合(ステップS122:no)は、前
述のステップS110に戻って、すべての印刷データの
処理を終了するまで続く一連の処理を繰り返す。未処理
の印刷データが残っていない場合(ステップS122:
yes)は、ドット形成処理を終了する。
は、印刷モードの設定に応じて適切な駆動波形を使用し
て、キャリッジの往動と復動とを繰り返しながら各画素
にドットを形成していく。以下では、各モード毎にかか
る処理について説明する。
て「高速モード」が設定されている場合に、キャリッジ
31を往復動させながら適切なドットを形成する処理に
ついて、図9および図10を参照しながら説明する。
刷データについて、図9を参照しながら説明する。図9
は、印刷モードとして「高速モード」が設定されている
場合に、コンピュータPCが画像データを変換する処理
の概要を示した説明図である。「高速モード」が設定さ
れている場合、プリンタPRTは、インク重量がそれぞ
れ25ng,10ng,5ngのインク滴を吐出するこ
とにより、大ドット,中ドット,小ドットの各種ドット
を形成して画像を印刷する。これに対応してコンピュー
タPCは、印刷しようとする画像のRGB画像データを
受け取ると、これを一旦、CMY画像データあるいはC
MYK画像データ(以下、CMY画像データと簡略化し
て表現する)に変換した後、CMY画像データをこれら
各種ドットによる表現形式のデータに変換する。すなわ
ち、図9に示すように、CMY画像データの階調値が低
い領域の画像は、小ドットをまばらに形成するようなデ
ータに変換する。CMY画像データの階調値がもう少し
高い部分は、もう少し高い密度で小ドットを形成するよ
うなデータに変換する。
素にドットが形成されている状態)を超えることはでき
ないので、図9に示すように、CMY画像データの階調
値が「D1」より高い画像の領域では、画像データを小
ドットと中ドットとが混在して形成されるようなデータ
に変換する。このように、小ドットの一部を中ドットに
置き換えてやれば、より高い階調値の画像を表現するこ
とが可能である。また、CMY画像データの階調値が高
いほど、より高い割合で小ドットを中ドットに置き換え
てやればよい。こうして、画像データの階調値が階調値
「D1」より高くなるにつれて、小ドットの形成密度を
小さくし、代わりに中ドットを多く形成するようなデー
タに変換する。中ドットの形成密度も100%を超える
ことはできないので、画像データの階調値が「D2」を
超えた部分の画像では、画像データを中ドットと大ドッ
トとを形成するような画像に変換する。また、画像デー
タの階調値が高くなるほど、中ドットの形成密度を小さ
く、代わりに大ドットを多く形成するようなデータに変
換する。このようにコンピュータPCは、小ドット,中
ドット,大ドットの各種ドットがCMY画像データの階
調値に応じた適切な密度で形成されるように、各々の画
素についてドット形成有無を表したデータに画像データ
を変換する。プリンタPRTのRAM43には、このよ
うな印刷データ、すなわち各画素についてドットを形成
するか否か、形成するとすればいずれのドットを形成す
るかを示すデータが記憶されている。
ながら各画素にドットを形成している様子を概念的に示
した説明図である。図中のP1ないしP8は画素を表し
ている。高速モードにおいては、ヘッドの往動時あるい
は復動時のそれぞれにおいて、P1ないしP8の全ての
画素にドットを形成する。前述したように、高速モード
ではインク重量25ngのインク滴を吐出して大きなド
ットを形成することが可能であり、かかる大きなドット
を形成すれば、1回の往動あるいは復動で、ラスタを完
成させることができる。ここで、ラスタとは、主走査方
向に並んだドットの列を言う。従って、「高速モード」
が選択されている場合、プリンタPRTはヘッドを往復
動させる間に2本分のラスタを形成することが可能であ
る。
するに際しては、先ず往動時に形成するラスタの全画素
について、ドットの形成有無を示すデータをRAM43
から読み出し、駆動用バッファ47に設定する(図8の
ステップS110)。次いで、キャリッジ31が往動時
に各画素位置を通過するタイミングに合わせて、駆動波
形Aをヘッドに供給する。図6を用いて前述したよう
に、駆動波形Aには、5ngのインク滴を吐出するため
の駆動信号と、10ngのインク滴を吐出する駆動信号
と、25ngのインク滴を吐出する駆動信号とが含まれ
ている。これら駆動信号の中の不要な駆動信号の部分
が、駆動用バッファ47に設定したデータに基づいてマ
スクされ、必要な駆動信号のみがヘッドに供給される。
その結果、各画素には、印刷データに応じたドットが形
成されることになる。もちろん、すべての駆動信号部分
がマスクされた場合は、その画素にはいずれのドットも
形成されない。図8のステップS112では、このよう
にして各画素にドットを形成しながらヘッドを往動させ
ることで、ラスタを完成させる。
構成する各画素にドットを形成する。そのために、先
ず、往動時に形成するラスタの各画素についてドットの
形成有無を示すデータを、RAM43から読み出して駆
動用バッファ47に設定し(図8のステップS11
6)、次いで、図10に示すように、キャリッジ31が
復動時に各画素位置を通過するタイミングに合わせて、
駆動波形Aをヘッドに供給する。駆動波形Aの中の不要
な駆動信号の部分が、駆動用バッファ47に設定したデ
ータに基づいてマスクされ、必要な駆動信号のみがヘッ
ドに供給される。その結果、各画素には、印刷データに
応じたドットが形成されることになる。図8のステップ
S118では、このようにしてヘッドを往動させつつ各
画素にドットを形成することで、1本のラスタを完成さ
せる。
ド」が設定されている場合は、インク重量25ngのイ
ンク滴を吐出して大きなドットを形成し、ヘッドを往復
動させる間に2本分のラスタを形成することで、画像を
迅速に印刷することが可能となる。すなわち、キャリッ
ジ31を往動あるいは復動させる1回の主走査毎に、1
本のラスタを完成させていることになる。また、重量5
ngのインク滴を吐出することで、比較的小さなドット
を形成することが可能であり、迅速な印刷を行う場合で
あっても良好な画質を維持することが可能である。
して「高画質モード」が設定されている場合は、上述の
「高速モード」が設定されている場合に対して、駆動波
形Bを用いてドットを形成する点が大きく異なってい
る。以下、図11および図12を参照しながら「高画質
モード」が設定されている場合について簡単に説明す
る。
じて、各画素に小ドット、中ドット、大ドットの各種ド
ットを適切な密度で形成する様子を概念的に示した説明
図である。CMY画像データに応じて各種ドットを形成
する方法は、図9を用いて説明したものと同様であるた
め、ここでは説明は省略する。
ながら各画素にドットを形成して、画像を印刷する様子
を概念的に示した説明図である。「高画質モード」では
駆動波形Bを用いてドットを形成しており、駆動波形B
で形成可能な最も大きなドットは、インク重量15ng
のインク滴によるドットである。かかるドットは、「高
速モード」で形成可能なインク重量25ngのインク滴
によるドットよりも小さなドットである。インク重量2
5ngによる大きなドットであれば、画素P1ないしP
8の各画素に1つずつドットを形成するだけで、画素間
に隙間が生じないようにドットを形成することができ
る。これに対して、インク重量15ngのインク滴によ
るドットでは、画素P1ないしP8の各画素に1つずつ
ドットを形成したのでは、ドット間に隙間が生じてしま
う。そこで、各画素を2つの小画素に分割して、各小画
素に1つずつドットを形成する。換言すれば、解像度を
2倍にして印刷するのである。こうすれば、画素間に隙
間が生じないようにドットを形成することができる。こ
のように「高画質モード」では、駆動波形Bを用い、2
倍の印刷解像度でドットを形成する。
ド」で印刷する場合は、画素P1ないしP8の各画素に
連続してドットを形成したが、「高画質モード」では画
素P1ないしP8の各画素に連続してドットを形成する
のではなく、画素を1つずつおいてドットを形成してい
る。すなわち、図12に示すように1回目の主走査で
は、画素P1にドットを形成したら、画素P2を飛ばし
て画素P3にドットを形成し、画素P4を飛ばして画素
P5にドットを形成していく。こうして奇数番目の画素
にドットを形成したら、2回目の主走査では偶数番目の
画素にドットを形成していく。
素を1つ飛びにドットを形成しているのは、次のような
理由による。「高画質モード」では、駆動波形Bを用い
ており、インク重量3ngの微細なインク滴を吐出して
たいへん小さなインクドットを形成することが可能とな
っている。このように、微細なインク滴を安定して吐出
するためには、ノズルに形成されたインク界面Me(図
5参照)が安定していることが望ましい。「高速モー
ド」のように各画素に連続してドットを形成しようとす
ると、前の画素に向けてインク滴を吐出したことによる
インク界面Meの振動が十分に減衰する前に、次のイン
ク滴を吐出しなければならなくなり、3ngのインク滴
を安定して吐出することが困難となる。そこで、駆動波
形Bを用いてドットを形成する「高画質モード」におい
ては、画素1つ飛びにドットを形成するのである。
では、画素1つ飛びにドットを形成するとともに、印刷
解像度も2倍の解像度で印刷している。このため、図1
2に示すように、1回目のキャリッジ31の往復動で奇
数番目の画素にドットを形成し、2回目のキャリッジ3
1の往復動で奇数番目の画素にドットを形成する。すな
わち、キャリッジ31を2回往復動させる、換言すれば
4回の主走査を行うことで、1つのラスタを完成させる
ことになる。
ード」が設定されている場合は、インク重量3ngのイ
ンク滴を吐出して小さなドットを形成するとともに、高
い印刷解像度で印刷することで、ドットの目立たない高
画質な画像を印刷することが可能である。また、1つの
ラスタを複数回(4回)の主走査で完成させているの
で、ノズル間のインク吐出のばらつきを分散させて高画
質の画像を印刷することが可能となる。このように高画
質の画像を印刷することが可能である。また、重量15
ngのインク滴を吐出することで比較的大きなドットを
形成することが可能であることから、例えば、8回の主
走査が必要なほどには解像度を高める必要はないので、
印刷速度が極端に低下することはない。
て「中間モード」が設定されている場合は、駆動波形A
および駆動波形Bの2つの駆動波形を用いる点が他のモ
ードとは大きく異なっている。以下、かかる部分に焦点
を当てて、図13および図14を参照しながら説明す
る。
ド」が設定されている場合に、コンピュータPCが画像
データを変換する処理の概要を示した説明図である。
「中間モード」が設定されている場合は、プリンタPR
Tは、インク重量がそれぞれ25ng,15ng,10
ng,7ng,5ng,3ngのインク滴を吐出するこ
とにより、大きさの異なる6種類のドットを形成して画
像を印刷する。これに対応してコンピュータPCは、印
刷しようとする画像の画像データを受け取ると、画像デ
ータを、これら各種ドットによる表現形式のデータに変
換する。すなわち、図13に示すように、CMY画像デ
ータの階調値が低い領域では、もっとも小さなドットで
あるインク滴重量3ngのドットを形成し、画像データ
の階調値が高くなるに従って、インク滴重量5ngのド
ット、7ngのドット、10ngのドット、15ngの
ドットへと、形成するドットを少しずつ置き換えてい
く。CMY画像データの階調値がもっとも高い領域では
インク滴重量25ngのドットを形成する。印刷モード
として「中間モード」が設定されている場合には、この
ように6種類のドットを適切に形成することで、画像デ
ータの階調値をより精度よく表現することも可能となっ
ている。
ngによる各ドットは駆動波形Aを用いて形成するドッ
トであり、インク滴重量3ng,7ng,15ngによ
る各ドットは駆動波形Bを用いて形成するドットであ
る。図13では、いずれの駆動波形を用いて形成するド
ットかを区別するために、駆動波形Aによるドットは実
線で、駆動波形Bによるドットは破線で示している。
ド」では、ほとんどの場合、駆動波形Aおよび駆動波形
Bの2つの駆動波形を使用する。すなわち、図示されて
いるように、CMY画像データの階調値が「D3」以下
となる低階調領域を除けば、すべての領域で駆動波形A
によるドット(図中では実線で表示)と駆動波形Bによ
るドット(図中では破線で表示)とが同時に形成される
設定となっている。
る場合に、キャリッジ31が主走査を行いながら各画素
にドットを形成する様子を概念的に示した説明図であ
る。前述したように、「中間モード」では駆動波形Aお
よび駆動波形Bの2つの駆動波形を使用しており、この
ことに対応して、キャリッジ31の往動時には駆動波形
Aによるドットを形成し、キャリッジ31の復動時には
駆動波形Bによるドットを形成する。
は、奇数番目の画素についての駆動波形Aによるドット
の形成有無のデータを駆動用バッファ47に設定し、駆
動波形Aを出力する。その結果、駆動波形Aに含まれる
駆動信号の中から適切な駆動信号が選択されてヘッドに
供給され、印刷用紙上に適切なドットが形成される。続
くキャリッジ31の復動時には、偶数番目の画素につい
ての駆動波形Bによるドットの形成有無のデータを駆動
用バッファ47に設定し、駆動波形Bを出力して印刷用
紙上に適切なドットを形成する。このように、「中間モ
ード」では、ほとんどの領域で駆動波形Aおよび駆動波
形Bの2つの駆動波形を用いて画像を印刷しているの
で、往動および復動の2回の主走査で1つのラスタを形
成することになる。
には駆動波形Aのドットを、復動時には駆動波形Bのド
ットをそれぞれ形成するものとしたが、もちろん、往動
時に駆動波形Bのドットを、復動時に駆動波形Aのドッ
トを形成することとしても構わない。
ンク滴重量5ng,10ng,25ngのインク滴を吐
出し、駆動波形Bでは3ng,7ng,15ngのイン
ク滴を吐出することから、駆動波形Aで形成されるドッ
トと駆動波形Bで形成されるドットとは、ドットの大き
さが互い違いの関係となっている。このため、図13お
よび図14を用いて説明したように、画像データのほぼ
全ての階調範囲において、駆動波形Aおよび駆動波形B
の2つの波形を用いてドットを形成することとなり、そ
れに応じて、ラスタを完成させるために要する主走査の
回数も多くなる。前述したように適宜、副走査を行いな
がら、1つのラスタを多数回の主走査で形成すれば、例
えばインク滴の吐出方向やインク滴重量に誤差があると
いった理由で、吐出特性の異なるノズルが一部に含まれ
ている場合にも、このようなノズルによる影響を分散さ
せることが可能であり、高画質の画像を安定して印刷す
ることが可能となる。
は、駆動波形Aおよび駆動波形Bの2つの駆動波形が設
けられており、駆動波形Aではインク重量5ng,10
ng,25ngのインク滴を吐出することが可能であ
り、駆動波形Bではインク重量3ng,7ng,15n
gのインク滴を吐出することが可能である。このよう
に、各種大きさのインク滴を吐出すれば、画素に形成さ
れるドットの大きさを制御して画素毎にきめ細かな階調
表現が可能となり、それだけ高画質な画像を印刷するこ
とができる。
形Bのいずれかのみの波形を用いてドットを形成すれ
ば、良好な画質を維持したまま迅速に画像を印刷するこ
とができる。例えば駆動波形Aを用いる場合、画像の階
調値が高い領域では重量25ngのインク滴による大き
なドットを形成して迅速な印刷を可能とするとともに、
階調値の低い領域では5ngのインク滴による小さなド
ットを形成することで、比較的ドットの目立たない高画
質の画像を印刷することができる。また、駆動波形Bを
用いる場合には、インク重量3ngのインク滴による小
さなドットを形成するとともに、高い印刷解像度による
印刷を行うことにより、ドットの目立たない高画質の画
像を印刷することができる。その一方でインク重量15
ngのインク滴による比較的大きなドットを形成するこ
とも可能であり、印刷速度が極端に低下することもな
い。
おいては、駆動波形Aで形成されるドットと駆動波形B
で形成されるドットとが、ドットの大きさが互い違いの
関係となるように設定されており、このため、A,Bい
ずれの駆動波形を用いた場合でも、迅速な印刷を可能と
する大きなドットから、ドットの目立たない高画質の画
像の印刷を可能とする小さなドットまで、各種大きさの
ドットを形成することが可能であり、延いては、良好な
画質を維持したまま迅速に画像を印刷することが可能と
なる。
は、駆動波形Aで重量5ng,10ng,25ngのイ
ンク滴を吐出し、駆動波形Bで重量3ng,7ng,1
5ngのインク滴を吐出するというように、駆動波形A
は駆動波形Bよりも少しずつ大きなインク滴を形成可能
に設定されている。従って、印刷画質よりも印刷速度を
優先して画像を印刷する場合は駆動波形Aを用いて画像
を印刷し、これに対して、印刷速度を極端に低下させず
に、できるだけ高画質の画像を印刷したい場合は駆動波
形Bを用いて印刷するといったように、印刷時の状況に
合わせて2つの駆動波形を使い分けることが可能とな
る。
が、本発明は上記すべての実施例に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実
施することができる。
用意することで、大ドット,中ドット,小ドットのドッ
トの組を2組形成可能としたが、これに限らず、各ドッ
トが表現する階調値を互い違いの関係とすることができ
れば異なる方法を用いても構わない。例えば、駆動波形
は同じものを使用し、インク濃度を僅かに異ならせた2
種類のインクを用いることとしてもよい。こうすれば、
濃いインク滴による各ドットと、薄いインクによる各ド
ットとは、表現する階調値が互い違いの関係となるの
で、同様の効果を得ることができる。
子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリン
タPRTを用いているが、他の方法によりインクを吐出
するプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、イン
ク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生
する泡(バブル)によりインクを吐出するタイプのプリ
ンタに適用するものとしてもよい。
ず、例えば熱転写などの手法により大きさの異なるドッ
トを用いて画像を形成する各種の画像表示装置にも、同
様に適用することが可能である。
テムの概略構成図である。
明図である。
説明図である。
って大きさの異なるインク滴を吐出する原理を示す説明
図である。
とによって適切な大きさのドットを形成する様子を示す
説明図である。
大きさのインクドットを形成するプリンタPRTの内部
構成を示す説明図である。
を示すフローチャートである。
いる場合にプリンタPRTに供給される印刷データの概
要を示す説明図である。
ている場合にプリンタPRTがドットを形成する様子を
概念的に示す説明図である。
れている場合にプリンタPRTに供給される印刷データ
の概要を示す説明図である。
れている場合にプリンタPRTがドットを形成する様子
を概念的に示す説明図である。
ている場合にプリンタPRTに供給される印刷データの
概要を示す説明図である。
ている場合にプリンタPRTがドットを形成する様子を
概念的に示す説明図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 駆動信号を受け取って該駆動信号に応じ
たドットを形成するヘッドを、印刷媒体に対して相対的
に移動させながらドットを形成することにより該印刷媒
体上に画像を印刷する印刷装置であって、 前記駆動信号を複数含んだ第1の駆動波形を出力する第
1の駆動波形出力手段と、 前記第1の駆動波形とは異なる駆動信号を複数含んだ第
2の駆動波形を出力する第2の駆動波形出力手段と、 前記第1の駆動波形あるいは前記第2の駆動波形のいず
れかを選択し、該選択した駆動波形の中から適切な前記
駆動信号を前記ヘッドに供給する駆動信号供給手段とを
備えるとともに、 前記第2の駆動波形には、表現する階調値が前記第1の
駆動波形による各種ドットに対して互い違いに異なる各
種ドットを形成可能な、複数の駆動信号が含まれている
印刷装置。 - 【請求項2】 前記第1の駆動波形および前記第2の駆
動波形は、それぞれに前記各種ドットを同じ種類数ずつ
形成可能な駆動波形である請求項1記載の印刷装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記駆動信号供給手段は、 印刷画質および印刷速度に関する印刷条件の設定内容を
検出する印刷条件検出手段と、 前記検出した印刷条件の設定内容に応じて、複数の前記
駆動波形から適切な駆動波形を選択する駆動波形選択手
段とを備えている印刷装置。 - 【請求項4】 前記駆動信号に応じて前記ヘッドからイ
ンク滴を吐出することにより、前記印刷媒体上にインク
ドットを形成して画像を印刷する請求項1記載の印刷装
置。 - 【請求項5】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記駆動信号供給手段は、主走査毎に、前記第1の駆動
波形あるいは前記第2の駆動波形のいずれかを選択する
手段である印刷装置。 - 【請求項6】 請求項5記載の印刷装置であって、 前記駆動信号供給手段は、前記第2の駆動波形を前記第
1の駆動波形に対して所定の割合で選択する手段である
印刷装置。 - 【請求項7】 駆動信号を受け取って該駆動信号に応じ
たドットを形成するヘッドを、印刷媒体に対して相対的
に移動させながらドットを形成することによって該印刷
媒体上に画像を印刷する印刷装置であって、 前記駆動信号を複数含んだ駆動波形を複数種類出力する
駆動波形出力手段と、 前記出力された複数種類の駆動波形の中から1の駆動波
形を選択し、該選択した駆動波形の中から適切な前記駆
動信号を前記ヘッドに供給する駆動信号供給手段とを備
えるとともに、 前記駆動波形出力手段は、前記複数の駆動波形として、
1の駆動波形によって形成される各種ドットが表現する
階調値と、他の駆動波形によって形成される各種ドット
が表現する階調値とが、互い違いと異なように選択され
た複数の駆動信号からなる駆動波形を出力する手段であ
る印刷装置。 - 【請求項8】 駆動信号を受け取って該駆動信号に応じ
たドットを形成するヘッドを、印刷媒体に対して相対的
に移動させながらドットを形成することにより該印刷媒
体上に画像を印刷する印刷方法であって、 前記駆動信号を複数含んだ第1の駆動波形を出力すると
ともに、 前記第1の駆動波形が形成可能な各種ドットに対して、
表現する階調値が互い違いに異なる各種ドットを形成可
能に、該第1の駆動波形とは異なる駆動信号を複数含ん
だ第2の駆動波形を出力し、 前記第1の駆動波形あるいは前記第2の駆動波形のいず
れかを選択し、 前記選択した駆動波形の中から適切な前記駆動信号を前
記ヘッドに供給して前記画像を印刷する印刷方法。 - 【請求項9】 前記第1の駆動波形あるいは前記第2の
駆動波形のいずれかの選択を、主走査毎に行う請求項8
記載の印刷装置。 - 【請求項10】 駆動信号を受け取って該駆動信号に応
じたドットを形成するヘッドを、印刷媒体に対して相対
的に移動させながらドットを形成することにより該印刷
媒体上に画像を印刷するためのプログラムであって、 前記駆動信号を複数含んだ第1の駆動波形を出力する機
能と、 前記第1の駆動波形が形成可能な各種ドットに対して、
表現する階調値が互い違いに異なる各種ドットを形成可
能に、該第1の駆動波形とは異なる駆動信号を複数含ん
だ第2の駆動波形を出力する機能と、 前記第1の駆動波形あるいは前記第2の駆動波形のいず
れかを選択する機能と、 前記選択した駆動波形の中から適切な前記駆動信号を前
記ヘッドに供給して前記画像を印刷する機能とをコンピ
ュータにより実現するプログラム。 - 【請求項11】 駆動信号を受け取って該駆動信号に応
じたドットを形成するヘッドを、印刷媒体に対して相対
的に移動させながらドットを形成することにより該印刷
媒体上に画像を印刷するためのプログラムを、コンピュ
ータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、 前記駆動信号を複数含んだ第1の駆動波形を出力する機
能と、 前記第1の駆動波形が形成可能な各種ドットに対して、
表現する階調値が互い違いに異なる各種ドットを形成可
能に、該第1の駆動波形とは異なる駆動信号を複数含ん
だ第2の駆動波形を出力する機能と、 前記第1の駆動波形あるいは前記第2の駆動波形のいず
れかを選択する機能と、 前記選択した駆動波形の中から適切な前記駆動信号を前
記ヘッドに供給して前記画像を印刷する機能とを記録し
た記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001351760A JP3785993B2 (ja) | 2001-11-16 | 2001-11-16 | 多値ドットプリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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