JP2003139692A - 全反射減衰を利用したセンサー - Google Patents

全反射減衰を利用したセンサー

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JP2003139692A
JP2003139692A JP2001339513A JP2001339513A JP2003139692A JP 2003139692 A JP2003139692 A JP 2003139692A JP 2001339513 A JP2001339513 A JP 2001339513A JP 2001339513 A JP2001339513 A JP 2001339513A JP 2003139692 A JP2003139692 A JP 2003139692A
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light beam
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Takashi Otsuka
尚 大塚
Mitsuru Sawano
充 沢野
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の受光素子を備えた全反射減衰を利用し
たセンサーにおいて、検出信号特性を向上させる。 【解決手段】 誘電体ブロック10と、光ビーム13を発生
させる光源14と、光ビーム13を誘電体ブロック10と金属
膜12との界面10bに対して種々の入射角が得られるよう
に入射させる光学系15と、上記界面10bで全反射した光
ビーム13を検出する受光素子16、17等からなる全反射減
衰を利用したセンサーにおいて、誘電体ブロック10と受
光素子16、17との間に2分割プリズム50を設け、この2
分割プリズム50により2方向に分割された光ビーム13の
それぞれを、略全て検出可能なように受光素子16、17を
配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面プラズモンの
発生を利用して試料中の物質を定量分析する表面プラズ
モンセンサー等の、全反射減衰を利用したセンサーに関
し、特に詳細には、全反射減衰によって測定光に生じる
暗線を光検出手段を用いて検出する全反射減衰を利用し
たセンサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属中においては、自由電子が集団的に
振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そし
て、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、
表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】従来より、この表面プラズモンが光波によ
って励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分
析する表面プラズモンセンサーが種々提案されている。
そして、それらの中で特に良く知られているものとし
て、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げ
られる(例えば特開平6−167443号参照)。
【0004】上記の系を用いる表面プラズモンセンサー
は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロ
ックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に
接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源
と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体
ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られ、かつ
表面プラズモン共鳴による全反射減衰が生じ得るように
種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射し
た光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状
態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを
備えてなるものである。
【0005】なお上述のように種々の入射角を得るため
には、比較的細い光ビームを入射角を変えて上記界面に
入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で
入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを
上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させ
てもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の
変化にしたがって反射角が変化する光ビームを、上記反
射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって
検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセ
ンサによって検出することができる。一方後者の場合
は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光でき
る方向に延びるエリアセンサによって検出することがで
きる。
【0006】上記構成の表面プラズモンセンサーにおい
て、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射
角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中
に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネ
ッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズ
モンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが
表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立してい
るとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面
プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜と
の界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強
度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検
出される。
【0007】なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光の
ときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入
射するように予め設定しておく必要がある。
【0008】この全反射減衰(ATR)が生じる入射角
θSPから表面プラズモンの波数が分かると、試料の誘
電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をK
SP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光
速、εとεをそれぞれ金属、試料の誘電率とす
ると、以下の関係がある。
【0009】
【数1】 試料の誘電率εが分かれば、所定の較正曲線等に基
づいて試料中の特定物質の濃度が分かるので、結局、上
記反射光強度が低下する入射角θSPを知ることによ
り、試料の誘電率つまりは屈折率に関連する特性を求め
ることができる。
【0010】また、全反射減衰(ATR)を利用する類
似のセンサーとして、例えば「分光研究」第47巻 第
1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27
頁に記載がある漏洩モードセンサーも知られている。こ
の漏洩モードセンサーは基本的に、例えばプリズム状に
形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一
面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形
成されて、試料に接触させられる光導波層と、光ビーム
を発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロッ
クに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で
全反射条件が得られ、かつ光導波層での導波モードの励
起による全反射減衰が生じ得るように種々の角度で入射
させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度
を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状
態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0011】上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、
光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して
全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層
を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を
有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するよう
になる。こうして導波モードが励起されると、入射光の
ほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全
反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依
存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知る
ことによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の
特性を分析することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来の全
反射減衰を利用したセンサーにおいては、プリズムと薄
膜層との界面で反射した光ビームの強度を反射角毎に検
出するために、前述したように光ビームの偏向に同期移
動する光検出器や、広い受光面を有するCCDエリアセ
ンサ等を用いていた。
【0013】前者の場合は、全反射解消角の測定範囲に
関して比較的大きなダイナミックレンジを確保できる
が、その反面、機械的な駆動機構が必要になることか
ら、試料分析を高速で行なうのは困難となっている。
【0014】一方後者の場合は、高速分析が可能である
反面、CCD等のエリアセンサの分解能、電荷蓄積のダ
イナミックレンジが低いことから、高い分析精度を確保
するのは困難となっている。
【0015】このような事情に鑑み、本出願人は先に、
第1の反射角範囲と第2の反射角範囲にある反射光をそ
れぞれ2分割フォトダイオード等によって別個に検出
し、それら各反射光の光強度検出信号を比較した結果に
基づいて全反射解消角θSPを求める構成を提案した
(特開平9−292334号公報参照)。
【0016】また、本出願人はさらに、上記特開平9−
292334号を改良するために、種々の角度の反射光
を複数の受光素子によって別個に検出し、各受光素子が
出力する光検出信号を、受光素子の並設方向に関して微
分した結果に基づいて全反射解消角θSPを求める構成
を提案した(特開平11−326194号公報参照)。
【0017】ところで、上記特開平9−292334号
公報よび特開平11−326194号公報に記載された
ような複数の受光素子を備えた全反射減衰を利用したセ
ンサーにおいて、前記界面で種々の角度で反射した光ビ
ームを複数の受光素子で検出する場合、各受光素子間に
隙間があるため、この隙間の部分が不感帯となってしま
うため、検出信号の直線性の悪化やノイズの発生等の問
題を生じる。
【0018】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、複数の受光素子を備えた全反射減衰を利用したセ
ンサーにおいて、検出信号特性のよい全反射減衰を利用
したセンサーを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の全反射減
衰を利用したセンサーは、誘電体ブロックと、この誘電
体ブロックの一面に形成されて、試料に接触させられる
薄膜層と、光ビームを発生させる光源と、光ビームを誘
電体ブロックに対して、誘電体ブロックと薄膜層との界
面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させ
る光学系と、前記界面で全反射した光ビームの強度を測
定して、全反射減衰の状態を検知する複数の受光素子か
らなる光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用した
センサーにおいて、誘電体ブロックと光検出手段との間
の光ビームの光路上に、前記界面で反射した種々の角度
の光ビームを複数に分割する光ビーム分割手段を備え、
複数の受光素子の各々が、分割された光ビームのそれぞ
れを略全て検出可能な位置に配されていることを特徴と
するものである。
【0020】また、本発明の第2の全反射減衰を利用し
たセンサーは、誘電体ブロックと、この誘電体ブロック
の一面に形成されて、試料に接触させられる金属膜と、
光ビームを発生させる光源と、光ビームを誘電体ブロッ
クに対して、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射
条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系
と、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、
表面プラズモン共鳴に伴う全反射減衰の状態を検知する
複数の受光素子からなる光検出手段とを備えてなる全反
射減衰を利用したセンサーにおいて、誘電体ブロックと
光検出手段との間の光ビームの光路上に、前記界面で反
射した種々の角度の前記光ビームを複数に分割する光ビ
ーム分割手段を備え、複数の受光素子の各々が、分割さ
れた光ビームのそれぞれを略全て検出可能な位置に配さ
れていることを特徴とするものである。
【0021】さらに、本発明の第3の全反射減衰を利用
したセンサーは、誘電体ブロックと、この誘電体ブロッ
クの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の
上に形成されて、試料に接触させられる光導波層と、光
ビームを発生させる光源と、光ビームを誘電体ブロック
に対して、誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反
射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系
と、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、
光導波層での導波モードの励起に伴う全反射減衰の状態
を検知する複数の受光素子からなる光検出手段とを備え
てなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて、誘電体
ブロックと光検出手段との間の光ビームの光路上に、前
記界面で反射した種々の角度の前記光ビームを複数に分
割する光ビーム分割手段を備え、複数の受光素子の各々
が、分割された光ビームのそれぞれを略全て検出可能な
位置に配されていることを特徴とするものである。
【0022】上記第1から第3の全反射減衰を利用した
センサーにおいて、光ビーム分割手段は、前記界面で反
射した種々の角度の光ビームの一部を、光ビームの反射
方向と異なる方向に偏向する光学部材を含むものにより
実現可能である。この光学部材には、例えばミラーやプ
リズム等を用いる。
【0023】
【発明の効果】本発明の全反射減衰を利用したセンサー
によれば、誘電体ブロックと光検出手段との間の光ビー
ムの光路上に設けた光ビーム分割手段により、界面で反
射した種々の角度の光ビームを複数に分割し、この分割
した光ビームのそれぞれを複数の受光素子の各々が略全
て検出することにより、各受光素子間での不感帯を生じ
ない検出が可能となり、検出信号の特性を向上させるこ
とができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。本発明の第1の実施形態の
全反射減衰を利用したセンサーは、表面プラズモン共鳴
を利用した表面プラズモンセンサーであり、図1は表面
プラズモンセンサーの側面形状を示すものである。
【0025】この表面プラズモンセンサーは、例えば概
略四角錐の一部が切り取られた形状とされた誘電体ブロ
ック10と、この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)
に形成された、例えば金、銀、銅、アルミニウム等から
なる金属膜12とを有している。
【0026】誘電体ブロック10は例えば透明樹脂等から
なり、金属膜12が形成された部分の周囲が嵩上げされた
形とされ、この嵩上げされた部分10aは液体の試料11を
貯える試料保持部として機能する。
【0027】なお本例では、金属膜12の上に液体試料11
の中の特定物質と結合するセンシング媒体30を固定して
いる。金属膜12上にセンシング媒体30を固定し、液体試
料11とセンシング媒体30との結合状態に応じたセンシン
グ媒体30の屈折率の変化に基づく全反射減衰の変化の様
子を測定することにより、この結合状態の変化の様子を
調べることができる。すなわち、液体試料11およびセン
シング媒体30の双方が、分析対象の試料となる。そのよ
うな特定物質とセンシング媒体30との組合せとしては、
例えば抗原と抗体等が挙げられる。
【0028】誘電体ブロック10は金属膜12とともに、使
い捨ての測定チップを構成しており、例えばターンテー
ブル31に複数設けられたチップ保持孔31aに1個ずつ嵌
合固定される。誘電体ブロック10がこのようにターンテ
ーブル31に固定された後、ターンテーブル31が一定角度
ずつ間欠的に回動され、所定位置に停止した誘電体ブロ
ック10に対して液体試料11が滴下され、該液体試料11が
試料保持部10a内に保持される。その後さらにターンテ
ーブル31が一定角度回動されると、誘電体ブロック10が
この図1に示した測定位置に送られ、そこで停止する。
【0029】本実施形態の表面プラズモンセンサーは、
上記誘電体ブロック10に加えてさらに、1本の光ビーム
13を発生させる半導体レーザ等からなる光源14(以下、
レーザ光源14という)と、上記光ビーム13を誘電体ブロ
ック10に通し、該誘電体ブロック10と金属膜12との界面
10bに対して、種々の入射角が得られるように入射させ
る光学系15と、界面10bで全反射した種々の角度の光ビ
ーム13を分割して出射する分割プリズム50と、分割プリ
ズム50から出射された光ビーム13の光量を検出する第1
の受光素子16および第2の受光素子17と、これらの受光
素子16、17に接続された比較器18とを備えている。
【0030】入射光学系15は、レーザ光源14から発散光
状態で出射した光ビーム13を平行光化するコリメーター
レンズ15aと、該平行光化された光ビーム13を反射光学
系4を介して上記界面5a上で収束させる集光レンズ15
bとから構成されている。
【0031】光ビーム13は、集光レンズ15bにより上述
のように集光されるので、界面10bに対して種々の入射
角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入射角
θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビーム
13は界面10bで全反射し、この反射した光ビーム13に
は、種々の反射角で反射する成分が含まれることにな
る。なお、上記光学系15は、光ビーム13を界面10bにデ
フォーカス状態で入射させるように構成されてもよい。
そのようにすれば、表面プラズモン共鳴の状態検出(例
えば前記暗線の位置測定)の誤差が平均化されて、測定
精度が高められる。
【0032】なお光ビーム13は、界面10bに対してp偏
光で入射させる。そのようにするためには、予めレーザ
光源14をその偏光方向が所定方向となるように配設すれ
ばよい。その他、波長板で光ビーム13の偏光の向きを制
御してもよい。
【0033】光ビーム分割手段として用いられる分割プ
リズム50は、一例として、界面10bで反射した種々の角
度の光ビーム13のうち、第1の反射角範囲(比較的低角
度の範囲)にある成分の光量を第1の方向に出射し、第
2の反射角範囲(比較的高角度の範囲)にある成分の光
量を第2の方向に出射する2分割プリズムを用いる。
【0034】なお、本実施の形態においては受光素子が
2つであるため2分割プリズムを用いたが、例えば、受
光素子が3つの場合は光ビーム分割手段により光ビーム
を3分割する等、光検出手段が備える受光素子の数に合
わせて、光ビーム分割手段の光ビーム分割数を適宜変更
する必要がある。また、光ビーム分割手段としては、分
割プリズム以外にも、図2に示すように、界面10bで反
射した種々の角度の光ビーム13の一部の光路上に、光ビ
ーム13の反射方向と異なる方向に偏向するミラー51(図
2(A)参照)や反射プリズム52(図2(B)参照)等
を配置して分割してもよい。
【0035】第1の受光素子16および第2の受光素子17
は、一例としてフォトダイオードを用いる。第1の受光
素子16は分割プリズム50から第1の方向に出射された成
分の光量を略全て検出可能なように配され、第2の受光
素子17は分割プリズム50から第2の方向に出射された成
分の光量を略全て検出可能なように配されている。上記
受光素子16、17には、フォトダイオード以外にも、自己
増倍機能を有するAPD(Avalanche Photo Diode)や
フォトトランジスタ、焦電素子、ガスセル等のあらゆる
検出器を用いることができる。
【0036】以下、上記構成の表面プラズモンセンサー
による試料分析について説明する。上述のように集光さ
れた光ビーム13が、界面10bに向けて照射される。該誘
電体ブロック10と金属膜12との界面10bで全反射した種
々の角度の光ビーム13は、分割プリズム50に入射し、こ
の分割プリズム50より2つの方向に出射される。この2
つの方向に出射された光ビーム13はそれぞれ第1の受光
素子16および第2の受光素子17によって検出される。
【0037】このとき第1の受光素子16が出力する光量
検出信号S1と、第2の受光素子17が出力する光量検出
信号S2は比較器18に入力され、比較器18はそれら両信
号S1、S2の差分を示す差分信号Sを出力する。
【0038】ここで、界面10bにある特定の入射角θ
SPで入射した光は、金属膜12とセンシング媒体30との
界面に表面プラズモンを励起させるので、この光につい
ては反射光強度Iが鋭く低下する。つまり、全反射した
光ビーム13の強度Iと入射角θとの関係は概ね図3の
(A)、(B)にそれぞれ曲線a、bで示すようなもの
となる。この全反射減衰(ATR)入射角θSPや、反
射光強度Iと入射角θとの関係曲線が分かれば、分析対
象試料を定量分析することができる。以下、その理由を
詳しく説明する。
【0039】上記第1の反射角範囲と第2の反射角範囲
とが連続していて、それら両範囲の境界の反射角がθ
であるとすると、反射角θよりも反射角が小さ
い範囲、大きい範囲の光が各々受光素子16、17により検
出される。
【0040】一例として、θよりも反射角が小さい
範囲の光が第1の受光素子16によって検出され、θ
よりも反射角が大きい範囲の光ビームが第2の受光素子
17によって検出されるものとすると、第1の受光素子16
は図3の(A)、(B)でそれぞれ斜線を付した範囲の
光を検出することになり、その検出光量は(A)の場合
よりも(B)の場合の方が大きくなる。反対に、第2の
受光素子17による検出光量は(A)の場合よりも(B)
の場合の方が小さくなる。このように、第1の受光素子
16の検出光量と第2の受光素子17の検出光量は、反射角
θと反射光強度Iとの関係に応じた特有の差異を生じる
ことになる。
【0041】したがって、予め求めてある各試料毎の検
量線等を参照すれば、第1の受光素子16が出力する光量
検出信号S1と、第2の受光素子17が出力する光量検出
信号S2との差を示す比較器18の出力、すなわち差分信
号Sに基づいて、分析対象試料に関する全反射減衰(A
TR)反射角θSPや、反射角θと反射光強度Iとの関
係曲線を推定可能となり、分析対象試料の物質を定量分
析できるようになる。
【0042】次に、図4を参照して本発明の第2の実施
の形態について説明する。なおこの図4において、図1
中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それら
についての説明は特に必要の無い限り省略する。
【0043】本実施の形態の全反射減衰を利用したセン
サーは、第1の実施の形態で説明した表面プラズモンセ
ンサーを漏洩モードセンサーに変更したものであり、本
例でも測定チップ化された誘電体ブロック10を用いるよ
うに構成されている。この誘電体ブロック10の一面(図
中の上面)にはクラッド層40が形成され、さらにその上
には光導波層41が形成されている。
【0044】誘電体ブロック10は、例えば合成樹脂やB
K7等の光学ガラスを用いて形成されている。一方クラ
ッド層40は、誘電体ブロック10よりも低屈折率の誘電体
や、金等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また
光導波層41は、クラッド層40よりも高屈折率の誘電体、
例えばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されてい
る。クラッド層40の膜厚は、例えば金薄膜から形成する
場合で36.5nm、光導波層41の膜厚は、例えばPMMA
から形成する場合で700nm程度とされる。
【0045】上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、
レーザ光源14から出射した光ビーム13を誘電体ブロック
10を通してクラッド層40に対して全反射角以上の入射角
で入射させると、該光ビーム13が誘電体ブロック10とク
ラッド層40との界面10bで全反射するが、クラッド層40
を透過して光導波層41に特定入射角で入射した特定波数
の光は、該光導波層41を導波モードで伝搬するようにな
る。こうして導波モードが励起されると、入射光のほと
んどが光導波層41に取り込まれるので、上記界面10bで
全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じ
る。
【0046】光導波層41における導波光の波数は、該光
導波層41の上の液体試料11の屈折率に依存するので、全
反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、
液体試料11の屈折率や、それに関連する液体試料11の特
性を分析することができる。
【0047】本実施の形態においても第1の実施の形態
と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による表面プラズモ
ンセンサーの側面図
【図2】光ビーム分割手段の一例を示す図
【図3】表面プラズモンセンサーにおける光ビーム入射
角と、光検出手段による検出光強度との概略関係を示す
グラフ
【図4】本発明の第2の実施の形態による漏洩モードセ
ンサーの側面図
【符号の説明】
10 誘電体ブロック 10a 誘電体ブロックの試料保持部 10b 誘電体ブロックと金属膜との界面 11 試料 12 金属膜 13 光ビーム 14 半導体レーザ等 15 光学系 16、17 受光素子 18 比較器 30 センシング媒体 31 ターンテーブル 40 クラッド層 41 光導波層 50 分割プリズム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G057 AA02 AB04 AB07 AC01 BA01 BB01 BB06 BC07 HA04 2G058 BB14 CC11 CD04 EA02 EA11 GA02 2G059 AA01 BB04 BB12 CC16 EE02 EE05 FF04 GG01 GG04 JJ11 JJ12 JJ17 JJ19 JJ25 KK03 KK04 MM01 MM03 MM09 MM11 MM12 PP04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる薄膜層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    ように種々の角度で入射させる光学系と、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、全反
    射減衰の状態を検知する複数の受光素子からなる光検出
    手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーにお
    いて、 前記誘電体ブロックと前記光検出手段との間の前記光ビ
    ームの光路上に、前記界面で反射した種々の角度の前記
    光ビームを複数に分割する光ビーム分割手段を備え、 前記複数の受光素子の各々が、前記分割された光ビーム
    のそれぞれを略全て検出可能な位置に配されていること
    を特徴とする全反射減衰を利用したセンサー。
  2. 【請求項2】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる金属膜と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記金属膜との界面で全反射条件が得られる
    ように種々の角度で入射させる光学系と、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、表面
    プラズモン共鳴に伴う全反射減衰の状態を検知する複数
    の受光素子からなる光検出手段とを備えてなる全反射減
    衰を利用したセンサーにおいて、 前記誘電体ブロックと前記光検出手段との間の前記光ビ
    ームの光路上に、前記界面で反射した種々の角度の前記
    光ビームを複数に分割する光ビーム分割手段を備え、 前記複数の受光素子の各々が、前記分割された光ビーム
    のそれぞれを略全て検出可能な位置に配されていること
    を特徴とする全反射減衰を利用したセンサー。
  3. 【請求項3】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、 このクラッド層の上に形成されて、試料に接触させられ
    る光導波層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記クラッド層との界面で全反射条件が得ら
    れるように種々の角度で入射させる光学系と、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、前記
    光導波層での導波モードの励起に伴う全反射減衰の状態
    を検知する複数の受光素子からなる光検出手段とを備え
    てなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて、 前記誘電体ブロックと前記光検出手段との間の前記光ビ
    ームの光路上に、前記界面で反射した種々の角度の前記
    光ビームを複数に分割する光ビーム分割手段を備え、 前記複数の受光素子の各々が、前記分割された光ビーム
    のそれぞれを略全て検出可能な位置に配されていること
    を特徴とする全反射減衰を利用したセンサー。
  4. 【請求項4】 前記光ビーム分割手段が、前記界面で反
    射した種々の角度の光ビームの一部を、該光ビームの反
    射方向と異なる方向に偏向する光学部材を含むものであ
    ることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載
    の全反射減衰を利用したセンサー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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