JP2003142481A - 窒化膜形成方法及び装置 - Google Patents

窒化膜形成方法及び装置

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JP2003142481A
JP2003142481A JP2001335315A JP2001335315A JP2003142481A JP 2003142481 A JP2003142481 A JP 2003142481A JP 2001335315 A JP2001335315 A JP 2001335315A JP 2001335315 A JP2001335315 A JP 2001335315A JP 2003142481 A JP2003142481 A JP 2003142481A
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film
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Masaru Asechi
大 阿世知
Hiroshi Nishisato
洋 西里
Yuji Maeda
祐二 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CVD法によって基体上に窒化膜を形成する
際に、成膜速度を格段に高めつつ、膜厚均一性を向上で
き、優れた成膜制御性の実現でき、更に基体への熱的な
影響を格別に軽減できる窒化膜形成方法及び装置を提供
する。 【解決手段】 本発明の窒化膜形成方法は、シリコンウ
ェハW上にシリコン窒化膜を形成する熱CVD法であっ
て、まず、チャンバ2内のサセプタ5上にシリコンウェ
ハWを載置し、その内部を所定の圧力とする。その後、
ガス供給部30から、アンモニアガスとジシランガスと
を所定の流量比でチャンバ2内に供給し、チャンバ2内
の圧力を10〜70kPaとする。そして、シリコンウ
ェハWをヒーター51によって加熱することにより、シ
リコンウェハW上にシリコン窒化膜を形成せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化膜形成方法及
び装置に関し、詳しくは、化学的気相堆積(以下、「C
VD」という)法によって基体上に窒化膜を形成する窒
化膜形成方法及び窒化膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、半導体装置等の製造におい
ては、各種の機能膜や用途膜の形成が行われ、なかで
も、誘電体膜、絶縁膜、保護膜等は、特に薄膜とされる
傾向にある。近年、半導体装置等に対しては、これまで
以上の微細化、薄層化、或いは多層化が要求されてお
り、これらの薄膜についても更なる薄層化が熱望されて
いる。例えば、誘電体膜や保護膜としては、CVD法等
によって形成されるSi34等のシリコン窒化膜(Si
xy)が広く用いられており、微細化等に伴ってメモリ
素子等のセル容量を十分に確保する等のため、これらの
誘電体膜等の極薄化に加え、更なる膜厚均一性の向上が
大きな課題となっている。また、このような要求に加
え、生産性の向上等の観点から半導体ウェハの大口径化
が加速しており、従前のバッチ処理に比して枚葉式処理
による連続処理への移行が進んでいる。
【0003】このような半導体ウェハ等の基体上にシリ
コン窒化膜を形成させる方法としては、モノシラン(S
iH4)ガス、ジクロロシラン(SiCl22)等、及
び、アンモニア(NH3)ガス、更に窒化酸化膜の形成
用に一酸化二窒素(N2O)ガス、等を用いた熱CVD
法、プラズマCVD法等が知られている。また、例え
ば、特開平11−219947号公報、特開平9−26
6290号公報、特開平7−249618号公報等に
は、シランガスの代りにジシラン(Si26)ガス等の
高次シランガスを用いる方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者ら
の知見によれば、熱CVD法による枚葉式の窒化膜形成
において、例えばモノシランガスを用いた場合には、成
膜速度ひいては処理効率の増大に限界があり、優れた膜
性状を維持しつつ今後予想される生産性の向上に十分に
対応できないおそれがあると懸念される。ここで、プロ
セス原料の改良等については、ジシランガスと一酸化二
窒素ガスとを用いて窒化酸化膜を堆積させる場合に成膜
速度が向上される可能性があることが従来より指摘され
ているところ、上記従来の公報等によれば通常の成膜温
度条件で成膜速度を向上させるのにジシランガスが有利
であるといった示唆等がない。
【0005】そこで、本発明者らは、実用的な生産性の
向上手法を確立すべく、特に枚葉式の熱CVD法におい
て、優れた膜特性を維持叉は改善しつつ、窒化膜の成膜
速度の向上が急務であると認識するに至った。そして、
このような知見に基づいて、従来方法を含め、窒化膜形
成プロセスの詳細な検討を行い、成膜速度等の向上に極
めて有利な原料ガス及び好適な成膜条件の目途を得た。
ところが、膜特性等について異なる観点から更に研究を
進めたところ、以下のような問題が生じ得ることを見出
した。
【0006】すなわち、(1)モノシランガスを他のガ
スで単に代替した場合、所望の組成を有するシリコン窒
化膜、具体的には化学量論的にSi34から殆どずれな
い組成を有する膜を得難い傾向にある。つまり、シリコ
ン窒化膜に対して良好なストイキオメトリーが達成され
難い。こうなると、窒化膜中に未反応のケイ素原子や、
Si−H等の水素結合を有する分子が混入し、膜質の低
下、ピンホールやクラックの発生、残留応力の悪化等が
起こり易くなるおそれがあり、更なる薄膜化を図る上で
障害となってしまう。
【0007】(2)また、シランガスを用いた従来の方
法で形成された窒化膜では、大口径化及び薄膜化に対し
て満足のいく膜厚均一性が必ずしも得られず、ガスを単
に高次シランガス等に代替した場合にも、特に顕著な改
善が認められない。
【0008】(3)さらに、モノシランガスを用いた場
合には、成膜温度を例えば650℃程度以下とした場合
に、モノシランの分解が促進されず、実用上不都合な程
に成膜速度が低下してしまう。よって、ガス流量(分
圧)にもよるが、好ましくは800℃以上の高温が必要
となり、その結果、熱履歴容量(サーマルバジェット)
が増大してしまいデバイス特性の悪化やウェハの形状変
化を招き易い。また、モノシランガスとアンモニアガス
とを用いて650℃程度よりも高温で成膜を行なうと、
条件によっては、窒化膜が多孔質(ポーラス)状の膜と
なり易く、機能膜として成立し難い。
【0009】そこで、本発明は、このような事情に鑑み
てなされたものであり、化学的気相堆積法によって半導
体基板等の基体上に窒化膜を形成する際に、成膜速度を
格段に高めつつ、その膜厚の均一性を向上でき、しか
も、優れた成膜制御性の実現に加え、基体への熱的な影
響を格別に軽減できる窒化膜形成方法及び装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による窒化膜形成方法は、化学的気相堆積
(CVD)法によって基体上に窒化膜を形成する方法で
あって、(a)基体上に、窒素原子を含む化合物から成
る第1のガスと、分子中にケイ素原子を少なくとも二つ
以上有する化合物、例えば、置換叉は未置換の高次シラ
ン類を含有して成る第2のガスとを、基体の周囲の圧力
が10〜70kPa(75〜530Torr)、好まし
くは20〜60kPa、更に好ましくは30〜50kP
aとなるように供給する(すなわち、このような圧力を
保持した状態でガス供給を行う)ガス供給工程と、
(b)基体を所定の温度に加熱する基体加熱工程とを備
えることを特徴とする。
【0011】なお、「高次シラン類」とは、分子中にケ
イ素原子を少なくとも二つ以上有する水素化ケイ素、つ
まり、メタンを除くメタン列炭化水素の炭素をケイ素で
置換した分子形、より具体的にはジシラン、トリシラン
等の分子形を有するものを示す。また、「置換高次シラ
ン類」とは、高次シラン類分子を構成する水素原子が他
の原子、基、叉は原子団で置換されているものを示し、
これらを単独で或いは二種以上混合して用いることがで
きる。
【0012】このように構成された窒化膜形成方法にお
いては、ガス供給工程で第1のガス及び第2のガスが基
体上に供給され、基体加熱工程で基体が所定温度に加熱
されると、基体の略直上で両ガスを構成する物質の気相
反応が生じる。これにより、基体上に、主として窒素原
子及びケイ素原子を含むシリコン窒化膜が形成される。
このとき、従来のモノシランガスを用いた同等の温度条
件に比して、高次シラン類等の第2のガスを用いると、
各種の素反応の結果である窒化物生成反応の活性化エネ
ルギーが大きく、これにより特に反応律速領域での成膜
速度の向上が顕著になると考えられる。よって、成膜速
度の向上と成膜温度の低下とを両立できる。
【0013】またこれは、ジシランの分解反応がモノシ
ランに比して低温で進行し易いことが一因と考えられ、
更には、アンモニアガスとの相互作用における各種素反
応の反応速度に関連する前指数因子が増大したり、或い
は活性錯合体が生成される遷移状態確率の変化、ダイナ
ミックス上のポテンシャルの変化等が好都合に作用する
結果とも推定される。但し、作用はこれらに限定されな
い。
【0014】さらに、成膜速度が高められるので、例え
ば、適宜のドーパントがインプラントされた基体上に窒
化膜を形成する際の基体の加熱時間を短縮できる。よっ
て、基体への入熱量が軽減されてドーパントの拡散が十
分に抑制される。また、熱負荷が減少してサーマルバジ
ェットによる基体の形状変化も十分に抑制される。
【0015】またさらに、本発明者らは、第1のガス及
び第2のガスとして、それぞれアンモニアガス及びジシ
ランガスを用いて種々の温度条件及び圧力条件でシリコ
ン窒化膜を基体上に成膜し、それらの屈折率を測定して
窒化膜組成を評価したところ、基体の周囲の圧力(成膜
に供したチャンバ内の圧力)が上述した圧力範囲つまり
10〜70kPaであると、化学量論的に優れたSi3
4膜を確実に形成させ易くなることが確認された。ま
た、成膜速度が極めて高い条件において基体全体の膜厚
均一性が格段に向上されることも確認された。
【0016】さらに、窒化膜中の水素濃度の深度分布及
び基体表面の残留応力の測定結果より、モノシランガス
を用いた同等の温度条件に比して、窒化膜への水素の混
入が十分に抑止されることが判明した。この点において
も、従来に比して成膜温度を低下させ得ることを確認し
た。
【0017】ここで、上記圧力の好適範囲の下限値であ
る10kPaを下回ると、シリコン窒化膜におけるケイ
素原子の組成比(濃度)が高められ、過度にシリコンリ
ッチな膜が形成される傾向にある。これは、そのような
低圧条件下では、第2のガスであるジシランガスの分解
が過度に促進されることが要因の一つと考えられる。一
方、この圧力が70kPaを超えると、膜厚均一性、ス
テップカバレッジ、スループット等に劣る傾向にある。
場合によっては、マイクロローディングが発生するおそ
れもある。
【0018】また、圧力値を10〜70kPaの範囲内
の値に保持してシリコン窒化膜を形成せしめることによ
り、成膜温度(基体の加熱温度、基板温度)を700℃
以下とした場合にも成膜速度の顕著な低下が防止され
る。これに対し、例えば従来のシランガスを用いた方法
では、700℃以下での成膜速度の低下が顕著となる傾
向にある。さらに、先述したように、モノシランガス及
びアンモニアガスを用いた場合には、成膜温度を630
〜650℃以上に高めると、ポーラス状の窒化膜が得ら
れることがあって好ましくない。これに対し、本発明に
よる成膜条件においては、そのような不都合な点は認め
られなかった。
【0019】また、より具体的には、先述した原料ガ
ス、つまり、ガス供給工程においては、第1のガスとし
てアンモニア(NH3)ガスを用い、第2のガスとして
ジシラン(Si26)を含有して成るガスを用いると好
ましい。こうすれば、上述した作用が特に有効に奏され
ると共に、前述の好適な圧力範囲内において、シリコン
窒化膜のストイキオメトリーを一層改善できる利点があ
る。また、アンモニアガス及びジシランガスともに工業
的に入手且つ利用し易い原料ガスであるので有用であ
る。
【0020】さらに、基体加熱工程においては、基体
を、好ましくは600℃以上、より好ましくは600〜
750℃、特に好ましくは630〜700℃の範囲内の
温度に加熱するとより好適である。シリコン窒化膜形成
時の基体の加熱温度すなわち成膜温度が600℃を下回
ると、第1のガスとしてアンモニアガスを用いた場合
に、アンモニアが分解し難く、こうなると十分な成膜速
度を達成することが困難になる。
【0021】また、アンモニアガスの分解が阻害される
と、気相反応に関与するアンモニアガス由来の活性種や
励起種の濃度が低下してしまい、シリコン窒化膜中のケ
イ素原子割合が不当に増大し、ストイキオメトリーが悪
化する傾向にある。さらに、成膜温度が600℃未満で
あると、シリコン窒化膜中の水素濃度が増大する傾向が
あり、膜特性への影響が懸念される。そして、成膜温度
を750℃以下とした場合には、成膜速度の一層の向上
と相俟って、基体に与える熱負荷を十分に抑制できる利
点がある。
【0022】またさらに、ガス供給工程においては、基
体の温度に基づいて第1のガスの供給流量と第2のガス
の供給流量との比を調整するように、第1のガス及び第
2のガスを基体上に供給すると有用である。
【0023】本発明者らは、上述した良好なストイキオ
メトリーの達成度に対する成膜条件の影響を評価すべく
更に検討・研究を進めたところ、特に、第1のガスと第
2のガスとの流量比に依存してシリコン窒化膜の屈折率
が非線形的に急峻に変化する領域があることを確認し
た。この傾向はシランガスを用いた場合にも認められる
ものの、同等の温度条件ではその程度に顕著な差異があ
った。また、温度によって屈折率の絶対値が系統的に変
動することから、化学量論的に優れたSi34膜を得る
には、成膜温度に応じて両ガスの流量比を厳密に制御す
ることが有利であるとの知見を得た。
【0024】したがって、基体の温度に基づいて第1の
ガスの供給流量と第2のガスの供給流量との比を調整す
ることにより、良好な化学量論的組成比を有するシリコ
ン窒化膜を一層確実に形成させることが可能となる。ま
た、本発明における圧力範囲内においては、上述した両
ガスの供給流量比に対する屈折率の変化傾向の再現性が
高く、十分に安定した成膜制御が実現される。
【0025】また、本発明による窒化膜形成装置は、本
発明による窒化膜形成方法を有効に実施するためのもの
であり、CVD法によって基体上に窒化膜が形成される
装置であって、(1)基体が収容されるチャンバと、
(2)このチャンバに接続されており、窒素原子を含む
化合物から成る第1のガスを含む第1のガス供給源と、
分子中にケイ素原子を少なくとも二つ以上有する化合物
を含有して成る第2のガスの供給源とを有するガス供給
部と、(3)チャンバ内の圧力を10〜70kPa(7
5〜530Torr)の範囲内の値となるように調整す
る圧力調整部と、(4)基体を所定の温度に加熱する基
体加熱部とを備えることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付
し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置
関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づ
くものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に
限られるものではない。
【0027】図1は、本発明による窒化膜形成装置の好
適な一実施形態を模式的に示す断面図(一部構成図)で
ある。窒化膜形成装置としてのCVD装置1は、シリコ
ンウェハW(基体)が収容されるチャンバ2にガス供給
部30が接続されたものである。チャンバ2は、シリコ
ンウェハWが載置されるサセプタ5を有しており、この
サセプタ5の上方には、中空の円盤状を成すシャワーヘ
ッド4が設けられている。
【0028】また、サセプタ5は、Oリング、メタルシ
ール等により、チャンバ2に気密に設けられると共に、
図示しない可動機構により上下駆動可能に設けられてい
る。この可動機構により、シリコンウェハWとシャワー
ヘッド4との間隔が調整されるようになっている。さら
に、サセプタ5にはヒーター51(基体加熱部)が内設
されており、これによりシリコンウェハWが所望の所定
温度に加熱される。
【0029】一方、シャワーヘッド4は、略円筒状を成
し且つガス供給口9が設けられたベースプレートを上壁
とする胴部41の下端部に、複数の貫通孔45aが穿設
された多孔板状のフェイスプレート45が結合されたも
のである。また、シャワーヘッド4の内部には、フェイ
スプレート45と略平行に、複数の貫通孔43aが穿設
された多孔板状のブロッカープレート43が設置されて
いる。そして、胴部41とブロッカープレート43によ
って空間部Saが画成されており、胴部41とフェイス
プレート45によって空間部Sbが画成されている。
【0030】さらに、チャンバ2の下部には、開口部7
が設けられている。この開口部7には、チャンバ2の内
部を減圧し、ガス供給部30からの後述する各ガスの供
給流量に応じてチャンバ2内の圧力を10〜70kPa
(75〜530Torr)に維持可能な真空ポンプを有
する排気系70(圧力調整部)が接続されている。
【0031】また、図示を省略したが、シリコンウェハ
Wの表面側のチャンバ2内空間と裏面側のチャンバ2内
空間とは、互いにガス封止されるようになっている。す
なわち、表面側には上記ガス供給部30からシャワーヘ
ッド4を通して後述する原料ガス等が供給され、裏面側
には、図示しないバックサイドパージ系からパージガス
が供給されるようにされており、両ガスが互いに反対面
側の領域へ混入しないようになっている。
【0032】また、ガス供給部30は、アンモニアガス
供給源31(第1のガス供給源)、ジシランガス供給源
32(第2のガス供給源)、キャリアガス叉は希釈ガス
供給源33,34を有している。これらの各ガス供給源
31〜34は、各ガスの供給流量を制御するMFC(質
量流量コントローラ)31a〜34aが設けられた配管
10を介して、シャワーヘッド4のガス供給口9に接続
されている。これらにより、アンモニアガス(第1のガ
ス)、ジシランガス(第2のガス)、及び、キャリアガ
ス叉は希釈ガスが、シャワーヘッド4内に導入され、ブ
ロッカープレート43及びフェイスプレート45を介し
てチャンバ2内に供給される。
【0033】このように構成されたCVD装置1を用い
た本発明による窒化膜形成方法の一例について説明す
る。なお、CVD装置1の以下に述べる各動作は、自動
叉は操作者による操作に基づき、図示しない制御装置
(系)叉は手動で制御する。
【0034】まず、チャンバ2内を真空ポンプにより減
圧する。この減圧下において、シリコンウェハWを、ロ
ードロックチャンバ、他のチャンバ、他のウェハ準備室
等の所定場所からチャンバ2内へと搬送し、サセプタ5
上に載置して収容する。次に、キャリアガス及び/叉は
希釈ガスをガス供給源33,34から配管10を通して
チャンバ2内へ供給すると共に、チャンバ2内が所定の
圧力となるように圧力調整を行う。
【0035】チャンバ2内の圧力が所定値で安定した
後、成膜用の原料ガスとしてアンモニアガス及びジシラ
ンガスを、それぞれの供給源31,32から配管10を
通してシャワーヘッド4へ供給する。このとき、チャン
バ2内の圧力を、10〜70kPa(75〜530To
rr)、好ましくは20〜60kPa、更に好ましくは
30〜50kPaとなるように調整する(ガス供給工
程)。
【0036】このとき、両ガスの流量比は特に制限され
るものではないが、ジシランガスに対するアンモニアガ
スの供給流量の比を、例えば、後述の成膜温度(基板温
度)が600℃においては170以上、成膜温度が75
0℃においては20〜150程度となるように、すなわ
ち、成膜温度に応じて両者の供給流量が所定値となるよ
うにMFC31a,32bを調節すると好適である。
【0037】このようにガス供給口9から空間部Saへ
導入された両ガスは、ブロッカープレート43により分
散されて十分に混合され、複数の貫通孔43aを通して
空間部Sbへ流出する。こうして空間部Sbへ導入され
たアンモニアガス及びジシランガスの混合ガスは、フェ
イスプレート45の貫通孔45aを通してシャワーヘッ
ド4の下方に流出し、シリコンウェハW上に供給され
る。
【0038】一方、アンモニアガス及びジシランガスを
チャンバ2内へ供給すると共に、サセプタ5のヒーター
51に電力を供給し、サセプタ5を介してシリコンウェ
ハWが所定温度となるように加熱する。この場合、シリ
コンウェハWの温度(基板温度、成膜温度)を、好まし
くは600℃以上、より好ましくは600〜750℃、
特に好ましくは630〜700℃の範囲内の温度とする
(基体加熱工程)。これにより、シリコンウェハW上に
達したアンモニアガスとジシランガスとを反応させる。
シリコンウェハW上では、種々の素反応(熱化学反応)
が生じて複雑に関与し、反応場の状態に応じた平衡及び
律速条件に応じた支配因子が生成され得る。
【0039】このとき、ジシラン分子及びアンモニア分
子、それらの活性種、励起種、それらの励起誘導体等の
種々の化学種の分子間衝突によって、例えば、アイマ
ー、アミノシラン、シリレン系誘導体といった種々の中
間生成物が形成され、最終的にシリコンウェハW上にシ
リコン窒化膜が堆積形成される。このシリコン窒化膜の
形成を、所定時間、例えば数秒〜数百秒程度の間実施し
た後、ジシランガス及びアンモニアガスの供給を停止し
て成膜を終了する。次いで、必要に応じて、チャンバ2
内に残留するアンモニアガス及びジシランガスをパージ
した後、シリコン窒化膜が形成されたシリコンウェハW
をチャンバ2の外部へ搬出する。
【0040】このように構成されたCVD装置1及びそ
れを用いた本発明の窒化膜形成方法によれば、シリコン
窒化膜を形成させるのに、ジシランガス等の高次シラン
類ガスを用いるので、従来のモノシランガスを用いた同
等の温度条件に比して、シリコンウェハW上で生じる各
種の素反応の結果である窒化物生成反応の活性化エネル
ギーが増大される。また、ジシランガスの分解反応がモ
ノシランに比して低温で進行し易く、更には、アンモニ
アガスとの相互作用における各種素反応の反応速度に関
連する前指数因子が増大したり、或いは活性錯合体が生
成される遷移状態確率の変化、ダイナミックス上のポテ
ンシャルの変化等が反応性の向上に寄与するといった作
用が奏されると考えられる。ただし、作用はこれらに限
定されない。
【0041】そして、これらにより、従来に比してシリ
コン窒化膜の成膜温度を低温化しつつ成膜速度を顕著に
高めることができる。したがって、シリコンウェハWに
対するサーマルバジェットを改善でき、しかも窒化膜形
成の処理効率が向上され、ひいては生産性の向上を図る
ことが可能となる。また、シリコンウェハWへの入熱量
を軽減できるので、ドーパントがインプラントされたシ
リコンウェハW上に窒化膜を形成する際に、それらの拡
散が抑制され、デバイス特性への悪影響を排除できる。
さらに、シリコンウェハWの熱負荷を低減できるので、
基板(特に大口径基板)の形状変化を防止できる利点が
ある。
【0042】さらに、ジシランガスを用いることによ
り、より大口径のシリコンウェハWを用いた場合にも、
シリコン窒化膜の膜厚均一性を向上できる。よって、デ
バイスの微細化に伴う薄膜化の要求に対しても、優れた
膜特性及び平坦性を満足することができる。また、ジシ
ランガスを用いることにより、シリコンウェハWに凹部
や段差等のデバイスパターンが設けられている場合にそ
れらのカバレッジ(被覆性)をも改善できる。
【0043】またさらに、ジシランガス及びアンモニア
ガスをシリコンウェハW上に供給する際のチャンバ2内
圧力を、10〜70kPaとするので、シリコン窒化膜
として化学量論的に優れた組成比を有するSi34膜を
確実に形成させることができる。すなわち、チャンバ2
内の圧力を10kPa未満とすると、ジシランガスの分
解が過度に促進され、シリコン窒化膜におけるケイ素原
子の組成比(濃度)が高められてシリコンリッチな膜と
なる傾向にある。一方、この圧力が70kPaを超える
と、膜厚均一性、ステップカバレッジ、スループット等
が低下する傾向にあり、場合によっては、成膜速度のマ
イクロローディング効果が生じることも考えられる。
【0044】よって、チャンバ2内の圧力を10〜70
kPaとすることにより、所望の特性を有するシリコン
窒化膜を達成でき、換言すれば、シリコン窒化膜の成膜
制御性を向上させることが可能となる。しかも、このよ
うな圧力条件下では、成膜温度を比較的高めて成膜速度
を上げた場合でも、シリコンウェハW全体の膜厚均一性
を十分に向上できる。さらにまた、従来のモノシランガ
スによる成膜温度よりも低い温度で成膜を行っても、シ
リコン窒化膜中の水素濃度の上昇を十分に抑止すること
もできる。
【0045】また、この圧力範囲内とすれば、被覆性に
優れたシリコン窒化膜を得ることができる。一例とし
て、チャンバ2内の圧力を1.3kPa(10Tor
r)と40kPa(300Torr)とした場合、前者
に比して後者の場合に被覆性が改善されることが確認さ
れた。
【0046】また、このような圧力条件とすれば、成膜
温度を低温下、例えば700℃以下とした場合にも、従
来のシランガスを用いたときに見られたような成膜速度
の顕著な低下を防止できる。さらに、従来のモノシラン
ガス及びアンモニアガスを用いた場合には、成膜温度を
630〜650℃以上に高めるとポーラス状の窒化膜が
得られる傾向にあったのに対し、ジシランガスとアンモ
ニアガスとを原料ガスとして用い、且つ、上述の圧力条
件下で行う本発明の窒化膜形成方法は、そのような膜の
多孔質化を防止できる利点を有する。
【0047】さらに、従来、低温での成膜にはプラズマ
系による成膜が行われる傾向にあったが、得られる膜は
コンプレッシブなストレスを有するものとなってしま
う。これに対し、本発明によれば、SiHx系ガスを用
いる場合に600℃近傍の低温で成膜しても、テンサイ
ルストレスが達成される高い成膜速度(例えば、200
Å/minを超えるレート)での成膜を実現できる。
【0048】さらに、シリコンウェハWを600℃以上
に加熱した状態で成膜を行えば、アンモニアガスの分解
効率の低下を抑止できる。よって、成膜速度の低下を一
層防止できる。また、アンモニアガスの分解が阻害され
ることに起因するアンモニアガス由来の活性種や励起種
の濃度の低下を抑制できるので、シリコン窒化膜中のケ
イ素原子の割合が過度に増大することを防止できる。し
たがって、Si34膜のストイキオメトリーの悪化を抑
えて、膜質制御をより行ない易くなる。
【0049】またさらに、成膜温度を600℃以上にす
れば、シリコン窒化膜中の水素濃度の増大を一層抑制で
きるので、膜質の低下、ピンホールやクラックの発生、
残留応力の悪化等をより一層防止できる。さらにまた、
成膜温度を750℃以下とした場合には、成膜速度の一
層の向上と相俟って、シリコンウェハWに与える熱の影
響を更に軽減することが可能となる。
【0050】さらにまた、シリコンウェハWの加熱温度
(成膜温度)に基づいてアンモニアガスの供給流量とジ
シランガスの供給流量との比を適宜調整すれば、良好な
ストイキオメトリーを一層確実に達成でき、成膜制御性
を更に向上できる。そして、このような成膜制御性の向
上により、例えば誘電体膜としてシリコン窒化膜を用い
る場合に、これまで以上の低誘電率を良好に発現させる
ことができ、半導体装置製造における寄生容量の低減を
十分に図り得る。
【0051】なお、第2のガスとしては、他の高次シラ
ン類を用いてもよく、ジシランガス等の高次シラン類を
含むものであれば、モノシランガスとの混合ガスとして
用いても構わず、さらには、これらを単独で叉は二種以
上混合して用いることもできる。また、第1のガスとし
ては、アンモニアガスの他に、ヒドラジン、モノメチル
ヒドラジン等のアルキルヒドラジン、或いは、それらの
誘導体を用いてもよい。
【0052】
【実施例】以下、本発明に係る具体的な実施例について
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0053】〈実施例1〉図1に示すCVD装置1と同
様の構成を有する窒化膜形成装置を使用し、原料ガスと
してアンモニアガス及びジシランガスを用い、上述した
本発明の窒化膜形成方法と同様にして、種々の成膜条件
下でシリコンベアウェハ上にシリコン窒化膜を形成し
た。なお、これらの条件が異なる成膜処理を、まとめて
実施例1とする。
【0054】〈比較例1〉図1に示すCVD装置1と同
様の構成を有する窒化膜形成装置を使用し、原料ガスと
してアンモニアガス及びモノシランガスを用い、種々の
成膜条件下でシリコンベアウェハ上にシリコン窒化膜を
形成した。なお、これらの条件が異なる成膜処理を、ま
とめて比較例1とする。
【0055】〈成膜速度及び膜性状等の測定〉まず、実
施例及び比較例で得たシリコン窒化膜の膜厚を測定し
た。この膜厚測定は、周辺部3mm排除、49点円形測
定条件において行った。また、膜厚均一性として、膜厚
平均値に対する標準偏差(1σ%)を算出した。さら
に、得られた膜厚測定結果に基づいて、成膜速度を求め
た。またさらに、エリプソメータ(Ellipsometer:KL
A−Tencor社製、UV1280SE、使用波長2
50〜750nm)を用い、成膜後のウェハ表面の9箇
所に対して屈折率RIの測定を行い、それらの測定値の
平均値を算出した。
【0056】測定結果の例を成膜条件と共に表1に併せ
て示す。なお、表中、「距離D」とは、図1に示すフェ
イスプレート45の下端と、シリコンウェハWの上面と
の垂直距離Dを示す。また、「BP」とあるのは、シリ
コンウェハの裏面側に供給したバックサイドパージガス
を示す。
【0057】
【表1】
【0058】これらの結果より、ジシランガスを用いた
本発明の窒化膜形成方法に係る実施例1の成膜後ウェハ
(以下、「試料」という)である試料1は、同じ成膜温
度であった比較例1の試料2に比して成膜速度が格段に
向上されることが確認された。また、成膜温度が50℃
高い比較例1の試料1に比しても20%程度成膜速度が
向上されることが判明した。さらに、実施例1の試料2
は、600℃という低温処理であったものの、実用に供
し得る成膜速度が達成されることも判明した。
【0059】また、実施例1のシリコン窒化膜は、膜厚
均一性に優れており、例えば、実施例1の試料1では
1.5%が達成され、比較例1の試料に比して膜厚均一
性が格別に向上されることが確認された。さらに、理想
的なSi34膜の屈折率が略2.00であることを踏ま
えて屈折率の測定結果に着目すると、本発明の実施例1
によれば良好なストイキオメトリーが達成されることも
確認された。加えて、表面残留応力(ストレス)の過度
の増大も認められなかった。
【0060】次いで、実施例1及び比較例1で成膜処理
した複数のウェハにおける成膜速度及び屈折率の傾向に
ついて、より系統的な評価を試みた。図2は、原料ガス
として用いたシランガス叉はジシランガスの供給流量
(sccm;ml/min)に対する成膜速度(Å/m
in)の変化を示すグラフである。
【0061】図中、黒塗菱形のシンボルは、実施例1に
おいて成膜温度750℃で成膜した試料のデータを示
し、直線E1aは、それらを最小自乗フィッティングし
て得られた目安線を示す。また、黒塗丸のシンボルは、
実施例1において成膜温度600℃で成膜した試料のデ
ータを示し、直線E2aは、それらを最小自乗フィッテ
ィングして得られた目安線を示す。さらに、黒塗三角の
シンボルは、比較例1において成膜温度800℃で成膜
した試料のデータを示し、直線C1aは、それらを最小
自乗フィッティングして得られた目安線を示す。
【0062】これらの結果より、実施例1及び比較例1
ともに、各成膜温度における成膜速度は、シランガス叉
はジシランガスの図示供給流量範囲において略直線的な
増加傾向を示すことが確認された。また、800℃でシ
ランガスを用いた場合に比して、750℃でジシランガ
スを用いた場合の方が、同一の供給流量に対して軒並み
成膜速度の向上が認められた。
【0063】図3は、実施例1及び比較例1における成
膜温度に対する成膜速度の変化を示すグラフである。同
図において、成膜速度の自然対数値を縦軸として採用し
た。また、図中、曲線Eαは、原料ガスとしてジシラン
ガスを20(sccm)及びアンモニアガスを3000
(sccm)用いたときの結果を滑らかに結んだ目安線
である。また、曲線Eβは、原料ガスとしてジシランガ
スを20(sccm)及びアンモニアガスを4000
(sccm)用いたときの結果を滑らかに結んだ目安線
である。さらに、曲線Cは、原料ガスとしてシランガス
を50(sccm)及びアンモニアガスを3000(s
ccm)用いたときの結果を滑らかに結んだ目安線であ
る。
【0064】これらの結果より、実施例1の試料は、図
示温度範囲において成膜温度の低下と共に成膜速度が対
数的に緩やかに減少するのに対し、比較例1の試料は6
50℃を下回る辺りから急激な成膜速度の低下が認めら
れた。また、実施例1においては、同一温度における成
膜速度がジシランガスとアンモニアガスとの供給流量比
によって鋭敏に変化する傾向が示唆される。
【0065】図4は、シランガス叉はジシランガスの供
給流量に対するアンモニアガスの供給流量の比の値(以
下、「供給流量比」という)に対する屈折率RIの変化
を示すグラフである。図中、黒塗菱形のシンボルは、実
施例1において成膜温度750℃で成膜した試料のデー
タを示し、直線E1bは、それらを滑らかに結んだ目安
線を示す。また、黒塗丸のシンボルは、実施例1におい
て成膜温度600℃で成膜した試料のデータを示し、直
線E2bは、それらを滑らかに結んだ目安線を示す。さ
らに、黒塗三角のシンボルは、比較例1において成膜温
度800℃で成膜した試料のデータを示し、直線C1b
は、それらを滑らかに結んだ目安線を示す。
【0066】これらの結果より、実施例1及び比較例1
共に、供給流量比の増大つまりアンモニアガスの割合が
増えるにつれて、成膜されたシリコン窒化膜が呈する屈
折率は略一定値を示すことが理解される。また、実施例
1と比較例1、さらには、成膜温度によって、その一定
値(絶対値)が異なることが確認された。これより、成
膜温度に応じて供給流量比を調整するように制御すれ
ば、良好な化学量論的組成比のシリコン窒化膜を形成さ
せ易いことが判明した。
【0067】さらに、供給流量比が小さい領域では、シ
リコンリッチな状態からストイキオメトリーな状態への
変化率が大きく、図中のデータに限ると、温度にも依存
するがジシランガスを用いた実施例1の方が、シランガ
スを用いた比較例1に比して屈折率の変動率が急峻とな
る傾向が認められた。よって、本発明においては、成膜
温度に応じた供給流量比の調整がより有効であるとこが
確認された。
【0068】次に、図5(A)〜(C)は、それぞれ実
施例1における成膜温度750℃で得た試料1、実施例
1における成膜温度600℃で得た試料2、及び、比較
例1における成膜温度800℃で得た試料1のシリコン
窒化膜表面を二次イオン質量分析法(SIMS)で測定
して得た水素濃度及びケイ素濃度の深度分布を示すグラ
フである。
【0069】これらの結果より、750℃でジシランガ
スを用いた実施例1の試料1は、成膜温度が50℃高い
800℃でシランガスを用いた比較例1の試料1に比し
て、同等の表面水素濃度レベルを示すことが判明され
た。通常、成膜温度が数十℃低い場合には、表面の水素
濃度は激増する傾向にあるが、本発明によれば、従来に
比して50℃低い温度において同等の水素濃度レベルが
達成されるという顕著な効果が確認された。また、60
0℃でジシランガスを用いた場合には、750℃に比し
て水素濃度レベルは増大するものの、実用上問題となる
ようなレベルではないことが確認された。
【0070】〈実施例2〉基体としてシリコンベアウェ
ハの代りに、表面に段差を有するパターンが形成された
シリコンウェハを用いたこと以外は、実施例1と同様に
して基体上にシリコン窒化膜を形成した。
【0071】〈比較例2〉チャンバ内圧力を10Tor
rとしたこと以外は、実施例2と同様にして基体上にシ
リコン窒化膜を形成した。
【0072】実施例2及び比較例2で得た成膜試料につ
いて、断面の顕微鏡観察を実施した。その結果、本発明
による実施例2の成膜条件で成膜した場合、優れたステ
ップカバレッジが達成されることが確認された。また、
比較例2で得た場合にも、ステップカバレッジの点にお
いては、十分な被覆性を有することが確認された。さら
に、実施例2で得たシリコン窒化膜は、表面の平滑性に
優れており、また、ポーラス状の膜とはならないことも
確認された。
【0073】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明による窒化膜
形成方法及びその装置によれば、CVD法によって半導
体基板等の基体上に窒化膜(シリコン窒化膜)を形成す
る際に、その成膜速度を格段に高めることができると共
に、膜厚の均一性を向上することも可能となる。しか
も、優れた成膜制御性を十分に実現できることに加え、
基体への熱的な影響を格別に軽減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による窒化膜形成装置の好適な一実施形
態を模式的に示す断面図(一部構成図)である。
【図2】原料ガスとして用いたシランガス叉はジシラン
ガスの供給流量(sccm;ml/min)に対する成
膜速度(Å/min)の変化を示すグラフである。
【図3】実施例1及び比較例1における成膜温度に対す
る成膜速度の変化を示すグラフである。
【図4】供給流量比に対する屈折率RIの変化を示すグ
ラフである。
【図5】図5(A)〜(C)は、それぞれ実施例1にお
ける成膜温度750℃で得た試料1、実施例1における
成膜温度600℃で得た試料2、及び、比較例1におけ
る成膜温度800℃で得た試料1のシリコン窒化膜表面
をSIMSで測定して得た水素濃度及びケイ素濃度の深
度分布を示すグラフである。
【符号の説明】
1…CVD装置(窒化膜形成装置)、2…チャンバ、4
…シャワーヘッド、5…サセプタ、30…ガス供給部、
31…アンモニアガス供給源(第1のガス供給源)、3
2…ジシランガス供給源(第2のガス供給源)、51…
ヒーター(基体加熱部)、70…排気系(圧力調整
部)、W…シリコンウェハ(基体)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿世知 大 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内 (72)発明者 西里 洋 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内 (72)発明者 前田 祐二 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA13 BA40 FA10 JA05 JA09 JA10 KA24 5F045 AA07 AB33 AC01 AC07 AC12 AC15 AD10 AD11 AE25 AF03 BB09 CB04 CB05 DP03 DQ10 5F058 BA20 BC08 BF04 BF23 BF30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学的気相堆積法によって基体上に窒化
    膜を形成する窒化膜形成方法であって、 前記基体上に、窒素原子を含む化合物から成る第1のガ
    スと、分子中にケイ素原子を少なくとも二つ以上有する
    化合物を含有して成る第2のガスとを、該基体の周囲の
    圧力が10〜70kPaとなるように供給するガス供給
    工程と、 前記基体を所定の温度に加熱する基体加熱工程と、を備
    えることを特徴とする窒化膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記ガス供給工程においては、前記第1
    のガスとしてアンモニア(NH3)ガスを用い、前記第
    2のガスとしてジシラン(Si26)を含有して成るガ
    スを用いる、ことを特徴とする請求項1記載の窒化膜形
    成方法。
  3. 【請求項3】 前記基体加熱工程においては、前記基体
    を600℃以上、の温度に加熱する、ことを特徴とする
    請求項1叉は2に記載の窒化膜形成方法。
  4. 【請求項4】 前記ガス供給工程においては、前記基体
    の温度に基づいて前記第1のガスの供給流量と前記第2
    のガスの供給流量との比を調整するように、該第1のガ
    ス及び該第2のガスを該基体上に供給する、ことを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の窒化膜形成
    方法。
  5. 【請求項5】 化学的気相堆積法によって基体上に窒化
    膜が形成される窒化膜形成装置であって、 前記基体が収容されるチャンバと、 前記チャンバに接続されており、窒素原子を含む化合物
    から成る第1のガスを含む第1のガス供給源と、分子中
    にケイ素原子を少なくとも二つ以上有する化合物を含有
    して成る第2のガスの供給源とを有するガス供給部と、 前記チャンバ内の圧力を10〜70kPaの範囲内の値
    となるように調整する圧力調整部と、 前記基体を所定の温度に加熱する基体加熱部と、を備え
    ることを特徴とする窒化膜形成装置。
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