JP2003143830A - パルスモータ - Google Patents

パルスモータ

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JP2003143830A JP2001332519A JP2001332519A JP2003143830A JP 2003143830 A JP2003143830 A JP 2003143830A JP 2001332519 A JP2001332519 A JP 2001332519A JP 2001332519 A JP2001332519 A JP 2001332519A JP 2003143830 A JP2003143830 A JP 2003143830A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライダのピッチングを極力低減したパルス
モータを実現する。 【解決手段】 突極を有するモータブロックをスライダ
に塔載し、永久磁石により突極の長さ方向にバイアス磁
束を与え、モータブロックを任意の対数だけ設け、対に
なるモータブロックはスライダの中心に対して点対称の
位置関係に配置し、対になるモータブロックの一方と他
方で永久磁石が与えるバイアス磁束の方向を逆方向にし
たパルスモータである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プローバ、ハンド
ラ、ステッパ等に用いられるパルスモータに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図3及び図4は従来におけるパルスモー
タの構成例を示した図である。図3は上面図、図4は図
3のA−A部分の断面図である。この従来例はスライダ
が2次元方向に移動するパルスモータの例を示してい
る。プラテン10は、板状をなし、X方向とY方向に沿
って一定ピッチで歯11がマトリクス状に形成されてい
る。プラテン10は、磁性体で構成されていて、平坦面
に格子状に溝を切ることにより形成される。プラテン1
0は、請求範囲でいうステータに相当する。
【0003】スライダ20には、Xモータブロック21
a,21bとYモータブロック22a,22bが塔載さ
れている。Xモータブロック21aの構成を説明する。
Xモータブロック21aには、コア211a,211b
が設けられている。図5はコア211aをE方向から見
た図である。コア211aは、突極212a〜212f
を有する。各突極の先端にはピッチpで歯213が形成
されている。プラテン10の歯11のピッチは歯213
のピッチと等しいかあるいはほぼ等しくなっている。歯
213は歯11と対向配置されている。突極212a,
212b,212cの歯はp/3ずつ位相がずれてい
る。突極212aの歯と突極212dの歯は同位相であ
る。突極212d,212e,212fの歯はp/3ず
つ位相がずれている。
【0004】コイル214a〜214fは、突極212
a〜212fにそれぞれ巻かれている。コイル214a
〜214fの巻かれた突極の歯の位相はp/3ずつずれ
ている。コイル214a,214b,214c,214
d,214e,214fをそれぞれU相コイル,V相コ
イル,W相コイル,U相コイル,V相コイル,W相コイ
ルとする。この例では、コイルは3相コイルである。励
磁手段215は、コイル214a〜214fに位相が1
20°ずつずれた正弦波交流信号を流すことによって励
磁する。
【0005】永久磁石216a,216bはコア211
aに装着されている。永久磁石216a,216bは突
極の長さ方向に着磁されている。これにより、永久磁石
216a,216bは突極に長さ方向のバイアス磁束φ
mを与える。浮揚手段217は、スライダ20をプラテ
ン10上に浮揚させる。図示していないが、例えば浮揚
手段217はスライダ20の下面に設けた穴から圧縮空
気を噴出することによって、スライダ20をプラテン1
0上に浮揚させる。このとき、スライダ20とプラテン
10の間には圧縮空気の層が形成される。
【0006】コア211bもコア211aと同様な構成
になっている。コア211bはコア211aに対して、
突極の歯の位相をp/2だけずらして配置されている。
コア211bに巻かれた3相コイルをそれぞれU−相コ
イル(Uの上にバーが付いた符合をU−と表す),V−
相コイル,W−相コイルとする。U相コイルとU−相コ
イルには同相の交流信号が与えられる。他の相について
も同様である。U−相コイル,V−相コイル,W−相コ
イルを設けたのは、コイルを励磁したときにスライダが
回転するのを防ぐためである。U相コイル,V相コイ
ル,W相コイルが巻かれた突極をそれぞれU相突極,V
相突極,W相突極とする。同様に、U−相コイル,V−
相コイル,W−相コイルが巻かれた突極をそれぞれU−
相突極,V−相突極,W−相突極とする。
【0007】Xモータブロック21bもXモータブロッ
ク21aと同様な構成になっている。Xモータブロック
21bにあるコア219a,219bの突極の歯は、コ
ア211a,211bの歯と同位相になっている。永久
磁石218a,218bはコア212aに装着されてい
る。永久磁石218a,218bの着磁方向は永久磁石
216a,216bの着磁方向と同方向である。Xモー
タブロック21a,21bはX方向に突極の歯が配列さ
れている。突極に巻かれたコイルに発生する磁束と永久
磁石の磁束により、Xモータブロック21a,21bは
X方向の推力を発生する。Yモータブロック22a,2
2bもXモータブロック21aと同様な構成になってい
る。Yモータブロック22a,22bはXモータブロッ
ク21aを90°回転移動させた向きに配置されてい
る。Yモータブロック22a,22bはY方向に突極の
歯が配列されている。突極に巻かれたコイルに発生する
磁束と永久磁石の磁束により、Yモータブロック22
a,22bはY方向の推力を発生する。
【0008】図3及び図4に示すパルスモータの構成で
は、Xモータブロック21bはXモータブロック21a
を平行移動させた構成になっているため、Xモータブロ
ック21aと21bでは、U相突極,V相突極,W相突
極の位相はそれぞれ同位相になっている。これにより、
Xモータブロック21aのU相突極,V相突極,W相突
極で生じる吸引力の大きさ及び方向と、Xモータブロッ
ク21bのU相突極,V相突極,W相突極で生じる吸引
力の大きさと方向は等しくなる。従って、モータの磁気
回路における吸引力のばらつきがXモータブロック21
aと21bのU相突極,V相突極,W相突極で同じにな
る。
【0009】このような吸引力のばらつきによりスライ
ダ20が上下方向に揺れる現象(この現象をピッチング
という)がプラテンの1歯ピッチ内で繰り返し現れる。
精密位置決めを行うためには、このピッチングを極力小
さくする必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した問題
点を解決するためになされたものであり、モータブロッ
クをスライダの中心に対して点対称になるように配置す
るとともに、対になるモータブロックの一方と他方で永
久磁石が与えるバイアス磁束の方向を逆方向にすること
によって、スライダのピッチングを極力低減したパルス
モータを実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は次のとおりの構
成になったパルスモータである。
【0012】(1)突極を有するモータブロックをスラ
イダに塔載し、永久磁石により突極の長さ方向にバイア
ス磁束を与え、前記モータブロックを任意の対数だけ設
け、対になるモータブロックは前記スライダの中心に対
して点対称の位置関係に配置し、対になるモータブロッ
クの一方と他方で前記永久磁石が与えるバイアス磁束の
方向を逆方向にしたことを特徴とするパルスモータ。
【0013】(2)所定ピッチで歯が形成されたステー
タと、ピッチpで歯が形成された突極を有し、この突極
は歯の位相をp/nずつずらしてn種類設けられてい
て、各突極の歯は前記ステータの歯と対向配置されてい
るモータブロックと、各突極に対して、突極の長さ方向
にバイアス磁束を与える永久磁石と、各突極にそれぞれ
巻かれたn相コイルと、このn相コイルを励磁する励磁
手段と、前記モータブロックを塔載するスライダと、を
有し、前記モータブロックは任意の対数だけ設けられて
いて、対になるモータブロックは前記スライダの中心に
対して点対称の位置関係に配置されていて、対になるモ
ータブロックの一方と他方で前記永久磁石が与えるバイ
アス磁束の方向が逆方向になっていることを特徴とする
パルスモータ。
【0014】(3)前記モータブロックは、n種類の突
極をそれぞれ有する第1のコアと第2のコアを塔載し、
第1のコアと第2のコアは突極の歯の位相をp/2だけ
ずらして配置されていることを特徴とする(2)記載の
パルスモータ。
【0015】(4)前記モータブロックは、X方向に突
極の歯が配列されたXモータブロックとY方向に突極の
歯が配列されたYモータブロックとを有し、前記ステー
タはXY方向へマトリクス状に歯が形成されていて、前
記スライダは2次元方向に移動することを特徴とする
(2)または(3)記載のパルスモータ。
【0016】(5)前記スライダをステータ上に浮揚さ
せる浮揚手段を有することを特徴とする(2)乃至
(4)のいずれかに記載のパルスモータ。
【0017】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明を詳しく
説明する。図1は本発明の一実施例を示す構成図であ
る。図1は上面図、図2は図1のA−A部分の断面図で
ある。図1で前出の図面と同一のものは同一符合を付け
る。Xモータブロック31aと31bはスライダの中心
40に対して点対称の位置関係に配置されている。Yモ
ータブロック32aと32bはスライダの中心40に対
して点対称の位置関係に配置されている。Yモータブロ
ック32a,32bはXモータブロック31a,31b
の向きを90°変えて配置されている。このようにモー
タブロックが点対称の位置関係に配置されていることか
ら、Xモータブロック31a,31bでは、U相突極,
V相突極,W相突極はU−相突極,V−相突極,W−相
突極よりもスライダの中心40に近い位置にある。ま
た、U相突極,V相突極,W相突極の配列はXモータブ
ロック31aと31bで逆になる。Yモータブロック3
2aと32bでも同様である。
【0018】Xモータブロック31aの構成を説明す
る。Xモータブロック31aには、コア311a,31
1bが設けられている。コア311aは、突極312a
〜312fを有する。各突極の先端にはピッチpで歯3
13が形成されている。突極312a,312b,31
2cの歯はp/3ずつ位相がずれている。突極312a
の歯と突極312dの歯は同位相である。突極312
d,312e,312fの歯はp/3ずつ位相がずれて
いる。
【0019】コイル314a〜314fは、突極312
a〜312fにそれぞれ巻かれている。コイル314a
〜314fの巻かれた突極の歯の位相はp/3ずつずれ
ている。従来例と同様にコイル314a,314b,3
14c,314d,314e,314fをそれぞれU相
コイル,V相コイル,W相コイル,U相コイル,V相コ
イル,W相コイルとする。励磁手段215は、コイル3
14a〜314fに3相の正弦波交流信号を流すことに
よって励磁する。
【0020】永久磁石316a,316bはコア311
aに装着されている。永久磁石316a,316bは突
極の長さ方向に着磁されている。これにより、永久磁石
316a,316bは突極に長さ方向のバイアス磁束φ
mを与える。コア311bもコア311aと同様な構成
になっている。コア311bはコア311aに対して、
突極の歯の位相をp/2だけずらして配置されている。
コア311bに巻かれた3相コイルをそれぞれU−相コ
イル,V−相コイル,W−相コイルとする。U相コイル
とU−相コイルには同相の交流信号が与えられる。他の
相についても同様である。U相コイル,V相コイル,W
相コイルが巻かれた突極をそれぞれU相突極,V相突
極,W相突極とする。同様に、U−相コイル,V−相コ
イル,W−相コイルが巻かれた突極をそれぞれU−相突
極,V−相突極,W−相突極とする。
【0021】Xモータブロック31bもXモータブロッ
ク31aと同様な構成になっている。永久磁石318
a,318bはコア312aに装着されている。永久磁
石318a,318bの着磁方向は永久磁石316a,
316bの着磁方向と逆方向である。図示しないが、コ
ア311bにも永久磁石が装着されていて、この永久磁
石の着磁方向は永久磁石316a,316bの着磁方向
と同方向である。また、コア312bにも永久磁石が装
着されていて、この永久磁石の着磁方向は永久磁石31
8a,318bの着磁方向と同方向である。Xモータブ
ロック31a,31bはX方向に突極の歯が配列されて
いる。突極に巻かれたコイルに発生する磁束と永久磁石
の磁束により、Xモータブロック31a,31bはX方
向の推力を発生する。Yモータブロック32a,32b
もXモータブロック21aと同様な構成になっている。
Yモータブロック32a,32bはY方向に突極の歯が
配列されている。突極に巻かれたコイルに発生する磁束
と永久磁石の磁束により、Yモータブロック32a,3
2bはY方向の推力を発生する。
【0022】図1及び図2に示すパルスモータでは、X
モータブロック31aと31b、及びYモータブロック
32aと32bは、それぞれスライダの中心40に対し
て点対称の位置関係に配置されている。また、点対称の
位置関係にあるモータブロックの永久磁石は着磁方向が
逆方向になっている。このような構成になっているた
め、これにより、Xモータブロック31aのU相突極,
V相突極,W相突極で生じる吸引力の大きさ及び方向
と、Xモータブロック31bのU相突極,V相突極,W
相突極で生じる吸引力の大きさと方向は、スライダの中
心40に対して点対称の関係になる。従って、モータの
磁気回路における吸引力のばらつきは、中心40に対し
て点対称の位置関係で発生するためキャンセルされる。
これによって、スライダのピッチングを低減できる。
【0023】なお、実施例では3相コイルの場合につい
て説明したが、コイルの相数は3相以外でもよい。ま
た、実施例ではスライダが2次元方向に移動するパルス
モータの場合について説明したが、スライダが1次元方
向に移動するリニアパルスモータであってもよい。ま
た、実施例ではXモータブロックとYモータブロックが
それぞれ一対ずつ設けられた場合について説明したが、
これ以外の対数だけ設けてもよい。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば次の効果が得られる。
【0025】請求項1及び請求項2記載の発明では、モ
ータブロックをスライダの中心に対して点対称の位置関
係に配置し、これらのモータブロックの永久磁石は着磁
方向を逆方向にした。点対称の位置関係にあるモータブ
ロックの各突極で生じる吸引力の大きさと方向は、スラ
イダの中心に対して点対称の関係になる。このため、モ
ータの磁気回路における吸引力のばらつきは、点対称の
位置関係で発生することによりキャンセルできる。これ
によって、スライダのピッチングを低減できる。
【0026】請求項3記載の発明では、歯の位相をp/
2だけずらして配置した第1のコアと第2のコアを設け
たため、コイルを励磁したときにスライダが回転するの
を防止できる。
【0027】請求項4記載の発明では、スライダのピッ
チングを低減し、高精度で2次元位置決めができるパル
スモータを実現した。
【0028】請求項5記載の発明では、スライダをステ
ータ上に浮揚させているため、スライダの移動方向をガ
イドするガイドバーが不要になる。これによって、機構
を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図3】従来におけるパルスモータの構成例を示した図
である。
【図4】従来におけるパルスモータの構成例を示した図
である。
【図5】従来におけるパルスモータの構成例を示した図
である。
【符号の説明】 10 プラテン 11,313 歯 31a,31b,32a,32b モータブロック 215 励磁手段 217 浮揚手段 312a〜312f 突極 314a〜314f コイル 316a,316b,318a,318b 永久磁石

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突極を有するモータブロックをスライダ
    に塔載し、永久磁石により突極の長さ方向にバイアス磁
    束を与え、前記モータブロックを任意の対数だけ設け、
    対になるモータブロックは前記スライダの中心に対して
    点対称の位置関係に配置し、対になるモータブロックの
    一方と他方で前記永久磁石が与えるバイアス磁束の方向
    を逆方向にしたことを特徴とするパルスモータ。
  2. 【請求項2】 所定ピッチで歯が形成されたステータ
    と、 ピッチpで歯が形成された突極を有し、この突極は歯の
    位相をp/nずつずらしてn種類設けられていて、各突
    極の歯は前記ステータの歯と対向配置されているモータ
    ブロックと、 各突極に対して、突極の長さ方向にバイアス磁束を与え
    る永久磁石と、 各突極にそれぞれ巻かれたn相コイルと、 このn相コイルを励磁する励磁手段と、 前記モータブロックを塔載するスライダと、を有し、前
    記モータブロックは任意の対数だけ設けられていて、対
    になるモータブロックは前記スライダの中心に対して点
    対称の位置関係に配置されていて、対になるモータブロ
    ックの一方と他方で前記永久磁石が与えるバイアス磁束
    の方向が逆方向になっていることを特徴とするパルスモ
    ータ。
  3. 【請求項3】 前記モータブロックは、n種類の突極を
    それぞれ有する第1のコアと第2のコアを塔載し、第1
    のコアと第2のコアは突極の歯の位相をp/2だけずら
    して配置されていることを特徴とする請求項2記載のパ
    ルスモータ。
  4. 【請求項4】 前記モータブロックは、X方向に突極の
    歯が配列されたXモータブロックとY方向に突極の歯が
    配列されたYモータブロックとを有し、 前記ステータはXY方向へマトリクス状に歯が形成され
    ていて、 前記スライダは2次元方向に移動することを特徴とする
    請求項2または請求項3記載のパルスモータ。
  5. 【請求項5】 前記スライダをステータ上に浮揚させる
    浮揚手段を有することを特徴とする請求項2乃至請求項
    4のいずれかに記載のパルスモータ。
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