JP2003139729A - 無鉛半田の不純物金属濃度検出装置 - Google Patents

無鉛半田の不純物金属濃度検出装置

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JP2003139729A
JP2003139729A JP2001334478A JP2001334478A JP2003139729A JP 2003139729 A JP2003139729 A JP 2003139729A JP 2001334478 A JP2001334478 A JP 2001334478A JP 2001334478 A JP2001334478 A JP 2001334478A JP 2003139729 A JP2003139729 A JP 2003139729A
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solder
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Manabu Harada
学 原田
Shugo Watanabe
修五 渡辺
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Malcom Co Ltd
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MARCOM KK
Malcom Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無鉛半田に含有される不純物金属の濃度状態
を簡便に検出することができる無鉛半田の不純物金属濃
度検出装置を提供すること。 【解決手段】 この装置は、試料容器、試料容器を熱障
壁部を介して包囲する温調ブロック、温調ブロックを一
定の速度で温度変化させる機構、および試料の温度セン
サーを含む温度測定部と、試料容器内に、溶融半田を供
給する試料供給機構と、温度変化曲線を作成する機能、
外挿開始点または屈曲点の検出工程を行う機能および濃
度検出工程を行う機能を有する情報処理部とを備える。
温調ブロックにより無鉛半田試料に状態変化を生じさ
せ、温度変化曲線において、当該状態変化を生ずるとき
の外挿開始点または屈曲点の温度が検出され、既知の濃
度の不純物金属を含有する場合についての温度を基準と
して比較することにより、不純物金属濃度が検出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子部品を
プリント基板に電気的に接続するために用いられる無鉛
半田に含有される不純物金属の濃度を検出するための無
鉛半田の不純物金属濃度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、例えば電子部品をプリント基板に
電気的に接続するために、いわゆる半田浴が用いられて
いる。この半田浴には、半田浴槽内に半田合金が溶融し
た状態で収容されており、これに、所定の電子部品を組
み合わせた状態でプリント基板を浸漬させることによ
り、当該プリント基板に電子部品を半田付けする半田付
け処理が行われる。
【0003】従前において、半田合金としては錫と鉛の
合金が用いられていたが、鉛が人体に有害であることか
ら、最近においては、鉛を含有しない無鉛半田(鉛フリ
ー半田)が用いられるようになってきている。この無鉛
半田は錫を主成分とし、銀、銅、ビスマス、インジウム
などから選ばれた添加金属の1種またはそれ以上を、例
えば0.5〜20質量%の範囲における規定された割合
で含有してなる合金である。
【0004】而して、半田浴においては、被処理物であ
るプリント基板が電子部品と共に浸漬されて半田材料が
付着されるが、この半田付け処理においては、当該プリ
ント基板の露出電極や電子部品の端子電極部を形成する
金属、例えば銅、金、ニッケル、アルミニウム、鉛など
の不純物金属が微量づつながら半田浴内の半田材料中に
混入するため、長期間にわたって使用された半田浴の無
鉛半田は、不純物金属の濃度が許容限度を超えるように
なり、その結果、特性が大きく変化したものとなる。具
体的には、不純物金属の濃度が例えば1質量%を超える
ようになると、無鉛半田のプリント基板に対する濡れ性
が低下して付着量が不十分となったり、溶融温度が高い
ものとなる結果、所期の電気的な接続を高い信頼性で行
うことができない、という問題が生ずる。このような事
情から、半田浴に使用されている無鉛半田については、
その不純物金属の濃度を定期的に監視することが必要と
なっている。
【0005】従来、半田合金に含有されている金属成分
の濃度を知るための方法としては、化学的元素分析法の
ほか、例えばベータスコープ法、螢光X線分析法、X線
回折法、ポーラログラフィ法、原子吸光法などの機器分
析法が知られており、一部が利用されている。しかしな
がら、これらの従来の分析法は、不純物金属の元素その
ものの量を精密に検出することのできるものではある
が、使用する機器が大がかりで実際の操作が煩雑で専門
的な知識と技量を必要とし、しかも通常長い時間を要す
るものである。
【0006】一方、半田付け処理に用いられる無鉛半田
については、それが、不純物金属の濃度が許容限度を超
えたときにその旨を知ることができれば十分な場合が多
く、実際に含有される不純物金属の種類やその濃度を厳
密に知ることは、通常、不要である。このような事情か
ら、現在、無鉛半田について、それに含有される不純物
金属の濃度状態を簡便に検出することができ、当該無鉛
半田が使用に適するものであることを容易に知ることが
できる装置が求められている。
【0007】半田浴などの半田合金の組成を求める半田
組成分析装置として、例えば特開平6−273360号
公報には、溶融半田を攪拌しながら温度を低下させるこ
とによって当該半田の凝固温度を測定し、予め求めてお
いた半田合金の組成と凝固温度との関係から、当該半田
合金の組成を求めるものが示されている。しかしなが
ら、この分析装置は、半田合金の凝固温度の測定を正確
に行うことが困難である上、無鉛半田における不純物金
属が例えば1質量%のような僅かな割合で混入した場合
における凝固温度の変化は相当に小さいものであるた
め、無鉛半田における不純物金属の濃度状態を有効に検
出することはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
無鉛半田について、それに含有される不純物金属の濃度
状態を簡便に検出することができ、当該無鉛半田が使用
に適するものであることを容易に知ることができる無鉛
半田の不純物金属濃度検出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の無鉛半田の不純
物金属濃度検出装置は、無鉛半田よりなる試料を収容す
る試料容器と、この試料容器を熱障壁部を介して包囲す
る温調ブロックと、この温調ブロックを一定の昇温速度
または降温速度で温度変化するよう制御する加熱機構ま
たは冷却機構と、前記試料の温度を測定する温度センサ
ーとを含む温度測定部と、この温度測定部の試料容器内
に、溶融半田を試料として供給する試料供給機構と、前
記温度測定部の試料容器内において、試料が固体状態か
ら固態−液態相転移状態への状態変化またはその逆の状
態変化を生ずるときに前記温度センサーにより得られる
当該試料の温度変化曲線における、当該試料の状態変化
を生ずるときの外挿開始点の温度を求める外挿開始点検
出機能と、この外挿開始点検出機能により得られる外挿
開始点の温度を、既知の濃度の不純物金属を含有する当
該無鉛半田について同様にして予め求めておいた外挿開
始点の温度を基準温度として比較することにより、当該
試料における不純物金属の濃度状態を求める濃度検出機
能とを有する情報処理部と、を備えてなることを特徴と
する。
【0010】また、本発明の無鉛半田の不純物金属濃度
検出装置は、無鉛半田よりなる試料を収容する試料容器
と、この試料容器を熱障壁部を介して包囲する温調ブロ
ックと、この温調ブロックを一定の昇温速度または降温
速度で温度変化するよう制御する加熱機構または冷却機
構と、前記試料の温度を測定する温度センサーとを含む
温度測定部と、この温度測定部の試料容器内に、溶融半
田を試料として供給する試料供給機構と、前記温度測定
部の試料容器内において、試料が固態−液態相転移状態
から液体状態への状態変化またはその逆の状態変化を生
ずるときに前記温度センサーにより得られる当該試料の
温度変化曲線における、当該試料の状態変化を生ずると
きの屈曲点の温度を求める屈曲点検出機能と、この屈曲
点検出機能により得られる屈曲点の温度を、既知の濃度
の不純物金属を含有する当該無鉛半田について同様にし
て予め求めておいた屈曲点の温度を基準温度として比較
することにより、当該試料における不純物金属の濃度状
態を求める濃度検出機構とを有する情報処理部と、を備
えてなることを特徴とする。
【0011】以上の無鉛半田の不純物金属濃度検出装置
においては、温調ブロックの昇温速度または降温速度
は、1分間当たり0.1℃〜10℃に制御されることが
好ましい。また、試料容器が円筒形であり、熱障壁部が
本質的に空気層からなることが好ましい。試料容器の内
面と温調ブロックとの間の平均熱伝導率の値が0.04
〜0.5W/m・Kであることが好ましい。更に、基準
温度が、許容限度の濃度の不純物金属を含有する無鉛半
田について得られた外挿開始点または屈曲点の温度であ
り、情報処理部が、当該試料とされた無鉛半田について
その使用の可否を判定する機能を有することが好まし
い。
【0012】また、試料供給機構は、半田付け処理のた
めの半田浴槽から温度測定部の試料容器に伸びる溶融半
田供給管と、この溶融半田供給管を介して前記半田浴槽
内の溶融半田を試料として給送するポンプとを有するこ
とが好ましい。更に、不純物金属濃度が標準範囲にある
無鉛半田を収容する標準半田槽と、この標準半田槽内の
溶融半田を、温度測定部の試料容器内に供給する標準試
料供給管とを有する構成とすることができる。
【0013】
【作用】上記の無鉛半田の不純物金属濃度検出装置によ
れば、温度測定部に対する試料の供給が試料供給機構に
よって行われると共に、情報処理部において、必要な温
度変化曲線の作成、外挿開始点または屈曲点の温度の検
出および不純物金属の濃度の検出が自動的に短時間で行
われるため、試料に係る無鉛半田について、その濃度状
態をきわめて簡便に、しかも高い信頼性で検出すること
ができ、当該試料に係る無鉛半田が使用に適するもので
あるか否かをきわめて容易に知ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。図1は、本発明の無鉛半田の不純物金属濃度検
出装置の温度測定部の一例における構成の概略を示す説
明用断面図である。この温度測定部においては、無鉛半
田よりなる試料Sを収容する試料容器10と、この試料
容器10が配置される試料室12が中央部に形成された
温調ブロック15と、この温調ブロック15の外周部に
配設された電熱ヒータ18とにより構成されており、試
料容器10は、その全体が、空気層からなる熱障壁部2
0を介して温調ブロック15により包囲された状態で試
料室12内に配置され、この試料容器10内の試料Sの
温度を直接的に測定する、例えば熱電対よりなる温度セ
ンサー22が設けられている。
【0015】以上において、試料容器10としては、例
えばステンレス鋼製の円筒形容器を好ましく用いること
ができる。この試料容器10は、試料室12内におい
て、温調ブロック15との間で接触熱伝導による熱の移
動量が少ない状態で支持されることが好ましい。このよ
うな理由から、試料容器10の外周面および底壁の外面
は、試料室12の内周面および底壁の内面と離間し、そ
れらの間に均一な空隙層が形成された状態となるよう、
例えば温度センサー22によって支持される。また、必
要に応じて、例えば試料容器10の上縁および下縁の各
々に半径方向外方に突出し、先端が試料室12の内周面
に対接されるスペーサ用ピンを設けることにより、熱障
壁部20となる空間が形成された状態で試料容器10を
支持する構成とすることもできる。この熱障壁部20の
空間には、ガラスウールなどの適宜の断熱材を充填する
ことが好ましい。
【0016】温調ブロック15の上面には、金属製のカ
バーディスク24が設けられ、これに支持された容器保
持板26により、試料容器10の上縁開口部が保持され
ている。
【0017】温調ブロック15は、大きな熱慣性を有す
る例えば銅クロムにより形成されており、電熱ヒータ1
8により加熱されることによって高温となり、それによ
り、熱障壁部20および試料容器10の壁を介して試料
Sが加熱される。
【0018】図2は、本発明の無鉛半田の不純物金属濃
度検出装置の試料供給機構の一例における概要を示す説
明図である。この試料供給機構30は、半田付け処理の
ための半田浴槽33内から温度測定部31の試料容器1
0に伸び、図1に示されているように当該試料容器10
の上部位置に開口する溶融半田供給管341が設けられ
ると共に、試料容器10の底壁の近傍に開口して外部に
伸びて半田浴槽33に至る溶融半田排出管342が設け
られており、更に、溶融半田供給管341には、溶融半
田用ポンプ35が介挿されると共に、ポンプ35と半田
浴槽33との間にコック34aが設けられている。
【0019】また、不純物金属濃度が標準範囲にある無
鉛半田を収容する標準半田槽41が設けられると共に、
この標準半田槽41から伸び、溶融半田供給管341に
ポンプ35とコック34aとの間の位置に連通する標準
半田供給管42が設けられ、これにコック42aが介挿
されている。そして、温度測定部31、ポンプ35およ
び各コック34aおよび42aの動作状態を制御する制
御部32が設けられている。
【0020】更に、この装置は情報処理部を備えてお
り、この情報処理部においては、後述するところに従
い、温度センサー22よりの温度測定情報を処理して温
度変化曲線を作成する機能と、得られる温度変化曲線に
対して外挿開始点検出工程を行う機能と、予め記憶させ
ておいた基準温度との比較により濃度検出工程を行う機
能を有するコンピュータが備えられている。
【0021】上記において、温度測定部の構成について
の具体的な条件が限定されるものではないが、実用的に
は、試料容器10は、円筒形であることが好ましく、こ
れにより、目的とする温度変化曲線を安定に得ることが
できる。これは、温調ブロック15からの熱伝達が十分
に均一となるからである。
【0022】図1の例において、温調ブロック15の試
料Sに対する熱障壁は試料容器10の壁と熱障壁部20
とにより形成される。ここに、熱障壁部20の構成は、
原理的には限定されるものではないが、実際上、平均熱
伝導率λが0.04〜0.5W/m・Kである熱障壁が
形成されていることが好ましい。そして、これを達成す
るためには、熱障壁部20は空気層からなるものである
ことが好ましく、特にガラスウールなどの断熱材が充填
されることによって構成されていることが好ましい。
【0023】また、試料供給機構30における溶融半田
供給管341および溶融半田排出管342としては、そ
の内部を流通する溶融半田の溶融状態を維持することが
できるものであれば、特に制限されるものではないが、
いわゆるヒータパイプを用いることが好ましく、例え
ば、金属製パイプの外周面にテープヒータを巻回して構
成されたものを用いることもできる。
【0024】以上のような無鉛半田の不純物金属濃度検
出装置では、試料供給機構30のコック42aを閉じる
と共にコック34aを開いた状態としてポンプ35を駆
動することにより、溶融半田供給管341を介して、半
田浴槽33内の溶融半田が、温度測定部31において温
調ブロック15の試料室12内に配置された試料容器1
0内に導入されて充填される。同時に、試料容器10よ
りの溶融半田が溶融半田排出管342を介して半田浴槽
33に排出され、これにより、溶融半田が循環させられ
る。
【0025】そして、ポンプ35が停止された状態で、
温度測定部31において、試料容器10内の試料につい
て、次のような動作が行われる。すなわち、電熱ヒータ
18を動作させることにより温調ブロック15を一定の
昇温速度となるよう加熱してその温度を上昇させ、これ
により、試料容器10内の試料Sに、固体状態から固態
−液態相転移状態、あるいは固態−液態相転移状態から
液体状態への状態変化を生じさせ、このときの当該試料
Sの温度変化を温度センサー22により検出して温度変
化曲線を作成する。以上において、温調ブロック15の
昇温速度は実質的に一定であればよく、例えばその温度
変化曲線がほぼ直線状となるものであればよい。
【0026】そして、温度測定部31において上述の温
度測定が終了すると、制御部32から信号により、ポン
プ35が動作状態とされて溶融半田が循環状態とされ
る。
【0027】情報処理部において、温度センサー22よ
りの温度測定結果は、経過時間との関係でプロットされ
ることによって当該試料Sの温度変化曲線が形成され、
その温度変化曲線のプロファイルにおける特異点の温度
を求める外挿開始点検出工程または屈曲点検出工程が行
われる。ここに、温度変化曲線における特異点として
は、後述する外挿開始点または屈曲点が利用される。
【0028】図3は、99.5質量%の錫と0.5質量
%の銅よりなる無鉛半田を試料Sとして用いたときに得
られる試料Sの温度変化曲線を示す。この温度変化曲線
を得るために用いた装置の温度測定部は、直径40m
m、高さ40mmの銅クロム製の円柱状の温調ブロック
15の中央部に円筒状の試料室12が形成され、この試
料室12内に、外径10mm、内径8mm、高さ20m
m、底壁および周壁の厚み1mmのステンレス鋼製の円
筒状の試料容器10が温度センサー22により直接的に
支持され、試料容器10と試料室12の内壁面との間に
厚さが1mmの空隙層が形成され、この空隙層内にガラ
スウールが充填されて構成されたものである。そして、
電熱ヒータ18に接続されたコントローラにより、温調
ブロック15を室温から1分間当たり約5℃の昇温速度
で加熱することにより、当該温度変化曲線が得られた。
【0029】図3において、曲線Aは試料Sの温度変化
曲線であり、曲線Bは温調ブロック15の温度変化曲線
である。この曲線Aのプロファイルから、次のことが明
らかである。なお、各期間は、図4に示されている。 (1)固体期間a 加熱が開始されてから暫くの間は、試料Sは、固体状態
のまま、温調ブロック15と同様の温度勾配で昇温す
る。すなわち、この固体状態期間aにおいて、曲線A
は、曲線Bより僅かに下方位置ではあるが、同様の温度
勾配で時間と共に昇温している。これは、試料Sと温調
ブロック15との間に、試料容器10の壁と熱障壁部2
0とによる熱障壁が存在することにより、試料Sの温度
は温調ブロック15より僅かに低い温度状態ではある
が、熱的に並行な状態が維持されるからである。
【0030】(2)固態−液態相転移期間b 加熱時間が約20分間経過して温度が228.8℃に達
した時点において、曲線Aは、変曲点P1を介して勾配
が略一定となる。この例では略水平である。すなわち、
この変曲点P1の時点で、固体状態の試料Sが溶融を開
始し、試料Sは固態−液態相転移状態となり、固体状態
の試料Sが溶融する吸熱反応が継続して行われ、液体状
態が共存する。
【0031】(3)遷移期間c 加熱時間が約23.6分間を越えると、曲線Aは、水平
状態から、当初は緩やかにしかし次第に勾配が大きく上
昇する。これは、試料Sにおける各金属成分毎に固有の
物性に従って昇温するからである。 (4)液体期間d そして、温度が235.6℃に達すると、すべての金属
成分が液体状態で均一相を形成するため、曲線Aは、こ
の屈曲点P2を境に大きく上昇する。これは、熱が相転
移に消費される状態が終了し、しかもその時点では温調
ブロック15との温度差が相当に大きいために、試料S
の温度が大きい勾配で上昇するからである。そして、そ
の後は、再び温調ブロック15と同様の勾配で温度が上
昇するようになる。
【0032】而して、この曲線Aで示されるような温度
変化曲線において、変曲点P1に関する外挿開始点の温
度を、不純物金属の濃度が僅かに異なる状態の種々の無
鉛半田について求めたところ、当該外挿開始点の温度
と、不純物金属の濃度との間には比例的な関係があるこ
とが判明した。ここに、変曲点P1に関する外挿開始点
は、図4に示すように、固体期間aにおける勾配が一定
の基線を図で上方に延長した延長線Laと、固態−液態
相転移期間bにおける曲線Aの勾配が一定の線分を図で
左方に延長した延長線Lbとの交点Dの温度として求め
られるものである。
【0033】図5〜図7は、それぞれ、図3に係る無鉛
半田(Sn:99.5質量%、Cu:0.5質量%)
に、不純物金属として、鉛を0.52質量%、0.88
質量%および1.26質量%となる割合で混入させて得
られる無鉛半田試料についての温度変化曲線を示す図で
ある。これらの温度変化曲線Aのプロファイルから求め
られた外挿開始点の温度は、鉛の濃度が0.52質量%
では225.9℃、0.88質量%では223.8℃お
よび1.26質量%では222.4℃であった。
【0034】図8は、図3の曲線Aから得られた、鉛の
混入割合が0の上記無鉛半田の外挿開始点の温度(22
8.8℃)を含め、図5〜図7のグラフから得られた外
挿開始点の温度と、鉛の混入割合との関係を示すグラフ
である。この図8のグラフから、当該無鉛半田では、鉛
の混入割合が高くなると外挿開始点の温度が低下し、し
かも温度低下の程度が鉛の混入割合に対応しており、両
者の間には、負の比例的な直線的関係があることが明ら
かである。
【0035】以上のように、本発明の装置は、無鉛半田
に不純物金属が含有されている場合に、当該不純物金属
の濃度状態と、温度変化曲線のプロファイルから得られ
る外挿開始点の温度との間に一定の関係があることを利
用し、不純物金属の濃度状態が未知の無鉛半田の試料に
ついて、その温度変化曲線における外挿開始点の温度を
求めることにより、当該無鉛半田における不純物金属の
濃度状態を検出するものである。
【0036】すなわち、本発明の装置においては、その
不純物金属の濃度状態を知るべき無鉛半田を試料とし
て、上述したところに従い、先ず、一定の昇温速度で加
熱される温調ブロック15により、熱障壁を介して当該
試料を加熱することにより、その温度変化曲線を得る工
程が行われる。
【0037】次いで、この温度変化曲線におけるプロフ
ァイルから、変曲点P1に係る外挿開始点(D)の温度
を求める外挿開始点検出工程が行われ、得られた外挿開
始点の温度の値を、既知の濃度で不純物金属を含有する
同様の無鉛半田について同様の操作によって予め求めて
おいた外挿開始点の温度を基準温度としてこれと比較す
ることにより、当該試料Sに係る無鉛半田に含有される
不純物金属の濃度状態を検出する濃度検出工程が行われ
る。
【0038】例えば、上記の鉛を不純物金属として含有
する無鉛半田の例では、或る試料について得られた外挿
開始点の温度が224.0℃であれば、図8の直線を検
量線として用いることにより、当該試料に係る無鉛半田
における鉛の含有濃度は、約0.75質量%であること
が検出される。
【0039】以上において、温調ブロック15の昇温速
度は特に限定されるものではないが、例えば1分間当た
り0.1℃〜10℃の範囲で制御されることが好まし
い。この昇温速度が小さい場合には、必要な温度変化曲
線を得るための所要時間が長いものとなり、一方、昇温
速度が過大の場合には、明瞭な変曲点P1が現れないた
めに外挿開始点を特定することが困難となる場合があ
る。実際には、1分間当たり1℃〜7℃程度の範囲であ
ることが好ましい。昇温速度の制御は、例えば温調ブロ
ック15を加熱する電熱ヒータ18に対する電力の供給
を制御することによって行うことができる。
【0040】また、温度センサー22による温度測定結
果から温度変化曲線を得るための実際の処理は、情報処
理部において、温度センサー22よりの温度測定情報を
適宜のコンピュータ機能を利用して処理することによ
り、行われる。そして、この情報処理によって得られる
温度変化曲線について外挿開始点検出工程を行うことが
必要であり、更に、予め求められた基準温度とを比較し
て濃度検出工程を行うことが必要であるが、これらの工
程も、適宜のコンピュータ機能を利用して行うことがで
きる。
【0041】上記の無鉛半田の不純物金属濃度検出装置
によれば、採用している原理上の理由から、不純物金属
の濃度が例えば0.5質量%のような微小割合であって
も、その濃度状態を確実に検出することができる。然る
に、各種の無鉛半田における不純物金属の許容限度、す
なわちそれを超える濃度の不純物金属を含有する場合に
当該無鉛半田が使用に不適とされるときの当該不純物金
属の最高濃度は、無鉛半田の種類によっても異なるが、
概略、0.5〜3.0質量%の範囲内であり、従って、
本発明の装置が採用する原理によれば、そのような濃度
範囲の不純物金属を十分確実に検出することができるの
で、きわめて好適である。
【0042】そして、基準温度として、許容限度の濃度
の不純物金属を含有する無鉛半田について得られた外挿
開始点の温度を用いる場合には、当該基準温度に比較す
るのみで、試料とされた無鉛半田が実際に使用に適する
ものであるか否か、すなわち使用の可否を判定すること
ができる。
【0043】また、実際の半田浴において無鉛半田に混
入する不純物金属の種類は、通常、1種のみではない
が、混入される不純物金属のうちの主たる金属の種類は
ほとんどの場合に明らかであるから、当該主たる金属に
ついて、本発明の装置を用いてその濃度状態を検出する
ことにより、当該無鉛半田が使用に適するものであるか
否かを知ることができる。
【0044】そして、本発明の装置においては、実際
上、試料として少量、例えば0.1〜1cm3 程度の溶
融半田を試料容器10内に充填し、これを温調ブロック
15内に配置して加熱測定を行って温度変化曲線を得、
得られた温度変化曲線のプロファイルについて外挿開始
点検出工程を行い、更に濃度検出工程を行えばよいとこ
ろ、これらの実際の作業はコンピュータによって実行す
ることができるので、煩雑な作業が不要であり、温度変
化曲線を得るための操作も所要時間は通常数十分間から
長くても1時間程度以下であるため、きわめて短時間の
うちに、いわばリアルタイムで半田浴の無鉛半田につい
て不純物金属の濃度状態を検出することができる。
【0045】また、本発明の装置によって得られる結果
は、既述のとおりの原理によるものであり、実際に用い
られる無鉛半田は、その性質上、その必須成分の割合が
厳密に規定されているものであることもあって、外部か
ら混入した不純物金属の濃度状態をきわめて高い信頼性
で、確実にかつ容易に検出することができ、従って、特
に半田浴に使用されている無鉛半田に対する不純物金属
の濃度状態の検出に好適である。
【0046】そして、本発明の装置においては、試料供
給機構により、非測定時には、試料容器10を含む流路
によって溶融半田が循環していることにより、ポンプ3
5を停止するだけで直ちに測定を開始することができる
ので、任意の必要な時点において、あるいは予め設定さ
れた予定の時点において、実際に半田付け処理に実用さ
れている半田浴槽33の溶融半田について、その不純物
金属濃度の検出を自動的に実行することができる。
【0047】従って、この装置によれば、温度測定部に
おける温度測定動作による結果が情報処理部において直
ちに処理され、その後、あるいは並行して必要な情報処
理が行われることにより、短時間のうちに、試料Sにつ
いて、それに混入している不純物金属の濃度状態をほと
んど自動的に検出することができる。この検出された不
純物金属の濃度状態は、適宜の手段により、表示あるい
は報知されることが好ましい。
【0048】情報処理部を構成するコンピュータにおい
ては、既述のように、許容限度の濃度の不純物金属を含
有する無鉛半田について得られた外挿開始点の温度を基
準温度として用いて判定する機能を有していることが好
ましく、これにより、直ちに、試料に係る無鉛半田の使
用の可否を報知することができる。そして、この場合に
は、当該無鉛半田が使用に適するものでないことを、光
や音声によって報知する警報機能を設けておくこともで
き、この場合には、該当する場合に警報が発せられるこ
とにより、当該無鉛半田が使用に適しないものであるこ
とを直ちに知ることができ、従って当該無鉛半田の交換
あるいは不純物金属の希釈などの必要な措置を講ずるこ
とができる。
【0049】情報処理部においては、必要な情報処理が
なされれば、その処理結果のすべてが実際に認知可能な
状態のものとして作成されることは必ずしも必要ではな
い。例えば、上記の警報機能が備えられた装置において
は、実際に温度変化曲線が可視的なグラフとして作成さ
れること、求められた外挿開始点の具体的な温度値が表
示されること、あるいは外挿開始点の基準温度との差の
程度が表示されることなどが、具体的に行われる必要が
ない場合もある。
【0050】以上においては、試料についての温度変化
曲線を得るために、温調ブロックを一定の昇温速度で加
熱する場合について説明したが、試料を加熱して溶融さ
せ、これを例えば放置することにより、または適宜の冷
却促進手段や冷却抑制手段を用いることよって、一定の
降温速度で温調ブロックを冷却し、これによって試料
に、その液体状態から固態−液態相転移状態を経て固体
状態に移行させることによっても、上記の場合と全く同
一の温度変化曲線が得られる。従って、温度変化曲線を
得るために、このような冷却による方法を利用すること
もできる。
【0051】また、試料の温度変化曲線においては、図
3に示されているように、試料の固体状態から固態−液
態相転移状態に移行する際の変曲点P1に係る外挿開始
点以外に、試料の液体状態と固態−液態相転移状態との
間の屈曲点P2が現れるが、この屈曲点P2の温度もま
た、不純物金属の濃度状態に応じて変化するものである
ことが確認された。
【0052】この屈曲点の温度は、無鉛半田における不
純物金属の濃度が高くなると次第に高いものとなり、外
挿開始点の温度の場合と同様に、不純物金属の濃度と一
定の関係がある。従って、この屈曲点の温度を検出し、
それを、予め求めておいた既知の濃度の不純物金属を含
有する無鉛半田について同様にして求めておいた屈曲点
の温度を基準温度としてこれと比較することにより、上
記の外挿開始点を利用する場合と同様に、当該試料に係
る無鉛半田における不純物金属の濃度状態を検出するこ
とができる。
【0053】例えば図9は、99.3質量%の錫と0.
7質量%の銅よりなる無鉛半田を試料として用いた場合
の、図3と同様の温度変化曲線を示すグラフである。こ
の温度変化曲線から、屈曲点P2の温度は237.0℃
であることが明らかであり、銅の濃度が0.5質量%で
ある図3の場合に屈曲点P2の温度が235.6℃であ
ったことから、銅の濃度が高くなると当該屈曲点の温度
が高くなることが理解される。上記の増加分の銅は、種
類としては当該無鉛半田に対して「不純物金属」という
べきものではないかもしれないが、銅の濃度が0.5質
量%に規定された当該無鉛半田にとっては、その含有割
合が限度を超える点から、明らかに「不純物金属」とい
うべきものである。
【0054】このように、僅かに0.2質量%の不純物
金属の存在により、屈曲点の温度が明確に異なるものと
なるので、この方法による場合にも、当該不純物金属の
濃度状態を高い信頼性で検出することができる。
【0055】以上において、外挿開始点あるいは屈曲点
の温度を求めるためには、温度変化曲線は、当該外挿開
始点または屈曲点を含む温度領域についてのものであれ
ば十分であるから、固体状態から固態−液態相転移状態
を経て液体状態に至るまでの全温度範囲にわたって温度
変化曲線を得ることは、必ずしも必要ではなく、変曲点
P1に係る外挿開始点を利用する場合には、試料容器内
の試料が固体状態から固態−液態相転移状態の状態変化
あるいはその逆の状態変化が生ずるよう、温調ブロック
に温度変化を生じさせればよく、一方、屈曲点P2を利
用する場合には、試料が固態−液態相転移状態から液体
状態の状態変化あるいはその逆の状態変化が生ずるよ
う、温調ブロックに温度変化を生じさせればよい。
【0056】また、図2の例の構成によれば、標準半田
槽41および標準半田供給管42が設けられているの
で、適宜の時に、当該無鉛半田の不純物金属濃度検出装
置それ自体の機能の必要なチェックを行うことができ
る。すなわち、試料供給機構30のコック34aを閉じ
ると共にコック42aを開いた状態としてポンプ35を
駆動すると、標準半田槽41内に収容された、不純物金
属濃度が標準範囲にある無鉛半田が、標準半田供給管4
2を介して試料容器10内に供給されるので、当該標準
半田について上記と同様の測定を実行することができ、
既知のデータと照合することにより、当該不純物金属濃
度検出装置の動作状態について較正を行うことができ
る。
【0057】図11は、本発明の無鉛半田の不純物金属
濃度検出装置の温度測定部の他の例における構成の概略
を示す説明用断面図である。この図の例においては、温
度センサー22は、温度測定部31のカバーディスク2
4を上方から貫通して試料容器10内に伸びる構成とさ
れており、試料容器10は、容器保持板26のみによっ
て保持されている。
【0058】
【発明の効果】本発明の無鉛半田の不純物金属濃度検出
装置によれば、温度測定部に対する試料の供給が試料供
給機構によって行われると共に、情報処理部において、
必要な温度変化曲線の作成、外挿開始点または屈曲点の
温度の検出および不純物金属の濃度の検出が自動的に短
時間で行われるため、試料に係る無鉛半田について、そ
の濃度状態をきわめて簡便に、しかも高い信頼性で検出
することができ、当該試料に係る無鉛半田が使用に適す
るものであるか否かをきわめて容易に知ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無鉛半田の不純物金属濃度検出装置の
温度測定部の一例における構成の概略を示す説明用断面
図である。
【図2】本発明の無鉛半田の不純物金属濃度検出装置に
おける試料供給機構の概要を示す説明図である。
【図3】99.5質量%の錫と0.5質量%の銅よりな
る無鉛半田についての温度変化曲線を温調ブロックの温
度変化曲線と共に示すグラフである。
【図4】試料の温度変化曲線について、その外挿開始点
を求める手法についての説明図である。
【図5】図3に係る無鉛半田に、鉛を0.52質量%と
なる割合で混入させて得られる無鉛半田試料についての
温度変化曲線を示す図である。
【図6】図3に係る無鉛半田に、鉛を0.88質量%と
なる割合で混入させて得られる無鉛半田試料についての
温度変化曲線を示す図である。
【図7】図3に係る無鉛半田に、鉛を1.26質量%と
なる割合で混入させて得られる無鉛半田試料についての
温度変化曲線を示す図である。
【図8】鉛の混入割合が0のものを含め、図5〜図7の
グラフから得られた外挿開始点の温度と、鉛の混入割合
との関係を示すグラフである。
【図9】99.3質量%の錫と0.7質量%の銅よりな
る無鉛半田を試料として用いた場合の、図3と同様の温
度変化曲線を示すグラフである。
【図10】本発明の無鉛半田の不純物金属濃度検出装置
の温度測定部の他の例における構成の概略を示す説明用
断面図である。
【符号の説明】
S 試料 10 試料容器 12 試料室 15 温調ブロック 18 電熱ヒータ 20 熱障壁部 22 温度センサー 24 カバーディスク 26 容器保持板 30 試料供給機構 31 温度測定部 32 制御部 33 半田浴槽 34a コック 341 溶融半田供給管 342 溶融半田排出管 35 ポンプ 41 標準半田槽 42 標準半田供給管 42a コック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G040 AB02 AB12 BA24 BA25 CA02 CA03 CB03 DA02 DA14 EA02 EB02 EC08 HA08 HA11 HA16 ZA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無鉛半田よりなる試料を収容する試料容
    器と、この試料容器を熱障壁部を介して包囲する温調ブ
    ロックと、この温調ブロックを一定の昇温速度または降
    温速度で温度変化するよう制御する加熱機構または冷却
    機構と、前記試料の温度を測定する温度センサーとを含
    む温度測定部と、 この温度測定部の試料容器内に、溶融半田を試料として
    供給する試料供給機構と、 前記温度測定部の試料容器内において、試料が固体状態
    から固態−液態相転移状態への状態変化またはその逆の
    状態変化を生ずるときに前記温度センサーにより得られ
    る当該試料の温度変化曲線における、当該試料の状態変
    化を生ずるときの外挿開始点の温度を求める外挿開始点
    検出機能と、この外挿開始点検出機能により得られる外
    挿開始点の温度を、既知の濃度の不純物金属を含有する
    当該無鉛半田について同様にして予め求めておいた外挿
    開始点の温度を基準温度として比較することにより、当
    該試料における不純物金属の濃度状態を求める濃度検出
    機能とを有する情報処理部と、を備えてなることを特徴
    とする無鉛半田の不純物金属濃度検出装置。
  2. 【請求項2】 無鉛半田よりなる試料を収容する試料容
    器と、この試料容器を熱障壁部を介して包囲する温調ブ
    ロックと、この温調ブロックを一定の昇温速度または降
    温速度で温度変化するよう制御する加熱機構または冷却
    機構と、前記試料の温度を測定する温度センサーとを含
    む温度測定部と、 この温度測定部の試料容器内に、溶融半田を試料として
    供給する試料供給機構と、 前記温度測定部の試料容器内において、試料が固態−液
    態相転移状態から液体状態への状態変化またはその逆の
    状態変化を生ずるときに前記温度センサーにより得られ
    る当該試料の温度変化曲線における、当該試料の状態変
    化を生ずるときの屈曲点の温度を求める屈曲点検出機能
    と、この屈曲点検出機能により得られる屈曲点の温度
    を、既知の濃度の不純物金属を含有する当該無鉛半田に
    ついて同様にして予め求めておいた屈曲点の温度を基準
    温度として比較することにより、当該試料における不純
    物金属の濃度状態を求める濃度検出機構とを有する情報
    処理部と、を備えてなることを特徴とする無鉛半田の不
    純物金属濃度検出装置。
  3. 【請求項3】 温調ブロックの昇温速度または降温速度
    が1分間当たり0.1℃〜10℃に制御されることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の無鉛半田の不
    純物金属濃度検出装置。
  4. 【請求項4】 試料容器が円筒形であり、熱障壁部が本
    質的に空気層からなることを特徴とする請求項1〜請求
    項3のいずれかに記載の無鉛半田の不純物金属濃度検出
    装置。
  5. 【請求項5】 試料容器の内面と温調ブロックとの間の
    平均熱伝導率の値が0.04〜0.5W/m・Kである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載
    の無鉛半田の不純物金属濃度検出装置。
  6. 【請求項6】 基準温度が、許容限度の濃度の不純物金
    属を含有する無鉛半田について得られた外挿開始点また
    は屈曲点の温度であり、情報処理部が、当該試料とされ
    た無鉛半田についてその使用の可否を判定する機能を有
    することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに
    記載の無鉛半田の不純物金属濃度検出装置。
  7. 【請求項7】 試料供給機構は、半田付け処理のための
    半田浴槽から温度測定部の試料容器に伸びる溶融半田供
    給管と、この溶融半田供給管を介して前記半田浴槽内の
    溶融半田を試料として給送するポンプとを有することを
    特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の無鉛
    半田の不純物金属濃度検出装置。
  8. 【請求項8】 不純物金属濃度が標準範囲にある無鉛半
    田を収容する標準半田槽と、この標準半田槽内の溶融半
    田を、温度測定部の試料容器内に供給する標準試料供給
    管とを有することを特徴とする請求項7に記載の無鉛半
    田の不純物金属濃度検出装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009168569A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Nihon Superior Co Ltd 溶融金属の監視システム
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