JP2003149140A - 全反射減衰を利用したセンサー - Google Patents

全反射減衰を利用したセンサー

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JP2003149140A
JP2003149140A JP2001346209A JP2001346209A JP2003149140A JP 2003149140 A JP2003149140 A JP 2003149140A JP 2001346209 A JP2001346209 A JP 2001346209A JP 2001346209 A JP2001346209 A JP 2001346209A JP 2003149140 A JP2003149140 A JP 2003149140A
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dielectric block
light
total reflection
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JP2001346209A
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Masayuki Naya
昌之 納谷
Toshiaki Fukunaga
敏明 福永
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全反射減衰を利用したセンサーにおいて、光
源の発熱の影響を、測定部に及ぼさないようにする。 【解決手段】 レーザ光源14と、誘電体ブロック10、お
よびレーザ光源14により発生された光ビーム13を誘電体
ブロック10と金属膜12との界面10bに対して種々の入射
角が得られるように入射させる光学系15等からなる測定
部と、上記界面10bで全反射した光ビーム13を平行光化
するコリメーターレンズ16と、この平行光化された光ビ
ーム13を検出する光検出手段17等からなる全反射減衰を
利用したセンサーにおいて、レーザ光源14と、測定部と
を、光ファイバ52を用いて分離し、レーザ光源14から発
せられる熱が測定部に影響を及ぼさない位置にレーザ光
源14を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面プラズモンの
発生を利用して試料中の物質を定量分析する表面プラズ
モンセンサー等の、全反射減衰を利用したセンサーに関
し、特に詳細には、全反射減衰によって測定光に生じる
暗線を光検出手段を用いて検出する全反射減衰を利用し
たセンサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属中においては、自由電子が集団的に
振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そし
て、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、
表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】従来より、この表面プラズモンが光波によ
って励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分
析する表面プラズモンセンサーが種々提案されている。
そして、それらの中で特に良く知られているものとし
て、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げ
られる(例えば特開平6−167443号参照)。
【0004】上記の系を用いる表面プラズモンセンサー
は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロ
ックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に
接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源
と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体
ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られ、かつ
表面プラズモン共鳴による全反射減衰が生じ得るように
種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射し
た光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状
態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを
備えてなるものである。
【0005】なお上述のように種々の入射角を得るため
には、比較的細い光ビームを入射角を変えて上記界面に
入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で
入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを
上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させ
てもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の
変化にしたがって反射角が変化する光ビームを、上記反
射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって
検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセ
ンサによって検出することができる。一方後者の場合
は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光でき
る方向に延びるエリアセンサによって検出することがで
きる。
【0006】上記構成の表面プラズモンセンサーにおい
て、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射
角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中
に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネ
ッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズ
モンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが
表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立してい
るとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面
プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜と
の界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強
度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検
出される。
【0007】なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光の
ときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入
射するように予め設定しておく必要がある。
【0008】この全反射減衰(ATR)が生じる入射角
θSPから表面プラズモンの波数が分かると、試料の誘
電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をK
SP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光
速、εとεをそれぞれ金属、試料の誘電率とす
ると、以下の関係がある。
【0009】
【数1】 試料の誘電率εが分かれば、所定の較正曲線等に基
づいて試料中の特定物質の濃度が分かるので、結局、上
記反射光強度が低下する入射角θSPを知ることによ
り、試料の誘電率つまりは屈折率に関連する特性を求め
ることができる。
【0010】また、全反射減衰(ATR)を利用する類
似のセンサーとして、例えば「分光研究」第47巻 第
1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27
頁に記載がある漏洩モードセンサーも知られている。こ
の漏洩モードセンサーは基本的に、例えばプリズム状に
形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一
面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形
成されて、試料に接触させられる光導波層と、光ビーム
を発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロッ
クに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で
全反射条件が得られ、かつ光導波層での導波モードの励
起による全反射減衰が生じ得るように種々の角度で入射
させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度
を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状
態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0011】上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、
光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して
全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層
を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を
有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するよう
になる。こうして導波モードが励起されると、入射光の
ほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全
反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依
存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知る
ことによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の
特性を分析することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上説明し
たタイプの従来の表面プラズモンセンサーや漏洩モード
センサーにおいては、装置内の誘電体ブロック周囲の温
度によって、試料の屈折率が変化してしまうため、測定
を行う際には一定の温度環境下で行う必要がある。
【0013】しかしながら、装置に内蔵される光源は相
当量の熱を発するものであり、測定を行う際に光源の熱
が誘電体ブロックや光学系等の測定部に影響を及ぼすこ
とが懸念される。
【0014】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、測定部において光源の発熱の影響を受けない全
反射減衰を利用したセンサーを提供することを目的とす
るものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の全反
射減衰を利用したセンサーは、光ビームを発生させる光
源と、誘電体ブロック、誘電体ブロックの一面に形成さ
れて試料に接触させられる薄膜層、および光ビームを誘
電体ブロックに対して誘電体ブロックと薄膜層との界面
で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる
光学系からなる測定部と、光源より発せられる光ビーム
を光学系に導光する所定長以上の長さをもった光ファイ
バと、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定し
て、全反射減衰の状態を検知する光検出手段とからなる
ことを特徴とするものである。
【0016】本発明による第2の全反射減衰を利用した
センサーは、光ビームを発生させる光源と、誘電体ブロ
ック、誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触さ
せられる金属膜、および光ビームを誘電体ブロックに対
して誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得
られるように種々の角度で入射させる光学系からなる測
定部と、光源より発せられる光ビームを光学系に導光す
る所定長以上の長さをもった光ファイバと、界面で全反
射した光ビームの強度を測定して、表面プラズモン共鳴
に伴う全反射減衰の状態を検知する光検出手段とからな
ることを特徴とするものである。
【0017】本発明による第3の全反射減衰を利用した
センサーは、光ビームを発生させる光源と、誘電体ブロ
ック、誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層、
クラッド層の上に形成されて試料に接触させられる光導
波層、および光ビームを誘電体ブロックに対して誘電体
ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られる
ように種々の角度で入射させる光学系からなる測定部
と、光源より発せられる光ビームを光学系に導光する所
定長以上の長さをもった光ファイバと、前記界面で全反
射した光ビームの強度を測定して、光導波層での導波モ
ードの励起に伴う全反射減衰の状態を検知する光検出手
段とからなることを特徴とするものである。
【0018】ここで、「所定長以上」とは、測定を行う
際に、光源が発する熱が測定部に影響を及ぼさないだけ
の距離を意味する。
【0019】上記第1から第3の全反射減衰を利用した
センサーにおいて、光ファイバは、偏波面保存ファイバ
としてもよいし、また、通常の光ファイバを用いた場合
には、光ビームを前記界面にP偏光で入射させるための
偏光板を備えたものとしてもよい。
【0020】また、光ファイバは、一端に光学系と接続
するためのフェルールを備えたものとしてもよい。
【0021】さらに、光源および/または測定部は、光
源および/または測定部の温度を所定の温度に制御する
温度制御手段を備えたものとしてもよい。
【0022】ここで、「測定部」とは、光源以外の少な
くとも誘電体ブロック、誘電体ブロックの一面に形成さ
れた薄膜層および光学系からなるものを意味するが、上
記以外のものを含むものとしてもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明の全反射減衰を利用したセンサー
は、光源を、光学系および誘電体ブロックからなる測定
部から所定長以上の長さをもった光ファイバを用いて分
離したことにより、光源を測定部から光源が発する熱が
測定部に影響を及ぼさない距離だけ離して配することが
できるため、光源の発熱の測定部への影響を抑えること
ができる。
【0024】また、光ファイバにより分離した光源およ
び測定部にそれぞれ独立して温度制御手段を設けた場合
には、光源と測定部を互いに独立して温度制御すること
ができるため、より高度な温度制御が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。本発明の第1の実施形態の
全反射減衰を利用したセンサーは、表面プラズモン共鳴
を利用した表面プラズモンセンサーであり、図1は表面
プラズモンセンサーの側面形状を示すものである。
【0026】この表面プラズモンセンサーは、例えば概
略四角錐の一部が切り取られた形状とされた誘電体ブロ
ック10と、この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)
に形成された、例えば金、銀、銅、アルミニウム等から
なる金属膜12とを有している。
【0027】誘電体ブロック10は例えば透明樹脂等から
なり、金属膜12が形成された部分の周囲が嵩上げされた
形とされ、この嵩上げされた部分10aは液体の試料11を
貯える試料保持部として機能する。なお本例では、金属
膜12の上にセンシング媒体30が固定されるが、このセン
シング媒体30については後述する。
【0028】誘電体ブロック10は金属膜12とともに、使
い捨ての測定チップを構成しており、例えばターンテー
ブル31に複数設けられたチップ保持孔31aに1個ずつ嵌
合固定される。誘電体ブロック10がこのようにターンテ
ーブル31に固定された後、ターンテーブル31が一定角度
ずつ間欠的に回動され、所定位置に停止した誘電体ブロ
ック10に対して液体試料11が滴下され、該液体試料11が
試料保持部10a内に保持される。その後さらにターンテ
ーブル31が一定角度回動されると、誘電体ブロック10が
この図1に示した測定位置に送られ、そこで停止する。
【0029】本実施形態の表面プラズモンセンサーは、
上記誘電体ブロック10に加えてさらに、1本の光ビーム
13を発生させる半導体レーザ等からなる光源14(以下、
レーザ光源14という)と、レーザ光源14により発生され
た光ビーム13を後述のコネクタ50に導光する偏波面保存
光ファイバ52と、偏波面保存光ファイバ52により導光さ
れた光ビーム13を誘電体ブロック10に通し、該誘電体ブ
ロック10と金属膜12との界面10bに対して、種々の入射
角が得られるように入射させる光学系15と、上記界面10
bで全反射した光ビーム13を平行光化するコリメーター
レンズ16と、この平行光化された光ビーム13を検出する
光検出手段17と、光検出手段17に接続された差動アンプ
アレイ18と、ドライバ19と、コンピュータシステム等か
らなる信号処理部20と、この信号処理部20に接続された
表示手段21とを備えている。
【0030】なお、少なくとも誘電体ブロック10および
光学系15を含む測定部は、測定環境安定化のために、図
示しない温度制御手段を備えたものとしてもよい。
【0031】レーザ光源14は、発信安定化のために、図
示しない温度制御手段を備えたものとしてもよい。ま
た、偏波面保存光ファイバ52の出射側一端には、コネク
タ50に偏波面保存光ファイバ52を光学的に高精度に結合
させるためのフェルール51が設けられている。
【0032】入射光学系15は、レーザ光源14から偏波面
保存光ファイバ52により導光され、コネクタ内で発散
光状態で出射した光ビーム13を略平行光化するコリメー
ターレンズ15aと、該略平行光化された光ビーム13を上
記界面10b上で収束するように反射させるミラー15bと
から構成されている。
【0033】光ビーム13は、上記界面10b上で収束する
よう集光されるので、界面10bに対して種々の入射角θ
で入射する成分を含むことになる。なおこの入射角θ
は、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビーム13
は界面10bで全反射し、この反射した光ビーム13には、
種々の反射角で反射する成分が含まれることになる。な
お、上記光学系15は、光ビーム13を界面10bにデフォー
カス状態で入射させるように構成されてもよい。そのよ
うにすれば、表面プラズモン共鳴の状態検出の誤差が平
均化されて、測定精度が高められる。
【0034】なお光ビーム13は、界面10bに対してp偏
光で入射させる必要がある。そのため、レーザ光源14か
ら発生された光ビーム13を偏波面保存光ファイバ52によ
りコネクタ50に導光し、その偏光方向が所定方向となる
ように配設する。その他、通常の光ファイバにより光ビ
ーム13をコネクタ50に導光し、該光ファイバの出射端面
と、入射光学系15との間に偏光板を設けるものとしても
よい。
【0035】以下、上記構成の表面プラズモンセンサー
による試料分析について説明する。
【0036】図1に示す通り、レーザ光源14から偏波面
保存光ファイバ52により導光され、コネクタ内で発散
光状態で出射した光ビーム13は、光学系15の作用によ
り、誘電体ブロック10と金属膜12との界面10b上で収束
する。したがって光ビーム13は、界面10bに対して種々
の入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこの
入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光
ビーム13は界面10bで全反射し、この反射した光ビーム
13には、種々の反射角で反射する成分が含まれることに
なる。
【0037】界面10bで全反射した後、コリメーターレ
ンズ16によって平行光化された光ビーム13は、光検出手
段17により検出される。本例における光検出手段17は、
複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が1列に
並設されてなるフォトダイオードアレイであり、図1の
図示面内において、平行光化された光ビーム13の進行方
向に対してフォトダイオード並設方向がほぼ直角となる
向きに配設されている。したがって、上記界面10bにお
いて種々の反射角で全反射した光ビーム13の各成分を、
それぞれ異なるフォトダイオード17a、17b、17c……
が受光することになる。
【0038】図2は、この表面プラズモンセンサーの電
気的構成を示すブロック図である。図示の通り上記ドラ
イバ19は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18
b、18c……の出力をサンプルホールドするサンプルホ
ールド回路22a、22b、22c……、これらのサンプルホ
ールド回路22a、22b、22c……の各出力が入力される
マルチプレクサ23、このマルチプレクサ23の出力をデジ
タル化して信号処理部20に入力するA/D変換器24、マ
ルチプレクサ23とサンプルホールド回路22a、22b、22
c……とを駆動する駆動回路25、および信号処理部20か
らの指示に基づいて駆動回路25の動作を制御するコント
ローラ26から構成されている。
【0039】上記フォトダイオード17a、17b、17c…
…の各出力は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18
a、18b、18c……に入力される。この際、互いに隣接
する2つのフォトダイオードの出力が、共通の差動アン
プに入力される。したがって各差動アンプ18a、18b、
18c……の出力は、複数のフォトダイオード17a、17
b、17c……が出力する光検出信号を、それらの並設方
向に関して微分したものと考えることができる。
【0040】各差動アンプ18a、18b、18c……の出力
は、それぞれサンプルホールド回路22a、22b、22c…
…により所定のタイミングでサンプルホールドされ、マ
ルチプレクサ23に入力される。マルチプレクサ23は、サ
ンプルホールドされた各差動アンプ18a、18b、18c…
…の出力を、所定の順序に従ってA/D変換器24に入力
する。A/D変換器24はこれらの出力をデジタル化して
信号処理部20に入力する。
【0041】図3は、界面10bで全反射した光ビーム13
の入射角θ毎の光強度と、差動アンプ18a、18b、18c
……の出力との関係を説明するものである。ここで、光
ビーム13の界面10bへの入射角θと上記光強度Iとの関
係は、同図(1)のグラフに示すようなものであるとす
る。
【0042】界面10bにある特定の入射角θSPで入射
した光は、金属膜12と液体試料11との界面に表面プラズ
モンを励起させるので、この光については反射光強度I
が鋭く低下する。つまりθSPが全反射解消角であり、
この角度θSPにおいて反射光強度Iは最小値を取る。
この反射光強度Iの低下は、図1にDで示すように、反
射光中の暗線として観察される。
【0043】また図3の(2)は、フォトダイオード17
a、17b、17c……の並設方向を示しており、先に説明
した通り、これらのフォトダイオード17a、17b、17c
……の並設方向位置は上記入射角θと一義的に対応して
いる。
【0044】そしてフォトダイオード17a、17b、17c
……の並設方向位置、つまりは入射角θと、差動アンプ
18a、18b、18c……の出力I’(反射光強度Iの微分
値)との関係は、同図(3)に示すようなものとなる。
【0045】信号処理部20は、A/D変換器24から入力
された微分値I’の値に基づいて、差動アンプ18a、18
b、18c……の中から、全反射解消角θSPに対応する
微分値I’=0に最も近い出力が得られているもの(図
3の例では差動アンプ18dとなる)を選択し、それが出
力する微分値I’に所定の補正処理を施してから、その
値を表示手段21に表示させる。なお、場合によっては微
分値I’=0を出力している差動アンプが存在すること
もあり、そのときは当然その差動アンプが選択される。
【0046】以後、所定時間が経過する毎に上記選択さ
れた差動アンプ18dが出力する微分値I’が、所定の補
正処理を受けてから表示手段21に表示される。この微分
値I’は、測定チップの金属膜12に接している物質の誘
電率つまりは屈折率が変化して、図3(1)に示す曲線
が左右方向に移動する形で変化すると、それに応じて上
下する。したがって、この微分値I’を時間の経過とと
もに測定し続けることにより、金属膜12に接している物
質の屈折率変化、つまりは特性の変化を調べることがで
きる。
【0047】特に本実施形態では金属膜12に、液体試料
11の中の特定物質と結合するセンシング媒体30を固定し
ており、それらの結合状態に応じてセンシング媒体30の
屈折率が変化するので、上記微分値I’を測定し続ける
ことにより、この結合状態の変化の様子を調べることが
できる。つまりこの場合は、液体試料11およびセンシン
グ媒体30の双方が、分析対象の試料となる。そのような
特定物質とセンシング媒体30との組合せとしては、例え
ば抗原と抗体等が挙げられる。
【0048】以上の説明から明かなように本実施形態で
は、光検出手段17として複数のフォトダイオード17a、
17b、17c……が1列に並設されてなるフォトダイオー
ドアレイを用いているので、液体試料11に応じて図3
(1)に示す曲線が左右方向に移動する形である程度大
きく変化しても、暗線検出が可能である。つまり、この
ようなアレイ状の光検出手段17を用いることにより、測
定のダイナミックレンジを大きく確保することができ
る。
【0049】なお、複数の差動アンプ18a、18b、18c
……からなる差動アンプアレイ18を用いる代わりに1つ
の差動アンプを設け、フォトダイオード17a、17b、17
c……の各出力をマルチプレクサで切り替えて、それら
のうちの隣接する2つの出力をこの1つの差動アンプに
順次入力するようにしても構わない。
【0050】なお、液体試料11の中の特定物質とセンシ
ング媒体30との結合状態の変化の様子を時間経過ととも
に調べるためには、所定時間が経過する毎の微分値I’
を求めて表示するほか、最初に計測した微分値I’(0)
と所定時間経過時に計測した微分値I’(t)との差Δ
I’を求めて表示してもよい。
【0051】本実施の形態による全反射減衰を利用した
センサーによれば、レーザ光源14を、誘電体ブロック10
および光学系15等からなる測定部から光ファイバ52を用
いて分離したことにより、レーザ光源14の発熱の影響
が、測定部に及ばないようにすることが可能である。
【0052】次に、図4を参照して本発明の第2の実施
の形態について説明する。なおこの図4において、図1
中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それら
についての説明は特に必要の無い限り省略する。
【0053】本実施の形態の全反射減衰を利用したセン
サーは、第1の実施の形態で説明した表面プラズモンセ
ンサーを漏洩モードセンサーに変更したものであり、本
例でも測定チップ化された誘電体ブロック10を用いるよ
うに構成されている。この誘電体ブロック10の一面(図
中の上面)にはクラッド層40が形成され、さらにその上
には光導波層41が形成されている。
【0054】誘電体ブロック10は、例えば合成樹脂やB
K7等の光学ガラスを用いて形成されている。一方クラ
ッド層40は、誘電体ブロック10よりも低屈折率の誘電体
や、金等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また
光導波層41は、クラッド層40よりも高屈折率の誘電体、
例えばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されてい
る。クラッド層40の膜厚は、例えば金薄膜から形成する
場合で36.5nm、光導波層41の膜厚は、例えばPMMA
から形成する場合で700nm程度とされる。
【0055】上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、
レーザ光源14から出射した光ビーム13を誘電体ブロック
10を通してクラッド層40に対して全反射角以上の入射角
で入射させると、該光ビーム13が誘電体ブロック10とク
ラッド層40との界面10bで全反射するが、クラッド層40
を透過して光導波層41に特定入射角で入射した特定波数
の光は、該光導波層41を導波モードで伝搬するようにな
る。こうして導波モードが励起されると、入射光のほと
んどが光導波層41に取り込まれるので、上記界面10bで
全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じ
る。
【0056】光導波層41における導波光の波数は、該光
導波層41の上の液体試料11の屈折率に依存するので、全
反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、
液体試料11の屈折率や、それに関連する液体試料11の特
性を分析することができる。そして、上記特定入射角の
近傍における反射光強度Iや、差動アンプアレイ18の各
差動アンプが出力する微分値I’に基づいて液体試料11
の特性を分析することもできる。
【0057】本実施の形態においても第1の実施の形態
と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による表面プラズモ
ンセンサーの側面図
【図2】上記表面プラズモンセンサーの電気的構成を示
すブロック図
【図3】上記表面プラズモンセンサーにおける光ビーム
入射角と検出光強度との関係、並びに光ビーム入射角と
光強度検出信号の微分値との関係を示す概略図
【図4】本発明の第2の実施の形態による漏洩モードセ
ンサーの側面図
【符号の説明】
10 誘電体ブロック 10a 誘電体ブロックの試料保持部 10b 誘電体ブロックと金属膜との界面 11 試料 12 金属膜 13 光ビーム 14 半導体レーザ等 15 光学系 16 コリメーターレンズ 17 光検出手段(フォトダイオードアレイ) 17a、17b、17c…… フォトダイオード 18 差動アンプアレイ 18a、18b、18c…… 差動アンプ 19 ドライバ 20 信号処理部 21 表示手段 22a、22b、22c…… サンプルホールド回路 23 マルチプレクサ 24 A/D変換器 25 駆動回路 26 コントローラ 30 センシング媒体 31 ターンテーブル 40 クラッド層 41 光導波層 50 コネクタ 51 フェルール 52 光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G059 AA01 BB04 DD12 DD13 EE02 EE04 EE05 FF04 FF11 GG01 GG02 JJ11 JJ13 JJ17 JJ19 KK04 MM01 MM09 MM11 NN02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを発生させる光源と、 誘電体ブロック、該誘電体ブロックの一面に形成されて
    試料に接触させられる薄膜層、および前記光ビームを前
    記誘電体ブロックに対して該誘電体ブロックと前記薄膜
    層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で
    入射させる光学系からなる測定部と、 前記光源より発せられる光ビームを前記光学系に導光す
    る所定長以上の長さをもった光ファイバと、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、全反
    射減衰の状態を検知する光検出手段とからなることを特
    徴とする全反射減衰を利用したセンサー。
  2. 【請求項2】 光ビームを発生させる光源と、 誘電体ブロック、該誘電体ブロックの一面に形成されて
    試料に接触させられる金属膜、および前記光ビームを前
    記誘電体ブロックに対して該誘電体ブロックと前記金属
    膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で
    入射させる光学系からなる測定部と、 前記光源より発せられる光ビームを前記光学系に導光す
    る所定長以上の長さをもった光ファイバと、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、表面
    プラズモン共鳴に伴う全反射減衰の状態を検知する光検
    出手段とからなることを特徴とする全反射減衰を利用し
    たセンサー。
  3. 【請求項3】 光ビームを発生させる光源と、 誘電体ブロック、該誘電体ブロックの一面に形成された
    クラッド層、該クラッド層の上に形成されて試料に接触
    させられる光導波層、および前記光ビームを前記誘電体
    ブロックに対して該誘電体ブロックと前記クラッド層と
    の界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射
    させる光学系からなる測定部と、 前記光源より発せられる光ビームを前記光学系に導光す
    る所定長以上の長さをもった光ファイバと、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、前記
    光導波層での導波モードの励起に伴う全反射減衰の状態
    を検知する光検出手段とからなることを特徴とする全反
    射減衰を利用したセンサー。
  4. 【請求項4】 前記光ファイバが、偏波面保存ファイバ
    であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項
    記載の全反射減衰を利用したセンサー。
  5. 【請求項5】 前記光ファイバが、前記光ビームを前記
    界面にP偏光で入射させるための偏光板を備えたことを
    特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の全反射
    減衰を利用したセンサー。
  6. 【請求項6】 前記光ファイバが、一端に前記光学系と
    接続するためのフェルールを備えたことを特徴とする請
    求項1から5のいずれか1項記載の全反射減衰を利用し
    たセンサー。
  7. 【請求項7】 前記光源および/または前記測定部が、
    前記光源および/または前記測定部の温度を所定の温度
    に制御する温度制御手段を備えたことを特徴とする請求
    項1から6のいずれか1項記載の全反射減衰を利用した
    センサー。
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