JP2003143984A - 水耕栽培用マット及び水耕栽培方法 - Google Patents

水耕栽培用マット及び水耕栽培方法

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JP2003143984A
JP2003143984A JP2001348211A JP2001348211A JP2003143984A JP 2003143984 A JP2003143984 A JP 2003143984A JP 2001348211 A JP2001348211 A JP 2001348211A JP 2001348211 A JP2001348211 A JP 2001348211A JP 2003143984 A JP2003143984 A JP 2003143984A
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mat
hydroponic
biodegradable
foam sheet
biodegradable resin
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Eiji Suzuki
栄次 鈴木
Takaaki Tanaka
孝明 田中
Akihiro Shinoda
明宏 篠田
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Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
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  • Hydroponics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性であって、マット基材を製造するの
に大規模な設備を必要とせず、水耕栽培の連続機械化設
備へ供給等するに際しても効率的であり、廃棄も容易
で、しかも作物の生育に適した、生分解性樹脂押出発泡
体シートからなる水耕栽培用マット及び該水耕栽培用マ
ットを用いる水耕栽培方法を提供する。 【解決手段】 セルロース・アセテート系樹脂を主成分
とする生分解性樹脂押出発泡体シートからなる水耕栽培
用マットであって、該発泡体シートは、厚さが0.5〜
3mm程度であり、これに栽培作物の種子の径程度の貫
通穴が網目状又は条状に設けられていることを特徴とす
る水耕栽培用マット及び該水耕栽培用マットを用いる水
耕栽培方法などを提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水耕栽培用マット
及び水耕栽培方法に関し、さらに詳しくは、セルロース
・アセテート系樹脂を主原料とし、水発泡により製造し
てなる生分解性樹脂押出発泡体シートからなる水耕栽培
用マット、及びこの水耕栽培用マットを用いた水耕栽培
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂からなる発泡体は、多種
多様のものが製造され、食品包装容器、断熱材、緩衝体
等の幅広い分野で活用されてきた。近年、これら合成樹
脂発泡体の需要は、年々増加する傾向にあり、このため
廃棄される量も年々増加して、環境問題、公害問題とし
て、大きく社会的にクローズアップされてきている。し
かし、廃棄合成樹脂発泡体を再生利用するには、社会的
規模の様々な対応が求められ、一方、焼却処分するに
は、有害ガスの発生防止、高熱発生による焼却炉の損傷
防止など、山積されている問題が多く、廃棄処理が容易
である発泡体の開発が強く望まれている。
【0003】このような要求に対して、これら合成樹脂
(例えばポリスチレン等)を生分解性樹脂で置換えた発
泡体が種々提案されている。例えば、特開平5−320
405号公報、特開平6−32928号公報などには、
セルロースアセテートなどのセルロースエステル誘導体
からなる発泡体が開示されており、この発泡体は、食品
包装容器、断熱材、緩衝材などとして利用できるとされ
ている。また、生分解性樹脂としては、上記セルロース
アセテートなどのセルロースエステル誘導体の他、例え
ば、アミロースや木粉のエステル誘導体、セルロースー
キトサン混合体、ポリヒドロキシン酪酸およびその誘導
体、プルラン、ポリエステル−ナイロン共重合体、デン
プンとポリエチレンとのブレンド体など種々の生分解性
樹脂が知られており、これらを用いて発泡体を製造する
試みも種々なされている。
【0004】ところで、従来から野菜や花などの育苗、
栽培に用いられる水耕栽培用マットや培地用資材(又は
培地材)は、マットや培地材の上、或いはマットや培地
材中に播種し作物を発芽、成育させるものであって、吸
水性、保水性、通気性を有する基材が使われ、具体的に
は、ポリウレタンフォーム、ポリエステル繊維などの合
成樹脂系マットや、天然の輝緑岩などを溶解して繊維化
し圧縮成形したロックウールなどが用いられてきた。例
えば、特開昭62−205723号公報では、ロックウ
ールやポリウレタンフォームなどの成形培地に切込みを
設けてなることを特徴とする植物栽培用成形培地が、ま
た、特開平6−205619号公報では、上層、中層、
下層の特定不織布から構成した植物育成用マットが開示
され、さらに、特開平7−99846号公報では、ウレ
タン樹脂フォームなどからなる栽培マットを保持板など
で拘持し、従来の栽培ベッド上に該栽培マットを載置し
て、培養液を循環させながら葉菜類を栽培することを特
徴とした葉菜類の水耕栽培方法が開示されている。
【0005】しかし、従来のポリウレタンフォームなど
の合成樹脂系マットやロックウールでは、生分解性がな
いために廃棄上の、また、焼却処理した場合には有害ガ
ス放出などの問題がある。そのため、生分解性の素材を
用いるものも提案されている。例えば、特開平7−25
5270号公報では、パルプ繊維絡合体からなる植物
床、又は、該パルプ繊維絡合体を括着し、パルプ繊維絡
合体間に播種用スリットを形成した植物床が提案されて
いる。また、特開2000−224934号公報では、
セルロース繊維を主成分とする特定のスラリーを、メッ
シュを用いて脱水した後、乾燥して、密度が特定範囲で
ある水耕栽培用マットが提案されている。
【0006】しかしながら、これら提案されている生分
解性素材の水耕栽培用マットは、パルプ繊維やセルロー
ス繊維を、その繊維状態から、いわゆる抄造やニードリ
ングし、その際にバインダー類を添加して結着、集合体
とするものである為、何段かの工程を経る大規模な製造
設備が必要になるなどのマット基材製造上の問題や、1
0mm以上の肉厚に形成して使用することを前提とする
ものであった。従来のポリウレタンフォームなどのマッ
ト基材でも言えることだが、水耕栽培用マットが10m
m以上の肉厚であると、作物出荷時に成長した作物の根
をマットから取り外し難いという問題の他、水耕栽培を
連続機械化した設備へのマット供給に関連して数々の不
利益を生ずる。勿論、連続機械化した設備で一旦不良品
が出ると、その廃棄の量は、膨大で、廃棄費用も相当な
額となる。そのため、最近では、マット基材を製造する
のに大規模な設備が必要でなくて、水耕栽培の連続機械
化設備に効率的に供給等できて、かつ廃棄容易に使用で
き、しかも、作物の生育にも適した水耕栽培用マットが
強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のように従来の水耕栽培用マットなどが持つ諸問題を解
消し、生分解性であって、マット基材を製造するのに大
規模な設備を必要とせず、水耕栽培の連続機械化設備へ
供給等するに際しても効率的であり、廃棄も容易で、し
かも作物の生育に適した、生分解性樹脂押出発泡体シー
トからなる水耕栽培用マット及び該水耕栽培用マットを
用いる水耕栽培方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に対し鋭意検討を重ねた上で、セルロース・アセテート
系樹脂と、生分解性可塑剤と、発泡剤としての水分とを
含有する特定の発泡性生分解性樹脂組成物を、Tダイま
たは円形ダイ(以下まとめて「ダイ」と称する)を介し
て押し出しすると同時に水分の気化膨張力により発泡さ
せることにより製造された生分解性樹脂押出発泡体シー
トが、厚さ0.5〜3mm程度の薄さとして、これに水
分を含ませたとしても、相応の強度を有しており、さら
に、該発泡体シートに適宜な貫通穴を形成して、この上
にかいわれ大根の種子を播き、水耕栽培を行なってみた
ところ、かいわれ大根が、この貫通穴を通して該発泡体
シートの下で根を張り、ポリウレタンフォームのような
シート基材の組織内部に根が入り込まなくても、いわゆ
る根付いた状態となり、順調に生育し得ることを確認し
た。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったも
のである。
【0009】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
セルロース・アセテート系樹脂を主成分とする生分解性
樹脂押出発泡体シートからなる水耕栽培用マットであっ
て、該発泡体シートは、厚さが0.5〜3mm程度であ
り、これに栽培作物の種子の径程度の貫通穴が網目状又
は条状に設けられていることを特徴とする水耕栽培用マ
ットが提供される。また、本発明の第2の発明によれ
ば、第1の発明において、生分解性樹脂押出発泡体シー
トは、主成分のセルロース・アセテート系樹脂に、生分
解性可塑剤、及び発泡剤としての水分を配合してなる発
泡性生分解性樹脂組成物を、Tダイまたは円形ダイを介
して押し出しすると同時に水分の気化膨張力により発泡
させて製造されたものであることを特徴とする水耕栽培
用マットが提供される。さらに、本発明の第3の発明に
よれば、第1又は2の発明において、水耕栽培用マット
は、直径3mm程度の貫通穴が、60mm角当たり60
個程度を網目状に設けられていることを特徴とする水耕
栽培用マットが提供される。さらにまた、本発明の第4
の発明によれば、第3の発明において、水耕栽培用マッ
トは、かいわれ大根栽培用であることを特徴とする水耕
栽培用マットが提供される。
【0010】本発明の第5の発明によれば、第1〜4の
発明のいずれかの水耕栽培用マット上に栽培作物の種子
を播種し、貫通穴を通して該マット下部で根を張らせ、
根付かせることを特徴とする水耕栽培方法が提供され
る。また、本発明の第6の発明によれば、第1〜4の発
明のいずれかの水耕栽培用マット上に栽培作物の種子を
播種し、貫通穴を通して該マット下部で根を張らせ、栽
培完了時には、貫通穴を通して該マット下部で根付かせ
た状態として、該マットごと流通過程へ出荷することを
特徴とする水耕栽培方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、各項目毎
に詳細に説明する。1.生分解性樹脂押出発泡体シート
本発明の水耕栽培用マットにおいて、マット基材として
用いられる生分解性樹脂押出発泡体シートは、セルロー
ス・アセテート系樹脂に、生分解性可塑剤、及び発泡剤
としての水分を配合してなる発泡性生分解性樹脂組成物
を、ダイを介して押し出しすると同時に水分の気化膨張
力により発泡させることで好適に製造される。
【0012】(1)セルロース・アセテート系樹脂 セルロース・アセテート系樹脂としては、天然物に近い
化学構造を持つために環境中の微生物等によって分解す
る性能、すなわち生分解性能を持っているものであり、
セルロース・アセテートを主成分として含むものであ
る。副成分として、さらに配合してもよい生分解性樹脂
は、特に限定されるものではなく、一般に生分解性樹脂
として用いられているものならば何でも使用することが
できる。これらに該当するものとしては、例えば、スタ
ーチ系、ポリ乳酸系、ポリエステル系などが挙げられ
る。
【0013】セルロース・アセテート系樹脂中で主成分
として含まれるセルロース・アセテートは、通常、綿の
実から得られるリンター、又は木材パルプのセルロース
に酢酸を反応させることにより製造される。生分解性樹
脂押出発泡体シートに用いられるセルロース・アセテー
トとしては、通常「酢酸セルロース」として市販されて
いるグレードのものならば何でもよいが、その中でも、
セルロースの酢酸エステル化度が、セルロースに結合し
ている酢酸の重量割合で表される酢化度で言って45%
以上であるようなものがよく、特に酢化度が47〜60
%(セルロース1単位当たりの結合アセチル基の数は
1.9〜2.8)のものが好ましい。酢化度が45%未
満の場合には、溶融温度が高くなりすぎるため、安定し
て発泡体に成形することが困難となる。
【0014】また、生分解性樹脂押出発泡体シートに用
いられるセルロース・アセテート系樹脂には、単に酢酸
基をもつアセテートの他に、プロピオン酸或いは酪酸を
混合使用したセルロース・アセトプロピオネートや、セ
ルロース・アセトブチレートも含まれ、溶融点、吸水
率、溶剤に対する溶解性等の観点から酸の混合比率を適
宜選択して使用できる。
【0015】(2)生分解性可塑剤 生分解性可塑剤は、発泡体を円滑に得るために用いら
れ、ポリアルキレングリコール、多価アルコール及びポ
リカプロラクトンから選ばれる少なくとも1種である。
【0016】ポリアルキレングリコールとしては、エチ
レンオキサイド(オキシエチレン)、プロピレンオキサ
イド(オキシプロピレン)又は両者の混合物を原料とし
て開環重合して製造されるポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコールなどであり、中でもポリエチレ
ングリコールは、生分解性等の点から、特に好ましく用
いられる。また、ポリオキシアルキレングリコールのモ
ノエーテル、ジエーテル、ジオールを用いてもよい。さ
らに、ポリオキシアルキレングリコールとしては、オキ
シエチレンとオキシプロピレンのブロック又はランダム
重合でもよく、生分解性等の点からオキシエチレンとオ
キシプロピレンの割合は、オキシエチレンの割合が50
重量%〜100重量%が好ましい。これらのポリアルキ
レングリコール又はポリオキシアルキレングリコールの
分子量は、特に限定する必要はないが、20000程度
以下、特に200〜2000が好ましい。
【0017】生分解性可塑剤として用いることができる
多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、
1,3ブタンジオール、ジグリセリン、ポリグリセリン
などを挙げることができ、生分解性を有する高沸点のも
のである。
【0018】さらに、生分解性可塑剤として用いること
ができるポリカプロラクトンとしては、次の一般式
(1)〜(3)で表される脂肪族ポリエステルが挙げら
れるが、この脂肪族ポリエステルの市販品としては、例
えば、日本ユニカー株式会社販売の「トーン ポリオー
ル」(商品名)又は「トーン ポリマー」(商品名)が
ある。尚、「トーン ポリオール」には、ジオール型と
トリオール型などがあり、「トーン ポリマー」は、
「トーン ポリオール」の高分子量のものである。
【0019】
【化1】
【0020】(式中、Rは、脂肪族炭化水素基部分を表
し、nは正の整数である。)
【0021】ポリカプロラクトンは、生分解性であるば
かりでなく、非水溶性であり、さらに、好都合なことに
は、加熱によりセルロース・アセテート系樹脂を可塑化
する働きがあるため、可塑剤として働き、通常生分解性
樹脂発泡体を製造する際に必要な可塑剤を何ら添加しな
くても、生分解性樹脂発泡体が得られ、その上、水溶性
可塑剤を用いないため、水分との接触による可塑剤の溶
出といった弊害をも回避することができるという利点が
ある。
【0022】生分解性可塑剤(B)の配合量は、セルロ
ース・アセテート系樹脂(A)100重量部に対して、
10〜60重量部、好ましくは15〜45重量部の範囲
であることが重要である。配合量が10重量部未満であ
ると、セルロース・アセテート系樹脂を可塑化する働き
が乏しく、満足する発泡体が得られない。一方、60重
量部を超えると、その可塑化する効果が過度となる。特
に、生分解性可塑剤(B)の好ましい配合量である15
〜45重量部の範囲にあると、得られた発泡体はシート
状となり、その結果、マット基材に使用される生分解性
樹脂押出発泡体シートとって厚さ(薄さ)や強度の適度
なものとして得られる。
【0023】(3)発泡性生分解性樹脂組成物 生分解性樹脂押出発泡体シートに用いられる発泡性生分
解性樹脂組成物は、前記した如く、セルロース・アセテ
ート系樹脂に、所定量の特定生分解性可塑剤と、発泡剤
としての水分を配合することにより調製される。発泡剤
としての水分の配合割合は、セルロース・アセテート系
樹脂(A)と生分解性可塑剤(B)との樹脂成分(A+
B)100重量部に対して、3〜100重量部、好まし
くは5〜50重量部である。この発泡剤としての水分の
配合量も、生分解性可塑剤の配合量と同様に、生分解性
樹脂押出発泡体シートを製造する場合の重要なファクタ
ーである。得られた発泡体がシート状とならずに異形バ
ラ状などとなった場合は、水分の配合量を増加させるこ
とにより、発泡を最適にし、シート状にすることができ
る。
【0024】発泡性生分解性樹脂組成物には、前述した
ように、生分解性可塑剤として、ポリアルキレングリコ
ール、多価アルコール及びポリカプロラクトンから選ば
れる少なくとも1種を配合するものであるが、さらに必
要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、他の可
塑剤を配合してもよい。可塑剤としては、加熱により、
生分解性樹脂を可塑化するものであれば、特に限定され
ないが、例えば、生分解性樹脂がセルロース・アセテー
ト系樹脂の場合には、フタル酸メチル等のフタル酸エス
テル、リン酸トリブチル等のリン酸エステル、セバシン
酸ジオクチルやアジピン酸ジオクチル等の二塩基酸エス
テルなどが適宜選ばれる。
【0025】さらに、発泡性生分解性樹脂組成物には、
本発明の目的を損なわない範囲で、他の添加剤等を配合
してもよく、例えば、熱安定剤、発泡調整剤、発泡助
剤、水腐れ防止剤や抗菌剤、増量材等が挙げられる。中
でも、タルク、酸化珪素、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、酸化アルミニウム、珪酸カルシウム等の無機系微粒
子、セルロース粉末、キチン、キトサン、木粉、ステア
リン酸金属塩等の有機系微粒子などの発泡調整剤、特に
タルクは、該生分解性樹脂組成物に、好適な発泡性を付
与することができるので、均一でかつ高度に発泡した発
泡体が容易に得られる。このような発泡調整剤は、それ
ぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよ
い。さらに発泡性を向上させたり、発泡体製造時に副生
される酸性物質を中和させると共にガスを発生させる目
的で、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等の無
機微粒子を併用してもよい。また、増量材として、オカ
ラ、木粉、麩(小麦の皮)、米粉、澱粉、コーンスター
チ、古紙等を一定限度において添加することもできる。
【0026】本発明に用いられる発泡性生分解性樹脂組
成物の好ましい態様として、セルロース・アセテート系
樹脂に、特定の生分解性可塑剤と、発泡調整剤としての
タルク、及び発泡剤としての水分からなる発泡性生分解
性樹脂組成物が挙げられ、また、この発泡性生分解性樹
脂組成物には、上記した増量材を添加してもよい。
【0027】この発泡調整剤としてタルクの発泡性生分
解性樹脂組成物に対する配合量は、セルロース・アセテ
ート系樹脂100重量部に対して、1〜50重量部、好
ましくは1〜15重量部の範囲である。配合量が1重量
部未満であると、タルクを配合した効果が現れず、不均
一で粗い発泡体が形成されやすく、一方50重量部を超
えると、タルクの2次凝集が起こりやすくなるため、や
はり不均一で粗い発泡体が形成されやすくなる。
【0028】(4)生分解性樹脂押出発泡体シートの製
造方法 生分解性樹脂押出発泡体シートは、前記の発泡性生分解
性樹脂組成物を、ダイから押し出しすると同時に水分の
気化膨張力により発泡させることにより製造される。
【0029】さらに、この製法を詳記すると、以下のよ
うになる。セルロース・アセテート系樹脂、特定の生分
解性可塑剤及び水分(発泡剤)を含有する発泡性生分解
性樹脂組成物は、所定の割合で調製された後、前方にT
ダイまたは円形ダイを有する押出機内(例えば、混練押
出機)に投入される。ここで、Tダイとは矩形状スリッ
トの口金先端を有するダイであり、円形ダイとは円環状
スリットの口金先端を有するダイであり、Tダイの場合
はそのまま、円形ダイの場合は、押し出し後に一箇所を
スリットし、その後平らに展開して、発泡体シートを得
る。押出機押出機内に水分を投入する方法としては、発
泡用の生分解性樹脂組成物に、予め所定量の水分を含有
させるようにしてもよいし、或いは生分解性樹脂や特定
の生分解性可塑剤の生分解性樹脂配合物と共に水そのも
のをホッパ内に直接添加してもよく、生分解性樹脂配合
物と水分とが一緒に供給されさえすればよい。また、そ
の投入割合は、前記したように、樹脂成分(A+B)1
00重量部に対して水分が3〜100重量部、好ましく
は5〜50重量部であることが望ましい。
【0030】次いで、この発泡性生分解性樹脂組成物
は、ダイに押送するまでの間に、120〜250℃、好
ましくは180〜220℃の温度で加熱溶融混練され、
その結果、流動状の加熱加圧状態とされた後、ダイから
押し出される。溶融混練時間は、単位時間当たりの吐出
量、溶融混練温度などにより異なってくるので一概に決
定することはできないが、該混合物が均一に溶融混練さ
れるに十分な時間であればよい。また、吐出部のダイの
温度は、前記溶融混練温度と同じでもよいが、吐出でき
る範囲内で該温度よりも低温にしてもよい。ここで、溶
融混練に使用される押出機は、高温高圧下となって水分
がセルロースアセテート中に無理やり溶解されるように
なっている限り、どのようなタイプの押出機でもよい
が、通常は1軸又は2軸のスクリュータイプの押出機が
用いられる。その後、ダイから吐出された溶融生分解性
樹脂組成物は、その温度及び水分量によって発泡開始位
置が異なるが、通常はダイ部より出た直後から発泡が開
始され、発泡を終えた後に、シート状発泡体として得ら
れる。
【0031】本発明に係る生分解性樹脂押出発泡体シー
トは、シート状の発泡体であって、厚さ(厚み)が0.
5〜3mm程度であることが必要である。シート状の厚
さが0.5mmより薄いと、貫通穴の大きさや密度にも
因るが、腰がなくなり、強度的に劣るようになって好ま
しくない。また、シートの厚さが3mmより厚いと、水
耕栽培の連続機械化設備へ供給等するに際して種々の不
利益が増長される。すなわち、厚さが0.5〜3mm程
度であれば、同体積の従来のポリウレタンフォーム基材
の水耕栽培用マットに比して、少なくとも3倍以上の栽
培面積とすることができ、設備への供給頻度が1/3以
下で済むとともに、マットの在庫スペースも1/3以下
で済む。この厚さの範囲外であると、これらが全て悪化
してしまうことになる。当然これらにまつわる作業の軽
減程度も減殺されてしまうこととなる。
【0032】生分解性樹脂押出発泡体シートは、前記方
法にて得られた発泡体シートをそのまま用いてもよい
が、さらに、加熱カレンダー処理や熱プレス、あるいは
真空成形などの賦形を行って、表面平滑化、多少とも圧
縮化、あるいは適宜異形状に成形などしても良い。但
し、連続機械化設備へ供給する水耕栽培用マット専用の
基材としては、適度の平滑性と適当な厚さ(薄さ)であ
りさえすれば、これら賦形を行なわずとも、使用時の適
宜幅で連続縦長にスリットしてロール状に巻回して回収
しておくのが好ましい。
【0033】2.水耕栽培用マット及び水耕栽培方法 本発明の水耕栽培用マットは、セルロース・アセテート
系樹脂を主成分とする生分解性樹脂押出発泡体シートか
らなる水耕栽培用マットであって、該発泡体シートは、
厚さが0.5〜3mm程度であり、これに栽培作物の種
子の径程度の貫通穴が網目状又は条状に設けられている
ことを特徴とする。
【0034】発泡体シートに形成される貫通穴は、水耕
栽培用マット上に播種する植物(栽培作物)の種子の径
程度の大きさであって、水耕栽培する作物により、適宜
選ばれる。ここで、貫通穴の大きさは、本来、栽培作物
の根が1本でも通過できれば、根付きという観点からは
その程度の小径でも良いと考えられるが、実際これが小
径であると、栽培作物の生育を阻害する場合があり、小
径過ぎるのは好ましくない。また、栽培作物によって、
種子と根の太さ比、根と茎の太さ比、発根本数、どこま
で播種密度を上げられるかなどが各異なるから、逆に、
複数本の根が同じ貫通穴に入り込める程度に大径でも良
いとも考えられるが、この場合には、播種密度が不足し
た場合や発根初期には起立した状態で成長し難くかった
り、播種した発芽前の種子が貫通穴から水耕栽培用マッ
ト下の培養液または水中に落ち込んでしまう危険が高ま
るので、栽培作物の種子の径程度の大きさが適当であ
る。例えば、かいわれ大根を連続機械化設備で工場生産
する一般的な播種密度の場合では、その径は3mm程度
とするのが好ましい。そして、貫通穴は、発泡体シート
上において、網目状又は条状(すじ状)に形成される
が、その数は、栽培作物により適宜選ばれ、貫通穴の数
が多過ぎても、少な過ぎても、生育および収穫量に影響
してしまうので、栽培環境に合わせて試験栽培して適正
数を求めておくのが望ましい。例えば、かいわれ大根の
場合、60mm角(36cm)で60個程度が最適で
あった。
【0035】また、発泡体シートに形成される貫通穴
は、ドリルを用いた穴あけ、ポンチあるいは金型を用い
たプレス加工等により適宜形成し得るが、その加工効率
を考えれば、ダイから生分解性樹脂押出発泡体シートが
得られてくる直後に、連続的に形成するのが望ましい。
すなわち、連続的に送り出されてくる発泡体シートを、
蛸の吸盤状にドラム周面に円形ポンチを多数突設した中
空ドラムへ捲回し、その捲回力あるいは該中空ドラムと
対向するゴムローラとの間の挟圧力で穿孔し、抜き取っ
た貫通穴部分は吸引又は引き飛ばすようにして、連続的
に形成するのが良い。この場合、合わせて、ダイの幅に
応じて幅広に得られている発泡体シートを連続縦長にス
リットするとともに、水耕栽培用マットとしての一単位
長さ毎に横の切れ筋を入れ、一単位毎の水耕栽培用マッ
トが連続状に連なったロール状として回収するのが一番
望ましい。勿論、幅広の発泡体シートを所定長さで枚葉
状に切断したものを予め準備し、これを次工程として金
型を用いたプレス加工により、貫通穴を形成、あるいは
貫通穴を形成するとともに一単位毎に切り分けるように
加工しても良い。
【0036】なお、マット基材としての厚さ(薄さ)と
しては、前述の如く、腰があって強度的に適合すれば、
一見それだけで良さそうもに思えるが、実は、この貫通
穴が後加工で形成されることもあって、マット基材とし
ては、主成分のセルロース・アセテート系樹脂に、生分
解性可塑剤、及び発泡剤としての水分を配合してなる発
泡性生分解性樹脂組成物を、ダイを介して押し出しする
と同時に水分の気化膨張力により発泡させて製造された
生分解性樹脂押出発泡体シートをマット基材として用い
ることが肝要である。それは、貫通穴を後加工で形成す
ると、薄いマット基材ほど貫通穴の縁が鋭角的に形成さ
れ易く、その鋭角的な縁が栽培過程の移動時振動などで
栽培作物の根を傷付けてしまう危険があるからであり、
この生分解性樹脂押出発泡体シートをマット基材とする
ことで、これに緩和対処できるからである。このように
して、網目状又は条状(すじ状)に所定の貫通穴が明け
られた、一単位としての水耕栽培用マットは、図1に示
すような網目プレートの外観を呈する。
【0037】本発明の水耕栽培用マットを用いる水耕栽
培方法としては、特に限定されないが、例えば、水耕栽
培用マットを、所定の容器内で、その表面まで培養液な
ど含水させておき、この水耕栽培用マット上に貫通穴の
数の1〜3倍程度の栽培作物の種子を、バラマキで略均
一に播種する。なお、種子は、別途の発芽室などで、ほ
んの少しでも発根させておくのが望ましい。勿論、播種
と含水の順序を逆に、播種した後に水を上から散布して
もよいが、水耕栽培用マット上で種子が没水しないよう
に注意して、適度な温度および湿度の環境下に置いてや
る。その間は、適時給水として上から散水したり、マッ
ト下の水を補充したりするが、その際、マット下の水を
循環流動させたり、その水にコンプレッサーで空気を送
り込むなどするのも好ましい。また、水耕栽培用マット
上で種子が没水しないように、水耕栽培用マットを容器
内で底から嵩上げ状態とし、その嵩上げ高さまで水が溜
まらないように容器の嵩上げ高さ付近に穴を明けたりす
ること勿論良い。
【0038】すると、例えば、かいわれ大根であれば、
数日程度して発芽、発根する。この発根から更に根が伸
長してくるのを観察すると、根は、先ず播種されたとき
の種の位置から貫通穴を探すが如く若干横方向へ伸び、
貫通穴に至った後は、より水分の高いマット下、すなわ
ち貫通穴を通って水耕栽培用マットの裏側で伸長する。
その際、全部が全部、貫通穴を通ってマット裏側で伸長
できる訳ではないが、大部分がそのように伸長し、発根
が遅れるなどしてそのように伸長できなかった根は、近
くの根の根元で絡み付くように水耕栽培用マット上でも
伸長する。水耕栽培用マットの裏側で伸長した根は、互
いがランダムに伸長し合い、繊維が絡み合わされたよう
になって根付いた状態となることができる。この根付き
と合わせ、マットの上の方では芽が伸長し、容器がポッ
ト状であれば容器形状にも規制されて、全体として密植
状態で上に向って起立成長する。そして、1〜2週間程
度で収穫できるまでに成長する。水耕栽培を始めてから
栽培完了する迄の間は給水管理を行うが、水耕栽培用マ
ットが冠水してしまう程の給水は却って生育を阻害し、
根は、水耕栽培用マット下の水を吸水できるので、それ
に合わせた給水管理を行うのが肝要である。栽培作物が
成長して収穫可能となった栽培完了時には、単に水耕栽
培で用いていた容器から取り出して、水耕栽培された作
物、例えば、かいわれ大根を、水耕栽培用マットが付着
したままの状態で、別途の出荷用あるいは店頭用の容器
に入れ替えて、流通過程へ出荷することもできるし、水
耕栽培された作物を水耕栽培用マットから抜き取り或い
は外して、又は水耕栽培された作物を水耕栽培用マット
の上面で鋏などで切断し、これまた別の包装などを行な
って、流通過程へと出荷することができる。
【0039】本発明の水耕栽培用マットを用いて水耕栽
培できる作物としては、例えば、かいわれ大根、ミツ
バ、芽ネギ、コマツナなど、どちらかと言えば、多数本
を密植させて水耕栽培する小型作物に最適であるが、パ
セリ、シュンギク、レタスなどにも適用可能である。
【0040】本発明の水耕栽培用マットは、前述したよ
うな作用・効果を奏し得て、従来のポリウレタンフォー
ム基材のものに比べて種々の特徴・利点を有している
が、さらに特徴・利点を詳述すれば、次のとおりとな
る。先ずは、生分解性であって、使用後は、土壌中で分
解消滅が可能となるため、土壌への廃棄処理ができ、ま
た、焼却処理をしても有害ガスや焼却炉損傷の問題がな
い点である。収穫場、流通過程、店頭、消費者の家庭、
何れの処にせよ、分離された使用済み水耕栽培用マット
は、それらの処で廃棄等の処理を受けるが、家庭菜園な
どを行なっている家庭であれば、マットに根が絡まって
いるから肥料になるということで、土に埋められるかも
しれないし、根が絡まり水分もあるということで生ごみ
として廃棄されるかもしれないし、一般ごみとして廃棄
されるかもしれない。しかし、廃棄されるこの水耕栽培
用マットは、生分解性であり、また燃焼熱も通常の紙程
度であるので、普通焼却場で焼却しても焼却炉を傷める
ことはなく、廃棄処理は非常に簡単で、環境低負荷で行
なえるのである。これはマット基材が生分解性樹脂押出
発泡体シートであることを前提とした上で、それが厚さ
0.5〜3mm程度の肉薄の発泡体シートを用いている
こともあって促進される。すなわち、廃棄される容量自
体が、厚さから単純に計算して、従来のポリウレタンフ
ォーム基材のものに比し1/3以下に減量されるからで
ある。この点は、廃棄の量が膨大で、廃棄費用も相当な
額に及んでいる、連続機械化した設備で不良品が出た際
の問題を大いに解消する。また、世の中には生分解性の
緩衝材が普及し始めているが、その中でもデンプンを主
成分とする生分解性のバラ状発泡体は、価格的優位性を
もってシェアを伸ばしているが、仮に、このデンプン系
生分解性発泡体のシートを作成し、これに貫通穴を明け
て水耕栽培用マットに仕上げたところで、このもので
は、耐水性、耐湿性に弱過ぎ、全く使いものにならない
ものとなる。これに対し、本発明の水耕栽培用マットの
基材としての生分解性樹脂押出発泡体シートは、厚さを
0.5〜3mm程度とした上で、これに貫通穴を多数明
け、さらにそれを水に漬けた状態で栽培期間放置すると
いう条件下で、腰があって、強度的に適合するという素
材としての資質を備えているのである。
【0041】
【実施例】以下に本発明の水耕栽培用マットの実施例及
びその比較例を説明するが、本発明は、これらの実施例
に特に限定されるものではない。
【0042】[実施例1]生分解性樹脂として、軟質の
帝人株式会社製セルロース・ジアセテート(基準:10
0重量部)と、生分解性可塑剤として、ポリエチレング
リコール(分子量:400)(40重量部)とを用い、
発泡調整剤として、タルク(15重量部)を添加して、
生分解性樹脂配合物とし、これに、発泡剤として、水分
(30重量部)を添加して、混練2軸押出機のホッパー
に供給し、174℃の温度で加熱溶融混練した後、口金
先端が矩形状スリットのフラットで、Tダイ幅600m
m、リップ幅0・3mmを有するダイ部から押し出し
て、厚さ1.5mm、発泡倍率としては約12倍の生分
解性樹脂押出発泡体シートを得た。
【0043】次に、得られた生分解性樹脂押出発泡体シ
ートを60mm×60mm四方のサイズに切断した後、
金型を用いるプレス加工により、径が3mmの貫通穴6
0個を網目状に形成して、実施例1たる水耕栽培用マッ
トを得た。そこで、得られた水耕栽培用マット上に、か
いわれ大根の種子約100個をバラマキして、従来普通
に行なっているのと同様な手法・条件下で水耕栽培を行
い、生育状態などの評価を行なった。
【0044】その結果、かいわれ大根の生育は、順調に
推移し、比較例2の従来普通のマットを用いたものに比
して同等か数%程度上回る生育状況であった。10cm
程に成長した段階でかわいれ大根の数本を摘み上げてみ
たところ、マット一面に密植したかいわれ大根群がマッ
ト毎持ち上げられ、これを多少強めに揺すったりして
も、それらが解れてしまうことなどがなく、根付きとし
て極めて良好であり、その後の出荷作業にも扱い易いも
のであることが確認された。また、かいわれ大根群を握
り締め、一群をマットから引き離そうとしたところ、抜
ける根や切れる根があったりして、簡単に栽培作物のみ
を収穫するとともに使用済みのマットを回収できた。廃
棄されるべき、その回収された使用済みマットは、容量
にして比較例2の凡そ1/4程度であった。
【0045】[実施例2]貫通穴を2.5mmで形成し
た以外は実施例1と同様にして、実施例2の水耕栽培用
マットを得た。得られた水耕栽培用マットを用いて、実
施例1と同様の水耕栽培を行い、生育状態などの評価を
行なった。かいわれ大根の生育としては、最終的には似
たように生育し得たものの、発育経過としては通常より
数10%程度低下していた。その他の状況は、実施例1
とほぼ同等であった。
【0046】[比較例1]実施例1および実施例2で用
いた水耕栽培用マットの基材たる生分解性樹脂押出発泡
体シート(厚さ1.5mm、60mm×60mm)をそ
のまま用い、すなわち貫通穴を一切あけない以外は、実
施例1と同様にして水耕栽培を行い、生育状態などの評
価を行なった。この場合では、発根した後の給水調整が
困難で、うまく根が張らず、全体に生育不十分であっ
て、使用に耐えないものであった。
【0047】[比較例2]比較例2としては、従来普通
に用いられている厚さ10mmのポリウレタンフォーム
をそのまま用い、その他は実施例1と同様にして、水耕
栽培を行い、実施例1および実施例2との比較標準とし
た。
【0048】
【発明の効果】以上、本発明の水耕栽培用マット及び水
耕栽培方法によれば、従来の水耕栽培用マットなどが持
っていた諸問題を解消することができる。すなわち、生
分解性を有する為、用済み後において土壌中で容易に分
解消滅するし、焼却処理する際にも有害ガスや焼却炉損
傷などの問題がなくて、栽培工場でも家庭でも何処でも
簡単、環境低負荷に廃棄処分できる。また、そのマット
基材を製造するのに際しても大規模な設備を必要とせ
ず、水耕栽培の連続機械化設備へ供給等することに関し
ても、栽培面積の数倍化、設備への供給頻度の数分の一
化、在庫スペースの数分の一化など、随所で効率的とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態(実施例1)による水耕
栽培用マットを示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態(実施例1)による、水
耕栽培用マット上に種子を播き、その後、作物が根を張
った状態を説明する図である。
【符号の説明】
1 水耕栽培用マット(生分解性樹脂押出発泡体シー
ト) 2 貫通穴 3 作物(かいわれ大根)の種子 4 作物(かいわれ大根)の根 5 作物(かいわれ大根)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B314 MA06 NB04 NB18 NC49 PC09 PC11 PC24 PC27 PC29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース・アセテート系樹脂を主成分
    とする生分解性樹脂押出発泡体シートからなる水耕栽培
    用マットであって、該発泡体シートは、厚さが0.5〜
    3mm程度であり、これに栽培作物の種子の径程度の貫
    通穴が網目状又は条状に設けられていることを特徴とす
    る水耕栽培用マット。
  2. 【請求項2】 生分解性樹脂押出発泡体シートは、主成
    分のセルロース・アセテート系樹脂に、生分解性可塑
    剤、及び発泡剤としての水分を配合してなる発泡性生分
    解性樹脂組成物を、Tダイまたは円形ダイを介して押し
    出しすると同時に水分の気化膨張力により発泡させて製
    造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の
    水耕栽培用マット。
  3. 【請求項3】 水耕栽培用マットは、直径3mm程度の
    貫通穴が、60mm角当たり60個程度を網目状に設け
    られていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水
    耕栽培用マット。
  4. 【請求項4】 水耕栽培用マットは、かいわれ大根栽培
    用であることを特徴とする請求項3に記載の水耕栽培用
    マット。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の水耕栽
    培用マット上に栽培作物の種子を播種し、貫通穴を通し
    て該マット下部で根を張らせ、根付かせることを特徴と
    する水耕栽培方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の水耕栽
    培用マット上に栽培作物の種子を播種し、貫通穴を通し
    て該マット下部で根を張らせ、栽培完了時には、貫通穴
    を通して該マット下部で根付かせた状態として、該マッ
    トごと流通過程へ出荷することを特徴とする水耕栽培方
    法。
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