JP2003141996A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
プラズマディスプレイパネルの製造方法Info
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- Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
Abstract
た蛍光体の発光特性劣化を抑えることが可能で、放電特
性が安定したプラズマディスプレイパネルを提供する。 【解決手段】 前面板21と背面板22とを間に放電空
間が形成されるよう重ね合わせた状態で、放電空間に乾
燥ガスを流しながら、封着シール材か軟化する温度以上
の封着温度に保つことにより封着する封着工程を備える
プラズマディスプレイパネルの製造方法において、封着
開始時から昇温途中もしくは封着ピーク温度付近まで
は、前記内部空間に酸素を含む乾燥ガスを流し、前記昇
温途中もしくは封着ピーク温度付近から、前記内部空間
に酸素を含まない乾燥ガスを流し始める方法としてい
る。
Description
示用のカラーテレビジョン受像機やディスプレイ等に使
用するガス放電発光を利用したプラズマディスプレイパ
ネル(PDP)の製造方法に関するものである。
しながら説明する。図3は交流型(AC型)PDPの概
略構成を示す断面図である。
板2とを間に放電ガスを封入する放電空間3が形成され
るように対向配置し、周辺部を封着シール材(図示せ
ず)により封着した構成である。そして、前面板1は、
前面ガラス基板4上に面放電を行う表示電極5を複数本
配列して形成するとともに、表示電極5を覆うように誘
電体ガラス層6及び酸化マグネシウム(MgO)による
保護層7を形成することにより構成されている。
に、前記表示電極5と直交するように複数本のアドレス
電極9を配列して形成するとともに、そのアドレス電極
9を覆う絶縁体層10、放電空間3を複数に仕切る隔壁
11を形成し、その隔壁11の側面および絶縁体層10
上にカラー表示のために、赤、緑、青の3色の蛍光体層
12を順に配置することにより構成されている。この各
蛍光体層12は、放電によって発生する波長の短い真空
紫外線(波長147nm)により励起発光するもので、
この蛍光体層12を構成する蛍光体としては、一般的に
以下の材料が用いられている。
u 「緑色蛍光体」:Zn2SiO4:MnまたはBaAl12
O19:Mn 「赤色蛍光体」:Y2O3:Euまたは(YxGd1-x)B
O3:Eu また、各色蛍光体は以下のようにして作製できる。
は、まず炭酸バリウム(BaCO3)、炭酸マグネシウ
ム(MgCO3)、酸化アルミニウム(α−Al2O3)
をBa、Mg、Alの原子比で1対1対10になるよう
に配合する。次にこの混合物に対して所定量の酸化ユー
ロピウム(Eu2O3)を添加する。そして、適量のフラ
ックス(AlF2,BaCl2)と共にボールミルで混合
し、1400℃〜1650℃で所定時間(例えば、0.
5時間)、還元雰囲気(H2,N2中)で焼成することに
より得られる。
て水酸化イットリウムY2(OH)3と硼酸(H3BO3)
をY、Bの原子比で1対1になるように配合する。次
に、この混合物に対して所定量の酸化ユーロピウム(E
u2O3)を添加し、適量のフラックスと共にボールミル
で混合し、空気中1200℃〜1450℃で所定時間
(例えば1時間)焼成することにより得られる。
料として酸化亜鉛(ZnO)、酸化珪素(SiO2)を
Zn,Siの原子比で2対1になるように配合する。次
にこの混合物に所定量の酸化マンガン(Mn2O3)を添
加し、ボールミルで混合後、空気中1200℃〜135
0℃で所定時間(例えば0.5時間)焼成することによ
り得られる。
後、ふるい分けすることにより、所定の粒径分布を有す
る蛍光体材料を得ることができる。
体的に説明すると、まず、背面板2は、背面ガラス基板
8上に、銀からなるアドレス電極9を形成し、その上に
誘電体ガラスからなる可視光反射層としての絶縁体層1
0と、ガラス製の隔壁11を所定のピッチで作製する。
赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体を含む各色蛍光体
ペーストをそれぞれ配設することによって蛍光体層12
を形成し、形成後500℃程度で蛍光体層12を焼成
し、ペースト内の樹脂成分等を除去する(蛍光体焼成工
程)。
板1との封着用シール材として低融点ガラスペーストを
塗布し、低融点ガラスペースト内の樹脂成分等を除去す
るために350℃程度で仮焼する(低融点ガラスペース
ト仮焼工程)。
よび保護層7を順次形成した前面板1と、前記背面板2
を隔壁11を介して表示電極5とアドレス電極9が直交
するように対向配置し、450℃程度で焼成し、低融点
ガラスによって、周囲を密封する(封着工程)。
ネル内を排気し(排気工程)、終了後に放電ガスを所定
の圧力だけ導入する。
法においては、前記のように基板加熱を要する工程がい
くつか存在する。
している蛍光体が熱劣化するという問題があり、特に封
着工程において、青色蛍光体の劣化が大きかった。これ
は青色蛍光体として使用しているBaMgAl10O17:
Euが封着工程で水分との熱反応によって劣化し、発光
色度の劣化および発光強度低下を起こす原因となってい
ると考えられている。
るH2OやCO2などの不純物ガスが、排気工程で十分に
排気できない場合に、放電特性を劣化させるという問題
があった。
に乾燥ガスを導入し、青色劣化を抑える封着方法が考え
られている。
でパネル内部に乾燥ガスが強制的に十二分に供給される
ため、乾燥ガスに酸素を含む場合、緑色蛍光体の酸化が
過剰に促進され、発光輝度の低下を起こすという新たな
問題が発生した。逆に、酸素を含まない乾燥ガスを用い
た場合は、パネル基板に残存・吸着した有機成分が封着
中の高温状態で燃焼・分解されず、そのままパネル内部
に残留して放電特性を劣化させるという問題が発生し
た。
色蛍光体および緑色蛍光体の熱劣化がほとんど発生せ
ず、比較的高い発光効率で動作し、色温度が高く、色再
現性が良好で、かつ排気工程までの工程で不純物ガスを
低減させることにより、放電特性が安定なPDPを提供
することを目的とするものである。
本発明のPDPの製造方法は、封着開始時から昇温途中
もしくは封着時のピーク温度付近までは前記放電空間に
酸素を含む乾燥ガスを流し、前記昇温途中もしくは封着
時のピーク温度付近から放電空間に酸素を含まない乾燥
ガスを流し始めることを特徴とする方法である。
の発明は、放電を行う電極および放電によって発光する
蛍光体層を形成した前面板と背面板とを間に放電空間が
形成されるよう対向配置した状態で、放電空間に乾燥ガ
スを流しながら、封着シール材が軟化する温度(軟化
点)以上の封着温度に保つことにより周辺部を封着する
封着工程を備えたプラズマディスプレイパネルの製造方
法において、封着開始時から昇温途中もしくは封着時の
ピーク温度付近までは前記放電空間に酸素を含む乾燥ガ
スを流し、前記昇温途中もしくは封着時のピーク温度付
近から放電空間に酸素を含まない乾燥ガスを流し始める
ことを特徴としている。
着シール材の軟化点以下の温度に加熱されるまでは放電
空間に酸素を含む乾燥ガスを流し、前記封着シール材の
軟化点以上の温度で前面板と背面板が封着シール材によ
って密着されてから放電空間に酸素を含まない乾燥ガス
を流し始めることを特徴としている。
封着時のピーク温度まで加熱した時に、放電空間に酸素
を含まない乾燥ガスを流し始めることを特徴としてい
る。
に設けられたガラス管を通して内部へのガス導入、ある
いは内部からのガス排出を行うものである。
いるのは、200〜400℃で残留有機成分を燃焼・分
解させることを目的とし、より高温において酸素を含ま
ない乾燥ガスを用いるのは、特に緑色蛍光体の酸化熱劣
化を抑制することを目的とする。
で加熱されてから、内部の放電空間に酸素を含まない乾
燥ガスを流し始めることが好ましい。これは、封着シー
ル材が軟化し、両基板が完全に接着される前から内部に
ガスを導入した場合、封着シール材の隙間にエアーの流
れが形成され、その部分が、最後まで封着されずに穴と
して残り、封着ミスを起こす原因となるからである。
Pの製造方法について説明する。
としては、一般的にPDPの蛍光体層に使用されている
ものを用いることができる。その具体例としては、 「青色蛍光体」:BaMgAl10O17:Eu 「緑色蛍光体」:Zn2SiO4:Mn 「赤色蛍光体」:(Y、Gd)BO3:Eu を挙げることができる。
材から放出されるH2OやCO2などの不純物ガスの影響
を除くための本実施の形態における封着工程について説
明する。
ファイルを示す。また、封着前の前面板1および背面板
2を張り合わせたパネルおよび装置構成を図2に示して
おり、図2において、前面板21と背面板22の間に
は、封着用シール材23が設けられ、背面板22には排
気装置24に接続された第1のガラス管25および乾燥
ガス導入装置26に接続された第2のガラス管27が形
成されている。第1および第2のガラス管25,27に
も封着用シール材が設けられ、板バネ(図示せず)で固
定されている。なお、本実施の形態では封着用シール材
として低融点ガラスを用いた。また、前面板21、背面
板22は図3に示すような構成である。また、本実施の
形態では、背面板22にガラス管25,27を接続した
が、前面板21側に接続するように構成してもよい。
度プロファイルで低融点ガラスの軟化点温度以上まで加
熱することにより封着する。
から昇温途中の封着用シール材である低融点ガラスの軟
化点以下の封着時のピーク温度付近まで、第1のガラス
管25を通して、パネル内へ酸素を含む乾燥ガスを導入
した。この工程で、前面板21と背面板22から放出さ
れる水蒸気などのガスが、酸素を含む乾燥ガスと置換さ
れるとともに、残留有機成分が燃焼・分解されパネル外
に排出される。
ラスの軟化点以上の封着時のピーク温度付近の温度まで
加熱され、パネルが完全に封止され、ガラス管が完全に
接着されてから、第1のガラス管25を通して、パネル
内の排気を開始するとともに第2のガラス管27を通し
て酸素を含まない乾燥ガスの導入を開始した。この工程
で、前面板21と背面板22から放出されるガスが、酸
素を含まない乾燥ガスと置換されるとともに緑色蛍光体
の酸化熱劣化を抑制することができる。
い放電空間に水蒸気が閉じ込められることがなく、封着
中の青色蛍光体の劣化を抑えることが可能となるととも
に、過剰な酸素によって緑色蛍光体が劣化されることを
抑えることが可能となり、残留不純物ガスを低減するこ
とができる。また、低融点ガラスの軟化点以上の温度ま
で加熱し、パネルが完全に封止され、ガラス管が完全に
接着されてから乾燥ガスをパネル内に流すことで、封着
が安定して行われる。
圧が低いほど青色蛍光体の劣化が抑えられるが、従来の
封着工程と比較すると10Torr(1.33kPa)
付近から顕著な効果が現れた。また、ガス排出および乾
燥ガス導入開始温度は、封着ピーク温度から開始すれば
さらに、封着不良を完全に抑えることができる。
以外にも、第1のガラス管と排気装置間に逃げ弁を設
け、第2のガラス管から乾燥ガスを導入して、逃げ弁か
ら排出させても、同様の効果が得られる。
記実施の形態に基づいてPDPを作製し、従来のPDP
と比較した。パネルは42”(インチ)サイズである。
点390℃のガラスフリットを使用し、封着開始時から
380℃までパネル内へ酸素を含む乾燥ガスとして乾燥
空気を導入し、封着ピーク温度の450℃から再びパネ
ル内へ酸素を含まない乾燥ガスとして窒素の導入および
パネル内からのガス排出を開始することで、パネル内に
乾燥ガスを流しながら封着を行った。乾燥ガス流量は3
×10-4m3/min(300sccm)とした。
通り、パネル内に乾燥ガスを流すことなく封着したパネ
ルである。
温度450℃を10分保持する温度プロファイルとし
た。また、パネル構成も同じ構成とし、蛍光体膜厚は3
0μm、放電ガスはNe(95%)−Xe(5%)を5
00Torr(66.5kPa)で封入した。
ては、青色のみを点灯させたときの発光強度(輝度を色
度座標yで割った値)と色度座標y、緑色のみを点灯さ
せたときの輝度、及び白色表示の色温度(色温度補正な
し)を測定した。
青色発光強度が比較例に比べ30%増加し、青色の色度
座標yも、0.06まで低減した(比較例は0.0
9)。それに伴い、白色色温度も11000Kまで向上
した(比較例は5800K)。さらに、緑色輝度が10
%向上した。そして、封着時にパネル内不純物が排除さ
れ、パネル内の放電特性の向上や均一性が向上した。
装置内に流す乾燥空気の水蒸気分圧に関しては、水蒸気
分圧が下がるに従って青色の発光特性が向上した。
のPDPを例示したが、対向放電型のPDPなど、封着
するための熱工程が必要なPDPすべてに適用すること
ができる。
プロセスで、従来封着工程で発生した蛍光体の発光特性
劣化を抑えることが可能となり、かつ放電特性が安定し
たPDPが実現できる。
レイパネルの製造方法における封着工程の温度プロファ
イルを示す説明図
略図
断面図
Claims (4)
- 【請求項1】 放電を行う電極および放電によって発光
する蛍光体層を形成した前面板と背面板とを間に放電空
間が形成されるよう対向配置した状態で、放電空間に乾
燥ガスを流しながら、封着シール材が軟化する温度(軟
化点)以上の封着温度に保つことにより周辺部を封着す
る封着工程を備えたプラズマディスプレイパネルの製造
方法において、封着開始時から昇温途中もしくは封着時
のピーク温度付近までは前記放電空間に酸素を含む乾燥
ガスを流し、前記昇温途中もしくは封着時のピーク温度
付近から放電空間に酸素を含まない乾燥ガスを流し始め
ることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造
方法。 - 【請求項2】 封着シール材の軟化点以下の温度に加熱
されるまでは放電空間に酸素を含む乾燥ガスを流し、前
記封着シール材の軟化点以下の温度で前面板と背面板が
封着シール材によって密着されてから放電空間に酸素を
含まない乾燥ガスを流し始めることを特徴とする請求項
1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 【請求項3】 封着時のピーク温度まで加熱した時に、
放電空間に酸素を含まない乾燥ガスを流し始めることを
特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネ
ルの製造方法。 - 【請求項4】 前面板あるいは背面板に設けられたガラ
ス管を通して内部へのガス導入、あるいは内部からのガ
ス排出を行うことを特徴とする請求項1に記載のプラズ
マディスプレイパネルの製造方法。
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JP2001341658A JP3876689B2 (ja) | 2001-11-07 | 2001-11-07 | プラズマディスプレイパネルの製造方法 |
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WO2011108260A1 (ja) * | 2010-03-02 | 2011-09-09 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネルの製造方法 |
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- 2001-11-07 JP JP2001341658A patent/JP3876689B2/ja not_active Expired - Fee Related
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