JP2003145474A - 多指可動ロボットハンド及びその把持制御方法 - Google Patents
多指可動ロボットハンド及びその把持制御方法Info
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Abstract
源により複数の指を動かし、かつ、人間の手のような柔
らかさ、装飾性、ふるまいを持つロボットハンドを実現
する。 【解決手段】多指可動ロボットハンドが、関節を持ちほ
ぼ平行に配置された2本以上の指〔示指16、中指1
7、環指18、小指19〕と、それらの指と対向するよ
うに配置された拇指と、拇指を除く2本以上の指の関節
を屈曲させるために牽引される可撓部材で構成される。
そして、2本以上の指と拇指を、異径物を含む把持対象
物に接触させて把持動作可能とするために、1個の駆動
源1から発生する動力を1個以上の動滑車(10、1
1)を介して2本以上の可撓部材に伝達し、その各々の
可撓部材を牽引することにより2本以上の指に把持力が
発生する。
Description
対象物に対して、1個の駆動源により複数の指を動かす
ことができ、かつ、生体(人間)の把持動作に近い柔ら
かい挙動をするように機構的な改善をした多指可動ロボ
ットハンド及びその把持制御方法に関する。そして、こ
のハンドは装飾用の義手と同等以上の外観を有し、人間
が持つ遊び的な動きを実現可能とする。ここで、1個の
駆動源は拇指を除く2本以上の手指を各別に動作させる
ものとしており、拇指については別途駆動源を設けてい
るが、母子を含む5指を1個の駆動源により動かすよう
な設計変更 [上述の1自由度] は可能である。なお、指
と手指は互換的に使用する。
若しくは義手を制御する機構は、数多く開発されてきて
いる。一般に人間の片手を機構として見ると、約20自
由度と言われているが、これを忠実に実現するために
は、20個の駆動源が必要となるため、重量が重くなり
大型化するため実用的ではない。そこで、通常、ロボッ
トハンド若しくは義手の自由度は1乃至3程度に簡略化
されている。そして、通常、人間が手を握ったり開いた
りする動作を1自由度としている。また、従来の義手は
外見があまり人間らしくなく(無機的な印象であり)、
装飾性を優先すると、何も作業性を有しない装飾義手を
使用しなくてはならない。そして、構造が硬くて固定的
であるために、人間の手としてみた場合に違和感を覚え
ることが多い。
は、1個の駆動源のみで握り及び開きを行うため、通
常、指関節を動かすことはできず、5本指を独立させて
動かすこともできない。そのため、人間らしい動きがで
きないばかりか、物体を確実に把持できないという問題
があった。また、従来の義手用ロボットハンドは、人間
の手と比べると外観的に劣り、一目で実際の手ではない
ということがわかってしまうという欠点があった。
駆動源から発生する動力を1個以上の差動歯車を介して
拇指を除く2本以上の指の可撓部材にそれぞれ伝達する
指関節駆動機構と、可撓部材の張力を調整又は保持して
把持動作を制御する異径物把持機構を有した多指可動ロ
ボットハンド及びその把持制御方法を提案してきた。
〔特願2000−94087;以下、先願義手。〕
手の把持動作にはややぎごちなさがあり、本発明者らは
より柔らかい手先の動作(挙動)を求めて研究開発を継
続し、機構的な改善を重ねてきた。また人間の手により
近づけて把持性能を高めるため、曲線的な外観を取り入
れての装飾性の向上や、人間の動きに存在する遊び的な
動き(任意動作)を取り入れて、より自然な動きを実現
するための開発を行ってきた。
のであって、異径物を含む把持対象物に対して、1個の
駆動源により複数の指を動かすことができ、かつ、人間
の手と同様の柔らかさを持つ多指可動ロボットハンド提
供する。またそのロボットハンドは、装飾性が高く、人
間の手と同様の外観を持ち合わせ、人間の動作の持つ遊
び的な動きを実現する制御を有する。
発明は、多指多関節の筋電制御義手に代表される多指可
動ロボットハンドにおいて、拇指を除く2本以上の手指
を少なくとも1個の駆動源により各別に動作させ、か
つ、各指関節を弾性的に保持することにより柔らかい把
持動作をおこなうようにした多指可動ロボットハンドで
あって、手指の骨格要素であるリンク材を回動自在に結
合して関節を形成し、ほぼ平行に配置された示指、中
指、環指及び小指と、それらの手指と対向するように配
置された拇指を有し、それぞれの手指について前記関節
となるリンク材の各回動支点を経由して牽引可能な可撓
部材を繋設するとともに、該回動支点には各々ねじりバ
ネを設けて手指の伸展方向に付勢してなり、前記可撓部
材が、拇指を除き隣接する示指と中指、及び環指及び小
指のそれぞれの指間に槓桿保持した動滑車を介在させ2
指の各第一指骨部のリンク材の体部を始端又は終端とす
る固定長の線条であって、該リンク材の各回動支点に自
由回転プーリを軸支し、かつ、第二指骨部のリンク材の
体部に設けた中間プーリを介して牽引可能に繋設したも
のであり、前記駆動源から発生する動力により前記動滑
車の各保持位置を手首側又は手指側に往復移動させ、前
記可撓部材を介して各手指を屈曲又は伸展方向に把持又
は開放動作させる指関節駆動機構と、前記指関節駆動に
おける前記可撓部材の張力を調整又は保持することによ
り、把持動作に係る各指関節が異径物を含む把持対象物
の外形状に倣って包み込むように屈曲して把持力を維持
する異径物把持機構を具備したことを特徴とするもので
ある。
て、異径物を含む把持対象物に対して生体の把持動作に
近い柔らかい挙動をするようにした多指可動ロボットハ
ンドの把持制御方法であって、動滑車ユニットを駆動源
から発生する動力により往復移動させ、手首側への移動
に基づき動滑車を介した可撓部材を牽引し、ねじりバネ
の弾性力に抗しながらリンク材を手指の屈曲方向に掌握
動作させて拇指を除く2本以上の指に把持力を発生さ
せ、駆動停止又は移動停止に基づき把持状態を維持し、
手指側への移動に基づき前記可撓部材を弛緩又は送出
し、前記ねじりバネの拘束を漸次開放し、前記リンク材
を手指の伸展方向に復帰動作して前記2本以上の手指に
復元力を発生させるように指関節を駆動するとともに、
前記2本以上の手指と拇指を異径物を含む把持対象物に
接触させて、前記指関節駆動における可撓部材の張力を
調節又は保持し、各指関節が把持対象物の外形状に倣っ
て包み込むように屈曲させて把持力を付与又は維持し、
伸展させて把持力を解放するための把持動作を制御する
ことを特徴とするものである。
の実施の形態は、上記構成において、動滑車が、手掌部
に設けた駆動源から発生する回転動力により往復移動す
る移動体の体部に回転支持した揺動部材の両端にそれぞ
れ軸支され、かつ、両持ちの天秤の態様で槓桿保持され
るとともに、これら動滑車、移動体及び揺動部材を一体
的に組付けて動滑車ユニットとしたものであり、指関節
駆動機構が、前記回転動力により前記動滑車の各保持位
置を往復移動させ、正回転に基づき可撓部材を牽引して
ゆき、ねじりバネの弾性力に抗しながらリンク材を手指
の屈曲方向に掌握動作して拇指を除く2本以上の手指に
把持力を発生させ、駆動停止又は回転停止に基づき把持
状態を維持し、逆回転に基づき前記可撓部材を弛緩又は
送出してゆき、前記ねじりバネの拘束を漸近開放し前記
リンク材を手指の伸展方向に復帰動作して前記2本以上
の手指に復元力を発生させるものであり、異径物把持機
構が、前記2本以上の手指と拇指を異径物を含む把持対
象物に接触させて、前記指関節駆動における可撓部材の
張力を調整又は保持し、各指関節が把持対象物の外形状
に倣って包み込むように屈曲して把持力を維持するもの
である。
いて、駆動源を、手首側に設けたソケット内の筋電セン
サから採取した筋電信号、手掌の変位を検出するセンサ
から採取した出力信号、又は無動作経過時間の計時に係
るタイマのカウントアップ信号に基づき始動し、2本以
上の手指を屈曲方向又は伸展方向に無目的に動作させる
ための任意動作制御手段を有する場合がある。
ドの外形を健常手に近似又は模擬するために、異径物を
含む把持対象物を継続的に把持可能な摩擦係数の高い被
覆部材を装着してなり、該被覆部材が、人間の手の形を
模した柔軟な曲線形状を有し、かつ、皮膚感を創出する
ための装飾又は意匠を施し、把持に係る柔軟性及び密着
性を増補するとともに、外観又は美観に係る化粧性及び
肌触りを含む質感を付与してもよい。装飾性、密着性に
優れ、把持効果が高く、把持対象物に対する健常手やさ
まざまな働きかけに対する作業性を向上するためであ
る。
御方法の実施の形態は、上記構成において、動滑車ユニ
ットの移動体としてボールねじに軸装したボールナット
を用い、手掌部に設けた駆動源によりボールねじを回転
駆動して前記動滑車ユニットを往復移動させ、正回転に
基づき可撓部材を牽引して把持力を発生させ、駆動停止
又は回転停止に基づき把持状態を維持し、逆回転に基づ
き前記可撓部材を弛緩させて把持力を解放するようにし
ている。
に装着し、かつ、該移動体の後端を牽引要素を介して手
掌部に設けた駆動源に連係し、該駆動源から発生する回
転動力により牽引要素を巻き取り又は巻き戻し操作し
て、移動体を含む前記動滑車ユニットを往復移動させ、
巻き取り操作に基づき前記動滑車ユニットを手首寄りに
引きながら可撓部材を牽引して把持力を発生させ、駆動
停止又は巻回停止に基づき把持状態を維持し、巻き戻し
操作に基づき動滑車ユニットを手指寄りに押し戻しなが
ら前記可撓部材を弛緩させて把持力を解放するようにし
てもよい。ここで、牽引要素は、索条とドラム付き回転
歯車と、ウォーム歯車からなるものであり、これらをス
ライダの後端の手首側に配置してなり、前記ウォーム歯
車を駆動源により回転駆動するものとされる。
持動作を行わない手空き状態において、請求項5乃至8
のいずれか1項の駆動源を、手首側に設けたソケット内
の筋電センサから採取した筋電信号、手掌の変位を検出
するセンサから採取した出力信号、又は無動作経過時間
の計時に係るタイマのカウントアップ信号に基づき始動
し、2本以上の手指を屈曲又は伸展方向に無目的に任意
動作させるように構成してもよい。各指関節が把持を目
的とする動き以外に、人間が行う動きの中に存在する無
意味な動き、任意動作を実現するためである。
までを含めて動かすことにより、人間の手に近い動きが
でき、ワイングラスのような異径物を、その形状に倣っ
て5本指すべてを異径物に接触させて把持することが可
能となる。
明する。
ハンドのそれぞれ機構説明図である。
包含の移動体及び駆動系の違いであって、図1がボール
ナット及びボールねじを用いたもの、図2がスライダ及
び牽引要素を用いたものである。なお、移動体は動滑車
ユニットに包含される。
トハンド〔以下、第1実施例ハンド。〕では、駆動源で
ある駆動用モータ1から平歯車2及び平歯車3を経由し
てボールねじ4に動力を伝達され、ボールねじ4が回転
する。ボールねじ4が回転することにより、その軸方向
右側にボールナット(移動体)5が移動する。ボールナ
ット5はピン6のまわりに自由回転する揺動部材7に動
力を伝達する。揺動部材7はピン8及びピン9を介して
動滑車10及び動滑車11に動力を伝達する。動滑車1
0はワイヤ12及びワイヤ13を牽引する。同様に、動
滑車11はワイヤ14及びワイヤ15を牽引する。ワイ
ヤ12は示指16を動かす。同様に、ワイヤ13は中指
17を、ワイヤ14は環指18を、ワイヤ15は小指1
9を、それぞれ動かす。〔指関節駆動機構〕
束した場合、ワイヤ12及びワイヤ13を牽引すること
ができなくなるため、動滑車10は移動することができ
なくなるが、動滑車11は移動することができるので、
ワイヤ14及びワイヤ15を介して、環指18及び小指
19に動力を伝達できる。そしてさらに、環指18の動
きを拘束すると、ワイヤ14を牽引することはできなく
なるが、ワイヤ15を牽引して小指19を動かすことが
できる。なお、把持力(状態)を維持するには駆動
(源)を停止する。ボールねじ4がもともと制動機能を
有するからである。したがって、制動手段(ブレーキ)
を別途設ける必要がない。〔異径物把持機構〕
側面図である。
動機構は、図1に示すとおり、1軸の駆動源すなわちモ
ータ1により、示指16、中指17、環指18、小指1
9を、指関節を含めて動かすことができる。
くとも4個の駆動源が必要であったが、本実施例では1
個の駆動源による1軸駆動制御を実現している。
トハンド〔以下、第2実施例ハンド。〕では、駆動源で
ある駆動用モータ20(21)からウォームギア22
(23)を経由して、回転歯車24(25)に動力を伝
達され、可撓部材26(27)を牽引していく。可撓部
材26(27)が牽引されることにより、スライダ28
上に配置されている動滑車ユニット29がスライダ28
の軸方向右側に移動する。動滑車ユニット29はピン3
0のまわりに自由回転する揺動部材31に動力を伝達す
る。揺動部材31はピン32及びピン33を介して動滑
車34及び動滑車35に動力を伝達する。動滑車34は
ワイヤ36及びワイヤ37を牽引する。同様に、動滑車
35はワイヤ38及びワイヤ39を牽引する。ワイヤ3
6は示指40を動かす。同様に、ワイヤ37は中指41
を、ワイヤ38は環指42を、ワイヤ39は小指43
を、それぞれ動かす。〔指関節駆動機構〕
束した場合、ワイヤ36及びワイヤ37を牽引すること
ができなくなるため、動滑車34は移動することができ
なくなるが、動滑車35は移動することができるので、
ワイヤ38及びワイヤ39を介して、環指42及び小指
43に動力を伝達できる。そしてさらに、環指42の動
きを拘束すると、ワイヤ38を牽引することはできなく
なるが、ワイヤ39を牽引して小指43を動かすことが
できる。なお、把持力(状態)を維持するには駆動
(源)を停止する。先述のボールねじ4と同様にウォー
ムギア22がもともと制動機能を有するからである。し
たがって、制動手段(ブレーキ)を別途設ける必要がな
い。〔異径物把持機構〕
くとも4個の駆動源が必要であったが、本実施例では2
個の駆動源による1軸駆動制御を実現している。
側面図である。
動機構は、図2に示すとおり、1軸の駆動源すなわちモ
ータ20、モータ21により、示指40、中指41、環
指42、小指43を、指関節を含めて動かすことができ
る。
各指関節駆動機構〔共通〕の原理説明図を図5に示す。
(各指におけるワイヤ12、13、14、15、36、
37、38及び39のうちのいずれか1本に相当す
る。)を、第二関節プーリ45、中間プーリ46、第一
関節プーリ47に架けて、ワイヤ44の一端を第一指骨
48に固定する。なお、第一関節プーリ47及び第二関
節プーリ45は、いずれも自由回転プーリである。
指骨49は第二関節プーリ45を中心に反時計回りに回
転し、第一指骨48は第一関節プーリ47を中心に反時
計回りに回転し、指関節が曲がる。
りバネ50およびねじりバネ51の復元力によって、第
二指骨49は第二関節プーリ45を中心に時計回りに回
転し、第一指骨48は第一関節プーリ47を中心に時計
回りに回転し、指関節が伸びる。
引力ではなく、ねじりバネ50およびねじりバネ51の
復元力によるものである。そのため、逆に外部から指を
曲げようとする力が働くと、その力によってねじりバネ
50およびねじりバネ51は曲げられ、ワイヤ44は緩
む。このことによって、ワイヤ44が無理に引張られる
ことはない。
た状態であるとき、ハンドが別の物体に衝突または接触
して外力が加わると、容易に指関節を曲げることがで
き、外力を取り除くと再び指関節が伸びた状態に戻る。
を和らげると共に、人間の手のような柔らかさを実現で
きる。
うな対象物においてもその形状に沿って(倣って)包み
込むような把持が実現できる。
を具備するハンド構造の一例を図6に示す。
構台座52の上に配置される。これらの機構は手型形成
材53で覆うことにより、人間の手の形と同様の曲線、
柔らかさを実現する。さらにその上を皮膚状被覆部材5
4で覆うことにより、より人間に近い外観を実現でき
る。
を持つことによって、把持の対象物に対してより密着度
が増し、把持効率が向上するとともに、摩擦係数の高い
皮膚状被覆54を使用することにより、摩擦を利用した
さまざまな作業を実施することが可能となる。
センサを具備するハンド構造の一例を図7に示す。
的とする動き以外に、人間が無意識に行う無意味な動き
を模倣するものである。
55から得られる使用者が意図して出力した筋電信号
や、位置角度センサ56から得られる現状のハンドの位
置や関節角度の情報や、タイマ57で計測される筋電セ
ンサ55から筋電信号が入力されなくなった時間が設定
量を超えた場合である。
4指を指関節まで含めて動かすことができ、しかも、物
体の形状に倣って把持できるため、より人間の手に近い
動きができる。その動作が1個の駆動源のみでできるた
め、機構が小型化され、成人の手とほぼ同じ大きさの義
手を実現できる。機構全体の重量を軽くすることがで
き、筋力の衰えた前腕切断者にとって負担の軽い義手を
実現できる。また、人間の手のような柔らかさを実現し
たことにより、他の物体との接触または衝突による衝撃
を和らげることができる。
間の手に模して作り、摩擦係数の高い装飾性の有るグロ
ーブで覆うことによって、把持対象物にしっかりなじん
で確実に把持することができ、人間の手と遜色のない外
観を持つハンドを実現できる。
のカウントアップ信号をきっかけに、4指を屈曲、伸展
方向に若干量動作させることにより、ハンドを把持を目
的とする動き以外に人間の動作に存在する無意味な遊び
的な動き、任意動作を実現することができる。
の筋電義手、他部位切断者用の義手等の動力義手として
の福祉分野への利用がある。また、健常者を操縦者とし
た、宇宙空間、原子力発電所格納容器内、深海、火災現
場、毒性を有する微生物の培養容器内作業等の極限作業
用遠隔制御ロボットのロボットハンドの制御、遠隔手術
時のロボットハンドの医師によるオペレーション、血
管、眼球等の微小臓器の手術時のマイクロロボットハン
ドの医師によるオペレーション、LSIデバイス等の微
小デバイスのハンドリングのためのロボットハンドの有
人オペレーション或いは無人電話局、無人電波中継施
設、隧道、無人変電所等の保守管理を要する施設の保守
管理にあたる遠隔操縦型ロボットのロボットハンドの有
人オペレーション、さらには航空機パイロットの操縦装
置への入力デバイス、コンピュータCGで作られた仮想
空間内のマニピュレーションへの応用等が考えられる。
示す。
図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 多指多関節の筋電制御義手に代表される
多指可動ロボットハンドにおいて、拇指を除く2本以上
の手指を少なくとも1個の駆動源により各別に動作さ
せ、かつ、各指関節を弾性的に保持することにより柔ら
かい把持動作をおこなうようにした多指可動ロボットハ
ンドであって、手指の骨格要素であるリンク材を回動自
在に結合して関節を形成し、ほぼ平行に配置された示
指、中指、環指及び小指と、それらの手指と対向するよ
うに配置された拇指を有し、それぞれの手指について前
記関節となるリンク材の各回動支点を経由して牽引可能
な可撓部材を繋設するとともに、該回動支点には各々ね
じりバネを設けて手指の伸展方向に付勢してなり、前記
可撓部材が、拇指を除き隣接する示指と中指、及び環指
及び小指のそれぞれの指間に槓桿保持した動滑車を介在
させ2指の各第一指骨部のリンク材の体部を始端又は終
端とする固定長の線条であって、該リンク材の各回動支
点に自由回転プーリを軸支し、かつ、第二指骨部のリン
ク材の体部に設けた中間プーリを介して牽引可能に繋設
したものであり、前記駆動源から発生する動力により前
記動滑車の各保持位置を手首側又は手指側に往復移動さ
せ、前記可撓部材を介して各手指を屈曲又は伸展方向に
把持又は開放動作させる指関節駆動機構と、前記指関節
駆動における前記可撓部材の張力を調整又は保持するこ
とにより、把持動作に係る各指関節が異径物を含む把持
対象物の外形状に倣って包み込むように屈曲して把持力
を維持する異径物把持機構を具備したことを特徴とする
多指可動ロボットハンド。 - 【請求項2】 動滑車が、手掌部に設けた駆動源から発
生する回転動力により往復移動する移動体の体部に回転
支持した揺動部材の両端にそれぞれ軸支され、かつ、両
持ちの天秤の態様で槓桿保持されるとともに、これら動
滑車、移動体及び揺動部材を一体的に組付けて動滑車ユ
ニットとしたものであり、指関節駆動機構が、前記回転
動力により前記動滑車の各保持位置を往復移動させ、正
回転に基づき可撓部材を牽引してゆき、ねじりバネの弾
性力に抗しながらリンク材を手指の屈曲方向に掌握動作
して拇指を除く2本以上の手指に把持力を発生させ、駆
動停止又は回転停止に基づき把持状態を維持し、逆回転
に基づき前記可撓部材を弛緩又は送出してゆき、前記ね
じりバネの拘束を漸近開放し前記リンク材を手指の伸展
方向に復帰動作して前記2本以上の手指に復元力を発生
させるものであり、異径物把持機構が、前記2本以上の
手指と拇指を異径物を含む把持対象物に接触させて、前
記指関節駆動における可撓部材の張力を調整又は保持
し、各指関節が把持対象物の外形状に倣って包み込むよ
うに屈曲して把持力を維持するものである請求項1記載
の多指可動ロボットハンド。 - 【請求項3】 把持動作を行わない手空き状態におい
て、請求項1又は2記載の駆動源を、手首側に設けたソ
ケット内の筋電センサから採取した筋電信号、手掌の変
位を検出するセンサから採取した出力信号、又は無動作
経過時間の計時に係るタイマのカウントアップ信号に基
づき始動し、2本以上の手指を屈曲方向又は伸展方向に
無目的に動作させるための任意動作制御手段を有したこ
とを特徴とする多指可動ロボットハンド。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項記載の多
指可動ロボットハンドの外形を健常手に近似又は模擬す
るために、異径物を含む把持対象物を継続的に把持可能
な摩擦係数の高い被覆部材を装着してなり、該被覆部材
が、人間の手の形を模した柔軟な曲線形状を有し、か
つ、皮膚感を創出するための装飾又は意匠を施したもの
であり、把持に係る柔軟性及び密着性を増補するととも
に、外観又は美観に係る化粧性及び肌触りを含む質感を
付与するようにしたことを特徴とする多指可動ロボット
ハンド。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項記載の多
指可動ロボットハンドにおいて、異径物を含む把持対象
物に対して生体の把持動作に近い柔らかい挙動をするよ
うにした多指可動ロボットハンドの把持制御方法であっ
て、動滑車ユニットを駆動源から発生する動力により往
復移動させ、手首側への移動に基づき動滑車を介した可
撓部材を牽引し、ねじりバネの弾性力に抗しながらリン
ク材を手指の屈曲方向に掌握動作させて拇指を除く2本
以上の指に把持力を発生させ、駆動停止又は移動停止に
基づき把持状態を維持し、手指側への移動に基づき前記
可撓部材を弛緩又は送出し、前記ねじりバネの拘束を漸
次開放し、前記リンク材を手指の伸展方向に復帰動作し
て前記2本以上の手指に復元力を発生させるように指関
節を駆動するとともに、前記2本以上の手指と拇指を異
径物を含む把持対象物に接触させて、前記指関節駆動に
おける可撓部材の張力を調節又は保持し、各指関節が把
持対象物の外形状に倣って包み込むように屈曲させて把
持力を付与又は維持し、伸展させて把持力を解放するた
めの把持動作を制御することを特徴とする多指可動ロボ
ットハンドの把持制御方法。 - 【請求項6】 動滑車ユニットの移動体としてボールね
じに軸装したボールナットを用い、手掌部に設けた駆動
源によりボールねじを回転駆動して前記動滑車ユニット
を往復移動させ、正回転に基づき可撓部材を牽引して把
持力を発生させ、駆動停止又は回転停止に基づき把持状
態を維持し、逆回転に基づき前記可撓部材を弛緩させて
把持力を解放するものである請求項5記載の多指可動ロ
ボットハンドの把持制御方法。 - 【請求項7】 動滑車ユニットの移動体をスライダに装
着し、かつ、該移動体の後端を牽引要素を介して手掌部
に設けた駆動源に連係し、該駆動源から発生する回転動
力により牽引要素を巻き取り又は巻き戻し操作して、移
動体を含む前記動滑車ユニットを往復移動させ、巻き取
り操作に基づき前記動滑車ユニットを手首寄りに引きな
がら可撓部材を牽引して把持力を発生させ、駆動停止又
は巻回停止に基づき把持状態を維持し、巻き戻し操作に
基づき動滑車ユニットを手指寄りに押し戻しながら前記
可撓部材を弛緩させて把持力を解放するものである請求
項5記載の多指可動ロボットハンドの把持制御方法。 - 【請求項8】 牽引要素が、索条とドラム付き回転歯車
と、ウォーム歯車からなるものであり、これらをスライ
ダの後端の手首側に配置してなり、前記ウォーム歯車を
駆動源により回転駆動するものである請求項7記載の多
指可動ロボットハンドの把持制御方法。 - 【請求項9】 把持動作を行わない手空き状態におい
て、請求項5乃至8のいずれか1項の駆動源を、手首側
に設けたソケット内の筋電センサから採取した筋電信
号、手掌の変位を検出するセンサから採取した出力信
号、又は無動作経過時間の計時に係るタイマのカウント
アップ信号に基づき始動し、2本以上の手指を屈曲又は
伸展方向に無目的に任意動作させるようにしたことを特
徴とする多指可動ロボットハンドの把持制御方法。
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