JP2003139915A - マイクロレンズ及びその製造方法並びに電気光学装置 - Google Patents

マイクロレンズ及びその製造方法並びに電気光学装置

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JP2003139915A
JP2003139915A JP2001334620A JP2001334620A JP2003139915A JP 2003139915 A JP2003139915 A JP 2003139915A JP 2001334620 A JP2001334620 A JP 2001334620A JP 2001334620 A JP2001334620 A JP 2001334620A JP 2003139915 A JP2003139915 A JP 2003139915A
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Takashi Sato
尚 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 個々のレンズの形状・曲率等を正確に成形し
うるマイクロレンズの製造方法を提供する。 【解決手段】 基板(10)上の該レジスト(401)
に対して、一つのマイクロレンズを形成すべきレンズ形
成用領域に応じ、相異なる面積を有する少なくとも二つ
の開口部を含む複数の開口部(402)を形成する工程
と、これらを利用して前記基板に対するウェットエッチ
ングを実施する工程とを含み、該ウェットエッチングに
よりマイクロレンズの外形形状を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロレンズ及
びその製造方法の技術分野に属し、特に、液晶装置等の
電気光学装置等に適用されて好適なマクロレンズ及びそ
の製造方法の技術分野に属する。また、本発明は、その
ようなマイクロレンズを備えてなる電気光学装置の技術
分野にも属する。
【0002】
【背景技術】マイクロレンズ、ないしマイクロレンズア
レイは、各種の光学機器に使用されている。例えば、代
表的には、マトリクス状に配列された複数の電荷結合素
子(CCD;Charge Coupled Device)を利用して外界
の景色ないし風景を撮像することの可能なCCDカメラ
や、その一方においてマトリクス状に配列された複数の
電極を有する一対の基板間で液晶を挟持してなり、前記
電極を利用して前記液晶に対し電圧を印加することによ
り画像を表示することの可能な液晶表示装置等がある。
【0003】いずれにしても、マイクロレンズは、マト
リクス状に配列された複数のCCD、あるいは複数の電
極の一を単位とする画素に対応するように設けられるこ
とで、全体としてマイクロレンズアレイとして設けら
れ、当該複数の画素、あるいは複数の電極に対して入射
すべき光を集光することにより、光の利用効率を高める
作用を担う。このようなことにより、CCDカメラ等に
おいては、取得される画像の画質向上に貢献し、液晶表
示装置等においては、表示すべき画像の画質向上に貢献
することになる。
【0004】ところで、このようなマイクロレンズの製
造方法は、従来、多数のバリエーションが提案されてい
るが、代表的には、例えば次のような工程に沿って製造
される。まず、(1)マイクロレンズを形成しようとす
る基板上にレジストを塗布し、(2)フォトリソグラフ
ィ及びエッチング技術を応用して前記レジストが基板上
でマトリクス状に残存するようパターニングした後、
(3)適当に加熱することで前記残存したレジストを略
ドーム形状に成形した上で、(4)そのレジストと前記
基板とに対して、該レジストに係る前記略ドーム形状が
基板に転写されるまでエッチングを施す、というもので
ある。この場合すなわち、最後の工程において、レジス
トは基板上からほぼ完全に除去されることになる。
【0005】なお、マイクロレンズを製造する方法とし
てはその他、基板上にマイクロレンズの原料となるガス
を導入するとともに、前記基板及び前記ガスに対してレ
ーザを照射して、その基板上に前記ガスの反応生成物を
成長(すなわち、CVD;Chemical Vapor Depositio
n)させる方法や、別途に用意された適当な樹脂材料で
マイクロレンズを形成した後、これを基板上に貼り付け
る方法等も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おけるマイクロレンズ及びその製造方法については、根
本的に、次のような課題が認識されている。すなわち、
個々のマイクロレンズの大きさや曲率等その他の形状制
御を正確に実現することの困難性である。例えば、上述
した代表的なマイクロレンズアレイの製造方法では、第
一に、その工程(3)において、レジストを熱変形させ
て略ドーム形状に成形するのであるが、このことは、あ
る意味偶然の所産に期待している面があり、個々のレン
ズについて、その形状をすべて、全く同一に成形すると
いうことは不可能といっても過言ではない。
【0007】また、上記の工程(4)におけるエッチン
グ工程でも、基板に対するエッチングレートとレジスト
に対するエッチングレートは、異なるものと考えるのが
一般的だから、仮に全アレイに関して同一形状に成形さ
れたレジストを一斉にエッチングしたとしても、最終的
に形成される個々のレンズがすべて同一形状を有すると
いうことが、当然に保障されているわけではない。
【0008】このような問題は、マイクロレンズの他の
製造方法法として挙げた、レーザCVD法によるもの、
樹脂成形・基板貼付法によるものであっても、同様に認
められる。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、可能な限り、個々のレンズの形状・曲率等を
正確に成形しうるマイクロレンズの製造方法を提供する
ことを課題とする。また、本発明は、そのような製造方
法により製造されたマイクロレンズを提供することをも
課題とし、更には、そのようなマイクロレンズを備えた
電気光学装置を提供することも課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のマイクロレンズ
の製造方法は、上記課題を解決するために、基板上にレ
ジストを塗布する工程と、該レジストに対して、一つの
マイクロレンズを形成すべき形成用領域に応じ、相異な
る面積を有する少なくとも二つの開口部を含む複数の開
口部を形成する工程と、前記複数の開口部を利用して前
記基板に対するウェットエッチングを実施する工程とを
含み、前記ウェットエッチングにより当該マイクロレン
ズの外形形状の少なくとも一部を形成する。
【0011】本発明のマイクロレンズの製造方法によれ
ば、まず、基板上にレジストが塗布された後、該レジス
トに対して、一つのマイクロレンズを形成すべき形成用
領域に応じ、相異なる面積を有する少なくとも二つの開
口部を含む複数の開口部が形成される。ここにいう「複
数の開口部」としては、例えば、レンズ形成用領域の中
心部において、ある径Wcを有する円形孔が存在すると
ともに、その周辺部において、その円形孔を取り囲むよ
うに、Wp<Wcなる径Wpを有する円形孔が配置され
るようなもの等が該当する、と考えることが可能であ
る。なお、ここにいう円形孔の一つ一つは、本発明にい
う「開口部」の一つ一つの例に該当することは言うまで
もない。
【0012】そして、本発明においては、このような
「複数の開口部」を利用して、基板に対するウェットエ
ッチングが実施されることになる。ここで、このウェッ
トエッチングについては、次のような特性があることが
知られている。すなわち、ウェットエッチングでは一般
に、面積の大きい開口部を利用した該エッチングによる
と、その深さは大きくなるとともに、該開口部の縁部に
おける背面(すなわち、該開口部縁部におけるレジスト
裏面と基板表面との界面)に対するエッチング量(以
下、便宜上「抉り込み量」という。)もまた大きくな
り、逆に、面積の小さい開口部を利用した該エッチング
によると、その深さは小さくなるとともに、抉り込み量
もまた小さくなる。これは、開口部の面積が大きければ
(又は小さければ)、そこに投入されるエッチング液の
量が相対的に増大(又は減少)するとともに、開口部縁
部においてもまた、前記レジストの裏面と基板表面の界
面に回り込むエッチング液の量が相対的に増大(又は減
少)することによる。
【0013】このようなウェットエッチングの特性と、
上述した面積が異なる複数の開口部との関係から、次の
ことが導かれる。すなわち、まず、面積の大きい開口部
が形成される部位においては、深さが大きく、かつ、抉
り込み量の大きい窪み(以下、便宜上「大窪み」とい
う。)が形成されることになり、面積の小さい開口部が
形成される部位においては、深さが小さく、かつ、抉り
込み量の小さい窪み(以下、便宜上「小窪み」とい
う。)が形成されることになる。そして、複数の開口部
間の距離を適当に設定しておけば、前述の大窪みと小窪
みとは相互に一体となり得ることがわかる。つまり、そ
れぞれ異なる開口部を通じたエッチングにより形成され
る大窪みと小窪みとが、当該開口部間のレジスト背面に
おいて相互に繋がることによって、全体としては一体的
な窪みが形成され得ることになるのである。そして、一
般に、有限ではあるが多数に設定し得る様々な面積を有
する開口部を、レンズ形成用領域の中心部から周辺部に
かけて適宜配置・形成しておけば、全体として、一つの
大きな窪みを形成し得ること、すなわち一個のマイクロ
レンズの外形形状を形成し得ることになる。後は、上記
一つの大きな窪みの内部に、適当な媒質を充填すること
によって、マイクロレンズを形成することが可能とな
る。
【0014】本発明においては、上述のような製造方法
によってマイクロレンズが形成されることにより、該マ
イクロレンズは、当初に予定した形状ないし曲率等を有
するものとして、あるいは場合により、一般にみられる
凹型のドーム形状とは異なるユニークな形状を有するも
のとして、それぞれ形成し得るとともに、その形状成形
を極めて正確に実現し得ることになる。というのも、上
述した複数の開口部一つ一つの形状、大きさ、あるいは
形成位置等を適宜設定することにより、各別のマイクロ
レンズを構成する各部分の形状ないし曲率等を緻密に定
めることができるからである。つまり、従来において
は、一個一個のマイクロレンズは、これら一個一個のマ
イクロレンズそれぞれを「単位」として、いわば一時に
形成されるような態様であったため、各レンズの成形に
は何らかの偶発的要因を抱え込まざるを得ない面がある
等、その形状を正確に形成することが一般的に困難であ
ったところ、本発明によれば、当該一個のマイクロレン
ズを形成するにあたり、複数の開口部によるウェットエ
ッチングを実施することから、その形状等の制御が容易
なのである。
【0015】以上のことから、本発明においては、一般
に、集光特性、光路変更特性等が従来のマイクロレンズ
に比べて優れているマイクロレンズ、ないしはこれが集
合して構成されたマイクロレンズアレイを提供すること
が可能となる。
【0016】なお、本発明に係る「マイクロレンズ」と
いう用語は、上述したことからも明らかな通り、いわば
「一つのレンズ」を意味しており、典型的には、マトリ
クス状に形成されるマイクロレンズアレイを構成する一
つ一つのレンズを意味している。本明細書においては、
特に断りがない限り、「マイクロレンズ」という用語
は、いま述べたような意味において使用されている。ち
なみに、上にいう「マイクロレンズアレイ」を製造する
ためには、これを構成する一つ一つのレンズに応じて、
上述したような複数の開口部を形成したレジストを用意
し、前記複数の開口部の「複数セット」を利用したウェ
ットエッチングを実施することによればよい。加えて、
この場合、レンズ一つ一つについて、異なる形態となる
「複数の開口部」を形成するような場合も当然に考えら
れる。このようなことは、例えば液晶装置において、画
像表示領域の中央部と周縁部とで、集光特性を異ならせ
たい(すなわち、マイクロレンズ一つ一つの形状を変更
したい)等という場合に有益であることが明白である。
【0017】また、本発明にいう「相異なる面積を有す
る少なくとも二つの開口部を含む複数の開口部」とは、
当該複数の開口部で想定されるすべての組み合わせにお
いて、「異なる」面積を有する必要はないことを意味す
る。例えば、四つの開口部が存在するとして、そのうち
の二つは同一の面積を有するが、それらは他の二つの開
口部とは異なる面積を有する等といった形態も、本発明
の範囲内に含まれる。本発明に係る「相異なる面積を有
する少なくとも二つの開口部を含む複数の開口部」とい
うのは、このような意義で解釈されたい。
【0018】さらに、上述においては、「開口部」が円
形状なる例について特に言及したが、本発明は、そのよ
うな形態に限定されるものではない。本発明に係る「開
口部」は、場合により、三角形、四角形、六角形等の多
角形を含み得るとともに、一般に、任意の平面形状を含
むものである。
【0019】加えて、本発明における、「基板に対する
ウェットエッチング」とは、必ずしも基板「本体」に対
するウェットエッチングだけを意味するものではない。
すなわち、場合によっては、基板本体上に、例えば、何
らかの絶縁膜等を形成した後、この絶縁膜及び基板本体
に対して、ウェットエッチングを実施するような形態も
含まれる。要するに、本発明に係る「基板」というの
は、基板本体のみを意味するに留まらず、本発明に係る
「ウェットエッチング」を実施する以前において、基板
本体、あるいは該本体上に形成された何らかの薄膜をも
含めた意義を有する用語である。
【0020】更に加えて、本発明に係る方法により製造
されたマイクロレンズは、イメージスキャナ、CCDカ
メラ及び液晶装置等の電気光学装置等に広く利用されて
いるマイクロレンズを製造する方法として適用されて好
適である。
【0021】本発明のマイクロレンズの製造方法の一態
様では、前記複数の開口部は、レンズ形成用領域の中央
部から周辺部にかけて、その面積が漸次小さくなるよう
に形成されている。
【0022】この態様によれば、マイクロレンズの外形
形状を、如何にもレンズ然とした、好適なものとして形
成することが可能である。すなわち、本態様によれば、
例えば、開口部が円形状であるとすると、形成すべきマ
イクロレンズの中央部では、最大径の開口部が形成され
るとともに、そこから周辺部に向かうにつれて、その最
大径よりも漸次小さくなる径を有する開口部が次々に形
成されるような形態が一般的に想定されることになる。
したがって、上述した「一つの大きな窪み」は、全体的
にみて、中央部で最深部を有するとともに、周辺部に向
けてその深さが漸次浅くなるような凹型のドーム形状を
有しうることになる。このようなドーム形状は、レンズ
形状として最も好適な形態の一つであるといえよう。
【0023】なお、既述したが、本態様においても、あ
る開口部と別の開口部とを比べた場合に、どのような組
み合わせにおいても、そのそれぞれが異なる面積を有し
ている必要はない。例えば、前記中央部から一定の距離
に存在する複数の開口部については、すべて同じ大きさ
を有するような形態も当然に想定されることになる。
【0024】本発明のマイクロレンズの製造方法の他の
態様では、前記ウェットエッチングを実施する工程の後
に、前記レジストを除去する工程と、その後に、前記基
板全面に対する更なるウェットエッチングを実施する工
程を更に含む。
【0025】この態様によれば、上述の発明により製造
されるマイクロレンズの外形形状を、より好適に形成し
得る。これは、次のような事情による。すなわち、上述
した製造方法では、一個一個のマイクロレンズの外形形
状表面、換言すれば、上記一つの大きな窪みの内表面に
おいては、一般に一条又は数条の凸状痕がみられること
になる。ここに凸状痕とは、本発明において、一つのマ
イクロレンズの外形形状が複数の開口部を通じた別々の
ウェットエッチングにより形成されることから生じるも
のであって、より具体的には、例えば、上述の大窪みと
小窪みの繋ぎ目において、当該大窪みの底面たる球面
と、当該小窪みの底面たる球面とが交わることにより形
成される、いわば「尾根」とも呼び得るものが該当す
る。このような凸状痕、あるいは「尾根」が存在する
と、該凸状痕あるいは該尾根によって区別される複数の
「ミニ」マイクロレンズにより特異な集光効果が望める
反面、従来と同様な集光効果を達成しようとする場合に
は障害となりかねない。
【0026】そこで、本発明においては、前記ウェット
エッチングを実施する工程の後に、前記レジストを除去
する工程と、その後に、前記基板全面に対する更なるウ
ェットエッチングを実施する工程が行われることによ
り、前記凸状痕ないし尾根を除去すること、換言すれ
ば、マイクロレンズの外形形状表面を、いわば「なら
す」ことが可能となり、上述のような不具合を被る可能
性を低減することができる。
【0027】本発明のマイクロレンズの製造方法の他の
態様では、前記開口部の形状は、円形状を含む。
【0028】この態様によれば、複数の開口部を通じ
て、それぞれがドーム形状を有する窪みが複数形成され
るとともに、最終的には、これらが一体的に繋がった形
としてのドーム形状を、容易に形成することが可能とな
る。このようなドーム形状は、レンズ形状として好適で
あることは言うまでもない。
【0029】本発明のマイクロレンズの製造方法の他の
態様では、前記開口部の形状は、リング形状を含む。
【0030】この態様によれば、複数の開口部を通じ
て、それぞれがリング状、かつ、該リングの段面をみれ
ば凹状となる窪みが複数形成されるとともに、最終的に
は、これらが一体的に繋がった形としてのドーム形状
を、容易に形成することが可能となる。
【0031】本発明のマイクロレンズの製造方法の他の
態様では、前記ウェットエッチングを実施する工程の後
に、該ウェットエッチングにより前記レンズ形成用領域
に形成された窪みの内部を少なくとも含む前記基板上
に、該基板の屈折率とは異なる屈折率を有する材料から
なる薄膜を形成する工程を更に含む。
【0032】この態様によれば、マイクロレンズの内
部、すなわち上述のように形成された「一つの大きな窪
み」の中に、基板とは異なる屈折率を有する材料が形成
されることになる。すなわち、本態様によれば、マイク
ロレンズがほぼ完全に形成され得ることになる。この
際、「材料」の選択は基本的に自由だから、本態様に係
るマイクロレンズは、所望のレンズ特性を有するものと
して、容易に形成され得ることになる。ちなみに、「材
料」の種類としては、例えば広くは透明導電性樹脂等を
あてることができ、より具体的には、SiNx(窒化シ
リコン)、ITO(Indium Tin Oxide)等をあてること
ができる。
【0033】なお、本態様にいう「ウェットエッチング
を実施する工程」とは、上述した、「複数の開口部を利
用して前記基板に対する『ウェットエッチングを実施す
る工程』」と、「基板全面に対する更なる『ウェットエ
ッチングを実施する工程』」とのいずれをも意味する。
つまり、どちらの工程についても、それが完了した後で
は、本態様に係る材料からなる薄膜を形成することが可
能である。これらの相違は、マイクロレンズの外形形状
表面に、前記した凸状痕があるかないかだけに過ぎな
い。
【0034】この薄膜を形成する態様では特に、前記薄
膜に対して平坦化処理を施す工程を更に含むようにする
とよい。
【0035】このような構成によれば、薄膜形成後に、
例えば、エッチバック処理や、CMP(Chemical Mecha
nical Polishing)処理等の平坦化処理が施されること
により、マイクロレンズが形成される部位を含む基板全
面において、平坦面を現出させることが可能となる。し
たがって、一般に、これらの上層として形成されるべき
各種の構成要素は、当該平坦面を前提に積み上げていく
ことが可能であるから、その製造が容易となり、かつ、
それらの位置決め等も正確に実施することが可能とな
る。
【0036】本発明のマイクロレンズの製造方法の他の
態様では、前記ウェットエッチングを実施する工程にお
いて、前記ウェットエッチングに加えて、該ウェットエ
ッチングの前又は後にドライエッチングを行う。
【0037】この態様によれば、ドライエッチングによ
る開口部を介しての指向性の高いエッチングを、ウェッ
トエッチングと組み合わせて行うことにより、該開口部
を介して得られる窪みの形状制御における自由度を高め
られる。
【0038】本発明の第1のマイクロレンズは、上記課
題を解決するために、基板上のレジストに対して形成さ
れた、相異なる面積を有する少なくとも二つの開口部を
含む複数の開口部を利用したウェットエッチングが実施
されることによって、その外形形状の少なくとも一部が
形成されている。
【0039】本発明の第1のマイクロレンズは、上述の
マイクロレンズの製造方法により形成されるものである
から、その形状制御が極めて正確に行われており、した
がって、集光特性等が優れたものとなる。
【0040】本発明の第2のマイクロレンズは、その外
形形状が基板上に形成された窪みの内表面により規定さ
れるとともに、前記窪みの内表面には一条又は複数条の
凸状痕が形成されている。
【0041】本発明の第2のマイクロレンズは、上述の
製造方法により形成されるマイクロレンズを、上記本発
明の第1のマイクロレンズとは異なる側面から捉えたも
のである。すなわち、既に述べたように、複数の開口部
を通じたウェットエッチングによると、例えば、大窪み
及び小窪みのそれぞれの底面たる球面が交わる部分で、
一般に凸状痕が形成されることになるため、当該第2の
マイクロレンズは、この凸状痕の存在により、上述した
本発明に係る製造方法により形成されたものということ
ができる。したがって、その形状制御が極めて正確に行
われており、集光特性等が優れたものとなる。
【0042】ちなみに、上記凸状痕の存在により、マイ
クロレンズの外形形状は、いわば複数の「ミニ」マイク
ロレンズが形成されたような態様となると考えることが
可能であるから、場合により、特異な集光効果を享受す
ることが可能となる。
【0043】本発明の第1のマイクロレンズの一態様で
は、前記ウェットエッチングにより形成された窪みを含
み、該窪みの内表面には一条又は複数条の凸状痕が形成
されている。
【0044】この態様によれば、上述の本発明の第2の
マイクロレンズと略同様な構成を有する。すなわち、そ
の作用効果は、上述したところと同様である。
【0045】本発明の第1のマイクロレンズの他の態
様、又は第2のマイクロレンズの一態様では、前記基板
上に、当該マイクロレンズがアレイ状に複数形成されて
いる。
【0046】この態様によれば、いわゆるマイクロレン
ズアレイが形成されることになり、該アレイ全体とし
て、その形状制御がきわめて正確に行われており、集光
特性等が優れたものとなる。
【0047】本発明の電気光学装置は、上述の本発明の
第1又は第2のマイクロレンズ(その各種態様を含
む。)を備えるとともに、前記基板上に、画素電極と、
該画素電極に接続された薄膜トランジスタと、該薄膜ト
ランジスタに接続された配線とを備える。
【0048】本発明の電気光学装置によれば、正確に形
状制御されたマイクロレンズを備えることにより、当該
電気光学装置において、より優れた集光特性、あるいは
光路変更特性等を享受することが可能となる。具体的に
は、例えば、TFTに対して入射しようとする斜め光を
効果的に光路変更し、該TFTにおいて、光リーク電流
の発生することを抑制すること等が可能となる。
【0049】本発明の電気光学装置の一態様では、前記
マイクロレンズに代えて、又は加えて、前記基板に電気
光学物質を介して対向配置される対向基板上に、上述の
第1又は第2のマイクロレンズ(その各種態様を含
む。)を他に更に備える。
【0050】この態様によれば、正確に形状制御された
マイクロレンズを対向基板上に備えることにより、当該
電気光学装置において、より優れた集光特性、あるいは
光路変更特性を享受することが可能となる。具体的に
は、例えば、前記画素電極における入射光の集光領域
を、所望のとおりに設定すること等が可能となる。
【0051】本発明のこのような作用及び他の利得は次
に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態に
ついて図を参照しつつ説明する。
【0053】(マイクロレンズの製造プロセス)以下で
は、本実施形態に係るマイクロレンズの製造プロセスに
ついて、図1から図4を参照して説明する。ここに、図
1及び図2は、本実施形態に係るマイクロレンズの製造
工程を順に追って示す断面図である。また、図3は、本
製造工程において使用されるレジストに対して形成され
る開口部の態様を示す平面図であり、図4は、ウェット
エッチングの進行状況を順次詳細に示す断面図である。
なお、図1、図2及び図4に示す断面図は、図3のS1
−S1´線における断面を示したものである。
【0054】まず、図1の工程(1)に示すように、基
板10を用意する。ここで基板10の材質は、基本的に
限定されないが、例えば、石英基板、ハードガラス、シ
リコン基板等とすればよい。次に、図1の工程(2)に
示すように、該基板10に対して、レジスト401を塗
布した後、該レジスト401に対してフォトリソグラフ
ィ及びエッチングを応用して、基板10全面に関して所
定パターンを有する開口部402を形成する。ここで特
に、この開口部402は、形成すべきマイクロレンズの
一つ一つのレンズ形成用領域に応じて、複数形成される
ことになる。そしてまた、これら複数の開口部402
は、当該レンズ形成用領域において、相異なる面積を有
する少なくとも二つの開口部を含む複数の開口部として
形成される。
【0055】本実施形態においては例えば、レジスト4
01は、図3に示すような開口部402を有する。この
図に示されているレジスト401の大きさ(面積)は、
一つのマイクロレンズが形成されるべきレンズ形成用領
域に対応している。すなわち、図示されていないが、マ
イクロレンズ「アレイ」を形成するためには、このよう
なパターンが図中上下左右に連続して存在した形態とな
るレジストを用いることとなる。
【0056】この図3において、形成すべきマイクロレ
ンズの中央部には、最大径W1を有する円形孔H1が形
成されており、その周囲には径W1よりも若干小さい径
W2を有する円形孔H2が8個形成されている。以下順
次、これら円形孔H2の周囲には、径W3(<W2)を
有する円形孔H3が16個形成され、該円形孔H3の周
囲には、径W4(<W3)を有する円形孔H4が20個
形成されている。このように、本実施形態においては、
一つのマイクロレンズを形成するために、都合45個の
円形孔H1〜H4、すなわち開口部402が形成される
ことになる。
【0057】次に、このようなレジスト401を用い
て、図1の工程(3)に示すような窪み501Pが得ら
れるまで、ウェットエッチングを実施する。このウェッ
トエッチングは、より詳しくは、図4の工程(31)か
ら(34)に示すように進行することになる。すなわち
まず、図4の工程(31)のように、各円形孔H1乃至
H4のそれぞれを通じて、エッチング液が基板10の表
面に触れることにより、基板10の侵食が開始する。こ
の侵食は、図4の工程(32)のように、基板10内部
に向けて次第に進行することになるが、この際、各円形
孔H1乃至H4のそれぞれにつき、侵食の程度ないし態
様に相違が生じることになる。すなわち、各円形孔H1
乃至H4が有する径が大きくなる順に、その侵食の深さ
及び抉り込み量が順次大きくなっていくのである。この
結果、最大径W1を有する円形孔H1を通じた侵食は、
その深さが最も大きく、また、抉り込み量も最も大きく
なる一方、最小径W4を有する円形孔H4を通じた侵食
は、その深さが最も小さく、かつ、抉り込み量も最も小
さくなる。
【0058】このようなエッチングが進行すると、図4
の工程(33)に示すように、レジスト401の背面と
基板10の表面との界面において、異なる円形孔H1及
びH2、H2及びH3、…等々を通じて進行してきた抉
り込みが、やがて重なり合うこととなる。つまり、レジ
スト401の背面において、一つの大きな窪みが形成さ
れることになるのである。そして更にエッチングが進行
すると、最終的には、図4の工程(34)に示すよう
に、全体が略ドーム形状となる凹部、すなわち窪み50
1Pが形成されることになる。この際、この窪み501
Pの内表面には、一条又は数条の凸状痕510が形成さ
れることになる。これは、例えば、円形孔H1及びH2
それぞれを通じて侵食された部分の底面が球面形状を有
することから、それぞれの球面が交わることによって形
成される、いわば「尾根」とも呼び得るものが、当該窪
み501Pの内表面に若干ながら残存するためである。
なお、このようなことから、そのような凸状痕510が
みられるマイクロレンズであれば、本発明に係る製造方
法により形成されたマイクロレンズであることが推定さ
れることになる。
【0059】なお、図4の工程(34)、あるいは図1
の工程(3)においては、その背面が完全に抉り込まれ
たレジスト401が、宙に浮いている状態で図示されて
いるが、これは観念的な状態を示すものに過ぎず、実際
上は、このようなレジストはすべて、窪み501Pの内
部に落ち込むことになる。
【0060】以上のようなウェットエッチング工程が修
了すると、最後に、図1の工程(4)に示すように、残
存したレジスト401を完全に除去すれば、マイクロレ
ンズの外形形状の形成が完了する。
【0061】続いて、このように形成された凹部501
Pの内部及び基板10の表面に対して、図2の工程
(5)に示すように、例えはSiNx又はITO等の透
明材料からなる膜520を成膜する。次に、この膜52
0の表面に対して、図2の工程(6)に示すように、C
MP処理等の平坦化処理を実施する。ここに、CMP処
理とは、基板と研磨布(パッド)の両者を回転等させな
がら、それぞれの表面同士を当接させるとともに、該当
接部位に研磨液(スラリー)を供給することによって、
基板表面を、機械的作用と化学作用の兼ね合いにより研
磨し、当該表面を平坦化する技術である。なお、平坦化
処理としては、この他に、エッチバック法を用いてもよ
い。
【0062】このような平坦化処理を施すことによっ
て、図2の工程(6)に示すように、窪み501Pの内
部のみに前記膜520が残存する形態、すなわちその内
部に媒質521が充填されてなるマイクロレンズ501
を現出させることが可能となるとともに、当該媒質52
1の表面及び基板10の表面の両者に関して、平坦な面
を現出させることが可能となる。
【0063】以上のような工程を経て、最終的にマイク
ロレンズ501が形成されることになる。
【0064】このような本実施形態に係るマイクロレン
ズ501においては、次のような作用効果が得られる。
すなわち、第一に、該マイクロレンズ501は、当初に
予定した形状ないし曲率等を有するものとして、その形
状成形が極めて正確に実現され得たものとなる。これ
は、一つのマイクロレンズ501を形成するために、複
数の開口部402を通じたウェットエッチングを実施す
ることによる。すなわち、本実施形態においては、マイ
クロレンズ501を形成するため、図3に示したような
複数の円形孔H1乃至H4からなる開口部が形成された
レジスト401を利用したが、このような形態によれ
ば、図4からもわかるように、中央部で最深部を有する
とともに、周辺部に向けてその深さが漸次浅くなるよう
な凹型のドーム形状を有するマイクロレンズを、自然
に、かつ正確に形成することが可能であるのが明白であ
る。また、このように正確にマイクロレンズ501を形
成することができることからすれば、本実施形態に係る
マイクロレンズは、従来に比べて、その集光特性が一般
に優れているということが言える。
【0065】第二に、本実施形態によれば、ユニークな
形状を有するマイクロレンズの形成も容易に実現でき
る。例えば図3において、円形孔H1の径を、周囲の円
形孔H2乃至H4等の径よりも小さくしたような開口部
の配列を仮に想定すれば、一般に、中央部の深さは小さ
いが、周辺部の深さが大きい変則的なマイクロレンズを
形成することが可能である。すなわち、本実施形態によ
れば、少々の変更を加えることにより、特殊な集光作用
や光路変更作用を有するマイクロレンズをきわめて容易
に形成することが可能なのである。
【0066】第三に、本実施形態に係るマイクロレンズ
501では、その内部に媒質521が備えられてなるか
ら、より良好な屈折作用を得ることが可能となる。ま
た、媒質521を構成する材料は、基本的に自由に選定
することができるから、これによっても種々の屈折作用
を有するマイクロレンズ501を容易に形成することが
可能となる。
【0067】第四に、レンズ媒質となるべき材料からな
る膜520を成膜した後は、平坦化処理が施されること
により、例えば、このマイクロレンズ501が形成され
た基板10を基底として、その上側に、種々の構成要素
を、位置決めよく積層していくことが可能となる。むろ
んその製造も容易となる。
【0068】なお、上記においては、開口部402の形
状が、円形状なるものについてのみ言及したが、本発明
は、このような形態に限定されるものではない。すなわ
ち開口部402の形状としては、例えば、三角形、四角
形、六角形等の多角形を含み得るとともに、一般に、任
意の平面形状を含むものである。より好ましくは、上述
の図3に示すようなものに加え、例えば、図5に示すよ
うな形態となる開口部403を利用するとよい。ここ
に、図5は、レジストに対して形成される開口部の態様
であって、図3とは異なる態様を示す平面図である。
【0069】この図5において、一つのマイクロレンズ
を形成すべきレンズ形成用領域の中央部には、最大径W
1を有する円形孔Hが形成されるように、該径W1より
も若干大きい径を有するリング状のレジストが形成され
ている。そして、このリング状のレジストの周囲には、
いずれの方向においても間隔W2(<W1)を隔てて、
2番目のリング状レジストが形成されている。これによ
り、幅W2を有するリング状孔R1が形成されることに
なる。以下順次、前記2番目のリング状レジストの周囲
において、3番目のリング状レジストが形成されること
により、幅W3を有するリング状孔R2が形成され、前
記3番目のリング状レジストの周囲において、最外周と
なるレジスト(すなわち、図中上下左右で形成される、
図5と同様な開口パターンの最外周ともなるレジスト)
により、幅W4を有するリング状孔R3が形成されてい
る。このように、図5においては、一つのマイクロレン
ズを形成するために、1個の円形孔Hと都合3個のリン
グ状孔R1乃至R3、すなわち開口部403が形成され
ることになる。
【0070】このような形態となる場合であっても、上
述とほぼ同様な作用効果が得られることが明らかであ
る。なお、この場合におけるウェットエッチングの進行
状況は、図5に示すS2−S2´線断面を見る限り、そ
れは図4に示したウェットエッチングの進行状況と略同
様なものとなることがわかる。つまり、この場合におい
ても、凹型のドーム形状となるマイクロレンズの外形形
状の形成を、自然に、かつ正確に実現し得るのである。
【0071】また、上述においては、一条又は数条の凸
状痕510を、窪み501Pの内表面(すなわち、マイ
クロレンズ501の外形形状表面)に残存させたままと
したが、本実施形態においては、図1の工程(4)の直
後、すなわち膜520を形成する以前に、窪み501P
及び基板10の表面に対する更なるウェットエッチング
を実施することにより、その凸状痕510を除去するよ
うにしてもよい。このようにすれば、凸状痕510の存
在により、通常のレンズ作用の発揮が妨げられるような
ことがない。
【0072】(電気光学装置に対する本発明の適用)以
下では、本発明のマイクロレンズを、液晶装置に適用し
た例について説明する。
【0073】まず、本発明の実施形態における電気光学
装置の画素部における構成について、図6から図8を参
照して説明する。ここに、図6は、電気光学装置の画像
表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画
素における各種素子、配線等の等価回路である。また、
図7は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたT
FTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であ
り、図8は、図7のA−A´断面図である。なお、図8
においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の
大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異なら
しめてある。
【0074】図6において、本実施形態における電気光
学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成さ
れた複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画
素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30と
が形成されており、画像信号が供給されるデータ線6a
が当該TFT30のソースに電気的に接続されている。
データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Sn
は、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接す
る複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給
するようにしてもよい。
【0075】また、TFT30のゲートに走査線3aが
電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線
3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、こ
の順に線順次で印加するように構成されている。画素電
極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されて
おり、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だ
けそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから
供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイ
ミングで書き込む。
【0076】画素電極9aを介して電気光学物質の一例
としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S
1、S2、…、Snは、対向基板に形成された対向電極
との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧
レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することによ
り、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホ
ワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧
に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブ
ラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧
に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として
電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをも
つ光が出射する。
【0077】ここで保持された画像信号がリークするの
を防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成さ
れる液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。また、
走査線3aに並んで、蓄積容量70の固定電位側容量電
極を含むとともに定電位に固定された容量線300が設
けられている。
【0078】以下では、上記データ線6a、走査線3
a、TFT30等による、上述のような回路動作が実現
される電気光学装置の、より現実的な構成について、図
7及び図8を参照して説明する。
【0079】まず、本実施形態に係る電気光学装置は、
図7の断面図たる図8に示すように、透明なTFTアレ
イ基板100と、これに対向配置される透明な対向基板
20とを備えている。TFTアレイ基板100は、例え
ば、石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対
向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。
また、TFTアレイ基板100上には、画素電極9aが
設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定
の配向処理が施された配向膜16が設けられている。こ
こで画素電極9aは、例えばITO(Indium Tin Oxid
e)膜等の透明導電性膜からなり、また、配向膜16
は、例えばポリイミド膜等の有機膜からなる。
【0080】他方、対向基板20には、その全面に渡っ
て対向電極21が設けられており、その下側には、ラビ
ング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設
けられている。対向電極21は、例えばITO膜等の透
明導電性膜からなる。また、配向膜22は、ポリイミド
膜等の透明な有機膜からなる。
【0081】一方、図7において、上記TFTアレイ基
板100上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極
9a(点線部9a´により輪郭が示されている)が設け
られており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデ
ータ線6a及び走査線3aが設けられている。
【0082】走査線3aは、半導体層1aのうち図中右
上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a´に対向す
るように配置されており、走査線3aはゲート電極とし
て機能する。すなわち、走査線3aとデータ線6aとの
交差する箇所にはそれぞれ、チャネル領域1a´に走査
線3aの本線部がゲート電極として対向配置された画素
スイッチング用のTFT30が設けられている。
【0083】TFT30は、図8に示すように、LDD
(Lightly Doped Drain)構造を有しており、その構成
要素としては、上述したようにゲート電極として機能す
る走査線3a、例えばポリシリコン膜からなり走査線3
aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1a
のチャネル領域1a´、走査線3aと半導体層1aとを
絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aに
おける低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1
c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域
1eを備えている。
【0084】なお、TFT30は、好ましくは図8に示
したようにLDD構造をもつが、低濃度ソース領域1b
及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わ
ないオフセット構造をもってよいし、走査線3aの一部
からなるゲート電極をマスクとして高濃度で不純物を打
ち込み、自己整合的に高濃度ソース領域及び高濃度ドレ
イン領域を形成するセルフアライン型のTFTであって
もよい。また、本実施形態では、画素スイッチング用T
FT30のゲート電極を、高濃度ソース領域1d及び高
濃度ドレイン領域1e間に1個のみ配置したシングルゲ
ート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極
を配置してもよい。このようにデュアルゲート、あるい
はトリプルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネル
とソース及びドレイン領域との接合部のリーク電流を防
止でき、オフ時の電流を低減することができる。さら
に、TFT30を構成する半導体層1aは非単結晶層で
も単結晶層でも構わない。単結晶層の形成には、貼り合
わせ法等の公知の方法を用いることができる。半導体層
1aを単結晶層とすることで、特に周辺回路の高性能化
を図ることができる。
【0085】一方、図7及び図8においては、蓄積容量
70が、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素
電極9aに接続された画素電位側容量電極としての中継
層71と、固定電位側容量電極としての容量線300の
一部とが、誘電体膜75を介して対向配置されることに
より形成されている。この蓄積容量70によれば、画素
電極9aにおける電位保持特性を顕著に高めることが可
能となる。
【0086】中継層71は、例えば導電性のポリシリコ
ン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。ただ
し、中継層71は、後に詳述する容量線300と同様
に、金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成し
てもよい。中継層71は、画素電位側容量電極としての
機能のほか、コンタクトホール83と、中継層71と画
素電極9aとを接続するコンタクトホール(図8におい
ては不図示)を介して、画素電極9aとTFT30の高
濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能をもつ。
【0087】このように中継層71を利用すれば、層間
距離が例えば2000nm程度と長くても、両者間を一
つのコンタクトホールで接続する技術的困難性を回避し
つつ、比較的小径の二つ以上の直列なコンタクトホール
で両者間を良好に接続することができ、画素開口率を高
めることが可能となる。また、コンタクトホール開孔時
におけるエッチングの突き抜け防止にも役立つ。
【0088】容量線300は、例えば金属又は合金を含
む導電膜からなり固定電位側容量電極として機能する。
この容量線300は、平面的に見ると、図7に示すよう
に、走査線3aの形成領域に重ねて形成されている。よ
り具体的には容量線300は、走査線3aに沿って延び
る本線部と、図中、データ線6aと交差する各個所から
データ線6aに沿って上方に夫々突出した突出部と、コ
ンタクトホール85に対応する個所が僅かに括れた括れ
部とを備えている。このうち突出部は、走査線3a上の
領域及びデータ線6a下の領域を利用して、蓄積容量7
0の形成領域の増大に貢献する。
【0089】このような容量線300は、好ましくは高
融点金属を含む導電性遮光膜からなり、蓄積容量70の
固定電位側容量電極としての機能のほか、TFT30の
上側において入射光からTFT30を遮光する遮光層と
しての機能をもつ。
【0090】また、容量線300は、好ましくは、画素
電極9aが配置された画像表示領域からその周囲に延設
され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされ
る。このような定電位源としては、後述するデータ線駆
動回路101に供給される正電源や負電源の定電位源で
もよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定
電位でも構わない。
【0091】誘電体膜75は、図8に示すように、例え
ば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO(High T
emperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxid
e)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等
から構成される。蓄積容量70を増大させる観点から
は、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体
膜75は薄いほどよい。
【0092】図7及び図8においては、上記のほか、T
FT30の下側に、下側遮光膜11aが設けられてい
る。下側遮光膜11aは、格子状にパターニングされて
おり、これにより各画素の開口領域を規定している。ま
た、開口領域の規定は、図7中縦方向に延びるデータ線
6aと図7中横方向に延びる容量線300とが相交差し
て形成されることによっても、なされている。
【0093】なお、下側遮光膜11aについても、前述
の容量線300の場合と同様に、その電位変動がTFT
30に対して悪影響を及ぼすことを避けるために、画像
表示領域からその周囲に延設して定電位源に接続すると
よい。
【0094】また、TFT30下には、下地絶縁膜12
が設けられている。下地絶縁膜12は、下側遮光膜11
aからTFT30を層間絶縁する機能のほか、TFTア
レイ基板100の全面に形成されることにより、TFT
アレイ基板100の表面研磨時における荒れや、洗浄後
に残る汚れ等で画素スイッチング用のTFT30の特性
変化を防止する機能を有する。走査線3a上には、高濃
度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高
濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が
それぞれ開孔された第1層間絶縁膜41が形成されてい
る。
【0095】第1層間絶縁膜41上には、中継層71及
び容量線300が形成されており、これらの上には高濃
度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び中
継層71へ通じるコンタクトホール(図8においては不
図示)がそれぞれ開孔された第2層間絶縁膜42が形成
されている。
【0096】なお、本実施形態では、第1層間絶縁膜4
1に対しては、約1000℃の焼成を行うことにより、
半導体層1aや走査線3aを構成するポリシリコン膜に
注入したイオンの活性化を図ってもよい。他方、第2層
間絶縁膜42に対しては、このような焼成を行わないこ
とにより、容量線300の界面付近に生じるストレスの
緩和を図るようにしてもよい。
【0097】第2層間絶縁膜42上には、データ線6a
が形成されており、これらの上には中継層71へ通じる
コンタクトホール(図8においては不図示)が形成され
た第3層間絶縁膜43が形成されている。
【0098】そして本実施形態では特に、上述の第3層
間絶縁膜43に対して、液晶層50に対向するようにマ
イクロレンズ501が形成されている。すなわち、ここ
にいう第3層間絶縁膜43は、図1及び図2等において
示した基板10に該当していることになる。より詳しく
は、マイクロレンズ501は、図7及び図8に示すよう
に、マトリクス状に配列された画素電極9aの各々に対
向するように、かつ、該画素電極9aの直下に位置する
ように形成されている。また、このマイクロレンズ50
1の大きさは、概ね画素電極9aの大きさに対応するよ
うに、あるいは画素電極9aの大きさよりは若干大きめ
にされ、かつ、その平面形状は、図7に示すように、そ
れぞれの角に丸みを帯びた矩形状とされている。すなわ
ち、本実施形態におけるマイクロレンズ501は、平面
的にみて島状に複数形成されており、いわゆるマイクロ
レンズアレイを構成していることになる。
【0099】加えて、このマイクロレンズ501の内部
には、図8に示すように、第3層間絶縁膜43が有する
屈折率とは異なる屈折率を有する媒質521が充填され
ている。この媒質521の材料としては、具体的には例
えば、SiNx又はITO等をあてるとよい。
【0100】ここで特に、マイクロレンズ501は、図
8に示すように、その内表面において、一条又は数条の
凸状痕510が形成されている。これは、既に図1等を
参照して述べたように、レジストにおける複数の開口部
を通じたウェットエッチングを実施することによって形
成されたものである。この凸状痕510の存在は、図8
に示されるマイクロレンズ501を備える電気光学装置
が、本発明に係るマイクロレンズが適用された一形態で
あることの証左となる。
【0101】なお、このようなマイクロレンズ501
は、図1及び図2を参照して説明したように、第3層間
絶縁膜43の表面に対して、複数の開口部を通じたウェ
ットエッチングにより窪み501Pを形成した後、該窪
み501P内部にレンズ媒質となるべき材料からなる膜
520を一旦成膜し、該膜520の表面に対するCMP
処理等の平坦化処理を実施することで形成されている。
ここで、上記平坦化処理が実施されることにより、その
下方に存在するマイクロレンズ501、あるいは各種配
線や素子等による段差に起因して、画素電極9aが屈曲
した形で形成されるといったような不具合が発生するこ
となく、また、配向膜16を形成するための有機材料の
塗布作業においてその不良を生じさせることも、ラビン
グ処理の不均一化を招くようなこともないから、液晶層
50の配向不良を低減することが可能となる。
【0102】このような電気光学装置においては、次の
ような作用効果が得られる。すなわちまず、上述したよ
うに、本実施形態に係るマイクロレンズ501は、上述
した複数の開口部を通じたウェットエッチングの実施に
よって形成されていることにより、当初に予定した通り
の形状を、極めて正確に再現することができる。したが
って、集光特性等は従来に比べて一般に優れているとい
うことがいえる。また、一つのマイクロレンズ501を
形成するために複数の開口部を利用するため、場合によ
っては、マトリクス状に配列された画素電極9aにより
規定される画像表示領域の各部分、例えば一つ一つ画素
電極9aに応じて、異なる形状となるマイクロレンズ5
01を形成することが可能となる。すなわちこの場合、
当該各部分に応じて、異なる屈折作用や光路変更作用を
もたせることが可能となる。
【0103】また、本実施形態に係る電気光学装置に関
する特有の作用効果としては、マイクロレンズ501
が、上述したように、第3層間絶縁膜43に対して形成
されていることにより、TFT30に対して光が入射す
ることを極力回避することが可能となる。これは、例え
ば図8において一点鎖線の矢印で示すように、対向基板
20の面に対して斜めに入射してくるような光の進行経
路を、同図の実線の矢印で示すように、マイクロレンズ
501の作用によって変更することが可能となるためで
ある。したがって、本実施形態においては、TFT30
を構成する半導体層、とりわけその一部たるチャネル領
域において、光リーク電流が発生することを、極力抑制
することが可能となる。
【0104】このような作用効果は特に、本実施形態に
係る電気光学装置を、いわゆる「液晶プロジェクタ」に
応用した際に顕著に享受され得る。すなわち、今般、液
晶プロジェクタにおいては、より明るい画像を表示すべ
く、該プロジェクタを構成する光源の明るさが年々増大
している傾向にある。ところが、この光源の明るさの増
大は、入射光において、いわゆる斜め光の含まれる割合
の相対的な増大を招来し、その結果、TFT30に対す
る光入射の量の相対的な増大に帰結する(図8参照)。
つまり、今般においては、TFT30において、光リー
ク電流が発生することを抑制することは、極めて困難な
課題となっているのである。しかも、このような事情
は、開口率の向上に伴ってより深刻となっている。
【0105】しかるに、本実施形態に係る電気光学装置
においては、上述したように、マイクロレンズ501が
形成されていることにより、たとえ強力な光源により多
分に斜め成分を含む入射光が対向基板20側から入射し
たとしても、それを本来の、ないしは正規の進行経路と
なるように、強制的に、調整することが可能なのであ
る。
【0106】なお、上記においては、マイクロレンズを
電気光学装置に対して適用する形態として、当該マイク
ロレンズ501を、画素電極9aの直下に形成する形態
についてのみ説明したが、本発明は、このような形態に
限定されるものではない。例えば、よく知られているよ
うに、対向基板20側にマイクロレンズを形成する形態
についても、本発明に係るマイクロレンズ及びその製造
方法を適用することは当然に可能である。
【0107】以下では、以上のように構成された実施形
態における電気光学装置の全体構成について、図9及び
図10を参照して説明する。なお、図9は、TFTアレ
イ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基
板20の側からみた平面図であり、図10は図9のH−
H´断面図である。
【0108】図9及び図10において、本実施形態に係
る電気光学装置では、TFTアレイ基板100と対向基
板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10
0と対向基板20との間には、液晶層50が封入されて
おり、TFTアレイ基板100と対向基板20とは、画
像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けら
れたシール材52により相互に接着されている。
【0109】シール材52は、両基板を貼り合わせるた
め、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、紫
外線、加熱等により硬化させられたものである。また、
このシール材52中には、本実施形態における液晶装置
がプロジェクタ用途のように小型で拡大表示を行う液晶
装置であれば、両基板間の距離(基板間ギャップ)を所
定値とするためのグラスファイバ、あるいはガラスビー
ズ等のギャップ材(スペーサ)が散布されている。ある
いは、当該液晶装置が液晶ディスプレイや液晶テレビの
ように大型で等倍表示を行う液晶装置であれば、このよ
うなギャップ材は、液晶層50中に含まれてよい。
【0110】シール材52の外側の領域には、データ線
6aに画像信号を所定のタイミングで供給することによ
り該データ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及
び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板100の
一辺に沿って設けられており、走査線3aに走査信号を
所定のタイミングで供給することにより、走査線3aを
駆動する走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する
二辺に沿って設けられている。
【0111】なお、走査線3aに供給される走査信号遅
延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は
片側だけでもよいことは言うまでもない。また、データ
線駆動回路101を画像表示領域10aの辺に沿って両
側に配列してもよい。
【0112】TFTアレイ基板100の残る一辺には、
画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路
104間をつなぐための複数の配線105が設けられて
いる。また、対向基板20のコーナ部の少なくとも一箇
所においては、TFTアレイ基板100と対向基板20
との間で電気的に導通をとるための導通材106が設け
られている。そして、図10に示すように、図9に示し
たシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当
該シール材52によりTFTアレイ基板100に固着さ
れている。
【0113】図10において、TFTアレイ基板100
上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ
線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜
が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電
極21のほか、最上層部分に配向膜が形成されている。
また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマテッ
ィク液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜
間で、所定の配向状態をとる。
【0114】なお、TFTアレイ基板100上には、こ
れらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104
等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタ
イミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線
6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に
先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出
荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するため
の検査回路等を形成してもよい。
【0115】また、上述した実施形態においては、デー
タ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFT
アレイ基板100上に設ける代わりに、例えばTAB
(TapeAutomated Bonding)基板上に実装された駆動用
LSIに、TFTアレイ基板100の周辺部に設けられ
た異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続
するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が
入射する側及びTFTアレイ基板100の出射光が出射
する側には、それぞれ、例えばTN(Twisted Nemati
c)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PD
LC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の
動作モードや、ノーマリーホワイトモード・ノーマリー
ブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フ
ィルム、偏光板等が所定の方向で配置される。
【0116】本発明は、上述した実施形態に限られるも
のではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる
発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可
能であり、そのような変更を伴うマイクロレンズ及びそ
の製造方法並びに電気光学装置もまた、本発明の技術的
範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るマイクロレンズの製
造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図2】 本発明の実施形態に係るマイクロレンズの製
造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図3】 図1の工程(2)においてレジストに対して
形成される複数の開口部の態様を示す平面図である。
【図4】 図1の工程(3)におけるウェットエッチン
グの進行状況を詳細に示す工程断面図である。
【図5】 図3と同趣旨の図であって、複数の開口部の
異なる態様を示す平面図である。
【図6】 本発明の実施形態の電気光学装置における画
像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設け
られた各種素子、配線等の等価回路を示す回路図であ
る。
【図7】 本発明の実施形態の電気光学装置におけるデ
ータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ
基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図8】 図7のA−A´断面図である。
【図9】 本発明の実施形態の電気光学装置におけるT
FTアレイ基板を、その上に形成された各構成要素とと
もに対向基板の側から見た平面図である。
【図10】 図9のH−H´断面図である。
【符号の説明】
10…基板 401…レジスト 402、403…開口部 H1、H2、H3、H4、H…円形孔 R1、R2、R3…リング状孔 501…マイクロレンズ 501P…窪み 510…凸状痕 520…膜 521…媒質

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にレジストを塗布する工程と、 該レジストに対して、一つのマイクロレンズを形成すべ
    きレンズ形成用領域に応じ、相異なる面積を有する少な
    くとも二つの開口部を含む複数の開口部を形成する工程
    と、 前記複数の開口部を利用して前記基板に対するウェット
    エッチングを実施する工程とを含み、 前記ウェットエッチングにより当該マイクロレンズの外
    形形状の少なくとも一部を形成することを特徴とするマ
    イクロレンズの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の開口部は、前記レンズ形成用
    領域の中央部から周辺部にかけて、その面積が漸次小さ
    くなるように形成されていることを特徴とする請求項1
    に記載のマイクロレンズの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ウェットエッチングを実施する工程
    の後に、前記レジストを除去する工程と、その後に、前
    記基板全面に対する更なるウェットエッチングを実施す
    る工程を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記
    載のマイクロレンズの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記開口部の形状は、円形状を含むこと
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマ
    イクロレンズの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記開口部の形状は、リング形状を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載
    のマイクロレンズの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ウェットエッチングを実施する工程
    の後に、 該ウェットエッチングにより前記レンズ形成用領域に形
    成された窪みの内部を少なくとも含む前記基板上に、該
    基板の屈折率とは異なる屈折率を有する材料からなる薄
    膜を形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記薄膜に対して平坦化処理を施す工程
    を更に含むことを特徴とする請求項6に記載のマイクロ
    レンズの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ウェットエッチングを実施する工程
    において、前記ウェットエッチングに加えて、該ウェッ
    トエッチングの前又は後にドライエッチングを行うこと
    を特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマ
    イクロレンスの製造方法。
  9. 【請求項9】 基板上のレジストに対して形成された、
    相異なる面積を有する少なくとも二つの開口部を含む複
    数の開口部を利用したウェットエッチングが実施される
    ことによって、その外形形状の少なくとも一部が形成さ
    れていることを特徴とするマイクロレンズ。
  10. 【請求項10】 その外形形状が基板上に形成された窪
    みの内表面により規定されるとともに、前記窪みの内表
    面には一条又は複数条の凸状痕が形成されていることを
    特徴とするマイクロレンズ。
  11. 【請求項11】 前記ウェットエッチングにより形成さ
    れた窪みを含み、該窪みの内表面には一条又は複数条の
    凸状痕が形成されていることを特徴とする請求項9に記
    載のマイクロレンズ。
  12. 【請求項12】 前記基板上に、当該マイクロレンズが
    アレイ状に複数形成されていることを特徴とする請求項
    9乃至11のいずれか一項に記載のマイクロレンズ。
  13. 【請求項13】 請求項8乃至12のいずれか一項に記
    載のマイクロレンズを備えるとともに、 前記基板上に、画素電極と、該画素電極に接続された薄
    膜トランジスタと、該薄膜トランジスタに接続された配
    線とを備えたことを特徴とする電気光学装置。
  14. 【請求項14】 前記マイクロレンズに代えて、又は加
    えて、前記基板に電気光学物質を介して対向配置される
    対向基板上に、請求項8乃至12のいずれか一項に記載
    のマイクロレンズを他に更に備えたことを特徴とする請
    求項13に記載の電気光学装置。
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